説明

導電率センサアセンブリ

フロースルー導電率センサアセンブリは、入口端と出口端とを有する流通路を有する筐体(1)を含む。入口端と出口端の間の流通路延長部の少なくとも一部の断面が導電率測定チャネル(2)及び測定チャネル(2)よりも大きな断面積の平行バイパスチャネル(3)へと分割される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電率の測定に関し、特に、流動液体の導電率を測定するためのセンサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
導電率又は電解質の導電率は、物質が電流を伝導する能力と定義される。導電率は抵抗率の逆数であり、その基本単位は、ジーメンス毎メートル(S/m)である。液体に関して、導電率は液体中に存在するすべてのイオンによる寄与の総和である。
【0003】
液体の導電率の測定は、いわゆる導電率セルで通常実施される。導電率セルは、それらと試料とが相互作用する技術及びセル設計の幾何学的配置によって分類することができる。利用される2つの動作技術は、接触方式技術と誘導型又はトロイダル技術である。いずれの場合も、AC電気入力信号を導電率セルに印加し、セルから得られるAC電気出力信号を測定する(DC電気信号は、電解質に変化を引き起こすはずである)。
【0004】
接触方式技術を用いて導電率を測定するセルは、検査すべき液体と直接接触する電極を有するが、トロイダル技術を用いるセルは液体と接触しない2つのトロイダルコイルを含む。
【0005】
交流電流周波数は、典型的には50Hz〜50kHzの範囲であり、液体の電解質濃度に依存し電極のところの分極効果に起因する、妨害する容量の効果を避けるために、液体中のイオン濃度が増加するにつれて測定周波数を大きくする。
【0006】
接触タイプの基本的な導電率セルは、例えば、白金製の2個の平行電極板を有する。AC電圧が電極板の両端に印加されると、電極間の電気抵抗に反比例し、したがってセル内の液体の導電率に比例するAC電流が液体を通って流れる。
【0007】
セルの抵抗Rは、電極間の距離d及び電極の断面積Aに比例する。比d/Aを通常「セル定数」Θと呼び、即ち、Θ=d/Aである。
【0008】
液体流についての測定に関して、導電率セルは通常フロースルータイプであり、液体流導管に合わせて直列に連結される。このタイプの導電率セルでは、電極は、液体の流れの水路に沿って間隔を空けて設置された2以上の環状電極を典型的には含む。このケースでは、セル定数は電極間の距離と電極間の導管部分の断面積との比によって定義される。
【0009】
セル定数は、セルが測定できる導電率のおおよその範囲を示す。一般に、小さなセル定数を有するセルを、低導電率を測定するために使用すべきであり、一方で大きなセル定数が、より大きな導電率測定にとって必要である。
【0010】
米国特許第3424975号は、流動液体の電気導電率を測定するための導電率セルであり、導電率セルの電気経路の長さ、それゆえ抵抗率を、セルのどのような特有の使用にも適するように変えることができる導電率セルを開示している。一実施形態では、液体用の2つの平行流路を設ける。一方の流路は、電気的導電性材料で作られる直列の3個の導管を通る。電気的絶縁性材料の導管が中央導電性導管から外側導電性導管中へと延在し、中央導電性導管と外側導電性導管とに間に長くした電気的経路を形成する。弁を第2の流路中に設け、2つの経路を通る流れの相対的な調節を可能にする。
【0011】
米国特許第5441049号は、液体が流れる通路を有し、通路内には流れを調整し、導電率の測定のために所定の断面積を与えるくびれを備えた導電率セルを開示している。好ましくは円柱状であり、通路と平行な縦軸を有する電極を、くびれの両側に設置する。所与の長さ及び外径を有するかかる導電率セルに関して、くびれのところの内径、端部のところの内径、電極のところの内径、及び電極の中心間の間隔を含むセルパラメータを変えることによって、1〜100の範囲内のセル定数を得ることができる。
【0012】
多くのプロセス流システム、例えば、クロスフロー濾過システムでは、小さなホールドアップ体積が、強く望まれている。しかしながら、ある一定のセルファクタを有する実験室用途のために設計された導電率セルタイプをプロセス流において使用する配管直径にスケールアップするときに、同じセルファクタを維持すると、導電率セルの長さをかなり増加させ、望まれない大きなホールドアップ体積をもたらすであろう。上記の先行技術タイプの導電率セルは、この問題に対する解を何も与えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第3424975号明細書
