小型共焦点光学装置、システムおよび方法
共焦点光学装置を開示する。この装置は、物体の三次元走査の実行が可能な3軸式走査鏡を含む。特に、この走査鏡は、環状ジンバル配置された2つの部材を取り付けた可変反射薄膜を備えることにより、2本の直交する軸の周囲で回転が得られる。装置内の別の適切な場所への設置も可能な可変薄膜を使用して、該装置から走査中の物体へと伝播された光ビームの焦点スポットの制御を行う。共焦点装置に関連した様々な方法についても記載している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して光学走査装置に関する。或る態様では、本発明は光学三次元共焦点タイプの走査装置に関する。別の態様では、本発明はさらに、小型共焦点顕微鏡・プローブおよびシステムにも関する。これに加えて、本発明はまた、共焦点顕微鏡・プローブの様々な構成要素にも関する。さらに本発明は、光学システムの焦点スポットを制御する方法に関する。またさらに、本発明は対象物を走査する方法にも関する。
【0002】
(優先権)
本願明細書は、2003年3月3日付けで提出された米国仮特許明細書第60/451、524号の恩恵を請求するものであり、この特許の開示の完全なる全ては本願明細書中で参照により援用されている。
【背景技術】
【0003】
従来の顕微鏡は、被検物の画像を拡大することによって被検物を観察することができた。光学顕微鏡は用途によっては適当であるが、2ミリメートルを越える厚い層状の被検物の研究を要する用途では、このような顕微鏡は不利になることがある。このような用途では、画像の焦点ずれ部分によってグレアが生じることが一般的である。さらに、顕微鏡の深い視野により、被検物の離散層を研究する機能が干渉されてしまい、光学顕微鏡が厚みのある被検物の光学断面画像を提供できない場合もある。光学顕微鏡と共に蛍光染料を使用する場合には、焦点ずれしている被検物の様々な部分を二次蛍光発光することで、焦点の合っている部分または区間が干渉され、その関心のある区間の画像が研究での使用に実質的に不適合となってしまう場合が多い。
【0004】
光学顕微鏡に伴うこれらおよびその他の欠点を克服するために、対物レンズ、走査鏡、高強度の光源、光検出器の組み合わせを使用した異なるタイプの顕微鏡が開発された。典型的に、共焦点顕微鏡は、さらにピンホールのような光学要素を含み、またさらに、マイクロプロセッサを用いたコンピュータまたは類似の装置のような何らかの形態のプロセッサを含んでいる。このタイプの顕微鏡では主に、画像が形成されるポイントは、対物レンズが焦点されるポイント(つまり「焦点」ポイント)と「共役」である。そのため、このタイプの顕微鏡は「共焦点」顕微鏡と呼ばれる。このような顕微鏡の動作原理を図9Aに示す。この図では、画像ポイント(例えばCP1またはCP2)は「焦点」ポイント(FP1またはFP2)と対を成している。
【0005】
共焦点顕微鏡の注目すべき利点の1つは、焦点のずれた領域からの光を拒絶するという装置機能である。共焦点顕微鏡の主な動作を説明する目的で、このような装置の略図を図9Aに示す。図9Aでは、被検物の区間Aが焦点ポイントFP1にあるため、光線ライン1を介した区間Aの画像が、共役ポイントCP1において焦点されることができる一方で、FP2(ポイントCP2と共役である)における区間Bが焦点ずれとなる。ピンホールPHが設けられていないと仮定すると、光線ライン2(光線ライン1と比較して焦点ずれである)によって形成された画像は、CP1にて光線ライン1を介して形成された画像を干渉するため、区間Bからの光のいくらかが、共役ポイントCP1へ方向付けされ、また、区間Aにおける光強度測定に影響が生じる可能性がある。共役ポイントCP1からの光強度が非常に低い場合には、共役ポイントCP2からの光が、共役ポイントCP1において人工的に高い強度を生じることができる。これにより、この画像のダイナミックレンジが低減し、その「鮮明さ」に影響する場合がある。ピンホールを設けることにより、焦点のずれた共役ポイントCP2からの光を拒絶しながら、図9Aの顕微鏡は共役焦点CP1の選択を行うことができる。これは、共役ポイントCP1以外の場所からの光によって生じる画像記録制限を緩和する補助となる。
【0006】
図9Bに概略的に示すように、共焦点顕微鏡の既知の用途では、光源LS、ピンホールPH1、ダイクロイックミラDM、走査鏡SM、光検出器PD、ピンホールPH2、対物レンズOLを使用してレーザ光LSを被検物SPにかけて走査させる。レーザ光源LSは、高い強度の光を提供するために使用され、ダイクロイックミラDMと対物レンズOLの両方を介して方向付けられる。光源LSを移動する、または対物レンズのOLの焦点を変更することにより所望の焦点FPが得られる。反射したレーザ光LSは走査鏡へ、そしてダイクロイックミラDMへと戻され、ここで、この反射した光の一部分が光受容器PDの通過を許容される。一度に観察できる部分は、焦点における、またその周囲における汎用範囲(つまり、「エアリー」ディスクとして知られている汎用円形範囲)のみであるため、走査鏡SMで被検物SPの、複数の焦点ポイントにかけて走査を行い、被検物の完全な画像を電子的に構成しなければならない。つまり、画像を形成するためには、共焦点顕微鏡がコンピュータを利用して、光源を静止状態の被検物にかけて走査するか、または被検物を静止状態の光源にかけて移動させることでグラフィカル画像を構成する。画像を電子的に構成することにより、共焦点顕微鏡が、コンピュータ・グラフィカル・ディスプレイ上または出力する紙上で、被検物の二次元画像さらには三次元画像を生成することができる。
【0007】
この既知の共焦点顕微鏡は、電子顕微鏡と光学顕微鏡の間の画像解像ギャップを補うため、研究において非常に便利である。これにより、いくつかの分野での研究において、共焦点顕微鏡を使用して生体システムを画像化する、例えば生体画像化を実施することが可能になった。しかし、従来の共焦点顕微鏡は研究所内で場所をとり、その使用が複雑であると考えられている。
【0008】
これらの欠点を克服するために、小型の共焦点顕微鏡が開発された。米国特許第5,907,425号に記載されているこの小型共焦点顕微鏡は、サブミリメートル精度の走査鏡を生成するためのシリコンマイクロ機械加工を施した鏡を、サブミリメートルの対物レンズを生成するためのバイナリ光学技術と組み合わせたものである。プロトタイプの共焦点レーザ走査顕微鏡の走査ヘッド部分の寸法は厚み1.2mm未満×幅2.5mm×長さ6.5mmでありながら、0.25の開口数(“NA”)を用いた1μmよりも優れた画像解像を達成できる。この共焦点顕微鏡は、外径たった3.4mmの皮下管の形態をしたハウジング内で光源と走査鏡の両方を移動させることで焦点制御を提供するように製造されている。また、機器が画像化中の表面と接触している場合にのみ、その50ミリ秒の画像取得時間によりモーションアーチファクトが低減し、機器を手に持った状態での画像取得時にマイクロメートル解像がほぼ達成された。
【0009】
最初のデモンストレーションまたは試作的な機器は、小型精密光学機器の分野において著しい前進を示した。これにより、高解像光学顕微鏡観察に基本的なパラダイムシフトがもたらされた。顕微鏡で画像化を行うために、例えば生体内のような自然サンプルを採取するのではなく、原位置にて小型共焦点顕微鏡をサンプル環境へ移動させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、プロトタイプの小型共焦点顕微鏡もやはり、生物学研究所、さらにはこの研究所外での日常的な使用には実用的な装置ではなかった。プロトタイプのパッケージはかなり大型であり、例えば外径は約3ミリメートルを越える。形成された画像は白黒画像であり、さらにこの機器は、バイナリ光学レンズの分散が極端であるため、また、効率的な蛍光画像化を行うには開口数が低いため、蛍光画像を取得するようには構成されていない。しかし、さらにこのプロトタイプを日常的に使用する障害となるのは、扱い難い光学、専門の使用者による操作を要する電子インターフェース、リアルタイムの画像表示および制御の欠如であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の概要について説明する前に、本願明細書中に記載する全ての出版物および特許明細書は、個々の出版物または特許明細書を参照により援用するべく特別かつ個別に提示するように、参照により援用されていることを特筆する。これは、ここで提供するあらゆる情報が従来技術のもの、または現在請求されている発明に関連する、あるいは特定的または事実上参照したあらゆる発行物が従来技術のものであるということの自白ではない。
【0012】
本発明の或る態様では、共焦点光学装置が提供される。この装置は光源、少なくとも1つの対物レンズ、単体部材、さらに少なくとも1つの駆動装置を備える。少なくとも1つの対物レンズは光源付近に配置されている。単体部材は光源付近に配置されている。単体部材は外部と内部を設けている。この内部は外部と接続し、内部は可変表面を設けている。少なくとも1つの駆動装置は、可変表面の少なくとも一部分が湾曲面に変形可能であり、少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、内部を外部に対して移動させるように構成されている。
【0013】
本発明の別の局面によれば、この装置は光源、少なくとも1つの対物レンズ、単体部材、さらに少なくとも1つの駆動装置を備えている。少なくとも1つの対物レンズは光源付近に配置されている。単体部材は光源付近に配置されている。単体部材は外部と内部を設けている。この内部は外部と接続し、外部は約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有する。内部は可変表面を有する。少なくとも1つの駆動装置は、可変表面の少なくとも一部分が独立部分1枚の湾曲面に変形可能であり、少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、内部を外部に対して移動させるように構成されている。
【0014】
本発明のさらに別の局面によれば、この装置はハウジング光源、少なくとも1つの対物レンズ、および部材を備える。ハウジングは第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。光源は光ビームを第2端部へ伝播する。少なくとも1つの対物レンズは、ハウジング内の第2端部付近に配置されている。少なくとも1つの対物レンズは、光ビームを光源から第1端部へ方向付けるための反射部分を設けている。部材は、光源と少なくとも1つの対物レンズの間に配置されている。この部材は、その動作位置内で、縦軸に対して湾曲した面を画定する反射部分を設けている。
【0015】
本発明のさらなる実施形態によれば、装置はハウジング、光を提供する光源、光ビームを複数の焦点位置へと、光ビームによって画定された集束軸上で側方および軸方向に移動させる手段を備える。
【0016】
本発明の別の局面によれば、装置はハウジング、光源、少なくとも1つの対物レンズ、部材を備える。ハウジングは、第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。光源は光ビームを第2端部へと伝播する。この光源はハウジング内の第1位置に固定されている。部材は光源と少なくとも1つの対物レンズの間に配置されている。この部材は可変反射部分を設けている。この可変反射部分は、その第1動作位置において、焦点軸に沿ったハウジングから離れた場所に第1焦点ポイントを画定するべく、ビームを少なくとも1つの対物レンズを介して方向付ける。可変反射部分は、その第2動作位置において、集束軸上に第2焦点ポイントを画定するべく、ビームを少なくとも1つの対物レンズを介して方向付ける。
【0017】
さらなる実施形態によれば、装置はハウジング、光源、少なくとも1つの対物レンズ、部材を備える。ハウジングは、第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。光源は光ビームを第2端部へ伝播する。光源はハウジング内の第1位置に固定されている。少なくとも1つの対物レンズは、ハウジング内の第2端部付近の固定位置に配置されている。部材は第2端部付近に配置されている。この部材は可変反射部分を設けている。可変反射部分は、方向付けされたビームによって画定された集束軸上の、ハウジングから離れた場所に光の第1焦点ポイントを画定するべく、第1動作位置において、少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けされたビームを反射する。可変反射部分は、集束軸上に第2焦点ポイントを画定するべく、第2動作位置において、少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けされたビームを反射する。
【0018】
本発明のこれ以外の局面によれば、装置はハウジング、光ビームを提供する光源、光ビームを移動させるための部材を備えている。ハウジングは第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。このハウジングは、縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有する。光ビームを移動させるための手段は、光ビームを、光ビームによって画定された集束軸上の第1焦点ポイントと第2焦点ポイントへ移動させる。
【0019】
本発明のさらに別の局面によれば、装置はハウジング、光源、少なくとも1つの対物レンズを備える。このハウジングは、第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。さらにこのハウジングは、縦軸に対した9ミリ平方メートル未満の最大断面部分を有する。光源は光ビームを第2端部へ送る。少なくとも1つの対物レンズは、ハウジング内の第2端部付近に配置されている。この少なくとも1つの対物レンズは1つの回折レンズと1つの屈折レンズを含む。
【0020】
本発明のさらに別の局面によれば、装置は入力部、焦点部分、ハウジングを備える。入力部分は入力部分から光ビームを送る。焦点部分は、光ビームによって画定された集束軸上の複数の焦点位置において光ビームを移動させる。ハウジングは、第1端部と第2端部縦軸に沿って延びており、入力部と焦点部分を封入している。ハウジングは、縦軸に対して約9ミリメートル未満の最大断面部分を有する。
【0021】
本発明の別の局面ではダイナミックレンズが提供される。ダイナミックレンズは、単体部材と少なくとも1つの駆動装置を備えている。単体部材は外部と内部を設けている。内部は外部と接続している。内部は可変表面を設けている。少なくとも1つの駆動装置は、可変表面の少なくとも一部分を湾曲部分面に変形し、また、少なくとも1つの駆動装置の付勢時に、内部を外部に対して移動させる。
【0022】
本発明の別の局面によれば、ダイナミックレンズが提供される。このダイナミックレンズは外部、光学内部、および少なくとも1つの駆動装置を備える。光学内部は外部と接続している。光学内部は、軸に沿って離間した基部と可変部を設けている。この基部は、第1基面と第2基面を接続する第1壁部によって第2基面から離間した第1基面を含む。この壁部は、第1開口を画定するために軸周囲に配置されている。可変部分は、第1面と第2面を接続している第2壁部により、軸に沿って第2面から離間した第1面を含む。第2壁部は、第1開口とほぼ整列した第2開口を画定するべく、軸周囲に配置されている。少なくとも1つの駆動装置は可変部分の第1面と連続しているため、少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、第1面が、1枚の湾曲固体断面に変形する。
【0023】
本発明の別の局面では、共焦点光学システムが提供される。共焦点光学システムは光検出器、光源、光ファイバ、さらに共焦点光学プローブを備えている。光検出器は、検出した光に基づいてグラフィカルディスプレイへの信号を生成する。光ファイバは第1端部と第2端部を設けている。第1端部は光源と連通している。共焦点光学プローブはハウジング、基部構造、少なくとも1つの対物レンズを備えている。ハウジングは、第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。このハウジングは、縦軸に関連した9平方メートル未満の最大断面部分を有する。基部構造は光ファイバの第2端部と接続している。この基部構造は、ハウジング内に縦軸に沿って延びており、光ファイバの第2端部をハウジングに関連した固定位置に配置する。少なくとも1つの対物レンズは、ハウジング内の第2端部付近の固定位置に配置されている。少なくとも1つの対物レンズは反射部分を備えており、この反射部分は、光ファイバを介して、光源の光ビームを方向付けされた光ビームとして、ハウジングの第1端部へ方向付ける。
【0024】
本発明の別の局面では、光学装置の焦点を制御する方法が提供される。この方法は、対物レンズどうしが相互に対して、さらにハウジングに対して固定されている光源を提供し、これにより、光源からの縦軸に沿った光ビームが対物レンズを通って集束軸上の焦点ポイントに集束し、さらに焦点ポイントを集束軸に沿って移動することができる。
【0025】
本発明の別の局面では、物体を走査する方法が提供される。この方法は、光学装置の光源、対物レンズ、ハウジングの固定関係を確立することで、光源からの光ビームが対物レンズを通って集束軸上の焦点ポイントに集束し、さらに、第1時間間隔の間に焦点ポイントを集束軸に沿って移動させることができる。
【0026】
本発明のこれ以外の利点および特徴は、ここで提供する明細書と図面を考察することで当業者に明白となる。したがって、本発明の特徴と利点は以下の記述から明瞭となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
特に明記されていない限り、ここで使用している全ての技術用語および科学用語は、関連する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同一の意味を有する。
【0028】
図1〜図8は好ましい実施形態を例証している。特に図1は、共焦点光学システム10の一例を例証している。システム10は、共焦点マイクロプローブ40で結合された光検出ユニット20とグラフィカル・ディスプレイ・ユニット30を含むことができる。例えば光ファイバタイプのビームスプリッタのような光学インターフェース22を介して、マイクロプローブ40を光検出ユニット20と結合し、これをさらにディスプレイ30に結合することができる。マイクロプローブ40は電気インターフェース24によって制御できる。システム10をデスクトップ・ユニットとして図示しているが、システム10の構成要素を持ち運び可能なまたは携帯型システム10’内において構成することが可能である。
【0029】
図1を参照すると、マイクロプローブ40は、この説明において図2、図3として例証的に示しているように、少なくとも2つの異なる配置において構成することができる。これら2つの配置を特定のエンドユーザ・アプリケーションについて構成することが可能であるが、両配置に示す各々要素は概ね同様の機能を備える。そのため、2つの実施形態間で相互交換が可能な共通の要素には同一の参照番号を付し、また、その本質的に重要な違いについて記述する。
【0030】
好ましい実施形態では、マイクロプローブ40の好ましい実施形態の各々は、第1ハウジング端部42aと第2ハウジング端部42bの間で、縦軸A−A(図4A)に沿って延びたプローブハウジング42を含むことができる。プローブハウジング42の外径は3.4ミリメートル未満である。しかし、これ以外の形状を用いることも可能であり、この場合には、ハウジング42の最大断面部分が、縦軸A−Aに対して約9平方ミリメートルを超えないことが好ましい。また、軸A−Aを走査鏡48aのZ軸、あるいは対物レンズから発せられた集束した光ビームと一致した状態で示しているが、走査鏡アセンブリ48の動作によっては、これらが同軸である必要はないことを強調する。
【0031】
図4Aに示すように、プローブハウジング42は、光ファイバケーブル44の一部分、フェルール46、走査鏡アセンブリ48、スペーサ50、さらに、レンズ52上に逆反射鏡52eを設けた少なくとも1つの対物レンズ52を収納している。これらの構成要素は、縦軸A−A上に対称的に配置されていることが好ましい。これらの構成要素は別個の部材として図示および記述しているが、1つまたはそれ以上の構成要素を単体構成要素として一体的に形成することもできる。例えば、対物レンズ52は、適切なガラスまたは重合体材料から、ハウジング42の一体形部分として形成することができる。
【0032】
図2の第1の好ましい実施形態では、マイクロプローブ40は、前面画像化(「端面ビューイング」)を行うべく、外径約1.5ミリメートル、縦軸A−Aに沿った長さ約10ミリメートルのハウジングを設けるように構成されている。図3の第2の好ましい実施形態では、マイクロプローブ40は、外径約1.8ミリメートル、縦軸A−Aに沿った長さが約10ミリメートルのハウジングを備えた反射装置53によって側面画像化を行うべく構成されている。これらの好ましい実施形態において構成されているように、光60が光ファイバ44によって開口56(例えばピンホール)へ伝播されることで、光ビーム60aが逆反射鏡52eへと向けられる。反射鏡52eは、光ビーム60aの或る部分または全体を、方向転換したビーム60bとして、走査鏡アセンブリ48へと反射する。走査鏡アセンブリ48は、この方向転換したビーム60bの或る部分または全体を対物光ビーム60cとして反射し、対物レンズを通し、焦点F1に集束させる。また、10ミリメートルの長さが好ましいと記述したが、例えば、動作に必要なパラメータを維持しながら、対物レンズの個数を減らしてマイクロプローブ40の長さを短縮することで、これ以外の適切な長さを用いることが可能である。
【0033】
