説明

導電性高分子の製造方法、導電性高分子、導電性高分子成形品、積層体、アクチュエータの製造方法及びアクチュエータ

【課題】本発明の目的は、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が優れ、しかも発生力がより大きい導電性高分子の製造方法を提供し、前記製造方法により得られた導電性高分子、前記導電性高分子を用いた導電性高分子成形品、前記導電性高分子を含む導電性高分子層と固体電解質層とを含む積層体、前記導電性高分子成形品または積層体を駆動部または押圧部に用いたアクチュエータの製造方法、及び前記アクチュエータの製造方法により得られたアクチュエータを提供する。
【解決手段】電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1酸化還元サイクル当たりの伸縮率及び発生力が良好な導電性高分子の製造方法、導電性高分子、導電性高分子成形品、積層体、アクチュエータの製造方法及びアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリピロールなどの導電性高分子は、電気化学的な酸化還元によって伸縮あるいは変形する現象である電解伸縮を発現することが知られている。この導電性高分子の電解伸縮は、伸縮の際に押圧や引張り等の発生力が生じることから、マイクロマシン、人工筋肉、義手・義足、パワードスーツなどのアクチュエータ等の用途として応用が期待され、近年注目されている。このような導電性高分子の製造方法としては、電解重合法により製造されるのが一般的である。電解重合法としては、通常は、電解液中にピロール等のモノマー成分を加え、この電解液中に作用電極及び対向電極を設置して、両電極に電圧を印加することで導電性高分子膜を作用電極上に得る方法が行われる。
【0003】
電解重合により得られた導電性高分子は、人工筋肉に用いられている導電性高分子として、1酸化還元サイクル当たりの伸張と発生力とについては、膜に形成されたポリピロールの伸縮率が1%であるときに3MPaの発生力が得られる程度であることが知られている。(例えば、非特許文献1)。
【0004】
【非特許文献1】シンセティックメタルズ(Synthetic Metals),90(1997)93−100
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、導電性高分子をマイクロマシンや人工筋肉、義手・義足などのアクチュエータに用いる場合には、アクチュエータにより大きな変位運動をさせることが目的となるので、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を現状の1%程度から大きく改善する必要がある。しかし、アクチュエータの伸縮率と発生力との関係は、アクチュエータに対する荷重付加物を変位させるための力である発生力を大きくする場合にはアクチュエータの伸縮率が小さくなるという、反比例の関係にある。従って、従来の導電性高分子を用いたアクチュエータについて、1酸化還元サイクルで得られる伸縮率を1%よりも大きくした場合には、発生力は3MPaよりも低下してしまい、伸縮率と発生力との両方のバランスの優れた導電性高分子を得ることは難しい。また、従来の導電性高分子を用いたアクチュエータは、ドーパントにベンゼンスルホン酸ナトリウムやp−トルエンスルホン酸ナトリウムを用いたものが通常であり、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が3%を上回るものは得られていない。そのため、特に小さなサイズで大きな力を得ることが必要なマイクロマシンや埋め込み型の人工筋肉に使うためには、従来の導電性高分子を用いたアクチュエータの伸縮率及び発生力では不十分であり、導電性高分子により得られたアクチュエータは、従来に比べて伸縮率がより大きく、且つ発生力がより大きいことが必要である。
【0006】
本発明の目的は、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が優れ、しかも発生力がより大きい導電性高分子の製造方法を提供し、前記製造方法により得られた導電性高分子、前記導電性高分子を用いた導電性高分子成形品、前記導電性高分子を含む導電性高分子層と固体電解質層とを含む積層体、前記導電性高分子成形品または積層体を駆動部または押圧部に用いたアクチュエータの製造方法、及び前記アクチュエータの製造方法により得られたア
クチュエータ、並びに、これらの用途を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法を用いることにより、得られた導電性高分子が、従来の伸縮率である1%を大きく上回り、しかも従来より大きな発生力を得ることができることを見出し、本発明に至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法である。電解重合の際に、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用いることにより、電解重合により得られた導電性高分子の伸縮率がより大きく、しかも作用電極として金属電極を用いることにより得られた導電性高分子がより大きな発生力を発現する。また、電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体を用いることにより、導電性高分子の製造が容易であり、導電性高分子として安定であるため、有用である。更に、本発明の製造方法により得られた導電性高分子を、導電性高分子成形品や、前記導電性高分子を含む導電性高分子層と固体電解質層とを含む積層体、前記導電性高分子成形品または積層体を駆動部または押圧部に用いたアクチュエータの製造法に用いることができ、更に前記製造方法を用いることにより、伸縮率と発生力とが従来に比べて大きいアクチュエータを得ることができる。
【0009】
(ドーパント)
本発明の導電性高分子の製造方法において、電解重合法に用いられる電解液には、電解重合される有機化合物(例えば、ピロール)およびトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む。この電解液を用いて電解重合を行うことにより、電解伸縮において1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が優れた導電性高分子を得ることができる。上記電解重合により、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンが導電性高分子に取り込まれることになる。
【0010】
