説明

少なくとも1種のオルガノシリコン化合物、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び少なくとも1種のノニオン性増粘剤を含む化粧料組成物、及び該組成物の使用方法

【課題】ケラチン繊維を洗浄及びコンディショニングするための化粧料組成物を提供する。
【解決手段】ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪を洗浄及びコンディショニングするための化粧料組成物であって、化粧学的に許容される媒体中に、以下の成分:(i) 該組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%なる範囲の、一個のケイ素原子を含むシラン及び2又は3個のケイ素原子を含むシロキサンから選択される、1種又はそれ以上のオルガノシリコン化合物、ここで該オルガノシリコン化合物は、また1分子当たり、1又はそれ以上の塩基性化学官能基及び1又はそれ以上のヒドロキシル基又は加水分解性の基をも含む;(ii) 1種又はそれ以上のアニオン性界面活性剤;及び(iii) 1種又はそれ以上のノニオン性増粘剤を含み、該化粧料組成物は、少なくとも5×10-4に等しい、該オルガノシリコン化合物と該アニオン性界面活性剤との間の質量比を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪を清浄化及びコンディショニングするための化粧料組成物に係り、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、1種又はそれ以上のオルガノシリコン化合物、1種又はそれ以上のアニオン性界面活性剤及び1種又はそれ以上のノニオン性増粘剤を含み、該組成物は、該オルガノシリコン化合物と該アニオン性界面活性剤との間に特定の質量比を持つ。
本発明は、またケラチン繊維を処置するための化粧学的方法、さらにはまた該化粧料組成物の使用にも係る。
【背景技術】
【0002】
ケラチン物質、例えば毛髪を清浄化及び/又は洗浄するために、標準的な界面活性剤、特にアニオン型、ノニオン型及び/又は両性型であるが、より特定的にはアニオン型である界面活性剤を、本質的に主成分とする洗浄剤組成物(例えば、シャンプー)を使用することが、一般的な慣行である。これらの組成物は、湿った毛髪に適用され、また手でマッサージ又は擦ることにより発生する泡は、水でリンスした後に、該毛髪及び皮膚上に初めに存在した様々な型の汚れの除去を可能とする。
これらの基本的な組成物は、疑う余地なしに良好な洗浄力を持つが、特にこのような清浄化処置の比較的攻撃的な特性が、長期間の間に、特に該毛髪繊維中に又はその表面に含まれる脂肪又はタンパク質を徐々に除去するとともに、毛髪繊維に多かれ少なかれ顕著な損傷を引起す恐れがあるという事実のために、該組成物の固有の化粧学的諸特性は、全く貧弱なままである。
【0003】
従って、上記洗浄剤組成物、及びより具体的には鋭敏化された毛髪(即ち、一般的には、外部雰囲気の作用因子、例えば光及び悪天候、及び/又は機械的又は化学的処置、例えばブロー乾燥、梳り、染色、脱色、パーマネントウエーブ掛け及び/又は直毛化の作用によって、損傷を受けた又は脆弱化された毛髪)に適用することが必要とされる組成物の化粧学的諸特性を改善するために、今では、これら組成物に、コンディショニング剤として公知の、追加の化粧学的薬剤を導入することが一般的な慣行となっており、該コンディショニング剤は、主として、該毛髪繊維が多少とも反復的に被る、様々な処置又は攻撃因子によって引起される有害な又は望ましからぬ効果を矯正し又は制限することを意図するものである。勿論、これらのコンディショニング剤は、天然の毛髪の化粧学的な挙動をも改善することを可能とする。
この目的に関連して、化粧学的に活性な有機化合物、例えばカチオン性ポリマー及びシリコーンを、化粧学的洗浄剤組成物、例えばシャンプー中のコンディショニング剤として使用して、該毛髪に満足な化粧学的特性、特に輝き、柔軟性、しなやかさ、軽さ、自然な感触及び改善された櫛通り性を与えることが既に提案されている。
【0004】
しかし、これら化合物の、化粧学的洗浄用及びヘア-コンディショニング用組成物における使用は、該毛髪に満足な、長期間に渡り持続するスタイリング特性を与えることはない。具体的には、これら組成物が一般的にもたらすスタイリング効果、例えば毛髪の維持、量感及び/又は取扱い容易性の効果は、不十分なままであり、また標準的なシャンプーで該毛髪を洗浄した後に、次第に低下する傾向がある。
ところで、消費者は、ますます、毛髪を適切にコンディショニングし得るのみならず、満足かつ長期持続性のスタイリング効果をももたらし得る洗浄用組成物を求めつつあることが分かった。
従って、オルガノシリコン化合物、例えば3-アミノプロピルトリエトキシシランを含む、毛髪を洗浄しかつコンディショニングするための組成物が、これら諸要件の充足を可能とすべく、開発されている。これらの洗浄及びケア組成物は、特に該毛髪に満足できるソフトな感触を与え、しかも同時に顕著な、かつ長期持続性のスタイリング効果を付与することによって、毛髪のコンディショニングを可能とする。
【0005】
さらに、これらの組成物が、形状付与性を改善し、またカールを調節することにより、細い毛髪の形態付与を容易にし、かつ波型又はカール状の毛髪に有利なスタイリング効果を与えることから、これら組成物は、特に有利であることが明らかである。
しかし、このようなオルガノシリコン化合物を含む洗浄用組成物は、一般に、特にその粘度及びその視覚的様相に関して、温度の関数として正常な保存条件下で、経時に伴って実質的な変化を来たすという欠点を持つ。換言すれば、これらの組成物が、安定でないことは明らかであり、この不安定性は、通常濁った視覚的様相及びさらには保存中の不満足な肌理によって反映される。
具体的には、オルガノシリコン化合物、例えば3-アミノプロピルトリエトキシシランは、洗浄用組成物中に存在する可能性のある、全ての界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤に対して化学的に非-相溶性であって、遭遇する安定性の問題へと導くことが分かった。
【0006】
さらに、幾つかのオルガノシリコン化合物、特に3-アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミン誘導体の、一般的に4〜7なる範囲のpHを持つ洗浄用組成物への導入が、これら化合物のアルカリ特性のために、同様に安定性の問題を生じることが観測されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、オルガノシリコン化合物を含有する、ケラチン繊維を清浄化し及びコンディショニングするための化粧料組成物の開発に対する実際上の要求があり、ここでこれら組成物は、上記諸欠点の何れをも持たず、即ち経時安定性を持ち、満足な毛髪のコンディショニングを可能とし、しかも同時に、特に毛髪の嵩、量感、及び質感に関して、長期間に渡る強力なスタイリング効果をもたらすものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願人は、驚いたことに、以下に定義する様な、1種又はそれ以上のオルガノシリコン化合物、1種又はそれ以上のアニオン性界面活性剤及び1種又はそれ以上のノニオン性増粘剤を含み、該組成物が少なくとも5×10-4に等しい、該オルガノシリコン化合物と該アニオン性界面活性剤との間の質量比を持ち、所望の諸特性を持つ、ケラチン繊維用の、洗浄及びコンディショニング組成物を処方できることを見出した。
具体的には、1種又はそれ以上の以下において定義する様なオルガノシリコン化合物及び1種又はそれ以上のアニオン性界面活性剤を、少なくとも5×10-4に等しい、該オルガノシリコン化合物と該アニオン性界面活性剤との間の質量比にて含有する化粧料組成物における、1種又はそれ以上のノニオン性増粘剤の使用が、室温(20-25℃)及び45℃両者において保存した際に、特に該組成物の視覚的様相及びその粘度の点で、該組成物を安定なものとし得ることを見出した。
本発明の目的にとって、上記用語「安定」とは、これら組成物の視覚的様相及びその粘度が、保存テスト条件下で、例えば室温(20-25℃)及び/又は45℃及び/又は4℃において、その製造後2ヶ月間に渡り、経時による実質上の変化を示さないことを意味する。
さらに、本発明による組成物は、満足な毛髪の処置に導き、即ち該毛髪に満足なソフトな感触、改善された櫛通り性、柔軟性及びしなやかさを与える。
その上、本発明による組成物は、強力なスタイリング効果、特に嵩、量感及び/又は取扱い容易性の付与に関して、強力な効果をもたらし、また持続的な様式でこのような効果を果たす。
【0009】
さらに、本発明による組成物は、毛髪、特に細い毛髪に対する形状の付与を容易にし、またカール状の毛髪に対して改善されたスタイリング効果、特に形状の付与及び該カールの調節に関して改善された効果を与え、しかも持続的な様式でこのような効果を果たしている。
とりわけ、本発明は、ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪を洗浄及びコンディショニングするための化粧料組成物に係り、化粧学的に許容される媒体中に、以下の成分:
(i) 該組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%なる範囲の、一個のケイ素原子を含むシラン及び2又は3個のケイ素原子を含むシロキサンから選択される、1種又はそれ以上のオルガノシリコン化合物、ここで該オルガノシリコン化合物は、また1分子当たり、1又はそれ以上の塩基性化学官能基及び1又はそれ以上のヒドロキシル基又は加水分解性の基をも含む;
(ii) 1種又はそれ以上のアニオン性界面活性剤;及び
(iii) 1種又はそれ以上のノニオン性増粘剤;
を含み、該化粧料組成物は、少なくとも5×10-4に等しい、該オルガノシリコン化合物と該アニオン性界面活性剤との間の質量比を持つことを特徴とする。
本発明は、またケラチン繊維に本発明による該組成物を適用する工程を含む、該ケラチン繊維を処置するための、特に該繊維を洗浄し、またコンディショニングするための化粧学的方法にも関連する。
本発明は、さらに本発明による該組成物の、毛髪を洗浄し、またコンディショニングするためのシャンプーとしての使用にも関連する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のその他の課題及び特徴、局面及び利点は、以下の説明及び実施例を読むことによって、さらに一層明確なものとなるであろう。
本発明による組成物において使用する上記オルガノシリコン化合物(i)は、一個のケイ素原子を含むオルガノシラン及び2又は3個のケイ素原子、好ましくは2個のケイ素原子を含むオルガノシロキサンから選択される。これらは、また1種又はそれ以上の塩基性化学官能基、及び好ましくは唯一つの塩基性化学官能基を含む必要がある。該塩基性化学官能基は、該ケイ素化合物に塩基性特性を与える任意の官能基に相当するものであり得、また好ましくはアミン官能基、例えば一級、二級又は三級アミノ基である。本発明で使用する該ケイ素化合物は、場合により他の官能基、例えば酸官能基又はハロゲン官能基を含むことができる。
本発明による組成物において使用する該オルガノシリコン化合物(i)は、また1分子当たり、2種又はそれ以上の加水分解性の基又はヒドロキシル基をも含む。該加水分解性の基は、好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子である。これらは、また場合により他の化学官能基、例えば酸官能基を含むこともできる。
特定の一態様によれば、本発明による組成物において使用する該オルガノシランは、以下の一般式(I)で表される化合物から選択される:
【0011】
【化1】