【特許文献2】米国特許第5441049号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、セル長さ及びホールドアップ体積の増加の上記の問題を克服するバイオプロセス流などの大直径配管用途のための導電率セルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、システムにホールドアップ体積を付加せずに、小さな型の導電率セルに対するものと同じセルファクタを維持する又はいっそう増加させながら、プロセスシステム規模の配管直径と連携して使用することができる新たな導電率センサセル設計を提供する。
【0016】
請求項1に規定される本導電率セル、又は導電率センサアセンブリは、液体流の一部が導電率測定を行う平行流チャネルを通過するという概念に基づく。これによって、セルの断面積並びに長さを小さくし、従って、導電率セルが載置される流システム又は配管システムのホールドアップ体積を減少させる。
【0017】
好ましい実施形態では、pHフローセルが、導電率センサアセンブリ中へと統合され、これが液体流システムのホールドアップ体積をさらに減少させる。
【0018】
さらなる好ましい実施形態が、従属請求項に記載されている。
【0019】
下記では、添付した図面を参照して、例としてのみ本発明の非限定的な実施形態に関して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による導電率セルの一実施形態の断面図である。
【図2】図1における導電率セル実施形態の端面図である。
【図3】図1及び図2における導電率セル実施形態の分解した等角透視図である。
【図4】プロセス流システム内に載置され、図1〜図3に示した導電率セル実施形態を含む複合型導電率及びpHセンサアセンブリの分解した(部分的に透けている)等角透視図である。
【図5】組み立てられた状態にある図4のアセンブリの等角図である。
【図6】図4及び図5のアセンブリのもう1つの分解した(部分的に透けている)等角図である。
【図7】pHセンサを受けるための手段を設けた導電率セルのもう1つの実施形態の中央線破断等角透視図である。
【図8】図7の透視図に対応する断面図である。
【図9】図8の断面図に対応する図であるが、取り付けられ、部分的に示されたpHセンサを備えた図である。
【図10】図8に示した導電率セルの平面図である。
【図11】図8に示した導電率セルの端面図である。
【図12】図8に示した導電率セルの底面図である。
【図13】図8に示した導電率セルのもう1つの側面図である。
【図14】電極を通る図7及び図8に示した導電率セルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記のように、本発明は、液体流の電気導電率を測定するためのフロースルータイプ導電率センサ、下記ではしばしば導電率セルと呼ぶ、に関係する。液体流は、特に、クロマトグラフィカラムプロセス流又はクロスフロー濾過プロセス流などのプロセス流であり、ここでは比較的大きな寸法の配管を使用し、ホールドアップ体積を最小にすることが重要である。
【0022】
本発明の導電率セルは、液体と接触しており間隔を空けて設置した電極間にAC電流を印加することによって導電率を測定するタイプのものである。電極は、好ましくは円形、又は環状であり、液体経路を囲む。かかるセルでは、「セルファクタ」(所与のセルに対して一定である)は、「電極間の距離」を「電流の断面積」、即ち、液体流の断面積で割り算したものである。
【0023】
このタイプのある種の導電率セルが10cmの長さ及び1cmの内径を有すると仮定する。かかるセルが、内径を仮に5cmに大きくすることによってプロセス流配管システム中に直列に連結するように寸法を決める場合に、同じセルファクタを維持するためには2.5mに長さを増加させる必要があるはずであろう。これは、クロスフロー濾過システムなどの多くのプロセス用途においてホールドアップ体積の実質的な増加を導入するはずであり、極めて望ましくないはずであることが、容易に理解される。
【0024】
本発明によれば、臨界断面積を減少させ、従ってセルの長さをやはり減少させるために、導電率測定を行う小さな平行流を導入することによって、同じセルファクタを維持する又は増加させることさえ可能である。このようにして、導電率セルが直列に載置される流システムにホールドアップ体積を付加しない。
【0025】
本発明による導電率センサセルの一実施形態を、図1〜図4を参照してここで説明する。
【0026】
下記では、「上側」及び「下側」、「上部」及び「底部」、等などの用語を、図に示した本発明の実施形態の幾何学的配置を参照して単に使用するに過ぎず、いかなる方式によっても本発明を限定するようには意図していない。
【0027】
図示した導電率セルは、円柱状胴部1を含み、その内部は異なる断面積の2つの平行な通路又はチャネル、即ち、小面積チャネル2及び胴部1の残りの内部断面を占める大面積チャネル3に分割される。導電率セルのこの実施形態を、接続部分1c(図2)を介して内壁に取り付けられ小さな直径を備えた第2の筒状部材1bを有する第1の筒状部材1aを含むと言うことができる。
