説明

導電性素子およびその製造方法

【課題】真空成膜技術を用いずに、簡単な製造工程で作製することができる導電性素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】導電性素子の製造方法は、導電性高分子および溶媒を含む導電性組成物を、複数の微細構造体が形成されたモールドの成形面に塗布または印刷する工程と、モールドの成形面に塗布または印刷された導電性組成物に含まれる溶媒を除去し、導電層を形成する工程と、導電層に基体を貼り合わせる工程と、基体が貼り合わされた導電層をモールドの成形面から剥離する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、導電性素子およびその製造方法に関する。詳しくは、複数の微細構造体を表面に有する導電性素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペーパーなどの表示装置、およびタッチパネルなどの入力装置には、透明導電層を基体の平坦面上に形成した導電性素子が用いられている。この導電性素子に使用されている透明導電層の材料としては、屈折率が約2.0程度である高屈折率材料(例えばITO(Indium Tin Oxide))が用いられている。このため、透明導電層の厚さによっては反射率が高くなってしまい、表示装置および入力装置の品質を損ねてしまうことがある。
【0003】
従来、導電性素子の透過特性を向上するためには、光学多層膜を形成する技術が用いられている。例えば特許文献1では、基材と透明導電層との間に光学多層膜を設けたタッチパネル用の導電性素子が提案されている。この光学多層膜は、屈折率の異なる複数の誘電体層を順次積層して形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−136625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の技術では、スパッタリングなどの真空成膜技術を用いて透明導電層や誘電体層を形成する必要があるため、製造工程が複雑になる。そこで、真空成膜技術を用いずに、より簡単な製造工程により導電性素子を作製する技術が望まれている。
【0006】
したがって、本技術の目的は、真空成膜技術を用いずに、簡単な製造工程で作製することができる導電性素子およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
導電性高分子および溶媒を含む導電性組成物を、モールドの成形面に塗布または印刷する工程と、
モールドの成形面に塗布または印刷された導電性組成物に含まれる溶媒を除去し、導電層を形成する工程と、
導電層に基体を貼り合わせる工程と、
基体が貼り合わされた導電層をモールドの成形面から剥離する工程と
を備え、
成形面には、複数の微細構造体が形成されている導電性素子の製造方法である。
【0008】
第1の技術では、導電性高分子および溶媒を含む導電性組成物を、モールドの成形面に塗布または印刷し、導電性組成物に含まれる溶媒を除去し、導電層を形成した後、導電層に基体を貼り合わせて、導電層をモールドの成形面から剥離することにより、導電性素子を作製することができる。したがって、真空成膜技術を用いずに、基体の表面に導電性を有する微細構造体を形成することができる。
【0009】
第2の技術は、表面を有する基体と、
基体の表面に形成された複数の微細構造体と
を備え、
微細構造体が、導電性高分子を含んでいる導電性素子である。
【0010】
第2の技術では、微細構造体自体に導電性高分子を含ませているので、微細構造体の表面に透明導電層を備える導電性素子に比して、導電性素子の構成をより簡素化できる。また、導電性素子表面の界面数を減らすことができる。
【0011】
本技術において、微細構造体の形状としては、凸状および凹状の少なくとも一方の形状を採用することが可能である。微細構造体の配列としては、1次元配列または2次元配列を採用することが好ましい。1次元配列を採用する場合、微細構造体としては一方向に延在された柱状体を用いることが好ましい。2次元配列を採用する場合、微細構造体としては錐体または柱状体を用いることが好ましい。また、微細構造体の配列としては、規則的配列および不規則的配列の少なくとも一方の配列を用いることが可能である。規則的な配列としては、四方格子状配列や六方格子状配列などの格子状配列を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本技術によれば、真空成膜技術を用いずに、簡単な製造工程で導電性素子を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1Aは、本技術の第1の実施形態に係る導電性素子の構成の一例を示す断面図である。図1Bは、図1Aに示した導電性素子の一部を拡大して表す拡大断面図である。
【図2】図2Aは、本技術の第2の実施形態に係る導電性素子の構成の他の例を示す断面図である。図2Bは、図2Aに示した導電性素子の一部を拡大して表す拡大断面図である。
