小規模診断システム
【課題】小規模な医療施設で撮影画像と患者の対応付けを間違いなく行えるようにする。
【解決手段】本発明に係る小規模診断システム100によれば、画像生成装置1において、生成された撮影画像データ及び当該撮影画像データの画像生成時に入力された仮IDとを対応付けて情報処理装置2に送信するとともに、画像生成装置1で生成された撮影画像データを参照用プリンタ4に送信し、撮影画像をカルテフォーマットの記録媒体上に印刷し出力する。
【解決手段】本発明に係る小規模診断システム100によれば、画像生成装置1において、生成された撮影画像データ及び当該撮影画像データの画像生成時に入力された仮IDとを対応付けて情報処理装置2に送信するとともに、画像生成装置1で生成された撮影画像データを参照用プリンタ4に送信し、撮影画像をカルテフォーマットの記録媒体上に印刷し出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来院した患者を撮影して撮影画像データを生成し、当該撮影画像データを表示して診断に提供し、表示された撮影画像データと患者情報とを対応付け、対応付けられた撮影画像データと患者情報を保存する小規模診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、来院した患者を、CR(Computed Radiography)装置、FPD(Flat Panel Detector)装置等の画像生成装置を用いて技師が撮影し、得られた画像が診断に提供可能となるように階調処理等の画像処理を加え、画像処理済みの画像を出力し、医師による読影に提供する診断システムが知られている。
【0003】
このような診断システムは、来院した患者を受け付け、撮影オーダを発行する担当(受付)、実際に患者を撮影室で撮影しデジタル画像(画像データ)を生成する担当(技師)、階調性等の得られた画像の診断提供可否を判断し、場合によってはコントラストや濃度を修正する担当(一般の技師の中かから任命された技師等)、画像に基づき疾病の有無を判断(診断)する読影担当(医師)等、複数の担当者が役割分担を行い、診断が進められる。
従来、この患者の画像はフィルム上にハードコピーされて診断に供されていたが、近年では、PACS(Picture Archiving and Communication System)等のビュワーシステムを用い、フィルムレスのシステムも登場している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記の各役割を担当する場所は、受付は1F、放射線科は地下等、広い病院内で離れた場所にあることが多く、且つ、放射線科内で、複数の患者を、複数の技師が、複数の撮影装置を使用して、同時に撮影を実行する場面が定常的であり、複数の患者が常時各工程に滞留しており、生成された画像と個々の患者との対応付けを間違うことが無きよう、各工程での作業毎にIDを付し、RIS(Radiology Information System)/HIS(Hospital Information System)等のネットワークを介して対応付けることが行われる(例えば、特許文献2、3参照)。
【0005】
例えば、1F受付窓口では、患者の主訴に基づき検査内容(撮影内容)を決定し、患者名前とともに撮影オーダ情報を登録する。図12(a)に、受付窓口で登録されるリストの一例を示す。図12(a)のリストは随時追加され、1Fの受付用のワークステーション(以下WS)に表示される。
【0006】
同時に、図12(a)のリストは、RIS/HIS等のネットワークを介して、地下階の放射線科にあるコンソール(放射線科内にあり、撮影条件の設定やRIS/HISの撮影オーダ情報を表示するワークステーションをコンソールと言う)に表示される。尚、コンソールの台数は、分散処理効率を上げる為、複数設けられていることが常であるが、これらもネットワークを介して相互に接続されていおり、任意のコンソールで、所定の検査IDが選択された時、複数の技師間での重複撮影を予防する為、当該リストに処理中である旨を告知する方法(フラッシング表示や色を変える、又は、同一検査を選択するとビープ警告する等)が用いられる。
【0007】
放射線科の技師は、自分の身近にあるコンソールを用い、表示されたリスト上からこれから撮影する検査IDを選択し、使用するCRプレート(カセッテ)のIDを登録する(図12(b)参照)。
【0008】
技師は撮影枚数分のカセッテを持ち、撮影室へ移動し、患者の撮影を行う。その後、撮影済みカセッテを読取装置で読み取る。読取装置は、挿入されたカセッテに貼り付けられたカセッテIDを読み取り、画像データに付帯させて当該カセッテIDを送信し、最終的に検査ID(患者ID)と生成される画像データの対応が付けられる。生成された画像データは、技師が前記検査IDを選択したコンソールに送信され、コンソールに表示される。この段階で、撮影ポジショニングの確認を行い、ポジショニング不良の場合は再撮影を行い、濃度やコントラストの修正や周波数強調処理を適用するか否か等も判断する。この後、当該画像を読影待ち(診断待ち)サーバに保存する。
【0009】
読影医は、読影室のワークステーション(ビュワー機能用に高精細モニタである場合が多い)、前記読影待ちサーバに保存された画像から所定の患者に係る画像を抽出表示させ、読影(診断)を行う。
【特許文献1】米国特許第5,235,510号
【特許文献2】特開2002−159476号公報
【特許文献3】特開2002−311524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、本願発明者等の調査分析によれば、開業医やクリニックのような比較的小規模な施設の場合は、画像生成装置の台数も少なく、助手が患者のポジショニングを行い、ポジショニング完了連絡を受け医師がX線曝射スイッチ制御する場合や、患者のポジショニング含め全ての操作を医師自身が行う場合も多い。
【0011】
更に、小規模施設用のレセプト用コンピュータ(レセコン)との連携で、前述する対応付けも考えられるが、各装置メーカの仕様の相違等により統一的な運用が困難な状況であり、そもそも、前述する大規模施設での構成コンセプトのまま各装置の数を少なくしても、小規模施設に最適とは言えない。
【0012】
本発明の課題は、小規模な医療施設で撮影画像と患者の対応付けを間違いなく行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
来院した患者の検査対象部位を撮影し、その撮影画像データを生成する画像生成手段を備えた一以上の画像生成装置と、前記一以上の画像生成装置で生成された撮影画像データを一時記憶手段に記憶し、前記一時記憶手段に記憶された撮影画像データの中から一の患者の撮影画像データを抽出し、その抽出された撮影画像データに基づき撮影画像を表示手段に表示させ、当該表示された撮影画像と前記一の患者に関する患者情報とを対応付けて保存手段に保存する情報処理装置と、を備えた小規模診断システムにおいて、
画像データに基づいてカルテ様式の記録媒体上に画像を印刷し出力する印刷装置を更に備え、
前記画像生成装置は、前記画像生成手段において前記一の患者についての撮影画像データが生成されると、この生成された撮影画像データを前記情報処理装置及び前記印刷装置に送信する制御手段を有し、
前記印刷装置は、前記画像生成装置から送信された前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の撮影画像を印刷し出力することを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記画像生成装置は、患者の外観特徴を撮影し当該患者の外観画像データを取得する撮影装置が接続され、前記画像生成装置の制御手段は、前記印刷装置に対し、前記撮影装置により取得された前記一の患者の外観画像データ及び前記一の患者の撮影画像データを送信し、
前記印刷装置は、前記画像生成装置から送信された前記一の患者の外観画像データ及び前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の外観画像及び撮影画像を印刷し出力することを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記印刷装置は、患者の外観特徴を撮影し当該患者の外観画像データを取得する撮影装置が接続され、前記撮影装置により取得された前記一の患者の外観画像データ及び前記画像生成装置から送信された前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の外観画像及び撮影画像を印刷し出力することを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記画像生成装置は、画像検索用IDを入力する入力手段を備え、
前記画像生成装置の制御手段は、前記入力手段を介して前記一の患者の画像検索用IDが入力され、前記画像生成手段により前記一の患者についての撮影画像データが生成されると、その撮影画像データを前記入力された画像検索用IDと対応付けて前記情報処理装置及び前記印刷装置に送信し、
前記一時記憶手段は、前記画像生成装置から送信された前記撮影画像データ及び前記画像検索用IDを対応付けて一時的に記憶し、
前記印刷装置は、前記一の患者の撮影画像データに基づき印刷を行う際に、前記画像検索用IDを併せてカルテ様式の記録媒体上に印刷し出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、情報処理装置において、医師が撮影画像データと撮影対象となった患者に関する患者情報との対応付けを行う際に、表示手段に表示された撮影画像と印刷装置において印刷された撮影画像とを比較し、間違いがないか、抽出漏れがないかを確認することが可能となる。その結果、患者の撮影の同時進行が発生しても、撮影画像と患者情報の対応付けを間違いなく行うことが可能となる。また、印刷装置においては、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に撮影画像を印刷するので、医師はその撮影画像が印刷された記録媒体に診察結果を記入して当該患者のカルテとすることができ、カルテ記入を効率的に行うことが可能となる。また、このカルテを他の患者診断用に参照する場合、情報処理装置を操作しなくてもカルテ上に撮影画像が存在するので、医師がカルテに記入された内容についての記憶を速やかに蘇らせることが可能となり、他の患者の早期診断に繋げることができる。
【0018】
請求項2、3に記載の発明によれば、印刷装置から撮影画像とともに撮影対象となった患者の顔形や衣服等の目視判別可能な外観的特徴を表す外観画像を記録媒体上に印刷して出力するので、医師が撮影画像データと撮影対象となった患者に関する患者情報との対応付けを行う際に、印刷された撮影画像が間違いなくその患者のものであるか否かを外観画像により確認した上で、表示手段に表示された撮影画像と印刷装置において印刷された撮影画像とを比較し、間違いがないか、抽出漏れがないかを確認することが可能となる。その結果、より正確に、撮影画像と患者情報の対応付けを間違いなく行うことが可能となる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、画像生成装置において患者の撮影画像データの生成時に入力された画像検索用IDを、撮影画像とともに記録媒体上に印刷して出力するので、医師が当該患者の撮影画像データを抽出する際の間違いを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本実施の形態における小規模診断システム100のシステム構成を示す概念図である。小規模診断システム100は、開業医の医院やクリニックに設けられたシステムであり、図1に示すように、画像生成装置1a〜1c、情報処理装置2、サーバ3、参照用プリンタ4がLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介して、データが送受信可能なように接続されて構成されている。
【0021】
画像生成装置1は、例えば、CR(Computed Radiography),FPD(Flat Panel Detector),CT(Computed Tomography),MRI(Magnetic Resonance Imaging),乳房撮影装置(マンモグラフィ)、超音波撮影装置等の、患者の検査対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して、撮影画像の画像データ(以下、撮影画像データと称する)を生成する装置である。本実施の形態においては、画像生成装置1aが超音波撮影装置であり、画像生成装置1bが内視鏡撮影装置であり、画像生成装置1cがCR装置である場合を例として説明する。
【0022】
ここで、CR装置1cは、輝尽性蛍光体を用いて被写体を放射線撮影し、被写体を透過した放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に蓄積させ、輝尽性蛍光体に蓄積された画像を読み取ることにより撮影画像データの生成を行う装置である。CR装置1cは、読取装置が放射線源を有するとともに輝尽性蛍光体を内蔵しており、撮影〜読取までを1台で行うタイプと、輝尽性蛍光体シートを収容した持ち運び可能なカセッテを用いるタイプとがある。本実施の形態においては、カセッテタイプのCR装置を例にとり説明するが、これに限定されるものではない。
【0023】
以下、画像生成装置1の構成を、CR装置1cを例にとり説明する。
カセッテタイプのCR装置1cは、放射線源を有する撮影装置10aと、撮影装置10aにおいて放射線撮影に供されたカセッテに収容された輝尽性蛍光体シートから画像を読み取って撮影画像データを生成する読取装置10bにより構成されている(図6参照)。
【0024】
図2に、読取装置10bの機能構成例を示す。
図2に示すように読取装置10bは、CPU11、入力部12、通信部13、RAM14、記憶部15、画像生成部16、I/F17等を備え、各部はバス19により接続されている。
【0025】
CPU11は、記憶部15に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM14内に形成されたワークエリアに展開し、該制御プログラムに従って読取装置10bの各部を制御する。また、CPU11は、制御プログラムに従って、記憶部15に記憶されている図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける画像生成装置1側処理プログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、読み出したプログラムとの協働により、図7に示す患者・画像対応付けシーケンスにおける画像生成装置1側処理を始めとする各種処理を実行する。CPU11は、図7に示す患者・画像対応付けシーケンスにおける画像生成装置1側処理を実行することにより、画像生成装置の制御手段を実現する。
【0026】
入力部12は、テンキーや各種機能キーにより構成され、キーの押下信号を入力信号としてCPU11に出力する。
