説明

少なくとも1種のコポリマー(A)及び少なくとも1種のコポリマー(B)を含む組成物並びに化粧料におけるその使用

【化1】


(A−1)少なくとも1種の一般式Y−NR−C(V)−NHR(式中の置換基は下記の意味を有する:Yはラジカル重合性のエチレン性不飽和基であり;VはO、S又はNHであり;R、Rは独立して、H若しくはC−C−アルキル基、又は一緒になって、2個までのC−C−アルコキシ基及び/又はヒドロキシル基で置換されていてもよい橋架けC−C−アルキレン基である)のエチレン性不飽和のフリーラジカル共重合可能なモノマー;と、(A−2)少なくとも1種の一般式X−C(O)CR=CHR(式中の置換基は下記の意味を有する:Xは基−OH、−OR、NH、−NHR、N(Rの群から選択され;基Rは同一でも異なってもよく、−H、C−C40直鎖若しくは分枝アルキル基、N,N−ジメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル又はエトキシプロピルからなる群から選択され;R及びRは独立して、−H、C−C直鎖若しくは分枝アルキル基、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシ及び2−エトキシエチルからなる群から選択される)の不飽和モノマー;とのコポリマー(A)、(B−1)少なくとも1種の一般式(III)のモノマー(式中、RはH、1〜8個のC原子を有するアルキルであり、R10はH、メチルであり、R11は場合によりC−C−アルキルで置換された1〜24個のC原子を有するアルキレンであり、R12、R13はC−C40−アルキル基であり、Zはx=1のときは窒素であるか又はx=0のときは酸素である);と、(B−2)少なくとも1種エチレン性不飽和モノマー;との少なくとも1種の他のコポリマー(B)((A)とは異なる)を含む組成物が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のコポリマー(A)及び少なくとも1種のコポリマー(B)を含む組成物、並びに化粧料におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料、特にオイル、クリーム又はローションに基づくものにとって、皮膚上での良好な感触、水の結合能及び吸収、稠度並びに浸透力のような特性は決定的なパラメーターである。これらの特性は、機械的な力の作用下の物理的挙動により影響を受ける。化粧料の流動学的プロフィールは上記特性にとって極めて重要である。
【0003】
流動学的プロフィールに影響を与えるために、例えば、水不溶性高分子増粘剤が化粧料に添加される。公知の増粘添加物の例は、脂肪アルコールエトキシル化物、脂肪酸アルキロールアミド、エトキシル化したグルコースエステル、エトキシル化した部分グリセリド又は塩化ナトリウムである。しかしながら、多すぎる塩化ナトリウムは脂肪アルコールエーテルスルフェートに基づく製剤において反対の効果を有し、その生成物は粘度がますます低くなり、極端な場合には相分離が生じる。
【0004】
別の増粘方法は、界面活性剤混合物の粘度上昇効果を利用することである。アルキルベタイン及びアルキルポリグリコシドは、少量の添加で、脂肪アルコールエーテルスルフェートに基づく製剤を増粘する。
【0005】
例えば、チューブからの使用に適するゲル特性を有する偽塑性生成物は、高分子ゲル形成剤、例えばポリアクリル酸、キサンタン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースの添加により得られる。
【0006】
EP 0 824 914 B1は、高分子レオロジー改変剤を含む増粘したボディーケア組成物を記載している。
【0007】
WO 97/36572は、少なくとも1種のシリコーン油及び増粘剤を含む化粧料であって、該増粘剤がシリコーン基及び他の官能基として例えば尿素基を含有するポリマーであるものを記載している。
【0008】
本発明の目的は、増粘剤として、特に化粧料における増粘剤として適する新規ポリマーを提供することである。特に興味深いものは、油相を含む化粧料であった。
【0009】
DE 34 43 964 A1及びDE 39 02 103 A1は、多相エマルジョンポリマーからなる水性光沢ペイントのための結合剤を記載している。これらは硬質コア材料及び軟質外殻材料からなる。ウレイド基を有するモノマーは外殻材料の組成に関与することができる。
【0010】
DE 39 02 555 A1は、10重量%までの重合性ウレイド化合物、例えば、N−メタクリルアミドメチレン尿素、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレン尿素、及びN−ビニルイミダゾールなどを含有し得る、プラスチック表面を塗装するための水性ポリアクリレート系を記載している。
【0011】
DE 39 02 067 A1は、ウレイド基を有するフリーラジカル重合性モノマーを含有し得るエマルジョンポリマーを含む、フィルム形成性の自己架橋性水性プラスチック分散液を記載している。これらの分散液はプラスチック表面の塗装に用いられる。
【0012】
DE 43 34 178 A1(= EP 722 477 A1、WO 95/09896 A1)は、ウレイド基を有するポリマー、及びポリアルデヒド化合物を含む水性ポリマー調製物を記載している。これらの調製物は基板(支持体)との増大した接着力、そしてまた増大した内部強度を有する塗膜の製造に用いられる。
【0013】
DE 100 41 680 A1は、モノマーとして5重量%までの尿素誘導体、例えば、N−(2−メタクリルオキシエチル)エチレン尿素又はN−(2−メタクリルオキシエチル)チオ尿素などを含み得る水性ポリマー分散液を記載している。これらの分散液は塗料組成物の結合剤として適しており、そして塗膜の高い光沢及び高い不粘着性を保証する。
【0014】
US 3,645,965は、イミダゾリジン−4−オンを混合した結果として、増大した光及び熱安定性を有する合成ポリマーを記載している。
【0015】
US 3,876,657は、1−置換イミダゾリジン−2−オンの製造、並びにポリマー及びコポリマーのためのモノマーとしてのこれらの化合物の使用を記載している。
【0016】
US 5,852,123は、尿素又はイミド基を含むグラフトポリマー、及び顔料を分散するためのこれらのグラフトポリマーの使用を記載している。これらのポリマーは、2〜97重量%のエチレン性不飽和モノマーのポリマーの幹、97〜2重量%の該幹に末端エチレン性不飽和基を介してグラフトしたマクロマー、及び少なくとも1重量%のイミド基及び/又は尿素基を含有する分散剤からなる。
【0017】
US 5,972,431は、表面張力を低下するために環状尿素誘導体を含む塗料組成物、インキ及び農薬組成物のための水性調製物を記載している。
【0018】
EP 0 124 713 B1は、イミダゾリジノンモノマー、そしてまた、これらのモノマー及びエチレン性不飽和モノマーのポリマー、そしてまた、不織布のためのホルムアルデヒド不含の結合剤としてのこれらのポリマーの使用を記載している。
【0019】
EP 0 609 793 A2は、フィルム形成性水性ポリマー分散液及び架橋成分を含む水生結合剤を記載している。このポリマー分散液は、側鎖アルキレン尿素基を有するエチレン性不飽和のフリーラジカル重合性モノマーの重合した単位とのエマルジョンポリマーである。この架橋成分は多官能性アルデヒドからなる。
【0020】
EP 1 000 610 A1(DE 19850363)は、エチレン尿素の誘導体が結合したポリマーの化粧品における使用及び毛髪セッティングポリマーとしての使用を記載している。
【0021】
本発明は、(A−1)少なくとも1種の式(I):
Y−NR−C(V)−NHR (I)
(式中の置換基は下記の意味を有する:
Yはフリーラジカル重合が可能であるエチレン性不飽和基であり、
VはO、S又はNHであり
、Rは互いに独立して、H若しくはC−C−アルキル基、又は両者が一緒になって、2個までのC−C−アルコキシ基及び/又はヒドロキシル基で置換されていてもよい橋架けC−C−アルキレン基である。)
のエチレン性不飽和のフリーラジカル共重合可能(ethylenically unsubstituted, free-radically copolymerizable)なモノマー;
と、
(A−2)少なくとも1種の式(II):
X−C(O)CR=CHR (II)
(式中の置換基は下記の意味を有する:
Xは基−OH、−OR、NH、−NHR、N(Rの群から選択され;
基Rは同一でも異なってもよく、−H、C−C40直鎖若しくは分枝アルキル基、N,N−ジメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル又はエトキシプロピルからなる群から選択され;
及びRは互いに独立して、−H、C−C直鎖若しくは分枝アルキル基、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシ及び2−エトキシエチルからなる群から選択される。)
の不飽和モノマー;
とのコポリマー(A)
及び、
(B−1)少なくとも1種の式(III):
【化1】

