説明

小売り用小出し及び陳列カートン

製品(P)の輸送、陳列及び小出しをすべて同一のカートンから行うことができる密封カートン(10、810、1010)が提供されている。密封カートンは、製品を詰め込まれ、密封され、その目的地へ輸送される。カートンは、切り取り線(50、850、1050)に沿って半分に「割られる」ことができ、後側半割体は下向きにヒンジ連結され、それにより、カートンはその密封端部を下にして直立にセットされ、一方の半割体が外側を向き、他方の半割体が内側を向く。製品を小出しするのに十分な大きさの取り外し式ディスペンサ(86、88、886、888、1086、1088)をカートンの下方前側半割体から取り除く。前側半割体の製品が空になると、それを切り取り線の位置で後側半割体から切り離すか、又は棚の空隙充填物として残すかのいずれにすることもできる。次に、カートンをその底部で180度回転させて、製品を小出しするのに十分な大きさの取り外し式ディスペンサをカートンの後側半割体の下方端部から取り除く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、容器を収容するための板紙カートンであって、独特な輸送、陳列及び小出し特徴を有する板紙カートンに関する。本カートンは、小売り環境において容器の輸送、陳列及び小出しを、すべて同一のカートンで行うことができるようにする。
【背景技術】
【0002】
[背景]
小売り製品は一般的に、箱、缶、カートン等の容器に包装されており、それらの容器は陳列及び販売用に小売店の棚に置かれる。小売店の棚に到達するために、製造された製品は輸送用に包装され、輸送され、包装から出され、配置され、棚の上に維持される。製造中に製品が小売り用パッケージに入れて包装されてから、これらの包装製品はより大型の輸送容器内に個別に積み込まれて、小売業者へ輸送される。小売業者は次に、包装製品を輸送容器から出して、個装製品を棚の上に置く。消費者が最初の2〜3個の包装製品を棚からとった後、小売業者は棚の上の残った包装製品を移動させ、それにより、整理されて均一に分散した陳列を行わなければならない。加えて、小売業者は適時に包装製品を後から前へ交替させ、それにより、包装製品が確実にその保証期限を超えないようにしなければならない。このような取り出し、陳列(fronting)及び交替は、輸送容器からゴミを生じ、また時間及び労力の点で高コストである。既知の従来技術は、個装製品の輸送、陳列及び小出しを同一カートンから行うのに使用できる単一カートンを提供することができなかった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[概要]
簡単に説明すると、本カートンは、半分に分離可能であり、カートンの各半割体の下方前側部分にディスペンサが設けられる。本カートンはほぼ矩形であり、底部、上部、2つの側部及び2つの端部を有する。カートンは、パネル及びフラップを有するブランクから折り曲げ可能に構成される。包装製品は、各半割体の下方パネル上のディスペンサを通してカートンから取り出される。カートンは好ましくは、板紙で形成されるが、厚紙等の他の材料や、プラスチック、複合物又は金属等の非繊維系の比較的硬い折り曲げ可能な材料を使用することができる。
【0004】
製品は、本カートンのいずれか一方、又は両方の端部に積み込まれ、小売店へ輸送されることができる。小売業者は、好ましくはカートンの密封端部から半分の距離に位置する切り取り線を形成する一連の刻み目でカートンを半分に「割る」、すなわち、ちぎることにより、カートンを開くことができる。一連の刻み目に沿った指穴により、カートンを割ることを助けることができる。
【0005】
次に、カートンの密封端部を小売店の棚等の表面の上に載せて、カートンの前側半割体が外側に向くようにして、カートンを直立の「向きにする」ことができる。次に、小売業者はカートンの下方前側小出し部分を取り除き、それにより、製品を露出させ、また製品を取り出すのに十分な大きさの開口を生じる。カートンの前側半割体の製品が空になったら、小売業者がカートンを回転させ、それにより、カートンの後側半割体を外側に向ける。カートンの後側半割体の下方小出し部分を取り除き、カートンの後側半割体内の製品を、製品を取り出すのに十分な大きさの開口を通して露出させる。さらに、前側半割体の製品が空になった後、前側半割体をカートンの後側半割体から切り離して廃棄するか、又は取り付けられたままにして、カートン全体を逆向きにし、それにより、カートンの後側半割体を外側に向けることができるようにするかのいずれにすることもできる。カートンの前側半割体を取り付けられたままにする場合、後側半割体から小出しする間、前側半割体は小売店の棚の空隙充填材として機能することができる。空になったとき、カートン全体を廃棄する。
【0006】
本明細書に詳述したような機能を実施するカートンは、より容易な小出しを行うように製品の分離を行うため、且つ/又は追加的な構造支持を行うために、中央仕切りを備えることができるブランクから作製される。図1の実施形態に示されているブランク及びカートンは、2列を含むが、任意数の列を含むことができるであろう。中央仕切りによって製品を分離することで、内部に積み重ねられている製品を人の指が掴むことができることにより、より容易な小出しが可能になる。カートンの下方前側部分の開口は、カートンの下方端部内に位置するので、取り出された製品より上方のすべての製品が重力によってカートンの底部の方に落下するようにして、製品を取り出すことができる。この重力小出しにより、製品すべてがカートンの各半割体から完全に取り出されるまで、次の製品の取り出しが可能になるといった具合に続く。
【0007】
カートンブランクはまた、積み重ね、輸送又は陳列の際の完全性のために追加強度が必要である領域でカートンに追加ストリップを付着させて形成されてもよい。強度を与えるそのような追加ストリップは、米国特許出願第09/971,469号及び第09/559,704号に記載されており、これらの出願は現時点で係属中であり、本譲受人が共通に所有している。
【0008】
本カートンは、前側パネル及び後側パネルの端部分を連続的に引きちぎって取り除くことにより、カートンの各端部内に形成されるディスペンサを有する。通常、外側に面するカートンの半割体の下方部分が、たとえば小売店の棚の上で、小出し用に取り除かれる。下方部分のディスペンサの各々を分割線の位置で半分にさらに分割することができ、それにより、一度に1つのカートン半割体の各列から製品を小出しすることができる。その後、下方部分のディスペンサの他方の半分を取り除き、それにより、カートン半割体の他方列の小出しを行うことができる。これらのディスペンサ半割部分は、分割線から間隔を置いて追加の切り取り線を有することができ、これらの切り取り線を指又は他の物でカートン内へ打ち込み、それにより、下方小出し部分を開き始めることができる。各下方部分ディスペンサは、前側又は後側パネル内の下方部分ディスペンサ切り込み線に接続している半円形の切り込み線等の、側部パネル内の切り取り又は切り込み線を有することができ、それにより、小出し用に製品をより容易に掴むために人の指又は他の物をはめ込むことができる隙間を設けることができる。
【0009】
本カートン構造のさらなる利益は、各カートン半割体の上部が、小出し中に開放したままであることである。消費者はカートン半割体から製品を小出しした後、何らかの理由でその小出しされた製品を欲しくないと判断して、カートンを割ることによって形成される上部開口に入れることにより、その不要製品をカートンに戻すことができる。カートン半割体に戻された製品は結果的に重力で下方部分ディスペンサへ送られて、後に小出しされることができる。この開放上部はまた、所望時に小売業者が製品をカートン半割体内に補充するために容易に利用することができるであろう。