【0027】
通信部13は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNに接続された外部機器とデータの送受信を行う。
【0028】
RAM14は、CPU11により実行制御される各種処理において、記憶部15から読み出されたCPU11で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0029】
記憶部15は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU11で実行される制御プログラム、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける画像生成装置1側処理プログラムを始めとする各種プログラム、各種データ等を記憶する。
【0030】
画像生成部16は、撮影済みのカセッテを装着可能に構成され、装着されたカセッテから輝尽性蛍光体シートを取り出して励起光で走査して、輝尽性蛍光体シートに蓄積・保存された放射線画像情報を輝尽発光させ、この輝尽発光光を光電的に読み取って得られた画像信号に基づき撮影画像データを生成する。
【0031】
I/F17は、撮影装置としてのデジタルカメラ18と読取装置10bとを接続し、デジタルカメラ18からの画像データ等の入力を行うためのインターフェースである。
【0032】
超音波撮影装置1aは、図2に示す構成と略同様であるが、画像生成部16の機能は読取装置10bと異なる。超音波撮影装置1aにおいて、画像生成部16は、探触子を有し、この探触子により患者の検査対象部位に超音波を投入し、その反射(エコー)信号に基づいて撮影画像データを生成する。また、超音波撮影装置1aは、生成された撮影画像データに基づき画像を表示する表示部を備えている。
【0033】
内視鏡撮影装置1bは、図2に示す構成と略同様であるが、画像生成部16の機能は読取装置10bと異なる。内視鏡撮影装置1bにおいて、画像生成部16は、照明部、対物光学系、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子等を備えた電子内視鏡を有し、患者の体腔内に挿入された電子内視鏡により撮像されることにより得られた画像信号に基づき撮影画像データを生成する。また、内視鏡撮影装置1bは、生成された撮影画像データに基づき画像を表示する表示部を備えている。
【0034】
情報処理装置2は、画像生成装置1から送信された撮影画像データを受信し、画像処理を施して医師の読影用に表示部に表示するとともに、受信した撮影画像データを患者情報と対応付けてサーバ3に保存するPC(Personal Computer)である。
【0035】
図3に、情報処理装置2の機能構成例を示す。図3に示すように、情報処理装置2は、
CPU21、入力部22、表示部23、通信部24、RAM25、記憶部26を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
【0036】
CPU21は、記憶部26記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM25内に形成されたワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU21は、制御プログラムに従って、記憶部26に記憶されている、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける情報処理装置2側処理プログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、読み出したプログラムとの協働により、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける情報処理装置2側処理をはじめとする各種処理を実行する。
【0037】
入力部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号としてCPU21に出力する。
【0038】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、入力部22からの入力指示やデータ等を表示する。
【0039】
通信部24は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNに接続された外部機器とデータの送受信を行う。
【0040】
RAM25は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部26から読み出されたCPU21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0041】
記憶部26は、HDD(Hard Disc Drive)や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21で実行されるシステムプログラム、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける情報処理装置2側処理プログラムを始めとする各種処理プログラム、各種データ等を記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0042】
本実施の形態において、記憶部26は、図3に示すように、画像生成装置1から送信された画像データ及び仮IDを一時的に記憶する一時記憶部261を有している。
【0043】
サーバ3は、図3に示す情報処理装置2と同様に、CPU、入力部、表示部、通信部、RAM、記憶部等を備えたコンピュータである。サーバ3は、保存手段としての画像DB(Data Base)30を備えており、通信部を介して情報処理装置2から入力された画像データを保存する。なお、画像DB30は、情報処理装置2に備える構成としてもよい。
【0044】
参照用プリンタ4は、画像生成装置1から送信された画像データに基づいて、インクジェット方式、或いは、帯電感光体ドラム上をレーザ走査して静電潜像を形成し、当該潜像をトナーにより現像するいわゆるカールソンプロセスを採用した静電転写方式(以下、レーザ方式と呼ぶ。)で、紙媒体等の記録媒体に、フィルムのような透過観察タイプの画像ではなく、反射観察タイプの画像を印刷して出力する印刷装置である。なお、出力された記録媒体は一般的なゴミあるいは再生資源ゴミとして処理可能である。本実施の形態においては、レーザ方式のプリンタとして説明する。
【0045】
図4に、参照用プリンタ4の機能構成例を示す。図4に示すように、参照用プリンタ4は、CPU41、入力部42、表示部43、通信部44、I/F45、RAM46、記憶部47、記録媒体搬送部48、印刷部49等を備えて構成され、各部はバス50により接続されている。
【0046】
CPU41は、記憶部47に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM46内に形成されたワークエリアに展開し、該制御プログラムに従って各部を制御する。また、CPU41は、制御プログラムに従って、記憶部47に記憶されている、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける参照用プリンタ4側処理プログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してRAM46に形成されたワークエリアに展開し、読み出したプログラムとの協働により、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける参照用プリンタ4側処理を始めとする各種処理を実行する。
【0047】
入力部42は、例えば、表示部43と一体的に構成されるタッチパネルにより構成され、表示部43の表示画面におけるユーザからのタッチ入力を受け付け、その入力信号をCPU41に出力する。
【0048】
表示部43は、LCD等からなる表示画面により構成され、CPU41から入力される表示信号の指示に従って、表示画面上に、参照用プリンタ4の操作に関する情報や参照用プリンタ4の状態に関する情報を表示する。
【0049】
通信部44は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNに接続された外部機器とデータの送受信を行う。
【0050】
I/F45は、外部機器と参照用プリンタ4を接続し、データの入出力を行うためのインターフェースである。
【0051】
RAM46は、CPU41により実行制御される各種処理において、記憶部47から読み出されたCPU41で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。また、RAM46は、通信部44を介して受信された画像データを一時的に格納する受信画像メモリ461と、1ページ分のデータを格納するためのページメモリ462を有する。
【0052】
記憶部47は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU41で実行される制御プログラム、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける参照用プリンタ4側処理プログラムを始めとする各種処理プログラム、各種データ等を記憶する。
また、記憶部47は、設定フォーマット記憶部471を有している。設定フォーマット記憶部471は、画像の割り付けを行う際のフォーマット情報を記憶する。
【0053】
記録媒体搬送部48は、給紙ローラ、搬送ローラ、両面印刷の際に搬送経路を切り替える切り替え板等を備え、CPU41から入力される指示信号に従って、給紙トレイに装填された記録媒体を搬送経路に沿って搬送する。ここで、参照用プリンタ4の給紙トレイには、カルテ様式(以下、カルテフォーマットという。)の記録媒体Kが装填されている。図5に、記録媒体Kの一例を示す。
【0054】
印刷部49は、CPU41から入力される指示信号に従って、レーザ方式で記録媒体に画像を印刷して出力する。
【0055】
図6に、開業医の医院等の医療施設において小規模診断システム100を適用した場合の各装置の配置例を示す。情報処理装置2は、医師が撮影された画像を表示して診断を行う装置であり、一般的に、診察室のデスク上に配置される。CR装置1cは、放射線を遮蔽するため、診察室とは別室の撮影室に配置される。内視鏡撮影装置1bは、プライバシー保護のため、診察室とは別室の検査室に配置される。参照用プリンタ4は、撮影された画像をその場で印刷可能とするため、画像生成装置1の置かれている各室に配置される。
【0056】
このように、いくつかの室に画像生成装置1が分散し、撮影の同時進行が発生する可能性がある場合、他の患者と取り違えることなく撮影された撮影画像データと被写体となった患者に関する患者情報との対応付けを行う手段が必要となる。しかしながら、従来の大病院に設置されているシステムのように、受付、撮影、診察室のそれぞれにワークステーションやコンソールを配置し、受付での撮影内容(検査内容)の登録作業や撮影室(検査室)でのカセッテのID登録作業等を行うのは、規模が小さく、撮影の同時進行が発生するケースが少ない開業医の医院等の医療施設においてはかえって非効率であり、負担が大きい。
【0057】
そこで、小規模診断システム100においては、図7に示す患者・画像対応付けシーケンスにより、小規模な医療施設において効率的であり、かつ、撮影の同時進行が発生する可能性があっても患者と撮影画像データの対応付けを間違いなく行うことが可能な撮影〜診察のワークフローを提供する。
【0058】
ここで、受付においては、患者に対して受付順に仮IDを付与しておく。この仮IDは、患者が受付を行う毎に一つ割り当てられる連続番号であり、例えば、1日にその施設(医院やクリニック)内に停滞する最大患者数を超える枚数分の整理カードのそれぞれに、仮ID(例えば、01〜30)を付与しておき、受付された患者にこの整理カードを渡すようにしてもよいし、受付に設置された発券機等により仮IDを付与するようにしもよい。本実施の形態としては、一例として整理カードを利用した例について説明する。なお、仮IDは、情報処理装置2において、患者の撮影画像データを抽出する際の画像検索キーとなる画像検索用IDである。
【0059】
以下、図7を参照して、小規模診断システム100において、一の患者とその患者の画像とを対応付ける際に実行される患者・画像対応付けシーケンスについて説明する。
なお、医師や撮影技師等の撮影を行う操作者を、以下、撮影実施者と称する。
【0060】
まず、撮影実施者は、撮影対象の患者を画像生成装置1の前に連れて行き、画像生成装置1において、入力部12のテンキーを介して、撮影対象の患者に付与された整理カードに表示された仮IDの入力を行い、患者の検査対象部位を被写体として撮影を行い、撮影画像データの生成を行う。例えば、画像生成装置1がCR装置1cの場合、読取装置10bに備えられた入力部12のテンキーから仮IDの入力を行い、撮影済みのカセッテを読取装置10bにセットすることにより、撮影画像データの生成を行う。
【0061】
画像生成装置1においては、入力部12のテンキーが押下され、仮IDが入力されると(ステップS1;YES)、撮影実施者の操作に応じて、画像生成部16により、撮影画像データが生成され(ステップS2)、入力された仮IDと生成された撮影画像データが対応付けられて通信部13を介して情報処理装置2へ送信される(ステップS3)。一の患者の画像を複数の撮影条件で複数枚撮影した場合、生成された全ての撮影画像データが仮IDに対応付けられて(例えば、撮影画像データの付帯情報として仮IDが付帯されて)情報処理装置2へと送信される。なお、ステップS1における仮IDの入力がなければ、画像生成部16における撮影画像データの生成は行われないようになっている。また、同一患者に対する撮影の終了は、直前の撮影から所定時間以上撮影操作(読取装置10bの場合はカセッテの装着)がない場合に検知することとしてもよいし、画像生成装置1の入力部12に終了キーを設け、終了キーの押下により検知するようにしてもよい。
【0062】
情報処理装置2においては、通信部24を介して画像生成装置1からの撮影画像データ及び仮IDが受信されると、受信された撮影画像データ及び仮IDが対応付けられて一時記憶部261に保存される(ステップS4)。なお、一時記憶部261には、当該患者の撮影画像データのみでなく、他の患者を撮影して得られた撮影画像データであって、まだ診察されていない画像データが仮IDと対応付けられた状態で次々と蓄積されていく。
【0063】
また、画像生成装置1においては、印刷指示情報及び生成された撮影画像データが順次通信部13を介して参照用プリンタ4へ送信される(ステップS5)。ここで、各画像生成装置1においては、同室内にある参照用プリンタ4が使用するプリンタとして設定されており、生成された撮影画像データは、同室内の参照用プリンタ4に送信される。印刷指示情報は、例えば、当該画像生成装置1の装置ID、送信した撮影画像データの、設定ボーマット記憶部471に記憶された設定フォーマットによる印刷を指示する情報が含まれる。