前記トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、電解液中の含有量が特に限定されるものではないが、電解液中に0.1〜30重量%含まれるのが好ましく、1〜15重量%含まれるのがより好ましい。
【0011】
トリフルオロメタンスルホン酸イオンは、化学式CFSOで表される化合物である。また、中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素等の中心原子に複数のフッ素原子が結合をした構造を有している。中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンとしては、特に限定されるものではないが、テトラフルオロホウ酸イオン(BF)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF)、及びヘキサフルオロヒ酸イオン(AsF)を例示することができる。なかでも、CFSO、BF及びPFが人体等に対する安全性を考慮すると好ましく、CFSO及びBFがより好ましい。前記の中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、1種類のアニオンを用いても良く、複数種のアニオンを同時に用いても良く、さらには、トリフルオロメタンスルホン酸イオンと複数種の中心原子に対しフッ素原子を複数含むアニオンとを同時に用いても良い。
【0012】
(金属電極)
本発明の導電性高分子の製造方法は、電解重合時に導電性高分子の重合が行われる作用電極として金属電極を用いる。電解重合において金属電極を用いることにより、ITOガラス電極やネサガラス電極等の非金属製の材料を主とする電極を用いた場合に比べて、得られた導電性高分子を用いたアクチュエータが大きな発生力を発現することができる。前記金属電極は、金属を主とする電極であれば特に限定されるものではなく、Pt、Ti、Ni、Ta、Mo、Cr及びWからなる群より選ばれた金属元素についての金属単体の電極または合金の電極を好適に用いることができる。前記製造方法により得られた導電性高分子の伸縮率及び発生力が大きく、且つ電極を容易に入手できることから、金属電極に含まれる金属種がNi、Tiであることが特に好ましい。なお、前記合金としては、例えば、商品名「INCOLOY alloy 825」、「INCONEL alloy 600」、「INCONEL alloy X−750」(以上、大同スペシャルメタル株式会社製)を用いることができる。
【0013】
(電解重合条件)
本発明の導電性高分子の製造方法において用いられる電解重合法は、導電性高分子単量体の電解重合として、公知の電解重合法を用いることが可能であり、定電位法、定電流法及び電気掃引法のいずれをも用いることができる。例えば、前記電解重合法は、電流密度0.01〜20mA/cm2、反応温度−70〜80℃で行うことができ、良好な膜質の導電性高分子を得るために、電流密度0.1〜2mA/cm、反応温度-40〜40℃の条件下で行うことが好ましく、反応温度が−30〜30℃の条件であることがより好ましい。
【0014】
(電解液の溶媒)
本発明の導電性高分子の電解重合法は、電解重合時の電解液に含まれる溶媒が有機化合物のみからなること以外は、特に限定されるものではないが、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が3%以上の導電性高分子を容易に得るために、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む以外に、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/またはハロゲン化炭化水素を電解液の溶媒として含むことが好ましい。これらの溶媒を2種以上併用することもできる。更に望ましくは、前記電解液の溶媒がエステル基をもつ溶媒であることである。
【0015】
また、電解液の溶媒である前記有機化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン(以上、エーテル結合を含む有機化合物)、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸-t-ブチル、1,2−ジアセトキシエタン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル(以上、エステル結合を含む有機化合物)、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート(以上、カーボネート結合を含む有機化合物)、エチレングリコール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール(以上、ヒドロキシル基を含む有機化合物)、ニトロメタン、ニトロベンゼン(以上、ニトロ基を含む有機化合物)、スルホラン、ジメチルスルホン(以上、スルホン基を含む有機化合物)、及びアセトニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル(以上、ニトリル基を含む有機化合物)を例示することができる。なお、ヒドロキシル基を含む有機化合物は、特に限定されるものではないが、多価アルコール及び炭素数4以上の1価アルコールであることが、伸縮率が良いために好ましい。なお、前記有機化合物は、前記の例示以外にも、分子中にエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち、2つ以上の結合あるいは官能基を任意の組合わせで含む有機化合物であってもよい。それらは、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−フェノキシエタノールなどである。
【0016】
また、本発明の導電性高分子の製造方法において電解液に溶媒として含まれる有機化合物のハロゲン化炭化水素は、炭化水素中の水素が少なくとも1つ以上ハロゲン原子に置換されたもので、電解重合条件で液体として安定に存在することができるものであれば、特に限定されるものではない。前記ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンを挙げることができる。前記ハロゲン化炭化水素は、1種類のみを前記電解液中の溶媒として用いることもできるが、2種以上併用することもできる。また、前記ハロゲン化炭化水素は、上記の有機化合物と混合して用いてもよく、該有機溶媒との混合溶媒を前記電解液中の溶媒として用いることもできる。
【0017】
(導電性高分子単量体)