【0012】
ここで、R4は、ハロゲン原子又は基:OR'又はR'1を表し;
R5は、ハロゲン原子又は基:OR''又はR'2を表し;
R6は、ハロゲン原子又は基:OR'''又はR'3を表し;
R1、R2、R3、R'、R''、R'''、R'1、R'2及びR'3は、各々独立に、場合により付随的な化学基を持つ、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐した炭化水素を基本とする基を表し、R1、R2、R'、R''及びR'''は、また水素原子を表すことができ、また基:R4、R5及びR6の少なくとも2つは、夫々OR'、OR''及びOR'''を表し、基:R'、R''及びR'''の少なくとも2つは、水素原子以外の基である。
好ましくは、該基:R1、R2、R'、R'1、R'2、R'3、R''及びR'''は、C1-C12アルキル基、C6-C14アリール基、(C1-C8)アルキル(C6-C14)アリール基及び(C6-C14)アリール(C1-C8)アルキル基から選択される。
特定のもう一つの態様によれば、本発明の組成物において使用される該オルガノシロキサンは、以下の一般式(II)で表される化合物から選択される:
【0013】
【化2】

【0014】
ここで、
R1、R2、R3、R5及びR6は、前記定義通りであり;
R'4は、ハロゲン原子又は基:OR11を表し;
R7は、ハロゲン原子又は基:OR10又はR''1を表し;
R9は、ハロゲン原子又は基:OR8、R''2又はR3NR1R2を表し;
R''1、R''2、R8、R10及びR11は、場合により追加の化学基を持つ、飽和又は不飽和で、直鎖又は分岐した炭化水素を基本とする基を表し、R11、R10及びR8は、また水素原子を表すこともでき;基:R6、R7及びR9の少なくとも一つは、ハロゲン原子又は基:OR'''、OR10又はOR8を表す。
好ましくは、R''1、R''2、R8又はR10及びR11は、C1-C12アルキル基、C6-C14アリール基、(C1-C8)アルキル(C6-C14)アリール基及び(C6-C14)アリール(C1-C8)アルキル基から選択される。
特に、該ハロゲン原子は塩素原子である。
本発明の組成物において使用される該オルガノシリコン化合物は、好ましくは以下の一般式(III)で表される化合物から選択されるオルガノシランである:
【0015】
【化3】

【0016】
ここで、複数個の基:Rは、同一又は異なっていてもよく、C1-C6アルキル基及び好ましくはC1-C2アルキル基から選択され、またnは、1〜6なる範囲及び好ましくは2〜4なる範囲の整数である。
好ましくは、該シラン又はシロキサンは、水溶性であり、またより一層好ましくは濃度2質量%まで、さらに好ましくは濃度5質量%まで及びより一層好ましくは濃度10質量%までの、温度25±5℃及び大気圧条件下における水に対する溶解度を持つものである。該用語「溶解」とは、単一の巨視的相を形成することを意味する。
特に好ましい方法において、本発明の組成物中に存在する、該オルガノシリコン化合物(i)は、3-アミノプロピルトリエトキシシランである。
該オルガノシリコン化合物は、本発明の組成物中に、該組成物の全質量に対して、0.01〜4.5質量%なる範囲の含有率にて、好ましくは0.1〜2.5質量%なる範囲の含有率にて及びより好ましくは0.2〜2質量%なる範囲の含有率にて存在し得る。
【0017】
前に示した如く、本発明の化粧料組成物は、また1種又はそれ以上のアニオン性界面活性剤(ii)をも含む。
本発明の化粧料組成物において使用される該アニオン性界面活性剤(ii)は、塩から、とりわけ以下に列挙するような型のアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩又はアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩:即ち、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、モノグリセライドサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルアミドスルホサクシネート、アルキルスルホアセテート、アシルサルコシネート及びアシルグルタメートから選択される。これら化合物全ての該アルキル基及びアシル基は、6〜24個の炭素原子を含み、またこれら化合物における該アリール基は、好ましくはフェニル又はベンジル基を表す。
【0018】
ポリグリコシドジカルボン酸のC6-C24アルキルモノエステル、例えばアルキルグルコシドシトレート、アルキルポリグリコシドタルタレート及びアルキルポリグリコシドスルフホサクシネート、アルキルスルフホサクシナメート、アシルイセチオネート及びN-アシルタウレートを使用することも可能であり、これら化合物全てのアルキル基又はアシル基は、12〜20個の炭素原子を含む。
本発明の組成物において使用できるアニオン性界面活性剤のもう一つの群は、アシルラクチレート群(acyllactylates)であり、ここで該アシル基は8〜20個の炭素原子を含む。
さらに、アルキル-D-ガラクトシドウロン酸及びその塩並びにポリオキシアルキレン化(C6-C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6-C24)アルキル(C6-C24)アリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6-C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びその塩、特に2〜50個、より好ましくは2〜10個及びさらに一層好ましくは2〜5個のエチレンオキサイド単位を含むもの、及びこれらの混合物を例示することもできる。
アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェート、及びこれらの混合物、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン又はアミノアルコール塩の形状にあるものが好ましく使用される。
【0019】
好ましくは、本発明による該化粧料組成物において使用される該アニオン性界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート、好ましくはC12-C14の、及びより具体的には2〜3モルのエチレンオキサイド単位を含むアルキルエーテルサルフェート、及びN-アシルタウレートから選択される。
該アニオン性界面活性剤は、本発明の該化粧料組成物中に、該化粧料組成物の全質量に対して、1〜25質量%なる範囲の含有率にて、好ましくは3〜20質量%なる範囲の含有率にて及びより一層好ましくは5〜15質量%なる範囲の含有率にて存在し得る。
前に述べた通り、本発明による該化粧料組成物は、また1種又はそれ以上のノニオン性増粘剤(iii)をも含む。
本発明の目的にとって、該用語「増粘剤」とは、その存在が、これを導入した該組成物の粘度を、25℃及び1s-1なる剪断速度において、少なくとも25cps及び好ましくは少なくとも50cpsだけ増大する任意の化合物を意味する。
該ノニオン性増粘剤(iii)は、脂肪酸アミド、オキシアルキレン化脂肪酸エステル及びノニオン性増粘性ポリマー、又はこれらの混合物から選択することができる。
【0020】
本発明の目的にとって、該用語「脂肪酸アミド」なる用語は、その構造内に、少なくとも6個の炭素原子を含む、少なくとも一つの炭化水素を基本とする鎖を含むアミドを意味する。
該脂肪酸アミドは、より具体的にはアルカノールアミンと飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐したC8-C30脂肪酸とのアミドから誘導される化合物から選択され、該アルカノールアミン及び/又は該脂肪酸は、場合によりオキシアルキレン化されおり、またより具体的には1〜50モルのエチレンオキサイドでオキシエチレン化されている。
該脂肪酸アミドは、好ましくはC2-C10アルカノールアミンとC14-C30脂肪酸とのアミド、及びより一層好ましくはC2-C10アルカノールアミンとC14-C22脂肪酸とのアミドから選択される。
有利には、該脂肪酸アミドは、以下に列挙するものから選択される:
・ココナッツ酸モノイソプロパノールアミド、例えばハンツマン(Huntsman)社によりエンピラン(Empilan) CLSなる商品名の下に市販されている製品;
・オレイン酸ジエタノールアミド、例えばキメックス(Chimex)社によりメキサニル(MexanylTM) GTなる商品名の下に市販されているアミド;
・ミリスチン酸モノエタノールアミド、例えばコグニス(Cognis)社によりコンパーラン(ComperlanTM) MMなる商品名の下に市販されているアミド;
・大豆脂肪酸ジエタノールアミド、例えばコグニス(Cognis)社によりコンパーラン(ComperlanTM) VODなる商品名の下に市販されているアミド;
【0021】
・ステアリン酸エタノールアミド、例えばユニケマ(Uniquema)社によりモナミド(MonamidTM) Sなる商品名の下に市販されているアミド;
・オレイン酸モノイソプロパノールアミド、例えばウイトコ(Witco)社によりウイトカミド(WitcamideTM) 61なる商品名の下に市販されているアミド;
・リノール酸ジエタノールアミド、例えばジマーシュバルツ(Zschimmer Schwarz)社によりプルトン(PurtonTM) SFDなる商品名の下に市販されているアミド;
・ステアリン酸モノエタノールアミド、例えばICI/ユニケマ(ICI/Uniquema)社によりモナミド(MonamidTM) 972なる商品名の下に市販されているアミド;
・ベヘン酸モノエタノールアミド、例えばクロダ(Croda)社によりインクロミド(IncromideTM) BEMなる商品名の下に市販されているアミド;
・イソステアリン酸モノイソプロパノールアミド、例えばウイトコ(Witco)社によりウイトカミド(WitcamideTM) SPAなる商品名の下に市販されているアミド;
・エルカ酸ジエタノールアミド、例えばステアリナリーデュボア(Stearineries Dubois)社によりエルカ酸ジエタノールアミドなる商品名の下に市販されているアミド;
・リシノレイン酸モノエタノールアミド、例えばステアリナリーデュボア(Stearineries Dubois)社によりリシノレイックモノエタノールアミドなる商品名の下に市販されているアミド;
・4モルのエチレンオキサイドを含む菜種脂肪酸アミド、例えばカオウ(Kao)社によりアミデット(Amidet) Nなる名称の下に市販されている製品。
【0022】
該ノニオン性増粘剤は、脂肪酸エステル又は脂肪アルコールエーテルのオキシアルキレン化誘導体から選択される。
特に列挙することのできる脂肪酸エステルのオキシアルキレン化誘導体は、ポリオールのエトキシル化アルキル又はアシル誘導体を含み、該誘導体は特に、C6-C30脂肪酸エステル又はC6-C30脂肪アルコールエーテルと、グリセロール、ソルビトール、グルコース、ペンタエリスリトール又はポリエチレングリコール等のポリオール、より具体的には、ポリエチレングリコールとの、オキシエチレン化誘導体であり得、これらのオキシエチレン化誘導体は、一般に50〜500個のオキシエチレン単位及び好ましくは100〜300個のオキシエチレン単位を含む。
列挙可能なこの種の化合物の例は、エチレングリコールステアレート、150個のオキシエチレン単位(150 OE)を含むポリエチレングリコールジステアレート、オキシエチレン化(200 OE)グリセリルステアレート、例えばセピック(SEPPIC)社によりシマルソル(Simulsol) 220 TMTMなる名称の下で市販されている製品、オキシエチレン化(150 OE)ペンタエリスリチルテトラステアレート、例えばクロダ(Croda)社によりクロシックス(CrothixTM) なる名称の下で市販されている製品、オキシエチレン化(120 OE)メチルグルコースジオレエート、例えばアマーコール(Amerchol)社によりグルカメート(Glucamate)DOE-120ベジタル(VegetalTM)なる名称の下で市販されている製品、オキシエチレン化(160 OE)ソルビタントリイソステアレート、例えばカオウケミカルズ(Kao Chemicals)社によりレオドール(Rheodol) TW IS399Cなる名称の下で市販されている製品、及びオキシエチレン化(55 OE)プロピレングリコールオレエート、例えばエボニックゴールドシュミット(Evonik Goldschmidt)社により参照名アンティル(Antil) 141リキッド(Liquid) なる名称の下で市販されている製品を含む。
【0023】
本発明の一変法において、該オキシエチレン化脂肪酸エステルは、以下の一般式(A)で表されるものである:
R1-CO(X)n-(OCH2CH2)m-O-(CO)p-R2 (A)
ここで、Xは直鎖又は分岐したC1-C4アルキレン基、及び好ましくは以下の式で示される基を表し:
【0024】
【化4】