【0022】
(式中、
はH、1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、
10はH、メチルであり、
11は場合によりC−C−アルキルで置換された1〜24個の炭素原子を有するアルキレンであり、
12、R13はC−C40−アルキル基であり、
Zは、x=1のときは窒素であるか又はx=0のときは酸素である。)
のモノマー;
と、
(B−2)少なくとも1種エチレン性不飽和モノマー;
との、(A)とは異なる少なくとも1種の他のコポリマー(B)
を含む組成物を提供する。
【0023】
モノマー(A−1)として好適なものは、特に、V=Oである化合物、いわゆるウレイド(ureido)化合物である。
【0024】
モノマー(A−1)として好適なものは、V=Sである化合物、いわゆるチオウレイド化合物である。
【0025】
モノマー(A−1)として好適なものは、V=NHである化合物、いわゆるグアニジノ化合物である。
【0026】
好ましい実施形態において、少なくとも1種の式(Ia)の化合物
【化2】

【0027】
(式中、Aは場合によりカルボニル基を有する2員又は3員のアルキレン基である)がモノマー(A−1)として用いられる。
【0028】
Aが置換されていない2員のアルキレン基である式(Ia)の化合物が特に好ましい。
【0029】
V=Oである式(Ia)の化合物が特に好ましい。
【0030】
好ましい実施形態において、R及びRは一緒になって、場合により置換された架橋C2アルキレン基を形成する。
【0031】
Aが置換されていない2員のアルキレン基であり、そしてV=Oである式(Ia)の化合物が特に好ましい。
【0032】
好ましい実施形態において、少なくとも1種の式(Ib)の化合物
【化3】

【0033】
(式中、R及びRは互いに独立して、H、−OH、−NH、C−C−アルキルである)がモノマー(A−1)として用いられる。
【0034】
V=Oである式(Ib)の化合物が特に好ましい。
【0035】
及びR=Hである式(Ib)の化合物が特に好ましい。
【0036】
V=Oであり、R及びR=Hであり、そしてY=CH=C(CH)−CO−O−(CH−である式(Ib)の化合物が特に好ましい。
【0037】
V=Sであり、R及びR=Hであり、そしてY=CH=C(CH)−CO−O−(CH−である式(Ib)の化合物が特に好ましい。
【0038】
V=NHであり、R及びR=Hであり、そしてY=CH=C(CH)−CO−O−(CH−である式(Ib)の化合物(=ウレイドメタクリレート)が特に好ましい。
【0039】
式(I)におけるYとしては、フリーラジカル重合が可能である全てのエチレン性不飽和(ethylenically unsubstituted)基が適している。
【0040】
本発明の好ましい実施形態において、用いられるエチレン性不飽和基Yは、下記式(IV)の基
Yは、CH=CR−CO−W−(CH− (IV)
であり、式中、
はH、CHであり、
WはO、NHであり、
nは2〜8、特に2〜4である。
【0041】
挙げることのできるYの例は、下記のものである:
CH=CH−CO−O−(CH−;CH=CH−CO−NH−(CH−;
CH=C(CH)−CO−O−(CH−;
CH=C(CH)−CO−NH−(CH−;
CH=CH−CO−O−(CH−;CH=CH−CO−NH−(CH−;
CH=C(CH)−CO−O−(CH−;
CH=C(CH)−CO−NH−(CH−;
CH=CH−CO−O−(CH−;CH=CH−CO−NH−(CH−;
CH=C(CH)−CO−O−(CH−;
CH=C(CH)−CO−NH−(CH−。
【0042】
Yは、特に好ましくはCH=C(CH)−CO−O−(CH−である。
【0043】
及びR、R、R、R、R、Rは、互いに独立して、水素、分枝又は非分枝C−C−アルキル鎖、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−エチルヘキシル及びn−オクチルであってよい。
【0044】
モノマー(A−2)として好適なものは、式(II)のモノマー
X−C(O)CR=CHR (II)
であり、式中の置換基は下記の意味を有する:
Xは基−OH、−OR、NH、−NHR、N(Rの群から選択され;
基Rは同一でも異なってもよく、−H、C−C40直鎖若しくは分枝アルキル基、N,N−ジメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル又はエトキシプロピルからなる群から選択され;
及びRは互いに独立して、−H、C−C直鎖若しくは分枝アルキル基、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシ及び2−エトキシエチルからなる群から選択される。
【0045】
代表的ではあるが非限定的である好適なモノマー(A−2)の例は、例えば、アクリル酸並びにそのエステル及びアミドである。
【0046】
エステルは、C−C40直鎖、C−C40分枝若しくはC−C40炭素環状のアルコールから、2個〜約8個のヒドロキシル基を有する多官能性アルコール、例えばエチレングリコール、へキシレングリコール、グリセロール、及び1,2,6−ヘキサントリオールから、アミノアルコールから、又はアルコールエーテル、例えばメトキシエタノール及びエトキシエタノール若しくはポリエチレングリコールから、誘導することができる。
【0047】
同様に使用できるモノマー(A−2)は、置換されたアクリル酸並びにそのエステル及びアミドであって、炭素原子上の該置換基がアクリル酸の2つ又は3つの位置にあり、そして互いに独立して、C−C−アルキル、−CN、COOHからなる群から選択されるもの、特に好ましくはメタクリル酸、エタクリル酸及び3−シアノアクリル酸である。これらの置換されたアクリル酸のこれらのエステル及びアミドは、アクリル酸のエステル及びアミドについて上記で説明したように選択することができる。
【0048】
特に好適なモノマー(A−2)は、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、メチルエタクリレート、エチルエタクリレート、n−ブチルエタクリレート、イソブチルエタクリレート、t−ブチルエタクリレート、2−エチルヘキシルエタクリレート、デシルエタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルエタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−メトキシエチルエタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルエタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレート、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、不飽和スルホン酸、例えば、アクリルアミドプロパンスルホン酸などであり;
モノマー(A−2)として同様に好適なものは、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸無水物及びその半エステル、クロトン酸、イタコン酸である。
【0049】
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸無水物及びその半エステル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、不飽和スルホン酸、例えば、アクリルアミドプロパンスルホン酸など、及びN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドが特に好ましい。
【0050】
特に好適なモノマー(A−2)は、n−ブチルアクリレート、アクリル酸及び/又はステアリルメタクリレートである。
【0051】
及びR12、R13は互いに独立して、分枝又は非分枝C−C40アルキル基、好ましくは分枝又は非分枝C−C20アルキル基であってよい。
【0052】
好適なモノマー(B−1)は、式(III)のモノマー
【化4】