本発明の導電性高分子の製造方法において、電解重合法に用いられる電解液に含まれる導電性高分子の単量体としては、電解重合による酸化により高分子化して導電性を示す化合物であるピロール及び/またはピロール誘導体が用いられる。ピロール及び/またはピロール誘導体からなる導電性高分子は、製造が容易であり、導電性高分子として安定である。また、上記モノマーは2種以上併用することができる。
【0018】
(その他の添加剤)
本発明の導電性高分子の製造方法において、電解重合法に用いられる電解液には、前記トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液中に導電性高分子の単量体を含むものであり、さらにポリエチレングリコールやポリアクリルアミドなどの公知のその他の添加剤を含むこともできる。
【0019】
(成形品)
また、本発明は、上記の製造方法により得られた導電性高分子を所望の形状とした、導電性高分子成形品でもある。つまり、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を樹脂成分として含む導電性高分子成形品である。前記導電性高分子成形品は、その形状が特に限定されるものではなく、膜状、管状、筒状、角柱及び繊維状等の形状であってもよいが、前記導電性高分子が電解重合時に作用電極に析出することから、膜状であることが好ましい。また、前記成形品が膜状である場合には、本発明の上記の製造方法の導電性高分子により得られた膜状体であってもよい。前記膜状体は、上述の製造方法により得られた導電性高分子が公知の方法により対象となる物品の表面を被覆する形態で形成されても良い。
【0020】
(積層体)
本発明は、導電性高分子層と固体電解質層とを含む積層体であり、前記導電性高分子層に上記の導電性高分子を含む積層体でもある。つまり、本発明は、導電性高分子層と固体電解質層とを含む積層体であって、前記導電性高分子層に、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を含む積層体である。積層体に、前記導電性高分子層と前記固体電解質層を含むことにより、前記固体電解質層中の電解質が前記導電性高分子層に供給されることにより、電解伸縮時に大きな1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を発現することができ、しかも大きな発生力を得ることができる。前記積層体中の前記導電性高分子層と固体電解質層とは、直接接していることが好ましいが、前記固体電解質中の電解質を前記導電性高分子に移動させることができるのであれば、他の層を間に介していても良い。
【0021】
前記固体電解質は、前記固体電解質は、特に限定されるものではないが、積層体の変位をすることでアクチュエータとして大きな駆動をすることによりイオン交換樹脂であることが好ましい。前記イオン交換樹脂としては、公知のイオン交換樹脂を使用することが可能であり、例えば、商品名「Nafion」(パーフルオロスルホン酸樹脂、DuPont社製))を使用することができる。
【0022】
前記積層体をアクチュエータとして用いる場合には、対極と前記積層体を備えたアクチュエータであって、前記積層体中の固体電解質を介して前記対極と前記積層体中の導電性高分子含有層との間で電圧を印加することができるように対極を設けたアクチュエータとすることができる。
【0023】
(電解伸縮方法)
また、本願発明は、上記の導電性高分子成形品を電解液中で、電気化学的酸化還元により導電性高分子成形品を伸縮させる電解伸縮方法により駆動することができる。上記の導電性高分子成形品を電解伸縮させることにより、1酸化還元サイクル当たりにおいて優れた伸縮率を得ることができる。更に、上記の導電性高分子成形品を伸縮させる電解伸縮方法は、優れた特定時間あたりの変位率をも得ることができる。前記導電性高分子成形品の電解伸縮が行われる電解液である動作電解液は、特に限定されるものではないが、主溶媒である水に電解質を含む液体であることが、濃度調製が容易であるために好ましい。
【0024】
前記電解伸縮方法について、前記電解液をトリフルオロメタンスルホン酸イオン、中心原子に対して結合するフッ素原子を複数含むアニオン及び炭素数3以下のスルホン酸塩からなる群より少なくとも1以上選ばれた化合物を動作電解質として含む電解液とすることができる。つまり、前記伸縮方法は、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含む電解液を用い、前記電解液中にトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対して結合するフッ素原子を複数含むアニオンを含む導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を樹脂成分として含む導電性高分子成形品を伸縮させることにより、電解伸縮時に優れた1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を示し、さらには優れた特定時間あたりの変位率を示すのである。更に、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオン及び炭素数3以下のスルホン酸塩からなる群より少なくとも1以上選ばれた化合物を動作電解質として含む電解液の中で、前記導電性高分子成形品を電解伸縮させることにより、前記導電性高分子成形品は、1酸化還元サイクル当たりについてさらに大きな伸縮率を示すことが可能となる。なお、前記電解液に用いられる塩は、本願発明の積層体における固体電解質の電解液に含まれる塩として用いることができることが明らかであり、1酸化還元サイクル当たりの優れた伸縮率を示す固体電解質との積層体を得ることができる。
【0025】
前記導電性高分子成形品を伸縮させるために、外部環境である電解液に動作電解質として含まれるトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対して結合するフッ素原子を複数含むアニオンは、上述の導電性高分子の製造法においての説明でのトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンと同様である。トリフルオロメタンスルホン酸イオンは、化学式CFSOで表される化合物である。また、中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素等の原子に中心原子の複数のフッ素原子が結合をした構造を有したイオンである。また、炭素数3以下のスルホン酸塩は、炭素数が3以下であるスルホン酸の塩であれば特に限定されず、例えばメタンスルホン酸ナトリウム、エタンスルホン酸ナトリウムを用いることができる。