【0025】
nは、0又は1を表し;
pは、0又は1を表し;
mは、50〜200なる範囲内にあり;及び
R1は、直鎖又は分岐したC9-C29アルキル又はアルケニル基を表し、またR2は、水素原子又は直鎖又は分岐したC9-C29アルキル又はアルケニル基を表す。
より具体的には、これらのエステルとしては、150個のエチレンオキサイド単位(150 OE)を含むポリエチレングリコールジステアレートが好ましい。
本発明の増粘性ポリマーは、既に記載した上記アミド及びエステルとは異なるものであり、またアルキレンオキサイドとアルコール、エステル又はアミドとの単なる縮合により得られる製品とも異なるものである。
該ノニオン性増粘性ポリマーは、会合性であっても、非-会合性であってもよい。
本発明によれば、該用語「非-会合性増粘性ポリマー」とは、少なくとも一つのC8-C30脂肪鎖及び少なくとも一つの親水性単位を同時に含まない、増粘性ポリマーを意味する。
本発明で使用する該ノニオン性非-会合性増粘性ポリマーは、天然又は合成起源のものであり得る。これらは特に以下に列挙するものから選択される:
【0026】
(i) エステル及び/又はアミド型のエチレン性不飽和モノマーを含む、ノニオン性ホモポリマー及びコポリマー;
(ii) ビニルピロリドンホモポリマー又はコポリマー;及び
(iii) 多糖類。
列挙可能な該エステル及び/又はアミド型のエチレン性不飽和モノマーを含む、ノニオン性ホモポリマー又はコポリマーは、ポリアミド、特にサイテック(Cytec)社によりシアナマー(Cyanamer) P250なる名称の下で市販されている製品(ポリアクリルアミド);メチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートコポリマー(USコスメチックス(US Cosmetics)社によるPMMA MBX-8X);ブチルメタクリレート/メチルメタクリレートコポリマー(ローム&ハース(Rohm & Haas)社によるアクリロイド(Acryloid) B66);ポリメチルメタクリレート(コボ(Kobo)社によるBPA 500)である。
上記ビニルピロリドンホモポリマー又はコポリマーは、特に架橋されたビニルピロリドンホモポリマー、例えばISP社により市販されているポリマー(Polymer) ACP-10から選択することができる。
【0027】
上記増粘性多糖類は、特にグルカン、変性又は未変性デンプン(例えば、小麦、玉蜀黍又は米等の穀類、黄色エンドウ(yellow pea)等の植物、及びポテト又はキャッサバ等の塊茎等から誘導されたもの等)、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース及びこれらの誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース)、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸及びペクチン、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、アラビアガム、トラガカンスゴム、ガッチガム、カラヤゴム、キャロブゴム、ガラクトマンナン、例えばグアーガム及びそのノニオン性誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)、及びこれらの混合物から選択される。
一般に、本発明において使用できるこの種の化合物は、特にカークオスマーの化学技術辞典(Kirk-Othmer's Encyclopedia of Chemical Technology), 第3版, 1982, Vol.3, pp.896-900及びVol.15, pp.439-458、自然におけるポリマー(Polymers in Nature), E. A. MacGregor & C. T. Greenwood,ジョンウイリー&サンズ(John Wiley & Sons)社刊,第6章, pp. 240-328, 1980及び工業用ガム-多糖類及びその誘導体(Industrial Gums-Polysaccharides and their Derivatives), Roy L. Whistler編,第2版,アカデミックプレス(Academic Press Inc.)刊に記載されているものから選択される。これら3つの刊行物の内容を、参考として本特許出願に組入れる。
【0028】
デンプン、グアーガム及びセルロース並びにこれらの誘導体が、好ましく使用されるであろう。
上記多糖類は、変性されていても、また変性されていなくてもよい。
該未変性のグアーガムは、例えばユニペクチン(Unipectine)社によりビドガム(Vidogum) GH175なる名称及びロディアシミー(Rhodia Chimie)社によりメイプロ-グアー(Meypro-Guar) 50及びジャガー(Jaguar) Cなる名称の下で市販されている製品である。
該変性されたノニオン性グアーガムは、特にC1-C6ヒドロキシアルキル基で変性されている。
列挙可能な該ヒドロキシアルキル基は、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基及びヒドロキシブチル基である。
これらのグアーガムは、従来技術において公知であり、例えば対応するアルケンオキサイド、例えばプロピレンオキサイドとグアーガムとを、ヒドロキシプロピル基で変性されたグアーガムを与えるように反応させることによって製造できる。
グアーガム上に存在する遊離ヒドロキシル基の数によって消費されるアルキレンオキサイド分子の数に対応する、ヒドロキシアルキル化度は、好ましくは0.4〜1.2なる範囲内にある。
場合によりヒドロキシアルキル基で変性されたこのようなノニオン性グアーガムは、例えばロディアシミー(Rhodia Chimie)社によりジャガー(Jaguar) HP8、ジャガー(Jaguar) HP60及びジャガー(Jaguar) HP120ジャガー(Jaguar) DC293及びジャガー(Jaguar) HP105なる商品名又はアクアロン(Aqualon)社によりガラクタゾル(Galactasol) 4H4FD2なる名称の下で市販されている。
【0029】
特に使用されるセルロースは、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースである。その例としては、アクアロン(Aqualon)社によりクルセル(Klucel) EF、クルセル(Klucel) H、クルセル(Klucel) LHF、クルセル(Klucel) MF及びクルセル(Klucel) G、及びアマーコール(Amerchol)社によりセロサイズポリマー(Cellosize Polymer) PCG-10なる名称の下で市販されている製品を挙げることができる。
本発明による上記会合性ノニオン性増粘性ポリマーは、以下に列挙するものから選択することができる:
(1) 少なくとも一つの脂肪鎖を含む基によって変性されたセルロース;列挙し得るその例は、以下のものを含む:
・少なくとも一つの脂肪鎖、例えばアルキル、アリールアルキル又はアルキルアリール基又はこれらの混合物を含む基で変性されたヒドロキシエチルセルロース、またここで該アルキル基は、好ましくはC8-C22アルキル基であり、これらの具体例は、アクアロン(Aqualon)社により市販されている製品:ナトロゾルプラスグレード(Natrosol Plus Grade) 330CSTM(C16アルキル)、又はベロルノーベル(Berol Nobel)社により市販されている製品:ベルモコール(Bermocoll) EHM100TMである;
・アルキルフェニルポリアルキレングリコールエーテル基で変性されたヒドロキシエチルセルロース、例えばアマーコール(Amerchol)社により市販されている製品:アマーセルポリマー(Amercell Polymer) HM-1500TM(ノニルフェニルポリエチレングリコール(15)エーテル);
【0030】
(2) 少なくとも一つの脂肪鎖を含む基により変性されたヒドロキシプロピルグアー、例えばランベルティ(Lamberti)社により市販されている製品:エサフロア(Esaflor) HM22TM(C22アルキル鎖)、及びローヌ-プーランク(Rhone-Poulenc)社により市販されている製品:RE210-18TM(C14アルキル鎖)及びRE205-1TM(C20アルキル鎖);
(3) ビニルピロリドンと疎水性脂肪鎖モノマーとのコポリマー、その例としては以下に列挙するものを挙げることができる:
・ISP社により市販されている製品:アンタロン(Antaron) V216TM又はガネックス(Ganex) V216TM(ビニルピロリドン/ヘキサデセンコポリマー);
・ISP社により市販されている製品:アンタロン(Antaron) V220TM又はガネックス(Ganex) V220TM(ビニルピロリドン/エイコセンコポリマー);
(4) C1-C6アルキルメタクリレート又はアクリレートと、少なくとも一つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーとのコポリマー、例えばゴールドシュミット(Goldschmidt)社により、アンティル(Antil) 208TMなる名称の下で市販されている、オキシエチレン化メチルアクリレート/ステアリルアクリレートコポリマー;
(5) 親水性メタクリレート又はアクリレートと、少なくとも一つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーとのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー;
【0031】
(6) 鎖内に、通常はポリオキシエチレン化特性を持つ親水性ブロック及び疎水性ブロック両者を含むポリウレタンポリエーテル、ここで該疎水性ブロックは、脂肪族配列単独及び/又は環式脂肪族及び/又は芳香族配列であり得る;
(7) 少なくとも一つの脂肪鎖を有するアミノ樹脂エーテル主鎖を備えたポリマー、例えばサッド-ケミー(Sud-Chemie)社により市販されているピュアシックス(Pure ThixTM)化合物。
好ましくは、該ポリウレタンポリエーテルは、8〜30個の炭素原子を含み、一個の親水性ブロックで分離された、少なくとも2つの炭化水素を基本とする親油性鎖を含み、該炭化水素を基本とする親油性鎖は、ペンダント鎖又は該親水性ブロックの端部における鎖であり得る。
特に、1又はそれ以上のペンダント鎖を含むことも可能である。
さらに、該ポリマーは、親水性ブロックの一端又は両端部に炭化水素を基本とする鎖を含むこともできる。
【0032】
該ポリウレタンポリエーテルは、マルチブロック、特にトリブロック形状であり得る。疎水性ブロックは、該鎖の各端部に存在でき(例えば、親水性中心ブロックを持つトリブロックコポリマー)又は該鎖の両末端部及び該鎖内に分布していてもよい(例えば、マルチブロックコポリマー)。これら同様なポリマーは、またグラフトポリマー又は星型ポリマーであってもよい。
該ノニオン性脂肪鎖ポリウレタンポリエーテルは、トリブロックコポリマーであり得、そこでその親水性ブロックは、50〜1,000個のオキシエチレン単位を含むポリオキシエチレン化された鎖である。該ノニオン性ポリウレタンポリエーテルは、この名称が由来するところの、該親水性ブロック間にウレタン結合を含む。
拡張により同様に該脂肪鎖ノニオン性ポリウレタンポリエーテルに含まれるものは、その親水性ブロックが他の化学結合を介して親油性のブロックと結合しているものである。
本発明において使用できるノニオン性脂肪鎖ポリウレタンポリエーテルの例として、同様にレオックス(Rheox)社により市販されている、ウレア官能基を含むレオレート(Rheolate) 205TM、又はレオレート(RheolateTM) 208、204又は212及びアクリソル(Acrysol) RM184TMを使用することが可能である。
【0033】
同様に、アクゾ(Akzo)社から入手できる、C12-C14アルキル鎖を含む製品:エルファコス(Elfacos) T210TM、及びC18アルキル鎖を含む製品:エルファコス(Elfacos) T212TMを挙げることができる。
C20アルキル鎖及びウレタン結合を含み、固形分含有率20%の水性溶液として市販されている、ローム&ハース(Rohm & Haas)社から入手できる製品:DW 1206BTMを使用することも可能である。
同様に、これらポリマーを、特に水又は水性アルコール媒体に溶解又は分散させた溶液又は分散液として使用することも可能である。列挙できるこのようなポリマーの例は、レオックス(Rheox)社により市販されている、レオレート(RheolateTM) 255、レオレート(RheolateTM) 278、及びレオレート(RheolateTM) 244である。ローム&ハース(Rohm & Haas)社により市販されている、製品:DW 1206F及びDW 1206Jを使用することもできる。
本発明に従って使用できる該ポリウレタンポリエーテルは、特にG. Fonnum, J. Bakke及びFk. Hansenによる文献:Colloid Polym. Sci 271, 380.389 (1993)に記載されているものである。
【0034】
より一層特定的には、本発明によれば、(i) 少なくとも一つの、150〜180モルのエチレンオキサイドを含むポリエチレングリコール、(ii) ステアリルアルコール又はデシルアルコール、及び(iii) 少なくとも一つのジイソシアネートを含む、少なくとも3種の化合物の重縮合によって得ることのできる、ポリウレタンポリエーテルを使用することが好ましい。
このようなポリウレタンポリエーテルは、特にローム&ハース(Rohm & Haas)社により、アクリン(Aculyn) 46TM及びアクリン(Aculyn) 44TMなる名称の下で市販されている[アクリン(Aculyn) 46TMは、150〜180モルのエチレンオキサイドを含むポリエチレングリコール、ステアリルアルコール及びメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)の重縮合体であって、マルトデキストリン(4%)及び水(81%)を含むマトリックス中に分散された、15質量%の分散液であり、アクリン(Aculyn) 44TMは、150〜180モルのエチレンオキサイドを含むポリエチレングリコール、デシルアルコール及びメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)の重縮合体であって、プロピレングリコール(39%)及び水(26%)の混合物中に分散された35質量%の分散液である]。
【0035】
好ましくは、該ノニオン性増粘剤は、上記した脂肪酸アミド及びオキシエチレン化脂肪酸エステルから選択される。
該ノニオン性増粘剤(iii)は、本発明の組成物中に、該組成物の全質量に対して、0.1〜20質量%なる範囲の含有率で、好ましくは0.1〜10質量%なる範囲の含有率で及びより一層好ましくは0.2〜5質量%なる範囲の含有率で存在し得る。
前に示した如く、上記オルガノシリコン化合物と上記アニオン性界面活性剤との間の質量比は、少なくとも5×10-4に等しい。
好ましくは、該オルガノシリコン化合物と該アニオン性界面活性剤との間の質量比は、0.001〜1なる範囲、より一層好ましくは0.01〜0.8なる範囲及びさらに一層好ましくは0.02〜0.5なる範囲内にある。
本発明の組成物は、また両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤から選択される、1種又はそれ以上の追加の界面活性剤を含むこともできる。
【0036】
本発明において使用できる該両性又は両性イオン性界面活性剤は、特に二級又は三級脂肪族アミン誘導体であり得、ここで該脂肪族基は、8〜22個の炭素原子を含み、少なくとも一つのアニオン性の基、例えばカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネート基を含む、直鎖又は分岐した鎖である。その例としては、特に(C8-C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8-C20)アルキルアミド(C6-C8)アルキルベタイン又は(C8-C20)アルキルアミド(C6-C8)アルキルスルホベタインを挙げることができる。
上記アミン誘導体としては、米国特許第2,528,378号及び同第2,781,354号に記載されており、CTFA辞典、第3版、1982においてアンホカルボキシグリシネート(Amphocarboxyglycinate)及びアンホカルボキシプロピオネート(Amphocarboxypropionate)なる名称の下に分類されており、以下の式(IV)及び(V)で表されるミラノール(MiranolTM)なる名称の下に市販されている製品を挙げることができる:
Ra-CONHCH2CH2-N(Rb)(Rc)(CH2COO-) (IV)
【0037】
ここで、
Raは、水解ココナッツ油中に存在する酸:Ra-COOHを由来とするアルキル基、ヘプチル、ノニル又はウンデシル基を表し;
Rbは、β-ヒドロキシエチル基を表し;及び
Rcは、カルボキシメチル基を表す;及び
Ra'-CONHCH2CH2-N(B)(B') (V)
ここで、
Bは、基:-CH2CH2OX'を表し;
B'は、基:-(CH2)z-Y'を表し、ここでz=1又は2であり;
X'は、基:-CH2CH2-COOH又は水素原子を表し;
Y'は、基:-COOH又は-CH2-CHOH-SO3Hを表し;
Ra'は、ココナッツ油又は水解亜麻仁油中に存在する酸:Ra'-COOHのアルキル基、アルキル基、特にC17アルキル基及びそのイソ型の不飽和C17アルキル基を表す。
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993において、2ナトリウムココアンホジアセテート、2ナトリウムラウロアンホジアセテート、2ナトリウムカプリルアンホジアセテート、2ナトリウムカプリルアンホジアセテート、2ナトリウムココアンホジプロピオネート、2ナトリウムラウロアンホジプロピオネート、2ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、2ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、ラウロアンホジプロピオン酸、ココアンホジプロピオン酸なる名称の下に分類されている。
【0038】
一例として、ロディア(Rhodia)社により、ミラノール(MiranolTM) C2Mコンセントレート(Concentrate)なる商品名の下に市販されているココアンホジアセテートを挙げることができる。
好ましく使用される上記両性又は両性イオン性界面活性剤は、(C8-20アルキル)ベタイン及び(C8-20アルキル)アミド(C6-8アルキル)ベタイン、及びこれらの混合物である。
これらが存在する場合、該両性又は両性イオン性界面活性剤の量は、好ましくは該組成物の全質量に対して、0.1〜15質量%なる範囲及びより好ましくは0.5〜10質量%なる範囲内にある。
本発明の化粧料組成物において使用できる追加のノニオン性界面活性剤の例は、例えばM.R.Porter,界面活性剤ハンドブック(Handbook of Surfactants),ブラッキー&サン(Blackie & Son)(グラスゴウ及びロンドン)刊,1991,pp.116-178に記載されている。これらは、特に、例えば8〜18個の炭素原子を含む脂肪鎖を持つ、ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化又はポリグリセロール化脂肪酸、(C1-C20)アルキルフェノール、α-ジオール又はアルコールから選択され、これらにおけるエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド基の数は、特に2〜50なる範囲内であり得、またグリセロール基の数は、特に2〜30なる範囲内であり得る。
【0039】
また、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドと脂肪アルコールとの縮合物;好ましくは2〜30個のエチレンオキサイド単位を含むポリエトキシル化脂肪アミド、平均1〜5及び特に1.5〜4のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド、2〜30個のエチレンオキサイド単位を含むソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル、スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、(C6-24アルキル)ポリグリコシド、N-(C6-24アルキル)グルカミン誘導体、アミンオキサイド、例えば(C10-C14)アルキルアミンオキサイド又はN-(C10-14アシル)アミノプロピルモルホリンオキサイドを挙げることも可能である。
これらが存在する場合、該追加のノニオン性界面活性剤の量は、該組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜20質量%なる範囲及びより好ましくは0.1〜10質量%なる範囲にある。
好ましくは、本発明の化粧料組成物における該界面活性剤の全量は、該化粧料組成物の全質量に対して、3〜50質量%なる範囲、より好ましくは5〜30質量%なる範囲及びより一層好ましくは8〜20質量%なる範囲にある。
本発明の化粧料組成物は、また1種又はそれ以上のカチオン性ポリマーを含むことができる。
【0040】
本発明の目的にとって、該用語「カチオン性ポリマー」とは、カチオン性の基及び/又はカチオン性の基にイオン化し得る基を含む任意のポリマーを表す。
本発明の組成物中に存在し得る該カチオン性ポリマーは、毛髪の化粧学的諸特性を改善するものとして、それ自体既に公知の任意のカチオン性ポリマー、即ち特に特許出願EP-A-337 354及びフランス特許FR-2 270 846号、同2 383 660号、同2 598 611号、同2 470 596号及び同2 519 863号において記載されているものから選択することができる。
好ましい該カチオン性ポリマーは、一級、二級、三級及び/又は四級アミノ基を含む単位を含有するカチオン性ポリマーから選択され、ここで該単位は、該ポリマーの主鎖を構成しても、また該主鎖に直接結合した側鎖置換基によって担持されていてもよい。
【0041】
使用する該カチオン性ポリマーは、一般的に約500〜5×106なる範囲及び好ましくは約103〜3×106なる範囲の数平均分子量を持つ。
より具体的に例示できる該カチオン性ポリマーは、ポリアミン、ポリアミノアミド及びポリ四級アンモニウム型のポリマーである。
これらは公知の製品である。これらは、特にフランス特許2505348号及び同2542997号に記載されている。該ポリマーとしては、以下に列挙するものから選択することができる:
(1) アクリル酸又はメタクリル酸エステルあるいはアミドから誘導され、かつ少なくとも一つの以下の一般式(VI)、(VII)、(VIIII)又は(IX)で示される単位を含む、ホモポリマー又はコポリマー:
【0042】
【化5】