【0053】
であり、式中、
はH、1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、
10はH、メチルであり、
11は場合によりC−C−アルキルで置換された1〜24個の炭素原子を有するアルキレンであり、
12、R13はC−C40−アルキル基であり、
Zはx=1のときは窒素であるか又はx=0のときは酸素であり、
xは0である。
【0054】
アミドは、置換されていなくてもよく、N−アルキル若しくはN−アルキルアミノで一置換されていてもよく、又はN,N−ジアルキルで置換されていてもよく若しくはN,N−ジアルキルアミノで二置換されていてもよく、ここで、該アルキル又はアルキルアミノ基はC−C40直鎖、C−C40分枝、又はC−C40炭素環状の単位から誘導される。加えて、アルキルアミノ基は四級化されていてもよい。
【0055】
同様に使用できるモノマー(E)は、置換されたアクリル酸、並びにそのエステル及びアミドであって、炭素原子上の該置換基がアクリル酸の2つ又は3つの位置にあリ、そして互いに独立して、C−C−アルキル、CN、COOHからなる群から選択されるもの、特に好ましくはメタクリル酸、エタクリル酸及び3−シアノアクリル酸である。これらの置換されたアクリル酸のこれらのエステル及びアミドは、アクリル酸のエステル及びアミドについて上記で説明したように選択することができる。
【0056】
モノマー(B−1)としては、以下の群から選択される1種以上のモノマーを用いることが特に好ましい:N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート。
【0057】
特に好ましい実施形態において、用いられるモノマー(B−1)はN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートである。
【0058】
使用できる好適な共重合性モノマー(B−2)は、好ましくはエチレン性不飽和モノマーである。これに関して、個々のモノマー又は2種以上のモノマーの組み合わせの何れを使用することも可能である。共重合性とは、用いられるモノマーが従来の任意の合成方法を用いて重合可能であることを意味する。
【0059】
例えば、これらの方法は、溶液重合、乳化重合、逆乳化重合(inverse emulsion polymerization)、懸濁重合、逆懸濁重合(inverse suspension polymerization)又は沈殿重合(precipitation polymerization)であってよいが、それに使用できる方法を限定するものではない。溶液重合において、水又は慣用の有機溶剤を溶剤として用いることができる。溶融物中での製造も可能である。
【0060】
フリーラジカルによる反応の開始によって重合可能であるモノマーが好ましい。エチレン性不飽和という用語は、モノマーが、一、二、三又は四置換されていてもよい少なくとも1個の重合性炭素−炭素二重結合を有することを意味する。
【0061】
原則として、(A−1)及び(A−2)として挙げた全てのモノマーは、それらが(B−1)とは異なる限り、適している。
【0062】
好ましい実施形態において、用いられるコポリマー(A)は、少なくとも1種のモノマー(A−1)と少なくとも2種のモノマー(A−2)とのコポリマーである。
【0063】
好ましい実施形態において、用いられるコポリマー(A)は、少なくとも1種のモノマー(A−1)と少なくとも2種のモノマー(A−2)とのコポリマーであって、該モノマー(A−2)がn−ブチルアクリレート、アクリル酸及び/又はステアリルメタクリレートからなる群から選択されるものである。
【0064】
好ましい実施形態において、用いられるコポリマー(A)は、ウレイドメタクリレートをモノマー(A−1)として選択し、そしてn−ブチルアクリレート、アクリル酸及び/又はステアリルメタクリレートからなる群からの少なくとも1種のモノマーをモノマー(A−2)として選択したコポリマーである。
【0065】
本発明の好ましい実施形態において、用いられるコポリマー(A)は、少なくとも1種のモノマー(A−1)と少なくとも2種のモノマー(A−2)とのコポリマーである。
【0066】
好ましい実施形態において、用いられるコポリマー(A)は、ウレイドメタクリレートをモノマー(A−1)として選択し、そしてn−ブチルアクリレート、アクリル酸及び/又はステアリルメタクリレートからなる群からの少なくとも2種のモノマーをモノマー(A−2)として選択したコポリマーである。
【0067】
好ましい実施形態において、用いられるコポリマー(B)は、少なくとも1種のモノマー(B−1)と少なくとも2種のモノマー(B−2)とのコポリマーである。
【0068】
好ましい実施形態において、用いられるコポリマー(B)は、モノマー(B−1)としてのN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)クリレートと少なくとも1種の他のモノマー(B−2)とのコポリマーである。
【0069】
好ましい実施形態において、用いられるコポリマー(B)は、モノマー(B−1)としてのN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)クリレートとにn−ブチルアクリレート及びウレイドメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマー(B−2)とのコポリマーである。
【0070】
好ましい実施形態において、コポリマー(A)とコポリマー(B)とのモル比は、1:10〜10:1の範囲、特に1:5〜5:1の範囲にあるように選択される。
【0071】
本発明はさらに、
(B−1)少なくとも1種の式(III)のモノマー
【化5】