【0064】
参照用プリンタ4においては、通信部44を介して画像生成装置1から印刷指示情報及び撮影画像データ及び受信されると、受信した撮影画像データが順次受信メモリ461に格納される(ステップS6)。画像生成装置1より印刷すべき撮影画像データの送信が全て終了したことが通知され、通信が切断されると、受信された撮影画像データの割り付け展開処理が実行される(ステップS7)。ここで、参照用プリンタ4においては、設定フォーマット記憶部471に、通信部44を介して取得された撮影画像データに基づき、画像取得順に記録媒体K(図5参照)の画像領域R1〜R4に対応する位置に撮影画像を割り付けるための情報(フォーマット情報)が設定されている。このフォーマット情報は、例えば、記録媒体Kの用紙サイズ、1枚当たりに割り付ける画像の最大枚数(ここでは、4枚)、画像の取得順番に応じた割り付け位置等の情報を含み、参照用プリンタ4の導入時にPC等を接続し、PCの画面から参照用プリンタ4にこれらのフォーマット情報を設定することができる。なお、開業医等の小規模な医療施設では、撮影する部位ごとに撮影すべき方向等が定型的に決まっていることが多く、1単位の撮影で撮影される最大枚数は4枚程度である。ステップS7においては、画像生成装置1から印刷指示情報及び撮影画像データが受信されると、受信された順(画像の取得順番)に受信メモリ461から撮影画像データが読み出され、撮影画像データのサイズと設定フォーマット記憶部471に設定されている当該撮影画像の割り付け位置のサイズに基づき撮影画像データに変倍処理が施され、ページメモリ462において、撮影画像データに基づき、取得順番に応じた位置への撮影画像の割り付け及び展開が行われる。そして、展開されたデータは印刷部49に出力され、記録媒体搬送部48により搬送された記録媒体K上に印刷され出力される(ステップS8)。この撮影画像が印刷された記録媒体Kを以下、記録媒体K1と呼ぶ。
【0065】
図8(a)に、ステップS8で参照用プリンタ4から印刷出力される記録媒体K1の一例を示す。図8(a)に示すように、記録媒体K1においては、カルテフォーマット上の所定の位置に画像生成装置1において撮影された撮影画像の縮小画像(複数枚撮影されたときは複数枚の撮影画像)が印刷されている。撮影実施者は、この記録媒体K1を見て、当該患者に対しての撮影漏れがないか、ポジショニングが正しいか等を確認することができる。なお、複数枚の画像の撮影が行われた場合は、上述のように1枚の記録媒体上に並べて印刷するようにしてもよいし、それぞれの撮影画像を1枚の記録媒体上に個別に印刷するようにしてもよい。また、ステップS5において、撮影画像データと対応付けて仮IDを参照用プリンタ4に送信し、撮影画像と併せて仮IDを印刷するようにしてもよい(図8(b)参照)。この場合、設定フォーマット記憶部471に、撮影画像の割り付け位置とともに仮IDの割り付け位置を設定しておきステップ7において、仮IDに該当するフォントを併せて割り付けて印刷する。
【0066】
撮影及び記録媒体K1の印刷が終了すると、記録媒体K1が患者に渡される。患者はこの記録媒体K1及び整理カードを持って診察室へ移動する。医師は、情報処理装置2の入力部22の操作により、表示部23に画像検索画面を表示させ、患者の整理カードに記載された仮IDを見て、入力部22を介して仮IDの入力を行う。情報処理装置2においては、医師による入力部22の操作に応じて画像検索画面が表示され、入力部22を介して仮IDの入力が受け付けられる。表示された画像検索画面上で入力部22を介して仮IDが入力されると(ステップS9)、入力された仮IDに対応する撮影画像データが一時記憶部261から抽出され(ステップS10)、抽出された撮影画像データに画像処理が施されるとともに、画像処理済みの撮影画像を縮小したサムネイル画像が作成され(ステップS11)、表示部23の撮影画像表示画面231に表示される(ステップS12)。
【0067】
ここで、ステップS11においては、撮影画像データが解析されることにより撮影された部位が認識され(例えば、特開平11−76141公報、特開2001−76141号公報)、認識された部位に応じた画像処理パラメータ(例えば、階調変換曲線、周波数強調度等)が記憶部26から読み出され、読み出された画像処理パラメータに基づき、階調処理、周波数強調処理等の画像処理が施される。また、例えば、CR装置1cにおいて生成された撮影画像データにおいて、放射線の照射領域から外れた照射野外領域の信号値を最高濃度(最低輝度)に変換する黒化処理が施される。これらの画像処理により、撮影画像を診断上好ましい画像として表示することができる。
【0068】
図9に、ステップS12において表示部23に表示される撮影画像表示画面231の表示画面例を示す。図9に示すように、撮影画像表示画面231は、抽出された画像を一覧表示するための画像表示欄231a〜231dを有している。
【0069】
医師は、患者の所持している整理カードの仮IDに基づいて、その患者の撮影画像を一時記憶部261から抽出するが、整理カードの取り違えや仮IDの入力ミス等が発生する可能性も考えられる。そこで、患者が所持している記録媒体K1を受け取って参照し、記録媒体K1上の撮影画像と撮影画像表示画面231の画像表示欄231a〜231dに表示されている抽出された撮影画像を比較することで、抽出された撮影画像が間違いなくその患者の撮影画像であるか、抽出漏れがないかを確認することができる。また、表示された画像による読影診断の前に、記録媒体K1に印刷された撮影画像から読影診断において予め注目すべき部分等を確認しておくことができる。なお、図8(b)に示すように、記録媒体K1に仮IDを付与しておけば、整理カードの取り違えによる抽出ミスを防止することが可能となるので好ましい。
【0070】
撮影画像表示画面231において、画像表示欄231a〜231dの何れかがマウス等により選択されると、選択された画像がライフサイズで単独表示される。医師はこの単独表示画像により、画像の詳細を観察し読影診断を行うことができる。記録媒体K1は、カルテフォーマットとなっているので診察結果は、記録媒体K1に記録し、記録媒体K1を紙カルテとすることができる。記録媒体K1には、患者の撮影画像が印刷されているので、医師は、人体シェーマ図(診察結果を人体又は部位の模式図上に書き込んだもの)を手書きする必要もなく、カルテの記入を効率的に行うことができる。
【0071】
また、当該画面の右上には、画像処理調整欄231eが設けられており、医師は、この画像処理調整欄231eをマウス等により操作することにより、濃度やコントラストの調整を行うことができる。また、撮影画像表示画面231には、表示された撮影画像に対応付ける患者の患者ID及び患者氏名等の患者情報の入力を受け付ける患者情報入力欄231fが設けられている。医師は、この患者情報入力欄231fから患者情報の入力を行う。
【0072】
入力部22を介して、患者情報入力欄231fから当該患者に関する患者情報の入力が行われると(ステップS13)、ステップS10で抽出された撮影画像データに、この入力された患者情報が対応付けられ通信部24を介してサーバ3に送信され、画像DB30への保存が行われる(ステップS14)。入力部22により撮影画像表示画面231の終了ボタン231gが押下されることにより、終了が指示されると(ステップS15;YES)、ステップS13でサーバ3に保存された画像データ及び仮IDが一時記憶部261から消去され(ステップS16)、本処理は終了する。
【0073】
医師の診察終了後、整理カードは医師又は受付にて回収され、翌日以降に再利用される。
【0074】
以上説明したように、第1の実施の形態においては、画像生成装置1において生成された撮影画像データ及び仮IDを診察室にある情報処理装置2に送信し、撮影画像データと仮IDを対応付けて一時記憶部261に記憶するとともに、画像生成装置1で生成された撮影画像データを参照用プリンタ4に送信し、撮影画像をカルテフォーマットの記録媒体K上に印刷した記録媒体K1を出力する。従って、撮影実施者は、撮影後、すぐに記録媒体K1を見て、撮影漏れがないか、ポジショニングが正しいか等を確認することができる。また、診察室において、患者の識別情報と画像とを対応付ける際においても、患者が所持している記録媒体K1の画像と、一時記憶部261から当該患者の撮影画像として抽出された画像とを比較し、抽出された画像が間違いなくその患者の撮影画像であるか、抽出漏れがないかを確認することができる。更に、記録媒体K1は、カルテフォーマットの用紙となっているので、診察結果を記録媒体K1に記入し、紙カルテとすることができる。記録媒体K1には、撮影画像が印刷されているので、シェーマ人体図を記入する手間が省け、カルテ記入を効率的に行うことが可能となる。また、この紙カルテを他の患者診断用に参照する場合、情報処理装置2を操作しなくてもカルテ上に撮影画像が存在するので、医師がカルテに記入された内容についての記憶を速やかに蘇らせることが可能となり、他の患者の早期診断に繋げることができる。
【0075】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0076】
第2の実施の形態において、読取装置10bのI/F17には、デジタルカメラ18が接続されている。
【0077】
また、画像生成装置1の記憶部15には、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの画像生成装置1側処理を実行するためのプログラムが記憶されており、画像生成装置1のCPU11と当該プログラムとの協働により、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの画像生成装置1側処理が実現される。CPU11は、当該処理の実行により、画像生成装置の制御手段を実現する。情報処理装置2の記憶部26には、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの情報処理装置側処理を実行するプログラムが記憶されており、情報処理装置2のCPU21と当該プログラムとの協働により、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの情報処理装置2側処理が実現される。参照用プリンタ4の記憶部47には、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの参照用プリンタ4側処理を実行するプログラムが記憶されており、参照用プリンタ4のCPU41と当該プログラムとの協働により、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの参照用プリンタ4側処理を実行する。
【0078】
その他、第2の実施の形態におけるシステム構成及び各装置の構成は、第1の実施の形態で説明したのと略同様であるので説明を省略する。
【0079】
以下、図10を参照して、第2の実施の形態における患者・画像対応付けシーケンスについて説明する。
【0080】
まず、撮影実施者は、撮影対象の患者を画像生成装置1の前に連れて行き、画像生成装置1において、入力部12のテンキーを介して、撮影対象の患者に付与された整理カードに表示された仮IDの入力を行い、次いで、デジタルカメラ18により、検査対象部位の撮影に先立って患者の顔形や衣服等の目視判別可能な外観的特徴を表す画像(例えば、顔写真。以下、外観画像という。)の撮影を行う。患者の外観画像の撮影後、画像生成装置1において、患者の検査対象部位を被写体として撮影を行い、撮影画像データの生成を行う。例えば、画像生成装置1がCR装置1cの場合、読取装置10bに備えられた入力部12のテンキーから仮IDの入力を行い、デジタルカメラ18により患者の外観画像を撮影し、次いで、撮影済みのカセッテを読取装置10bにセットすることにより、撮影画像データの生成を行う。
【0081】
画像生成装置1においては、入力部12のテンキーが押下され、仮IDが入力され(ステップS21;YES)、次いで、I/F17を介してデジタルカメラ18から患者の外観画像データが入力されると(ステップS22)、通信部13を介して、印刷指示情報及び外観画像データが参照用プリンタ4に送信される(ステップS23)。ここで、各画像生成装置1においては、同室内にある参照用プリンタ4が使用するプリンタとして設定されており、画像生成装置1からのデータは、同室内の参照用プリンタ4に送信される。印刷指示情報は、例えば、当該画像生成装置1の装置ID、送信した外観画像データ及び続いて送信する撮影画像データの設定フォーマットによる印刷を指示する情報が含まれる。参照用プリンタ4においては、通信部44を介して、画像生成装置1から印刷指示情報及び外観画像データが受信されると、受信された外観画像データが受信メモリ461に格納される(ステップS24)。
【0082】
次いで、画像生成装置1において、撮影実施者の操作に応じて画像生成部16により撮影画像データの生成が行われると(ステップS25)、入力された仮IDと生成された撮影画像データが対応付けられ通信部13を介して情報処理装置2へ送信される(ステップS26)。一の患者の診断画像を複数の撮影条件で複数枚撮影した場合、生成された全ての撮影画像データが仮IDに対応付けられて情報処理装置2へと送信される。なお、ステップS21における仮IDの入力がなければ、画像生成部16における撮影画像データの生成は行われないよう制御される。
【0083】
情報処理装置2においては、通信部24を介して画像生成装置1からの撮影画像データ及び仮IDが受信されると、受信された撮影画像データ及び仮IDが対応付けられて一時記憶部261に記憶される(ステップS27)。なお、一時記憶部261には、当該患者の撮影画像データのみでなく、他の患者を撮影して得られた撮影画像データであって、まだ診察されていない画像データが仮IDと対応付けられた状態で次々と蓄積されていく。
【0084】
情報処理装置2への撮影画像データの送信が終了すると、画像生成装置1においては、画像生成部16により生成された撮影画像データが順次通信部13を介して参照用プリンタ4へ送信される(ステップS28)。
【0085】
参照用プリンタ4においては、通信部44を介して画像生成装置1から撮影画像データが受信されると、受信された撮影画像データが順次受信メモリ461に格納される(ステップS29)。画像生成装置1より印刷する撮影画像データの送信が終了したことが通知され、通信が切断されると、先に受信された外観画像データ及び撮影画像データの割り付け展開処理が実行される(ステップS30)。ここで、参照用プリンタ4においては、設定フォーマット記憶部471に、通信部44を介して取得された外観画像データに基づき、所定の位置、例えば記録媒体K(図5参照)の右上に、所定サイズで外観画像を割り付けるとともに、取得された撮影画像データに基づき、画像領域R1〜R4に対応する位置に撮影画像を割り付けるための情報(フォーマット情報)が設定されている。このフォーマット情報は、例えば、記録媒体Kの用紙サイズ、1枚当たりに割り付ける画像の最大枚数、画像の取得順番に応じた割り付け位置等の情報を含み、参照用プリンタ4の導入時にPC等を接続し、PCの画面から参照用プリンタ4にこれらのフォーマット情報を設定することができる。なお、開業医等の小規模な医療施設では、撮影する部位ごとに撮影すべき方向等が定型的に決まっていることが多く、1単位の撮影で撮影される最大枚数は4枚程度である。ステップS29においては、画像生成装置1から印刷指示情報、外観画像データ及び撮影画像データが受信されると、受信された順(画像の取得順番)に受信メモリ461から外観画像データ、撮影画像データが読み出され、画像データのサイズと設定フォーマット記憶部471に設定されている、当該画像の割り付け位置のサイズに基づき画像データに変倍処理が施され、ページメモリ462において、取得順番に応じた位置への画像の割り付け及び展開が行われる。そして、展開されたデータは印刷部49に出力され、記録媒体K上に印刷出力される(ステップS31)。この撮影画像が印刷された記録媒体Kを以下、記録媒体K2と呼ぶ。