【0010】
本カートンの代替実施形態は、仕切りパネルを持たない単一列ディスペンサ、及び異なった寸法の製品に対応することができるカートンを含む。カートンはまた、前側及び後側半割体の代わりに、並列式ディスペンサを備えることができる。この実施形態では、ディスペンサの両方を同時に開くことができ、また互いに切り離して、空の方を廃棄することができる。
【0011】
本発明の上記の目的及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面とともに以下の明細書を読むことにより、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[発明の詳細な説明]
本発明のブランク10の理解及び説明を容易にするために、本明細書に記載する構成要素及び番号は、カートン及びブランク10の半割部分を区別するために、「上方」、「下方」、「上部」、「底部」、「前側」及び「後側」という用語を使用する。しかしながら、これらの規定は、単に本記載の説明及び理解を容易にするために含まれているだけであって、決して制限的ではない。「上方」、「下方」等としてのパネルの説明は、「第1」、「第2」等と呼ぶこともできる。たとえば、図1において、上部パネル20は、ブランク10の上方部分内にあるものとして示され、上部パネル60は、ブランク10の下方部分にあるものとして示されている。当業者であれば、カートンの向きを逆にすれば、上部パネル60がブランク10の上方部分になり、上部パネル20が下方部分になり得ることを理解できるであろう。さらに、カートンを形成したとき、本明細書の説明では、上部パネル20がカートンの前側半割体の壁を形成し、上部パネル60がカートンの後側半割体の壁を形成する。実際にはこの向きを容易に逆にして、上部60が前側半割体の一部として機能し、上部パネル20がカートンの後側半割体の一部として機能するようにして使用することができる。
【0013】
本発明は主に、個別に小出しされる、食品を収容しているような製品Pの容器で使用されることを目的としている。図1に示されているように、カートンを形成するブランク10は、板紙等の折り曲げ可能な材料シートから形成される。ブランク10は、上端部に底部フラップ12を有し、底部フラップ12は、折り線14で側部パネル16に連結され、側部パネル16は、折り線18で上部パネル20に連結されている。上部パネル20は、折り線22で側部パネル24に連結され、側部パネル24は、折り線26で底部フラップ28に連結されている。底部フラップ28は、折り線30で仕切りパネル32に連結され、仕切りパネル32は、折り線34で接着パネル36に連結されている。接着パネル36は、折り線38で仕切りパネル40に連結され、仕切りパネル40は、折り線42で接着パネル44に連結されている。切り取り線50に沿った仕切りパネル32、40、72及び80の交点に、アクセスポート46が切られる、又は他の方法で形成されている。上部パネル20及び60に指穴48が形成されて、切り取り線50に沿って配置されている。カートンを割り開いて輸送/保管形態から陳列及び/又は小出し形態に変えるように切り取り線50の切り取りを開始するために、指穴48に人の指又は他の物をはめ込むことができる。アクセスポート46は、カートンを割り開き、それにより、カートンの前側半割体を後側半割体から分離するために、指穴48にアクセスするための空間をカートン内部に与える。アクセスポート46及び指穴48がそれぞれ楕円形及び円形に示されているが、それらは、切り取り線50を切り離し、それにより、カートンを2つの半割体に分離することができる任意の他の所望形状に形成されることができるであろう。代替として、指穴48は、打ち抜くか、他の方法で切り離し、それにより、切り取り線50を切り離すために指穴48にアクセスできるようにするフラップ(図示せず)で覆われることができる。
【0014】
ブランク10の下方端部で、底部フラップ52が、折り線54で側部パネル56に連結され、側部パネル56は、折り線58で上部パネル60に連結されている。上部パネル60は、折り線62で側部パネル64に連結され、側部パネル64は、折り線66で底部フラップ68に連結されている。底部フラップ68は、折り線70で仕切りパネル72に連結され、仕切りパネル72は、折り線74で接着パネル76に連結されている。接着パネル76は、折り線78で仕切りパネル80に連結され、仕切りパネル80は、折り線82で接着パネル84に連結されている。中央で弓状に曲がらないカートンを形成するために、仕切りパネル32、40、72及び80は一般的に、側部パネル16、24、56及び60より幅をわずかに狭くして形成されている。
【0015】
カートンブランク10の下方端部で、底端部フラップ100が、折り線102で底部フラップ52に連結されている。側端部フラップ104が、折り線106で側部パネル56に連結されている。上端部フラップ108が、切り取り線98及び/又は折り線107で上部パネル60に連結されている。側端部フラップ110が、折り線112で側部パネル64に連結されている。底端部フラップ114が、折り線116で底部フラップ68に連結されている。仕切りパネル端部118に仕切りパネル端部切り欠き部122が設けられており、この切り欠き部122は、カートンを形成してディスペンサ86を取り除いた後、製品を取り出しやすくするために、人の指が製品を掴むための空間を与えるであろう。接着パネル84は、接着パネル端部120を有し、これはわずかに内向きに傾斜し、それにより、カートンを折り曲げやすくしている。
【0016】
カートンブランク10の上方端部で、接着パネル44は、傾斜した接着パネル端部124を有する。接着パネル端部120及び124は、ブランク10からカートンを作製する間のいずれのわずかな不整合も考慮して、端部フラップを折り曲げ/構成の困難を生じる可能性のある切り込み線から離れた位置に保持する。仕切りパネル32、40は、仕切りパネル端部126及び仕切りパネル端部切り欠き部128を有し、この切り欠き部128は、カートンの形成後に製品をディスペンサ88から取り出しやすくする。図1に示されている仕切りパネルは、ディスペンサ又はディスペンサフラップ86及び88を切り取り線91、99に沿って切り取ることにより、ユーザの指又は他の物を挿入し、それによってディスペンサ86及び88を掴んで形成済みカートンから取り出すのに十分な空間を与える。
【0017】
上方端部で、底端部フラップ144が、折り線146で底部フラップ28に連結されている。側端部フラップ140が、折り線142で側部パネル24に連結されている。上端部フラップ138が、切り取り線99及び/又は折り線137で上部パネル20に連結されている。側端部フラップ134が、折り線136の位置で側部パネル16に連結されている。底端部フラップ130が、折り線132の位置で底部フラップ12に連結されている。
【0018】