【0028】
小面積チャネル2は、測定チャネルとして機能するためのものであり、信号電極又は測定電極として働くことを目的とし、チャネル2の真ん中に設置され、チャネル2と同じ内径を有する第1の円形又は環状電極4を有する。それぞれ接地電極として機能することを目的とする第2の環状電極5及び第3の環状電極6を、円柱状胴部1の各端部のところのそれぞれ階段状のリセス9、10内のO−リング7、8を介して載置する。
【0029】
図3を具体的に参照すると、胴部1は、ここでは3個の別々の主要部品、即ち、2個の端部部品11及び12、並びに端部部品間に挟んで固定され測定チャネル2の一部を形成する中央部品の一部分13a内の円形アパーチャ又はボア14内に環状電極4の中央を支持する中央部品13から組み立てられている。
【0030】
環状電極4の端部は、測定チャネル2を形成する胴部部品11、12のそれぞれ部分11a及び12a内のO−リング17、18を介して対応するリセス15、16内で受けられる。図1に見られるように、胴部部品12中の径方向ボア19は、信号電極4に接続された導電体ワイア又はロッドを受ける。
【0031】
胴部部品12上のガイトピン21は、それぞれ胴部部品13及び11中の対応するボア22及び23において受けられる。
【0032】
胴部部品11〜13、又は流チャネル2及び3を形成する胴部部品の少なくとも一部分を、電気的絶縁性材料、好ましくはプラスチックから作る。使用目的に応じて、材料は、高温、例えば、130℃の蒸気に耐える必要がある場合がある。かかるケースでは、材料を、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリアルケン類(ポリオレフィン類)から選択することができ、これらはやはり低水吸収率を有する。
【0033】
電極4〜6は、典型的には金属(例えば、チタン又は白金)製であるが、導電性プラスチック又は炭素からやはり作ることができる。
【0034】
電極4及び5,6と共に測定チャネル2によって形成される導電率セルのセルファクタは、測定チャネル2の直径(より厳密に言えば断面積)及び信号電極4と各接地電極5,6の間の軸距離によって規定される。
【0035】
測定チャネル2の断面積は、広いバイパスチャネル3の断面積よりも好ましくは実質的に小さい。測定チャネルの断面積のバイパスチャネルの断面積に対する比率を、比較的広い限度内で変えることができるが、典型的には約1:2未満、好ましくは約1:4未満、例えば、約1:5〜約1:30の範囲内である。
【0036】
導電率セルが、例えば、クロスフロー濾過において使用するサイズのプロセス流パイプ直径に関連した使用に特に適しているが、より小さな流パイプ直径、実際面では、好ましくは約10mm以上の使用に適合することができる。
【0037】
図1〜図4では、円形接地電極5,6が、測定チャネル2の外部に設けられ、広い流チャネル3の直径に対応する直径を有する。或いは、接地電極は、信号電極4と同じ直径を有することがあり、測定チャネルの内部に(好ましくは、測定チャネルの端部のところ又はその近くに)設置されることがある。
【0038】
基本的に、1つの接地電極5又は6(測定チャネルの各端部のところ又はその近くに1つの電極)が十分であるはずであるが、測定電極のそれぞれの側に1つの2つの接地電極を設置することが、誤った測定値をもたらすことがある配管システムのある部分から接地電位を得ないことを確実にする。2つの接地電極を用いると、配管システム中でどの方向に導電率セルを設置するかが、やはり重要な意味を持たない。
【0039】
上記の導電率セル実施形態では、測定チャネル2を、大面積チャネル3の内縁に隣接して配置する。簡単にするために、上記のように、これを、内壁に取り付けられた小直径の管又は導管を有する大直径の管又は導管として見ることができる。しかしながら、測定チャネル、即ち、小直径導管を、大直径導管の断面内の任意の位置、例えば、中心部のところに設置することもできる。
【0040】
上記の導電率セル実施形態、並びに以降に説明する実施形態が、2つの流路又はチャネルを有するが、チャネルのうちの1つが測定チャネルであり(即ち、信号電極が設置され)他のチャネルがバイパスチャネルとして働く状態で、3つ又はさらに多くのチャネルを有することがやはり可能である。
【0041】
もう1つのかかるマルチ流チャネル実施形態では、各々が信号電極を有する異なった直径又は断面積のチャネルを設けることができる。かかる導電率セルを用いると、使用するモニタ回路に信号電極を連結することにより測定セルとして機能するようにチャネルを選択することによって、セルファクタを変えることができる。
【0042】
ある種の圧力変化を許容可能であるという条件で、導電率セルの流通路直径を、適宜、載置する配管システムよりも少なくともわずかに小さくすることができる。
【0043】
導電率セル中の液体流を、層流又は乱流とすることができる。