【0086】
図11(a)に、ステップS31で参照用プリンタ4から印刷出力される記録媒体K2の一例を示す。図11(a)に示すように、記録媒体K2には、カルテフォーマットの所定の位置に撮影した患者の外観画像、画像生成装置1において撮影された診断画像の縮小画像(複数枚撮影されたときは複数枚の画像)が印刷されている。撮影実施者は、この記録媒体K2を見て、当該患者に対しての撮影漏れがないか、ポジショニングが正しいか等を確認することができる。また、ステップS23において外観画像データに対応付けて、或いはステップS28において撮影画像データに対応付けて、仮IDを参照用プリンタ4に送信し、記録媒体K2に画像と併せて仮IDを印刷するようにしてもよい(図11(b)参照)。この場合、設定フォーマット記憶部471に、画像の割り付け位置とともに仮IDの割り付け位置を設定しておき、ステップS30において、仮IDに該当するフォントを併せて割り付けて印刷する。
【0087】
撮影及び記録媒体K2の印刷が終了すると、記録媒体K2が患者に渡される。患者はこの記録媒体K2及び整理カードを持って診察室へ移動する。医師は、情報処理装置2の入力部22の操作により、表示部23に画像検索画面を表示させ、診察対象の患者の整理カードに記載された仮IDを見て、入力部22を介して仮IDの入力を行う。情報処理装置2においては、医師による入力部22の操作に応じて画像検索画面が表示され、入力部22を介して仮IDの入力が受け付けられる。表示された画像検索画面上で入力部22を介して仮IDが入力されると(ステップS32)、入力された仮IDに対応する撮影画像データが一時記憶部261から抽出され(ステップS33)、抽出された撮影画像データに画像処理が施されるとともに、画像処理済みの撮影画像を縮小したサムネイル画像が作成され(ステップS34)、表示部23の撮影画像表示画面231に表示される(ステップS35)。
【0088】
医師は、患者の所持している整理カードの仮IDに基づいて、その患者の撮影画像を一時記憶部261から抽出するが、整理カードの取り違えや仮IDの入力ミス等が発生する可能性も考えられる。また、記録媒体K2の取り違えが発生する可能性もある。そこで、図11に示すような患者の外観画像の入った記録媒体K2を患者に所持させ、患者と記録媒体K2の外観画像とを比較することで、患者の所持している記録媒体K2が間違いなく患者のものであることを確認した上で、更に、記録媒体K2上の撮影画像と撮影画像表示画面231の画像表示欄231a〜231dに表示されている抽出された撮影画像とを比較することで、抽出された撮影画像が間違いなく患者の画像であるか、抽出漏れがないかを確認することができる。また、表示された画像による読影診断の前に、記録媒体K2に印刷された撮影画像から読影診断において予め注目すべき部分等を確認しておくことができる。
【0089】
撮影画像表示画面231において、画像表示欄231a〜231dの何れかがマウス等により選択されると、選択された画像がライフサイズで単独表示される。医師はこの単独表示画像により、画像の詳細を観察し読影診断を行うことができる。記録媒体K2は、カルテフォーマットとなっているので、診察結果は、記録媒体K2に記入し、記録媒体K2を紙カルテとすることができる。記録媒体K2には、患者の撮影画像が印刷されているので、医師は、人体シェーマ図を手書きする必要もなく、カルテの記入を効率的に行うことができる。
【0090】
入力部22を介して、患者情報入力欄231fから当該患者に関する患者情報の入力が行われると(ステップS36)、ステップS33で抽出された撮影画像データに、この入力された患者情報が対応付けられ通信部24を介してサーバ3に送信され、画像DB30への保存が行われる(ステップS37)。入力部22により撮影画像表示画面231の終了ボタンが押下されることにより、終了が指示されると(ステップS38;YES)、ステップS37でサーバ3に保存された画像データ及び仮IDが一時記憶部261から消去され(ステップS39)、本処理は終了する。
【0091】
医師の診察終了後、整理カードは医師又は受付にて回収され、翌日以降に再利用される。
【0092】
以上説明したように、第2の実施の形態においては、記録媒体K2に、患者の外観画像も併せて印刷するようにしたので、診察室において、撮影画像に患者の識別情報を対応付ける際において、医師が、記録媒体K2が間違いなくその患者のものであるか否かを確認してから、患者が所持している記録媒体K2の画像と、一時記憶部261から当該患者の画像として抽出した撮影画像とを比較し、抽出された撮影画像が間違いなくその患者の撮影画像であるか、抽出漏れがないかを確認することができる。更に、記録媒体K2は、カルテフォーマットとなっているので、診察結果を記録媒体K2に記入し、紙カルテとすることができる。記録媒体K2には、撮影画像が印刷されているので、シェーマ人体図を記入する手間が省け、カルテ記入を効率的に行うことが可能となる。また、このカルテを他の患者診断用に参照する場合、情報処理装置を操作しなくてもカルテ上に撮影画像が存在するので、医師がカルテに記入された内容についての記憶を速やかに蘇らせることが可能となり、他の患者の早期診断に繋げることができる。
【0093】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る小規模診断システム100の好適な一例であり、これに限定されるのものではない。
【0094】
例えば、上記第1及び第2の実施の形態においては、各室に参照用プリンタ4を設置した場合を例にとり説明したが、撮影実施者が一人である場合等においては、設置する参照用プリンタ4は一台としてもよい。
【0095】
また、第2の実施の形態においては、デジタルカメラ18は、画像生成装置1に接続した場合を例にとり説明したが、参照用プリンタ4に接続することとしてもよい。参照用プリンタ4にデジタルカメラを接続した場合、最初に患者の外観画像をデジタルカメラで撮影して得られた外観画像データに基づき外観画像を印刷し、CPU41による記録媒体搬送部48の制御により、印刷された記録媒体Kを裏面印刷用に搬送し、画像生成装置1から送信される撮影画像データに基づき撮影画像を記録媒体Kの裏面に印刷するようにしてもよい。このとき、記録媒体Kのカルテフォーマットの面が裏面として搬送されるように印刷装置の給紙トレイに記録媒体Kを装填しておくことで、カルテフォーマットの面の所定の位置に撮影画像を、カルテフォーマットの裏面に外観画像を印刷することが可能となる。
【0096】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、撮影実施者が、カルテフォーマット上に患者の撮影画像が印刷された記録媒体K1または記録媒体K2を患者に渡し、患者自身が医師に提出するフローとしたが、整理カードに付された仮IDや外観画像を同時にプリントする場合においては、撮影実施者が記録媒体K1又は記録媒体K2を医師に届けるフローとすれば、患者の診察室への移動の途中での記録媒体K1又は記録媒体K2の紛失を回避でき、好ましい。又、1日の撮影画像数が少ない施設では、患者との対応付けまでの一時記憶部261に存在する画像数自体も少ないので、情報処理装置2において、一時記憶部261に記憶されている全撮影画像のサムネイル画像を表示部23に表示可能とし、表示されたサムネイル画像の中から医師が記録媒体K1や記録媒体K2に印刷された撮影画像を抽出(選択)する方式を採用してもよい。また、記録媒体K2の出力形態であれば、その外観画像に基づき、患者を特定し、記録媒体K2上の撮影画像に基づき、一時記憶部261から対象患者の撮影画像を抽出することができ、患者と撮影画像との対応付けも間違いなく実行可能となり、且つ画像生成装置における仮IDの入力を省くシステム構成が可能となり、好ましい。
【0097】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、予めカルテフォーマットが印刷された記録媒体Kを用いたが、カルテフォーマット用の罫線や文字等を撮影画像と重畳した画像データを印刷装置が生成し、紙等に出力する形態としてもよい。これは、参照用プリンタ4の導入時にPC等を接続し、PCの画面から参照用プリンタ4にカルテフォーマットのフォームパターンのデータ、上述のフォーマット情報、及びフォームパターン上にフォーマット情報に基づき割り付けた画像を重畳するプログラムを設定しておくことで実現することができる。
【0098】
また、印刷後の記録媒体K1、記録媒体K2は、スキャナで読み取ってイメージデータとしてデータベース化し、保存するようにしてもよい。データベース化した紙カルテのイメージデータは、検索したい文字列(例えば、病名等)をペンタブレットなどで手書き入力し、入力された文字列の画像パターンをデータベースに保存されたイメージデータとパターンマッチングすれば、検索して表示することが可能となる。
【0099】
その他、小規模診断システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係る小規模診断システム100の全体構成を示す図である。
【図2】図1の画像生成装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図1の情報処理装置2の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1の参照用プリンタ4の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図1の参照用プリンタ4に装填される記録媒体Kの一例を示す図である。
【図6】開業医の医院等の医療施設において小規模診断システム100を適用した場合の各装置の配置例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態において、図1の小規模診断システム100において実行される患者・画像対応付けシーケンスを示すフロー図である。
【図8】(a)は、図7のステップS8で参照用プリンタ4から印刷出力される記録媒体K1の一例を示す図、(b)は、図8(a)の記録媒体K1上に撮影画像と併せて仮IDを印刷して出力した場合の一例を示す図である。
【図9】図7のステップS12において表示部23に表示される撮影画像表示画面231の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態において、図1の小規模診断システム100において実行される患者・画像対応付けシーケンスを示すフロー図である。
【図11】(a)は、図10のステップS31で参照用プリンタ4から印刷出力される記録媒体K2の一例を示す図、(b)は、図11(a)の記録媒体K2上に外観画像及び撮影画像と併せて仮IDを印刷して出力した場合の一例を示す図である。
【図12】(a)は、従来の診断システムにおいて受付窓口で登録されるリストの一例を示す図、(b)は、従来の診断システムにおいて(a)に示すリストに放射線科の技師がカセッテ登録した一例を示す図である。
【符号の説明】
【0101】
100 小規模診断システム
1 画像生成装置
2 情報処理装置
3 サーバ
4 参照用プリンタ
11、21、41 CPU
12、22、42 入力部
13、24、44 通信部
14、25、46 RAM
15、26、47 記憶部
16 画像生成部
17、45 I/F
23、43 表示部
18 デジタルカメラ
48 記録媒体搬送部
49 印刷部
19、27、50 バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、来院した患者を撮影して撮影画像データを生成し、当該撮影画像データを表示して診断に提供し、表示された撮影画像データと患者情報とを対応付け、対応付けられた撮影画像データと患者情報を保存する小規模診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、来院した患者を、CR(Computed Radiography)装置、FPD(Flat Panel Detector)装置等の画像生成装置を用いて技師が撮影し、得られた画像が診断に提供可能となるように階調処理等の画像処理を加え、画像処理済みの画像を出力し、医師による読影に提供する診断システムが知られている。
【0003】
このような診断システムは、来院した患者を受け付け、撮影オーダを発行する担当(受付)、実際に患者を撮影室で撮影しデジタル画像(画像データ)を生成する担当(技師)、階調性等の得られた画像の診断提供可否を判断し、場合によってはコントラストや濃度を修正する担当(一般の技師の中かから任命された技師等)、画像に基づき疾病の有無を判断(診断)する読影担当(医師)等、複数の担当者が役割分担を行い、診断が進められる。
従来、この患者の画像はフィルム上にハードコピーされて診断に供されていたが、近年では、PACS(Picture Archiving and Communication System)等のビュワーシステムを用い、フィルムレスのシステムも登場している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記の各役割を担当する場所は、受付は1F、放射線科は地下等、広い病院内で離れた場所にあることが多く、且つ、放射線科内で、複数の患者を、複数の技師が、複数の撮影装置を使用して、同時に撮影を実行する場面が定常的であり、複数の患者が常時各工程に滞留しており、生成された画像と個々の患者との対応付けを間違うことが無きよう、各工程での作業毎にIDを付し、RIS(Radiology Information System)/HIS(Hospital Information System)等のネットワークを介して対応付けることが行われる(例えば、特許文献2、3参照)。
【0005】
例えば、1F受付窓口では、患者の主訴に基づき検査内容(撮影内容)を決定し、患者名前とともに撮影オーダ情報を登録する。図12(a)に、受付窓口で登録されるリストの一例を示す。図12(a)のリストは随時追加され、1Fの受付用のワークステーション(以下WS)に表示される。
【0006】