次に図4Aを参照すると、光ファイバケーブル44は、第1ファイバ端部44aと第2ファイバ端部または末端部44bとの間で内部を通過して伝播される適用可能な光の波長に合ったサイズのコアを設ける、シングルモードまたはマルチモードの光ファイバ44であってよい。マルチモードの光ファイバを使用する場合は、内部を通って伝播されるモードの数に基づいた差分画像が得られる。或る好ましい実施形態では、光ファイバ44はシングルモードの光ファイバ44であるため、シングルモードファイバによって物体が照明される。このシングルモードファイバ44をデュアルモード光ファイバ44で包囲して、被検物から反射された光を検出するいわゆるダブルクラッド光ファイバとすることができる。或る実施形態では、光ファイバ44は送受両方においてシングルモード光ファイバであり、この場合、光ファイバ44は、約488ナノメートルの波長で光を通過させるために、約6ミクロンのコアと、約0.13の開口数を設けている。別の実施形態では別の寸法を採用することができ、これには例えば、1よりも大きな波長における動作をサポートするのに適した寸法が含まれる。例えば、或るアプローチでは、赤、緑、青の波長が適切であるだろう。光ファイバ44は、走査鏡の駆動装置のための電気コネクタと共に保護管状部材44c内に配置することができる。ここで使用する「約」または「概ね」という用語は、共焦点光学装置あるいはその構成要素を光学画像化装置として機能させる、それらの適切なレベルの耐性または変化を意味するものである。
【0034】
図4Aの展開図に示すように、フェルール46は、縦軸A−Aに沿って延びた第1フェルール端部46a、第2フェルール端部46bを備える。図4Bの、フェルール46を拡大した図では、フェルール46は、平坦部分46dが縦軸A−Aに沿って断面46cと直交して延びた多角形断面46cを有することで、駆動装置46e〜46h、駆動装置48c、48g用の制御回路または通信配線54を取り付けるための取り付け面と、走査鏡要素48e、48i用の接地部とを提供することが好ましい。表面46c上に1つまたはそれ以上のボス部分46j、46kを形成することにより、走査鏡アセンブリ48と駆動装置46e〜46hの間に隙間46iを設けることができる。フェルール46は、十分な硬性を有する例えば非金属、シリコン、セラミック、ガラス、またはこれら材料の様々な組み合わせを含む非導電性あるいは半導性材料によって、単体あるいは結合体として形成することができる。フェルール46はセラミックとガラスの組み合わせであることが好ましい。
【0035】
プローブハウジング42を、少なくとも1本の光ファイバケーブル44、フェルール46、走査鏡アセンブリ48、少なくとも1つの対物レンズ52を装備した共軸配置にて示したが、しかし、ハウジング42と、プローブ40の少なくとも1つの構成要素とが共軸となっていないこれ以外の用途特定配置を使用することも可能である。ハウジング42は光ファイバケーブル44、フェルール46、鏡アセンブリ48、少なくとも1つの対物レンズ52と同軸であることが好ましい。また、プローブ40のハウジング42は概ね円形の断面を有する重合体であることがさらに好ましく、この場合、この円形の断面は、概ね縦軸A−Aを横断し、約9平方ミリメートルの最大断面部分について外径が3.4ミリメートル未満、より好ましくは約2.0ミリメートル未満である。しかし、これ以外の外部形状を有するプローブハウジング42の使用も可能である。好ましい実施形態では、プローブ40のハウジング42の断面は、概ね縦軸A−Aに沿って延び、約25立方ミリメートルの円筒形容量を画定している。
【0036】
図5A、図5Bに示すように、フェルール46は、フェルール壁46cによって接続した第1フェルール端部46aと第2フェルール端部46bを含む。フェルール壁46cは、フェルール46全長にかけて、Z軸に沿って延びた開口56を形成する壁面47を備えている。開口56は、概ね円筒形の通し穴であってよく、その直径は典型的に10〜125ミクロンの範囲内、好ましくは75ミクロンである。フェルール46の第1フェルール端部46aは、プローブ40と電気インターフェース24の様々な構成要素を制御する、またはこれらをつなぐための回路基板58を含んでいてよい。例えばエッチングまたは気相成長のような適切な技術により、フェルール46の平坦面46d(D字型の断面を形成している)上に電気接続を形成できる。第2フェルール端部46bは、例えば結合または接着のような適切な技術によって端面46c上に鏡48aを取り付けた、概ね平坦な端面46cであってよい。また、好ましい実施形態では、送受光を行う光ファイバ44を示しているが、光ファイバ44ではなくレーザ源を開口56内に配置することもできる。あるいは、レーザ源と適切な光検出器の組み合わせを開口56内の、第2フェルール端部付近、および第1フェルールの末端部に配置してもよい。ここで用いている「光検出器」という用語は、例えば光電子増倍管またはフォトダイオード(例えばシリコン・フォトダイオード)のような適切な光検出装置を意味する。「光源」はレーザ源であることが好ましいが、用途によっては、これ以外の適切なパワー密度を有する光源が適切であるものもある。さらに光源には、例えば約3ミクロンに対して200ナノメートルの(例えば人間の目に対する)可視光または不可視光を含むことができるが、これに限定されるものではない。また、光(例えば人間の目に対して可視あるいは不可視の光)は特定の波長に限定されるのではなく、様々な波長の組み合わせであってよい。
【0037】
図6C、図7Aに示すように、走査鏡アセンブリ48は支持表面48bを備え、その上に走査鏡48が支持されていることが好ましい。走査鏡48aは、2つの鏡部分48c、48dを概ね同心配置にて提供するように形成することができる。両方の鏡部分48c、48dはジンバル設置した板部材48eによって支持されている。鏡48aは、第1組の直径上に配置されたビーム部材49によって、X−X軸、つまり走査鏡アセンブリ48の支持面に対して傾斜した軸の周囲で回転する。ジンバル設置した板部材48eは第2組の直径上に配置されたビーム部材49(図6B)によって支持され、Y−Y軸、つまり、走査鏡アセンブリ48の支持面に対して傾斜したチルチング軸の周囲で回転する。図7Bに示すように、鏡48aは、傾斜軸X−Xの周囲で回転することで、鏡48aの軸Zが縦軸A−Aに対する開先角度θにかけて傾斜するように示されている。同様に、鏡48aはジンバル設置した配置(明瞭性の目的から図7B中には示されていない)に基づいてチルチング軸Yの周囲でも回転できる。この配置のために、鏡48aは2本の軸において回転でき、これにより、2本の軸における光ビームの焦点F1を焦点F2へと移動させ、少なくとも1つの対物レンズ52を介して光ビームの焦点の二次元走査(図2、図3)を行うことができる。走査鏡アセンブリの外径は約700ミクロンであることが好ましい。
【0038】
図2に示すように、走査鏡アセンブリ48をさらに、光ビームによって画定された第3軸、つまりZ軸に沿って、焦点F1を別の焦点F3へと移動させるように構成することで、光源(例えば光ファイバ44)または少なくとも1つの対物レンズをプローブハウジング42内へ移動しなくても、三次元走査を実施できるようになる。この機能は、好ましい実施形態では、基面48iから離間した可変反射薄膜48h(図7B)を画定する第1壁面48gを備える走査鏡部分48c、48dを形成することによって提供される。反射薄膜48hは、適切な駆動装置によって、少なくとも1つの対物レンズ52から延びる光ビームの焦点の調整を提供する所望の曲線面へと変形できる。例えば、図7Bに示すように、反射薄膜48hを概ね放物線形状に変形して、光ファイバ44からの光ビームの集束を制御することができる。これと類似した反射薄膜48hの例が、特許協力条約の下で提出され、出願番号PCT/US04/01896号が指定された国際特許明細書であり、2004年1月26日付けで合衆国受理官庁に提出された、”Off−Axis Variable Focus And Aberration Control Mirrors,”に示され、記述されており、本願明細書ではこの明細書全体を参照により援用している。さらに、ここで使用している「反射性」という用語は、入射面への入射光と比較した、入射面からの全ての光を反射する能力と、入射面全体にかけての均等な反射とを要すると限定されない何らかの能力を意味する。
【0039】
走査鏡アセンブリ48は、利点であると考えられる設計特徴をいくつか備えている。鏡48aは、鏡48aの中心軸Zに沿って離間した基部48i、可変部分48hを含むことができる。基部は第2基面48lから離間した第1基面48kを備えており、第1基面48kと48lの間は、これらを接続するための第1壁部48nによって分離されている。壁部48nは、中心軸周囲に回転面を形成し、これにより第1開口56aが画定される。可変反射薄膜48hは第1面48hを備え、この第1面48hは、第1薄膜面48hと第2薄膜面48jを接続するための薄膜壁部48mによって、第2面48jから中心軸に沿って離間している。第2薄膜壁部は中心軸周囲に回転面を形成し、これにより、第1開口56aと整列した第2開口56bが画定され、この第2開口56bを介して、光ファイバ44の末端部からの光が逆反射鏡52eに供給される。その結果、逆反射鏡52eが、光ビームを走査するべく少なくとも2本の軸の周囲で動かすことができる可変反射薄膜48hへと光を反射して戻すことができるようになる。開口56a、56bを画定している壁部48n、48mは、中心軸周囲の回転面ではない、例えば矩形または他の多角形開口を作成する別の形状であってもよい。
【0040】
少なくとも1つの駆動装置を使用することにより、軸周囲で走査鏡48aを動かし、薄膜48hを変形させることができる。導電面46e〜46hをフェルール46の平坦面所に設けることで、導電面46e〜46hを付勢すると走査鏡48aを移動させるようにすることが好ましい。この実施形態では、鏡48aとジンバルリング48eが、静電駆動を行うためのカウンタ電極を形成する。走査鏡48aの移動は、熱電気、静電気、またはその他適切な駆動技術によって行うことができる。熱電気駆動では、導電面46e〜46hを介して電流を鏡48aの抵抗性部分に付加することで熱を発生させる。この部分に2種類の異なる材料を設けることで、鏡48aの異なる拡張、さらに移動を提供できる。静電駆動では、鏡48aを基底状態と接続し、隙間によって導電面46e〜46hから分離することで、電圧印加時に、鏡48aが、導電面46e〜46h、つまり鏡48aを移動させるための電極へと引き寄せられる。両方の配置において、開ループまたは閉ループ制御によって鏡48aの移動を制御できる。開ループ制御では、走査鏡48aの運動反応は予測パラメータ内にあるため、駆動電圧を確立することで、用途に合った十分な精度で鏡位置を画定できる。閉ループ制御では、走査鏡48aの位置が独立して監視され、この情報を、走査鏡48aの動作を駆動電圧波形にロックしようと試みるフィードバック(例えば比例、積分、導関数、またはこれらの組み合わせ)信号として用いることができる。鏡48aの位置を監視するための或る技術は、走査鏡48aと電極の間の静電容量を測定するための技術である。この静電容量は鏡48aの角度位置に従って変化するので、静電容量の変動を監視することで、鏡位置をほぼ直接的に監視することできる。別の技術は、各々のビーム部材49への歪みを、ビーム部材49上、またはその内部にマイクロ機械加工した適切な圧電要素によって測定する技術である。鏡位置を決定するために、ビームの光学的監視、あるいは位置または振幅の断続的な監視を含むこれ以外の様々なアプローチの利用が可能である。閉ループ制御に適した制御装置を用いることで、制御ループは、鏡に駆動電圧を実質的に追随させ、その結果、鏡の運動を予測しなくても制御装置の強度を走査鏡48aの正確な位置にマップできるようになる。二次元走査のための走査鏡48aの駆動は、第1部材48eまたはジンバル設置した部材48fのうち少なくとも一方の共振(例えば1キロヘルツまたは適切な周波数)開ループ制御を介した静電駆動によって生じ、走査鏡48aと導電面46e〜46h(図6B)の間における容量46i中の気団によって制動されることが好ましい。好ましい実施形態では、駆動装置が、鏡をX軸、Y軸の各々の周囲で約±5°回転させる。
【0041】
可変反射薄膜48hの表面を所望の曲線面に変形させるには、静電駆動装置を使用して所望の表面形状を達成することができる。特に、反射面48hの付近に2つの駆動装置A1、A2を設けることができる。この実施形態では、基部48iが、静電駆動のためのカウンタ電極として機能する。第1駆動装置A1は、付近にある反射面48hの中心部を各々の電気コネクタで包囲するように形成し、電動源と電気連通できるようにすることが可能である。第2駆動装置A2は、第1駆動装置A1を包囲し、走査鏡48aの外縁付近に配置できる。2つの駆動装置A1、A2に異なる差分電圧(例えば異なる電圧レベル)を設けて、表面48hがZ軸に沿った区画化された放物体表面に変形するようにすることができる。可変反射薄膜48hの中心に配置された駆動装置A1に固定電圧を提供することにより、可変電圧の関数としての様々な湾曲を介して、外部駆動装置A2が反射薄膜48hの湾曲を変更できる。2つの駆動装置のそれぞれの電圧を調整することで球体収差を低減、増加、さらには除去することもできる。走査鏡アセンブリを制御するための特定の技術が、Yuhe ShaoとDavid L.Dickensheets著の”MEMS Three−Dimensional Scan Mirror”、SPIE Vol.5348、pp.175−183、2004年1月26〜27日に示され、記述されており、本願明細書中ではその全体を参照により援用している。
【0042】
反射面48h、または反射面48hを部分的に、表面48hの軸(つまりZ軸)に沿って、表面48hの中心から縁までの中心軸Zの周囲において、任意の適切な移動位置へ移動して、三次元的に湾曲した所望の反射面を提供できる。好ましい実施形態では、反射面48hの最大移動は5ミクロンであってよく、また、適切に設計された薄膜とその支持部を用いた場合にはこれよりも大きくてよい。あるいは、2つの駆動装置に同一の電圧を供給し、両方の駆動装置を単一の駆動装置として動作することも可能である。もしくは、2つよりも多い駆動装置を使用して、薄膜形状の制御をより優れたものにすることもできる。好ましい実施形態では、湾曲した反射面は放物線体と非常に類似している場合、焦点調整の範囲“dF”は次式として近似し、
dF=4*δ/(NA)2
ここで、δは可変反射薄膜の最大移動であり、NAは開口数である。
【0043】
或る好ましい実施形態では、可変反射薄膜48hの最大移動δは約5ミクロンであるため、焦点調整の範囲dFは約125ミクロンになる。約6.1または12ミリメートルから無限の焦点長が好ましい。
【0044】
走査鏡アセンブリ48は、例えばシリコンのような基板にマイクロ機械加工を施すことで形成できる。熱酸化層を基板上に配置することができる。さらに、熱酸化物の上に犠牲のホスホシリケート・ガラス層を設け、パターン処理を施すことにより、隙間Gの側方容量を確定する。ホスホシリケート・ガラス層と熱酸化物層の上に窒化ケイ素層を形成できる。接触開口部をパターン処理し、窒化ケイ化物およびその下の酸化物にかけてエッチング加工し、その後、リン注入および焼成を施すことで、シリコン基板材料の鏡48a、ジンバルリング48e、支持リング48bの領域に電気接触部を確立できる。この電気接触部により、鏡48a、ジンバルリング48eの領域におけるシリコン基板材料を、静電駆動のためのカウンタ電極として機能させることができる。さらに、窒化物層上に導電層を形成し、パターン処理することで、導電性および反射面48hと具体的には駆動装置A1、A2を提供し、さらに、接触開口部内の注入領域との電気接続を提供し、またさらに、これら様々な導電面との外部接続のためのトレースを提供することができる。この導電層は、薄いクロミウム層の上に配置した金であることが好ましい。さらに、鏡の輪郭とその他の構造を、パターン処理し、窒化ケイ素層内にエッチング処理し、その後、異方性シリコンエッチングを施して、鏡およびジンバルリング構造を画定することができる。ディープ反応イオンエッチングのような技術を使用したこの異方性エッチングは、基板全体を貫通できる。あるいは、このエッチングは基板内の特定の深度まで貫通することができ、また、所望の基板薄さが得られるまで、またその後、前面異方性エッチング特徴が鏡板48aとジンバルリング48eの厚さ全体を貫通するまで、別の薄型化エッチングを基板の裏面に適用し、バルク基板材料を除去することができる。犠牲酸化物エッチング処理を施してガラス層を除去することが好ましい。このエッチング処理は、例えばフッ化水素酸のような酸エッチング処理を用いることが好ましい。このエッチング処理は、ホスホシリケートガラス(その層が存在する場合)を除去し、さらに、薄膜48hを形成している窒化物層の下にある熱二酸化ケイ素も除去する。その後の、水酸化カリウムまたは水酸化テトラメチルアンモニウムのような湿タイプであってよい異方性エッチング処理を施して、基板層のいくらかを除去することで、可変反射薄膜48hとその基板の間に隙間Gを設け、さらに、窒化ケイ素蝶番49の下から基板材料を除去することが好ましい。あるいは、例えばフッ化水素酸、硝酸、酢酸(HNA)のような等方性湿エッチング処理を用いることで、隙間Gを設け、蝶番49の下から基板材料を除去してもよい。あるいは、例えばキセノン・ジフルオリド蒸気のような異方性乾エッチング処理を用いることで、隙間Gを設け、蝶番49の下から基板材料を除去してもよい。単体の操作アセンブリと、単体走査鏡を製造および制御する技術の詳細は、Yuhe ShaoとDavid L.Dickensheets著の”MEMS Three−Dimensional Scan Mirror”、SPIE Vol.5348、pp.175−183、2004年1月26〜27日に示され、記述されており、本願明細書中ではその全体を参照により援用している。類似のマイクロ機械加工した鏡の製造の詳細は、2002年10月21日付けで米国特許・商標受理官庁に提出された国際特許明細書第PCT/US02/33351号(2003年5月1日付けで国際公開番号WO03/036737 A2として公開)に示され、記載されている。マイクロ機械加工した可変鏡の一般的な詳細は当業者にはよく知られており、これについては例えば米国特許第6,661,561号;5,656,768号;6,507,082号;6,398,372号;6,293,680号;6,236,490号;6,181,459号;6,108,121号;6,002,661号;5,986,795号;5,777,807号;5,661,592号;5,311,360号、および、David L.Dickensheets著、”Silicon−Micromachined Scanning Confocal Optical Microscope,”(Journal of Microelectromechanical Systems, Vol.7, No.1、1998年3月)を参照することができ、また本願明細書中ではその全体を参照により援用している。
【0045】
好ましい実施形態では、鏡アセンブリ48の酸化層の厚さは約100nmであり、ガラス層の厚さは約200ナノメートルであり、窒化物層は厚さ約1ミクロンのLPCVD低応力窒化ケイ素で、50〜100MPaの残余応力を有し、また、薄膜48hの金属層は、厚さ約50オングストロームのクロミウムのスパッタリング付着層、および厚さ約1000オングストロームの金層であってよい。好ましい実施形態では、最頂部の金属層が、静電駆動装置用の電極を各々画定する2つの導電性部材にパターン処理される。このように形成された反射薄膜48hは、窒化ケイ素層48jとベース基板材料48i(図7B)の間に、約15ミクロンの隙間Gを設けている。隙間Gは周囲の空気と連通できることが好ましい。この構成は、可変反射薄膜48hに最大で5ミクロンの歪曲を設けながら、反射波面の光学収差を、λ=500〜600nmにて測定した場合の波長の2倍未満、好ましくは波長の1/5未満に各々維持するように例証されている。可変鏡の集束および収差の修正についての詳細は、Phillip A. Himmer、David L. Dickensheets,Robert A. Friholm著、”Micromachined silicon nitride deformable mirrors for focus control,”(Optics Letters, Vol. 26, No. 16, pp 1280−1282、2001年8月)に記載されており、また本願明細書中ではその全体を参照により援用している。
【0046】
可変反射薄膜48hを好ましくは走査鏡48aの単体部分として示し、記述したが、可変反射薄膜48hを走査鏡48aとは別個に、共焦点光学装置内の別の場所に設けながら、三次元操作機能を維持することも可能である。例えば、可変反射薄膜48hの代わりに、少なくとも1つの対物レンズ52の逆反射鏡52aを使用することにより、走査鏡アセンブリ48の走査機能からの集束を別に分けることができる。その結果、走査鏡48aを、変形可能にするのではなく、概ね平坦な形状に固定された反射面を設けるように形成することができ(つまり「非可変鏡」)、また、少なくとも1つの対物レンズ52に、その縦軸A−Aに沿った集束を変更させるように表面が変形する可変反射薄膜48hを設けることができる。別の好ましい実施形態では、この非可変走査鏡を少なくとも1つの対物レンズ52の回折光学要素52a上に配置しながら、可変反射薄膜48hをフェルール端部キャップ46c上の、光学光源44bの付近に取り付けることができる。
【0047】
図1を参照すると、走査鏡48aの移動と反射面48hsの変形は、マルチストランドケーブル54によってマイクロプローブ40と接続した電子インターフェース24によって得られることが好ましい。マルチストランドケーブル54は、走査鏡アセンブリ48の各々対応する駆動装置46e〜46h、A1、A2、基板と接続している。
【0048】