図1は、ブランク10のパネルに沿った、刻み目、ニック、切れ目及び折り目を単独で、又はさまざまな組み合わせで有する切り取り線50を示している。図1に示されている特定の向き及び組み合わせは例示であって、決して制限的ではない。しかしながら、切り取り線形成について、一般的に幾つかのガイドラインに従う。たとえば、切り取り線50は、指穴48と各側部パネルとの交点との間が、指穴48を使用してカートンの半割体を分離させやすくする刻み目及びニックの組み合わせから成る。切り取り線50は、底部フラップを通る部分に、一種の「ヒンジ」を形成する刻み目及び折り目の組み合わせを有し、このヒンジは一般的に、切り取り線50の上部パネル及び側部パネルを通る部分と同程度に容易に半割体を互いに分離させないようにすることができる。切り取り線50は、仕切りパネル32、40、72及び80を通る部分に、刻み目及びニックの組み合わせを有し、この組み合わせは一般的に、底部フラップを通る刻み目及び折り目より容易に切り離され、それにより、最初にカートンを割る間、仕切りパネルをより容易に分離することができる。ディスペンサ86及び88は、刻み目及びニックのさまざまな組み合わせを有し、一般的に90〜99の切り取り線を分離しやすいように形成されるであろう。
【0019】
ディスペンサ86及び88は、上部パネル20、60及び側部パネル16、24、56、64内で、切り取り線50と反対の位置で端部フラップに隣接した各パネルの端部分に形成される。ディスペンサ86及び88を形成する際に、切り取り線90及び91はそれぞれの端部フラップから、形成済みのカートンから製品を取り出すことができるようにする距離だけ離れている。切り取り線92、93、94、95は、それぞれの側部パネル16、24、56、64内に形成されて、ディスペンサ86及び88をカートンから完全に取り外すことができるようにする。切り取り線92、93、94及び95は弓形に示されているが、傾斜又は矩形等の、製品がディスペンサに到達できるようにする任意の他の形状にすることができるであろう。一般的に切り取り線98及び99が、端部フラップと上部パネル20及び60が交差するそれぞれの折り線137及び107に形成されるが、カートン内に包装された製品によっては、折り線137及び107から一定距離を置くことができるであろう。仕切りパネルの分離によって形成されるギャップでカートンに指又は他の物を挿入できることによってディスペンサ86又は88の取り外しを容易にするために、上部パネル20及び60のほぼ中心に二等分切り取り線96および97が一般的に設けられている。ミシン目87および89が二等分切り取り線96及び97に平行に形成され、これらは、ディスペンサ86及び88の取り外しをさらに助けるためにユーザが掴むことができるフラップを形成する。ディスペンサ86及び88を取り除きやすくするために、87、89、96及び97によって形成されるこれらのフラップをカートンに押し込むか、それから外向きに引き出すかのいずれにすることもできる。これらのフラップは一般的に、仕切りパネル端部切り欠き部112及び128によって生じる空間によって受け取られ、これは、指又は他の物を挿入するための空間を与える。切り取り線96及び97は、小出し中の所望時にディスペンサ86又は88の一方側からだけの取り出しも可能にする。一般的には、ディスペンサ86又は88は連続的に完全に取り除かれ、それにより、製品をカートンから取り出すための開口を設けることができる。
【0020】
カートンブランクは、ディスペンサ切り取り線の任意部分又は全体を端部フラップ折り線から間隔を置いた状態で形成されることができる。さらに、いかなる切り取り線の向きも考えられる。たとえば、図8及び図9に示されているように、切り取り線898及び899が、側部パネルとの交点の直前で切り取り線850の方向へ上向きに張り出し、それにより、それぞれ三角形の残留部分又はリップ809及び839を生じることができ、切り取り線898及び899の残りはそれぞれの折り線906及び936に沿って連続している。これらの残留部分809及び839は、たとえば上部パネルフラップを補強する追加的な構造支持を行い、これは、カートンの作製中の折り曲げに対してより強力であろう。残留部分809及び839は、製品の取り出し中に残留部分809及び839に引っ掛かるような矩形製品をカートンから小出しするためには必ずしも適していないが、円筒形物品が小出し前にカートンから転がり出ないように保持するための拘束部として使用されることができるであろう。残留部分809及び839は、袋、パウチ又は他の矩形底面でない製品を小出しするための所望の追加的な構造支持を行うこともできるであろう。
【0021】
ブランク10をカートンになるように形成するために、ブランクを折り曲げて糊付けし、それにより、2つの閉鎖端部を有するカートンにする。最初に、接着パネル36、44、76、84に糊等の接着剤、テープ又は他の接着剤を塗布する。仕切りパネル32、40、72、80を折り曲げ、それにより、底部フラップ12、28、52、68及び上部パネル20及び60を支持するための中央仕切りを形成する。図1の実施形態では、底部フラップ12及び52が底部フラップ28及び68よりわずかに広幅であり、それにより、ブランク10をカートンになるように形成するとき、糊又は他の接着剤を受け取ることができるわずかな重合部分が与えられる。重合部分は所望通りに変更可能であるが、たとえば図1に示されている底部フラップ12及び52の重合部分は、約2.54cm(約1インチ)である。この重合部分は、作製中にカートンを合わせて保持するのに十分な接着剤の塗布を考慮して、一般的に1.27cm(1/2インチ)未満であってはならない。接着パネル36及び76を上部パネル20及び60に接着し、それにより、仕切りパネル32、40、72、80を有する中央仕切りを形成する。底部フラップ12及び52を接着フラップ44及び84に接着することによってブランク10をカートンスリーブに形成してから、次に製品をカートンに詰め込み、両端部のさまざまな端部フラップを閉じる。上方端部では、第1側端部フラップ134及び140を横向きに折り曲げ、次に底端部フラップ130及び144を下向きに折り曲げ、上端部フラップ138を上向きに折り曲げる。下方端部では、側端部フラップ104及び110を横向きに折り曲げ、次に底端部フラップ100及び114を下向きに折り曲げ、上端部フラップ108を上向きに折り曲げる。これらのさまざまな端部フラップは、糊及び/又は他の接着手段によって合わせて保持される。図1に示されたブランク10は、与えられた縮尺に寸法的に制限されることはなく、例示のために示されているだけである。したがって、より大型の製品の保管、陳列及び小出しに対応するために、より幅広のパネルを設けることができ、またより小型の製品に対応するために、より小さい寸法にすることができる。
【0022】
図2に示されているように、ブランク10は、製品を内部に入れて輸送又は保管に備えたカートンになるように形成される。カートンを小売店又は他のエンドユーザに輸送又は他の方法で送達した後、図3は、指穴48及び切り取り線50を使用して半分に「割った」カートンを示す。図4に示されているように、カートンは次に、その密封端部を下にして、カートンの上部パネル60を外側に向け、上部パネル20を内側に向けて、たとえば小売店の棚の上に直立にセットされる。
【0023】
図5は、カートンを陳列位置に示し、上部パネル60の下方小出し部分のディスペンサ86が引きちぎられ、それにより、製品が露出している。図5では、ディスペンサ86の両側が切り取り線90、92、94、96及び98に沿って取り除かれて廃棄される。ディスペンサ86は、製品をカートンから取り出すのに十分な大きさの開口を生じる。図1〜図5に示されているように、ディスペンサ86に二等分切り取り線96及びミシン目87が設けられ、それにより、指又は他の物によってディスペンサにアクセスできるようにし、それにより、ディスペンサ86を取り外しやすくすることによって、ディスペンサ86が開きやすくなる。弓形切り取り線92及び94がカートンの側部パネル56及び64に十分に回り込んで、人の指が小出し用に製品をより簡単に掴むことができるようにしている。