【図3】図3A〜図3Eは、本技術の第1の実施形態に係る導電性素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【図4】図4Aは、本技術の第2の実施形態に係る導電性素子の構成の一例を示す断面図である。図4Bは、図4Aに示した導電性素子の一部を拡大して表す拡大断面図である。
【図5】図5A〜図5Fは、本技術の第2の実施形態に係る導電性素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【図6】図6Aは、本技術の第3の実施形態に係る導電性素子の構成の一例を示す断面図である。図6Bは、図6Aに示した第1の領域R1を拡大して表す拡大断面図である。図6Cは、図6Aに示した第2の領域R2を拡大して表す拡大断面図である。
【図7】図7Aは、本技術の第3の実施形態に係る導電性素子の構成の他の例を示す断面図である。図7Bは、図7Aに示した第1の領域R1を拡大して表す拡大断面図である。図7Cは、図7Aに示した第2の領域R2を拡大して表す拡大断面図である。
【図8】図8A〜図8Eは、本技術の第3の実施形態に係る導電性素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本技術の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
1.第1の実施形態(波面を有する透明導電層を基体表面に設けた例)
2.第2の実施形態(基体と透明導電層とを貼合層により貼り合わせた例)
3.第3の実施形態(所定パターンを有する透明導電性を基体表面に設けた例)
【0015】
<1.第1の実施形態>
[導電性素子の構成]
図1Aは、本技術の第1の実施形態に係る導電性素子の構成の一例を示す断面図である。図1Bは、図1Aに示した導電性素子の一部を拡大して表す拡大断面図である。図1Aに示すように、導電性素子1は、基体(第1の層)2と、基体2の一主面に形成された透明導電層3とを備える。図1Bに示すように、透明導電層3は、基体2側とは反対側となる一主面に波面Swを有する。また、必要に応じて、図2A、図2Bに示すように、導電性素子1は、透明導電層3の波面Swに形成された保護層(第2の層)6をさらに備え、透明導電層3の両主面がそれぞれ基体(第1の層)2、保護層(第2の層)6により覆われた構成としてもよい。導電性素子1は可撓性を有していることが好ましい。導電性素子1は、例えば、情報入力装置や表示装置などに適用して好適な透明導電性素子である。
【0016】
以下、導電性素子1を構成する基体2、保護層6、および透明導電層3について順次説明する。
【0017】
(基体)
基体2は、例えば、透明性を有する透明基体である。基体2の材料としては、例えば、透明性を有するプラスチック材料、ガラスなどを主成分とするものが挙げられるが、これらの材料に特に限定されるものではない。
【0018】
ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、液晶化ガラスなど(「化学便覧」基礎編、P.I-537、日本化学会編参照)が用いられる。プラスチック材料としては、透明性、屈折率、および分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、および耐久性などの諸特性の観点から、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート、スチレンなどといったビニルモノマーとの共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR-39)などのポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合体、(臭素化)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体及び共重合体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび不飽和ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー(商品名:アートン、ゼオノア)、シクロオレフィンコポリマーなどが好ましい。また、耐熱性を考慮したアラミド系樹脂の使用も可能である。
【0019】
基体2としてプラスチック材料を用いる場合、プラスチック表面の表面エネルギー、接着性、平面性などをより改善するために、表面処理として下塗り層を設けるようにしてもよい。この下塗り層としては、例えば、オルガノアルコキシメタル化合物、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。また、下塗り層を設けるのと同様の効果を得るために、基体2の表面に対してコロナ放電、UV照射処理、プラズマ処理を行うようにしてもよい。
【0020】