【0072】
(式中、
はH、1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、
10はH、メチルであり、
11は場合によりC−C−アルキルで置換された1〜24個の炭素原子を有するアルキレンであり、
12、R13はC−C40−アルキル基であり、
Zはx=1のときは窒素であるか又はx=0のときは酸素である)、
及び
(B−2)少なくとも1種エチレン性不飽和モノマー
のコポリマー(B)を提供する。
【0073】
コポリマー(B)は化粧料における使用に適している。コポリマー(B)は増粘剤として適している。それらは化粧料における増粘剤として特に適している。
【0074】
本発明に係る調製物は増粘剤として適している。本発明はさらに、1〜30重量%、特に5〜25重量%、好ましくは8〜20重量%の請求項1に記載の組成物を、増粘すべき調製物に添加する、化粧料の増粘方法を提供する。
【0075】
本発明に係る調製物は、化粧料、特に毛髪化粧料に有利に用いることができる。
【0076】
化粧料という用語は、広義に理解すべきであり、そして皮膚及び/又は毛髪及び/又は爪への適用に適しており、かつ純粋に医療−治療の目的以外の目的を有する全ての調製物を意味する。
【0077】
本発明に係る調製物は、皮膚化粧料に用いることができる。
【0078】
例えば、本発明に係る調製物は、皮膚のクレンジングのための化粧品組成物に用いられる。このような化粧クレンジング組成物は、棒石鹸、例えば化粧石鹸、カード石鹸、透明石鹸、ラグジャリー石鹸、消臭石鹸、クリーム石鹸、ベビー石鹸、皮膚保護石鹸、剥離石鹸及び合成石鹸、液体石鹸、例えばペースト状石鹸、軟石鹸及び洗浄ペースト、並びに液状の洗浄用、シャワー用及び浴用調製物、例えば洗浄ローション、シャワー浴剤及びシャワー用ゲル、泡浴剤、オイル浴剤及びスクラブ調製物である。
【0079】
好ましくは、本発明に係る調製物は皮膚の手入れ(スキンケア)及び保護のための組成物、爪のケア組成物、並びに装飾化粧品のための調製物に使用される。
【0080】
スキンケア組成物、入念ケア組成物、フットケア組成物、消臭剤、光保護組成物、撥水剤、シェービング組成物、脱毛組成物、抗アクネ組成物、メイキャップ、マスカラ、リップスティック、アイシャドー、コールペンシル、アイライナー、頬紅、白粉及びアイブローペンシルに使用することが特に好ましい。
【0081】
スキンケア組成物は、特にW/O型又はO/W型のスキンクリーム、昼用及び夜用クリーム、アイクリーム、フェースクリーム、ウィンクル(しわ)防止クリーム、加湿クリーム、美白クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローション及び加湿ローションの形で使用される。
【0082】
化粧料において、本発明に係る調製物は、特別の効果を発揮することができる。該調製物は、特に皮膚の加湿及びコンディショニング並びに皮膚の感触の改善に寄与することができる。該調製物は、製剤の増粘剤として作用することもできる。本発明に係る調製物を添加した結果として、一定の製剤において、皮膚の適合性の著しい改善を達成することができる。
【0083】
本発明に係る調製物は、皮膚化粧料中に、組成物の全重量に対して約0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、実に特に好ましくは0.1〜5重量%の量で存在する。
【0084】
使用分野に応じて、本発明に係る組成物はスキンケアに適する形態、例えばクリーム、フォーム、ゲル、ペンシル、粉末、ムース、乳液又はローションなどの形態で使用することができる。
【0085】
本発明に係る調製物及び好適な溶剤のほかに、皮膚化粧料は、化粧品に慣用される添加物、例えば乳化剤、保存剤、香油、化粧品活性成分、例えばフィタントリオール(phytantriol)、ビタミンA、E及びC、レチノール、ビスアボロール(bisabolol)、パンテノール、光保護剤、美白剤、着色剤、色調付与剤、日焼け剤(例えば、ジヒドロキシアセトン)、コラーゲン、タンパク質加水分解物、安定剤、pH調節剤、染料、塩、増粘剤、ゲル形成剤、粘度付与剤(bodying)剤、シリコーン、保湿剤、再加脂(refatting)剤及び他の慣用添加物を含むこともできる。
【0086】
好適な溶剤は、特に、水及び1〜6個の炭素原子を有する低級モノアルコール若しくはポリオール又はそれらの混合物であり;好ましいモノアルコール又はポリオールはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール及びソルビトールである。
【0087】
存在してもよい他の慣用添加物は、脂肪質物質、例えば鉱油及び合成油、例えばパラフィン、シリコーン及び8個を超える炭素原子を有する脂肪族炭化水素など、動物油及び植物油、例えばヒマワリ油、ヤシ油、アボカド油、オリーブ油、ラノリンなど、又はワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、例えばC−C30−脂肪酸のトリグリセリドなど、ワックスエステル、例えばツゲ(jojoba)油など、脂肪アルコール、ワセリン、水素化ラノリン及びアセチル化ラノリンである。それらの混合物も使用可能であることは当然である。
【0088】
このような製剤における慣用の増粘剤は、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、多糖、例えばキサンタンゴムなど、寒天、アルギネート又はチロース、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシカルボキシメチルセルロース、脂肪アルコール、モノグリセリド及び脂肪酸、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンである。
【0089】
本発明に係る調製物は、特定の特性を設定すべき場合には、従来のポリマーと混合することもできる。
【0090】
好適な従来のポリマーは、例えば、陰イオン、陽イオン、両性及び中性ポリマーである。
【0091】
陰イオンポリマーの例は、アクリル酸又はメタクリル酸又はその塩のホモポリマー及びコポリマー、アクリル酸及びアクリルアミド及びその塩のコポリマー;ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、水溶性又は水分散性のポリエステル、ポリウレタン及びポリ尿素である。特に好適なホモポリマーは、t−ブチルアクリレート、エチルアクリレート及びメタクリル酸のコポリマー(例えば、Luvimer(商標) 100P)、エチルアクリレート及びメタクリル酸のコポリマー(例えば、Luvimer(商標) MAE)、N−tert−ブチルアクリルアミド、エチルアクリレート、アクリル酸のコポリマー(例えば、Ultrahold(商標) 8、強)、ビニルアセテート、クロトン酸及び場合により他のビニルエステルのコポリマー(例えば、Luviset(商標) 商標名)、場合によりアルコールと反応させた無水マレイン酸コポリマー、陰イオンポリシロキサン、例えばビニルピロリドン、t−ブチルアクリレート、メタクリル酸のカルボキシ官能性コポリマー(例えば、Luviskol(商標) VBM)、アクリル酸及びメタクリル酸と疎水性モノマー、例えばメタ(アクリル酸)のC−C30−アルキルエステル、C−C30−アルキルビニルエステル、C−C30−アルキルビニルエーテル及びヒアルロン酸などとのコポリマーである。
【0092】
他の好適なポリマーは、INCI名称ポリクォーターニウム(Polyquaternium)を有する陽イオンポリマー、例えばビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(商標)、FCLuviquat(商標) HM、Luviquat(商標) MS、Luviquat(商標) Care)、硫酸ジエチルで四級化したN−ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Luviquat(商標) PQ 11)、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(商標) Hold);陽イオンセルロース誘導体(ポリクォーターニウム−4及び−10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクォーターニウム−7)及びキトサンである。
【0093】
また、好適な他のポリマーは、中性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン及びビニルアセテート及び/又はビニルプロピオネートのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム、及びN−ビニルピロリドンを含むコポリマー、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリビニルアミン及びその塩、セルロース誘導体、ポリアスパラギン酸塩及び誘導体である。
【0094】
一定の特性を設定するために、調製物はシリコーン化合物に基づくコンディショニング物質をさらに含むこともできる。好適なシリコーン化合物は、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン又はシリコーン樹脂である。
【0095】
本発明に係るコポリマーは、当業者によく知られた通例により製造される化粧料に使用される。
【0096】
このような製剤はエマルジョンの形態、好ましくは油中水滴(W/O)型又は水中油滴(O/W)型エマルジョンの形態であることが有利である。しかしながら、本発明によれば、他の型の製剤、例えばヒドロ分散液、ゲル、オイル、含油ゲル、多相エマルジョン、例えばW/O/W型又はO/W/O型エマルジョン、無水軟膏又は軟膏基剤などを選択することも可能であり、かつある場合に有利である。
【0097】
本発明により使用できるエマルジョンは、公知方法により製造される。
【0098】
本発明に係る共重合のほかに、エマルジョンは慣用成分、例えば脂肪アルコール、脂肪酸エステル及び特に脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸、ラノリン及びその誘導体、天然若しくは合成の油又はワックス、並びに乳化剤を、水の存在下に含む。
【0099】
エマルジョンの型及び好適なエマルジョンの製造に対して特定の添加物の選択は、例えば、Schrader,Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika[Fundamentals and Formulations of Cosmetics],Huethig Buch Verlag,Heidelberg,2版,1989,3部に記載されており、これは明確に参照される。
【0100】
従って、本発明により使用できるスキンクリームは、W/O型エマルジョンの形態にあってよい。この型のエマルジョンは、好適な乳化剤系により油相又は脂肪相中に乳化された水性相を含む。
【0101】
この型のエマルジョン中の乳化剤系の濃度は、エマルジョンの全重量に対して約4〜35重量%であり;それぞれの場合にエマルジョンの全重量に対して、脂肪相は約20〜60重量%を占め、水性相は約20〜70重量%を占める。乳化剤は、この型のエマルジョンに慣用されるものである。それらは、例えば以下のものから選択される:C12−C18−ソルビタン脂肪酸エステル;ヒドロキシステアリン酸及びC12−C30−脂肪アルコールのエステル;C12−C18−脂肪酸及びグリセロール又はポリグリセロールのモノ−及びジエステル;エチレンオキシド及びプロピレングリコールの縮合物;オキシプロピレン化/オキシエチレン化したC12−C20−脂肪アルコール;多環式アルコール、例えばステロール;高分子量の脂肪族アルコール、例えばラノリン;オキシプロピレン化/ポリグリセロール化したアルコール及びイソステアリン酸マグネシウムの混合物;ポリオキシエチレン化又はポリオキシプロピレン化した脂肪アルコールのコハク酸エステル;並びにラノリン酸マグネシウム、カルシウム、リチウム、亜鉛又はアルミニウム及び水素化ラノリン又はラノリンアルコールの混合物。
【0102】
エマルジョンの脂肪相中に存在できる好適な脂肪成分は、炭化水素油、例えばパラフィン油、パーセリン(purcellin)油、パーヒドロスクワレン及びこれらの油中の微結晶性ワックスの溶液;動物油及び植物油、例えばスイートアーモンド油、アボカド油、カロフィルム(calophylum)油、ラノリン油及びその誘導体、ヒマシ油、ゴマ油、オリーブ油、ツゲ油、カリテ(karite)油、ホプロステタス(hoplostethus)油;大気圧での蒸留開始点が約250℃であり、蒸留終点が410℃である鉱油、例えばワセリン油など;飽和又は不飽和脂肪酸のエステル、例えばアルキルミリステート、例えばイソプロピル、ブチル又はセチルミリステート、ヘキサデシルステアレート、エチル又はイソプロピルパルミテート、オクタン酸又はデカン酸トリグリセリド及びセチルリシノレートを包含する。
【0103】
脂肪相は、他の油に溶解するシリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、並びにシリコーングリコールコポリマー、脂肪酸及び脂肪アルコールを含むこともできる。
【0104】