【0024】
図3〜図7に示されているように、仕切りパネル32、40、72及び80によって形成されている中央仕切りは、小出ししやすいようにカートン内の製品を分離し、且つカートン用の追加的構造を与える。カートン内に多重列の製品がある場合、中央仕切りは、小出し中に取り出すために製品を掴むのを助けるための空隙を生じる。しかしながら、特にカートンが側部パネル内に、切り取り線92及び94によって生じるような空隙を設け、それにより、仕切りパネルによって生じる空隙がなくても、人の指が製品を掴むことができる場合、中央仕切りが必ずしも製品を掴むための空隙を生じる必要はない。さらに、中央仕切りをカートン内に設ける必要はなく、底部フラップ12、28、52、68上又はそれらの付近の接着剤でブランクをカートンになるように形成することができるであろう。
【0025】
ディスペンサ86及び88は割ったカートンの下方端部に位置するので、下方の製品の取り出し時に、すべての上方の製品が重力によってカートンの底部の方に落下するであろう。この重力によって助けられた送りにより、カートンの半割体からすべての製品が完全に取り出されるまで、製品をディスペンサ86又は88を通して取り出すことができるであろう。
【0026】
カートンの前側半割体から製品が完全に取り出されたら、小売業者はカートンを180度回転させ、それにより、後側半割体を小出し位置に置くことができ、また、前側半割体を後側半割体から取り除くかどうかを決定することができる。カートンの前側半割体は、底部フラップ12、28、52及び68を通って延在する切り取り線50のヒンジ部で取り付けられたままにすることができ、均一で見栄えのよい陳列を維持するために棚の空隙充填材として使用されることができる。代替として、図6に示されているように、カートンの前側半割体から製品が完全に取り出されたら、空の半割体を切り取り線50のヒンジ部で引きちぎって廃棄することができる。カートンの前側半割体をカートンの後側半割体から取り除くか、カートンの後側半割体に取り付けられたままにするかのいずれにしても、上部パネル20を、棚の上で外側に面するように回転させる。ディスペンサ86と同様に、ディスペンサ88は切り取り線91、93、95、97、99で取り除かれ、それにより、上部パネル20の下方部分に開口を形成する。ディスペンサ88によって形成される開口は、カートンのこの後側半割体から製品を取り出すのに十分な大きさである。取り出すために製品を掴むのを助けるための空隙を生じるために、中央仕切りを設けることができる。ディスペンサ88によって形成される開口は後側半割体の下方端部に位置するので、製品の小出し中、後側半割体が空になるまで、すべての製品がカートンの底部の方へ重力で送られる。すべての製品が取り出されたら、カートンの後側半割体、又は前側半割体がそれから切り離されていない場合にはカートン全体を棚から取り除いて廃棄することができる。次に、新しいカートンが空のカートンに取って代わることができる。
【0027】
図7に示されているように、カートンの後側半割体は、その下方端部にディスペンサを有し、それは製品の小出しのために取り除かれることができる。後側半割体のディスペンサは一般的に、図5に示されているように前側半割体からディスペンサを取り除く場合と同様にして取り除かれる。カートンの空になった前側半割体は、この時にはカートンの後側半割体から取り外されており、廃棄されることができる。
【0028】
本発明の代替実施形態が、図8及び図10に示されている。下方端部で、ブランク810は底部フラップ812を有し、底部フラップ812は、折り線814で側部パネル816に連結され、側部パネル816は、折り線818で上部パネル820に連結されている。上部パネル820は、折り線822で側部パネル824に連結され、側部パネル824は、折り線826で底部フラップ828に連結されている。本実施形態では、並列形カートン半割体内に単一列を成して製品が小出しされるので、仕切りパネル部分を備えていない。
【0029】
上部パネル820及び860の間に指穴848が設けられ、切り取り線850に沿って配置されている。指穴48に関して図1に詳述したように、指穴848は人の指又は他の物を受け取ることができ、それにより、カートン半割体を切り取り線850に沿って切り離し、カートンを輸送/保管形態から陳列/小出し形態に変えることができる。指穴848は円形に示されているが、それは、切り取り線850を切り離すことができる任意の他の形状であることができる。指穴848はまた、切り取り線850を切り離すために指穴848にアクセスできるように切り離す、又は打ち抜くことができるフラップ(図示せず)で覆われることもできる。
【0030】
ブランク810の下方端部で、底部フラップ852が、折り線854で側部パネル856に連結され、側部パネル856は、折り線858で上部パネル860に連結されている。上部パネル860は、折り線862で側部パネル864に連結され、側部パネル864は、折り線866で底部フラップ868に連結されている。ブランク810をカートン形態に固定するために、底部フラップ828及び868は、接着剤を受け取るように構成されている。一般的に、底部フラップ828及び868は、接着剤を受け取って、底部フラップ812及び852の上に重なるか、その下側に付着するかのいずれでもよい。
【0031】
底部フラップ828及び868は、それぞれ接着パネル端部924及び920を有し、これらはわずかに内向きに傾斜し、それにより、カートンを形成した後に折り曲げやすくしている。接着パネル端部920及び924は、ブランク810からカートンを作製する間のいずれのわずかな不整合も考慮し、それにより、端部フラップを切り込み線から離れた位置に保持する。
【0032】
カートンブランク810の下方端部で、底端部フラップ900が、折り線902で底部フラップ852に連結されている。側端部フラップ904が、切り取り線898及び/又は折り線906で側部パネル856に連結されている。上端部フラップ908が、折り線907で上部パネル860に連結されている。側端部フラップ910が、折り線912で側部パネル864に連結されている。
【0033】
上方端部で、底端部フラップ930が、折り線932で底部フラップ812に連結されている。側端部フラップ934が、折り線936で、且つ/又は切り取り線899の位置で側部パネル816に連結されている。上端部フラップ938が、折り線937で上部パネル820に連結されている。側端部フラップ940が、折り線942の位置で側部パネル824に連結されている。
【0034】
切り取り線850は、ブランク810に沿って刻み目、ニック、切れ目及び折り目、或いはそれらのさまざまな組み合わせで示されている。図示の特定の向き及び組み合わせは本実施形態において好適であるが、決して制限的ではない。図8に示されているように、切り取り線850は、指穴848を使用してカートンの半割体を分離させやすくする刻み目及びニックの組み合わせを有する。切り取り線850は、底部フラップを通る部分に一種の「ヒンジ」を形成する刻み目及び折り目の組み合わせを有し、このヒンジは一般的に、切り取り線850の上部パネル及び側部パネルを通る部分と同程度に容易に底部フラップを互いに分離させないようにすることができる。図1のブランク10と異なって、図8に示されている指穴848は、上部パネル820及び860内にあり、ディスペンサは、主に側部パネル816及び856内にあって、上部パネル820及び860と底部フラップ812及び852とに重なっている。したがって、カートンが形成された後、指穴848を使用して切り取り線850の上部パネル及び側部パネルを通る部分に沿ってカートンを割り、それから底部フラップ812、828、852及び868に沿ってヒンジ連結することができる。