同時に、図12(a)のリストは、RIS/HIS等のネットワークを介して、地下階の放射線科にあるコンソール(放射線科内にあり、撮影条件の設定やRIS/HISの撮影オーダ情報を表示するワークステーションをコンソールと言う)に表示される。尚、コンソールの台数は、分散処理効率を上げる為、複数設けられていることが常であるが、これらもネットワークを介して相互に接続されていおり、任意のコンソールで、所定の検査IDが選択された時、複数の技師間での重複撮影を予防する為、当該リストに処理中である旨を告知する方法(フラッシング表示や色を変える、又は、同一検査を選択するとビープ警告する等)が用いられる。
【0007】
放射線科の技師は、自分の身近にあるコンソールを用い、表示されたリスト上からこれから撮影する検査IDを選択し、使用するCRプレート(カセッテ)のIDを登録する(図12(b)参照)。
【0008】
技師は撮影枚数分のカセッテを持ち、撮影室へ移動し、患者の撮影を行う。その後、撮影済みカセッテを読取装置で読み取る。読取装置は、挿入されたカセッテに貼り付けられたカセッテIDを読み取り、画像データに付帯させて当該カセッテIDを送信し、最終的に検査ID(患者ID)と生成される画像データの対応が付けられる。生成された画像データは、技師が前記検査IDを選択したコンソールに送信され、コンソールに表示される。この段階で、撮影ポジショニングの確認を行い、ポジショニング不良の場合は再撮影を行い、濃度やコントラストの修正や周波数強調処理を適用するか否か等も判断する。この後、当該画像を読影待ち(診断待ち)サーバに保存する。
【0009】
読影医は、読影室のワークステーション(ビュワー機能用に高精細モニタである場合が多い)、前記読影待ちサーバに保存された画像から所定の患者に係る画像を抽出表示させ、読影(診断)を行う。
【特許文献1】米国特許第5,235,510号
【特許文献2】特開2002−159476号公報
【特許文献3】特開2002−311524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、本願発明者等の調査分析によれば、開業医やクリニックのような比較的小規模な施設の場合は、画像生成装置の台数も少なく、助手が患者のポジショニングを行い、ポジショニング完了連絡を受け医師がX線曝射スイッチ制御する場合や、患者のポジショニング含め全ての操作を医師自身が行う場合も多い。
【0011】
更に、小規模施設用のレセプト用コンピュータ(レセコン)との連携で、前述する対応付けも考えられるが、各装置メーカの仕様の相違等により統一的な運用が困難な状況であり、そもそも、前述する大規模施設での構成コンセプトのまま各装置の数を少なくしても、小規模施設に最適とは言えない。
【0012】
本発明の課題は、小規模な医療施設で撮影画像と患者の対応付けを間違いなく行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
来院した患者の検査対象部位を撮影し、その撮影画像データを生成する画像生成手段を備えた一以上の画像生成装置と、前記一以上の画像生成装置で生成された撮影画像データを一時記憶手段に記憶し、前記一時記憶手段に記憶された撮影画像データの中から一の患者の撮影画像データを抽出し、その抽出された撮影画像データに基づき撮影画像を表示手段に表示させ、当該表示された撮影画像と前記一の患者に関する患者情報とを対応付けて保存手段に保存する情報処理装置と、を備えた小規模診断システムにおいて、
画像データに基づいてカルテ様式の記録媒体上に画像を印刷し出力する印刷装置を更に備え、
前記画像生成装置は、前記画像生成手段において前記一の患者についての撮影画像データが生成されると、この生成された撮影画像データを前記情報処理装置及び前記印刷装置に送信する制御手段を有し、
前記印刷装置は、前記画像生成装置から送信された前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の撮影画像を印刷し出力することを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記画像生成装置は、患者の外観特徴を撮影し当該患者の外観画像データを取得する撮影装置が接続され、前記画像生成装置の制御手段は、前記印刷装置に対し、前記撮影装置により取得された前記一の患者の外観画像データ及び前記一の患者の撮影画像データを送信し、
前記印刷装置は、前記画像生成装置から送信された前記一の患者の外観画像データ及び前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の外観画像及び撮影画像を印刷し出力することを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記印刷装置は、患者の外観特徴を撮影し当該患者の外観画像データを取得する撮影装置が接続され、前記撮影装置により取得された前記一の患者の外観画像データ及び前記画像生成装置から送信された前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の外観画像及び撮影画像を印刷し出力することを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記画像生成装置は、画像検索用IDを入力する入力手段を備え、
前記画像生成装置の制御手段は、前記入力手段を介して前記一の患者の画像検索用IDが入力され、前記画像生成手段により前記一の患者についての撮影画像データが生成されると、その撮影画像データを前記入力された画像検索用IDと対応付けて前記情報処理装置及び前記印刷装置に送信し、
前記一時記憶手段は、前記画像生成装置から送信された前記撮影画像データ及び前記画像検索用IDを対応付けて一時的に記憶し、
前記印刷装置は、前記一の患者の撮影画像データに基づき印刷を行う際に、前記画像検索用IDを併せてカルテ様式の記録媒体上に印刷し出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、情報処理装置において、医師が撮影画像データと撮影対象となった患者に関する患者情報との対応付けを行う際に、表示手段に表示された撮影画像と印刷装置において印刷された撮影画像とを比較し、間違いがないか、抽出漏れがないかを確認することが可能となる。その結果、患者の撮影の同時進行が発生しても、撮影画像と患者情報の対応付けを間違いなく行うことが可能となる。また、印刷装置においては、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に撮影画像を印刷するので、医師はその撮影画像が印刷された記録媒体に診察結果を記入して当該患者のカルテとすることができ、カルテ記入を効率的に行うことが可能となる。また、このカルテを他の患者診断用に参照する場合、情報処理装置を操作しなくてもカルテ上に撮影画像が存在するので、医師がカルテに記入された内容についての記憶を速やかに蘇らせることが可能となり、他の患者の早期診断に繋げることができる。
【0018】
請求項2、3に記載の発明によれば、印刷装置から撮影画像とともに撮影対象となった患者の顔形や衣服等の目視判別可能な外観的特徴を表す外観画像を記録媒体上に印刷して出力するので、医師が撮影画像データと撮影対象となった患者に関する患者情報との対応付けを行う際に、印刷された撮影画像が間違いなくその患者のものであるか否かを外観画像により確認した上で、表示手段に表示された撮影画像と印刷装置において印刷された撮影画像とを比較し、間違いがないか、抽出漏れがないかを確認することが可能となる。その結果、より正確に、撮影画像と患者情報の対応付けを間違いなく行うことが可能となる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、画像生成装置において患者の撮影画像データの生成時に入力された画像検索用IDを、撮影画像とともに記録媒体上に印刷して出力するので、医師が当該患者の撮影画像データを抽出する際の間違いを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本実施の形態における小規模診断システム100のシステム構成を示す概念図である。小規模診断システム100は、開業医の医院やクリニックに設けられたシステムであり、図1に示すように、画像生成装置1a〜1c、情報処理装置2、サーバ3、参照用プリンタ4がLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介して、データが送受信可能なように接続されて構成されている。
【0021】
画像生成装置1は、例えば、CR(Computed Radiography),FPD(Flat Panel Detector),CT(Computed Tomography),MRI(Magnetic Resonance Imaging),乳房撮影装置(マンモグラフィ)、超音波撮影装置等の、患者の検査対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して、撮影画像の画像データ(以下、撮影画像データと称する)を生成する装置である。本実施の形態においては、画像生成装置1aが超音波撮影装置であり、画像生成装置1bが内視鏡撮影装置であり、画像生成装置1cがCR装置である場合を例として説明する。
【0022】
ここで、CR装置1cは、輝尽性蛍光体を用いて被写体を放射線撮影し、被写体を透過した放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に蓄積させ、輝尽性蛍光体に蓄積された画像を読み取ることにより撮影画像データの生成を行う装置である。CR装置1cは、読取装置が放射線源を有するとともに輝尽性蛍光体を内蔵しており、撮影〜読取までを1台で行うタイプと、輝尽性蛍光体シートを収容した持ち運び可能なカセッテを用いるタイプとがある。本実施の形態においては、カセッテタイプのCR装置を例にとり説明するが、これに限定されるものではない。
【0023】
以下、画像生成装置1の構成を、CR装置1cを例にとり説明する。
カセッテタイプのCR装置1cは、放射線源を有する撮影装置10aと、撮影装置10aにおいて放射線撮影に供されたカセッテに収容された輝尽性蛍光体シートから画像を読み取って撮影画像データを生成する読取装置10bにより構成されている(図6参照)。
【0024】
図2に、読取装置10bの機能構成例を示す。
図2に示すように読取装置10bは、CPU11、入力部12、通信部13、RAM14、記憶部15、画像生成部16、I/F17等を備え、各部はバス19により接続されている。
【0025】
CPU11は、記憶部15に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM14内に形成されたワークエリアに展開し、該制御プログラムに従って読取装置10bの各部を制御する。また、CPU11は、制御プログラムに従って、記憶部15に記憶されている図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける画像生成装置1側処理プログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、読み出したプログラムとの協働により、図7に示す患者・画像対応付けシーケンスにおける画像生成装置1側処理を始めとする各種処理を実行する。CPU11は、図7に示す患者・画像対応付けシーケンスにおける画像生成装置1側処理を実行することにより、画像生成装置の制御手段を実現する。
【0026】
入力部12は、テンキーや各種機能キーにより構成され、キーの押下信号を入力信号としてCPU11に出力する。
【0027】
通信部13は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNに接続された外部機器とデータの送受信を行う。
【0028】
RAM14は、CPU11により実行制御される各種処理において、記憶部15から読み出されたCPU11で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0029】
記憶部15は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU11で実行される制御プログラム、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける画像生成装置1側処理プログラムを始めとする各種プログラム、各種データ等を記憶する。
【0030】
画像生成部16は、撮影済みのカセッテを装着可能に構成され、装着されたカセッテから輝尽性蛍光体シートを取り出して励起光で走査して、輝尽性蛍光体シートに蓄積・保存された放射線画像情報を輝尽発光させ、この輝尽発光光を光電的に読み取って得られた画像信号に基づき撮影画像データを生成する。
【0031】
I/F17は、撮影装置としてのデジタルカメラ18と読取装置10bとを接続し、デジタルカメラ18からの画像データ等の入力を行うためのインターフェースである。
【0032】
超音波撮影装置1aは、図2に示す構成と略同様であるが、画像生成部16の機能は読取装置10bと異なる。超音波撮影装置1aにおいて、画像生成部16は、探触子を有し、この探触子により患者の検査対象部位に超音波を投入し、その反射(エコー)信号に基づいて撮影画像データを生成する。また、超音波撮影装置1aは、生成された撮影画像データに基づき画像を表示する表示部を備えている。
【0033】
内視鏡撮影装置1bは、図2に示す構成と略同様であるが、画像生成部16の機能は読取装置10bと異なる。内視鏡撮影装置1bにおいて、画像生成部16は、照明部、対物光学系、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子等を備えた電子内視鏡を有し、患者の体腔内に挿入された電子内視鏡により撮像されることにより得られた画像信号に基づき撮影画像データを生成する。また、内視鏡撮影装置1bは、生成された撮影画像データに基づき画像を表示する表示部を備えている。
【0034】
情報処理装置2は、画像生成装置1から送信された撮影画像データを受信し、画像処理を施して医師の読影用に表示部に表示するとともに、受信した撮影画像データを患者情報と対応付けてサーバ3に保存するPC(Personal Computer)である。
【0035】
図3に、情報処理装置2の機能構成例を示す。図3に示すように、情報処理装置2は、
CPU21、入力部22、表示部23、通信部24、RAM25、記憶部26を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
【0036】
CPU21は、記憶部26記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM25内に形成されたワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU21は、制御プログラムに従って、記憶部26に記憶されている、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける情報処理装置2側処理プログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、読み出したプログラムとの協働により、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける情報処理装置2側処理をはじめとする各種処理を実行する。