基体2の形状としては、例えば、シート状、プレート状、ブロック状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。ここで、シートにはフィルムが含まれるものと定義する。基体2の厚さは、導電性素子211の用途に応じて適宜選択することが好ましく、例えば25μm〜500μm程度である。基体2がプラスチックフィルムである場合には、基体2は、例えば、押出し成型や溶融キャスト成型などの方法により成形可能であり、成形後の基体2に対して必要に応じて延伸やアニール処理などを施すようにしてもよい。
【0021】
(保護層)
保護層6は、例えば、透明性を有する光学層であり、基体7と、基体7と透明導電層3との間に設けられた貼合層8とを備え、この貼合層8を介して基体2が透明導電層3上に貼り合わされる。基体7の材料としては、例えば、上述の基体2と同様の材料を用いることができる。貼合層8の材料としては、例えば、アクリル系樹脂などの一般的な有機系材料、シリカなどの無機系材料、またはそれらのハイブリッド材料を用いることが可能であるが、特にこれらの材料に限定されるものではない。
【0022】
(透明導電層)
透明導電層3は、導電性高分子を主成分として含んでいる。導電性高分子は、有機溶媒溶解性または水溶解性など溶解性を有しているものが好ましい。具体的には、導電性高分子としては、ポリチオフェン系、ポリアニリン系、ポリピロール系などの導電性高分子材料を用いることができ、ポリチオフェン系の導電性高分子材料を用いることが好ましい。ポリチオフェン系の導電性高分子材料としては、ポリエチレンジオキシチオフェンを用いることが好ましい。また、導電性高分子材料としては、紫外線硬化型や熱硬化型の材料を用いるようにしてもよい。透明導電層3が、基体2との接着性向上の観点から、基体2に対する接着機能を付与し得る成分をさらに含有することが好ましく、このような成分としては、例えば、アクリル系樹脂などの有機系材料が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。透明導電層3が、必要に応じて、バインダ、導電性粒子、有機フィラー、無機フィラー、レベリング剤、剥離剤などを含んでいてもよい。導電性粒子としては、例えば、金属ナノ粒子および金属化合物ナノ粒子の少なくとも1種を用いることができる。有機フィラーとしては、例えば、アクリル樹脂を主成分とするものを用いることができる。無機フィラーとしては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムの少なくとも1種を主成分とするものが好ましい。剥離剤としては、フッ素系樹脂およびシリコン系樹脂の少なくとも1種を用いることができる。
【0023】
透明導電層3は、上述したように波面Swを有する。波面Swの平均波長λmに対する波面Swの振動の平均幅Amの比率(Am/λm)が、好ましくは0.2以上10.0以下、より好ましくは0.3以上3.0以下の範囲内である。比率(Am/λm)が0.2未満であると、波面Swによる光学調整機能が低下する傾向がある。一方、比率(Am/λm)が10.0を超えると、剥離工程にて、透明導電層3を原盤より剥離しにくくなる傾向がある。なお、剥離工程の詳細については後述する。
【0024】
波面Swの平均波長λmは、光学調整を目的とする光の波長帯域以下であることが好ましい。ここで、光学調整とは、透過特性および/または反射特性の光学調整を示す。光学調整を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm〜360nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。具体的には、波面Swの平均波長λmは、好ましくは100nm以上500nm以下、より好ましくは150nm以上300nm以下の範囲内である。平均波長λmが100nm未満であると、剥離工程にて、透明導電層3を原盤より剥離しにくくなる傾向がある。一方、平均波長λmが500nmを超えると、光学調整機能が低下する傾向がある。
【0025】
波面Swの振動の平均幅Amは、好ましくは28nm以上500nm以下、より好ましくは50nm以上350nm以下の範囲内である。波面Swの振動の平均幅Amが28nm未満であると、光学調整機能が劣化する傾向がある。一方、波面Swの振動の平均幅Amが500nmを超えると、剥離工程にて、透明導電層3を原盤より剥離しにくくなる傾向がある。
【0026】
ここで、波面Swの平均波長λm、振動の平均幅Am、および比率(Am/λm)は、以下のようにして求めたものである。まず、波面Swの振動の幅が最大となる位置を含むようにして導電性素子1を一方向に切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)にて撮影する。次に、撮影したTEM写真から、波面Swの波長λおよび振動の幅Aを求める。この測定を導電性素子1から無作為に選び出された10箇所で繰り返し行い、測定値を単純に平均(算術平均)して波面Swの平均波長λm、および振動の平均幅Amを求める。次に、これらの平均波長λm、および振動の平均幅Amを用いて、比率(Am/λm)を求める。
【0027】
波面Swは、基体2の表面に複数の構造体4を形成することにより形成されている。導電層3が、必要に応じて構造体4と基体2との間に基底層5をさらに備えるようにしてもよい。基底層5は、構造体4の底面側に構造体4と一体成形される層であり、構造体4と同様の導電性高分子を主成分として含んでいる。