【0043】
ここで、
R3は、同一又は異なっていてもよく、水素原子又はCH3基を表し;
Aは、同一又は異なっていてもよく、1〜6個、好ましくは2又は3個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基又は1〜4個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基を表し;
R4、R5及びR6は、同一又は異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を持つアルキル基又はベンジル基、及び好ましくは1〜6個の炭素原子を持つアルキル基を表し;
R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、水素原子又は1〜6個の炭素原子を持つアルキル基、及び好ましくはメチル又はエチル基を表し;
X-は、有機又は無機酸由来のアニオン、例えばメトサルフェート(methosulfate)アニオン又はハライドアニオン、例えばクロリド又はブロミドイオンを表す。
特に、エチルトリメチルアンモニウムメタクリレートクロリドホモポリマーを例示することができる。
この群(1)のポリマーは、1種又はそれ以上のコモノマー由来の単位をも含むことができ、該コモノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素原子において低級(C1-C4)アルキル基で置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸又はメタクリル酸又はそのエステル、ビニルラクタム、例えばビニルピロリドン又はビニルカプロラクタム、及びビニルエステルからなる群から選択することができる。
【0044】
従って、該群(1)のこれらポリマーとしては、以下に列挙するものを例示することができる:
・アクリルアミドと、ジメチルサルフェート又はジメチルハライドにより四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー、例えばハーキュルス(Hercules)社によりハーコフロック(Hercofloc)なる名称の下に市販されている製品;
・例えば、特許出願EP-A-080,976に記載されており、またチバガイギー(Ciba Geigy)社によりビナカット(Bina Quat) P100なる名称の下に市販されている、アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー;
・ハーキュルス社によりレテン(Reten)なる名称で市販されている、アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェートとのコポリマー;
・四級化された又は四級化されていない、ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートコポリマー、例えばISP社によりガフカット(Gafquat)なる名称の下に市販されている製品、例えばガフカット(Gafquat) 734又はガフカット(Gafquat) 755、又はコポリマー(Copolymer) 845、958及び937として知られている製品。これらのポリマーは、フランス特許第2,077,143号及び同第2,393,573号に詳しく記載されている;
・ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、例えばISP社によりガフィックス(Gaffix) VC713なる名称の下に市販されている製品;
・特に、ISP社によりスチレーゼ(Styleze) CC10なる名称の下に市販されている、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー;及び
・四級化されたビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、例えばISP社によりガフカット(Gafquat) HS100なる名称の下に市販されている製品;
【0045】
・メタクリロイルオキシ(C1-C4)アルキルトリ(C1-C4)アルキルアンモニウム塩の架橋ポリマー、例えば塩化メチルで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートのホモ重合により、あるいはアクリルアミド及び塩化メチルで四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合により得られるポリマー、ここでこれらのホモ重合又は共重合は、オレフィン系不飽和結合を含む化合物、特にメチレンビスアクリルアミドによる架橋を伴う。より具体的には、架橋されたアクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(質量比:20/80)を、50質量%の該コポリマーを含む鉱油分散液として使用することもできる。この分散液は、チバ社によりサルケア(SalcareTM) SC92なる名称の下に市販されている。架橋されたメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドホモポリマーを、約50質量%の該ホモポリマーを鉱油中又は液状エステル中に含む分散液として使用することも可能である。これらの分散液は、夫々、チバ社によりサルケア(SalcareTM) SC95及びサルケア(SalcareTM) SC96なる名称の下に市販されている。
【0046】
(2) 四級アンモニウム基を含み、フランス特許第1,492,597号に記載されている、セルロースエーテル誘導体、及び特にアマーコール(Amerchol)社によりユーケアポリマー(Ucare Polymer)「JR」(JR400、JR125及びJR 30M)又は「LR」(LR 400又はLR 30M)なる名称の下に市販されているポリマー。これらのポリマーは、またCTFA辞典において、トリメチルアンモニウム基により置換されたエポキシドと反応させた、ヒドロキシエチルセルロースの四級アンモニウムとして定義されている。
(3) 四級アンモニウムを含む水溶性モノマーでグラフトされ、また特に米国特許第4,131,576号に記載されているセルロースコポリマー又はセルロース誘導体、例えばヒドロキシアルキルセルロース、例えば、特にメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチルジアリルアンモニウム塩でグラフトされた、ヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-又はヒドロキシプロピル-セルロース。
この定義に相当する市販の製品は、より具体的には、ナショナルスターチ(National Starch)社により、セルカット(Celquat) L200及びセルカット(Celquat) H100なる名称の下に市販されている製品である。
【0047】
(4) 米国特許第3,589,578号及び同第4,031,307号においてより具体的に記載されているカチオン性グアーガム、例えばカチオン性トリアルキルアンモニウム基を含むグアーガム。例えば、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムの塩(例えば、塩化物)で変性されたグアーガムが使用される。
このような製品は、特にロディア(Rhodia)社によりジャガー(Jaguar) C13 S、ジャガー(Jaguar) C15、ジャガー(Jaguar) C17又はジャガー(Jaguar) C162なる商品名の下に市販されている。
(5) ピペラジニル単位、及び場合により酸素、硫黄又は窒素原子により、あるいは芳香族又はヘテロ環式リングによって分断されている、直鎖又は分岐鎖を含む二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基から形成されたポリマー、及びさらにはこれらポリマーの酸化及び/又は四級化生成物。このようなポリマーは、特にフランス特許第2,162,025号及び同第2,280,361号に記載されている。
【0048】
(6) 特に酸性化合物とポリアミンとの重縮合によって製造された水溶性ポリアミノアミド;これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジ-エポキシド、ジ-無水物、不飽和ジ-無水物、ビス-不飽和誘導体、ビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビス-アルキルハライドにより、又はビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビス-アルキルハライド、エピハロヒドリン、ジ-エポキシド又はビス-不飽和誘導体と反応性の二官能性化合物との反応により得られるオリゴマーによって架橋することができ;該架橋剤は、該ポリアミノアミドのアミノ基当たり0.025〜0.35モルなる範囲の割合で使用され;これらのポリアミノアミドは、アルキル化することができ、あるいはこれらが1又はそれ以上の三級アミノ官能基を含む場合には、これらは四級化することができる。このようなポリマーは、特にフランス特許第2,252,840号及び同第2,368,508号に記載されている。
(7) ポリアルキレンポリアミンと、ポリカルボン酸との縮合、これに続く二官能性試薬によるアルキル化によって得られるポリアミノアミド誘導体。その例としては、例えばアジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミンポリマーを挙げることができ、該ポリマーにおいて、該アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含み、また好ましくはメチル、エチル又はプロピル基を表す。このようなポリマーは、特にフランス特許第1,583,363号に記載されている。
【0049】
これらの誘導体として、より具体的には、サンドツ(Sandoz)社によりカルタレチン(Cartaretine) F、F4又はF8なる名称の下に市販されている、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンポリマーを挙げることができる。
(8) 2つの一級アミノ基及び少なくとも一つの二級アミノ基を含むポリアルキレンポリアミンと、ジグリコール酸及び3〜8個の炭素原子を持つ飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸との反応により得られるポリマー。該ポリアルキレンポリアミンと該ジカルボン酸との間のモル比は、0.8:1〜1.4:1なる範囲内にあり;これらから得られる該ポリアミノアミドは、0.5:1〜1.8:1なる範囲の、該ポリアミノアミドの二級アミノ基に対するエピクロルヒドリンのモル比にて、エピクロルヒドリンとの反応に付される。このようなポリマーは、米国特許第3,227,615号及び同第2,961,347号に記載されている。
この型のポリマーは、特にハーキュルス(Hercules)社によりハーコセット(Hercosett) 57、あるいはまたアジピン酸/エポキシプロピルジエチレントリアミンコポリマーの場合には、ハーキュルス社によりPD 170又はデルセット(Delsette) 101なる名称の下に市販されている。
(9) アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムの環状ポリマー、例えば該ポリマー連鎖の主構成成分として、以下の一般式(X)又は(XI)に相当する単位を含むホモポリマー又はコポリマー:
【0050】
【化6】