【0037】
入力部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号としてCPU21に出力する。
【0038】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、入力部22からの入力指示やデータ等を表示する。
【0039】
通信部24は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNに接続された外部機器とデータの送受信を行う。
【0040】
RAM25は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部26から読み出されたCPU21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0041】
記憶部26は、HDD(Hard Disc Drive)や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21で実行されるシステムプログラム、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける情報処理装置2側処理プログラムを始めとする各種処理プログラム、各種データ等を記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0042】
本実施の形態において、記憶部26は、図3に示すように、画像生成装置1から送信された画像データ及び仮IDを一時的に記憶する一時記憶部261を有している。
【0043】
サーバ3は、図3に示す情報処理装置2と同様に、CPU、入力部、表示部、通信部、RAM、記憶部等を備えたコンピュータである。サーバ3は、保存手段としての画像DB(Data Base)30を備えており、通信部を介して情報処理装置2から入力された画像データを保存する。なお、画像DB30は、情報処理装置2に備える構成としてもよい。
【0044】
参照用プリンタ4は、画像生成装置1から送信された画像データに基づいて、インクジェット方式、或いは、帯電感光体ドラム上をレーザ走査して静電潜像を形成し、当該潜像をトナーにより現像するいわゆるカールソンプロセスを採用した静電転写方式(以下、レーザ方式と呼ぶ。)で、紙媒体等の記録媒体に、フィルムのような透過観察タイプの画像ではなく、反射観察タイプの画像を印刷して出力する印刷装置である。なお、出力された記録媒体は一般的なゴミあるいは再生資源ゴミとして処理可能である。本実施の形態においては、レーザ方式のプリンタとして説明する。
【0045】
図4に、参照用プリンタ4の機能構成例を示す。図4に示すように、参照用プリンタ4は、CPU41、入力部42、表示部43、通信部44、I/F45、RAM46、記憶部47、記録媒体搬送部48、印刷部49等を備えて構成され、各部はバス50により接続されている。
【0046】
CPU41は、記憶部47に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM46内に形成されたワークエリアに展開し、該制御プログラムに従って各部を制御する。また、CPU41は、制御プログラムに従って、記憶部47に記憶されている、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける参照用プリンタ4側処理プログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してRAM46に形成されたワークエリアに展開し、読み出したプログラムとの協働により、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける参照用プリンタ4側処理を始めとする各種処理を実行する。
【0047】
入力部42は、例えば、表示部43と一体的に構成されるタッチパネルにより構成され、表示部43の表示画面におけるユーザからのタッチ入力を受け付け、その入力信号をCPU41に出力する。
【0048】
表示部43は、LCD等からなる表示画面により構成され、CPU41から入力される表示信号の指示に従って、表示画面上に、参照用プリンタ4の操作に関する情報や参照用プリンタ4の状態に関する情報を表示する。
【0049】
通信部44は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNに接続された外部機器とデータの送受信を行う。
【0050】
I/F45は、外部機器と参照用プリンタ4を接続し、データの入出力を行うためのインターフェースである。
【0051】
RAM46は、CPU41により実行制御される各種処理において、記憶部47から読み出されたCPU41で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。また、RAM46は、通信部44を介して受信された画像データを一時的に格納する受信画像メモリ461と、1ページ分のデータを格納するためのページメモリ462を有する。
【0052】
記憶部47は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU41で実行される制御プログラム、図7の患者・画像対応付けシーケンスにおける参照用プリンタ4側処理プログラムを始めとする各種処理プログラム、各種データ等を記憶する。
また、記憶部47は、設定フォーマット記憶部471を有している。設定フォーマット記憶部471は、画像の割り付けを行う際のフォーマット情報を記憶する。
【0053】
記録媒体搬送部48は、給紙ローラ、搬送ローラ、両面印刷の際に搬送経路を切り替える切り替え板等を備え、CPU41から入力される指示信号に従って、給紙トレイに装填された記録媒体を搬送経路に沿って搬送する。ここで、参照用プリンタ4の給紙トレイには、カルテ様式(以下、カルテフォーマットという。)の記録媒体Kが装填されている。図5に、記録媒体Kの一例を示す。
【0054】
印刷部49は、CPU41から入力される指示信号に従って、レーザ方式で記録媒体に画像を印刷して出力する。
【0055】
図6に、開業医の医院等の医療施設において小規模診断システム100を適用した場合の各装置の配置例を示す。情報処理装置2は、医師が撮影された画像を表示して診断を行う装置であり、一般的に、診察室のデスク上に配置される。CR装置1cは、放射線を遮蔽するため、診察室とは別室の撮影室に配置される。内視鏡撮影装置1bは、プライバシー保護のため、診察室とは別室の検査室に配置される。参照用プリンタ4は、撮影された画像をその場で印刷可能とするため、画像生成装置1の置かれている各室に配置される。
【0056】
このように、いくつかの室に画像生成装置1が分散し、撮影の同時進行が発生する可能性がある場合、他の患者と取り違えることなく撮影された撮影画像データと被写体となった患者に関する患者情報との対応付けを行う手段が必要となる。しかしながら、従来の大病院に設置されているシステムのように、受付、撮影、診察室のそれぞれにワークステーションやコンソールを配置し、受付での撮影内容(検査内容)の登録作業や撮影室(検査室)でのカセッテのID登録作業等を行うのは、規模が小さく、撮影の同時進行が発生するケースが少ない開業医の医院等の医療施設においてはかえって非効率であり、負担が大きい。
【0057】
そこで、小規模診断システム100においては、図7に示す患者・画像対応付けシーケンスにより、小規模な医療施設において効率的であり、かつ、撮影の同時進行が発生する可能性があっても患者と撮影画像データの対応付けを間違いなく行うことが可能な撮影〜診察のワークフローを提供する。
【0058】
ここで、受付においては、患者に対して受付順に仮IDを付与しておく。この仮IDは、患者が受付を行う毎に一つ割り当てられる連続番号であり、例えば、1日にその施設(医院やクリニック)内に停滞する最大患者数を超える枚数分の整理カードのそれぞれに、仮ID(例えば、01〜30)を付与しておき、受付された患者にこの整理カードを渡すようにしてもよいし、受付に設置された発券機等により仮IDを付与するようにしもよい。本実施の形態としては、一例として整理カードを利用した例について説明する。なお、仮IDは、情報処理装置2において、患者の撮影画像データを抽出する際の画像検索キーとなる画像検索用IDである。
【0059】
以下、図7を参照して、小規模診断システム100において、一の患者とその患者の画像とを対応付ける際に実行される患者・画像対応付けシーケンスについて説明する。
なお、医師や撮影技師等の撮影を行う操作者を、以下、撮影実施者と称する。
【0060】
まず、撮影実施者は、撮影対象の患者を画像生成装置1の前に連れて行き、画像生成装置1において、入力部12のテンキーを介して、撮影対象の患者に付与された整理カードに表示された仮IDの入力を行い、患者の検査対象部位を被写体として撮影を行い、撮影画像データの生成を行う。例えば、画像生成装置1がCR装置1cの場合、読取装置10bに備えられた入力部12のテンキーから仮IDの入力を行い、撮影済みのカセッテを読取装置10bにセットすることにより、撮影画像データの生成を行う。
【0061】
画像生成装置1においては、入力部12のテンキーが押下され、仮IDが入力されると(ステップS1;YES)、撮影実施者の操作に応じて、画像生成部16により、撮影画像データが生成され(ステップS2)、入力された仮IDと生成された撮影画像データが対応付けられて通信部13を介して情報処理装置2へ送信される(ステップS3)。一の患者の画像を複数の撮影条件で複数枚撮影した場合、生成された全ての撮影画像データが仮IDに対応付けられて(例えば、撮影画像データの付帯情報として仮IDが付帯されて)情報処理装置2へと送信される。なお、ステップS1における仮IDの入力がなければ、画像生成部16における撮影画像データの生成は行われないようになっている。また、同一患者に対する撮影の終了は、直前の撮影から所定時間以上撮影操作(読取装置10bの場合はカセッテの装着)がない場合に検知することとしてもよいし、画像生成装置1の入力部12に終了キーを設け、終了キーの押下により検知するようにしてもよい。
【0062】
情報処理装置2においては、通信部24を介して画像生成装置1からの撮影画像データ及び仮IDが受信されると、受信された撮影画像データ及び仮IDが対応付けられて一時記憶部261に保存される(ステップS4)。なお、一時記憶部261には、当該患者の撮影画像データのみでなく、他の患者を撮影して得られた撮影画像データであって、まだ診察されていない画像データが仮IDと対応付けられた状態で次々と蓄積されていく。
【0063】
また、画像生成装置1においては、印刷指示情報及び生成された撮影画像データが順次通信部13を介して参照用プリンタ4へ送信される(ステップS5)。ここで、各画像生成装置1においては、同室内にある参照用プリンタ4が使用するプリンタとして設定されており、生成された撮影画像データは、同室内の参照用プリンタ4に送信される。印刷指示情報は、例えば、当該画像生成装置1の装置ID、送信した撮影画像データの、設定ボーマット記憶部471に記憶された設定フォーマットによる印刷を指示する情報が含まれる。
【0064】
参照用プリンタ4においては、通信部44を介して画像生成装置1から印刷指示情報及び撮影画像データ及び受信されると、受信した撮影画像データが順次受信メモリ461に格納される(ステップS6)。画像生成装置1より印刷すべき撮影画像データの送信が全て終了したことが通知され、通信が切断されると、受信された撮影画像データの割り付け展開処理が実行される(ステップS7)。ここで、参照用プリンタ4においては、設定フォーマット記憶部471に、通信部44を介して取得された撮影画像データに基づき、画像取得順に記録媒体K(図5参照)の画像領域R1〜R4に対応する位置に撮影画像を割り付けるための情報(フォーマット情報)が設定されている。このフォーマット情報は、例えば、記録媒体Kの用紙サイズ、1枚当たりに割り付ける画像の最大枚数(ここでは、4枚)、画像の取得順番に応じた割り付け位置等の情報を含み、参照用プリンタ4の導入時にPC等を接続し、PCの画面から参照用プリンタ4にこれらのフォーマット情報を設定することができる。なお、開業医等の小規模な医療施設では、撮影する部位ごとに撮影すべき方向等が定型的に決まっていることが多く、1単位の撮影で撮影される最大枚数は4枚程度である。ステップS7においては、画像生成装置1から印刷指示情報及び撮影画像データが受信されると、受信された順(画像の取得順番)に受信メモリ461から撮影画像データが読み出され、撮影画像データのサイズと設定フォーマット記憶部471に設定されている当該撮影画像の割り付け位置のサイズに基づき撮影画像データに変倍処理が施され、ページメモリ462において、撮影画像データに基づき、取得順番に応じた位置への撮影画像の割り付け及び展開が行われる。そして、展開されたデータは印刷部49に出力され、記録媒体搬送部48により搬送された記録媒体K上に印刷され出力される(ステップS8)。この撮影画像が印刷された記録媒体Kを以下、記録媒体K1と呼ぶ。
【0065】
図8(a)に、ステップS8で参照用プリンタ4から印刷出力される記録媒体K1の一例を示す。図8(a)に示すように、記録媒体K1においては、カルテフォーマット上の所定の位置に画像生成装置1において撮影された撮影画像の縮小画像(複数枚撮影されたときは複数枚の撮影画像)が印刷されている。撮影実施者は、この記録媒体K1を見て、当該患者に対しての撮影漏れがないか、ポジショニングが正しいか等を確認することができる。なお、複数枚の画像の撮影が行われた場合は、上述のように1枚の記録媒体上に並べて印刷するようにしてもよいし、それぞれの撮影画像を1枚の記録媒体上に個別に印刷するようにしてもよい。また、ステップS5において、撮影画像データと対応付けて仮IDを参照用プリンタ4に送信し、撮影画像と併せて仮IDを印刷するようにしてもよい(図8(b)参照)。この場合、設定フォーマット記憶部471に、撮影画像の割り付け位置とともに仮IDの割り付け位置を設定しておきステップ7において、仮IDに該当するフォントを併せて割り付けて印刷する。
【0066】
撮影及び記録媒体K1の印刷が終了すると、記録媒体K1が患者に渡される。患者はこの記録媒体K1及び整理カードを持って診察室へ移動する。医師は、情報処理装置2の入力部22の操作により、表示部23に画像検索画面を表示させ、患者の整理カードに記載された仮IDを見て、入力部22を介して仮IDの入力を行う。情報処理装置2においては、医師による入力部22の操作に応じて画像検索画面が表示され、入力部22を介して仮IDの入力が受け付けられる。表示された画像検索画面上で入力部22を介して仮IDが入力されると(ステップS9)、入力された仮IDに対応する撮影画像データが一時記憶部261から抽出され(ステップS10)、抽出された撮影画像データに画像処理が施されるとともに、画像処理済みの撮影画像を縮小したサムネイル画像が作成され(ステップS11)、表示部23の撮影画像表示画面231に表示される(ステップS12)。