油の保持を助成するために、ワックス、例えばカルナウバ蝋、キャンデリラ蝋、蜜蝋、微結晶性ワックス、オゾケライト(ozokerite)蝋など、並びにオレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸及びステアリン酸Ca、Mg及びAlを使用することも可能である。
【0105】
一般的に、これらの油中水型エマルジョンは、脂肪相及び乳化剤をバッチ容器に添加することにより製造される。後者を70〜75℃の温度で加熱し、次いで油溶性成分を添加し、予め同じ温度に加熱され、かつ予め水溶性成分が溶解されている水を攪拌しながら添加し;この混合物を所望の細末度が達成されるまで攪拌し、次いで適切ならば、これを少ない攪拌量で室温まで放冷する。
【0106】
加えて、本発明に係るケアエマルジョンはO/W型エマルジョンの形態にあってよい。このようなエマルジョンは一般的に、油相、水相中の該油相を安定化する乳化剤、及び一般的に濃縮した形態で存在する水性相を含む。
【0107】
本発明に係る調製物のO/W型エマルジョンの水性相は、場合により下記のものを含む:
−アルコール、ジオール又はポリオール及びそのエステル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコールモノエチルエーテル;
−慣用の増粘剤又はゲル形成剤、例えば、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、多糖、例えばキサンタンゴム又はアルギネート、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシカルボキシメチルセルロース、脂肪アルコール、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンなど。
【0108】
油相は、化粧品に慣用される油成分、例えば下記のようなものを含む:
−飽和及び/又は不飽和の分枝及び/又は非分枝C−C30−アルカンカルボン酸と飽和及び/又は不飽和の分枝及び/又は非分枝C−C30−アルコールとの、芳香族カルボン酸と飽和及び/又は不飽和の分枝及び/又は非分枝C−C30−アルコールとのエステル、例えばイソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、ヘキシルデシルステアレート、オレイルオレエート;そしてまた、このようなエステルの合成、半合成及び天然の混合物、例えばツゲ油;
−分枝及び/又は非分枝炭化水素及び炭化水素ワックス;
−シリコーン油、例えばシクロメチコーン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びそれらの混合物;
−ジアルキルエーテル;
−鉱油及び鉱蝋;
−飽和及び/又は不飽和の分枝及び/又は非分枝C−C24−アルカンカルボン酸のトリグリセリド;それらは合成、半合成若しくは天然の油、例えばオリーブ油、パーム油、アーモンド油又は混合物から選択することができる。
【0109】
好適な乳化剤は、好ましくはO/W型乳化剤、例えばポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル又は部分エステル化したグリセリドである。
【0110】
製造は、油相を約80℃で溶融することにより行うことができる;水溶性成分を熱水に溶解し、該油相に徐々に攪拌しながら添加し;均質化し、冷却するまで攪拌する。
【0111】
本発明に係るポリマーは、洗浄用及びシャワー用ゲル調製物並びに浴用調製物に使用するためにも適している。
【0112】
本発明に係るポリマーのほかに、このような製剤は一般的に、基礎界面活性剤として陰イオン界面活性剤、及び補助界面活性剤として両性及び非イオン界面活性剤、そしてまた、脂質、香油、染料、有機酸、保存剤及び抗酸化剤、並びに増粘剤/ゲル形成剤、皮膚コンディショニング剤及び保湿剤を含む。
【0113】
洗浄用、シャワー用及び浴用調製物において、ボディクレンジング組成物に慣用される全ての陰イオン、中性、両性又は陽イオン界面活性剤を使用することができる。
【0114】
製剤は、2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは8〜30重量%の界面活性剤を含む。
【0115】
好適な陰イオン界面活性剤は、例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ−オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、並びにアンモニウム及びトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは、分子中に1〜10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有することができる。
【0116】
好適なものは、例えば、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートである。
【0117】
好適な両性界面活性剤は、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート又はアンホプロピオネート、アルキルアンホジアセテート又はアンホジプロピオネートである。
【0118】
例えば、ココ(ヤシ油)ジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタイン又はナトリウムココアンホプロピオネートを使用することができる。
【0119】
好適な非イオン界面活性剤は、例えば、脂肪族アルコール又はアルキル鎖中に6〜20個の炭素原子を有する直鎖でも分枝状でもよいアルキルフェノールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの反応生成物である。アルキレンオキシドの量は、アルコール1モル当り約6〜60モルである。同様に好適なものは、アルキルアミンオキシド、モノ−若しくはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、エトキシル化した脂肪酸アミド、アルキルポリグリコシド又はソルビタンエーテルエステルである。
【0120】
加えて、洗浄用、シャワー用及び浴用調製物は、慣用の陽イオン界面活性剤、例えば、四級アンモニウム化合物、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドなどを含むことができる。
【0121】
従って、加えて、他の慣用の陽イオンポリマー、例えば、アクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(ポリクォーターニウム−7)、陽イオンセルロース誘導体(ポリクォーターニウム−4、−10)、グアヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(INIC:Hydroxypropyl Guar Hydroxypropyltrimonium Chloride)、N−ビニルピロリドン及び四級化N−ビニルイミダゾールのコポリマー(ポリクォーターニウム−16、−44、−46)、硫酸ジエチルで四級化したN−ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(ポリクォーターニウム−11)、その他を使用することもできる。
【0122】
加えて、洗浄用及びシャワー用ゲル製剤及び浴用調製物は、増粘剤、例えば、塩化ナトリウム、PEG−55、プロピレングリコールオレエート、PEG−120メチルグルコースジオレエート、その他、そしてまた、保存剤、他の活性成分並びに補助剤及び水を含むことができる。
【0123】
毛髪化粧料は、特に、毛髪化粧料におけるスタイリング組成物及び/又はコンディショニング剤、例えばヘア硬化剤(hair curse)、ヘアムース、ヘアゲル又はヘアスプレー、ヘアローション、ヘアリンス、ヘアシャンプー、ヘアエマルジョン、枝毛用液体、パーマネントウェーブのための中和組成物、毛髪の染色剤及び漂白剤、「ホットオイルトリートメント」調製物、コンディショナー、セッティングローション又はヘアスプレーを包含する。使用分野に応じて、毛髪化粧料は、(エアゾール)スプレー、(エアゾール)ムース、ゲル、ゲルスプレー、クリーム、ローション又はワックスの形態で使用することができる。
【0124】
好ましい実施形態において、本発明に係る毛髪化粧品製剤は、
a)0.05〜20重量%の本発明に係る調製物
b)20〜99.95重量%の水及び/又はアルコール
c)0〜79.5重量%の他の成分
を含む。
【0125】
アルコールとは、化粧品に慣用される全てのアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノールを意味すると理解される。
【0126】
他の成分とは、化粧品に慣用される添加物、例えば噴射剤、消泡剤、界面活性化合物、すなわち界面活性剤、乳化剤、泡形成剤及び可溶化剤を意味すると理解される。使用される界面活化合物は、陰イオン、陽イオン、両性又は中性であってよい。他の慣用成分は、例えば保存剤、香油、不透明剤、活性成分、UVフィルター、ケア物質、例えばパンテノール、コラーゲン、ビタミン、タンパク質分解物、アルファ−及びベータ−ヒドロキシカルボン酸、タンパク質分解物、安定剤、pH調節剤、染料、粘度調節剤、ゲル形成剤、染料、塩、保湿剤、再加脂剤、錯生成剤及び他の慣用添加物であってもよい。
【0127】
同様にここに包含されるものは、化粧品において公知の全てのスタイリング及びコンディショニング用ポリマーであって、該ポリマーは極めて特定の特性を設定すべき場合に本発明に係るポリマーと組み合わせて使用できるものである。
【0128】
好適な従来の毛髪化粧品ポリマーの例は、陰イオンポリマーである。このような陰イオンポリマーは、アクリル酸及びメタクリル酸又はその塩のホモポリマー及びコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸及びクリルアミド及びその塩のコポリマー;ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、水溶性又は水分散性ポリエステル、ポリウレタン(Luviset(商標) P.U.R.)及びポリ尿素である。特に好適なポリマーは、t−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メタクリル酸のコポリマー(Luvimer(商標) 100P)、N−t−ブチルクリルアミド、エチルアクリレート、アクリル酸のコポリマー(例えば、Ultrahold(商標) 8、強)、ビニルアセテート、クロトン酸及び場合により他のビニルエステルのコポリマー(例えば、Luviset(商標) 商標名)、場合によりアルコールと反応させた無水マレイン酸コポリマー、陰イオンポリシロキサン、例えばカルボキシ官能性のもの、ビニルピロリドン、t−ブチルアクリレート、メタクリル酸のコポリマー(例えば、Luviskolr(商標) VBM)である。
【0129】
加えて、本発明に係るポリマーとの組み合わせに適するポリマー群は、例として以下のものを包含する:Balance(商標) CR(National Starch;アクリレートコポリマー)、Balance(商標) 0/55(National Starch;アクリレートコポリマー)、Balance(商標) 47(National Starch;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、Aquaflex(商標) FX 64(ISP;イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー)、Aquaflex(商標) SF−40(ISP / National Starch;VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマー)、Allianz(商標) LT−120(ISP / Rohm & Haas;アクリレート/C1−2スクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー)、Aquarez(商標) HS(Eastman;ポリエステル−1)、Diaformer(商標) Z−400(Clariant;メタクリロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー)、Diaformer(商標) Z−711(Clariant;メタクリロイルエチルN−オキシド/メタクリレートコポリマー)、Diaformer(商標) Z−712(Clariant;メタクリロイルエチルN−オキシド/メタクリレートコポリマー)、Omnirez(商標)2000(ISP;エタノール中のポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)のモノエチルエステル)、Amphomer(商標) HC(National Starch;アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー)、Amphomer(商標) 28−4910(National Starch;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、AdvantageTMHC 37(ISP;ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタアクリレートのターポリマー)、AcudyneTM258(Rohm & Haas;アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー)、LuvisetTMPUR(BASF、ポリウレタン−1)、Luviflex(商標) Silk(BASF)、Eastman(商標) AQ48(Eastman)。