図8Aを参照すると、少なくとも1つの対物レンズ52の好ましい実施形態を示している。少なくとも1つの対物レンズ52は、好ましくは水不透過性の複数のレンズのグループであってよく、これらのレンズは、マイクロプローブ20と共に組み立てると、焦点の長さが空中にて約1ミリメートルで、400〜600ナノメートルの範囲内の波長についての開口数が約0.4である、約200ミクロンの視野上に物体を拡大する能力が4倍となる。このレンズのグループは、少なくとも1つの対物レンズ52を通過する光の色消し(例えば、彩度および球状収差の修正)を行うために、少なくとも1つの反射光学要素を備えた少なくとも1つの回折光学要素を含んでいる。このレンズのグループは、純粋なシリカガラスから成る回折光学要素52aと、BK7(例えばホウケイ酸クラウン)ガラスから成る3つの回折光学要素52b、52c、52dを設けていることが好ましい。回折光学要素52b〜52dは、各々のレンズの端面にて相互に接触している平凸レンズであることが好ましい。さらに回折光学要素52aは、対物レンズのグループ全体の長さが約5ミリメートルとなるようにするべく、屈折光学要素52b〜52dの1つと接触するように組み立てることが可能である。対物レンズ52の長さ(さらに、したがってハウジング42の長さ)をより短くすることが望ましい場合には、例えばダイヤモンドまたはサファイアのようなより高い指数の回折ガラス材料を使用することができる。あるいは、対物レンズ52は単体要素レンズであるか、またはモノリシック構造としてハウジング42と一体的に形成することができる。好ましい実施形態では、対物レンズ52a〜52dのグループをハウジング42の内壁に固定することができ、この場合、ハウジングは、概ね約9平方ミリメートル未満の縦軸A−Aを横断する最大断面部分を有する。別の好ましい実施形態では、対物レンズ52a〜52dのグループは、1.5ミリメートルの最大外径を有するハウジング42の内壁に固定されている。レンズの断面は円形であることが好ましいことを特筆する。図8Aに、レンズの直径を1.6mmとした対物レンズの好ましい実施形態を相対的な縮小率で示しており、好ましい実施形態について適切に測定した場合、対物レンズが他の構成要素と共に動作して、物体の共焦点画像化が可能になる。さらに、当業者は、従来の市販されている光学設計ソフトウェアを使用し、ここで示し、記述した選択されたパラメータに基づいて、適切なレンズ構造を決定することもできる。
【0049】
図8Bを参照すると、好ましい対物レンズ52の反対の反応の例証を示している。図中のプロットライン100は、対物レンズ52の、1000ラインペア/ミリメートルを超えるその中心軸上での許容可能な反対の反応を示す。プロットライン102は、やはり1000ラインペア/ミリメートル以上に許容可能な、軸から約100ミクロンオフセットした対物レンズ52の反対の反応を示す。
【0050】
図8Cを参照すると、対物レンズ52の解像度の図を、軸上と軸からオフセットした場所の2つのデータについて示している。プロットライン104にて示すように、主要ローブの半値での共焦点反応における軸上ポイント分散関数の幅(幅は、プロットされた「一方向」ポイント分散関数の最大値である0.707)は、約0.52ミクロンにて許容可能であると考えられる。プロットライン106に示すように、軸から約100ミクロンオフセットした場所における共焦点反応ポイント分散関数の半値での幅は約.7ミクロンである。
【0051】
動作時に、共焦点マイクロプローブ40は、光ファイバ44と光学インターフェース22を介して光検出ユニット20と接続している。マイクロプローブ40のハウジング42の先端を適切な被検物または物体(図示せず)の付近に配置することができる。例えばLeica CLSM Model NTのような市販のユニットであってよい光検出ユニット20から光が提供される。光検出ユニット20にて生成された光60が光学インターフェース22を介して光ファイバ44の末端部44bへ伝播される。この場合、光60aは、走査鏡アセンブリ48上に形成された開口56を介して伝播され、対物レンズ52に形成した逆反射鏡52aで反射され、方向転換した光ビーム60bとなる。方向転換した光ビーム60bは、可変反射薄膜48hに衝突し、対物レンズ52へと反射されて対物的な光のビーム60cとなる。この物体光60cが走査中の物体を照明し、さらに、用途に従って、明視野または蛍光画像の各々についてレーリー散乱光またはストークスシフト光を収集できる。
【0052】
上述した好ましい実施形態に基づき、プローブ40の焦点スポットF1を制御する、または物体を走査する方法が達成される。この方法では、物体光60cの焦点制御または物体光60cの走査制御を、離散間隔、重複間隔、または同時時間間隔にて実施する。詳細には、焦点制御は、各々の電極A1、A2に供給された差分静電圧を用いて反射薄膜48hを変形させることにより、焦点スポットF1が、光ビームによって画定された焦点軸Zに沿って、例えばF3のような別のスポットへと移動する。焦点制御は物体光に実施されているが、さらに、走査鏡48aの基部48iをそれぞれ直交軸X−XおよびY−Yの周囲で傾斜させ、焦点スポットF1が焦点軸Zに対して側方に焦点スポットF2へと移動できるようにすることで、走査制御も実施できる。より詳細には、共焦点マイクロプローブ40は、3つ全ての次元において、例えば1秒毎の物体画像が24、36、42フレームといった、物体を表示するのに十分な走査速度で走査を実施することができる。好ましくは、共焦点マイクロプローブ40は、焦点ポイントをX−Y平面に沿って、焦点軸に対して側方に、少なくとも1キロヘルツの走査速度で移動させることができるため、この走査速度は、1つのフレーム中に少なくとも200本のラインを20ミリ秒以内で十分生成できる。つまり、物体を20キロヘルツの走査速度で走査するために、走査鏡と対物レンズが焦点ポイントを焦点軸に沿って移動できる。側方および軸方向走査について、100KHzを越える軸速度(焦点調整)を含むこれ以外の走査速度を用いることができる。環境または被走査物体が長時間静止した状態にある場合には、走査速度を任意に選択しても十分に実用的な画像を得ることができる。さらに、(走査鏡アセンブリ48の)可変薄膜48hと駆動装置A1およびA2によって、光ビームによって画定された焦点軸Z上の複数の焦点位置において光ビームを移動させる手段を提供することが好ましい。特に、非可変鏡(例えば、表面が平坦面または湾曲面へと選択的に変形しない鏡)を装備した走査鏡アセンブリ48は、概ね焦点軸Zに対して直交する平面にかけて光ビームを走査する手段を提供する。より好ましくは、走査鏡アセンブリ48と対物レンズ52が、複数の焦点位置において光ビームを、光ビームによって画定された焦点軸Zに対して軸方向および側方に向かって約100ミクロン離れた場所へと移動させる手段を提供する。
【0053】
これにより、可変反射薄膜48hは、多くの望ましい焦点F1、F3の1つにおける物体光を、初期焦点軸Z(図2、図3)に沿って、対物レンズ52の最後のガラス面から0〜100ミクロン離れた距離へ配置することができる。つまり、可変反射薄膜48hを制御することにより、初期焦点軸Zに沿った深度走査を実施できる。他方で、焦点を、直交軸XおよびYに沿って、初期焦点軸Zに対して側方に移動させることにより、側方走査(つまり二次元走査)を実施できる。したがって、側方走査と深度走査を組み合わせることにより、物体の三次元画像を提供する三次元走査を実施することができる。
【0054】
好ましい実施形態の装置は、焦点ポイントに変化を達成するための、被走査物体、光源、または対物光学レンズを移動させることなく光ビームの焦点を3つの次元において移動させるその機能により、例えばホログラフィック・ディスプレイ、複数の焦点面を有する走査光ディスプレイ、仮想網膜ディスプレイ、非平坦面にかけてのバーコード(または他の記号論および文字)走査、さらに、例えば光学面(例えばコンパクトディスクまたはデジタルビデオディスク媒体)に対する送信、読み取り、書き込みを含む三次元光学信号処理のような三次元画像化に非常に適していると考えられる。
【0055】
さらなる好ましい実施形態の用途は、以前は接触不可能であると考えられていた様々な環境での画像化(二次元または三次元画像化)であり、これには例えば、地下水、核貯蔵施設、人間の身体またはその器官の内部および外部を含む自然環境におけるバイオフィルムが含まれる。以下において、例証的な各々の環境について説明する。
【0056】
多孔性媒体におけるバイオフィルムの形成
好ましい場面においてバイオフィルムが利用される場所の1つとして、地下水流中での操作が確実に挙げられるだろう。バイオフィルムは、多孔性媒体を通る水の流れを最大99.5%まで遮断する機能を備え、またこの方法は、二次オイル回収操作において、地表下の汚染物を隔離する、または「突破」ゾーンを遮断するためにも使用できる。二次回収で使用される射出容器から水を搬送する「ストリンガー」を選択的に発生源と直接つなぐことにより、全体のオイル生成が増分的に15%増加すると計算されていた。米国に限って言えば、これによってさらに莫大な量のオイルを回収することが可能になる。この技術について小規模商業的で大規模な試験的デモンストレーションが実施されてきた。次に挙げられる表面下バイオフィルム技術の再利用は、岩盤と接近して固められ、地下水源を危機に晒す汚染物の周囲に貫通不能なバリアを形成する機能を備えた、非常に低コストの「生体バリア」である。これに関しては非常に大規模なデモンストレーション・プロジェクトが実施されている。
【0057】
表面下バイオフィルムの分野において今日まで直面してきた大きな問題は、大規模な浸漏計内に長期間に亘って形成されるバリアの性能の改善によって生じる、流量および栄養素流送量のような様々なパラメータを微細に調整する必要性であった。バリアの性能は、バクテリア細胞の多孔性材料の孔の周囲の表面への付着と、栄養素の摂取が可能になったことで粘着性細胞が形成するマトリックス材料の量とに基づくと考えられている。しかし、バイオフィルムよる遮断を試みる細胞の粘着性、または孔空間内におけるマトリックス材料の生成を定量化する方法は現在のところ存在しないと考えられており、また、これらの数値は、多孔性媒体の各部分において不均等となると予測されている。或る将来性の高い構成では、好ましい実施形態の1つによる共焦点マイクロプローブを、医療用トロカールを介して多孔性媒体の異なる場所に挿入するものである。観察者は、記録された画像によって、バクテリア細胞が存在している範囲、粒子の表面と関連した範囲、観察者がこの場所に作成したマトリックス材料の量を視覚的に見ることが可能になる。さらに、好ましい実施形態の共焦点プローブは、細胞活動用の化学プローブと組み合わせて使用できるため、バイオリミジエーション作用を含む、バクテリアの存在と活動が主要要素である表面下の接触し難い範囲におけるバクテリアの活動の観察を補助することもできる。
【0058】
核貯蔵施設
ネバダ州のユッカマウンテン核貯蔵施設が出現するまで、多くのエネルギー施設部署では増加する核廃棄物の海上貯蔵施設への貯蔵を余儀なくされ、これらの作業のいくつかは、生物付着および微生物腐食(MIC)に伴う問題を報告している。金属面上へのバイオフィルム形成とMICの開始との間の機能的つながりの理論的な研究する大型契約が開始されたと考えられてきたが、放射線の安全性問題のために実際の施設への出入りは制限されている。これら施設の低倍率観察用の光ファイバ探知機が市販されており、これらの機器は水の懸濁度、金属面に腐食ピットの形成開始について優れたデータを提供する。しかし、水の懸濁とピットの形成は、重大な問題において相当に進行した段階で見られる症状であり、MICと金属欠陥の原因となるものはバイオフィルムであるため、これら表面上のバイオフィルム形成の程度についての精密なデータが必要である。好ましい実施形態の1つによる共焦点プローブは、特定の施設内での保管が可能であり、優れた移動能力と多くの表面を検査する機能を有し、また、共焦点的解釈および画像分析を行うべく標準的なモバイル機器パッケージと安全な相互作用を実施することができる。好ましい共焦点プローブは、水中生態系での静止状態において、接触可能な全ての表面上に形成される同一の粘着性を有するバイオフィルムを取得するが、このプローブはシステムから取り外して洗浄でき、さらに、統計的に著しい数の表面部位に導入され、バイオフィルムの厚さに関する精格な判断を行う。
【0059】
自然環境における混合種バイオフィルム
従来の共焦点マイクロプローブで使用するフローセルにおいて、健康な口中の歯肉溝を占める混合種バイオフィルムを確立することは非常に困難であると考えられている。数人の研究家が8種の多動物種用のバイオフィルムを開発したが、これらの人工バイオフィルムは、実際に口中に見られる非常に複雑で、機構的に非常に強力な副歯肉プラークを表すとは考えられなかった。同様に、歯肉内流体の安定した流れをフローセルで模造することは困難であり、歯肉洗浄のような作業によって生じる流体の局所的摂動をフローセルで複製することは不可能である。歯肉溝は、人間の身体内におけるバクテリアと細胞の間の最も広範囲の接触範囲の1つであり、また、健康の維持には、このような並置によって生じる炎症を最小化することが必要である。この重要な自然生態系では、バクテリアの実際の成長モードは極めて重要であるが、その理由は、プランクトン(浮遊生物)細胞はバイオフィルム細胞と異なり、組織に対して遥かに刺激的であるのに対し、バイオフィルムは隙間に対して耐性を有するが、通常炎症を発生しない傾向にあるためである。
【0060】
やはり器具類に容易に接触する別の自然微生物の集団が人間の膣内で成長しており、これら通常の微生物の成長モードも同等に、またはそれ以上に重要である。人間の身体系統を研究する微生物生態学者は、これら両方の生態系における化学条件に十分な関心を寄せているため、特に近年では膣システムにおけるpHおよび酸素の張力の連続的な多数の粗測定値を、大型直径の機器を用いて計測した。好ましい実施形態による共焦点プローブは、蛍光染色に頼ることなくバクテリア細胞を生体内で分解できると考えられている。回答が得られると考えられる1つの問題は、プランクトン形態またはバイオフィルム形態のバクテリア細胞における優勢な成長モードであり、別の質問は、組織表面がバクテリアバイオフィルムによって実際に遮断される範囲である。好ましい実施形態による蛍光性およびその他の化学タイプの共焦点プローブは、バクテリアを視覚化するために使用でき、人間システムの代わりとなる公知の動物(膣に関してはヒヒ、歯科研究にはビーグル犬)が使用され得り、また、これら両システムのバクテリア密集度の完全なマッピングを行うことが可能である。さらに重要なのは、微生物マップを、バイオフィルム内に特別な場所を形成することによって生じる化学異種のマップとつなぐことができる点である。そのため、隔離された組織がバクテリアに対して何を「見る」かを確実に判断できると考えられる。隔離された臓器システム内の組織表面上に直接バクテリアバイオフィルムを視覚化することで、この分野に劇的な進歩をもたらすと考えられる。
【0061】
組織表面上へのバイオフィルム処置の研究
バイオフィルムの特徴は、そのプランクトン相対物を容易に破壊してしまう抗菌性因子に対する抵抗性が特に高いことである。これら抗菌性要素のうち最も重要なものの1つは、自然界(アメーバ)および体内(好中球)バクテリアを事実上飲み込もうと試みる食細胞であり、フローセルにおける未完全な研究は、バイオフィルムはこれらの食細胞から非常に上手く保護されることを示している。バイオフィルムはガラス面も形成され、問題が発生する溶媒は人工溶液(生理食塩水)であるため、これらの生体内フローセル研究はバイオフィルムと食細胞の間の自然な接触を示すものではない。体内で生じる実際の処置は、血管の内皮のような組織表面上で発生し、血液全体において発生する。これらの理由から、フローセル実験は実際に現実を表すものでないのに対し、好ましい実施形態の共焦点マイクロプローブでは人間の身体の体内環境をリアルタイムで画像化することができる。
【0062】
好ましい実施形態のマイクロプローブは、心内膜炎の誘発に用いるカテーテル瘢痕技術によってバクテリアバイオフィルムを形成するべく誘発された動物の血管内に配置することができる。この共焦点プローブは、適切な血管の管腔内で操作され、また、バクテリアバイオフィルムが内皮面上に配置されるまで、一般的な処置を蛍光透視法によって導くことができる。バイオフィルム付近における組織の炎症性の処置は組織構造の変化によって検出でき、動物のサイトカイン反応を利用可能な多くの技術によって観察することができ、血小板反応を共焦点マイクロプローブによって容易に視覚化することができる。非常に急速に発生する血小板反応の次には、多形核白血球(PMN)のインテグリン誘導された攻撃と、さらに、この攻撃と、バイオフィルム内でのバクテリア細胞の殺滅または除去におけるその効能との記録が予想される。除去は顕微鏡によって観察され、殺滅は従来の共焦点マイクロスコープと共に使用されると考えられる「生−死」着色によって判断される。好ましい実施形態の共焦点マイクロプローブは、例えば無傷の血管の組織表面上の、血清内での食細胞に対するバイオフィルムバクテリアの高い抵抗性といったバイオフィルム処置を検査する機能を提供する。これは、平坦なガラス表面上の生理食塩水内で同一の処置を検査する現在の検査方法に多大な進歩をもたらし、さらに、この共焦点マイクロプローブの好ましい実施例に基づき、これ以外の多くのバイオフィルム処置を遥かに現実的にモデリングできると考えられる。
【0063】
生体内光学生検
小型共焦点光学顕微鏡への或る特定の関心範囲は、組織の疾病状態を判断する目的で、無傷の組織のセルラー解像による直接的な画像化である。これは光学生検と呼ばれる。共焦点顕微鏡は無傷組織の表面下の深度を画像化できるため、表面付近の細部および深い位置にある細胞について、細胞の大きさ、核の大きさ、核の細胞質比率、およびその他の形態的特徴のような重要な特徴を入手することができる。これにより、例えば癌または前癌検出のため、あるいは癌性病巣の縁を判断するために、健康な細胞と疾病細胞とを区別することができる。小型顕微鏡は、顕微鏡を画像化する組織付近へ導くために必要な特別なプローブ、カテーテル、内視鏡、針、その他の搬送用器具を使用した、身体の表面上または体内の微視的な検査を可能にする。明視野画像化と蛍光性画像化をここで記述したとおりに1つのプローブ内に組み合わせることにより、屈折指数、自動蛍光量、さらに外因的なマーカーによって生じた蛍光発光における変化により、構造をコントラストを付けて画像化することが可能になる。生体光学生検の研究用途と臨床用途の両方は、好ましい実施形態の適切な使用に基いた場合に実用的であると考えられる。
【0064】
本発明をその特定の実施形態に関連して記述したが、さらなる変更が可能であると理解され、また、本願明細書は、一般に本発明の原理に追随し、本発明が関連する技術上知られた従来的あるいは慣習的な実用に包含され、先に説明した本質的特徴に適用でき、付属の特許請求項の範囲に含まれる本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の応用形、使用、適合を網羅することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】好ましい実施形態の共焦点顕微鏡システムの断面図を示す。
【図2】図1のシステムで使用できるマイクロ共焦点プローブの第1の好ましい実施形態を示す。
【図3】図1のシステムで使用できるマイクロ共焦点プローブの第2の好ましい実施形態を示す。
【図4】図2のプローブの展開図を示す。
【図5A−C】フェルールおよび関連する構成要素の平面図、端面図、側面図を各々示す。
【図6A−C】図5Cのナノ機械加工を施した走査鏡の端面図および2つの異なる断面図を各々示す。
【図7A−B】或る動作条件にあるマイクロ機械加工を施した鏡の半断面図と、別の動作条件にあるマイクロ機械加工を施した鏡の半断面図を示す。
【図8A】図2のプローブ用の好ましいマルチ要素対物レンズの側面図を示す。
【図8B−C】好ましいマルチ要素対物レンズの性能パラメータを示す。
【図9A−B】一般的な共焦点顕微鏡の主要動作と、従来の共焦点顕微鏡の略図を各々示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して光学走査装置に関する。或る態様では、本発明は光学三次元共焦点タイプの走査装置に関する。別の態様では、本発明はさらに、小型共焦点顕微鏡・プローブおよびシステムにも関する。これに加えて、本発明はまた、共焦点顕微鏡・プローブの様々な構成要素にも関する。さらに本発明は、光学システムの焦点スポットを制御する方法に関する。またさらに、本発明は対象物を走査する方法にも関する。
【0002】
(優先権)
本願明細書は、2003年3月3日付けで提出された米国仮特許明細書第60/451、524号の恩恵を請求するものであり、この特許の開示の完全なる全ては本願明細書中で参照により援用されている。
【背景技術】
【0003】
従来の顕微鏡は、被検物の画像を拡大することによって被検物を観察することができた。光学顕微鏡は用途によっては適当であるが、2ミリメートルを越える厚い層状の被検物の研究を要する用途では、このような顕微鏡は不利になることがある。このような用途では、画像の焦点ずれ部分によってグレアが生じることが一般的である。さらに、顕微鏡の深い視野により、被検物の離散層を研究する機能が干渉されてしまい、光学顕微鏡が厚みのある被検物の光学断面画像を提供できない場合もある。光学顕微鏡と共に蛍光染料を使用する場合には、焦点ずれしている被検物の様々な部分を二次蛍光発光することで、焦点の合っている部分または区間が干渉され、その関心のある区間の画像が研究での使用に実質的に不適合となってしまう場合が多い。
【0004】
光学顕微鏡に伴うこれらおよびその他の欠点を克服するために、対物レンズ、走査鏡、高強度の光源、光検出器の組み合わせを使用した異なるタイプの顕微鏡が開発された。典型的に、共焦点顕微鏡は、さらにピンホールのような光学要素を含み、またさらに、マイクロプロセッサを用いたコンピュータまたは類似の装置のような何らかの形態のプロセッサを含んでいる。このタイプの顕微鏡では主に、画像が形成されるポイントは、対物レンズが焦点されるポイント(つまり「焦点」ポイント)と「共役」である。そのため、このタイプの顕微鏡は「共焦点」顕微鏡と呼ばれる。このような顕微鏡の動作原理を図9Aに示す。この図では、画像ポイント(例えばCP1またはCP2)は「焦点」ポイント(FP1またはFP2)と対を成している。
【0005】