【0035】
ディスペンサ886及び888は、側部パネル816、856、上部パネル820、860、及び底部フラップ812、852内で、切り取り線850と反対の位置で端部フラップに隣接した各パネルの端部分に形成される。ディスペンサ886及び888を形成する際に、切り取り線890及び891はそれぞれの端部フラップから、形成済みのカートンから製品を取り出すことができる距離だけ離れている。切り取り線890及び891は、所望の任意向きにすることができるが、図8には、小出し中に製品をカートンから取り出しやすくするために、ユーザの指又は他の物が製品に係合できるようにする凸部分を中央部分に備えるように示されている。切り取り線892及び893は、それぞれ底部フラップ852及び812内に形成され、切り取り線894及び895は、それぞれ上部パネル860及び820内に形成されている。切り取り線892、893、894及び895は弓形に示されているが、傾斜又は矩形等の、ディスペンサ886及び888を取り除くことができる任意の他の形状にすることができるであろう。切り取り線898及び899が、端部フラップが側部パネル816及び856と交差する折り線の一部に沿って形成される。ディスペンサ886及び888は通常、切り取り線892、893、894又は895の位置又はその付近で指又は他の物をカートンに挿入することによって取り除かれる。ディスペンサ886及び888を取り除くために、これらの切り取り線892、893、894又は895をカートンに押し込むか、又はそれから外向きに引き出すかのいずれにすることもできる。所望ならば、小出し用にディスペンサ886又は888のいずれか一方を個別に取り除くことができるが、一般的にはディスペンサ886又は888の両方を取り除き、それにより、並列形カートンの各半割体から製品を取り出すための小出し開口を設けるようにする。
【0036】
ブランク810をカートンになるように形成するために、ブランクを折り曲げて糊付けし、それにより、2つの閉鎖端部を有するカートンにする。ここで、パネル828及び868に糊等の接着剤を塗布するか、テープ又は他の接着剤を設ける。パネル828及び868を底部フラップ812及び852に接着する。ブランク810をカートンスリーブに形成してから、次に製品をカートンに詰め込み、両端部のさまざまな端部フラップを閉じる。上方端部では、第1側端部フラップ934及び940を横向きに折り曲げ、次に底端部フラップ930を下向きに折り曲げ、上端部フラップ938を上向きに折り曲げる。下方端部では、側端部フラップ904及び910を横向きに折り曲げ、次に底端部フラップ900を下向きに折り曲げ、上端部フラップ908を上向きに折り曲げる。これらのさまざまな端部フラップは、糊及び/又は他の接着手段によって合わせて保持される。図1に示されたブランク810は、与えられた縮尺に寸法的に制限されることはなく、例示のために示されているだけである。したがって、より大型の製品の保管、陳列及び小出しに対応するために、より幅広のパネルを設けることができ、又はより小型の製品に対応するために、より小さい寸法にすることができる。
【0037】
図9A〜図9Dは、割り開いて直立にセットし、製品を小出しするカートンになるように形成された図8の並列形ブランクを示す。図9Dでは、カートンの両側から小出しするために、ディスペンサ886及び888を取り除いて示している。
【0038】
ブランク1010の別の代替実施形態が、図10に示されている。下方端部で、ブランク1010は底部フラップ1012を有し、この底部フラップ1012は、折り線1014で側部パネル1016に連結され、側部パネル1016は、折り線1018で上部パネル1020に連結されている。上部パネル1020は、折り線1022で側部パネル1024に連結され、側部パネル1024は、折り線1026で底部フラップ1028に連結されている。本実施形態では、製品が単一列形式で小出しされるので、仕切りパネル部分が設けられていない。
【0039】
上部パネル1020及び1060間に指穴1048が設けられ、切り取り線1050に沿って配置されている。指穴48に関して図1に詳述したように、指穴1048は人の指又は他の物を受け取ることができ、それにより、カートン半割体を切り取り線1050で分離して、カートンを輸送/保管形態から陳列及び/又は小出し形態に変えることができる。指穴1048は円形に示されているが、それは、切り取り線1050を切り離すことができる任意の他の形状であることができる。指穴1048はまた、切り取り線1050を切り離すために指穴1048にアクセスできるように切り離す、又は打ち抜くことができるフラップ(図示せず)で覆われることもできる。
【0040】
ブランク1010の下方端部で、底部フラップ1052が、折り線1054で側部パネル1056に連結され、側部パネル1056は、折り線1058で上部パネル1060に連結されている。上部パネル1060は、折り線1062で側部パネル1064に連結され、側部パネル1064は、折り線1066で底部フラップ1068に連結されている。カートンの作製中、ブランク1010を所定位置に固定するために、底部フラップ1012及び1052は、接着剤を受け取るように構成されている。一般的に、底部フラップ1012及び1052は、接着剤を受け取って、底部フラップ1028及び1068に重なるであろう。
【0041】
カートンブランク1010の下端部で、側端部フラップ1104が、折り線1106で側部フラップ1056に連結されている。上端部フラップ1108が、切り取り線1098及び/又は折り線1107で上部パネル1060に連結されている。側端部フラップ1110が、折り線1112で側部パネル1064に連結されている。底端部フラップ1114が、折り線1116で底部フラップ1068に連結されている。
【0042】
上端部で、側端部フラップ1134が、折り線1136で側部フラップ1016に連結されている。上端部フラップ1138が、折り線1137で、且つ/又は切り取り線1099の位置で上部パネル1020に連結されている。側端部フラップ1140が、折り線1142で側部パネル1024に連結されている。底端部フラップ1144が、折り線1146の位置で底部フラップ1028に連結されている。
【0043】
切り取り線1050は、ブランク1010に沿って刻み目、ニック、切れ目、折り目、或いはそれらのさまざまな組み合わせで示されている。図示の特定の向き及び組み合わせは本実施形態において好適であるが、決して制限的ではない。図10に示されているように、切り取り線1050は、指穴1048を使用してカートンの半割体を分離させやすくする刻み目及びニックの組み合わせを有する。そして、切り取り線1050は、底部フラップを通る部分に一種の「ヒンジ」を形成する刻み目及び折り目の組み合わせを有し、このヒンジは一般的に、切り取り線1050の上部パネル及び側部パネルを通る部分と同程度に容易に半割体を互いに分離させないようにすることができる。指穴1048は、上部パネル1020及び1060内にあり、ディスペンサ1086及び1088は、主に上部パネル1020及び1060にあって、側部パネル1016、1024、1056及び1060に重なっている。カートンが形成された後、指穴1048を使用して切り取り線1050の上部パネル及び側部パネルを通る部分に沿ってカートンを割ることができる。そのとき、カートンは底部フラップ1012、1028、1052及び1068に沿ってヒンジ連結されることができる。