【0130】
実に特に好ましい陰イオンポリマーは、酸価が120又はそれより大きいアクリレート、並びにt−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メタクリル酸のコポリマーである。
【0131】
他の好適な毛髪化粧品ポリマーは、INCI名称ポリクォーターニウムを有する陽イオンポリマー、例えば、ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(商標) FC、Luviquat(商標) HM、Luviquat(商標) MS、Luviquat(商標) Care)、硫酸ジエチルで四級化したN−ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Luviquat(商標) PQ 11)、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(商標) Hold);陽イオンセルロース誘導体(ポリクォーターニウム−4及び−10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクォーターニウム−7)である。
【0132】
加えて、陽イオングア誘導体、例えばグアヒドロキシプロピルトリモニウム(INCI)を使用することができる。
【0133】
また、他の好適な毛髪化粧品ポリマーは、中性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン及びビニルアセテート及び/又はビニルプロピオネートのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム、並びにN−ビニルピロリドン、ポリエチレンイミン及びその塩を含むコポリマー、ポリビニルアミン及びその塩、セルロース誘導体、ポリアスバラギン酸塩及び誘導体である。
【0134】
一定の特性を設定するために、調製物はシリコーン化合物に基づくコンディショニング物質をさらに含むこともできる。好適なシリコーン化合物は、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂、又はジメチコーンコポリオール(CTFA)及びアミノ官能性シリコーン化合物、例えばアモジメチコーン(CTFA)である。
【0135】
本発明に係る調製物は、ヘアスタイリング調製物、特にヘアスプレー(噴射剤ガスを含まないエアゾールスプレー及びポンプスプレー)及びヘアムース(噴射剤ガスを含まないエアゾールムース及びポンプムース)におけるセッティング剤として特に適している。
【0136】
好ましい実施形態において、これらの調製物は、
a)0.1〜10重量%の本発明に係る調製物
b)20〜99.9重量%の水及び/又はアルコール
c)0〜70重量%の噴射剤
d)0〜20重量%の他の成分
を含む。
【0137】
噴射剤は、ヘアスプレー又はヘアムースに慣用される噴射剤である。プロパン/ブタンの混合物、ペンタン、ジメチルエーテル、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152 a)、二酸化炭素、窒素又は圧縮空気が好ましい。
【0138】
本発明により好ましいエアゾールヘアムースのための製剤は、
a)0.1〜10重量%の本発明に係る調製物
b)55〜99.8重量%の水及び/又はアルコール
c)5〜20重量%の噴射剤
d)0.1〜5重量%の乳化剤
e)0〜10重量%の他の成分
を含む。
【0139】
乳化剤としては、ヘアムースに慣用される全ての乳化剤を使用することが可能である。好適な乳化剤は非イオン性、陽イオン性又は陰イオン性又は両性であってよい。
【0140】
非イオン乳化剤の例(INCI命名)は、ラウレス(laureth)類、例えばラウレス−4; セテス(ceteth)類、例えばセテス−1、ポリエチレングリコールセチルエーテル;セテアレス(ceteareth)類、例えばセテアレス−25、ポリグリコール脂肪酸グリセリド、ヒドロキシル化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、アルキルポリグリコシドである。
【0141】
陽イオン乳化剤の例は、リン酸二水素セチルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、セチルトリモニウムクロリド、セチルトリモニウムブロミド、ココトリモニウムメチルスルフェート、クォーターニウム−1ないしx(INCI)である。
【0142】
陰イオン乳化剤は、例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ−オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、並びにアンモニウム及びトリエタノールアミン塩の群から選択することができる。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは、分子中に1〜10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有することができる。
【0143】
本発明によりスタイリング用ゲルに適する調製物は、例えば下記の組成を有する:
a)0.1〜10重量%の本発明に係る調製物
b)60〜99.85重量%の水及び/又はアルコール
c)0.05〜10重量%の用ゲル形成剤
d)0〜20重量%の他の成分。
【0144】
使用できる用ゲル形成剤は、化粧品に慣用される全ての用ゲル形成剤である。これらは、僅かに架橋したポリアクリル酸、例えばCarbomer(INCI)、セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、陽イオン性に改変したセルロース、多糖、例えばキサンタンゴム、カプリル/カプリントリグリセリド、ナトリウムアクリレートコポリマー、ポリクォーターニウム−32(及び)流動パラフィン(INCI)、ナトリウムアクリレートコポリマー(及び)流動パラフィン(及び)PPG−1トリデセス(trideceth)−6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、ステアレス(steareth)−10アリルエーテルアクリレートコポリマー、ポリクォーターニウム−37(及び)流動パラフィン(及び)PPG−1トリデセス−6、ポリクォーターニウム−37(及び)プロピレングリコールジカプレートジカプリレート(及び)流動パラフィンPPG−1トリデセス−6、ポリクォーターニウム−7、ポリクォーターニウム−44を包含する。
【0145】
本発明に係る調製物は、毛髪の適合性を増大し、従ってそれらをコンディショニング剤として、特に化粧料におけるコンディショニング剤として使用することができる。
【0146】
本発明に係る調製物は、化粧料における増粘剤として使用することができる。
【0147】
本発明に係るポリマーは、シャンプー製剤においてセッティング剤及び/又はコンディショニング剤として使用することもできる。好適なコンディショニング剤は、特に正電荷を有するポリマーである。好ましいシャンプー製剤は、
a)0.05〜10重量%の本発明に係る調製物
b)25〜94.95重量%の水
c)5〜50重量%の界面活性剤
c)0〜5重量%の他のコンディショニング剤
d)0〜10重量%の他の化粧品成分
を含む。
【0148】
シャンプー製剤において、シャンプーに慣用される全ての陰イオン、中性、両性又は陽イオン界面活性剤を使用することが可能である。
【0149】
好適な陰イオン乳化剤は、例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ−オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、並びにアンモニウム及びトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは、分子中に1〜10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有することができる。
【0150】
好適なものは、例えば、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートである。
【0151】
好適な両性界面活性剤は、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート又はアンホプロピオネート、アルキルアンホアジセテート又はアンホジプロピオネートである。
【0152】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ココアミドプロピルベタイン又はナトリウムココアンホプロピオネートを使用することが可能である。
【0153】
好適な非イオン界面活性剤の例は、脂肪族アルコール又はアルキル鎖中に6〜20個の炭素原子を有する線状でも分枝状でもよいアルキルフェノールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの反応生成物である。アルキレンオキシドの量は、アルコール1モル当り約6〜60モルである。同様に好適なものは、アルキルアミンオキシド、モノ−若しくはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド又はソルビタンエーテルエステルである。
【0154】
さらに、シャンプー製剤は、慣用の陽イオン界面活性剤、例えば、四級アンモニウム化合物、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドなどを含むことができる。
【0155】
シャンプー製剤において、一定の効果を達成するために、慣用のコンディショニング剤を本発明に係るポリマーと組み合わせて使用することができる。これらは、例えば、INCI名称ポリクォーターニウムを有する陽イオンポリマー、特に、ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(商標) FC、Luviquat(商標) HM、Luviquat(商標) MS、Luviquat(商標) Care)、硫酸ジエチルで四級化したN−ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Luviquat(商標) PQ 11)、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(商標) Hold);陽イオンセルロース誘導体(ポリクォーターニウム−4及び−10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクォーターニウム−7)を包含する。タンパク質加水分解物、及びシリコーン化合物に基づくコンディショニング物質、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン又はシリコーン樹脂を使用することも可能である。他の好適なシリコーン化合物は、ジメチコーンコポリオール(CTFA)及びアミノ官能性シリコーン化合物、例えばアモジメチコーン(CTFA)である。グア誘導体、例えばグアヒドロキシプロピルトリモニウム(INCI)を使用することも可能である。
【実施例】
【0156】
製造例
全てのコポリマー(A)及び(B)は溶液重合により下記のように製造した:
種々のモノマー(用いる全量の10%)と1%のWAKO V59(用いる全量の13%)を含むエタノール溶液との、エタノール(ポリマーに応じて70〜250g)溶液を、窒素雰囲気中で80℃に加熱した。この溶液に2つの異なる溶液を滴下した:1)開始剤を含む溶液[エタノール(100g)中のWAKO V59 0.99g];2)選択したモノマーを選択した%量で含む溶液。開始剤溶液1)を4時間にわたり、モノマー溶液2)を3時間にわたり滴下した。反応温度を80℃に保ち、そして両方の溶液を連続的に攪拌しながら窒素雰囲気中に保った。最後の添加の1時間後に、100gのエタノール中の2.31gのWAKO V59の溶液を、反応条件を保持しながら1時間にわたり添加した。得られた反応混合物を(連続的に攪拌しながら窒素雰囲気中で)さらに4時間80℃で放置した。表1に、種々のモノマー、そしてまた対応するポリマー中の該モノマーのモル%を示す。
【0157】
粘度の測定
各ポリマーの粘度を、Cone CP−41(3°)を備えたWells−Brookfield CONE/PLATE粘度計により23℃で測定した。このために、約2mlのサンプルをサーモスタット付き測定本体に装入した(プレートを測定中に完全に湿潤させた)。粘度をmPa*s単位で測定した。
【0158】
ここで、粘度をそれぞれの場合に3種の異なる条件下で測定した。
【0159】
I) 40%固形分のエタノール性溶液中
II) a)及びMiglyolの50:50混合物中
III) a)及びMiglyol(=80)の20:80混合物中
対応する結果を表1に示す。
【表1】

