説明

小分子RNAに基づく治療および診断ならびに小分子RNAの実験的研究におけるエンドリソソーム系および分泌小胞(エキソソーム様)の用途

本発明は、標的器官または標的細胞へのsiRNA、miRNAまたは関連分子の送達速度および/または効率の決定方法と、キットと、RNA、小分子RNA、例えばmiRNA、siRNAおよびpiRNA、mRNAまたは非コードRNAの活性および/または細胞間移行を調節するためのエンドリソソーム系の形成に関与するタンパク質または脂質の使用とに関する。それには、特に、miRNAまたはsiRNA治療薬の(1つまたは複数の)標的を同定するための方法において、siRNAおよび/またはmiRNA治療薬による治療の効率を決定するための方法において、ならびにヒト、腫瘍または胎児の遺伝子型を調べるためおよび/またはその状態の特性を決定するための方法において、多くの適用がある。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的器官または標的細胞への/標的器官または標的細胞中のsiRNA、miRNAまたは関連分子の送達速度および/または効率を決定する方法であって、前記標的器官または標的細胞のエキソソームまたは小胞中の、前記siRNAおよび/またはmiRNA、ならびに/あるいは前記miRNAおよび/または前記siRNAが標的とするmRNAのレベルを測定することを含む方法。
【請求項2】
(i)好ましくは以前にsiRNAおよび/またはmiRNAで治療された患者の体液からエキソソームまたは小胞を単離するステップと、
(ii)前記エキソソーム中のsiRNAおよび/またはmiRNAおよび/または標的mRNAのレベルを測定するステップと、
(iii)場合により、前記レベルを対照と比較し、次いで、内在形態または治療薬形態のsiRNAおよび/またはmiRNAの送達速度および/または効率を決定するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記体液が、血液産物、尿、肺洗浄液および唾液、他の体液、または培養細胞の上清から選択される、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
siRNAおよび/またはmiRNAおよび/または標的mRNAのレベルの前記測定が、qRT−PCRにより、あるいはマイクロアレイまたは他のチップ上のハイブリダイゼーションにより、あるいはゲルもしくは膜上または溶液中でのハイブリダイゼーションにより実施される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記対照が、治療された、治療されていない、または対照で治療された個体、動物または細胞のsiRNAおよび/またはmiRNAおよび/またはmRNAおよび/または他のRNAおよび/または小胞の定量を許容する他の分子、あるいはその成分である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(i)〜(iii)が、siRNAおよび/またはmiRNA治療の前および後、および最終的にはその間に実施される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
標的器官または標的細胞へのsiRNAおよび/またはmiRNAの送達効率または活性を決定するための、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記siRNAおよび/またはmiRNAの送達効率または活性が、治療後のエキソソーム中のmiRNA、siRNAまたは標的mRNAのレベルの低下または変化によって認識される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
全細胞のmRNAの含量を決定する前記ステップが、mRNAマイクロアレイ、miRNAもしくはsiRNAが標的とするmRNAまたは他のRNAもしくはDNAを同定する大規模方法、qRT−PCR、大規模多重遺伝子アプローチから選択される方法を用いて実施される、請求項7乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記標的器官または標的細胞の膜画分中および全細胞中の、前記siRNAおよび/または前記miRNA、および/または前記miRNAおよび/または前記siRNAが標的とする前記mRNAのレベルを測定することを含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
エキソソーム、膜画分および全細胞の中におけるmi/siRNA標的mRNAの比を比較するステップを含む、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
miRNAまたはsiRNA治療薬の(1つまたは複数の)標的を同定するための、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