【0026】
また、本願発明は、上記の導電性高分子成形品を電解液中で電気化学的酸化還元により導電性高分子成形品を伸縮させる電解伸縮方法でもあって、前記電解液が塩化ナトリウムを主な電解質として含む水溶液である電解伸縮方法であってもよい。前記電解液は、生体成分に含まれる電解質である塩化ナトリウムを主として含むことにより、生体内の体液と前記電解液との互換が容易である状態で動作をさせることが可能である。
【0027】
前記電解伸縮方法に用いる電解液あるいは固体電解質の温度は、特に限定されるものではないが、上記の導電性高分子をより速い速度で電解伸縮させるために、20〜100℃、さらに好ましくは50〜80℃、であることが好ましい。
【0028】
(アクチュエータ)
また、本願発明は、作動部、電解質及び対極を含むアクチュエータであって、前記作動部が上記の導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を含むアクチュエータである。前記アクチュエータは、装置構成として作動部、電解質及び対極を含めば特に限定されるものではないが、作動の際に液漏れがしないように作動部へ取付けられたシャフトが筐体にパッキングされたアクチュエータ、または作動部の作動に従う伸縮が可能な筐体を備えたアクチュエータであることが、電解液等の液漏れを生じないので好ましい。
【0029】
図1は、本願発明のアクチュエータの外観についての斜視図である。アクチュエータ1は、円柱状のアクチュエータであり、ウレタンゴム等の可撓性材料により形成された筐体で最外層が形成されている。アクチュエータ1の底部22において、アクチュエータ内部にある作動部3に電位を与えるためのリード8と対極に電位を与えるためのリード7、7’とが設置されている。電源9が電力を供給して、作動部及び対極に電圧が印加されることにより、作動部が電解伸縮する。この電解伸縮により、アクチュエータ1の先端部が長さ方向の伸縮に伴う変位を生じる。アクチュエータ1は、伸張する場合には、大きな押圧する力であるFを発生することができる。
【0030】
図2は、図1のアクチュエータ1についてのA−A断面図である。アクチュエータ1は、可撓性材料により成形された筐体2の内部空間に、円柱状の作動部3を備えている。筐体2の底部22の内面には、凹部23が形成されている。凹部23に作動部3の一の端部が導電性の接続板4を介して嵌合されて、動作部が筐体2に取り付けられている。筐体2の先端部21の内面において作動部3の他の端部とが接合されることで、筐体2に作動部3が固定されている。また、筐体2の内部空間においては、筐体2の側壁の内面付近に柱状の対極51、52が、底部22に設けられた対極嵌合用凹部24、25にそれぞれ嵌合することにより、取り付けられている。筐体2の内部空間において、対極51、52と作動部3とを除いた残りの内部空間には電解質6が充填されている。電源9は、リード7、7’を介して対極51、52に接続され、作動部3と接した導電性接続板4にリード8を介して接続されている。電源9より電力を供給することにより、対極51、52と作動部3との間に電圧を印加することができ、作動部3が電解伸縮することができる。アクチュエータ1が伸縮することにより、先端部21において力Fを発生することが可能であり、従来よりも大きな力を発生することから人工筋肉として好適に用いることができる。
【0031】
アクチュエータ1の先端部21は、内側面において、作動部3の先端と接合されていてもよく、接合されていなくても良い。先端部21と作動部3の先端部とを接合しない場合においては、アクチュエータは、可撓性材料により成形された筐体2を、収縮応力によりアクチュエータ内部へ収縮する力が働く状態とすることで、作動部3が電解伸縮することにより、作動部3の電解伸縮に追随して先端部21が伸縮することができる。
【0032】
前記作動部は、上述の導電性高分子を含み、電圧印加により電解伸縮をすれば特に限定されるものではない。前記作動部は、特に、電圧印加した際に伸縮率5%以上の伸縮性を示すことが好ましい。前記作動部が電圧印加した際に5%以上の伸縮をすることにより5%以上の伸縮をするアクチュエータを得ることができ、このアクチュエータは、人工筋肉に代表される大きな伸縮率が要求される用途に好適に用いることができる。前記作動部は、ドーパントの他に、動作電極としての抵抗値を低下させるために、金属線や導電性酸化物などの導電性材料を適宜含むことができる。
【0033】
筐体2を形成する可撓性材料は、特に限定されるものではない。前記可撓性材料は、アクチュエータの伸び率に応じて適宜選択することができ、伸び率5%以上の合成樹脂を用いることが好ましく、伸び率20%以上の合成樹脂を用いることがより好ましい。前記可撓性材料としては、例えば、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系ゴム、ウレタン系ゴム等を用いることができる。また、前記可撓性材料は、電解質をアクチュエータ外部に漏洩することを防止する機能をも有することから、耐溶剤性を有することが好ましく、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系ゴム又はウレタン系ゴムを好適に用いることができる。なお、アクチュエータ1は、作動部分が筐体2により密閉されている構造を備えているので、棒状体のような力を伝える手段が筐体を貫通している構造に比べて、長期の使用による電解質の漏洩が無いので、人工筋肉等の機械部品として用いることに優れている。
【0034】
本願発明のアクチュエータは、その形状が特に限定されるものではない。前記アクチュエータは、図1においては円筒状に形成されているが、その用途に最適な形状とすることができる。前記アクチュエータの形状としては、円筒状以外にも、角柱状や六角柱状等の多角柱状、円錐状、板状、直方体状など使用状況に対応する形状に形成することができる。
【0035】
(用途)
本発明の製造方法により得られた導電性高分子は、伸縮率が大きく、しかも発生力が大きいために、マイクロマシンや人工筋肉などのアクチュエータに好適に使用することができる。さらに、本発明の導電性高分子は、従来の導電性高分子に比べて発生力の最大値が大きいために、前記導電性高分子を用いたアクチュエータのサイズを小型化しても従来の導電性高分子を用いたアクチュエータと同等の発生力を得ることができるので、マイクロマシンやマイクロサージェリー技術におけるピンセット、ハサミ、鉗子、スネア、レーザメス、スパチュラ、クリップなどの医療器具に特に有用である。また、検査や補修等を行う各種センサー若しくは補修用工具など、健康器具、湿度計、湿度計コントロール装置、ソフトマニュピュレーター、水中バルブ、ソフト運搬装置などの工業用機器、金魚などの水中モービル、または動く釣り餌や推進ヒレなどのホビー用品などの水中で用いられる物品についても、本発明の導電性高分子成形品及び積層体を好適に使用することができる。