【0028】
構造体4は、例えば、基体2の表面に対して凸状を有し、基体2の表面に対して2次元配列されている。構造体4は、反射の低減を目的とする光の波長帯域以下の短い平均配置ピッチで周期的に2次元配列されていることが好ましい。
【0029】
複数の構造体4は、例えば、基体2の表面において複数列のトラックTをなすような配置形態を有する。ここで、トラックとは、構造体4が列をなして連なった部分のことをいう。複数例のトラックをなすように配列された複数の構造体21が、例えば、四方格子状または六方格子状などの所定の配置パターンをなすようにしてもよい。構造体21の高さが基体1の表面において規則的または不規則的に変化するようにしてもよい。
【0030】
トラックTの形状としては、直線状、円弧状などを用いることができ、これらの形状のトラックTをウォブル(蛇行)させるようにしてもよい。このようにトラックTをウォブルさせることで、外観上のムラの発生を抑制できる。
【0031】
トラックTをウォブルさせる場合には、基体2上における各トラックTのウォブルは、同期していることが好ましい。すなわち、ウォブルは、シンクロナイズドウォブルであることが好ましい。このようにウォブルを同期させることで、四方格子状または六方格子状などの単位格子形状を保持し、充填率を高く保つことができる。ウォブルしたトラックTの波形としては、例えば、サイン波、三角波などを挙げることができる。ウォブルしたトラックTの波形は、周期的な波形に限定されるものではなく、非周期的な波形としてもよい。ウォブルしたトラックTのウォブル振幅は、例えば±10nm程度に選択される。
【0032】
構造体4の具体的な形状としては、例えば、錐体状、柱状、針状、半球体状、半楕円体状、多角形状などが挙げられるが、これらの形状に限定されるものではなく、他の形状を採用するようにしてもよい。錐体状としては、例えば、頂部が尖った錐体形状、頂部が平坦な錐体形状、頂部に凸状または凹状の曲面を有する錐体形状が挙げられ、電気的信頼性の観点からすると、頂部に凸状の曲面を有する錐体形状が好ましいが、これらの形状に限定されるものではない。頂部に凸状の曲面を有する錐体形状としては、放物面状などの2次曲面状などが挙げられる。また、錐体状の錐面を凹状または凸状に湾曲させるようにしてもよい。光ディスクの原盤作製プロセスとエッチングプロセスとを融合した方法を用いる場合には、構造体4の形状として、頂部に凸状の曲面を有する楕円錐形状、または頂部が平坦な楕円錐台形状を採用し、それらの底面を形成する楕円形の長軸方向をトラックTの延在方向と一致させることが好ましい。
【0033】
構造体4が、その下部同士を重ね合うようにして繋がっていることが好ましい。具体的には、隣接関係にある構造体4の一部または全部の下部同士が重なり合っていることが好ましい。このように構造体4の下部同士を重なり合わせることで、構造体4の充填率を向上することができる。構造体同士は、屈折率を考慮した光路長で使用環境下の光の波長帯域の最大値の1/4以下の部分で重なり合っていることが好ましい。これにより、優れた光学調整機能を得ることができるからである。
【0034】
[導電性素子の製造方法]
図3A〜図3Eは、本技術の第1の実施形態に係る導電性素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【0035】
(原盤作製工程)
まず、図3Aに示すように、表面に波面Swiを有する原盤(モールド)11を作製する。波面Swiは、原盤11の表面に複数の構造体11aを形成することにより形成されている。構造体11aは、原盤11の表面に対して凹状を有し、原盤11の表面に対して2次元配列されている。波面Swiと、上述した透明導電層3の波面Swとは、反転した凹凸関係にある。すなわち、構造体4と、上述した透明導電層3の構造体11aとは、反転した凹凸関係にある。波面Swiは、例えば、フォトリソグラフィとエッチングとにより作製することができる。エッチング処理の方法としては、例えば、ケミカルエッチングやドライエッチングなどの方法を用いることができる。原盤11の波面Swiに剥離処理を施すこと、または原盤11に剥離剤を含有させることが好ましい。後述する剥離工程において、透明導電層3の剥離が容易となるからである。
【0036】
(塗布工程)
次に、図3Bに示すように、原盤11の波面Swi上に導電性組成物12を塗布する。導電性組成物12は、例えば、導電性高分子および溶媒を含み、導電性高分子が溶媒に分散されている。溶媒は、導電性高分子の溶解性を考慮して選択することが好ましく、具体的には、水または有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、エステル系溶媒(酢酸ブチル、酢酸エチルなど)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブタノン、アセトン、シクロヘキサノンなど)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、ブタノール、ターシャリーブタノール、イソプロプロアルコールなど)などを用いることができる。導電性組成物12が、基体2に対する接着機能を付与し得る成分をさらに含有することが好ましい。これにより、後述する貼合工程において、基体2に対する透明導電層3の接着性を向上することができるからである。また、導電性組成物12が、必要に応じて、バインダ、導電性粒子、有機フィラー、無機フィラー、レベリング剤、離型剤などをさらに含んでいてもよい。