【0044】
ディスペンサ1086及び1088は、上部パネル1020、1060及び側部パネル1016、1024、1056、1064内で、切り取り線1050と反対の位置で端部フラップに隣接した各パネルの端部分に形成される。ディスペンサ1086及び1088を形成する際に、切り取り線1090及び1091はそれぞれの端部フラップから、製品をカートンから取り出すことができる距離だけ離れている。切り取り線1090及び1091は、所望の任意向きにすることができるが、図10には、小出し中にカートンから取り出すために、ユーザの指又は他の物が製品に係合できるようにする凸部分を中央部分に備えるように示されている。切り取り線1092、1093、1094及び1095は、それぞれの側部パネル1056、1016、1064及び1024内に形成され、弓形に示されているが、傾斜又は矩形等の、ディスペンサ1086及び1088をカートンから取り除くができる任意の他の形状にすることができるであろう。切り取り線1098及び1099が、端部フラップと上部パネル1020及び1060とが交差する折り線の一部に沿って形成される。ディスペンサ1086及び1088は通常、指又は他の物を1092、1093、1094又は1095でカートン内に挿入することによって取り除かれる。ディスペンサ1086及び1088を取り除きやすくするために、これらの切り取り線1092、1093、1094又は1095をカートンに押し込むか、それから外向きに引き出すかのいずれにすることもできる。所望ならば、小出し用にディスペンサ1086又は1088のいずれか一方を個別に取り除くことができるが、一般的にはディスペンサ1086及び1088を取り除き、それにより、カートンの前向きの半割体から製品を取り出すための開口を設けることができる。また、図10に示されているように、切り取り線1092、1093、1094又は1095は、作製時にカートンによって包囲されない打ち抜き穴1199を有することができる。これらの穴1199は、ディスペンサ1086及び1088を取り除きやすくするために、指又は他の物を受け取ることができる。
【0045】
図8及び図9に示されている切り取り線と同様に、図10のカートンブランクは、ディスペンサ切り取り線の任意部分又はその全体を端部フラップ折り線から間隔を置いた状態で形成されることができる。図10において、切り取り線1098及び1099が、側部パネルとの交点の直前で切り取り線1050の方向へ上向きに張り出し、それにより、それぞれ三角形の残留部分又はリップ1009及び1039を生じるようになっており、切り取り線1098及び1099の残りはそれぞれの折り線1107及び1137に沿って連続している。これらの残留部分1009及び1039は、たとえば側部パネルフラップを補強する追加的な構造支持を行い、これは、カートンの作製中の折り曲げに対してより強力であろう。残留部分1009及び1039は、製品の取り出し中に残留部分1009及び1039に引っ掛かるような矩形製品をカートンから小出しするためには必ずしも適していないが、円筒形物品が小出し前にカートンから転がり出ないように保持するための拘束部として使用されることができるであろう。残留部分1009及び1039は、袋、パウチ又は他の矩形底面でない製品を小出しするための所望の追加的な構造支持も行うことができるであろう。
【0046】
本発明をその好適な形態において開示してきたが、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の精神及び範囲、及びその均等物から逸脱しない限り、本発明において多くの変更、追加及び削除を行ってもよいことは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に従ったカートンを形成するブランクの平面図である。
【図2】輸送形態にある、製品を詰め込んだカートンの斜視図である。
【図3】切り取り線で半分に割ったカートンの斜視図である。
【図4】陳列形態にあるカートンの斜視図である。
【図5】小出し形態にある、前側下方のディスペンサを取り除いたカートンの斜視図である。
【図6】後側ディスペンサを前側ディスペンサから取り外した状態にあるカートンの斜視図である。
【図7】後側ディスペンサが小出し形態にある状態のカートンの斜視図である。
【図8】カートンを形成することができる並列形ブランクの代替実施形態を示す図である。
【図9A】カートンになるように形成された、図8の並列形ブランクを示す図である。
【図9B】割り開いた状態にある、図8の並列形ブランクを示す図である。
【図9C】直立にセットした状態にある、図8の並列形ブランクを示す図である。
【図9D】製品を小出しする状態にある、図8の並列形ブランクを示す図である。
【図10】ディスペンサを形成することができる単一列ブランクの別の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器を2列にして収容する、2つの閉鎖端部を有するカートンであって、
上部パネル、2つの底部パネル、及び2つの折り曲げ可能に取り付けられている隣接する側部パネルを備え、
該カートンの各端部は、前記上部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている上端部フラップ、前記底部パネルの各々に折り曲げ可能に取り付けられている底端部フラップ、及び前記側部パネルの各々に折り曲げ可能に取り付けられている側端部フラップを有し、さらに
前記上端部フラップ、前記底端部フラップ及び前記側端部フラップを合わせて取り付ける手段であって、それにより、該カートンの前記端部の各々を閉鎖することができる、手段と、
該カートンの前記端部の各々のほぼ中間で、前記上部パネル、前記側部パネル及び前記底部パネルを通って延在する切り取り線であって、該切り取り線を前記上部パネル及び前記側部パネルを通る部分で引き裂いたとき、該カートンは、前記底部パネルを通って延在する前記切り取り線に沿って折り曲げ可能であり、それにより、包囲カートンの2つの半割体を形成するようにした、切り取り線と、
を備えるカートン。
【請求項2】
前記上部パネル内に指穴が設けられ、それにより、前記切り取り線を開きやすくしている、請求項1に記載のカートン。
【請求項3】
中央仕切りをさらに備え、それにより、前記包囲カートン内の2列を分離するようにした、請求項1に記載のカートン。
【請求項4】
前記中央仕切りは、2つの仕切りパネルを有し、それにより、前記カートンを補強するようにした、請求項3に記載のカートン。
【請求項5】
前記2つのパネルは、折り線の周りで折り曲げ可能である、請求項4に記載のカートン。
【請求項6】
前記中央仕切りは、接着剤を受け取ることができる少なくとも1つの接着パネルを有する、請求項4に記載のカートン。
【請求項7】
前記底部パネルは、前記切り取り線に沿って切り離し可能であり、それにより、前記カートンの前記2つの半割体を切り離すことができる、請求項1に記載のカートン。
【請求項8】
前記切り取り線は、刻み目、ニック、折り目、或いは刻み目、ニック又は折り目の任意の組み合わせを有する、請求項1に記載のカートン。
【請求項9】
前記カートンの各端部で前記上部パネル内に形成されるディスペンサをさらに備える、請求項1に記載のカートン。
【請求項10】