【0036】
つまり、本発明の導電性高分子成形品及び積層体をマイクロマシンや上記の医療器具に用いた場合には、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を、基体樹脂として含む導電性高分子成形品又は導電性高分子層の樹脂成分として含む積層体を駆動部として用いたマイクロマシン及びピンセット、ハサミ、鉗子、スネア、レーザメス、スパチュラ、クリップを含む医療器具とすることができる。
【0037】
本発明の導電性高分子成形品及び積層体を上記の人工筋肉、ロボットアームや義手に用いた場合には、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を、基体樹脂として含む導電性高分子成形品又は導電性高分子層の樹脂成分として含む積層体を駆動部として用いた人工筋肉、ロボットアーム及び義手とすることができる。
【0038】
また、本発明の導電性高分子成形品及び積層体を上記のセンサーや補修用工具に用いた場合には、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を、基体樹脂として含む導電性高分子成形品又は導電性高分子層の樹脂成分として含む積層体を駆動部として用いた検査や補修を含むセンサー及び補修用工具とすることができる。
【0039】
本発・BR>セの導電性高分子成形品及び積層体を上記の工業用機器に用いた場合には、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を、基体樹脂として含む導電性高分子成形品又は導電性高分子層の樹脂成分として含む積層体を駆動部として用いた健康器具、湿度計、湿度計コントロール装置、ソフトマニュピュレーター、水中バルブ、ソフト運搬装置を含む工業用機器とすることができる。
【0040】
また、本発明の導電性高分子成形品及び積層体を上記の水中で用いられる物品に用いた場合には、電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子を、基体樹脂として含む導電性高分子成形品又は導電性高分子層の樹脂成分として含む積層体を駆動部として用いた水中モービル、または動く釣り餌や推進ヒレを含むホビー用品を含む水中で用いられる物品とすることができる。
【0041】
本願発明の導電性高分子成形品及び積層体は、上述のように、変位を生じることができるのでアクチュエータとして用いることができる。本願発明の導電性高分子成形品において、例えば、樹脂等による被覆がされていないものについては、電解液中で直線的な変位をすることができるアクチュエータとして用いることができる。本願発明の積層体において、例えば、導電性高分子層を中間層とした際の上層下層のうち一方または両方の層が、導電性高分子層の電解伸縮時の伸縮率と同等若しくはそれ以上の伸縮性を有する固体電解質層である場合には、直線的な変位をするアクチュエータとして用いることができる。また、本願発明の積層体において、例えば、導電性高分子層を中間層とした際の上層下層のうち一方の層が、導電性高分子層の電解伸縮時の伸縮率よりも小さい伸縮性を有する固体電解質層若しくは樹脂層である場合には、導電性高分子層に比べて固体電解質層または樹脂層が伸び縮みしないので、屈曲の変位をするアクチュエータとして用いることができる。直線的な変位若しくは屈曲の変位を生じるアクチュエータは、直線的な駆動力を発生する駆動部、または円弧部からなるトラック型の軌道を移動するための駆動力を発生する駆動部として用いることができる。さらに、前記アクチュエータは、直線的な動作をする押圧部として用いることもできる。
【0042】
即ち、前記アクチュエータは、OA機器、アンテナ、ベッドや椅子等の人を乗せる装置、医療機器、エンジン、光学機器、固定具、サイドトリマ、車両、昇降器械、食品加工装置、清掃装置、測定機器、検査機器、制御機器、工作機械、加工機械、電子機器、電子顕微鏡、電気かみそり、電動歯ブラシ、マニピュレータ、マスト、遊戯装置、アミューズメント機器、乗車用シミュレーション装置、車両乗員の押さえ装置及び航空機用付属装備展張装置において、直線的な駆動力を発生する駆動部若しくは円弧部からなるトラック型の軌道を移動するための駆動力を発生する駆動部、または直線的な動作若しくは曲線的な動作をする押圧部として好適に用いることができる。前記アクチュエータは、例えば、OA機器や測定機器等の上記機器等を含む機械全般に用いられる弁、ブレーキ及びロック装置において、直線的な駆動力を発生する駆動部もしくは円弧部からなるトラック型の軌道を移動するための駆動力を発生する駆動部、または直線的な動作をする押圧部として用いることができる。また、前記の装置、機器、器械等以外においても、機械機器類全般において、位置決め装置の駆動部、姿勢制御装置の駆動部、昇降装置の駆動部、搬送装置の駆動部、移動装置の駆動部、量や方向等の調節装置の駆動部、軸等の調整装置の駆動部、誘導装置の駆動部、及び押圧装置の押圧部として好適に用いることができる。また、前記アクチュエータは、関節装置における駆動部として、関節中間部材等の直接駆動可能な関節部または関節に回転運動を与える駆動部に好適に用いることができる。
【0043】
前記アクチュエータは、例えば、CAD用プリンター等のインクジェットプリンターにおけるインクジェット部分の駆動部、プリンターの前記光ビームの光軸方向を変位させる駆動部、外部記憶装置等のディスクドライブ装置のヘッド駆動部、並びに、プリンター、複写機及びファックスを含む画像形成装置の給紙装置における紙の押圧接触力調整手段の駆動部として好適に用いることができる。
【0044】
前記アクチュエータは、例えば、電波天文用の周波数共用アンテナ等の高周波数給電部を第2焦点へ移動させるなどの測定部や給電部の移動設置させる駆動機構の駆動部、並びに、車両搭載圧空作動伸縮マスト(テレスコーピングマスト)等のマストやアンテナにおけるリフト機構の駆動部に好適に用いることができる。
【0045】
前記アクチュエータは、例えば、椅子状のマッサージ機のマッサージ部の駆動部、介護用又は医療用ベッドの駆動部、電動リクライニング椅子の姿勢制御装置の駆動部、マッサージ機や安楽椅子等に用いられるリクライニングチェアのバックレスト・オットマンの起倒動自在にする伸縮ロッドの駆動部、椅子や介護用ベッド等における背もたれやレッグレスト等の人を乗せる家具における可倒式の椅子の背もたれやレッグレスト或いは介護用ベッドの寝台の旋回駆動等に用いられる駆動部、並びに、起立椅子の姿勢制御のため駆動部に好適に用いることができる。