【0037】
(乾燥工程)
次に、原盤11の波面Swi上に塗布された導電性組成物12を乾燥し、導電性組成物12に含まれる溶媒を除去する。これにより、図3Cに示すように、透明導電層3が原盤11の波面Swi上に形成される。この際、導電性組成物12に含まれる溶媒を実質的に除去することが好ましい。溶媒が実質的に除去されていない場合には、白化や気泡の発生を招く虞がある。乾燥方法は特に限定されるものではなく、加熱などの人工的な乾燥、および自然乾燥のいずれを用いることもできる。また、乾燥後に必要に応じてナノ粒子などを焼結するためのプロセスを施すようにしてもよい。
【0038】
(貼合工程)
次に、必要に応じて、透明導電層3の表面に対してコロナ処理、UV照射処理、プラズマ処理などの表面処理を施すようにしてもよい。これにより、基体2と透明導電層3との接着性を向上することができる。次に、図3Dに示すように、透明導電層3に対して基体2を貼り合わせる。
【0039】
(剥離工程)
次に、基体2に貼り合わされた透明導電層3を原盤11の波面Swiから剥離する。これにより、図3Eに示すように、導電性素子1が得られる。
【0040】
(保護層形成工程)
次に、図2Bに示すように、必要に応じて、透明導電層3の波面Swに光学層6を形成するようにしてもよい。
【0041】
第1の実施形態では、原盤11の波面(成形面)Swに導電性組成物12を塗布し、導電性組成物12に含まれる溶媒を除去して透明導電層3を形成し、透明導電層12を原盤11の成形面から剥離している。したがって、基体2に導電性組成物12を塗布し、導電性組成物12に含まれる溶媒を除去し、原盤11の波面(成形面)Swの形状を転写する製造方法に比して転写性を向上することができる。特に、成形面が複数の微細な構造体11aにより形成されている場合に、転写性の向上の度合いが大きい。
【0042】
また、導電性組成物12を原盤11の波面Swに塗布し、導電性組成物12に含まれる溶媒を除去することにより、透明導電層3を形成しているので、複数の構造体11aにより形成された波面Swに導電性組成物12を良好に浸透させることができる。したがって、原盤11の波面Swの転写性を向上することができる。
【0043】
また、波面Swの平均波長λmを、光学調整を目的とする光の波長帯域以下に選択した場合には、波長依存性が少なく、視認性の優れた光学調整機能を有する導電性素子を提供することができる。ここで、光学調整機能とは、透過特性および/または反射特性の光学調整機能を示す。
【0044】
<2.第2の実施形態>
[導電性素子の構成]
図4Aは、本技術の第2の実施形態に係る導電性素子の構成の一例を示す断面図である。図4Bは、図4Aに示した導電性素子の一部を拡大して表す拡大断面図である。第2の実施形態に係る導電性素子1は、基体2と透明導電層3との間に貼合層9をさらに備え、この貼合層9により基体2と透明導電層3とを貼り合わせている点において、第1の実施形態に係るものとは異なっている。
【0045】
貼合層9は、例えば、熱硬化性樹脂組成物、エネルギー線硬化性樹脂組成物、または感圧性粘着剤(PSA:Pressure Sensitive Adhesive)などを主成分としている。エネルギー線硬化性樹脂組成物とは、エネルギー線を照射することによって硬化させることができる樹脂組成物を意味する。エネルギー線とは、電子線、紫外線、赤外線、レーザー光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、高周波などのラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応の引き金と成りうるエネルギー線を示す。エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、他の樹脂組成物と混合して用いるようにしてもよく、例えば熱硬化性樹脂組成物などの他の硬化性樹脂組成物と混合して用いてもよい。また、エネルギー線硬化性樹脂組成物は、有機無機ハイブリッド材料であってもよい。また、2種以上のエネルギー線硬化性樹脂組成物を混合して用いるようにしてもよい。エネルギー線硬化性樹脂組成物組成物としては、紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂組成物を用いることが好ましい。
【0046】
[導電性素子の製造方法]
図5A〜図5Fは、本技術の第2の実施形態に係る導電性素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【0047】
(原盤作製工程、塗布工程、および乾燥工程)