【0044】
導電率を測定するために、AC電圧を、電極の両端に印加し、液体を通る電流(I)を測定して、導電率(I/V)を求める。本ケースでは、AC電圧を信号電極4及び接地電極5,6の両端に印加し、これが電極4から平行経路で電極5及び6へ電流を流すようにする。回路(図示せず)内に適切な計器を設置することによって、測定チャネル(及び大直径チャネル3)を通り流れる液体の導電率を求めることができる。しかしながら、典型的には、導電率セルは、受け取った信号を測定値に変換する又はコンピュータシステムに受け取った信号を送る送信装置にケーブルを介して接続される。
【0045】
導電率を測定するときに、容量効果(電極のところの分極によって引き起こされるいわゆる「二重層」容量)の影響を最小にするために、測定しようとする液体のイオン濃度の増加に伴って印加するAC電圧の周波数を増加させることが一般的な方法である。この目的を達成するために、複数の(通常3つ又は4つの)異なる固定測定周波数の間を、塩濃度に依存して、自動的に切り替える機器を利用することができる。
【0046】
それぞれの起こり得る状況(変化する電解質濃度、温度変化、等)に対して最適な周波数の自動選択を可能にし、これに関連して本発明の導電率セルを有利に使用するこの測定技術の改善が、米国特許第5504430号(その全体の開示が本明細書中に引用によって組込まれている)中に開示されている。このやり方では、AC電圧を導電率セル全体に印加し、セルの出力から計算されるコンダクタンスの値に応じて、予想周波数のAC電圧を生成する。AC電圧を、次に計算した値に設定する。2つのコンダクタンスの決定値が所定の絶対値だけしかずれなくなるまで、上記のステップを繰り返す。この値を、次に試験した液体の真のコンダクタンスとして表示し、登録する。
【0047】
図1〜図3と同じ参照番号を同一の部品に対して使用する図4〜図6では、pHフローセルが統合されている導電率セルアセンブリを示す。このアセンブリは、図1〜図3に示した導電率セルを収容するように適合した内部キャビティ31を有する筐体30を含む。
【0048】
各端部のところでは、キャビティ31は、各々が導電率セルの大面積チャネル3の直径に少なくとも実質的に対応する円形開口部34(図6)を有し、それぞれわずかに円錐台形状をしたエンドピース32及び33によって部分的に閉じられる。例えば、エンドピース内のボア(図示せず)及び筐体30の終端部内のネジ穴(図示せず)で受けられるボルト又はネジを介して、エンドピースを筐体30に取り付ける。各エンドピース32、33は、配管システム、例えば、プロセス流システム(図示せず)に導電率セルを連結するための、それぞれ、一体型フランジ部35及び36を有する。
【0049】
図1〜図3に示した上記の導電率セルを、エンドピース32から間隔を空けて配置された筐体の横断方向隔壁40(図6)中の円形開口部39へ、接地電極5,6及びO−リング37、38を介して各端部のところで接続して、筐体キャビティ31の内部で受ける。
【0050】
エンドピース32と隔壁40の間の空間は、ネジ付接続ピース42内に開いている筐体30内の横断方向ボア41とやはり連通する。止めフランジ44を有するpHメータ又はプローブ43を、ボア41内で受け、ナット部材45及びO−リング(図示せず)によって所定の位置に固定する。
【0051】
上記のようにアセンブリに導電率セルとpHフローセルとを統合することは、当然のことながら合計のホールドアップ体積をさらに減少させる。
【0052】
複合型導電率及びpHセンサアセンブリのもう1つの実施形態が、図7〜図14に図示され、ここでは、導電率セル及びpHセルが、例えば、射出成形によって製造することができる単一部品で構成される胴部又は筐体50内に画定される。
【0053】
筐体50は、略円形断面のフロースルーチャネル51を有する。チャネル51の大部分に沿って、ボア53を有する内向き突起52があり、チャネル51の直径よりも実質的に小さな直径の平行流チャネルを画定し、チャネル51の残りの部分がバイパスチャネル51aを形成する。流チャネル53は、筐体の中のそれぞれリセス57〜59内で受けられる(例えば、チタン製の)3個の(ここでは同一の)電極素子54〜56をその中に載置する。
【0054】
ここでは図14を参照すると、各電極素子54〜56は、電極素子54用に60で示され、流チャネル53と同じ直径のスルーホールを有し、これによって、チャネル53内部に環状電極を形成する。壁に対する各リセス57〜59のシーリングが、図8及び図9中では電極素子54について参照番号61及び62によって示されるO−リングのそれぞれの対によってもたらされる。上記の導電率セル実施形態におけるように、中央電極素子55が、信号電極又は測定電極を形成し、中央電極素子のいずれかの側の電極素子54及び56が接地電極を形成する。共に流チャネル53及び電極素子54〜56は、「導電率セル」を形成する。
【0055】