【0046】
前記アクチュエータは、例えば、検査装置の駆動部、体外血液治療装置等に用いられている血圧等の圧力測定装置の駆動部、カテーテル、内視鏡装置や鉗子等の駆動部、超音波を用いた白内障手術装置の駆動部、顎運動装置等の運動装置の駆動部、病弱者用ホイストのシャシの部材を相対的に伸縮させる手段の駆動部、並びに、介護用ベッドの昇降、移動や姿勢制御等のための駆動部に好適に用いることができる。
【0047】
前記アクチュエータは、例えば、エンジン等の振動発生部からフレーム等の振動受部へ伝達される振動を減衰させる防振装置の駆動部、内燃機関の吸排気弁のための動弁装置の駆動部、エンジンの燃料制御装置の駆動部、並びにディーゼルエンジン等のエンジンの燃料供給装置の駆動部として好適に用いることができる。
【0048】
前記アクチュエータは、例えば、手振れ補正機能付き撮像装置の校正装置の駆動部、家庭用ビデオカメラレンズ等のレンズ駆動機構の駆動部、スチルカメラやビデオカメラ等の光学機器の移動レンズ群を駆動する機構の駆動部、カメラのオートフォーカス部の駆動部、カメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に用いられるレンズ鏡筒の駆動部、光学望遠鏡の光を取り込むオートガイダの駆動部、立体視カメラや双眼鏡等の2光学系を有する光学装置のレンズ駆動機構または鏡筒の駆動部、光通信、光情報処理や光計測等に用いられるファイバ型波長可変フィルタの波長変換のファイバに圧縮力を与える駆動部若しくは押圧部、光軸合せ装置の駆動部、並びに、カメラのシャッタ機構の駆動部に好適に用いることができる。
【0049】
前記アクチュエータは、例えば、ホース金具をホース本体にカシメ固定する等の固定具の押圧部に好適に用いることができる。
【0050】
前記アクチュエータは、例えば、自動車のサスペンションの巻ばね等の駆動部、車両のフューエルフィラーリッドを解錠するフューエルフィラーリッドオープナーの駆動部、ブルドーザーブレードの伸張及び引っ込みの駆動の駆動部、自動車用変速機の変速比を自動的に切り替える為やクラッチを自動的に断接させる為の駆動装置の駆動部に好適に用いることができる。
【0051】
前記アクチュエータは、例えば、座板昇降装置付車椅子の昇降装置の駆動部、段差解消用昇降機の駆動部、昇降移載装置の駆動部、医療用ベッド、電動ベッド、電動テーブル、電動椅子、介護用ベッド、昇降テーブル、CTスキャナ、トラックのキャビンチルト装置、リフター等や各種昇降機械装置の昇降用の駆動部、並びに重量物搬送用特殊車両の積み卸し装置の駆動部に好適に用いることができる。
【0052】
前記アクチュエータは、例えば、食品加工装置の食材吐出用ノズル装置等の吐出量調整機構の駆動部に好適に用いることができる。
【0053】
前記アクチュエータは、例えば、清掃装置の台車や清掃部等の昇降等の駆動部に好適に用いることができる。
【0054】
前記アクチュエータは、例えば、面の形状を測定する3次元測定装置の測定部の駆動部、ステージ装置の駆動部、タイヤの動作特性を検知システム等のセンサー部分の駆動部、力センサーの衝撃応答の評価装置の初速を与える装置の駆動部、孔内透水試験装置を含む装置のピストンシリンダのピストン駆動装置の駆動部、集光追尾式発電装置における仰角方向へ動かすための駆動部、気体の濃度測定装置を含む測定装置のサファイアレーザー発振波長切替機構のチューニングミラーの振動装置の駆動部、プリント基板の検査装置や液晶、PDPなどのフラットパネルディスプレイの検査装置においてアライメントを必要とする場合にXYθテーブルの駆動部、電子ビーム(Eビーム)システム又はフォーカストイオンビーム(FIB)システムなどの荷電粒子ビームシステム等において用いる調節可能なアパーチャー装置の駆動部、平面度測定器における測定対象の支持装置若しくは検出部の駆動部、並びに、微細デバイスの組立をはじめ、半導体露光装置や半導体検査装置、3次元形状測定装置などの精密位置決め装置の駆動部に好適に使用できる。
【0055】
前記アクチュエータは、例えば、電気かみそりの駆動部、並びに、電動歯ブラシの駆動部に好適に用いることができる。
【0056】
前記アクチュエータは、例えば、三次元物体の撮像デバイス或いはCD、DVD共用の読み出し光学系の焦点深度調整用デバイスの駆動部、複数のアクチュエータによって駆動対象面を能動曲面としてその形状を変形させることによって所望の曲面を近似的に形成して焦点位置を容易に可変できる可変ミラーの駆動部、光ピックアップ等の磁気ヘッドの少なくとも一方を有する移動ユニットを直線移動させることが可能なディスク装置の駆動部、リニアテープストレージシステム等の磁気テープヘッドアクチュエータセンブリのヘッド送り機構の駆動部、電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシミリなどに適用される画像形成装置の駆動部、磁気ヘッド部材等の搭載部材の駆動部、集束レンズ群を光軸方向に駆動制御する光ディスク原盤露光装置の駆動部、光ヘッドを駆動するヘッド駆動手段の駆動部、記録媒体に対する情報の記録又は記録媒体に記録された情報の再生を行う情報記録再生装置の駆動部、並びに、回路しゃ断器(配電用回路しゃ断器)の開閉操作の駆動部に好適に用いることができる。
【0057】
前記アクチュエータは、例えば、ゴム組成物のプレス成形加硫装置の駆動部、移送される部品について単列・単層化や所定の姿勢への整列をさせる部品整列装置の駆動部、圧縮成形装置の駆動部、溶着装置の保持機構の駆動部、製袋充填包装機の駆動部、マシニングセンター等の工作機械や射出成形機やプレス機等の成形機械等の駆動部、印刷装置、塗装装置やラッカ吹き付け装置等の流体塗布装置の駆動部、カムシャフト等を製造する製造装置の駆動部、覆工材の吊上げ装置の駆動部、無杼織機における房耳規制体等の駆動装置、タフティング機の針駆動システム、ルーパー駆動システム、およびナイフ駆動システム等の駆動部、カム研削盤や超精密加工部品等の部品の研磨を行う研磨装置の駆動部、織機における綜絖枠の制動装置の駆動部、織機における緯糸挿通のための経糸の開口部を形成する開口装置の駆動部、半導体基板等の保護シート剥離装置の駆動部、通糸装置の駆動部、CRT用電子銃の組立装置の駆動部、衣料用縁飾り、テーブルクロスやシートカバー等に用途をもつトーションレースを製造するためのトーションレース機におけるシフターフォーク駆動選択リニア制御装置の駆動部、アニールウィンドウ駆動装置の水平移動機構の駆動部、ガラス溶融窯フォアハースの支持アームの駆動部、カラー受像管の蛍光面形成方法等の露光装置のラックを進退動させる駆動部、ボールボンディング装置のトーチアームの駆動部、ボンディングヘッドのXY方向への駆動