siRNAおよび/またはmiRNA治療薬または他の分子により行われる治療の効率を決定するための、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記治療が、RNA、小分子RNA、例えばmiRNA、siRNAおよびpiRNA、mRNAまたは非コードRNAの活性および/または細胞間移行を調節するための多胞体(MVB)の形成、相互作用または活性に関与するタンパク質、脂質、RNAまたは他の分子により実施される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記タンパク質が、Alix、Hrs、vps36(液胞タンパク質選別会合タンパク質36)、EAP30(30kDAのELL会合タンパク質、SNF8)、EF1a(延長因子1a)およびBIG2、hps4(ヘルマンスキー−パドラック症候群4)、hps1(ヘルマンスキー−パドラック症候群1)、PRNP(プリオンタンパク質)、SCFユビキチンリガーゼ(Skp1−Cullin−F−ボックスタンパク質)、Surfeit−4、V0またはV1ATPアーゼ(V0またはV1アデノシン三リン酸分解酵素)、vps41、COGC4(保存されたオリゴマーゴルジ成分4)、ATG3(オートファジー関連タンパク質3)、ATG8、COG4、PI3K(ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ)、NEDD4L(発生的に発現が下方制御された神経前駆細胞4様)、ARFGEF4(ADPリボシル化因子グアニンヌクレオチド交換因子4タンパク質)、CHML(コロイデレミア様)、RAB10(ras関連GTP結合タンパク質10)、RAB35、RALB(V−ralサル白血病ウイルス癌遺伝子相同体B)、RAPGEF6(Rapグアニンヌクレオチド交換因子6)、SCD(ステアロイルCoAデサチュラーゼ)、GIPC1(GIPC PDZドメイン含有ファミリー、メンバー1)、SCGB1D1(セクレトグロビン、ファミリー1D、メンバー1)、UBE2M(ユビキチン共役酵素E2M)、USP10(ユビキチン特異的プロテアーゼ10)、EEF2(真核生物翻訳伸長因子2)、LILRB1(白血球免疫グロブリン様受容体、サブファミリーB)、RAB36、RANBP2(Ran結合タンパク質2)、SFRP2(分泌性Frizzled関連タンパク質2)、SLC4A4(溶質キャリアファミリー4、重炭酸ナトリウム共輸送体、メンバー4)、SMPD3(スフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ3)、スフィンゴミエリナーゼ、スフィンゴミエリンシンターゼ1、スフィンゴミエリンシンターゼ2、Epopamil結合タンパク質、usp22(ユビキチン特異的プロテアーゼ22)、trpc3(一過性受容器電位カチオンチャネル、サブファミリーC、メンバー3)、CLCN7(クロライドチャネル7)、CTSC(カテプシンC)、LAMR1(ラミニン受容体1)、RNF32(リングフィンガータンパク質32)、ERI3(増強されたRNAi−3)、HMGCR(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA還元酵素)、NPC1(ニーマン−ピック病、C1型)、SLC6A4(ナトリウム依存性セロトニントランスポータ、溶質キャリアファミリー6メンバー4)、FAU、THEA(ACOT11、アシル補酵素Aチオエステラーゼ11)、CKAP4、COG1−8タンパク質、vps1−45タンパク質、CHMPファミリータンパク質、選別ネキシン、rab5、7、9、38、Arf2、Arf6、GGA1−3、スフィンゴミエリンおよびステロール代謝遺伝子および薬物(例えば、GW4869、スフィンゴミエリンエステラーゼ)、MVBまたはエキソソーム内への選別のその関与に関連するコレステロールまたは脂質ラフト分割および代謝に影響を及ぼす薬物および遺伝子、特にNPC1、HMGCR、およびコレステロール低下薬のスタチンクラスから成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法を含む、ヒト、腫瘍または胎児の遺伝子型を調べるため、および/またはその状態の特性を決定するための方法。
【請求項17】
生物、細胞または植物におけるmiRNAまたは小分子RNAの活性をコントロールするための方法であって、
タンパク質、またはこのタンパク質の活性を修飾する化学物質、またはこのタンパク質を標的とするsiRNAもしくはmiRNAもしくはその関連分子を生物に投与することを含み、