共焦点顕微鏡の注目すべき利点の1つは、焦点のずれた領域からの光を拒絶するという装置機能である。共焦点顕微鏡の主な動作を説明する目的で、このような装置の略図を図9Aに示す。図9Aでは、被検物の区間Aが焦点ポイントFP1にあるため、光線ライン1を介した区間Aの画像が、共役ポイントCP1において焦点されることができる一方で、FP2(ポイントCP2と共役である)における区間Bが焦点ずれとなる。ピンホールPHが設けられていないと仮定すると、光線ライン2(光線ライン1と比較して焦点ずれである)によって形成された画像は、CP1にて光線ライン1を介して形成された画像を干渉するため、区間Bからの光のいくらかが、共役ポイントCP1へ方向付けされ、また、区間Aにおける光強度測定に影響が生じる可能性がある。共役ポイントCP1からの光強度が非常に低い場合には、共役ポイントCP2からの光が、共役ポイントCP1において人工的に高い強度を生じることができる。これにより、この画像のダイナミックレンジが低減し、その「鮮明さ」に影響する場合がある。ピンホールを設けることにより、焦点のずれた共役ポイントCP2からの光を拒絶しながら、図9Aの顕微鏡は共役焦点CP1の選択を行うことができる。これは、共役ポイントCP1以外の場所からの光によって生じる画像記録制限を緩和する補助となる。
【0006】
図9Bに概略的に示すように、共焦点顕微鏡の既知の用途では、光源LS、ピンホールPH1、ダイクロイックミラDM、走査鏡SM、光検出器PD、ピンホールPH2、対物レンズOLを使用してレーザ光LSを被検物SPにかけて走査させる。レーザ光源LSは、高い強度の光を提供するために使用され、ダイクロイックミラDMと対物レンズOLの両方を介して方向付けられる。光源LSを移動する、または対物レンズのOLの焦点を変更することにより所望の焦点FPが得られる。反射したレーザ光LSは走査鏡へ、そしてダイクロイックミラDMへと戻され、ここで、この反射した光の一部分が光受容器PDの通過を許容される。一度に観察できる部分は、焦点における、またその周囲における汎用範囲(つまり、「エアリー」ディスクとして知られている汎用円形範囲)のみであるため、走査鏡SMで被検物SPの、複数の焦点ポイントにかけて走査を行い、被検物の完全な画像を電子的に構成しなければならない。つまり、画像を形成するためには、共焦点顕微鏡がコンピュータを利用して、光源を静止状態の被検物にかけて走査するか、または被検物を静止状態の光源にかけて移動させることでグラフィカル画像を構成する。画像を電子的に構成することにより、共焦点顕微鏡が、コンピュータ・グラフィカル・ディスプレイ上または出力する紙上で、被検物の二次元画像さらには三次元画像を生成することができる。
【0007】
この既知の共焦点顕微鏡は、電子顕微鏡と光学顕微鏡の間の画像解像ギャップを補うため、研究において非常に便利である。これにより、いくつかの分野での研究において、共焦点顕微鏡を使用して生体システムを画像化する、例えば生体画像化を実施することが可能になった。しかし、従来の共焦点顕微鏡は研究所内で場所をとり、その使用が複雑であると考えられている。
【0008】
これらの欠点を克服するために、小型の共焦点顕微鏡が開発された。米国特許第5,907,425号に記載されているこの小型共焦点顕微鏡は、サブミリメートル精度の走査鏡を生成するためのシリコンマイクロ機械加工を施した鏡を、サブミリメートルの対物レンズを生成するためのバイナリ光学技術と組み合わせたものである。プロトタイプの共焦点レーザ走査顕微鏡の走査ヘッド部分の寸法は厚み1.2mm未満×幅2.5mm×長さ6.5mmでありながら、0.25の開口数(“NA”)を用いた1μmよりも優れた画像解像を達成できる。この共焦点顕微鏡は、外径たった3.4mmの皮下管の形態をしたハウジング内で光源と走査鏡の両方を移動させることで焦点制御を提供するように製造されている。また、機器が画像化中の表面と接触している場合にのみ、その50ミリ秒の画像取得時間によりモーションアーチファクトが低減し、機器を手に持った状態での画像取得時にマイクロメートル解像がほぼ達成された。
【0009】
最初のデモンストレーションまたは試作的な機器は、小型精密光学機器の分野において著しい前進を示した。これにより、高解像光学顕微鏡観察に基本的なパラダイムシフトがもたらされた。顕微鏡で画像化を行うために、例えば生体内のような自然サンプルを採取するのではなく、原位置にて小型共焦点顕微鏡をサンプル環境へ移動させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、プロトタイプの小型共焦点顕微鏡もやはり、生物学研究所、さらにはこの研究所外での日常的な使用には実用的な装置ではなかった。プロトタイプのパッケージはかなり大型であり、例えば外径は約3ミリメートルを越える。形成された画像は白黒画像であり、さらにこの機器は、バイナリ光学レンズの分散が極端であるため、また、効率的な蛍光画像化を行うには開口数が低いため、蛍光画像を取得するようには構成されていない。しかし、さらにこのプロトタイプを日常的に使用する障害となるのは、扱い難い光学、専門の使用者による操作を要する電子インターフェース、リアルタイムの画像表示および制御の欠如であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の概要について説明する前に、本願明細書中に記載する全ての出版物および特許明細書は、個々の出版物または特許明細書を参照により援用するべく特別かつ個別に提示するように、参照により援用されていることを特筆する。これは、ここで提供するあらゆる情報が従来技術のもの、または現在請求されている発明に関連する、あるいは特定的または事実上参照したあらゆる発行物が従来技術のものであるということの自白ではない。
【0012】
本発明の或る態様では、共焦点光学装置が提供される。この装置は光源、少なくとも1つの対物レンズ、単体部材、さらに少なくとも1つの駆動装置を備える。少なくとも1つの対物レンズは光源付近に配置されている。単体部材は光源付近に配置されている。単体部材は外部と内部を設けている。この内部は外部と接続し、内部は可変表面を設けている。少なくとも1つの駆動装置は、可変表面の少なくとも一部分が湾曲面に変形可能であり、少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、内部を外部に対して移動させるように構成されている。
【0013】
本発明の別の局面によれば、この装置は光源、少なくとも1つの対物レンズ、単体部材、さらに少なくとも1つの駆動装置を備えている。少なくとも1つの対物レンズは光源付近に配置されている。単体部材は光源付近に配置されている。単体部材は外部と内部を設けている。この内部は外部と接続し、外部は約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有する。内部は可変表面を有する。少なくとも1つの駆動装置は、可変表面の少なくとも一部分が独立部分1枚の湾曲面に変形可能であり、少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、内部を外部に対して移動させるように構成されている。
【0014】
本発明のさらに別の局面によれば、この装置はハウジング光源、少なくとも1つの対物レンズ、および部材を備える。ハウジングは第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。光源は光ビームを第2端部へ伝播する。少なくとも1つの対物レンズは、ハウジング内の第2端部付近に配置されている。少なくとも1つの対物レンズは、光ビームを光源から第1端部へ方向付けるための反射部分を設けている。部材は、光源と少なくとも1つの対物レンズの間に配置されている。この部材は、その動作位置内で、縦軸に対して湾曲した面を画定する反射部分を設けている。
【0015】
本発明のさらなる実施形態によれば、装置はハウジング、光を提供する光源、光ビームを複数の焦点位置へと、光ビームによって画定された集束軸上で側方および軸方向に移動させる手段を備える。
【0016】
本発明の別の局面によれば、装置はハウジング、光源、少なくとも1つの対物レンズ、部材を備える。ハウジングは、第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。光源は光ビームを第2端部へと伝播する。この光源はハウジング内の第1位置に固定されている。部材は光源と少なくとも1つの対物レンズの間に配置されている。この部材は可変反射部分を設けている。この可変反射部分は、その第1動作位置において、焦点軸に沿ったハウジングから離れた場所に第1焦点ポイントを画定するべく、ビームを少なくとも1つの対物レンズを介して方向付ける。可変反射部分は、その第2動作位置において、集束軸上に第2焦点ポイントを画定するべく、ビームを少なくとも1つの対物レンズを介して方向付ける。
【0017】
さらなる実施形態によれば、装置はハウジング、光源、少なくとも1つの対物レンズ、部材を備える。ハウジングは、第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。光源は光ビームを第2端部へ伝播する。光源はハウジング内の第1位置に固定されている。少なくとも1つの対物レンズは、ハウジング内の第2端部付近の固定位置に配置されている。部材は第2端部付近に配置されている。この部材は可変反射部分を設けている。可変反射部分は、方向付けされたビームによって画定された集束軸上の、ハウジングから離れた場所に光の第1焦点ポイントを画定するべく、第1動作位置において、少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けされたビームを反射する。可変反射部分は、集束軸上に第2焦点ポイントを画定するべく、第2動作位置において、少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けされたビームを反射する。
【0018】
本発明のこれ以外の局面によれば、装置はハウジング、光ビームを提供する光源、光ビームを移動させるための部材を備えている。ハウジングは第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。このハウジングは、縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有する。光ビームを移動させるための手段は、光ビームを、光ビームによって画定された集束軸上の第1焦点ポイントと第2焦点ポイントへ移動させる。
【0019】
本発明のさらに別の局面によれば、装置はハウジング、光源、少なくとも1つの対物レンズを備える。このハウジングは、第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。さらにこのハウジングは、縦軸に対した9ミリ平方メートル未満の最大断面部分を有する。光源は光ビームを第2端部へ送る。少なくとも1つの対物レンズは、ハウジング内の第2端部付近に配置されている。この少なくとも1つの対物レンズは1つの回折レンズと1つの屈折レンズを含む。
【0020】
本発明のさらに別の局面によれば、装置は入力部、焦点部分、ハウジングを備える。入力部分は入力部分から光ビームを送る。焦点部分は、光ビームによって画定された集束軸上の複数の焦点位置において光ビームを移動させる。ハウジングは、第1端部と第2端部縦軸に沿って延びており、入力部と焦点部分を封入している。ハウジングは、縦軸に対して約9ミリメートル未満の最大断面部分を有する。
【0021】
本発明の別の局面ではダイナミックレンズが提供される。ダイナミックレンズは、単体部材と少なくとも1つの駆動装置を備えている。単体部材は外部と内部を設けている。内部は外部と接続している。内部は可変表面を設けている。少なくとも1つの駆動装置は、可変表面の少なくとも一部分を湾曲部分面に変形し、また、少なくとも1つの駆動装置の付勢時に、内部を外部に対して移動させる。
【0022】
本発明の別の局面によれば、ダイナミックレンズが提供される。このダイナミックレンズは外部、光学内部、および少なくとも1つの駆動装置を備える。光学内部は外部と接続している。光学内部は、軸に沿って離間した基部と可変部を設けている。この基部は、第1基面と第2基面を接続する第1壁部によって第2基面から離間した第1基面を含む。この壁部は、第1開口を画定するために軸周囲に配置されている。可変部分は、第1面と第2面を接続している第2壁部により、軸に沿って第2面から離間した第1面を含む。第2壁部は、第1開口とほぼ整列した第2開口を画定するべく、軸周囲に配置されている。少なくとも1つの駆動装置は可変部分の第1面と連続しているため、少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、第1面が、1枚の湾曲固体断面に変形する。
【0023】
本発明の別の局面では、共焦点光学システムが提供される。共焦点光学システムは光検出器、光源、光ファイバ、さらに共焦点光学プローブを備えている。光検出器は、検出した光に基づいてグラフィカルディスプレイへの信号を生成する。光ファイバは第1端部と第2端部を設けている。第1端部は光源と連通している。共焦点光学プローブはハウジング、基部構造、少なくとも1つの対物レンズを備えている。ハウジングは、第1端部と第2端部の間の縦軸に沿って延びている。このハウジングは、縦軸に関連した9平方メートル未満の最大断面部分を有する。基部構造は光ファイバの第2端部と接続している。この基部構造は、ハウジング内に縦軸に沿って延びており、光ファイバの第2端部をハウジングに関連した固定位置に配置する。少なくとも1つの対物レンズは、ハウジング内の第2端部付近の固定位置に配置されている。少なくとも1つの対物レンズは反射部分を備えており、この反射部分は、光ファイバを介して、光源の光ビームを方向付けされた光ビームとして、ハウジングの第1端部へ方向付ける。
【0024】
本発明の別の局面では、光学装置の焦点を制御する方法が提供される。この方法は、対物レンズどうしが相互に対して、さらにハウジングに対して固定されている光源を提供し、これにより、光源からの縦軸に沿った光ビームが対物レンズを通って集束軸上の焦点ポイントに集束し、さらに焦点ポイントを集束軸に沿って移動することができる。
【0025】
本発明の別の局面では、物体を走査する方法が提供される。この方法は、光学装置の光源、対物レンズ、ハウジングの固定関係を確立することで、光源からの光ビームが対物レンズを通って集束軸上の焦点ポイントに集束し、さらに、第1時間間隔の間に焦点ポイントを集束軸に沿って移動させることができる。
【0026】
本発明のこれ以外の利点および特徴は、ここで提供する明細書と図面を考察することで当業者に明白となる。したがって、本発明の特徴と利点は以下の記述から明瞭となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
特に明記されていない限り、ここで使用している全ての技術用語および科学用語は、関連する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同一の意味を有する。
【0028】
図1〜図8は好ましい実施形態を例証している。特に図1は、共焦点光学システム10の一例を例証している。システム10は、共焦点マイクロプローブ40で結合された光検出ユニット20とグラフィカル・ディスプレイ・ユニット30を含むことができる。例えば光ファイバタイプのビームスプリッタのような光学インターフェース22を介して、マイクロプローブ40を光検出ユニット20と結合し、これをさらにディスプレイ30に結合することができる。マイクロプローブ40は電気インターフェース24によって制御できる。システム10をデスクトップ・ユニットとして図示しているが、システム10の構成要素を持ち運び可能なまたは携帯型システム10’内において構成することが可能である。
【0029】
図1を参照すると、マイクロプローブ40は、この説明において図2、図3として例証的に示しているように、少なくとも2つの異なる配置において構成することができる。これら2つの配置を特定のエンドユーザ・アプリケーションについて構成することが可能であるが、両配置に示す各々要素は概ね同様の機能を備える。そのため、2つの実施形態間で相互交換が可能な共通の要素には同一の参照番号を付し、また、その本質的に重要な違いについて記述する。
【0030】
好ましい実施形態では、マイクロプローブ40の好ましい実施形態の各々は、第1ハウジング端部42aと第2ハウジング端部42bの間で、縦軸A−A(図4A)に沿って延びたプローブハウジング42を含むことができる。プローブハウジング42の外径は3.4ミリメートル未満である。しかし、これ以外の形状を用いることも可能であり、この場合には、ハウジング42の最大断面部分が、縦軸A−Aに対して約9平方ミリメートルを超えないことが好ましい。また、軸A−Aを走査鏡48aのZ軸、あるいは対物レンズから発せられた集束した光ビームと一致した状態で示しているが、走査鏡アセンブリ48の動作によっては、これらが同軸である必要はないことを強調する。
【0031】
図4Aに示すように、プローブハウジング42は、光ファイバケーブル44の一部分、フェルール46、走査鏡アセンブリ48、スペーサ50、さらに、レンズ52上に逆反射鏡52eを設けた少なくとも1つの対物レンズ52を収納している。これらの構成要素は、縦軸A−A上に対称的に配置されていることが好ましい。これらの構成要素は別個の部材として図示および記述しているが、1つまたはそれ以上の構成要素を単体構成要素として一体的に形成することもできる。例えば、対物レンズ52は、適切なガラスまたは重合体材料から、ハウジング42の一体形部分として形成することができる。
【0032】
図2の第1の好ましい実施形態では、マイクロプローブ40は、前面画像化(「端面ビューイング」)を行うべく、外径約1.5ミリメートル、縦軸A−Aに沿った長さ約10ミリメートルのハウジングを設けるように構成されている。図3の第2の好ましい実施形態では、マイクロプローブ40は、外径約1.8ミリメートル、縦軸A−Aに沿った長さが約10ミリメートルのハウジングを備えた反射装置53によって側面画像化を行うべく構成されている。これらの好ましい実施形態において構成されているように、光60が光ファイバ44によって開口56(例えばピンホール)へ伝播されることで、光ビーム60aが逆反射鏡52eへと向けられる。反射鏡52eは、光ビーム60aの或る部分または全体を、方向転換したビーム60bとして、走査鏡アセンブリ48へと反射する。走査鏡アセンブリ48は、この方向転換したビーム60bの或る部分または全体を対物光ビーム60cとして反射し、対物レンズを通し、焦点F1に集束させる。また、10ミリメートルの長さが好ましいと記述したが、例えば、動作に必要なパラメータを維持しながら、対物レンズの個数を減らしてマイクロプローブ40の長さを短縮することで、これ以外の適切な長さを用いることが可能である。
【0033】
次に図4Aを参照すると、光ファイバケーブル44は、第1ファイバ端部44aと第2ファイバ端部または末端部44bとの間で内部を通過して伝播される適用可能な光の波長に合ったサイズのコアを設ける、シングルモードまたはマルチモードの光ファイバ44であってよい。マルチモードの光ファイバを使用する場合は、内部を通って伝播されるモードの数に基づいた差分画像が得られる。或る好ましい実施形態では、光ファイバ44はシングルモードの光ファイバ44であるため、シングルモードファイバによって物体が照明される。このシングルモードファイバ44をデュアルモード光ファイバ44で包囲して、被検物から反射された光を検出するいわゆるダブルクラッド光ファイバとすることができる。或る実施形態では、光ファイバ44は送受両方においてシングルモード光ファイバであり、この場合、光ファイバ44は、約488ナノメートルの波長で光を通過させるために、約6ミクロンのコアと、約0.13の開口数を設けている。別の実施形態では別の寸法を採用することができ、これには例えば、1よりも大きな波長における動作をサポートするのに適した寸法が含まれる。例えば、或るアプローチでは、赤、緑、青の波長が適切であるだろう。光ファイバ44は、走査鏡の駆動装置のための電気コネクタと共に保護管状部材44c内に配置することができる。ここで使用する「約」または「概ね」という用語は、共焦点光学装置あるいはその構成要素を光学画像化装置として機能させる、それらの適切なレベルの耐性または変化を意味するものである。
【0034】
図4Aの展開図に示すように、フェルール46は、縦軸A−Aに沿って延びた第1フェルール端部46a、第2フェルール端部46bを備える。図4Bの、フェルール46を拡大した図では、フェルール46は、平坦部分46dが縦軸A−Aに沿って断面46cと直交して延びた多角形断面46cを有することで、駆動装置46e〜46h、駆動装置48c、48g用の制御回路または通信配線54を取り付けるための取り付け面と、走査鏡要素48e、48i用の接地部とを提供することが好ましい。表面46c上に1つまたはそれ以上のボス部分46j、46kを形成することにより、走査鏡アセンブリ48と駆動装置46e〜46hの間に隙間46iを設けることができる。フェルール46は、十分な硬性を有する例えば非金属、シリコン、セラミック、ガラス、またはこれら材料の様々な組み合わせを含む非導電性あるいは半導性材料によって、単体あるいは結合体として形成することができる。フェルール46はセラミックとガラスの組み合わせであることが好ましい。
【0035】
プローブハウジング42を、少なくとも1本の光ファイバケーブル44、フェルール46、走査鏡アセンブリ48、少なくとも1つの対物レンズ52を装備した共軸配置にて示したが、しかし、ハウジング42と、プローブ40の少なくとも1つの構成要素とが共軸となっていないこれ以外の用途特定配置を使用することも可能である。ハウジング42は光ファイバケーブル44、フェルール46、鏡アセンブリ48、少なくとも1つの対物レンズ52と同軸であることが好ましい。また、プローブ40のハウジング42は概ね円形の断面を有する重合体であることがさらに好ましく、この場合、この円形の断面は、概ね縦軸A−Aを横断し、約9平方ミリメートルの最大断面部分について外径が3.4ミリメートル未満、より好ましくは約2.0ミリメートル未満である。しかし、これ以外の外部形状を有するプローブハウジング42の使用も可能である。好ましい実施形態では、プローブ40のハウジング42の断面は、概ね縦軸A−Aに沿って延び、約25立方ミリメートルの円筒形容量を画定している。
【0036】