再び図14を参照すると、図示したケースでは、各電極素子54〜56は、電気的接続ワイア又はケーブル(図示せず)を受けるための(図では)垂直なリセス63を有する。止めネジ(図示せず)用の(図では)水平なネジ穴64が、筐体50内の外部リセス65から横断方向に延在し、リセス63と交差する。止めネジは、リセス57内の所定の場所に電極素子54を固定し、一方で、同時に垂直リセス63内に電気的接続ケーブルを挟んで固定する。
【0056】
各端部のところに、筐体50は、導電率及びpHを測定する配管システムにセンサアセンブリを取り付けるためのフランジ部材66及び67を有する。各フランジ66、67は、O−リング/ガスケット(図示せず)を受けるために、それぞれ溝68及び69を有する。
【0057】
流チャネル51に対して横断方向に、かつ流チャネル53に対して反対側に、ボア70が筐体内に設けられ、pHセンサ又はプローブ用の接続ピース72を形成する筐体50の横断方向の筒状延長部のボア71とチャネル51を接続し、接続ピースの上部部分73がネジ山を付けられる。
【0058】
図9では、pHセンサメータ、又はプローブ80が、接続ピース72のボア71中へと挿入され、その結果、プローブ端部81が流チャネル51内を流れる液体と接触するために流チャネル51中へと延在する。図示したプローブ80は、接続ピース72内のボア71の直径に対応する外径を有する筒状ケーシング83内部に略円柱状のコア部分82有する。
【0059】
プローブ80のコア端部81は、チャネル51の壁内のボア70を通り抜けるが、ケーシング83の底部端は、ボア71の底部に接触する。フランジ部分84は、pHプローブ80が完全に挿入されたときに接続ピース72の上端表面と実質的に接触するようにケーシング83上に設けられる。接続ピース72のネジ山とかみ合うナット部材85は、所定の場所にプローブを固定する。ボア71に対してプローブ端部81をシールすることを、プローブケーシング83の底部端のところの溝86内のO−リング(図示せず)によって確実にする。
【0060】
図7〜図14に図示した上記の実施形態では、測定チャネル53の断面積のバイパスチャネル部分51aの断面積に対する比率は、約1:22であり、測定チャネルの断面積のチャネル51の全断面積に対する比率は、約1:30である。しかしながら、これらの比率をどのような特有の用途にも適するように広い限度内で変えることができることが、理解される。典型的には、導電率セルを載置する配管システムの直径が大きくなるほど、比率は小さくなる。例えば、4mmの測定チャネル直径及び25mmの接続されたパイプ直径について、パイプの断面積に対する測定チャネルの断面積は1:39であり、接続したパイプ直径が50mmに大きくなると、1:156の比率という結果になるはずである。パイプサイズが大きくなるほど、さらに小さな比率という結果になるはずである。
【0061】
本発明は、上記の好ましい実施形態に限定されない。様々な代替形態、変形形態及び等価な形態を使用することができる。それゆえ、上記の実施形態が、別記の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定するように考えるべきではない。
【符号の説明】
【0062】
1 円柱状胴部
1a 第1の筒状部材
1b 第2の筒状部材
1c 接続部分
2 小面積チャネル又は測定チャネル
3 大面積チャネル又はバイパスチャネル
4 環状電極又は信号電極
5 第2の環状電極又は接地電極
6 第3の環状電極又は接地電極
7 O−リング
8 O−リング
9 リセス
10 リセス
11 端部部品
12 端部部品
13 中央部品
14 ボア
15 リセス
16 リセス
17 O−リング
18 O−リング
19 径方向ボア
21 ガイドピン
22 ボア
23 ボア
30 筐体
31 キャビティ
32 エンドピース
33 エンドピース
34 円形開口部
35 一体型フランジ部
36 一体型フランジ部
37 O−リング
38 O−リング
39 円形開口部
40 横断隔壁
41 横断方向ボア
42 ネジ付接続ピース
43 pHメータ
44 止めフランジ
45 ナット部材
50 筐体
51 フロースルーチャネル
52 内向き突起
53 流チャネル
54 電極素子
55 電極素子
56 電極素子
57 リセス
58 リセス
59 リセス
61 O−リング
62 O−リング
63 リセス
64 ネジ穴
65 外部リセス
66 止めフランジ
67 止めフランジ
68 溝
69 溝
70 ボア
71 ボア
72 接続ピース
73 接続ピースの上部部分
80 プローブ
81 コア端部
82 コア部分
83 ケーシング
84 フランジ部分
85 ナット部材