【0067】
ここで、ステップS11においては、撮影画像データが解析されることにより撮影された部位が認識され(例えば、特開平11−76141公報、特開2001−76141号公報)、認識された部位に応じた画像処理パラメータ(例えば、階調変換曲線、周波数強調度等)が記憶部26から読み出され、読み出された画像処理パラメータに基づき、階調処理、周波数強調処理等の画像処理が施される。また、例えば、CR装置1cにおいて生成された撮影画像データにおいて、放射線の照射領域から外れた照射野外領域の信号値を最高濃度(最低輝度)に変換する黒化処理が施される。これらの画像処理により、撮影画像を診断上好ましい画像として表示することができる。
【0068】
図9に、ステップS12において表示部23に表示される撮影画像表示画面231の表示画面例を示す。図9に示すように、撮影画像表示画面231は、抽出された画像を一覧表示するための画像表示欄231a〜231dを有している。
【0069】
医師は、患者の所持している整理カードの仮IDに基づいて、その患者の撮影画像を一時記憶部261から抽出するが、整理カードの取り違えや仮IDの入力ミス等が発生する可能性も考えられる。そこで、患者が所持している記録媒体K1を受け取って参照し、記録媒体K1上の撮影画像と撮影画像表示画面231の画像表示欄231a〜231dに表示されている抽出された撮影画像を比較することで、抽出された撮影画像が間違いなくその患者の撮影画像であるか、抽出漏れがないかを確認することができる。また、表示された画像による読影診断の前に、記録媒体K1に印刷された撮影画像から読影診断において予め注目すべき部分等を確認しておくことができる。なお、図8(b)に示すように、記録媒体K1に仮IDを付与しておけば、整理カードの取り違えによる抽出ミスを防止することが可能となるので好ましい。
【0070】
撮影画像表示画面231において、画像表示欄231a〜231dの何れかがマウス等により選択されると、選択された画像がライフサイズで単独表示される。医師はこの単独表示画像により、画像の詳細を観察し読影診断を行うことができる。記録媒体K1は、カルテフォーマットとなっているので診察結果は、記録媒体K1に記録し、記録媒体K1を紙カルテとすることができる。記録媒体K1には、患者の撮影画像が印刷されているので、医師は、人体シェーマ図(診察結果を人体又は部位の模式図上に書き込んだもの)を手書きする必要もなく、カルテの記入を効率的に行うことができる。
【0071】
また、当該画面の右上には、画像処理調整欄231eが設けられており、医師は、この画像処理調整欄231eをマウス等により操作することにより、濃度やコントラストの調整を行うことができる。また、撮影画像表示画面231には、表示された撮影画像に対応付ける患者の患者ID及び患者氏名等の患者情報の入力を受け付ける患者情報入力欄231fが設けられている。医師は、この患者情報入力欄231fから患者情報の入力を行う。
【0072】
入力部22を介して、患者情報入力欄231fから当該患者に関する患者情報の入力が行われると(ステップS13)、ステップS10で抽出された撮影画像データに、この入力された患者情報が対応付けられ通信部24を介してサーバ3に送信され、画像DB30への保存が行われる(ステップS14)。入力部22により撮影画像表示画面231の終了ボタン231gが押下されることにより、終了が指示されると(ステップS15;YES)、ステップS13でサーバ3に保存された画像データ及び仮IDが一時記憶部261から消去され(ステップS16)、本処理は終了する。
【0073】
医師の診察終了後、整理カードは医師又は受付にて回収され、翌日以降に再利用される。
【0074】
以上説明したように、第1の実施の形態においては、画像生成装置1において生成された撮影画像データ及び仮IDを診察室にある情報処理装置2に送信し、撮影画像データと仮IDを対応付けて一時記憶部261に記憶するとともに、画像生成装置1で生成された撮影画像データを参照用プリンタ4に送信し、撮影画像をカルテフォーマットの記録媒体K上に印刷した記録媒体K1を出力する。従って、撮影実施者は、撮影後、すぐに記録媒体K1を見て、撮影漏れがないか、ポジショニングが正しいか等を確認することができる。また、診察室において、患者の識別情報と画像とを対応付ける際においても、患者が所持している記録媒体K1の画像と、一時記憶部261から当該患者の撮影画像として抽出された画像とを比較し、抽出された画像が間違いなくその患者の撮影画像であるか、抽出漏れがないかを確認することができる。更に、記録媒体K1は、カルテフォーマットの用紙となっているので、診察結果を記録媒体K1に記入し、紙カルテとすることができる。記録媒体K1には、撮影画像が印刷されているので、シェーマ人体図を記入する手間が省け、カルテ記入を効率的に行うことが可能となる。また、この紙カルテを他の患者診断用に参照する場合、情報処理装置2を操作しなくてもカルテ上に撮影画像が存在するので、医師がカルテに記入された内容についての記憶を速やかに蘇らせることが可能となり、他の患者の早期診断に繋げることができる。
【0075】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0076】
第2の実施の形態において、読取装置10bのI/F17には、デジタルカメラ18が接続されている。
【0077】
また、画像生成装置1の記憶部15には、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの画像生成装置1側処理を実行するためのプログラムが記憶されており、画像生成装置1のCPU11と当該プログラムとの協働により、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの画像生成装置1側処理が実現される。CPU11は、当該処理の実行により、画像生成装置の制御手段を実現する。情報処理装置2の記憶部26には、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの情報処理装置側処理を実行するプログラムが記憶されており、情報処理装置2のCPU21と当該プログラムとの協働により、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの情報処理装置2側処理が実現される。参照用プリンタ4の記憶部47には、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの参照用プリンタ4側処理を実行するプログラムが記憶されており、参照用プリンタ4のCPU41と当該プログラムとの協働により、図10に示す患者・画像対応付けシーケンスの参照用プリンタ4側処理を実行する。
【0078】
その他、第2の実施の形態におけるシステム構成及び各装置の構成は、第1の実施の形態で説明したのと略同様であるので説明を省略する。
【0079】
以下、図10を参照して、第2の実施の形態における患者・画像対応付けシーケンスについて説明する。
【0080】
まず、撮影実施者は、撮影対象の患者を画像生成装置1の前に連れて行き、画像生成装置1において、入力部12のテンキーを介して、撮影対象の患者に付与された整理カードに表示された仮IDの入力を行い、次いで、デジタルカメラ18により、検査対象部位の撮影に先立って患者の顔形や衣服等の目視判別可能な外観的特徴を表す画像(例えば、顔写真。以下、外観画像という。)の撮影を行う。患者の外観画像の撮影後、画像生成装置1において、患者の検査対象部位を被写体として撮影を行い、撮影画像データの生成を行う。例えば、画像生成装置1がCR装置1cの場合、読取装置10bに備えられた入力部12のテンキーから仮IDの入力を行い、デジタルカメラ18により患者の外観画像を撮影し、次いで、撮影済みのカセッテを読取装置10bにセットすることにより、撮影画像データの生成を行う。
【0081】
画像生成装置1においては、入力部12のテンキーが押下され、仮IDが入力され(ステップS21;YES)、次いで、I/F17を介してデジタルカメラ18から患者の外観画像データが入力されると(ステップS22)、通信部13を介して、印刷指示情報及び外観画像データが参照用プリンタ4に送信される(ステップS23)。ここで、各画像生成装置1においては、同室内にある参照用プリンタ4が使用するプリンタとして設定されており、画像生成装置1からのデータは、同室内の参照用プリンタ4に送信される。印刷指示情報は、例えば、当該画像生成装置1の装置ID、送信した外観画像データ及び続いて送信する撮影画像データの設定フォーマットによる印刷を指示する情報が含まれる。参照用プリンタ4においては、通信部44を介して、画像生成装置1から印刷指示情報及び外観画像データが受信されると、受信された外観画像データが受信メモリ461に格納される(ステップS24)。
【0082】
次いで、画像生成装置1において、撮影実施者の操作に応じて画像生成部16により撮影画像データの生成が行われると(ステップS25)、入力された仮IDと生成された撮影画像データが対応付けられ通信部13を介して情報処理装置2へ送信される(ステップS26)。一の患者の診断画像を複数の撮影条件で複数枚撮影した場合、生成された全ての撮影画像データが仮IDに対応付けられて情報処理装置2へと送信される。なお、ステップS21における仮IDの入力がなければ、画像生成部16における撮影画像データの生成は行われないよう制御される。
【0083】
情報処理装置2においては、通信部24を介して画像生成装置1からの撮影画像データ及び仮IDが受信されると、受信された撮影画像データ及び仮IDが対応付けられて一時記憶部261に記憶される(ステップS27)。なお、一時記憶部261には、当該患者の撮影画像データのみでなく、他の患者を撮影して得られた撮影画像データであって、まだ診察されていない画像データが仮IDと対応付けられた状態で次々と蓄積されていく。
【0084】
情報処理装置2への撮影画像データの送信が終了すると、画像生成装置1においては、画像生成部16により生成された撮影画像データが順次通信部13を介して参照用プリンタ4へ送信される(ステップS28)。
【0085】
参照用プリンタ4においては、通信部44を介して画像生成装置1から撮影画像データが受信されると、受信された撮影画像データが順次受信メモリ461に格納される(ステップS29)。画像生成装置1より印刷する撮影画像データの送信が終了したことが通知され、通信が切断されると、先に受信された外観画像データ及び撮影画像データの割り付け展開処理が実行される(ステップS30)。ここで、参照用プリンタ4においては、設定フォーマット記憶部471に、通信部44を介して取得された外観画像データに基づき、所定の位置、例えば記録媒体K(図5参照)の右上に、所定サイズで外観画像を割り付けるとともに、取得された撮影画像データに基づき、画像領域R1〜R4に対応する位置に撮影画像を割り付けるための情報(フォーマット情報)が設定されている。このフォーマット情報は、例えば、記録媒体Kの用紙サイズ、1枚当たりに割り付ける画像の最大枚数、画像の取得順番に応じた割り付け位置等の情報を含み、参照用プリンタ4の導入時にPC等を接続し、PCの画面から参照用プリンタ4にこれらのフォーマット情報を設定することができる。なお、開業医等の小規模な医療施設では、撮影する部位ごとに撮影すべき方向等が定型的に決まっていることが多く、1単位の撮影で撮影される最大枚数は4枚程度である。ステップS29においては、画像生成装置1から印刷指示情報、外観画像データ及び撮影画像データが受信されると、受信された順(画像の取得順番)に受信メモリ461から外観画像データ、撮影画像データが読み出され、画像データのサイズと設定フォーマット記憶部471に設定されている、当該画像の割り付け位置のサイズに基づき画像データに変倍処理が施され、ページメモリ462において、取得順番に応じた位置への画像の割り付け及び展開が行われる。そして、展開されたデータは印刷部49に出力され、記録媒体K上に印刷出力される(ステップS31)。この撮影画像が印刷された記録媒体Kを以下、記録媒体K2と呼ぶ。
【0086】
図11(a)に、ステップS31で参照用プリンタ4から印刷出力される記録媒体K2の一例を示す。図11(a)に示すように、記録媒体K2には、カルテフォーマットの所定の位置に撮影した患者の外観画像、画像生成装置1において撮影された診断画像の縮小画像(複数枚撮影されたときは複数枚の画像)が印刷されている。撮影実施者は、この記録媒体K2を見て、当該患者に対しての撮影漏れがないか、ポジショニングが正しいか等を確認することができる。また、ステップS23において外観画像データに対応付けて、或いはステップS28において撮影画像データに対応付けて、仮IDを参照用プリンタ4に送信し、記録媒体K2に画像と併せて仮IDを印刷するようにしてもよい(図11(b)参照)。この場合、設定フォーマット記憶部471に、画像の割り付け位置とともに仮IDの割り付け位置を設定しておき、ステップS30において、仮IDに該当するフォントを併せて割り付けて印刷する。
【0087】
撮影及び記録媒体K2の印刷が終了すると、記録媒体K2が患者に渡される。患者はこの記録媒体K2及び整理カードを持って診察室へ移動する。医師は、情報処理装置2の入力部22の操作により、表示部23に画像検索画面を表示させ、診察対象の患者の整理カードに記載された仮IDを見て、入力部22を介して仮IDの入力を行う。情報処理装置2においては、医師による入力部22の操作に応じて画像検索画面が表示され、入力部22を介して仮IDの入力が受け付けられる。表示された画像検索画面上で入力部22を介して仮IDが入力されると(ステップS32)、入力された仮IDに対応する撮影画像データが一時記憶部261から抽出され(ステップS33)、抽出された撮影画像データに画像処理が施されるとともに、画像処理済みの撮影画像を縮小したサムネイル画像が作成され(ステップS34)、表示部23の撮影画像表示画面231に表示される(ステップS35)。
【0088】
医師は、患者の所持している整理カードの仮IDに基づいて、その患者の撮影画像を一時記憶部261から抽出するが、整理カードの取り違えや仮IDの入力ミス等が発生する可能性も考えられる。また、記録媒体K2の取り違えが発生する可能性もある。そこで、図11に示すような患者の外観画像の入った記録媒体K2を患者に所持させ、患者と記録媒体K2の外観画像とを比較することで、患者の所持している記録媒体K2が間違いなく患者のものであることを確認した上で、更に、記録媒体K2上の撮影画像と撮影画像表示画面231の画像表示欄231a〜231dに表示されている抽出された撮影画像とを比較することで、抽出された撮影画像が間違いなく患者の画像であるか、抽出漏れがないかを確認することができる。また、表示された画像による読影診断の前に、記録媒体K2に印刷された撮影画像から読影診断において予め注目すべき部分等を確認しておくことができる。
【0089】