前記ディスペンサの各々は、少なくとも1つの取り外し可能なパネルを有する、請求項7に記載のカートン。
【請求項11】
前記ディスペンサの各々は、ディスペンサ切り取り線で前記カートンから取り外し可能である、請求項8に記載のカートン。
【請求項12】
前記ディスペンサ切り取り線は、前記上部パネルを通り、且つ前記側部パネルの各々を通って延在する、請求項11に記載のカートン。
【請求項13】
前記上部パネルを通って延在する前記ディスペンサ切り取り線は、上側ディスペンサ切り取り線及び下側ディスペンサ切り取り線を有し、これらの切り取り線は、前記容器の各々を取り出すことができる最短距離だけ離れている、請求項12に記載のカートン。
【請求項14】
前記下側ディスペンサ切り取り線は、前記上端部フラップの位置の折り線とほぼ一致している、請求項13に記載のカートン。
【請求項15】
前記下側ディスペンサ切り取り線の一部分が、前記上部パネルの各端部で上方に延出し、それにより、前記カートンを補強する残留部分を生じる、請求項14に記載のカートン。
【請求項16】
前記残留部分は、前記ディスペンサからの前記容器の取り出しの邪魔にならない、請求項15に記載のカートン。
【請求項17】
前記下側ディスペンサ切り取り線は、前記上端部フラップの位置の折り線から間隔を置いた位置にある、請求項13に記載のカートン。
【請求項18】
前記ディスペンサの各々は、前記包囲カートンから個別に取り外し可能なディスペンサ半割体を有する、請求項9に記載のカートン。
【請求項19】
前記ディスペンサ半割体は、前記ディスペンサ半割体の各々のフラップを前記カートン内に押し込み、それにより、該ディスペンサ半割体の各々の取り外しを容易にすることができる貫通穴を前記上部パネルの中央付近に有する、請求項13に記載のカートン。
【請求項20】
中央仕切りをさらに備え、それにより、前記包囲カートン内の2列を分離するようにした、請求項18に記載のカートン。
【請求項21】
前記フラップは、前記中央仕切りによって生じる空間内に収容可能である、請求項20に記載のカートン。
【請求項22】
前記カートンは、前記底部パネルの位置で折り曲げ可能であり、それにより、前記底部パネルを隣接させた状態で前側半割体及び後側半割体を生じることができる、請求項1に記載のカートン。
【請求項23】
複数の容器を収容する、2つの閉鎖端部を有する包囲カートンであって、
上部パネル、2つの底部パネル、及び2つの折り曲げ可能に取り付けられている隣接する側部パネルを備え、
該カートンの各端部は、前記上部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている上端部フラップ、前記底部パネルの一方に折り曲げ可能に取り付けられている底端部フラップ、及び前記側部パネルの各々に折り曲げ可能に取り付けられている側端部フラップを有し、さらに
前記上端部フラップ、前記底端部フラップ及び前記側端部フラップを合わせて取り付ける手段であって、それにより、該カートンの前記端部の各々を閉鎖することができる、手段と、
該カートンの前記端部の各々のほぼ中間で、前記上部パネル、前記側部パネル及び前記底部パネルを通って延在する切り取り線であって、該切り取り線を前記上部パネル及び前記側部パネルを通る部分で引き裂いたとき、該カートンは、前記底部パネルを通って延在する該切り取り線に沿って折り曲げ可能であり、それにより、該包囲カートンの2つの半割体を形成するようにした、切り取り線と、
を備える包囲カートン。
【請求項24】
前記カートンは、前記底部パネルの位置で折り曲げ可能であり、それにより、該底部パネルを隣接させた状態で並列形半割体を生じることができる、請求項23に記載の包囲カートン。
【請求項25】
前記上部パネル内に指穴が設けられ、それにより、前記切り取り線を開きやすくしている、請求項23に記載の包囲カートン。
【請求項26】
前記底部パネルは、前記切り取り線に沿って切り離し可能であり、それにより、前記カートンの前記2つの半割体を切り離すことができる、請求項23に記載の包囲カートン。
【請求項27】
前記切り取り線は、刻み目、ニック、折り目、或いは刻み目、ニック又は折り目の任意の組み合わせを有する、請求項23に記載の包囲カートン。
【請求項28】
前記カートンの各端部で前記側部パネルの一方の内部に形成されるディスペンサをさらに備える、請求項23に記載の包囲カートン。
【請求項29】
前記ディスペンサの各々は、少なくとも1つの取り外し可能なパネルを有する、請求項28に記載の包囲カートン。
【請求項30】
前記ディスペンサの各々は、ディスペンサ切り取り線で前記カートンから取り外し可能である、請求項29に記載の包囲カートン。
【請求項31】
前記ディスペンサ切り取り線は、前記側部パネルの一方、前記上部パネルを通り、また前記底部パネルを通って延在する、請求項30に記載の包囲カートン。
【請求項32】
前記側部パネルを通って延在する前記ディスペンサ切り取り線は、上側ディスペンサ切り取り線及び下側ディスペンサ切り取り線を有し、これらの切り取り線は、前記容器の各々を取り出すことができる最短距離だけ離れている、請求項31に記載の包囲カートン。
【請求項33】
前記下側ディスペンサ切り取り線は、前記上端部フラップの位置の折り線とほぼ一致している、請求項32に記載の包囲カートン。
【請求項34】
前記下側ディスペンサ切り取り線の一部分が、前記上部パネルの各端部で上方に延出し、それにより、前記カートンを補強する残留部分を生じる、請求項33に記載の包囲カートン。
【請求項35】
前記残留部分は、前記ディスペンサからの前記容器の取り出しの邪魔にならない、請求項34に記載の包囲カートン。
【請求項36】
前記下側ディスペンサ切り取り線は、前記上端部フラップの位置の折り線から間隔を置いた位置にある、請求項32に記載の包囲カートン。
【請求項37】
前記上部パネル内及び前記底部パネル内の前記ディスペンサ切り取り線は、前記カートン内に押し込まれることができ、それにより、前記ディスペンサの各々の取り外しを容易にする、請求項31に記載の包囲カートン。
【請求項38】
前記上部パネル内及び前記底部パネル内の前記ディスペンサ切り取り線は、切り欠き部を有し、それにより、前記ディスペンサの取り外しを容易にした、請求項31に記載の包囲カートン。
【請求項39】
複数の容器を収容する、2つの閉鎖端部を有するカートンであって、
上部パネル、底部パネル、及び2つの折り曲げ可能に取り付けられている隣接する側部パネルを備え、
該カートンの各端部は、前記上部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている上端部フラップ、及び前記底部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている底端部フラップを有し、さらに
前記上端部フラップ及び前記底端部フラップを合わせて取り付ける手段であって、それにより、該カートンの前記端部の各々を閉鎖することができる、手段と、
該カートンの前記端部の各々のほぼ中間で、前記上部パネル、前記側部パネル及び前記底部パネルを通って延在する切り取り線であって、該切り取り線を前記上部パネル及び前記側部パネルを通る部分で引き裂いたとき、該カートンは、前記底部パネルを通って延在する該切り取り線に沿って折り曲げ可能であり、それにより、包囲カートンの2つの半割体を形成するようにした、切り取り線と、
を備えるカートン。
【請求項40】
前記底部パネルによって受け取られ、それにより、前記カートンを閉鎖することができる接着パネルを前記2つの側部パネルの一方に備える、請求項39に記載のカートン。