86 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口端と出口端とを有する流通路(51)を有する筐体(1;50)を備えるフロースルー導電率センサアセンブリであって、入口端と出口端の間の流通路延長部の少なくとも一部の断面が、導電率測定チャネル(2;53)と、該測定チャネルよりも大きな断面積の平行バイパスチャネル(3;51a)とに分割される、筐体を含むフロースルー導電率センサアセンブリ。
【請求項2】
前記測定チャネル(2;53)の断面が少なくとも実質的に円形である、請求項1記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項3】
前記測定チャネルが前記流通路の内周に隣接して配置される、請求項1又は請求項2記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項4】
第1の電極及び第2の電極が前記測定チャネルの両端部に隣接して設けられる、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項5】
第1の電極(4;55)が前記測定チャネル(2;53)内部の中心部に設けられ、第2の電極(5,6;54,56)が前記測定チャネル(2;53)の一端又は各端部に隣接して設けられる、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項6】
前記1以上の第2の電極(5,6)が前記流通路の前記流分割部分の外側に配置される、請求項4又は請求項5記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項7】
前記1以上の第2の電極(54、56)が前記測定チャネル(53)の内部に配置される、請求項4又は請求項5記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項8】
前記電極(5,6;54〜56)が環状である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項9】
前記測定チャネル(2;53)の断面積と前記バイパスチャネル(3;51a)の断面積との比率が約1:2未満、好ましくは約1:4未満、さらに好ましくは約1:10未満、特に約1:30未満である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項10】
前記バイパス流チャネルが少なくとも2つの別々の流路へと分割される、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項11】
前記流通路(51)内を流れる流体に曝されるpHプローブ(43;80)をさらに含む、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項12】
前記pHプローブ(80)が前記バイパスチャネル(51a)中へと延在する、請求項11記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項13】
前記筐体の入口端と出口端の間の流通路が順次配置された導電率測定部分及びpH測定部分を含む、請求項11記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項14】
前記筐体(50)が一体成形ユニットである、請求項11、請求項12又は請求項13記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項15】
少なくとも測定電極が前記測定チャネル(53)に対して横断方向に前記筐体(50)を貫通するリセス(58)内に載置された電極素子(55)によって形成される、請求項14記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項16】
前記導電率測定チャネル(2)が前記筐体(30)内部に載置された導電率セルインサート(11,12,13)によって形成される、請求項13記載の導電率センサアセンブリ。
【請求項17】
濾過システム又はクロマトグラフィシステムにおける請求項1乃至請求項16のいずれか1項記載の導電率センサアセンブリの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−515259(P2013−515259A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545902(P2012−545902)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/SE2010/051427
【国際公開番号】WO2011/078774
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(597064713)ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・アクチボラグ (109)
【Fターム(参考)】