部、チップ部品のマウントやプローブを使った測定などにおける部品の実装工程や測定検査工程の駆動部、基板洗浄装置の洗浄具支持体の昇降駆動部、ガラス基板を走査する検出ヘッドを進退させる駆動部、パターンを基板上に転写する露光装置の位置決め装置の駆動部、精密加工などの分野においけるサブミクロンのオーダで微小位置決め装置の駆動部、ケミカルメカニカルポリシングツールの計測装置の位置決め装置の駆動部、導体回路素子や液晶表示素子等の回路デバイスをリソグラフィ工程で製造する際に用いられる露光装置及び走査露光装置に好適なステージ装置の位置決めのための駆動部、ワーク等の搬送あるいは位置決め等の手段の駆動部、レチクルステージやウエハステージ等の位置決めや搬送のための駆動部、チャンバ内の精密位置決めステージ装置の駆動部、ケミカルメカニカルポリシングシステムでのワークピースまたは半導体ウェーハの位置決め装置の駆動部、半導体のステッパー装置の駆動部、加工機械の導入ステーション内に正確に位置決めする装置の駆動部、NC機械やマシニングセンター等の工作機械等またはIC業界のステッパーに代表される各種機器用のパッシブ除振及びアクティブ除振の除振装置の駆動部、半導体素子や液晶表示素子製造のリソグラフィ工程に使用される露光装置等において光ビーム走査装置の基準格子板を前記光ビームの光軸方向に変位させる駆動部、並びに、コンベヤの横断方向に物品処理ユニット内へ移送する移送装置の駆動部に好適に使用できる。
【0058】
前記アクチュエータは、例えば、電子顕微鏡等の走査プローブ顕微鏡のプローブの位置決め装置の駆動部、並びに、電子顕微鏡用試料微動装置の位置決め等の駆動部に好適に用いることができる。
【0059】
前記アクチュエータは、例えば、自動溶接ロボット、産業用ロボットや介護用ロボットを含むロボットまたはマニピュレータにおけるロボットアームの手首等に代表される関節機構の駆動部、直接駆動型以外の関節の駆動部、ロボットの指のそのもの、ロボット等のハンドとして使用されるスライド開閉式チャック装置の運動変換機構の駆動部、細胞微小操作や微小部品の組立作業等において微小な対象物を任意の状態に操作するためのマイクロマニピュレータの駆動部、開閉可能な複数のフィンガーを有する電動義手等の義肢の駆動部、ハンドリング用ロボットの駆動部、補装具の駆動部、並びにパワースーツの駆動部に好適に用いることができる。
【0060】
前記アクチュエータは、例えば、サイドトリマの上回転刃又は下回転刃等を押圧する装置の押圧部に好適に用いることができる。
【0061】
前記アクチュエータは、例えば、パチンコ等の遊戯装置における役物等の駆動部、人形やペットロボット等のアミューズメント機器の駆動部、並びに、乗車用シミュレーション装置のシミュレーション装置の駆動部に好適に用いることができる。
【0062】
前記アクチュエータは、例えば、上記機器等を含む機械全般に用いられる弁の駆動部に用いることができ、例えば、蒸発ヘリウムガスの再液化装置の弁の駆動部、ベローズ式の感圧制御弁の駆動部、綜絖枠を駆動する開口装置の駆動部、真空ゲート弁の駆動部、液圧システム用のソレノイド動作型制御バルブの駆動部、ピボットレバーを用いる運動伝達装置を組み込んだバルブの駆動部、ロケットの可動ノズルのバルブの駆動部、サックバックバルブの駆動部、並びに、調圧弁部の駆動部に好適に用いることができる。
【0063】
前記アクチュエータは、例えば、上記機器等を含む機械全般に用いられるブレーキの押圧部として用いることができ、例えば、非常用、保安用、停留用等のブレーキやエレベータのブレーキに用いて好適な制動装置の押圧部、並びに、ブレーキ構造もしくはブレーキシステムの押圧部に好適に用いることができる。
【0064】
前記アクチュエータは、例えば、上記機器等を含む機械全般に用いられるロック装置の押圧部として用いることができ、例えば、機械的ロック装置の押圧部、車両用ステアリングロック装置の押圧部、並びに、負荷制限機構及び結合解除機構を合わせ持つ動力伝達装置の押圧部に好適に用いることができる。
【実施例】
【0065】
以下に、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0066】
(実施例1)
表1に記載されたモノマー及びドーパントイオンの塩を表1に記載の溶媒に公知の撹拌方法により溶解し、モノマーであるピロールの濃度を0.25mol/lとして含み、かつドーパント塩を表1の濃度として含む電解液を調製した。この電解液に作用電極として表1に記載の金属種である市販の金属電極を用い、対向電極としてPt電極を用いて、表1に記載の重合電流密度の定電流法により電解重合を行い、表1に記載の導電率及び膜厚を有する実施例1の膜状の導電性高分子成形品を得た。
【0067】
(実施例2〜17)
表1、2及び4の電解重合条件で行ったこと以外は実施例1と同様の方法により、各実施例の膜状の導電性高分子成形品を得た。
【0068】
(比較例1〜12)
表3及び4の電解重合条件で行い、電極にITOガラス電極を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、比較例1〜12の膜状の導電性高分子成形品を得た。
【0069】
【表1】




【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
【表4】

【0073】
なお、表1〜4において、ドーパント塩の種類及び溶媒欄の略号は以下のとおりである。ドーパント塩A:TBABF4(テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム)
ドーパント塩B:TBACF3SO3(トリフルオロメタンスルホン酸テトラブチルアンモニウム)
ドーパント塩C:ベンゼンスルホン酸ナトリウム
ドーパント塩D:p−トルエンスルホン酸ナトリウム
PC:プロピレンカーボネ−ト
DME:ジメトキシエタン
MeB:安息香酸メチル
BuB:安息香酸ブチル
EtPh:フタル酸ジエチル
DCM:ジクロロメタン
MMP:3−メトキシプロピオン酸メチル
MeSa:サリチル酸メチル
【0074】
(評価)
〔発生力〕
実施例1〜17並びに比較例1〜12で得られた膜状の導電性高分子成形品を長さ15mm、幅2mmの動作電極とし、白金プレートを対向電極とし、導電性高分子成形品それぞれの端部に重りを吊るし、それぞれの他の端部を動作電解液中に保持し、リードを介して電源と接続して、電位(−0.9〜+0.7V v.s. Ag/Ag)を1サイクル印加して変位量(変位した長さ)を測定した。動作電極が1サイクルの印加(1酸化還元サイクル)で収縮をすることにより得られた変位の差を、動作電極の元の長さで割ることにより、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を求め、表1〜4に記載した伸縮率となる時の重りの重さを発生力とした。なお、動作電解液は、ヘキサフルオロリン酸ナトリウムの15wt%の水溶液を用いた。その結果を表1〜4に示す。なお、上記重りの重量を変えることにより、負荷重量に対する伸縮率を測定し、その測定値を単位断面積当たりに換算することにより、発生力を測定した。