【0160】
Miglyolそれ自体の粘度は22mPasである。
【0161】
表1中の全てのコポリマーは、溶液I及びII(I=濃度40重量%のエタノール溶液;II=I及びMiglyolの50:50溶液)中で透明溶液として製造することができる。
【0162】
Miglyol 812はカプリリック/カプリックトリグリセリドのINCI名称で知られている。
【0163】
本発明に係るコポリマー(A)及びコポリマー(B)の混合物の製造
対応するコポリマー(A)及び(B)を、以下のように種々の重量比で、室温で混合物として製造した。下記の混合物を製造した(コポリマー(A)と(B)との重量比を表2に示す)。
【0164】
用いた略語
nBA n−ブチルアクリレート
AA アクリル酸
DMAPMA N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)クリレート
SMA ステアリルメタクリレート
UMA ウレイドメタクリレート
【表2】

【0165】
コポリマー(A)及び(B)から種々の混合物を製造した。これらをMiglyolと種々の重量比で混合し、そして粘度を上記のように測定した。表2に結果をまとめて示す。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A−1)少なくとも1種の式(I):
Y−NR−C(V)−NHR (I)
(式中の置換基は下記の意味を有する:
Yはフリーラジカル重合が可能であるエチレン性不飽和基であり、
VはO、S又はNHであり
、Rは互いに独立して、H若しくはC−C−アルキル基、又は両者が一緒になって、2個までのC−C−アルコキシ基及び/又はヒドロキシル基で置換されていてもよい橋架けC−C−アルキレン基である。)
のエチレン性不飽和のフリーラジカル共重合可能なモノマー;
と、
(A−2)少なくとも1種の式(II):
X−C(O)CR=CHR (II)
(式中の置換基は下記の意味を有する:
Xは基−OH、−OR、NH、−NHR、N(Rの群から選択され;
基Rは同一でも異なってもよく、−H、C−C40直鎖若しくは分枝アルキル基、N,N−ジメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル又はエトキシプロピルからなる群から選択され;
及びRは互いに独立して、−H、C−C直鎖若しくは分枝アルキル基、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエトキシ及び2−エトキシエチルからなる群から選択される。)
の不飽和モノマー;
とのコポリマー(A)
及び、
(B−1)少なくとも1種の式(III):
【化1】