【0051】
ここで、k及びtは、0又は1に等しく、これらの和:k+tは、1に等しく;R9は、水素原子又はメチル基を表し;R7及びR8は、各々独立に、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基、アルキル基が、好ましくは1〜5個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、又は低級(C1-C4)アミドアルキル基を表し、あるいはR7及びR8は、これらが結合している窒素原子と共にヘテロ環式基、例えばピペリジル又はモルホリニルを表すことができ;R7及びR8は、各々独立に、好ましくは1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表し;Y-は、アニオン、例えばブロミド、クロリド、アセテート、ボレート、シトレート、タルタレート、ビサルフェート、ビスルフィット、サルフェート又はホスフェートアニオンである。これらポリマーは、特にフランス特許第2,080,759号及び追加の特許(Certificate of Addition)第2,190,406号に記載されている。
上で定義したポリマーとして、より具体的には、ナルコ(Nalco)社によりメルカット(Merquat) 100なる名称の下に市販されている、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(及びその低重量平均分子量を持つ同族体)、及びメルカット(Merquat) 550及びメルカット(Merquat) 7SPRなる名称の下に市販されている、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーを挙げることができる。
(10) 以下の式(XII)に相当する繰返し単位を含む四級ジアンモニウムポリマー:
【0052】
【化7】