このタンパク質が、Alix、Hrs、vps36(液胞タンパク質選別会合タンパク質36)、EAP30(30kDAのELL会合タンパク質、SNF8)、EF1a(延長因子1a)およびBIG2、hps4(ヘルマンスキー−パドラック症候群4)、hps1(ヘルマンスキー−パドラック症候群1)、PRNP(プリオンタンパク質)、SCFユビキチンリガーゼ(Skp1−Cullin−F−ボックスタンパク質)、Surfeit−4、V0またはV1ATPアーゼ(V0またはV1アデノシン三リン酸分解酵素)、vps41、COGC4(保存されたオリゴマーゴルジ成分4)、ATG3(オートファジー関連タンパク質3)、ATG8、COG4、PI3K(ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ)、NEDD4L(発生的に発現が下方制御された神経前駆細胞4様)、ARFGEF4(ADPリボシル化因子グアニンヌクレオチド交換因子−4タンパク質)、CHML(コロイデレミア様)、RAB10(ras関連GTP結合タンパク質10)、RAB35、RALB(V−ralサル白血病ウイルス癌遺伝子相同体B)、RAPGEF6(Rapグアニンヌクレオチド交換因子6)、SCD(ステアロイルCoAデサチュラーゼ)、GIPC1(GIPC PDZドメイン含有ファミリー、メンバー1)、SCGB1D1(セクレトグロビン、ファミリー1D、メンバー1)、UBE2M(ユビキチン共役酵素E2M)、USP10(ユビキチン特異的プロテアーゼ10)、EEF2(真核生物翻訳伸長因子2)、LILRB1(白血球免疫グロブリン様受容体、サブファミリーB)、RAB36、RANBP2(Ran結合タンパク質2)、SFRP2(分泌性Frizzled関連タンパク質2)、SLC4A4(溶質キャリアファミリー4、重炭酸ナトリウム共輸送体、メンバー4)、SMPD3(スフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ3)、スフィンゴミエリナーゼ、スフィンゴミエリンシンターゼ1、スフィンゴミエリンシンターゼ2、Epopamil結合タンパク質、usp22(ユビキチン特異的プロテアーゼ22)、trpc3(一過性受容器電位カチオンチャネル、サブファミリーC、メンバー3)、CLCN7(クロライドチャネル7)、CTSC(カテプシンC)、LAMR1(ラミニン受容体1)、RNF32(リングフィンガータンパク質32)、ERI3(増強されたRNAi−3)、HMGCR(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA還元酵素)、NPC1(ニーマン−ピック病、C1型)、SLC6A4(ナトリウム依存性セロトニントランスポータ、溶質キャリアファミリー6メンバー4)、FAU、THEA(ACOT11、アシル補酵素Aチオエステラーゼ11)、CKAP4、COG1−8タンパク質、vps1−45タンパク質、CHMPファミリータンパク質、選別ネキシン、rab5、7、9、38、Arf2、Arf6、GGA1−3、スフィンゴミエリンおよびステロール代謝遺伝子および薬物(例えば、GW4869、スフィンゴミエリンエステラーゼ)、MVBまたはエキソソーム内への選別のその関与に関連するコレステロールまたは脂質ラフト分割および代謝に影響を及ぼす薬物および遺伝子、特にNPC1、HMGCR、およびコレステロール低下薬のスタチンクラスから選択される、方法。
【請求項18】
診断または治療のための候補分子のスクリーニングのための、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法の用途。
【請求項19】
前記候補分子が、RNA、小分子RNA、例えばmiRNA、siRNAおよびpiRNA、mRNAまたは非コードRNAの活性および/または細胞間移行を調節するための、多胞体(MVB)の形成に関与するタンパク質または脂質から選択される、請求項18に記載の用途。
【請求項20】
(a)体液からエキソソームまたは小胞を単離するための手段と、
(b)前記エキソソーム中のsiRNAおよび/またはmiRNAおよび/または標的mRNAのレベルを測定するための手段と
を含むキット。

【図8】
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【図9−2】
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【図20】
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【図1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図9−3】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図16−2】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【公表番号】特表2011−524164(P2011−524164A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512239(P2011−512239)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005878
【国際公開番号】WO2009/147519
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(309007575)サントル・ナシオナル・ドウ・ラ・ルシエルシユ・シアンテイフイク(セー・エヌ・エール・エス) (11)
【Fターム(参考)】