(式中、
はH、1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、
10はH、メチルであり、
11は場合によりC−C−アルキルで置換された1〜24個の炭素原子を有するアルキレンであり、
12、R13はC−C40−アルキル基であり、
Zは、x=1のときは窒素であるか又はx=0のときは酸素である。)
のモノマー;
と、
(B−2)少なくとも1種エチレン性不飽和モノマー;
との、(A)とは異なる少なくとも1種の他のコポリマー(B)
を含む組成物。
【請求項2】
少なくとも1種のモノマー(A−1)及び少なくとも2種のモノマー(A−2)のコポリマーとをコポリマー(A)として用いる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
下記式(Ia):
【化2】

(式中、Aは場合によりカルボニル基を有する2員又は3員のアルキレン基である)
の化合物をモノマー(A−1)として用いる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
下記式(Ib):
【化3】

(式中、R及びRは互いに独立して、H、−OH、−NH、C−C−アルキルである)
の化合物をモノマー(A−1)として用いる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
及びR=Hである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
V=Oである化合物をモノマー(A−1)として用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
及びR=Hであり、そしてV=Oであり、そしてY= CH=C(CH)−CO−O−(CH−である式(Ib)の化合物をモノマー(A−1)として用いる、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
フリーラジカル重合が可能であるエチレン性不飽和基Yが、式(IV)の基
Y= CH=CR−CO−W−(CH− (IV)
(式中、
はH、CHであり、
WはO、NHであり、
nは2〜8、特に2〜4である)
である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーをモノマー(B−1)として用いる、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートをモノマー(B−1)として用いる、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
ウレイドメタクリレート(A−1)と、n−ブチルアクリレート、アクリル酸及びステアリルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも2種の他のモノマー(A−2)とのコポリマーをコポリマー(A)として用いる、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
(B−1)N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートと、n−ブチルアクリレート及びウレイドメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとのコポリマーをコポリマー(B)として用いる、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
コポリマー(A)とコポリマー(B)との(モル)比が1:10〜10:1の範囲、特に1:5〜5:1の範囲にある、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の組成物の増粘剤としての使用。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の組成物のコンディショニング剤としての使用。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の組成物の化粧料における使用。
【請求項17】
(B−1)少なくとも1種の式(III):
【化4】

(式中、
はH、1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、
10はH、メチルであり、
11は場合によりC−C−アルキルで置換された1〜24個の炭素原子を有するアルキレンであり、
12、R13はC−C40−アルキル基であり、
Zはx=1のときは窒素であるか又はx=0のときは酸素である)
のモノマー;
と、
(B−2)少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー;
とのコポリマー(B)。
【請求項18】
請求項17に記載のコポリマー(B)の化粧料における使用。
【請求項19】
請求項17に記載のコポリマー(B)の増粘剤としての使用。
【請求項20】
化粧料の増粘方法であって、1〜30重量%、特に5〜25重量%、好ましくは8〜20重量%の請求項1に記載の組成物を増粘すべき化粧料に添加する前記方法。

【公表番号】特表2006−513279(P2006−513279A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556149(P2004−556149)
【出願日】平成15年11月17日(2003.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012816
【国際公開番号】WO2004/050043
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】