図5A、図5Bに示すように、フェルール46は、フェルール壁46cによって接続した第1フェルール端部46aと第2フェルール端部46bを含む。フェルール壁46cは、フェルール46全長にかけて、Z軸に沿って延びた開口56を形成する壁面47を備えている。開口56は、概ね円筒形の通し穴であってよく、その直径は典型的に10〜125ミクロンの範囲内、好ましくは75ミクロンである。フェルール46の第1フェルール端部46aは、プローブ40と電気インターフェース24の様々な構成要素を制御する、またはこれらをつなぐための回路基板58を含んでいてよい。例えばエッチングまたは気相成長のような適切な技術により、フェルール46の平坦面46d(D字型の断面を形成している)上に電気接続を形成できる。第2フェルール端部46bは、例えば結合または接着のような適切な技術によって端面46c上に鏡48aを取り付けた、概ね平坦な端面46cであってよい。また、好ましい実施形態では、送受光を行う光ファイバ44を示しているが、光ファイバ44ではなくレーザ源を開口56内に配置することもできる。あるいは、レーザ源と適切な光検出器の組み合わせを開口56内の、第2フェルール端部付近、および第1フェルールの末端部に配置してもよい。ここで用いている「光検出器」という用語は、例えば光電子増倍管またはフォトダイオード(例えばシリコン・フォトダイオード)のような適切な光検出装置を意味する。「光源」はレーザ源であることが好ましいが、用途によっては、これ以外の適切なパワー密度を有する光源が適切であるものもある。さらに光源には、例えば約3ミクロンに対して200ナノメートルの(例えば人間の目に対する)可視光または不可視光を含むことができるが、これに限定されるものではない。また、光(例えば人間の目に対して可視あるいは不可視の光)は特定の波長に限定されるのではなく、様々な波長の組み合わせであってよい。
【0037】
図6C、図7Aに示すように、走査鏡アセンブリ48は支持表面48bを備え、その上に走査鏡48が支持されていることが好ましい。走査鏡48aは、2つの鏡部分48c、48dを概ね同心配置にて提供するように形成することができる。両方の鏡部分48c、48dはジンバル設置した板部材48eによって支持されている。鏡48aは、第1組の直径上に配置されたビーム部材49によって、X−X軸、つまり走査鏡アセンブリ48の支持面に対して傾斜した軸の周囲で回転する。ジンバル設置した板部材48eは第2組の直径上に配置されたビーム部材49(図6B)によって支持され、Y−Y軸、つまり、走査鏡アセンブリ48の支持面に対して傾斜したチルチング軸の周囲で回転する。図7Bに示すように、鏡48aは、傾斜軸X−Xの周囲で回転することで、鏡48aの軸Zが縦軸A−Aに対する開先角度θにかけて傾斜するように示されている。同様に、鏡48aはジンバル設置した配置(明瞭性の目的から図7B中には示されていない)に基づいてチルチング軸Yの周囲でも回転できる。この配置のために、鏡48aは2本の軸において回転でき、これにより、2本の軸における光ビームの焦点F1を焦点F2へと移動させ、少なくとも1つの対物レンズ52を介して光ビームの焦点の二次元走査(図2、図3)を行うことができる。走査鏡アセンブリの外径は約700ミクロンであることが好ましい。
【0038】
図2に示すように、走査鏡アセンブリ48をさらに、光ビームによって画定された第3軸、つまりZ軸に沿って、焦点F1を別の焦点F3へと移動させるように構成することで、光源(例えば光ファイバ44)または少なくとも1つの対物レンズをプローブハウジング42内へ移動しなくても、三次元走査を実施できるようになる。この機能は、好ましい実施形態では、基面48iから離間した可変反射薄膜48h(図7B)を画定する第1壁面48gを備える走査鏡部分48c、48dを形成することによって提供される。反射薄膜48hは、適切な駆動装置によって、少なくとも1つの対物レンズ52から延びる光ビームの焦点の調整を提供する所望の曲線面へと変形できる。例えば、図7Bに示すように、反射薄膜48hを概ね放物線形状に変形して、光ファイバ44からの光ビームの集束を制御することができる。これと類似した反射薄膜48hの例が、特許協力条約の下で提出され、出願番号PCT/US04/01896号が指定された国際特許明細書であり、2004年1月26日付けで合衆国受理官庁に提出された、”Off−Axis Variable Focus And Aberration Control Mirrors,”に示され、記述されており、本願明細書ではこの明細書全体を参照により援用している。さらに、ここで使用している「反射性」という用語は、入射面への入射光と比較した、入射面からの全ての光を反射する能力と、入射面全体にかけての均等な反射とを要すると限定されない何らかの能力を意味する。
【0039】
走査鏡アセンブリ48は、利点であると考えられる設計特徴をいくつか備えている。鏡48aは、鏡48aの中心軸Zに沿って離間した基部48i、可変部分48hを含むことができる。基部は第2基面48lから離間した第1基面48kを備えており、第1基面48kと48lの間は、これらを接続するための第1壁部48nによって分離されている。壁部48nは、中心軸周囲に回転面を形成し、これにより第1開口56aが画定される。可変反射薄膜48hは第1面48hを備え、この第1面48hは、第1薄膜面48hと第2薄膜面48jを接続するための薄膜壁部48mによって、第2面48jから中心軸に沿って離間している。第2薄膜壁部は中心軸周囲に回転面を形成し、これにより、第1開口56aと整列した第2開口56bが画定され、この第2開口56bを介して、光ファイバ44の末端部からの光が逆反射鏡52eに供給される。その結果、逆反射鏡52eが、光ビームを走査するべく少なくとも2本の軸の周囲で動かすことができる可変反射薄膜48hへと光を反射して戻すことができるようになる。開口56a、56bを画定している壁部48n、48mは、中心軸周囲の回転面ではない、例えば矩形または他の多角形開口を作成する別の形状であってもよい。
【0040】
少なくとも1つの駆動装置を使用することにより、軸周囲で走査鏡48aを動かし、薄膜48hを変形させることができる。導電面46e〜46hをフェルール46の平坦面所に設けることで、導電面46e〜46hを付勢すると走査鏡48aを移動させるようにすることが好ましい。この実施形態では、鏡48aとジンバルリング48eが、静電駆動を行うためのカウンタ電極を形成する。走査鏡48aの移動は、熱電気、静電気、またはその他適切な駆動技術によって行うことができる。熱電気駆動では、導電面46e〜46hを介して電流を鏡48aの抵抗性部分に付加することで熱を発生させる。この部分に2種類の異なる材料を設けることで、鏡48aの異なる拡張、さらに移動を提供できる。静電駆動では、鏡48aを基底状態と接続し、隙間によって導電面46e〜46hから分離することで、電圧印加時に、鏡48aが、導電面46e〜46h、つまり鏡48aを移動させるための電極へと引き寄せられる。両方の配置において、開ループまたは閉ループ制御によって鏡48aの移動を制御できる。開ループ制御では、走査鏡48aの運動反応は予測パラメータ内にあるため、駆動電圧を確立することで、用途に合った十分な精度で鏡位置を画定できる。閉ループ制御では、走査鏡48aの位置が独立して監視され、この情報を、走査鏡48aの動作を駆動電圧波形にロックしようと試みるフィードバック(例えば比例、積分、導関数、またはこれらの組み合わせ)信号として用いることができる。鏡48aの位置を監視するための或る技術は、走査鏡48aと電極の間の静電容量を測定するための技術である。この静電容量は鏡48aの角度位置に従って変化するので、静電容量の変動を監視することで、鏡位置をほぼ直接的に監視することできる。別の技術は、各々のビーム部材49への歪みを、ビーム部材49上、またはその内部にマイクロ機械加工した適切な圧電要素によって測定する技術である。鏡位置を決定するために、ビームの光学的監視、あるいは位置または振幅の断続的な監視を含むこれ以外の様々なアプローチの利用が可能である。閉ループ制御に適した制御装置を用いることで、制御ループは、鏡に駆動電圧を実質的に追随させ、その結果、鏡の運動を予測しなくても制御装置の強度を走査鏡48aの正確な位置にマップできるようになる。二次元走査のための走査鏡48aの駆動は、第1部材48eまたはジンバル設置した部材48fのうち少なくとも一方の共振(例えば1キロヘルツまたは適切な周波数)開ループ制御を介した静電駆動によって生じ、走査鏡48aと導電面46e〜46h(図6B)の間における容量46i中の気団によって制動されることが好ましい。好ましい実施形態では、駆動装置が、鏡をX軸、Y軸の各々の周囲で約±5°回転させる。
【0041】
可変反射薄膜48hの表面を所望の曲線面に変形させるには、静電駆動装置を使用して所望の表面形状を達成することができる。特に、反射面48hの付近に2つの駆動装置A1、A2を設けることができる。この実施形態では、基部48iが、静電駆動のためのカウンタ電極として機能する。第1駆動装置A1は、付近にある反射面48hの中心部を各々の電気コネクタで包囲するように形成し、電動源と電気連通できるようにすることが可能である。第2駆動装置A2は、第1駆動装置A1を包囲し、走査鏡48aの外縁付近に配置できる。2つの駆動装置A1、A2に異なる差分電圧(例えば異なる電圧レベル)を設けて、表面48hがZ軸に沿った区画化された放物体表面に変形するようにすることができる。可変反射薄膜48hの中心に配置された駆動装置A1に固定電圧を提供することにより、可変電圧の関数としての様々な湾曲を介して、外部駆動装置A2が反射薄膜48hの湾曲を変更できる。2つの駆動装置のそれぞれの電圧を調整することで球体収差を低減、増加、さらには除去することもできる。走査鏡アセンブリを制御するための特定の技術が、Yuhe ShaoとDavid L.Dickensheets著の”MEMS Three−Dimensional Scan Mirror”、SPIE Vol.5348、pp.175−183、2004年1月26〜27日に示され、記述されており、本願明細書中ではその全体を参照により援用している。
【0042】
反射面48h、または反射面48hを部分的に、表面48hの軸(つまりZ軸)に沿って、表面48hの中心から縁までの中心軸Zの周囲において、任意の適切な移動位置へ移動して、三次元的に湾曲した所望の反射面を提供できる。好ましい実施形態では、反射面48hの最大移動は5ミクロンであってよく、また、適切に設計された薄膜とその支持部を用いた場合にはこれよりも大きくてよい。あるいは、2つの駆動装置に同一の電圧を供給し、両方の駆動装置を単一の駆動装置として動作することも可能である。もしくは、2つよりも多い駆動装置を使用して、薄膜形状の制御をより優れたものにすることもできる。好ましい実施形態では、湾曲した反射面は放物線体と非常に類似している場合、焦点調整の範囲“dF”は次式として近似し、
dF=4*δ/(NA)2
ここで、δは可変反射薄膜の最大移動であり、NAは開口数である。
【0043】
或る好ましい実施形態では、可変反射薄膜48hの最大移動δは約5ミクロンであるため、焦点調整の範囲dFは約125ミクロンになる。約6.1または12ミリメートルから無限の焦点長が好ましい。
【0044】
走査鏡アセンブリ48は、例えばシリコンのような基板にマイクロ機械加工を施すことで形成できる。熱酸化層を基板上に配置することができる。さらに、熱酸化物の上に犠牲のホスホシリケート・ガラス層を設け、パターン処理を施すことにより、隙間Gの側方容量を確定する。ホスホシリケート・ガラス層と熱酸化物層の上に窒化ケイ素層を形成できる。接触開口部をパターン処理し、窒化ケイ化物およびその下の酸化物にかけてエッチング加工し、その後、リン注入および焼成を施すことで、シリコン基板材料の鏡48a、ジンバルリング48e、支持リング48bの領域に電気接触部を確立できる。この電気接触部により、鏡48a、ジンバルリング48eの領域におけるシリコン基板材料を、静電駆動のためのカウンタ電極として機能させることができる。さらに、窒化物層上に導電層を形成し、パターン処理することで、導電性および反射面48hと具体的には駆動装置A1、A2を提供し、さらに、接触開口部内の注入領域との電気接続を提供し、またさらに、これら様々な導電面との外部接続のためのトレースを提供することができる。この導電層は、薄いクロミウム層の上に配置した金であることが好ましい。さらに、鏡の輪郭とその他の構造を、パターン処理し、窒化ケイ素層内にエッチング処理し、その後、異方性シリコンエッチングを施して、鏡およびジンバルリング構造を画定することができる。ディープ反応イオンエッチングのような技術を使用したこの異方性エッチングは、基板全体を貫通できる。あるいは、このエッチングは基板内の特定の深度まで貫通することができ、また、所望の基板薄さが得られるまで、またその後、前面異方性エッチング特徴が鏡板48aとジンバルリング48eの厚さ全体を貫通するまで、別の薄型化エッチングを基板の裏面に適用し、バルク基板材料を除去することができる。犠牲酸化物エッチング処理を施してガラス層を除去することが好ましい。このエッチング処理は、例えばフッ化水素酸のような酸エッチング処理を用いることが好ましい。このエッチング処理は、ホスホシリケートガラス(その層が存在する場合)を除去し、さらに、薄膜48hを形成している窒化物層の下にある熱二酸化ケイ素も除去する。その後の、水酸化カリウムまたは水酸化テトラメチルアンモニウムのような湿タイプであってよい異方性エッチング処理を施して、基板層のいくらかを除去することで、可変反射薄膜48hとその基板の間に隙間Gを設け、さらに、窒化ケイ素蝶番49の下から基板材料を除去することが好ましい。あるいは、例えばフッ化水素酸、硝酸、酢酸(HNA)のような等方性湿エッチング処理を用いることで、隙間Gを設け、蝶番49の下から基板材料を除去してもよい。あるいは、例えばキセノン・ジフルオリド蒸気のような異方性乾エッチング処理を用いることで、隙間Gを設け、蝶番49の下から基板材料を除去してもよい。単体の操作アセンブリと、単体走査鏡を製造および制御する技術の詳細は、Yuhe ShaoとDavid L.Dickensheets著の”MEMS Three−Dimensional Scan Mirror”、SPIE Vol.5348、pp.175−183、2004年1月26〜27日に示され、記述されており、本願明細書中ではその全体を参照により援用している。類似のマイクロ機械加工した鏡の製造の詳細は、2002年10月21日付けで米国特許・商標受理官庁に提出された国際特許明細書第PCT/US02/33351号(2003年5月1日付けで国際公開番号WO03/036737 A2として公開)に示され、記載されている。マイクロ機械加工した可変鏡の一般的な詳細は当業者にはよく知られており、これについては例えば米国特許第6,661,561号;5,656,768号;6,507,082号;6,398,372号;6,293,680号;6,236,490号;6,181,459号;6,108,121号;6,002,661号;5,986,795号;5,777,807号;5,661,592号;5,311,360号、および、David L.Dickensheets著、”Silicon−Micromachined Scanning Confocal Optical Microscope,”(Journal of Microelectromechanical Systems, Vol.7, No.1、1998年3月)を参照することができ、また本願明細書中ではその全体を参照により援用している。
【0045】
好ましい実施形態では、鏡アセンブリ48の酸化層の厚さは約100nmであり、ガラス層の厚さは約200ナノメートルであり、窒化物層は厚さ約1ミクロンのLPCVD低応力窒化ケイ素で、50〜100MPaの残余応力を有し、また、薄膜48hの金属層は、厚さ約50オングストロームのクロミウムのスパッタリング付着層、および厚さ約1000オングストロームの金層であってよい。好ましい実施形態では、最頂部の金属層が、静電駆動装置用の電極を各々画定する2つの導電性部材にパターン処理される。このように形成された反射薄膜48hは、窒化ケイ素層48jとベース基板材料48i(図7B)の間に、約15ミクロンの隙間Gを設けている。隙間Gは周囲の空気と連通できることが好ましい。この構成は、可変反射薄膜48hに最大で5ミクロンの歪曲を設けながら、反射波面の光学収差を、λ=500〜600nmにて測定した場合の波長の2倍未満、好ましくは波長の1/5未満に各々維持するように例証されている。可変鏡の集束および収差の修正についての詳細は、Phillip A. Himmer、David L. Dickensheets,Robert A. Friholm著、”Micromachined silicon nitride deformable mirrors for focus control,”(Optics Letters, Vol. 26, No. 16, pp 1280−1282、2001年8月)に記載されており、また本願明細書中ではその全体を参照により援用している。
【0046】
可変反射薄膜48hを好ましくは走査鏡48aの単体部分として示し、記述したが、可変反射薄膜48hを走査鏡48aとは別個に、共焦点光学装置内の別の場所に設けながら、三次元操作機能を維持することも可能である。例えば、可変反射薄膜48hの代わりに、少なくとも1つの対物レンズ52の逆反射鏡52aを使用することにより、走査鏡アセンブリ48の走査機能からの集束を別に分けることができる。その結果、走査鏡48aを、変形可能にするのではなく、概ね平坦な形状に固定された反射面を設けるように形成することができ(つまり「非可変鏡」)、また、少なくとも1つの対物レンズ52に、その縦軸A−Aに沿った集束を変更させるように表面が変形する可変反射薄膜48hを設けることができる。別の好ましい実施形態では、この非可変走査鏡を少なくとも1つの対物レンズ52の回折光学要素52a上に配置しながら、可変反射薄膜48hをフェルール端部キャップ46c上の、光学光源44bの付近に取り付けることができる。
【0047】
図1を参照すると、走査鏡48aの移動と反射面48hsの変形は、マルチストランドケーブル54によってマイクロプローブ40と接続した電子インターフェース24によって得られることが好ましい。マルチストランドケーブル54は、走査鏡アセンブリ48の各々対応する駆動装置46e〜46h、A1、A2、基板と接続している。
【0048】
図8Aを参照すると、少なくとも1つの対物レンズ52の好ましい実施形態を示している。少なくとも1つの対物レンズ52は、好ましくは水不透過性の複数のレンズのグループであってよく、これらのレンズは、マイクロプローブ20と共に組み立てると、焦点の長さが空中にて約1ミリメートルで、400〜600ナノメートルの範囲内の波長についての開口数が約0.4である、約200ミクロンの視野上に物体を拡大する能力が4倍となる。このレンズのグループは、少なくとも1つの対物レンズ52を通過する光の色消し(例えば、彩度および球状収差の修正)を行うために、少なくとも1つの反射光学要素を備えた少なくとも1つの回折光学要素を含んでいる。このレンズのグループは、純粋なシリカガラスから成る回折光学要素52aと、BK7(例えばホウケイ酸クラウン)ガラスから成る3つの回折光学要素52b、52c、52dを設けていることが好ましい。回折光学要素52b〜52dは、各々のレンズの端面にて相互に接触している平凸レンズであることが好ましい。さらに回折光学要素52aは、対物レンズのグループ全体の長さが約5ミリメートルとなるようにするべく、屈折光学要素52b〜52dの1つと接触するように組み立てることが可能である。対物レンズ52の長さ(さらに、したがってハウジング42の長さ)をより短くすることが望ましい場合には、例えばダイヤモンドまたはサファイアのようなより高い指数の回折ガラス材料を使用することができる。あるいは、対物レンズ52は単体要素レンズであるか、またはモノリシック構造としてハウジング42と一体的に形成することができる。好ましい実施形態では、対物レンズ52a〜52dのグループをハウジング42の内壁に固定することができ、この場合、ハウジングは、概ね約9平方ミリメートル未満の縦軸A−Aを横断する最大断面部分を有する。別の好ましい実施形態では、対物レンズ52a〜52dのグループは、1.5ミリメートルの最大外径を有するハウジング42の内壁に固定されている。レンズの断面は円形であることが好ましいことを特筆する。図8Aに、レンズの直径を1.6mmとした対物レンズの好ましい実施形態を相対的な縮小率で示しており、好ましい実施形態について適切に測定した場合、対物レンズが他の構成要素と共に動作して、物体の共焦点画像化が可能になる。さらに、当業者は、従来の市販されている光学設計ソフトウェアを使用し、ここで示し、記述した選択されたパラメータに基づいて、適切なレンズ構造を決定することもできる。
【0049】
図8Bを参照すると、好ましい対物レンズ52の反対の反応の例証を示している。図中のプロットライン100は、対物レンズ52の、1000ラインペア/ミリメートルを超えるその中心軸上での許容可能な反対の反応を示す。プロットライン102は、やはり1000ラインペア/ミリメートル以上に許容可能な、軸から約100ミクロンオフセットした対物レンズ52の反対の反応を示す。
【0050】
図8Cを参照すると、対物レンズ52の解像度の図を、軸上と軸からオフセットした場所の2つのデータについて示している。プロットライン104にて示すように、主要ローブの半値での共焦点反応における軸上ポイント分散関数の幅(幅は、プロットされた「一方向」ポイント分散関数の最大値である0.707)は、約0.52ミクロンにて許容可能であると考えられる。プロットライン106に示すように、軸から約100ミクロンオフセットした場所における共焦点反応ポイント分散関数の半値での幅は約.7ミクロンである。
【0051】
動作時に、共焦点マイクロプローブ40は、光ファイバ44と光学インターフェース22を介して光検出ユニット20と接続している。マイクロプローブ40のハウジング42の先端を適切な被検物または物体(図示せず)の付近に配置することができる。例えばLeica CLSM Model NTのような市販のユニットであってよい光検出ユニット20から光が提供される。光検出ユニット20にて生成された光60が光学インターフェース22を介して光ファイバ44の末端部44bへ伝播される。この場合、光60aは、走査鏡アセンブリ48上に形成された開口56を介して伝播され、対物レンズ52に形成した逆反射鏡52aで反射され、方向転換した光ビーム60bとなる。方向転換した光ビーム60bは、可変反射薄膜48hに衝突し、対物レンズ52へと反射されて対物的な光のビーム60cとなる。この物体光60cが走査中の物体を照明し、さらに、用途に従って、明視野または蛍光画像の各々についてレーリー散乱光またはストークスシフト光を収集できる。