【0053】
該一般式(XII)において、
R10、R11、R12及びR13は、同一又は異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を含む脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族基又は低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を表し、あるいはまたR10、R11、R12及びR13は、一緒に又は別々に、これらが結合している窒素原子と共に、場合により窒素原子以外の第二のヘテロ原子をも含むヘテロ環を構成し、あるいはまたR10、R11、R12及びR13は、ニトリル、エステル、アシル又はアミド基で置換された、直鎖又は分岐したC1-C6アルキル基又は基:-CO-O-R14-D又は-CO-NH-R14-Dを表し、ここでR14はアルキレン基を表し、またDは四級アンモニウム基であり;
A1及びB1は、2〜8個の炭素原子を含むポリメチレン基を表し、該基は直鎖又は分岐した、飽和又は不飽和の基であり得、また該基は、該主鎖と結合した又はこれに挿入された、1又はそれ以上の芳香族リング又は1又はそれ以上の酸素又は硫黄原子、又はスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、四級アンモニウム、ウレイド、アミド又はエステル基を含むことができ;また
X-は、無機又は有機酸由来のアニオンを表し;
【0054】
A1、R10及びR12は、これらが結合している2つの窒素原子と共に、ピペラジンリングを形成することができ;さらにA1が、直鎖又は分岐した、飽和又は不飽和のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基を表す場合、B1は、基:-(CH2)n-CO-D-OC-(CH2)n-を表すことができ、ここでDは、以下に列挙するものを表す:
a) 式:-O-Z-O-で示されるグリコール残基、ここでZは、直鎖又は分岐した炭化水素を基本とする基又は以下の式で示されるものの一つに対応する基を表し:
-(CH2-CH2-O)x-CH2-CH2-
-[CH2-CH(CH3)-O]y-CH2-CH(CH3)-
ここで、x及びyは、定義されたかつ固有の重合度に相当する、1〜4なる範囲の整数を表し、又は平均重合度に相当する1〜4なる範囲の任意の数を表し;
b) ビス-二級ジアミン残基、例えばピペラジン誘導体;
c) 式:-NH-Y-NH-で示されるビス-一級ジアミン残基、ここでYは直鎖又は分岐した炭化水素を基本とする基、あるいはまた以下の式で示される二価の基を表し:
-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-;
d) 式:-NH-CO-NH-で示されるウレイレン基。
【0055】
好ましくは、X-は、アニオン、例えばクロリド又はブロミドイオンである。
これらのポリマーは、一般的に1,000〜100,000なる範囲の数平均分子量を持つ。
この型のポリマーは、特にフランス特許第2 320 330号、同第2 270 846号、同第2 316 271号、同第2 336 434号及び同第2 413 907号、及び米国特許第2 273 780号、同第2 375 853号、同第2 388 614号、同第2 454 547号、同第3 206 462号、同第2 261 002号、同第2 271 378号、同第3 874 870号、同第4 001 432号、同第3 929 990号、同第3 966 904号、同第4 005 193号、同第4 025 617号、同第4 025 627号、同第4 025 653号、同第4 026 945号及び同第4 027 020号に記載されている。
より具体的には、以下の式(XIII)に相当する繰返し単位から形成されるポリマーを使用することも可能である:
【0056】
【化8】

【0057】
ここで、R10、R11、R12及びR13は、同一又は異なっていてもよく、約1〜4個の炭素原子を含むアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、n及びpは、約2〜8なる範囲内の整数であり、X-は、無機又は有機酸由来のアニオンである。該ポリマーの例としては、特にキメックス(Chimex)社により市販されているメキソマー(Mexomer) POを挙げることができる。
(11) 以下の式(XIV)で表される繰返し単位から形成されるポリ四級アンモニウムポリマー:
【0058】
【化9】

【0059】
ここで、pは約1〜6なる範囲の整数を表し;Dはなにも表さないか、あるいは基:-(CH2)r-CO-を表すことができ、ここでrは4〜7に等しい数を表し、またX-は、アニオンである。
このようなポリマーは、米国特許第4 157 388号、同第4 702 906号及び同第4 719 282号に記載されている方法に従って製造できる。これらは、特に特許出願EP-A-122 324に記載されている。
これら製品としては、ミラノール(Miranol)社によって市販されているミラポール(Mirapol) A 15、ミラポール(Mirapol) AD1、ミラポール(Mirapol) AZ1及びミラポール(Mirapol) 175を含む。
(12) ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの四級ポリマー、例えばバスフ(BASF)社によりルビカット(Luviquat) FC 905、FC 550及びFC 370なる名称の下に市販されている製品。これらポリマーは、また他のモノマー、例えばジアリルジアルキルアンモニウムハライドを含むこともできる。その例として、特にバスフ社によりルビカットセンセーション(Luviquat Sensation)なる名称の下に市販されている製品を挙げることができる。
【0060】
(13) ポリアミン、例えばヘンケル(Henkel)社により市販されているポリカート(Polyquart) H、これは、CTFA辞典においてポリエチレングリコール(15)タロウポリアミン(Polyethylene glycol (15) Tallow Polyamine)なる参考名の下に与えられている、又はオキシエチレン化(15 OE)ココナッツポリアミン。
本発明の趣旨において使用できる他のカチオン性ポリマーは、ポリアルキレンイミン、特にポリエチレンイミン、ビニルピリジン又はビニルピリジニウム単位を含むポリマー、ポリアミン及びエピクロルヒドリンの縮合物、四級ポリウレイレン及びキチン誘導体である。
本発明の趣旨において使用できる全てのカチオン性ポリマーの中で、上記群(1)、(2)、(4)、(9)、(10)及び(12)のポリマーを使用することが好ましい。
好ましくは、該カチオン性ポリマーは、カチオン性セルロース、カチオン性グアーガム及び場合により他のモノマーと組合された、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの四級ポリマーから選択される。
【0061】
より好ましくは、該カチオン性ポリマーは、ヒドロキシアルキルセルロース、例えば特にメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチルジアリルアンモニウム塩でグラフトされた、ヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-又はヒドロキシプロピル-セルロース、カチオン性グアーガム、及びさらにビニルピロリドン及びビニルイミダゾール及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマーから選択される。
本発明の組成物における該カチオン性ポリマーの含有率は、該組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%なる範囲、好ましくは該組成物の全質量に対して、0.1〜1質量%なる範囲及びより好ましくは0.15〜0.5質量%なる範囲の値であり得る。
本発明による化粧料組成物は、また1種又はそれ以上のシリコーン、好ましくはアミノシリコーンをも含むことができる。
本発明の目的にとって、該用語「アミノシリコーン」とは、少なくとも一つの一級、二級又は三級アミノ基若しくは四級アンモニウム基を含む任意のシリコーンを意味する。
本発明の化粧料組成物において使用し得る該アミノシリコーンは、以下に列挙するものから選択される:
(a) 以下の一般式(XV)に相当する化合物:
(R1)a(T)3-a-Si[OSi(T)2]n-[OSi(T)b(R1)2-b]m-OSi(T)3-a-(R1)a (XV)
該一般式(XV)において、
Tは水素原子又はフェニル基、ヒドロキシル基(-OH)又はC1-C8アルキル基、及び好ましくはメチル基、又はC1-C8アルコキシ基、好ましくはメトキシ基であり;
aは、0又は1〜3なる範囲の整数、及び好ましくは0を表し;
bは0又は1、及び特に1を表し;
【0062】
m及びnは、これらの和(n+m)を、特に1〜2000なる範囲及びとりわけ50〜150なる範囲とし得るような数であり、nは0〜1999なる範囲及び特に49〜149なる範囲の数を表すことができ、またmは1〜2000なる範囲及び特に1〜10なる範囲の数を表すことができ;
R1は、式:-CqH2qLで表される一価の基であり、ここで、qは2〜8なる範囲の数であり、またLは以下に列挙するものから選択される、場合に四級化されたアミノ基を表し:
-N(R2)-CH2-CH2-N(R2)2;
-N(R2)2;
-N+(R2)3Q-;
-N+(R2)(H)2Q-;
-N+(R2)2HQ-;
-N(R2)-CH2-CH2-N+(R2)(H)2Q-
これら一般式において、R2は、水素原子、フェニル基、ベンジル基又は飽和で一価の炭化水素を基本とする基、例えばC1-C20アルキル基を表すことができ、またQ-は、ハライドイオン、例えばフルオライド、クロライド、ブロマイド又はアイオダイドを表す。
特に、前記式(XV)の定義に対応するアミノシリコーンは、以下の一般式に対応する化合物から選択される:
【0063】
【化10】