【0075】
〔非金属電極使用時との比〕
実施例1〜13において、電極として非金属電極であるITOガラス電極を使用したこと以外は同様の電解重合条件で製造した導電性高分子成形品に対応する比較例について、同じ伸縮率を示す際の発生力比(〔実施例の発生力〕/〔比較例の発生力〕)を算出した。結果を表1〜2に示す。
【0076】
(結果)
実施例1〜13の導電性高分子成形品は、従来の導電性高分子を用いたアクチュエータでは得られなかった1酸化還元サイクル当たりの収縮である3〜5%の伸縮率を示し、しかも発生力は、3.9〜15.6MPaという大きな値を示し、伸縮率と発生力とのバランスに優れた導電性高分子成形品であった。しかも、実施例1〜13の導電性高分子成形品は、金属電極を用いているために、非金属電極を用いた対応する実施例に比べて2.0〜10.5倍という優れた発生力の向上が認められた。さらに、実施例14〜17については、13.4〜18.4MPaという優れた最大発生力を得ることができたが、比較例11および12については、それぞれの発生力0.7MPa及び3.5MPaが最大発生力であった。なお、最大発生力とは、重りの重量を変化させながら伸縮率を測定し、収縮する範囲内で膜状の導電性高分子成形品が重りの重みで切断される直前の発生力をいう。なお、上記実施例及び比較例において、重りを重力方向に負荷させた状態での伸縮を測定したために、伸縮率として導電性高分子成形品の収縮する割合(収縮率)を測定し、伸縮率とした。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の導電性高分子の製造方法を用いることにより得られた導電性高分子成形品は、従来の伸縮性を有する導電性高分子成形品に比べて、優れた1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を電解伸縮時に発現し、しかも優れた発生力が得られる。この得られた発生力は、非金属電極を用いて電解重合することにより得られた導電性高分子に比べて、2倍以上の優れた発生力を示す。そのために、マイクロマシン、人工筋肉などのアクチュエータ等の用途として好適である。さらには、本発明の導電性高分子の製造方法により得られた導電性高分子成形品は、機械的強度が強いためにマイクロマシンとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明のアクチュエータにおける一実施態様例の外観についての斜視図。
【図2】図1のアクチュエータについてのA−A断面図。
【符号の説明】
【0079】
1 アクチュエータ
2 筐体
3 作動部
4 導電性接続板
6 電解質
7、7’ リード線
8 リード線
9 電源
21 先端部
22 底部
23 作動部嵌合用凹部
24 対極嵌合用凹部
25 対極嵌合用凹部
51、52 対極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的酸化還元による伸縮性を有する導電性高分子を、電解重合法により製造する導電性高分子の製造方法であって、
前記電解重合法が、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液を用い、
前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、
前記導電性高分子が形成される作用電極として金属電極を用いる電解重合法であり、
前記導電性高分子が分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体からなることを特徴とする導電性高分子の製造方法。
【請求項2】
前記有機化合物が、エステル結合を含む有機化合物であることを特徴とする請求項1記載の導電性高分子の製造方法。
【請求項3】
前記有機化合物が、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸-t-ブチル、1,2−ジアセトキシエタン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレングリコール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール、ニトロメタン、ニトロベンゼン、スルホラン、ジメチルスルホン、及びアセトニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−フェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の導電性高分子の製造方法。
【請求項4】
前記金属電極がPt、Ti、Ni、Ta、Mo、Cr及びWからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性高分子の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の導電性高分子の製造方法により得られる導電性高分子。
【請求項6】
請求項5記載の導電性高分子を用いた導電性高分子成形品。
【請求項7】
請求項5記載の導電性高分子を含む導電性高分子層と、固体電解質層とを含む積層体。
【請求項8】
請求項6記載の導電性高分子成形品を駆動部または押圧部に用いたアクチュエータの製造方法。
【請求項9】
請求項7記載の積層体を駆動部または押圧部に用いたアクチュエータの製造方法。
【請求項10】
請求項8または9記載のアクチュエータの製造方法により得られるアクチュエータ。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−327061(P2007−327061A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159210(P2007−159210)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【分割の表示】特願2003−343075(P2003−343075)の分割
【原出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【出願人】(302014860)イーメックス株式会社 (49)
【Fターム(参考)】