【請求項41】
前記カートンの各端部は、各側部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている側端部フラップを有する、請求項39に記載のカートン。
【請求項42】
前記側端部フラップは、前記上端部フラップ及び前記底端部フラップと合わせて閉鎖され、それにより、前記カートンの各端部を閉鎖することができる、請求項41に記載のカートン。
【請求項43】
複数の容器を少なくとも2列にして収容する、2つの閉鎖端部を有するカートンであって、
上部パネル、2つの底部パネル、及び2つの折り曲げ可能に取り付けられている隣接する側部パネルを備え、
該カートンの各端部は、前記上部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている上端部フラップ、前記底部パネルの各々に折り曲げ可能に取り付けられている底端部フラップ、及び前記側部パネルの各々に折り曲げ可能に取り付けられている側端部フラップを有し、さらに
前記上端部フラップ、前記底端部フラップ及び前記側端部フラップを合わせて取り付ける手段であって、それにより、該カートンの前記端部の各々を閉鎖することができる、手段と、
前記上部パネル、前記側部パネル及び前記底部パネルを通って延在する切り取り線であって、該切り取り線を前記上部パネル及び前記側部パネルを通る部分で引き裂いたとき、該カートンは、前記底部パネルを通って延在する該切り取り線に沿って折り曲げ可能であり、それにより、包囲カートンの2つの部分を形成するようにした、切り取り線と、
を備えるカートン。
【請求項44】
前記切り取り線は、前記カートンの前記端部の各々のほぼ中間に延在する、請求項43に記載のカートン。
【請求項45】
前記上部パネル内に指穴が設けられ、それにより、前記切り取り線を開きやすくしており、また、中央仕切りが、前記密封カートン内の前記列を分離する、請求項43又は44に記載のカートン。
【請求項46】
前記底部パネルは、前記切り取り線に沿って切り離し可能であり、それにより、前記カートンの前記2つの部分を切り離すことができ、また、前記切り取り線は、刻み目、ニック、折り目、或いは刻み目、ニック又は折り目の任意の組み合わせを有する、請求項43〜45のいずれか1項に記載のカートン。
【請求項47】
前記カートンの各端部で前記上部パネル内に形成されるディスペンサをさらに備える、請求項43〜46のいずれか1項に記載のカートン。
【請求項48】
前記カートンは、前記底部パネルの位置で折り曲げ可能であり、それにより、前側部分及び後側部分を生じることができる、請求項43〜47のいずれか1項に記載のカートン。
【請求項49】
複数の容器を収容する、2つの閉鎖端部を有する包囲カートンであって、
上部パネル、2つの底部パネル、及び2つの折り曲げ可能に取り付けられている隣接する側部パネルを備え、
該カートンの各端部は、前記上部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている上端部フラップ、前記底部パネルの一方に折り曲げ可能に取り付けられている底端部フラップ、及び前記側部パネルの各々に折り曲げ可能に取り付けられている側端部フラップを有し、さらに
前記上端部フラップ、前記底端部フラップ及び前記側端部フラップを合わせて取り付ける手段であって、それにより、該カートンの前記端部の各々を閉鎖することができる、手段と、
該カートンの前記端部の各々の間で、前記上部パネル、前記側部パネル及び前記底部パネルを通って延在する切り取り線と、
を備える包囲カートン。
【請求項50】
前記切り取り線は、前記カートンの前記端部の各々のほぼ中間に延在する、請求項49に記載の包囲カートン。
【請求項51】
前記切り取り線を前記上部パネル及び前記側部パネルを通る部分で引き裂いたとき、前記カートンは、前記底部パネルを通って延在する前記切り取り線に沿って折り曲げ可能であり、それにより、前記包囲カートンの2つの部分を形成するようにした、請求項49又は50に記載の包囲カートン。
【請求項52】
前記カートンは、前記底部パネルの位置で折り曲げ可能であり、それにより、該底部パネルを隣接させた状態で並列部分を生じることができ、また、前記上部パネル内に指穴が設けられ、それにより、前記切り取り線を開きやすくしている、請求項49〜51のいずれか1項に記載の包囲カートン。
【請求項53】
前記底部パネルは、前記切り取り線に沿って切り離し可能であり、それにより、前記カートンの前記2つの部分を切り離すことができ、また、前記切り取り線は、刻み目、ニック、折り目、或いは刻み目、ニック又は折り目の任意の組み合わせを有する、請求項49〜52のいずれか1項に記載の包囲カートン。
【請求項54】
前記カートンの各端部で前記側部パネルの一方の内部に形成されるディスペンサをさらに備える、請求項49〜53のいずれか1項に記載の包囲カートン。
【請求項55】
複数の容器を収容する、2つの閉鎖端部を有するカートンであって、
上部パネル、底部パネル、及び2つの折り曲げ可能に取り付けられている隣接する側部パネルを備え、
該カートンの各端部は、前記上部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている上端部フラップ、及び前記底部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている底端部フラップを有し、さらに
前記上端部フラップ及び前記底端部フラップを合わせて取り付ける手段であって、それにより、該カートンの前記端部の各々を閉鎖することができる、手段と、
該カートンの前記端部の各々の間で、前記上部パネル、前記側部パネル及び前記底部パネルを通って延在する切り取り線と、
を備えるカートン。
【請求項56】
前記切り取り線は、前記カートンの前記端部の各々のほぼ中間に延在する、請求項55に記載のカートン。
【請求項57】
前記切り取り線を前記上部パネル及び前記側部パネルを通る部分で引き裂いたとき、前記カートンは、前記底部パネルを通って延在する前記切り取り線に沿って折り曲げ可能であり、それにより、包囲カートンの2つの部分を形成するようにした、請求項55又は56に記載のカートン。
【請求項58】
前記底部パネルによって受け取られ、それにより、前記カートンを閉鎖することができる接着パネルを前記2つの側部パネルの一方に備える、請求項55〜57のいずれか1項に記載のカートン。
【請求項59】
前記カートンの各端部は、各側部パネルに折り曲げ可能に取り付けられている側端部フラップを有し、該側端部フラップは、前記上端部フラップ及び前記底端部フラップと合わせて閉鎖され、それにより、前記カートンの各端部を閉鎖することができる、請求項55〜58のいずれか1項に記載のカートン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−536168(P2007−536168A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511411(P2007−511411)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/014222
【国際公開番号】WO2005/110866
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(504075588)グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド (137)
【Fターム(参考)】