撮影画像表示画面231において、画像表示欄231a〜231dの何れかがマウス等により選択されると、選択された画像がライフサイズで単独表示される。医師はこの単独表示画像により、画像の詳細を観察し読影診断を行うことができる。記録媒体K2は、カルテフォーマットとなっているので、診察結果は、記録媒体K2に記入し、記録媒体K2を紙カルテとすることができる。記録媒体K2には、患者の撮影画像が印刷されているので、医師は、人体シェーマ図を手書きする必要もなく、カルテの記入を効率的に行うことができる。
【0090】
入力部22を介して、患者情報入力欄231fから当該患者に関する患者情報の入力が行われると(ステップS36)、ステップS33で抽出された撮影画像データに、この入力された患者情報が対応付けられ通信部24を介してサーバ3に送信され、画像DB30への保存が行われる(ステップS37)。入力部22により撮影画像表示画面231の終了ボタンが押下されることにより、終了が指示されると(ステップS38;YES)、ステップS37でサーバ3に保存された画像データ及び仮IDが一時記憶部261から消去され(ステップS39)、本処理は終了する。
【0091】
医師の診察終了後、整理カードは医師又は受付にて回収され、翌日以降に再利用される。
【0092】
以上説明したように、第2の実施の形態においては、記録媒体K2に、患者の外観画像も併せて印刷するようにしたので、診察室において、撮影画像に患者の識別情報を対応付ける際において、医師が、記録媒体K2が間違いなくその患者のものであるか否かを確認してから、患者が所持している記録媒体K2の画像と、一時記憶部261から当該患者の画像として抽出した撮影画像とを比較し、抽出された撮影画像が間違いなくその患者の撮影画像であるか、抽出漏れがないかを確認することができる。更に、記録媒体K2は、カルテフォーマットとなっているので、診察結果を記録媒体K2に記入し、紙カルテとすることができる。記録媒体K2には、撮影画像が印刷されているので、シェーマ人体図を記入する手間が省け、カルテ記入を効率的に行うことが可能となる。また、このカルテを他の患者診断用に参照する場合、情報処理装置を操作しなくてもカルテ上に撮影画像が存在するので、医師がカルテに記入された内容についての記憶を速やかに蘇らせることが可能となり、他の患者の早期診断に繋げることができる。
【0093】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る小規模診断システム100の好適な一例であり、これに限定されるのものではない。
【0094】
例えば、上記第1及び第2の実施の形態においては、各室に参照用プリンタ4を設置した場合を例にとり説明したが、撮影実施者が一人である場合等においては、設置する参照用プリンタ4は一台としてもよい。
【0095】
また、第2の実施の形態においては、デジタルカメラ18は、画像生成装置1に接続した場合を例にとり説明したが、参照用プリンタ4に接続することとしてもよい。参照用プリンタ4にデジタルカメラを接続した場合、最初に患者の外観画像をデジタルカメラで撮影して得られた外観画像データに基づき外観画像を印刷し、CPU41による記録媒体搬送部48の制御により、印刷された記録媒体Kを裏面印刷用に搬送し、画像生成装置1から送信される撮影画像データに基づき撮影画像を記録媒体Kの裏面に印刷するようにしてもよい。このとき、記録媒体Kのカルテフォーマットの面が裏面として搬送されるように印刷装置の給紙トレイに記録媒体Kを装填しておくことで、カルテフォーマットの面の所定の位置に撮影画像を、カルテフォーマットの裏面に外観画像を印刷することが可能となる。
【0096】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、撮影実施者が、カルテフォーマット上に患者の撮影画像が印刷された記録媒体K1または記録媒体K2を患者に渡し、患者自身が医師に提出するフローとしたが、整理カードに付された仮IDや外観画像を同時にプリントする場合においては、撮影実施者が記録媒体K1又は記録媒体K2を医師に届けるフローとすれば、患者の診察室への移動の途中での記録媒体K1又は記録媒体K2の紛失を回避でき、好ましい。又、1日の撮影画像数が少ない施設では、患者との対応付けまでの一時記憶部261に存在する画像数自体も少ないので、情報処理装置2において、一時記憶部261に記憶されている全撮影画像のサムネイル画像を表示部23に表示可能とし、表示されたサムネイル画像の中から医師が記録媒体K1や記録媒体K2に印刷された撮影画像を抽出(選択)する方式を採用してもよい。また、記録媒体K2の出力形態であれば、その外観画像に基づき、患者を特定し、記録媒体K2上の撮影画像に基づき、一時記憶部261から対象患者の撮影画像を抽出することができ、患者と撮影画像との対応付けも間違いなく実行可能となり、且つ画像生成装置における仮IDの入力を省くシステム構成が可能となり、好ましい。
【0097】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、予めカルテフォーマットが印刷された記録媒体Kを用いたが、カルテフォーマット用の罫線や文字等を撮影画像と重畳した画像データを印刷装置が生成し、紙等に出力する形態としてもよい。これは、参照用プリンタ4の導入時にPC等を接続し、PCの画面から参照用プリンタ4にカルテフォーマットのフォームパターンのデータ、上述のフォーマット情報、及びフォームパターン上にフォーマット情報に基づき割り付けた画像を重畳するプログラムを設定しておくことで実現することができる。
【0098】
また、印刷後の記録媒体K1、記録媒体K2は、スキャナで読み取ってイメージデータとしてデータベース化し、保存するようにしてもよい。データベース化した紙カルテのイメージデータは、検索したい文字列(例えば、病名等)をペンタブレットなどで手書き入力し、入力された文字列の画像パターンをデータベースに保存されたイメージデータとパターンマッチングすれば、検索して表示することが可能となる。
【0099】
その他、小規模診断システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係る小規模診断システム100の全体構成を示す図である。
【図2】図1の画像生成装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図1の情報処理装置2の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1の参照用プリンタ4の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図1の参照用プリンタ4に装填される記録媒体Kの一例を示す図である。
【図6】開業医の医院等の医療施設において小規模診断システム100を適用した場合の各装置の配置例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態において、図1の小規模診断システム100において実行される患者・画像対応付けシーケンスを示すフロー図である。
【図8】(a)は、図7のステップS8で参照用プリンタ4から印刷出力される記録媒体K1の一例を示す図、(b)は、図8(a)の記録媒体K1上に撮影画像と併せて仮IDを印刷して出力した場合の一例を示す図である。
【図9】図7のステップS12において表示部23に表示される撮影画像表示画面231の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態において、図1の小規模診断システム100において実行される患者・画像対応付けシーケンスを示すフロー図である。
【図11】(a)は、図10のステップS31で参照用プリンタ4から印刷出力される記録媒体K2の一例を示す図、(b)は、図11(a)の記録媒体K2上に外観画像及び撮影画像と併せて仮IDを印刷して出力した場合の一例を示す図である。
【図12】(a)は、従来の診断システムにおいて受付窓口で登録されるリストの一例を示す図、(b)は、従来の診断システムにおいて(a)に示すリストに放射線科の技師がカセッテ登録した一例を示す図である。
【符号の説明】
【0101】
100 小規模診断システム
1 画像生成装置
2 情報処理装置
3 サーバ
4 参照用プリンタ
11、21、41 CPU
12、22、42 入力部
13、24、44 通信部
14、25、46 RAM
15、26、47 記憶部
16 画像生成部
17、45 I/F
23、43 表示部
18 デジタルカメラ
48 記録媒体搬送部
49 印刷部
19、27、50 バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来院した患者の検査対象部位を撮影し、その撮影画像データを生成する画像生成手段を備えた一以上の画像生成装置と、前記一以上の画像生成装置で生成された撮影画像データを一時記憶手段に記憶し、前記一時記憶手段に記憶された撮影画像データの中から一の患者の撮影画像データを抽出し、その抽出された撮影画像データに基づき撮影画像を表示手段に表示させ、当該表示された撮影画像と前記一の患者に関する患者情報とを対応付けて保存手段に保存する情報処理装置と、を備えた小規模診断システムにおいて、
画像データに基づいてカルテ様式の記録媒体上に画像を印刷し出力する印刷装置を更に備え、
前記画像生成装置は、前記画像生成手段において前記一の患者についての撮影画像データが生成されると、この生成された撮影画像データを前記情報処理装置及び前記印刷装置に送信する制御手段を有し、
前記印刷装置は、前記画像生成装置から送信された前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の撮影画像を印刷し出力することを特徴とする小規模診断システム。
【請求項2】
前記画像生成装置は、患者の外観特徴を撮影し当該患者の外観画像データを取得する撮影装置が接続され、
前記画像生成装置の制御手段は、前記印刷装置に対し、前記撮影装置により取得された前記一の患者の外観画像データ及び前記一の患者の撮影画像データを送信し、
前記印刷装置は、前記画像生成装置から送信された前記一の患者の外観画像データ及び前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の外観画像及び撮影画像を印刷し出力することを特徴とする請求項1に記載の小規模診断システム。
【請求項3】
前記印刷装置は、患者の外観特徴を撮影し当該患者の外観画像データを取得する撮影装置が接続され、前記撮影装置により取得された前記一の患者の外観画像データ及び前記画像生成装置から送信された前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の外観画像及び撮影画像を印刷し出力することを特徴とする請求項1に記載の小規模診断システム。
【請求項4】
前記画像生成装置は、画像検索用IDを入力する入力手段を備え、
前記画像生成装置の制御手段は、前記入力手段を介して前記一の患者の画像検索用IDが入力され、前記画像生成手段により前記一の患者についての撮影画像データが生成されると、その撮影画像データを前記入力された画像検索用IDと対応付けて前記情報処理装置及び前記印刷装置に送信し、
前記一時記憶手段は、前記画像生成装置から送信された前記撮影画像データ及び前記画像検索用IDを対応付けて一時的に記憶し、
前記印刷装置は、前記一の患者の撮影画像データに基づき印刷を行う際に、前記画像検索用IDを併せてカルテ様式の記録媒体上に印刷し出力することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の小規模診断システム。
【請求項1】
来院した患者の検査対象部位を撮影し、その撮影画像データを生成する画像生成手段を備えた一以上の画像生成装置と、前記一以上の画像生成装置で生成された撮影画像データを一時記憶手段に記憶し、前記一時記憶手段に記憶された撮影画像データの中から一の患者の撮影画像データを抽出し、その抽出された撮影画像データに基づき撮影画像を表示手段に表示させ、当該表示された撮影画像と前記一の患者に関する患者情報とを対応付けて保存手段に保存する情報処理装置と、を備えた小規模診断システムにおいて、
画像データに基づいてカルテ様式の記録媒体上に画像を印刷し出力する印刷装置を更に備え、
前記画像生成装置は、前記画像生成手段において前記一の患者についての撮影画像データが生成されると、この生成された撮影画像データを前記情報処理装置及び前記印刷装置に送信する制御手段を有し、
前記印刷装置は、前記画像生成装置から送信された前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の撮影画像を印刷し出力することを特徴とする小規模診断システム。
【請求項2】
前記画像生成装置は、患者の外観特徴を撮影し当該患者の外観画像データを取得する撮影装置が接続され、
前記画像生成装置の制御手段は、前記印刷装置に対し、前記撮影装置により取得された前記一の患者の外観画像データ及び前記一の患者の撮影画像データを送信し、
前記印刷装置は、前記画像生成装置から送信された前記一の患者の外観画像データ及び前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の外観画像及び撮影画像を印刷し出力することを特徴とする請求項1に記載の小規模診断システム。
【請求項3】
前記印刷装置は、患者の外観特徴を撮影し当該患者の外観画像データを取得する撮影装置が接続され、前記撮影装置により取得された前記一の患者の外観画像データ及び前記画像生成装置から送信された前記一の患者の撮影画像データに基づいて、カルテ様式の記録媒体上の所定の位置に前記一の患者の外観画像及び撮影画像を印刷し出力することを特徴とする請求項1に記載の小規模診断システム。
【請求項4】
前記画像生成装置は、画像検索用IDを入力する入力手段を備え、
前記画像生成装置の制御手段は、前記入力手段を介して前記一の患者の画像検索用IDが入力され、前記画像生成手段により前記一の患者についての撮影画像データが生成されると、その撮影画像データを前記入力された画像検索用IDと対応付けて前記情報処理装置及び前記印刷装置に送信し、
前記一時記憶手段は、前記画像生成装置から送信された前記撮影画像データ及び前記画像検索用IDを対応付けて一時的に記憶し、
前記印刷装置は、前記一の患者の撮影画像データに基づき印刷を行う際に、前記画像検索用IDを併せてカルテ様式の記録媒体上に印刷し出力することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の小規模診断システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−122571(P2007−122571A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−316388(P2005−316388)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
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