【0052】
上述した好ましい実施形態に基づき、プローブ40の焦点スポットF1を制御する、または物体を走査する方法が達成される。この方法では、物体光60cの焦点制御または物体光60cの走査制御を、離散間隔、重複間隔、または同時時間間隔にて実施する。詳細には、焦点制御は、各々の電極A1、A2に供給された差分静電圧を用いて反射薄膜48hを変形させることにより、焦点スポットF1が、光ビームによって画定された焦点軸Zに沿って、例えばF3のような別のスポットへと移動する。焦点制御は物体光に実施されているが、さらに、走査鏡48aの基部48iをそれぞれ直交軸X−XおよびY−Yの周囲で傾斜させ、焦点スポットF1が焦点軸Zに対して側方に焦点スポットF2へと移動できるようにすることで、走査制御も実施できる。より詳細には、共焦点マイクロプローブ40は、3つ全ての次元において、例えば1秒毎の物体画像が24、36、42フレームといった、物体を表示するのに十分な走査速度で走査を実施することができる。好ましくは、共焦点マイクロプローブ40は、焦点ポイントをX−Y平面に沿って、焦点軸に対して側方に、少なくとも1キロヘルツの走査速度で移動させることができるため、この走査速度は、1つのフレーム中に少なくとも200本のラインを20ミリ秒以内で十分生成できる。つまり、物体を20キロヘルツの走査速度で走査するために、走査鏡と対物レンズが焦点ポイントを焦点軸に沿って移動できる。側方および軸方向走査について、100KHzを越える軸速度(焦点調整)を含むこれ以外の走査速度を用いることができる。環境または被走査物体が長時間静止した状態にある場合には、走査速度を任意に選択しても十分に実用的な画像を得ることができる。さらに、(走査鏡アセンブリ48の)可変薄膜48hと駆動装置A1およびA2によって、光ビームによって画定された焦点軸Z上の複数の焦点位置において光ビームを移動させる手段を提供することが好ましい。特に、非可変鏡(例えば、表面が平坦面または湾曲面へと選択的に変形しない鏡)を装備した走査鏡アセンブリ48は、概ね焦点軸Zに対して直交する平面にかけて光ビームを走査する手段を提供する。より好ましくは、走査鏡アセンブリ48と対物レンズ52が、複数の焦点位置において光ビームを、光ビームによって画定された焦点軸Zに対して軸方向および側方に向かって約100ミクロン離れた場所へと移動させる手段を提供する。
【0053】
これにより、可変反射薄膜48hは、多くの望ましい焦点F1、F3の1つにおける物体光を、初期焦点軸Z(図2、図3)に沿って、対物レンズ52の最後のガラス面から0〜100ミクロン離れた距離へ配置することができる。つまり、可変反射薄膜48hを制御することにより、初期焦点軸Zに沿った深度走査を実施できる。他方で、焦点を、直交軸XおよびYに沿って、初期焦点軸Zに対して側方に移動させることにより、側方走査(つまり二次元走査)を実施できる。したがって、側方走査と深度走査を組み合わせることにより、物体の三次元画像を提供する三次元走査を実施することができる。
【0054】
好ましい実施形態の装置は、焦点ポイントに変化を達成するための、被走査物体、光源、または対物光学レンズを移動させることなく光ビームの焦点を3つの次元において移動させるその機能により、例えばホログラフィック・ディスプレイ、複数の焦点面を有する走査光ディスプレイ、仮想網膜ディスプレイ、非平坦面にかけてのバーコード(または他の記号論および文字)走査、さらに、例えば光学面(例えばコンパクトディスクまたはデジタルビデオディスク媒体)に対する送信、読み取り、書き込みを含む三次元光学信号処理のような三次元画像化に非常に適していると考えられる。
【0055】
さらなる好ましい実施形態の用途は、以前は接触不可能であると考えられていた様々な環境での画像化(二次元または三次元画像化)であり、これには例えば、地下水、核貯蔵施設、人間の身体またはその器官の内部および外部を含む自然環境におけるバイオフィルムが含まれる。以下において、例証的な各々の環境について説明する。
【0056】
多孔性媒体におけるバイオフィルムの形成
好ましい場面においてバイオフィルムが利用される場所の1つとして、地下水流中での操作が確実に挙げられるだろう。バイオフィルムは、多孔性媒体を通る水の流れを最大99.5%まで遮断する機能を備え、またこの方法は、二次オイル回収操作において、地表下の汚染物を隔離する、または「突破」ゾーンを遮断するためにも使用できる。二次回収で使用される射出容器から水を搬送する「ストリンガー」を選択的に発生源と直接つなぐことにより、全体のオイル生成が増分的に15%増加すると計算されていた。米国に限って言えば、これによってさらに莫大な量のオイルを回収することが可能になる。この技術について小規模商業的で大規模な試験的デモンストレーションが実施されてきた。次に挙げられる表面下バイオフィルム技術の再利用は、岩盤と接近して固められ、地下水源を危機に晒す汚染物の周囲に貫通不能なバリアを形成する機能を備えた、非常に低コストの「生体バリア」である。これに関しては非常に大規模なデモンストレーション・プロジェクトが実施されている。
【0057】
表面下バイオフィルムの分野において今日まで直面してきた大きな問題は、大規模な浸漏計内に長期間に亘って形成されるバリアの性能の改善によって生じる、流量および栄養素流送量のような様々なパラメータを微細に調整する必要性であった。バリアの性能は、バクテリア細胞の多孔性材料の孔の周囲の表面への付着と、栄養素の摂取が可能になったことで粘着性細胞が形成するマトリックス材料の量とに基づくと考えられている。しかし、バイオフィルムよる遮断を試みる細胞の粘着性、または孔空間内におけるマトリックス材料の生成を定量化する方法は現在のところ存在しないと考えられており、また、これらの数値は、多孔性媒体の各部分において不均等となると予測されている。或る将来性の高い構成では、好ましい実施形態の1つによる共焦点マイクロプローブを、医療用トロカールを介して多孔性媒体の異なる場所に挿入するものである。観察者は、記録された画像によって、バクテリア細胞が存在している範囲、粒子の表面と関連した範囲、観察者がこの場所に作成したマトリックス材料の量を視覚的に見ることが可能になる。さらに、好ましい実施形態の共焦点プローブは、細胞活動用の化学プローブと組み合わせて使用できるため、バイオリミジエーション作用を含む、バクテリアの存在と活動が主要要素である表面下の接触し難い範囲におけるバクテリアの活動の観察を補助することもできる。
【0058】
核貯蔵施設
ネバダ州のユッカマウンテン核貯蔵施設が出現するまで、多くのエネルギー施設部署では増加する核廃棄物の海上貯蔵施設への貯蔵を余儀なくされ、これらの作業のいくつかは、生物付着および微生物腐食(MIC)に伴う問題を報告している。金属面上へのバイオフィルム形成とMICの開始との間の機能的つながりの理論的な研究する大型契約が開始されたと考えられてきたが、放射線の安全性問題のために実際の施設への出入りは制限されている。これら施設の低倍率観察用の光ファイバ探知機が市販されており、これらの機器は水の懸濁度、金属面に腐食ピットの形成開始について優れたデータを提供する。しかし、水の懸濁とピットの形成は、重大な問題において相当に進行した段階で見られる症状であり、MICと金属欠陥の原因となるものはバイオフィルムであるため、これら表面上のバイオフィルム形成の程度についての精密なデータが必要である。好ましい実施形態の1つによる共焦点プローブは、特定の施設内での保管が可能であり、優れた移動能力と多くの表面を検査する機能を有し、また、共焦点的解釈および画像分析を行うべく標準的なモバイル機器パッケージと安全な相互作用を実施することができる。好ましい共焦点プローブは、水中生態系での静止状態において、接触可能な全ての表面上に形成される同一の粘着性を有するバイオフィルムを取得するが、このプローブはシステムから取り外して洗浄でき、さらに、統計的に著しい数の表面部位に導入され、バイオフィルムの厚さに関する精格な判断を行う。
【0059】
自然環境における混合種バイオフィルム
従来の共焦点マイクロプローブで使用するフローセルにおいて、健康な口中の歯肉溝を占める混合種バイオフィルムを確立することは非常に困難であると考えられている。数人の研究家が8種の多動物種用のバイオフィルムを開発したが、これらの人工バイオフィルムは、実際に口中に見られる非常に複雑で、機構的に非常に強力な副歯肉プラークを表すとは考えられなかった。同様に、歯肉内流体の安定した流れをフローセルで模造することは困難であり、歯肉洗浄のような作業によって生じる流体の局所的摂動をフローセルで複製することは不可能である。歯肉溝は、人間の身体内におけるバクテリアと細胞の間の最も広範囲の接触範囲の1つであり、また、健康の維持には、このような並置によって生じる炎症を最小化することが必要である。この重要な自然生態系では、バクテリアの実際の成長モードは極めて重要であるが、その理由は、プランクトン(浮遊生物)細胞はバイオフィルム細胞と異なり、組織に対して遥かに刺激的であるのに対し、バイオフィルムは隙間に対して耐性を有するが、通常炎症を発生しない傾向にあるためである。
【0060】
やはり器具類に容易に接触する別の自然微生物の集団が人間の膣内で成長しており、これら通常の微生物の成長モードも同等に、またはそれ以上に重要である。人間の身体系統を研究する微生物生態学者は、これら両方の生態系における化学条件に十分な関心を寄せているため、特に近年では膣システムにおけるpHおよび酸素の張力の連続的な多数の粗測定値を、大型直径の機器を用いて計測した。好ましい実施形態による共焦点プローブは、蛍光染色に頼ることなくバクテリア細胞を生体内で分解できると考えられている。回答が得られると考えられる1つの問題は、プランクトン形態またはバイオフィルム形態のバクテリア細胞における優勢な成長モードであり、別の質問は、組織表面がバクテリアバイオフィルムによって実際に遮断される範囲である。好ましい実施形態による蛍光性およびその他の化学タイプの共焦点プローブは、バクテリアを視覚化するために使用でき、人間システムの代わりとなる公知の動物(膣に関してはヒヒ、歯科研究にはビーグル犬)が使用され得り、また、これら両システムのバクテリア密集度の完全なマッピングを行うことが可能である。さらに重要なのは、微生物マップを、バイオフィルム内に特別な場所を形成することによって生じる化学異種のマップとつなぐことができる点である。そのため、隔離された組織がバクテリアに対して何を「見る」かを確実に判断できると考えられる。隔離された臓器システム内の組織表面上に直接バクテリアバイオフィルムを視覚化することで、この分野に劇的な進歩をもたらすと考えられる。
【0061】
組織表面上へのバイオフィルム処置の研究
バイオフィルムの特徴は、そのプランクトン相対物を容易に破壊してしまう抗菌性因子に対する抵抗性が特に高いことである。これら抗菌性要素のうち最も重要なものの1つは、自然界(アメーバ)および体内(好中球)バクテリアを事実上飲み込もうと試みる食細胞であり、フローセルにおける未完全な研究は、バイオフィルムはこれらの食細胞から非常に上手く保護されることを示している。バイオフィルムはガラス面も形成され、問題が発生する溶媒は人工溶液(生理食塩水)であるため、これらの生体内フローセル研究はバイオフィルムと食細胞の間の自然な接触を示すものではない。体内で生じる実際の処置は、血管の内皮のような組織表面上で発生し、血液全体において発生する。これらの理由から、フローセル実験は実際に現実を表すものでないのに対し、好ましい実施形態の共焦点マイクロプローブでは人間の身体の体内環境をリアルタイムで画像化することができる。
【0062】
好ましい実施形態のマイクロプローブは、心内膜炎の誘発に用いるカテーテル瘢痕技術によってバクテリアバイオフィルムを形成するべく誘発された動物の血管内に配置することができる。この共焦点プローブは、適切な血管の管腔内で操作され、また、バクテリアバイオフィルムが内皮面上に配置されるまで、一般的な処置を蛍光透視法によって導くことができる。バイオフィルム付近における組織の炎症性の処置は組織構造の変化によって検出でき、動物のサイトカイン反応を利用可能な多くの技術によって観察することができ、血小板反応を共焦点マイクロプローブによって容易に視覚化することができる。非常に急速に発生する血小板反応の次には、多形核白血球(PMN)のインテグリン誘導された攻撃と、さらに、この攻撃と、バイオフィルム内でのバクテリア細胞の殺滅または除去におけるその効能との記録が予想される。除去は顕微鏡によって観察され、殺滅は従来の共焦点マイクロスコープと共に使用されると考えられる「生−死」着色によって判断される。好ましい実施形態の共焦点マイクロプローブは、例えば無傷の血管の組織表面上の、血清内での食細胞に対するバイオフィルムバクテリアの高い抵抗性といったバイオフィルム処置を検査する機能を提供する。これは、平坦なガラス表面上の生理食塩水内で同一の処置を検査する現在の検査方法に多大な進歩をもたらし、さらに、この共焦点マイクロプローブの好ましい実施例に基づき、これ以外の多くのバイオフィルム処置を遥かに現実的にモデリングできると考えられる。
【0063】
生体内光学生検
小型共焦点光学顕微鏡への或る特定の関心範囲は、組織の疾病状態を判断する目的で、無傷の組織のセルラー解像による直接的な画像化である。これは光学生検と呼ばれる。共焦点顕微鏡は無傷組織の表面下の深度を画像化できるため、表面付近の細部および深い位置にある細胞について、細胞の大きさ、核の大きさ、核の細胞質比率、およびその他の形態的特徴のような重要な特徴を入手することができる。これにより、例えば癌または前癌検出のため、あるいは癌性病巣の縁を判断するために、健康な細胞と疾病細胞とを区別することができる。小型顕微鏡は、顕微鏡を画像化する組織付近へ導くために必要な特別なプローブ、カテーテル、内視鏡、針、その他の搬送用器具を使用した、身体の表面上または体内の微視的な検査を可能にする。明視野画像化と蛍光性画像化をここで記述したとおりに1つのプローブ内に組み合わせることにより、屈折指数、自動蛍光量、さらに外因的なマーカーによって生じた蛍光発光における変化により、構造をコントラストを付けて画像化することが可能になる。生体光学生検の研究用途と臨床用途の両方は、好ましい実施形態の適切な使用に基いた場合に実用的であると考えられる。
【0064】
本発明をその特定の実施形態に関連して記述したが、さらなる変更が可能であると理解され、また、本願明細書は、一般に本発明の原理に追随し、本発明が関連する技術上知られた従来的あるいは慣習的な実用に包含され、先に説明した本質的特徴に適用でき、付属の特許請求項の範囲に含まれる本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の応用形、使用、適合を網羅することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】好ましい実施形態の共焦点顕微鏡システムの断面図を示す。
【図2】図1のシステムで使用できるマイクロ共焦点プローブの第1の好ましい実施形態を示す。
【図3】図1のシステムで使用できるマイクロ共焦点プローブの第2の好ましい実施形態を示す。
【図4】図2のプローブの展開図を示す。
【図5A−C】フェルールおよび関連する構成要素の平面図、端面図、側面図を各々示す。
【図6A−C】図5Cのナノ機械加工を施した走査鏡の端面図および2つの異なる断面図を各々示す。
【図7A−B】或る動作条件にあるマイクロ機械加工を施した鏡の半断面図と、別の動作条件にあるマイクロ機械加工を施した鏡の半断面図を示す。
【図8A】図2のプローブ用の好ましいマルチ要素対物レンズの側面図を示す。
【図8B−C】好ましいマルチ要素対物レンズの性能パラメータを示す。
【図9A−B】一般的な共焦点顕微鏡の主要動作と、従来の共焦点顕微鏡の略図を各々示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、;
前記光源付近に配置された少なくとも1つの対物レンズと、;
前記光源付近に配置され、外部と内部を有し、前記内部が前記外部と接続し、前記内部が可変表面を有する、単体部材と、;
(1)前記可変表面の少なくとも一部分が部分的に湾曲した面に変形可能であり;(2)少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、前記内部を前記外部に対して移動させるように構成されている、少なくとも1つの駆動装置とを備える、装置。
【請求項2】
光源と、;
前記光源付近に配置された少なくとも1つの対物レンズと、;
前記光源付近に配置され、外部と内部を有し、前記内部が前記外部と接続しており、前記外部が約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有し、前記内部が可変表面を有する、単体部材と、;
(1)前記可変表面の少なくとも一部分が部分的に湾曲した面に変形可能であり;(2)少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、前記内部を前記外部に対して移動させるように構成されている、少なくとも1つの駆動装置とを備える、装置。
【請求項3】
第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びたハウジングと、;
光を前記第2端部へ送る光源と、;
光ビームを光源から前記第1端部へと向ける反射部分を有する、ハウジング内の前記第2端部付近に配置された少なくとも1つの対物レンズと、;
動作位置において、縦軸に対して湾曲した表面を画定する反射部分を有する、光源と少なくとも1つの対物レンズとの間に配置された部材とを備える、装置。
【請求項4】
ハウジングと、;
光ビームを供給する光源と、;
光ビームを、複数の焦点位置へと、光ビームによって画定された集束軸上で側方かつ軸方向に向かって移動させる手段とを備える、装置。
【請求項5】
第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びたハウジングと、;
ハウジング内の第1位置に固定されており、光ビームを前記第2端部へと送る光源と、;
少なくとも1つの対物レンズと、;
光の第1焦点を、可変反射部分の第1動作位置において集束軸に沿ったハウジングから離れた位置に画定し、また、可変反射部分の第2動作位置において集束軸上に光の第2焦点を画定するために、ビームを少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けを行う変形可能な反射部分を有する、前記光源と少なくとも1つの対物レンズの間に配置された部材とを備える、装置。
【請求項6】
第1端部と第2端部の間に縦軸に沿って延びたハウジングと、;
前記ハウジング内の第1位置に固定されており、光ビームを前記第2端部へと送る光源と、;
前記ハウジング内の前記第2端部付近の固定位置に配置された少なくとも1つの対物レンズをさらに備え;
前記第2端部付近に配置された部材であって、前記少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けられたビームを反射する変形可能な反射部分を有し、これにより、前記可変反射部材の第1動作位置において前記方向付けされたビームによって画定された集束軸上の前記ハウジングから離れた場所に光の第1焦点が画定され、前記可変反射部材の第2動作位置の集束軸上に光の第2焦点が画定される部材とを備える、装置。
【請求項7】
縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有する、第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びたハウジングと、;
光ビームを供給するための光源と、;
光ビームを、前記光ビームによって画定された集束軸上の第1焦点ポイントと第2焦点ポイントへと移動させる手段とをさらに備える、装置。
【請求項8】
縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有する、第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びたハウジングと、;
光ビームを前記第2端部へ送る光源と、;
前記ハウジング内の前記第2端部付近に配置された少なくとも1つの対物レンズであって、前記少なくとも1つの対物レンズが1つの回折レンズと1つの屈折レンズを含む対物レンズとを備える、装置。
【請求項9】
入力部分であって、光ビームを前記入力部分を介して送る前記入力部分と、;
前記光ビームを、前記光ビームによって画定された集束軸上の複数の焦点位置において移動させる集束部分と、;
前記入力部分と前記焦点部分を包囲するために、第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びるハウジングであって、縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有するハウジングとを備える、装置。
【請求項10】