まず、図5A〜図5Cに示すように、第1の実施形態と同様に原盤作製工程、塗布工程、および乾燥工程を行う。これにより、透明導電層3が原盤12の波面Swi上に形成される。
【0048】
(塗工工程)
次に、必要に応じて、透明導電層3の表面に対してコロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を施すようにしてもよい。これにより、基体2と貼合層9との接着性を向上することができる。次に、図5Dに示すように、透明導電層3の表面に対して熱硬化性樹脂組成物、またはエネルギー線硬化性樹脂組成物などの樹脂組成物13を塗布する。
【0049】
(貼合工程)
次に、樹脂組成物13上に基体2を載置し、樹脂組成物13に対して加熱処理またはエネルギー線照射処理を施すことにより、樹脂組成物13を硬化する。これにより、図5Eに示すように、透明導電層3と基体2とが貼合層9により貼り合わされる。また、透明導電層3または基体2の表面に対して、感圧性粘着剤を主成分とする貼合層9を形成し、この貼合層9を介して透明導電層3と基体2とを貼り合わせるようにしてもよい。
【0050】
(剥離工程)
次に、基体2に貼り合わされた透明導電層3を原盤11の波面Swiから剥離する。これにより、図5Eに示すように、導電性素子1が得られる。
【0051】
(保護層形成工程)
次に、図2Bに示すように、必要に応じて、透明導電層3の波面Swに光学層6を形成するようにしてもよい。
【0052】
<3.第3の実施形態>
[導電性素子の構成]
図6Aは、本技術の第3の実施形態に係る導電性素子の構成の一例を示す断面図である。図6Bは、図6Aに示した第1の領域R1を拡大して表す拡大断面図である。図6Cは、図6Aに示した第2の領域R2を拡大して表す拡大断面図である。図6Aに示すように、第3の実施形態に係る導電性素子1は、透明導電層3が所定パターンを有している点において第1の実施形態に係るものとは異なっている。所定パターンとしては、例えば、表示装置または情報入力装置の電極パターンが挙げられる。
【0053】
基体2の表面には、第1の領域R1および第2の領域R2が交互に設定されている。第1の領域R1および第2の領域R2のうち第1の領域R1には、所定パターンを有する透明導電層3が連続的に形成されているのに対して、第2の領域R2には、所定パターンを有する透明導電層3が形成されておらず、透明導電層3間の絶縁領域として機能する。また、必要に応じて、図7A〜図7Cに示すように、導電性素子1は、透明導電層3の波面Swに形成された保護層6をさらに備え、透明導電層3の両主面がそれぞれ基体2、保護層6により覆われた構成としてもよい。
【0054】
[導電性素子の製造方法]
図8A〜図8Eは、本技術の第3の実施形態に係る導電性素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【0055】
(原盤作製工程)
まず、図8Aに示すように、第1の実施形態と同様にして、表面に波面Swiを有する原盤11を作製する。
【0056】
(印刷工程)
次に、図8Bに示すように、原盤11の波面Swi上に導電性組成物12を所定パターンをなすように印刷する。印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット法を用いることができる。
【0057】
(乾燥工程)
次に、原盤11の波面Swi上に塗布された導電性組成物12を乾燥し、導電性組成物12に含まれる溶媒を除去する。これにより、図8Cに示すように、所定パターンを有する透明導電層3が原盤12の波面Swi上に形成される。
【0058】
(貼合工程)
次に、必要に応じて、透明導電層3の表面に対してコロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を施すようにしてもよい。これにより、基体2と透明導電層3との接着性を向上することができる。次に、図8Dに示すように、透明導電層3に対して基体2を貼り合わせる。
【0059】
(剥離工程)
次に、基体2に貼り合わされた透明導電層3を原盤11の波面Swiから剥離する。これにより、図8Eに示すように、導電性素子1が得られる。
【0060】
(保護層形成工程)
次に、図7Bおよび図7Cに示すように、必要に応じて、透明導電層3の波面Swに光学層6を形成するようにしてもよい。
【0061】
(本技術の構成)
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)導電性高分子および溶媒を含む導電性組成物を、モールドの成形面に塗布または印刷する工程と、
上記モールドの成形面に塗布または印刷された導電性組成物に含まれる溶媒を除去し、導電層を形成する工程と、
上記導電層に基体を貼り合わせる工程と、
上記基体が貼り合わされた上記導電層を上記モールドの成形面から剥離する工程と
を備え、
上記成形面には、複数の微細構造体が形成されている導電性素子の製造方法。
(2)上記貼り合わせの工程では、上記基体と上記導電層とを貼合層により貼り合わせる(1)記載の導電性素子の製造方法。