【0064】
該一般式において、R、R'及びR"は、同一又は異なっていてもよく、C1-C4アルキル基、好ましくはCH3基、C1-C4アルコキシ基、好ましくはメトキシ基、又はOH基を表し;Aは、直鎖又は分岐した、C3-C8及び好ましくはC3-C6アルキレン基を表し;m及びnは、分子量に依存する整数であり、その和は1〜2,000なる範囲内にある。
第一の可能性によれば、R、R'及びR"は、同一又は異なっていてもよく、C1-C4アルキル基又はヒドロキシル基を表し、Aは、C3アルキレン基を表し、及びm及びnは、該化合物の重量平均分子量が、約5,000〜500,000なる範囲の値となるような値である。このような型の化合物は、CTFA辞典において、アモジメチコーン(amodimethicones)と称されている。
第二の可能性によれば、R、R'及びR"は、同一又は異なっていてもよく、C1-C4アルコキシ基又はヒドロキシル基を表し、該基R又はR"の少なくとも一つがアルコキシ基であり、またAは、C3アルキレン基を表す。この場合のヒドロキシル/アルコキシモル比は、好ましくは0.2/1〜0.4/1なる範囲及び有利には0.3/1に等しい。さらに、m及びnは、該化合物の重量平均分子量が、2,000〜106なる範囲の値となるような値である。より特定的には、nは0〜999なる範囲にあり、かつmは1〜1,000なる範囲にあり、これらm及びnの和は、1〜1,000なる範囲にある。
【0065】
この範疇の化合物においては、特にワッカー(Wacker)社により市販されている製品、ベルシル(BelsilTM) ADM652を挙げることができる。
第三の可能性によれば、R及びR"は異なっており、C1-C4アルコキシ基又はヒドロキシル基を表し、該基R又はR"の少なくとも一つはアルコキシ基であり、R'はメチル基を表し、またAは、C3アルキレン基を表す。この場合のヒドロキシル/アルコキシモル比は、好ましくは1/0.8〜1/1.1なる範囲及び有利には1/0.95に等しい。さらに、m及びnは、該化合物の重量平均分子量が、約2,000〜200,000なる範囲の値となるような値である。より特定的には、nは0〜999なる範囲にあり、かつmは1〜1,000なる範囲にあり、これらm及びnの和は、1〜1,000なる範囲にある。
より特定的には、ワッカー(Wacker)社により市販されている製品:フルード(Fluid) WRTM 1300を挙げることができる。
これらシリコーンの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(周囲温度、ポリスチレン標準物質;μスチラゲン(Styragem)カラム;溶離液:THF;流量:1mm/分;0.5質量%のシリコーンを含む溶液200μLを、THF中に注入し、検出は、UV屈折率測定法により行う)により測定する。
上記式(XV)の定義に相当する製品は、特にCTFA辞典において、「トリメチルシリルアモジメチコーン」として公知のポリマーであり、以下の一般式(XVIII)に相当するポリマーである:
【0066】
【化11】

【0067】
ここで、n及びmは、上記式(XV)に従って上に与えられた意味を持つ。
このような化合物は、例えばEP 95238に記載されており、上記式(XVIII)で表される化合物の一つは、例えばOSI社によりQ2-8220なる名称の下で市販されている。
(b) 以下の一般式(XIX)に相当する化合物:
【0068】
【化12】

【0069】
ここで、
R3は、一価のC1-C18炭化水素を基本とする基、及び特にC1-C18アルキル基、又はC2-C18アルケニル基、例えばメチル基を表し;
R4は、二価の炭化水素を基本とする基、特にC1-C18アルキレン基又は二価のC1-C18及び例えばC1-C8アルキレンオキシ基を表し;
Q-はハライドイオン、特にクロリドであり、
rは、2〜20なる範囲、及び特に2〜8なる範囲の統計的平均値を表し;
sは、20〜200なる範囲及び特に20〜50なる範囲の統計的平均値を表す。
このような化合物は、特許US 4,185,087においてより具体的に説明されている。
この群の中に含まれる化合物の一つは、ユニオンカーバイド社によりユーカーシリコーン(Ucar Silicone) ALE 56なる名称の下に市販されている製品である。
(c) 以下の一般式(XX)で表される四級アンモニウムシリコーン:
【0070】
【化13】

【0071】
ここで、
R7は、同一又は異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を含む一価の炭化水素を基本とする基を表し、また特にC1-C18アルキル基、C2-C18アルケニル基又は5又は6個の炭素原子を含むリング、例えばメチル基を表し;
R6は、二価の炭化水素を基本とする基、特にC1-C18アルキレン基又は、SiC結合を介してSiに結合した二価のC1-C18、例えばC1-C8アルキレンオキシ基を表し;
R8は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、1〜18個の炭素原子を含む一価の炭化水素を基本とする基、及び特にC1-C18アルキル基、C2-C18アルケニル基、又は基:-R6-NHCOR7を表し;
X-はアニオン、例えばハライドイオン、特にクロリド、又は有機酸塩(アセテート等)由来のアニオンであり;
rは、2〜200なる範囲及び特に5〜100なる範囲の統計的平均値を表す。
これらのシリコーンは、例えば特許出願EP-A-0,530,974に記載されている。
(d) 以下の一般式(XXI)で表されるアミノシリコーン:
【0072】
【化14】

【0073】
ここで、
R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なっていてもよく、C1-C4アルキル基又はフェニル基を表し;
R5は、C1-C4アルキル基又はヒドロキシル基を表し;
nは、1〜5なる範囲の整数であり;
mは、1〜5なる範囲の整数であり;及び
xは、該分子のアミノ価が、0.01〜1meq./gとなるように選択される。
前記用語「化粧学的に許容される媒体」とは、毛髪等のケラチン繊維と相溶性の媒体を意味する。
該化粧学的に許容される媒体は、水、又は水と1種又はそれ以上の化粧学的に許容される溶媒との混合物で構成され、ここで該化粧学的に許容される溶媒は、C1-C4低級アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、t-ブタノール又はn-ブタノール;ポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール;及びこれらの混合物から選択される。
本発明による組成物のpHは、一般的に3〜11なる範囲及び好ましくは5〜10なる範囲及びより一層好ましくは7〜10なる範囲内にある。
【0074】
本発明の組成物は、また当分野において周知の1種又はそれ以上の標準的な添加剤、例えば本発明で使用する上記ノニオン性増粘剤以外の、天然又は合成増粘剤又は粘度調節剤;C12-C30脂肪アルコール;セラミド;油状脂肪エステル、例えばイソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、セチルパルミテート及びステアリルステアレート;鉱物、植物又は合成油、例えばα-オレフィン又はパーム油;ビタミン又はプロビタミン;両性ポリマー;pH安定化剤、保存剤;非-アミノシリコーン;及び染料を含むことができる。
前記ノニオン性増粘剤(iii)以外の該増粘剤は、合成増粘剤、例えば架橋されたアクリル酸又はアクリルアミドプロパンスルホン酸ホモポリマー、例えばカーボマー(Carbomer)、アニオン性、カチオン性又は両性会合性ポリマー、例えばグッドリッチ(Goodrich)社によりペムレン(Pemulen) TR1又はTR2なる名称、チバ(Ciba)社によりサルケア(Salcare) SC90なる名称、ローム&ハース(Rohm & Haas)社によりアクリン(Aculyn) 22、28、33、44又は46なる名称及びアクゾ(Akzo)社によりエルファコス(Elfacos) T210及びT212なる名称の下で市販されているポリマーから選択することができる。
【0075】
当業者は、該随意の添加剤及びその量を、これらが本発明の組成物の諸特性を害さないように注意して選択するであろう。
これら添加剤は、一般的に、本発明の組成物の全質量に対して、0〜20質量%なる範囲の量にて、該組成物中に存在する。
好ましくは、本発明の化粧料組成物は、透明又は半透明であり、即ちこれらの組成物は、85%を越える、より好ましくは90%を越える及びより一層好ましくは94%を越える、600nmにおける光の透過を可能とする。
本発明の組成物は、毛髪を洗浄しまたコンディショニングするためのシャンプーとして使用することができ、また該組成物は、この場合には、湿潤した毛髪に、これらを洗浄するのに十分な量で適用され、また次いで随意の放置期間の経過後に、水でリンスすることによって、手でマッサージ又は摩擦することにより発生する泡は、除去することができる。このような作業は、1又はそれ以上の回数に渡り繰り返すことができる。
【0076】
本発明のもう一つの課題は、ケラチン繊維、例えば毛髪を処置するための化粧学的方法を提供することにあり、該方法は、上記の如き組成物の有効量を、該繊維に適用し、及び好ましくは随意の放置期間の経過後に該組成物を洗い流す工程を含む。
特に、該ケラチン繊維を処置するための化粧学的方法は、ケラチン繊維、特に毛髪を洗浄し及びコンディショニングするための方法である。
【実施例】
【0077】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものである。
実施例1
本発明による組成物(A)を、以下の表に示した成分から調製した。該成分の量は、該組成物の全質量に対する、与えられた形状にある各製品の質量%で表されている。
【0078】
【表1】