前記ハウジングが、前記縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を設けたハウジングを備える、請求項3、4、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジングが、前記縦軸を概ね横断して測定した約1.8ミリメートルの外径を含み、前記縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジングが、前記縦軸を概ね横断して測定した約1.5ミリメートルの外径を含み、前記縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記光源、対物レンズ、およびハウジングが固定的な関係にある、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記単体部材が、前記支持部分上の第1位置と第2位置において反射部分と接続した、前記第1位置と第2位置の間に延びた傾斜軸を画定する支持部分を備え、前記反射部分は、前記反射部分と結合した第1駆動装置を少なくとも有し、少なくとも前記第1駆動装置が付勢されると前記反射部分を傾斜軸の周囲で回転させ、前記反射部分は、前記反射部分と表面と結合した第2駆動装置を少なくとも有し、少なくとも前記第2駆動装置が付勢されると表面を光源に向かって変形させる、請求項1および2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記単体部材が前記反射部分と結合した第3駆動装置を少なくとも備えており、少なくとも前記第3駆動装置が付勢された時に、第3位置と第4位置の間に延びた傾斜軸周囲で反射部分を支持部分に対して回転させる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記部材が、
前記少なくとも1つの対物レンズに取り付けた第1部材を備え、前記第1部材が、光ビームを第1端部へと反射する反射面を含む概ね平坦な壁部を有し、前記壁部が、少なくとも第1駆動装置と結合しているため、第1駆動装置が付勢されると、前記壁部の前記反射面が湾曲した反射面に変形し;さらに、
前記ポイント光源と前記少なくとも1つの対物レンズの間に第2部材をさらに備え、前記第2部材が、前記支持部分上の第1、第2位置において反射部分と接続した、前記第1位置と第2位置の間に延びたチルチング軸を画定する支持部分を含み、前記支持部分が、前記支持部分上の前記第3、第4位置において、傾斜軸を画定する反射部分と接続しており、前記部材が少なくとも第2駆動装置を有し、この第2駆動装置は、その付勢時に、少なくとも第2駆動装置が付勢されると、チルチング軸周囲で反射部分を回転させるべく反射部分と結合し、また、少なくとも第3駆動装置を有し、この第3駆動装置は、その付勢時に、反射部分を傾斜軸周囲で回転させるべく、反射部分と結合している、請求項3、5、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記傾斜軸が、前記チルチング軸に対して概ね直交する軸を備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ハウジング内の前記第1端部付近に基部構造をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記基部構造が、前記縦軸に沿って離間した第1端部キャップと第2端部キャップを有するセラミック構造を備えており、前記セラミック構造が、前記端部キャップどうしを接続する壁部を設けており、前記壁部が、縦軸上で前記セラミック構造を通って延びた開口を画定する壁面を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記セラミック構造が、D字型の断面を画定するべく、少なくとも1つの平坦面と交差する少なくとも1つの湾曲面を設けた外面を備えており、前記湾曲面と少なくとも1つの平坦面が前記縦軸に沿って延びている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1端部キャップと第2端部キャップの一方が、縦軸を概ね横断する、少なくとも第2駆動装置と第3駆動装置が上に設置されている平坦面を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1、第2、第3駆動装置が静電駆動装置を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記光源が、前記ハウジング内において縦軸に沿って延びる光ファイバと結合した高強度の光を備え、少なくとも1つの光ビームを前記光ファイバの長さに沿って双方向に伝播する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記光ファイバが、約500ナノメートルの波長を有する光ビームを伝播するシングルモード光ファイバを備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記光ファイバが、概ね縦軸と平行に、また縦軸からオフセットして延びたシングルモード光ファイバを備える、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記対物レンズが、少なくとも1つの回折光学要素と少なくとも1つの屈折光学要素を備える、請求項1〜3、5、6、および8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの駆動装置が、その付勢時に、前記内部を前記外部に対して回転させるよう構成された少なくとも1つの駆動装置を備える、請求項1および2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの屈折光学要素が、約0.4ミリメートルの開口数と約1ミリメートルの焦点長とを提供するべく、前記縦軸に沿って重ねられた3つの平凸光学要素を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記部材が、前記反射部分から前記縦軸に沿って離間した基面を備えており、前記基面が、第1開口を画定するべく前記基面を通って延びた壁部を有し、前記反射部分が、第2開口を画定するべく前記反射部分を通って延びた壁部を設けており、前記第1開口と第2開口が、前記基面と反射部分を通って光を通過させるべく整列している、請求項3、5、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記ハウジング、光源、部材、対物レンズが前記縦軸周囲に対称的に配置されており、前記ハウジングが、約1.8ミリメートルの外径を有し、縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記ハウジング、光源、部材、対物レンズが前記縦軸周囲に対称的に配置されており、前記ハウジングが、約1.5ミリメートルの外径を有し、縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記対物レンズが、前記縦軸に沿って重ねられた少なくとも1つの回折光学要素と3つの平凸光学要素を備えており、前記第1部材が前記少なくとも1つの回折光学要素上に取り付けられている、請求項16に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つの対物レンズが、不可視光および可視光の少なくとも一方を伝播するように構成された対物レンズを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つの屈折レンズが、3つの平凸レンズを備えており、これらレンズの各々が少なくとも1つの別の平凸レンズと接触していることで、480〜600ナノメートル光の波長について、1ミクロン未満の側方への色シフト、4ミクロン未満の色シフトを提供する、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つの屈折レンズが3つの平凸レンズを備えており、これらレンズの各々が少なくとも1つの別の平凸レンズと接触していることで、エアリーディスクの図形表示の主要ローブの半値全幅にて、軸上共焦点ポイント分散が約0.52ミクロンの、1000ラインペア/ミリメートルのコントラスト反応を提供する、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記少なくとも1つの屈折レンズが3つの平凸レンズを備えており、これらのレンズの各々が、少なくとも1つの別の平凸レンズと接触していることで、480〜600ナノメートルの光の波長について、1ミクロン未満の側方への色シフト、4ミクロン未満の軸方向への色シフト、また、エアリーディスクの図形表示の主要ローブの半値全幅にて、軸上共焦点ポイント分散が約0.52ミクロンの、1000ラインペア/ミリメートルのコントラスト反応を提供する、請求項8に記載の装置。
【請求項37】
少なくとも1つの対物レンズから、光のビームによって画定された焦点軸上の第1、第2焦点ポイントへと光のビームを集束する手段をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項38】
前記手段が、光ビームによって画定された集束軸に対して側方に在る少なくとも別の焦点ポイントへと光ビームを走査する手段を備える、請求項7、37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記光源と前記少なくとも1つの対物レンズの間に配置された部材をさらに備え、前記部材が、前記可変反射部材の第1動作位置内において前記ハウジングから集束軸に沿って離れた光の第1焦点ポイントを画定するべく、また、前記可変反射部材の第2動作位置内において前記集束軸上に光の第2焦点ポイントを画定するべく、前記少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けられたビームを反射する可変反射部分を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項40】
前記部材が、第1位置と第2位置の間に延びたチルチング軸を画定する、前記支持部分上の第1位置、第2位置において反射部分と接続した支持部分を備えており、前記反射部分はこれと結合した少なくとも第1駆動装置を有しているため、前記第1駆動装置を付勢すると前記反射部分がチルチング軸周囲で回転し、また、前記反射部分は、その壁と結合した少なくとも第2駆動装置を含むため、前記少なくとも第2駆動装置を付勢すると、前記壁が光源に向かって変形し、さらに、前記反射部分と結合している少なくとも第3駆動装置を有しているため、前記少なくとも第3駆動装置を付勢すると、反射部分が前記支持部分に対し、第3位置と第4位置の間に延びた傾斜軸の周囲で回転する、請求項3、5、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも1つの対物レンズが屈折レンズを備え、前記屈折レンズが、光ビームを光源から前記ハウジングの第1端部へと方向付ける反射部分を含む、請求項2、3、5、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記ハウジングが、画像を取得するための環境内に配置されており、前記環境が、多孔性媒体形態のバイオフィルム;核貯蔵施設;人間身体内部;人間身体の表面外部のうち1つを備えて成るグループから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
外部と内部を有し、前記内部が前記外部と接続しており、前記内部が可変表面を有する、単体部材と、;
少なくとも1つの駆動装置と、を備え、前記少なくとも1つの駆動装置は、(1)前記可変表面の少なくとも一部分が部分的に湾曲した面に変形可能であり;(2)前記少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、前記内部を前記外部に対して移動させるように構成されている、ダイナミックレンズ。
【請求項44】
前記単体部材の最大断面部分が3平方ミリメートル未満である、請求項43に記載のダイナミックレンズ。
【請求項45】
外部と、;
前記外部と接続した光学内部であって、軸に沿って離間した基部と可変部を有し、前記基部が、第1基面と第2基面を接続している第1壁部分によって第2基面から離間した第1基面を有し、前記壁部が、第1開口を画定するべく軸周囲に配置されており、前記可変部分が、第1面と第2面を接続している第2壁部によって、軸に沿って第2面から離間した第1面を含み、前記第2壁部が、概ね前記第1開口と整列した第2開口を画定するべく、前記軸周囲に配置されている、光学内部と、;
少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、第1面が湾曲した固い部分的な面に変形するように、可変部分の前記第1面と連続した少なくとも1つの駆動装置とを備える、ダイナミックレンズ。
【請求項46】
前記外部が前記内部を包囲する第1環状部材を備えており、前記第1環状部材は、前記軸と概ね直交するチルチング軸の周囲で前記内部部材が回転できるようにするために、第1環状部材を前記内部と接続する第1の直径上に配置されたビーム部材を有する、請求項45に記載のダイナミックレンズ。
【請求項47】
前記外部が前記第1環状部材を包囲する第2環状部材を備えており、前記環状部材が、前記第1環状部材がチルチング軸と概ね直交する傾斜軸周囲で回転できるようにするべく前記第2環状部材を第1環状部材と接続している、前記直径上に配置された第2ビーム部材を設けている、請求項45に記載のダイナミックレンズ。
【請求項48】
少なくとも別の駆動装置をさらに備え、該少なくとも別の駆動装置が、付勢されると、前記内部を前記チルチング軸と傾斜軸のいずれか一方の周囲で回転させるべく、前記内部と接続している、請求項45に記載のダイナミックレンズ。
【請求項49】
前記第1表面が反射面を備える、請求項45に記載のダイナミックレンズ。
【請求項50】
光の検出に基づいてグラフィカルディスプレイへ信号を生成する、光検出器と、;
光源と、;
第1端部と第2端部を有し、前記第1端部が前記光源と連通している、光ファイバと、;
前記光源と連通している共焦点光学プローブとを備え、
前記共焦点光学プローブは、
第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延び、前記縦軸に対して約9平方ミリメートルの最大断面部分を有するハウジングと、;
前記光ファイバの前記第2端部と接続し、前記ハウジング内で前記縦軸に沿って延びており、前記光ファイバの第2端部を前記ハウジングに関連した固定位置に配置した基部構造と、;
前記ハウジング内の前記第2端部付近の固定位置に配置された少なくとも1つの対物レンズであって、前記光源の光ビームを、前記光ファイバを介して前記ハウジングの第1端部へと、方向付けされた光のビームとして方向付ける反射部分を有する、少なくとも1つの対物レンズとを含む、共焦点光学システム。
【請求項51】
前記少なくとも1つの対物レンズから集束軸上に延びる前記方向付けされた光ビームの第1焦点ポイントと第2焦点ポイントを確立する手段をさらに備える、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記光源と少なくとも1つの対物レンズの間に配置された部材をさらに備えており、可変反射部材の第1動作位置で、集束軸に沿った、ハウジングから離れた場所に光の第1焦点ポイントを画定するために、また、可変反射部材の第2動作位置で、集束軸上に光の第2焦点ポイントを画定するために、前記部材が、少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けされたビームを反射する可変反射部分を有する、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記部材が、前記集束軸に沿って、100ミクロンの距離にかけて、1キロヘルツよりも高い反復速度にて、複数の焦点ポイントを画定している、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記共焦点光学プローブが、多孔質媒体形態のバイオフィルム;核貯蔵施設;人間身体の内部;人間身体の表面外部のうち1つを備えたグループから選択された環境からの画像を記録するよう適合されている、請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
前記ハウジングが前記縦軸を概ね横断して測定した約1.8ミリメートルの外径を含み、前記ハウジングが前記縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項52に記載のシステム。
【請求項56】
前記ハウジングが前記縦軸を概ね横断して測定した約1.5ミリメートルの外径を含み、前記ハウジングが前記縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項52に記載のシステム。
【請求項57】
光学装置の焦点を制御する方法であり、前記方法が;
光源からの縦軸に沿った光ビームが対物レンズを通り、集束軸上の焦点ポイントに集束するように、相互に対して固定された対物レンズを有する光源と、ハウジングとを提供することと、;
前記焦点ポイントを前記集束軸に沿って移動させることとを含む、方法。
【請求項58】
前記移動が、前記集束軸に対して側方へ移動することを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記集束軸に対して側方へ移動することをさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
物体を走査する方法であり、前記方法が、:
光源からの光ビームが前記対物レンズを通り、集束軸に沿って焦点ポイントに集束するよう、光学装置の前記光源、対物レンズ、ハウジング間の固定関係を確立することと、;
第1時間間隔の間に、前記焦点ポイントを前記集束軸に沿って移動させることとを備える、方法。
【請求項61】
前記移動が、前記第1時間間隔と重なる第2時間間隔の間に、前記焦点ポイントを前記集束軸に対して側方へ移動させることを備える、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記移動が、約1キロヘルツの反復速度で、前記焦点を前記集束軸に沿って移動させることを備える、請求項57、60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記移動が、約20ミリ秒のフレーム内で200ラインを提供するのに十分な反復速度で、前記焦点ポイントを前記集束軸に沿って移動させることを備える、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記移動が、1kHzの反復速度で、前記焦点ポイントを前記集束軸に対して側方へ移動させることを備える、請求項58、61のいずれか1項に記載の方法
【請求項65】
前記移動が、約20ミリ秒のフレーム内で200ラインを提供するのに十分な反復速度で、前記焦点ポイントを前記集束軸に沿って移動させることを備える、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1時間間隔と重なる第2時間間隔の間に、前記焦点ポイントを前記集束軸に対して側方へ移動させることをさらに備える、請求項65に記載の方法。
【請求項1】
光源と、;
前記光源付近に配置された少なくとも1つの対物レンズと、;
前記光源付近に配置され、外部と内部を有し、前記内部が前記外部と接続し、前記内部が可変表面を有する、単体部材と、;
(1)前記可変表面の少なくとも一部分が部分的に湾曲した面に変形可能であり;(2)少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、前記内部を前記外部に対して移動させるように構成されている、少なくとも1つの駆動装置とを備える、装置。
【請求項2】
光源と、;
前記光源付近に配置された少なくとも1つの対物レンズと、;
前記光源付近に配置され、外部と内部を有し、前記内部が前記外部と接続しており、前記外部が約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有し、前記内部が可変表面を有する、単体部材と、;
(1)前記可変表面の少なくとも一部分が部分的に湾曲した面に変形可能であり;(2)少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、前記内部を前記外部に対して移動させるように構成されている、少なくとも1つの駆動装置とを備える、装置。
【請求項3】
第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びたハウジングと、;
光を前記第2端部へ送る光源と、;
光ビームを光源から前記第1端部へと向ける反射部分を有する、ハウジング内の前記第2端部付近に配置された少なくとも1つの対物レンズと、;
動作位置において、縦軸に対して湾曲した表面を画定する反射部分を有する、光源と少なくとも1つの対物レンズとの間に配置された部材とを備える、装置。
【請求項4】
ハウジングと、;
光ビームを供給する光源と、;
光ビームを、複数の焦点位置へと、光ビームによって画定された集束軸上で側方かつ軸方向に向かって移動させる手段とを備える、装置。
【請求項5】
第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びたハウジングと、;
ハウジング内の第1位置に固定されており、光ビームを前記第2端部へと送る光源と、;
少なくとも1つの対物レンズと、;
光の第1焦点を、可変反射部分の第1動作位置において集束軸に沿ったハウジングから離れた位置に画定し、また、可変反射部分の第2動作位置において集束軸上に光の第2焦点を画定するために、ビームを少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けを行う変形可能な反射部分を有する、前記光源と少なくとも1つの対物レンズの間に配置された部材とを備える、装置。
【請求項6】
第1端部と第2端部の間に縦軸に沿って延びたハウジングと、;
前記ハウジング内の第1位置に固定されており、光ビームを前記第2端部へと送る光源と、;
前記ハウジング内の前記第2端部付近の固定位置に配置された少なくとも1つの対物レンズをさらに備え;
前記第2端部付近に配置された部材であって、前記少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けられたビームを反射する変形可能な反射部分を有し、これにより、前記可変反射部材の第1動作位置において前記方向付けされたビームによって画定された集束軸上の前記ハウジングから離れた場所に光の第1焦点が画定され、前記可変反射部材の第2動作位置の集束軸上に光の第2焦点が画定される部材とを備える、装置。
【請求項7】
縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有する、第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びたハウジングと、;
光ビームを供給するための光源と、;
光ビームを、前記光ビームによって画定された集束軸上の第1焦点ポイントと第2焦点ポイントへと移動させる手段とをさらに備える、装置。
【請求項8】
縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有する、第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びたハウジングと、;
光ビームを前記第2端部へ送る光源と、;
前記ハウジング内の前記第2端部付近に配置された少なくとも1つの対物レンズであって、前記少なくとも1つの対物レンズが1つの回折レンズと1つの屈折レンズを含む対物レンズとを備える、装置。
【請求項9】
入力部分であって、光ビームを前記入力部分を介して送る前記入力部分と、;
前記光ビームを、前記光ビームによって画定された集束軸上の複数の焦点位置において移動させる集束部分と、;
前記入力部分と前記焦点部分を包囲するために、第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延びるハウジングであって、縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を有するハウジングとを備える、装置。
【請求項10】
前記ハウジングが、前記縦軸に対して約9平方ミリメートル未満の最大断面部分を設けたハウジングを備える、請求項3、4、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジングが、前記縦軸を概ね横断して測定した約1.8ミリメートルの外径を含み、前記縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジングが、前記縦軸を概ね横断して測定した約1.5ミリメートルの外径を含み、前記縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記光源、対物レンズ、およびハウジングが固定的な関係にある、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記単体部材が、前記支持部分上の第1位置と第2位置において反射部分と接続した、前記第1位置と第2位置の間に延びた傾斜軸を画定する支持部分を備え、前記反射部分は、前記反射部分と結合した第1駆動装置を少なくとも有し、少なくとも前記第1駆動装置が付勢されると前記反射部分を傾斜軸の周囲で回転させ、前記反射部分は、前記反射部分と表面と結合した第2駆動装置を少なくとも有し、少なくとも前記第2駆動装置が付勢されると表面を光源に向かって変形させる、請求項1および2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記単体部材が前記反射部分と結合した第3駆動装置を少なくとも備えており、少なくとも前記第3駆動装置が付勢された時に、第3位置と第4位置の間に延びた傾斜軸周囲で反射部分を支持部分に対して回転させる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記部材が、
前記少なくとも1つの対物レンズに取り付けた第1部材を備え、前記第1部材が、光ビームを第1端部へと反射する反射面を含む概ね平坦な壁部を有し、前記壁部が、少なくとも第1駆動装置と結合しているため、第1駆動装置が付勢されると、前記壁部の前記反射面が湾曲した反射面に変形し;さらに、
前記ポイント光源と前記少なくとも1つの対物レンズの間に第2部材をさらに備え、前記第2部材が、前記支持部分上の第1、第2位置において反射部分と接続した、前記第1位置と第2位置の間に延びたチルチング軸を画定する支持部分を含み、前記支持部分が、前記支持部分上の前記第3、第4位置において、傾斜軸を画定する反射部分と接続しており、前記部材が少なくとも第2駆動装置を有し、この第2駆動装置は、その付勢時に、少なくとも第2駆動装置が付勢されると、チルチング軸周囲で反射部分を回転させるべく反射部分と結合し、また、少なくとも第3駆動装置を有し、この第3駆動装置は、その付勢時に、反射部分を傾斜軸周囲で回転させるべく、反射部分と結合している、請求項3、5、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記傾斜軸が、前記チルチング軸に対して概ね直交する軸を備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ハウジング内の前記第1端部付近に基部構造をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記基部構造が、前記縦軸に沿って離間した第1端部キャップと第2端部キャップを有するセラミック構造を備えており、前記セラミック構造が、前記端部キャップどうしを接続する壁部を設けており、前記壁部が、縦軸上で前記セラミック構造を通って延びた開口を画定する壁面を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記セラミック構造が、D字型の断面を画定するべく、少なくとも1つの平坦面と交差する少なくとも1つの湾曲面を設けた外面を備えており、前記湾曲面と少なくとも1つの平坦面が前記縦軸に沿って延びている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1端部キャップと第2端部キャップの一方が、縦軸を概ね横断する、少なくとも第2駆動装置と第3駆動装置が上に設置されている平坦面を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1、第2、第3駆動装置が静電駆動装置を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記光源が、前記ハウジング内において縦軸に沿って延びる光ファイバと結合した高強度の光を備え、少なくとも1つの光ビームを前記光ファイバの長さに沿って双方向に伝播する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記光ファイバが、約500ナノメートルの波長を有する光ビームを伝播するシングルモード光ファイバを備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記光ファイバが、概ね縦軸と平行に、また縦軸からオフセットして延びたシングルモード光ファイバを備える、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記対物レンズが、少なくとも1つの回折光学要素と少なくとも1つの屈折光学要素を備える、請求項1〜3、5、6、および8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの駆動装置が、その付勢時に、前記内部を前記外部に対して回転させるよう構成された少なくとも1つの駆動装置を備える、請求項1および2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの屈折光学要素が、約0.4ミリメートルの開口数と約1ミリメートルの焦点長とを提供するべく、前記縦軸に沿って重ねられた3つの平凸光学要素を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記部材が、前記反射部分から前記縦軸に沿って離間した基面を備えており、前記基面が、第1開口を画定するべく前記基面を通って延びた壁部を有し、前記反射部分が、第2開口を画定するべく前記反射部分を通って延びた壁部を設けており、前記第1開口と第2開口が、前記基面と反射部分を通って光を通過させるべく整列している、請求項3、5、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記ハウジング、光源、部材、対物レンズが前記縦軸周囲に対称的に配置されており、前記ハウジングが、約1.8ミリメートルの外径を有し、縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記ハウジング、光源、部材、対物レンズが前記縦軸周囲に対称的に配置されており、前記ハウジングが、約1.5ミリメートルの外径を有し、縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記対物レンズが、前記縦軸に沿って重ねられた少なくとも1つの回折光学要素と3つの平凸光学要素を備えており、前記第1部材が前記少なくとも1つの回折光学要素上に取り付けられている、請求項16に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つの対物レンズが、不可視光および可視光の少なくとも一方を伝播するように構成された対物レンズを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つの屈折レンズが、3つの平凸レンズを備えており、これらレンズの各々が少なくとも1つの別の平凸レンズと接触していることで、480〜600ナノメートル光の波長について、1ミクロン未満の側方への色シフト、4ミクロン未満の色シフトを提供する、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つの屈折レンズが3つの平凸レンズを備えており、これらレンズの各々が少なくとも1つの別の平凸レンズと接触していることで、エアリーディスクの図形表示の主要ローブの半値全幅にて、軸上共焦点ポイント分散が約0.52ミクロンの、1000ラインペア/ミリメートルのコントラスト反応を提供する、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記少なくとも1つの屈折レンズが3つの平凸レンズを備えており、これらのレンズの各々が、少なくとも1つの別の平凸レンズと接触していることで、480〜600ナノメートルの光の波長について、1ミクロン未満の側方への色シフト、4ミクロン未満の軸方向への色シフト、また、エアリーディスクの図形表示の主要ローブの半値全幅にて、軸上共焦点ポイント分散が約0.52ミクロンの、1000ラインペア/ミリメートルのコントラスト反応を提供する、請求項8に記載の装置。
【請求項37】
少なくとも1つの対物レンズから、光のビームによって画定された焦点軸上の第1、第2焦点ポイントへと光のビームを集束する手段をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項38】
前記手段が、光ビームによって画定された集束軸に対して側方に在る少なくとも別の焦点ポイントへと光ビームを走査する手段を備える、請求項7、37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記光源と前記少なくとも1つの対物レンズの間に配置された部材をさらに備え、前記部材が、前記可変反射部材の第1動作位置内において前記ハウジングから集束軸に沿って離れた光の第1焦点ポイントを画定するべく、また、前記可変反射部材の第2動作位置内において前記集束軸上に光の第2焦点ポイントを画定するべく、前記少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けられたビームを反射する可変反射部分を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項40】
前記部材が、第1位置と第2位置の間に延びたチルチング軸を画定する、前記支持部分上の第1位置、第2位置において反射部分と接続した支持部分を備えており、前記反射部分はこれと結合した少なくとも第1駆動装置を有しているため、前記第1駆動装置を付勢すると前記反射部分がチルチング軸周囲で回転し、また、前記反射部分は、その壁と結合した少なくとも第2駆動装置を含むため、前記少なくとも第2駆動装置を付勢すると、前記壁が光源に向かって変形し、さらに、前記反射部分と結合している少なくとも第3駆動装置を有しているため、前記少なくとも第3駆動装置を付勢すると、反射部分が前記支持部分に対し、第3位置と第4位置の間に延びた傾斜軸の周囲で回転する、請求項3、5、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも1つの対物レンズが屈折レンズを備え、前記屈折レンズが、光ビームを光源から前記ハウジングの第1端部へと方向付ける反射部分を含む、請求項2、3、5、6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記ハウジングが、画像を取得するための環境内に配置されており、前記環境が、多孔性媒体形態のバイオフィルム;核貯蔵施設;人間身体内部;人間身体の表面外部のうち1つを備えて成るグループから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
外部と内部を有し、前記内部が前記外部と接続しており、前記内部が可変表面を有する、単体部材と、;
少なくとも1つの駆動装置と、を備え、前記少なくとも1つの駆動装置は、(1)前記可変表面の少なくとも一部分が部分的に湾曲した面に変形可能であり;(2)前記少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、前記内部を前記外部に対して移動させるように構成されている、ダイナミックレンズ。
【請求項44】
前記単体部材の最大断面部分が3平方ミリメートル未満である、請求項43に記載のダイナミックレンズ。
【請求項45】
外部と、;
前記外部と接続した光学内部であって、軸に沿って離間した基部と可変部を有し、前記基部が、第1基面と第2基面を接続している第1壁部分によって第2基面から離間した第1基面を有し、前記壁部が、第1開口を画定するべく軸周囲に配置されており、前記可変部分が、第1面と第2面を接続している第2壁部によって、軸に沿って第2面から離間した第1面を含み、前記第2壁部が、概ね前記第1開口と整列した第2開口を画定するべく、前記軸周囲に配置されている、光学内部と、;
少なくとも1つの駆動装置を付勢すると、第1面が湾曲した固い部分的な面に変形するように、可変部分の前記第1面と連続した少なくとも1つの駆動装置とを備える、ダイナミックレンズ。
【請求項46】
前記外部が前記内部を包囲する第1環状部材を備えており、前記第1環状部材は、前記軸と概ね直交するチルチング軸の周囲で前記内部部材が回転できるようにするために、第1環状部材を前記内部と接続する第1の直径上に配置されたビーム部材を有する、請求項45に記載のダイナミックレンズ。
【請求項47】
前記外部が前記第1環状部材を包囲する第2環状部材を備えており、前記環状部材が、前記第1環状部材がチルチング軸と概ね直交する傾斜軸周囲で回転できるようにするべく前記第2環状部材を第1環状部材と接続している、前記直径上に配置された第2ビーム部材を設けている、請求項45に記載のダイナミックレンズ。
【請求項48】
少なくとも別の駆動装置をさらに備え、該少なくとも別の駆動装置が、付勢されると、前記内部を前記チルチング軸と傾斜軸のいずれか一方の周囲で回転させるべく、前記内部と接続している、請求項45に記載のダイナミックレンズ。
【請求項49】
前記第1表面が反射面を備える、請求項45に記載のダイナミックレンズ。
【請求項50】
光の検出に基づいてグラフィカルディスプレイへ信号を生成する、光検出器と、;
光源と、;
第1端部と第2端部を有し、前記第1端部が前記光源と連通している、光ファイバと、;
前記光源と連通している共焦点光学プローブとを備え、
前記共焦点光学プローブは、
第1端部と第2端部の間で縦軸に沿って延び、前記縦軸に対して約9平方ミリメートルの最大断面部分を有するハウジングと、;
前記光ファイバの前記第2端部と接続し、前記ハウジング内で前記縦軸に沿って延びており、前記光ファイバの第2端部を前記ハウジングに関連した固定位置に配置した基部構造と、;
前記ハウジング内の前記第2端部付近の固定位置に配置された少なくとも1つの対物レンズであって、前記光源の光ビームを、前記光ファイバを介して前記ハウジングの第1端部へと、方向付けされた光のビームとして方向付ける反射部分を有する、少なくとも1つの対物レンズとを含む、共焦点光学システム。
【請求項51】
前記少なくとも1つの対物レンズから集束軸上に延びる前記方向付けされた光ビームの第1焦点ポイントと第2焦点ポイントを確立する手段をさらに備える、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記光源と少なくとも1つの対物レンズの間に配置された部材をさらに備えており、可変反射部材の第1動作位置で、集束軸に沿った、ハウジングから離れた場所に光の第1焦点ポイントを画定するために、また、可変反射部材の第2動作位置で、集束軸上に光の第2焦点ポイントを画定するために、前記部材が、少なくとも1つの対物レンズを介して方向付けされたビームを反射する可変反射部分を有する、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記部材が、前記集束軸に沿って、100ミクロンの距離にかけて、1キロヘルツよりも高い反復速度にて、複数の焦点ポイントを画定している、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記共焦点光学プローブが、多孔質媒体形態のバイオフィルム;核貯蔵施設;人間身体の内部;人間身体の表面外部のうち1つを備えたグループから選択された環境からの画像を記録するよう適合されている、請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
前記ハウジングが前記縦軸を概ね横断して測定した約1.8ミリメートルの外径を含み、前記ハウジングが前記縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項52に記載のシステム。
【請求項56】
前記ハウジングが前記縦軸を概ね横断して測定した約1.5ミリメートルの外径を含み、前記ハウジングが前記縦軸に沿って約10ミリメートルの長さで延びている、請求項52に記載のシステム。
【請求項57】
光学装置の焦点を制御する方法であり、前記方法が;
光源からの縦軸に沿った光ビームが対物レンズを通り、集束軸上の焦点ポイントに集束するように、相互に対して固定された対物レンズを有する光源と、ハウジングとを提供することと、;
前記焦点ポイントを前記集束軸に沿って移動させることとを含む、方法。
【請求項58】
前記移動が、前記集束軸に対して側方へ移動することを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記集束軸に対して側方へ移動することをさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
物体を走査する方法であり、前記方法が、:
光源からの光ビームが前記対物レンズを通り、集束軸に沿って焦点ポイントに集束するよう、光学装置の前記光源、対物レンズ、ハウジング間の固定関係を確立することと、;
第1時間間隔の間に、前記焦点ポイントを前記集束軸に沿って移動させることとを備える、方法。
【請求項61】
前記移動が、前記第1時間間隔と重なる第2時間間隔の間に、前記焦点ポイントを前記集束軸に対して側方へ移動させることを備える、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記移動が、約1キロヘルツの反復速度で、前記焦点を前記集束軸に沿って移動させることを備える、請求項57、60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記移動が、約20ミリ秒のフレーム内で200ラインを提供するのに十分な反復速度で、前記焦点ポイントを前記集束軸に沿って移動させることを備える、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記移動が、1kHzの反復速度で、前記焦点ポイントを前記集束軸に対して側方へ移動させることを備える、請求項58、61のいずれか1項に記載の方法
【請求項65】
前記移動が、約20ミリ秒のフレーム内で200ラインを提供するのに十分な反復速度で、前記焦点ポイントを前記集束軸に沿って移動させることを備える、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1時間間隔と重なる第2時間間隔の間に、前記焦点ポイントを前記集束軸に対して側方へ移動させることをさらに備える、請求項65に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【公表番号】特表2007−503623(P2007−503623A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532306(P2006−532306)
【出願日】平成16年3月3日(2004.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/006333
【国際公開番号】WO2004/113962
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505279374)モンタナ ステート ユニバーシティー−ボーズマン (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月3日(2004.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/006333
【国際公開番号】WO2004/113962
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505279374)モンタナ ステート ユニバーシティー−ボーズマン (2)
【Fターム(参考)】
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