(3)上記貼り合わせの工程では、上記基体と上記導電層との間に熱硬化性樹脂組成物またはエネルギー線硬化性樹脂組成物を介在させ、上記熱硬化性樹脂組成物または上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化することにより、上記基体と上記導電層とを上記貼合層により貼り合わせる(2)記載の導電性素子の製造方法。
(4)上記導電性高分子が、ポリエチレンジオキシチオフェンを含んでいる(1)〜(3)のいずれか1項に記載の導電性素子の製造方法。
(5)上記導電性組成物が、金属ナノ粒子または金属化合物ナノ粒子をさらに含んでいる(1)〜(4)のいずれか1項に記載の導電性素子の製造方法。
(6)上記成形面は、可視光の波長帯域以下の平均波長λmを有する波面である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の導電性素子の製造方法。
(7)上記塗布または印刷の工程では、所定パターンをなすように上記導電性組成物を上記モールドの成形面に塗布または印刷する(1)〜(6)のいずれか1項に記載の導電性素子の製造方法。
(8)上記所定パターンが、電極パターンである(7)記載の導電性素子の製造方法。
(9)表面を有する基体と、
上記基体の表面に形成された複数の微細構造体と
を備え、
上記微細構造体が、導電性高分子を含んでいる導電性素子。
【実施例】
【0062】
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
(原盤作製工程)
まず、原盤の表面に以下のようにしてレジスト層を着膜した。すなわち、シンナーでフォトレジストを1/10に希釈し、この希釈レジストをディッピング法により原盤の表面上に厚さ70nm程度に塗布することにより、レジスト層を着膜した。次に、着膜したレジスト層を露光することにより、隣接する3列のトラック間において六方格子パターンをなす潜像をレジスト層にパターニングした。具体的には、六方格子状の露光パターンが形成されるべき領域に対して、原盤表面まで露光するパワー0.50mW/mのレーザー光を照射し六方格子状の露光パターンを形成した。
【0064】
次に、原盤上のレジスト層に現像処理を施して、露光した部分のレジスト層を溶解させて現像を行った。これにより、六方格子パターンにレジスト層が開口しているマスクパターンが得られた。
【0065】
次に、CHF3ガス雰囲気中でのプラズマエッチングを原盤表面に対して行った。これにより、原盤表面において、レジスト層から露出している六方格子パターンの部分のみエッチングが進行し、その他の領域はレジスト層がマスクとなりエッチングはされず、楕円錐形状の凹部が原盤表面に形成された。この際、エッチング量(深さ)は、エッチング時間によって調整した。最後に、O2アッシングにより完全にレジスト層を除去することにより、凹形状の六方格子パターンを有する原盤が得られた。
【0066】
(塗布工程)
次に、下記の組成を有する導電性組成物を調製した後、調製した導電性組成物を原盤表面に塗布した。
導電性高分子(ポリエチレンジオキシチオフェン):5質量%
バインダ(ポリエチレングリコール):1質量%
溶媒(エタノール):94質量%
【0067】
(乾燥工程)
次に、塗布した導電性組成物を80℃×5分の環境下にて乾燥させて、導電性組成物に含まれる溶媒を除去した。これにより、原盤表面に透明導電層が形成された。
【0068】
(貼合工程)
次に、形成した透明導電層の表面に対してPETシートを載置し、押圧することにより、透明導電層とPETシートとを貼り合わせた。
【0069】
(剥離工程)
次に、PETシートが貼り合わされた透明導電層を原盤表面から剥離した。これにより、下記の構成を有する複数の構造体が透明導電層の表面に形成された。
構造体の配列:六方格子
構造体の形状:釣鐘型
構造体の平均配置ピッチ(平均波長λm)Pm:300nm
構造体の平均高さ(振動の平均幅Am)Hm:270nm
構造体のアスペクト比(Hm/Pm):0.9
以上により、目的とする透明導電性シートが得られた。
【0070】
(比較例1)
(原盤作製工程)
まず、実施例1と同様にして原盤を作製した。
【0071】
(転写工程)
次に、上述のようにして得られた原盤を用いて、UVインプリントにより複数の構造体をPETシート上に作製した。
PETシート表面に形成された構造体の構成を以下に示す。
構造体の配列:六方格子
構造体の形状:釣鐘型
構造体の平均配置ピッチ(平均波長λm)Pm:300nm
構造体の平均高さ(振動の平均幅Am)Hm:270nm
構造体のアスペクト比(Hm/Pm):0.9
【0072】
(成膜工程)
次に、スパッタリング法により、複数の構造体が形成されたPETシート表面に、厚さ30nmの厚さを有するITO層を形成した。ここで、ITO層の厚さは、構造体頂部におけるITO層の厚さである。
以上により、目的とする透明導電性シートが得られた。
【0073】
(反射特性の評価)
まず、上述のようにして作製した実施例1および比較例1の透明導電性シートの裏面(シート側表面)に黒色テープを貼り合わせることにより、測定試料を作製した。次に、この測定試料の波長帯域350nm〜800nmでの反射スペクトルを、分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V−550)により測定した。その結果を表1に示す。