(1) ローム&ハース(Rohm & Haas)社によりカトン(Kathon) CGなる商品名の下に市販されている;
(2) エボニックゴールドシュミット(Evonik Goldschmidt)社により、アンチル141リキッド(Antil 141 Liquid)なる商品名の下に市販されている;
(3) KCI社によりポリカット(Polyquat) 400KCなる商品名の下に市販されている;
(4) ダウコーニング(Dow Corning)社によりDC 8556アミノフルード(Amino Fluid)なる商品名の下に市販されている;
(5) ダウコーニング(Dow Corning)社によりキシアメータ(Xiameter) OFS 6O11シラン(Silane)なる商品名の下に市販されている;
(6) ロディア(Rhodia)社によりミラテイン(Mirataine) BB/FLAなる商品名の下に市販されている;
(7) クロダ(Croda)社によりプロセチル(Procetyl) AWS-LQなる商品名の下に市販されている;
(8) カオウ(Kao)社によりアキポ(Akypo) RLM 45 CAなる商品名の下に市販されている;
(9) ハンツマン(Huntsman)社によりエンピラン(Empilan) CISなる商品名の下に市販されている;
(10) コグニス(Cognis)社によりテクサポン(Texapon) AOS 225UPなる商品名の下に市販されている。
【0079】
得られる組成物は、透明であり、かつ経時安定性を有していた。
シャンプーとして適用した場合に、この組成物(A)は、満足なスタイリング効果を与えた。特に、この組成物は、毛髪に量感、嵩及び満足できるソフトな感触を与えた。
実施例2
本発明の組成物(B)を、以下の表に示した成分から調製した。該成分の量は、該組成物の全質量に対する、与えられた形状にある各製品の質量%で表されている。
【0080】
【表2】

(1) ロンザ(Lonza)社によりグリダント(Glydant) LTDなる商品名の下で市販されている;
(2) ダウコーニング(Dow Corning)社によりキシアメータ(Xiameter) OFS 6O11シラン(Silane)なる商品名の下に市販されている;
(3) ロディア(Rhodia)社によりミラテイン(Mirataine) BB/FLAなる商品名の下に市販されている;
(4) ハマラッチケミカルズアレス(Hamalach Chemicals Arese)社によりケスコ(Kessco) PEG 6000DSなる商品名の下に市販されている;
(5) クラリアント(Clariant)社によりホスタポン(Hostapon) CTなる商品名の下に市販されている。
【0081】
この場合にも、透明で、しかも経時安定性を持つ組成物が得られた。
ヘアコンディショナーとして適用した場合、該組成物Bは、満足なスタイリング効果を与えた。特に、この組成物は、毛髪に量感及び嵩、またさらには満足できるソフトな感触を与えた。
実施例3
本発明の組成物(C)を、以下の表に示した成分から調製した。該成分の量は、該組成物の全質量に対する、与えられた形状にある各製品の質量%で表されている。
【0082】
【表3】

(1) ロディア(Rhodia)社によりジャガー(Jaguar) C13Sなる商品名の下に市販されている;
(2) ラブリゾール(Lubrizol)社によりカルボポール(Carbopol) 980なる商品名の下に市販されている;
(3) ダウコーニング(Dow Corning)社によりキシアメータ(Xiameter) OFS 6O11シラン(Silane)なる商品名の下に市販されている;
(4) ロディア(Rhodia)社によりミラテイン(Mirataine) BB/FLAなる商品名の下に市販されている;
(5) ハンツマン(Huntsman)社によりエンピラン(Empilan) CLSなる商品名の下に市販されている;
(6) コグニス(Cognis)社によりテクサポン(Texapon) AOS 225UPなる商品名の下に市販されている
【0083】
この場合にも、透明で、しかも経時安定性を持つ組成物が得られた。
この組成物(C)をシャンプーとして適用した場合、該組成物は、毛髪に量感及び嵩、またさらには満足できるソフトな感触を与えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪を洗浄及びコンディショニングするための化粧料組成物であって、化粧学的に許容される媒体中に、以下の成分:
(i) 該組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%なる範囲の、一個のケイ素原子を含むシラン及び2又は3個のケイ素原子を含むシロキサンから選択される、1種又はそれ以上のオルガノシリコン化合物、ここで該オルガノシリコン化合物は、また1分子当たり、1又はそれ以上の塩基性化学官能基及び1又はそれ以上のヒドロキシル基又は加水分解性の基をも含む;
(ii) 1種又はそれ以上のアニオン性界面活性剤;及び
(iii) 1種又はそれ以上のノニオン性増粘剤;
を含み、該化粧料組成物が、少なくとも5×10-4に等しい、該オルガノシリコン化合物と該アニオン性界面活性剤との間の質量比を持つ、前記化粧料組成物。
【請求項2】
前記オルガノシリコン化合物の塩基性化学官能基が、一級、二級及び三級アミノ基から選択される、請求項1記載の化粧料組成物。
【請求項3】
前記加水分解性の基が、アルコキシ基、アリールオキシ基及びハロゲン原子から選択される、請求項1又は2記載の化粧料組成物。
【請求項4】
前記オルガノシリコン化合物が、以下の一般式(I)及び(II)で表される化合物から選択される、請求項1〜3の何れか1項に記載の化粧料組成物:
【化1】

ここで、
R4は、ハロゲン原子又は基:OR'又はR'1を表し;
R5は、ハロゲン原子又は基:OR''又はR'2を表し;
R6は、ハロゲン原子又は基:OR'''又はR'3を表し;
R1、R2、R3、R'、R''、R'''、R'1、R'2及びR'3は、各々独立に、場合により付随的な化学基を持つ、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐した炭化水素を基本とする基を表し、R1、R2、R'、R''及びR'''は、また水素原子を表すことができ、また基:R4、R5及びR6の少なくとも2つは、夫々OR'、OR''及びOR'''を表し、基:R'、R''及びR'''の少なくとも2つは、水素原子以外の基であり;及び
【化2】

ここで、
R1、R2、R3、R5及びR6は、前記定義通りであり;
R'4は、ハロゲン原子又は基:OR11を表し;
R7は、ハロゲン原子又は基:OR10又はR''1を表し;
R9は、ハロゲン原子又は基:OR8、R''2又はR3NR1R2を表し;
R''1、R''2、R8、R10及びR11は、場合により追加の化学基を持つ、飽和又は不飽和で、直鎖又は分岐した炭化水素を基本とする基を表し、R11、R10及びR8は、また水素原子を表すこともでき;基:R6、R7及びR9の少なくとも一つは、ハロゲン原子又は基:OR'''、OR10又はOR8を表す。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤が、特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン又はアミノアルコール塩の形状にある、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート及びアルキルエーテルカルボキシレート、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜4の何れか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
前記ノニオン性増粘剤が、脂肪酸アミド、オキシアルキレン化脂肪酸エステル及びノニオン性増粘性ポリマー、又はこれらの混合物から選択される、請求項1〜5の何れか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項7】
前記脂肪酸アミドが、C2-C10アルカノールアミンとC14-C30脂肪酸とのアミドから選択され、該アルカノールアミン及び/又は該脂肪酸は、場合によりオキシエチレン化されており、またより一層好ましくは、該脂肪酸アミドが、C2-C10アルカノールアミンとC14-C22脂肪酸とのアミドから選択される、請求項6記載の化粧料組成物。
【請求項8】
前記ノニオン性増粘性ポリマーが、非-会合性ポリマー、及び特に多糖から選択される、請求項1〜7の何れか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項9】
ケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、例えば毛髪を処置するための化粧学的方法であって、請求項1〜8の何れか1項に記載の化粧料組成物を、該繊維に適用する工程、及び随意の放置期間の経過後に、該組成物を洗い流す工程を含むことを特徴とする、前記化粧学的方法。
【請求項10】
請求項1〜8の何れか1項に記載の組成物の、ケラチン繊維を清浄化し及びコンディショニングするための使用。

【公開番号】特開2011−132242(P2011−132242A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−294806(P2010−294806)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】