【0074】
表1は、実施例1および比較例1の透明導電性シートの400nm、550nm、600nmの反射率を示す。
【表1】

【0075】
表1から以下のことがわかる。
構造体上にITO層を形成した比較例1では、短波長側で反射率が上昇する傾向がある。これに対して、構造体自体を導電性高分子により形成した実施例1では、短波長側での反射率上昇を抑制することができる。このような光学特性の違いは以下の点に理由があると考えられる。すなわち、比較例1では、ITO層に由来する吸収、およびITO層と構造体との屈折率の違いによって光学調整機能が低下する。これに対して、実施例1では、構造体自体を導電性材料により形成することで、比較例1のようなITO層と構造体との屈折率の違いがなくなるためと考えられる。
【0076】
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0077】
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
【0078】
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0079】
また、上述の実施形態では、透明性を有する導電性素子に対して本技術を適用した例について説明したが、本技術はこの例に限定されるものではなく、不透明性を有する導電性素子に対しても本技術は適用可能である。不透明性を有する導電性素子としては、例えば、基体、導電層、および貼合層の少なくとも1つが不透明であるもの、導電性素子の表面またはその内部に不透明な層がさらに形成されたものが挙げられる。
【0080】
また、本技術の導電性素子およびその製造方法は、表示装置や情報入力装置などに用いられる導電性素子およびその製造方法に適用して好適なものである。表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)ディスプレイ、電子ペーパー、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。情報入力装置としては、例えば、抵抗膜方式タッチパネル、静電容量方式タッチパネルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0081】
1 導電性素子
2 基体
3 透明導電層
4 構造体
5 基底層
6 光学層
7 基体
8 貼合層
11 原盤
12 導電性組成物
13 樹脂組成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性高分子および溶媒を含む導電性組成物を、モールドの成形面に塗布または印刷する工程と、
上記モールドの成形面に塗布または印刷された導電性組成物に含まれる溶媒を除去し、導電層を形成する工程と、
上記導電層に基体を貼り合わせる工程と、
上記基体が貼り合わされた上記導電層を上記モールドの成形面から剥離する工程と
を備え、
上記成形面には、複数の微細構造体が形成されている導電性素子の製造方法。
【請求項2】
上記貼り合わせの工程では、上記基体と上記導電層とを貼合層により貼り合わせる請求項1記載の導電性素子の製造方法。
【請求項3】
上記貼り合わせの工程では、上記基体と上記導電層との間に熱硬化性樹脂組成物またはエネルギー線硬化性樹脂組成物を介在させ、上記熱硬化性樹脂組成物または上記エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化することにより、上記基体と上記導電層とを上記貼合層により貼り合わせる請求項2記載の導電性素子の製造方法。
【請求項4】
上記導電性高分子が、ポリエチレンジオキシチオフェンを含んでいる請求項1記載の導電性素子の製造方法。
【請求項5】
上記導電性組成物が、金属ナノ粒子または金属化合物ナノ粒子をさらに含んでいる請求項1記載の導電性素子の製造方法。
【請求項6】
上記成形面は、可視光の波長帯域以下の平均波長λmを有する波面である請求項1記載の導電性素子の製造方法。
【請求項7】
上記塗布または印刷の工程では、所定パターンをなすように上記導電性組成物を上記モールドの成形面に塗布または印刷する請求項1記載の導電性素子の製造方法。
【請求項8】
上記所定パターンが、電極パターンである請求項7記載の導電性素子の製造方法。
【請求項9】
表面を有する基体と、
上記基体の表面に形成された複数の微細構造体と
を備え、
上記微細構造体が、導電性高分子を含んでいる導電性素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−203091(P2012−203091A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65937(P2011−65937)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】