説明

局地的地形に関する知識を利用した位置決定システムにおける完全性監視

【課題】複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出するシステムと方法を提供する。
【解決手段】相関関数から各測定値を導出する。相関関数は受信機で受信した信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に識別する識別符号との相関を取ることによって順次導かれる。複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々が導かれる。局地的地形に基づいて、位置推定値の1つが受信機の位置の最良推定値として選定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決定システムにおいて得られた測定値または導出された位置推定値の完全性監視の分野に関する。より詳細には、見通し線の欠如およびマルチパスのような要因を明らかにするための局地的地形に関する知識を利用した完全性監視の実現に関する。
【背景技術】
【0002】
全地球測位システム(GPS)は各衛星が地表の上空で正確な軌道を飛行する衛星の総体である。各衛星はその衛星に一意的な擬似雑音(PN)符号で変調された信号を送信する。それぞれのPN符号は予め決まった数のチップを含む。GPS受信機はその受信機で受信できる各衛星からの信号を混合したものを含む複合信号を受信する。受信機における信号検出器は、特定の衛星からの送信信号を検出する。これは受信信号とその衛星用PN符号をシフトした信号との相関度を決定することにより行われる。シフトオフセットの1つに対する相関値において十分な品質のピーク値が検出されると、受信機は前記衛星からの送信信号を検出したと見なされる。
【0003】
受信機は、少なくとも4つの衛星からの送信信号を検出することによって位置を計算する。それぞれの検出された送信信号に対して、受信機はPN符号のシフトを用いて送信時刻と到着時刻間の遅延(チップまたはチップの小数部分に換算して)を計算する。送信信号の既知の伝搬速度が与えられると、受信機はそれ自体と衛星の間の距離を計算する。この計算した距離により、衛星の周りに1つの球が定まる。受信機は、各衛星について正確な軌道と位置を知っており、連続してこれらの軌道と位置の最新情報を受信する。この情報から、受信機は4つの衛星に対する複数の球が交差する点からその位置(および現在の時間)を決定することができる。
【0004】
FCCは、無線通信システム内の、移動局を非限定的に含む加入者局は911番および他の緊急電話への素早い応答を支援するために前記加入者局の位置を計算することができるよう命じている。この命令に対応して、加入者局にGPS衛星の送信信号から、その位置を計算する手段を持たせる努力が進められている。さらに、これの努力は以下のことも含んでいる。すなわち、無線通信システムの基地局かセクターは一意的なPN符号で変調されたパイロット信号を送信するため、加入者局が、複数の基地局もしくはセクターの送信信号から、または基地局もしくはセクターとGPS衛星の組み合わせから、それらの位置を計算することができるということである。位置を計算するために基地局またはセクターを用いることは高度下り回線三辺測量(AFLT)と呼ばれ、GPS衛星と基地局またはセクターの両方を同時に使用することはハイブリッド位置決定と呼ばれる。
【0005】
図1を参照して、加入者局100の中の信号検出器は、相関関数のピークから、参照発信源が衛星であっても基地局またはセクターであっても、その送信信号の検出を試みる。相関関数のピークは、予め定めた探索窓で決められた範囲内の参照発信源に対するPN符号をシフトしたものと受信信号(通常、基地局/セクター102a、102b、102c、および/または、衛星106a、106b、106cなどの複数の参照発信源からの送信信号の混合を含む複合信号である)を掛算し、次に、各シフトされたPN符号に対し、受信信号とシフトされたPN符号間の相関度を表す値を得るために、予め定めた積分時間にわたって掛算値を加算することにより導かれる。ピークが検出された場合、信号検出器は前記ピークから到着時刻などのような少なくとも1つのパラメータの測定値を導出することができる。そのような測定値が4個以上求まると、加入者局100の位置推定値を得ることができる。
【0006】
少なくとも4つの測定値が、位置推定値を決定するのに必要である。5つ以上の測定値が得られる場合、位置推定値は過剰決定と考えられる。過剰決定の状況では、測定値の異なる部分集合から複数の位置推定値の各々を導出できる。さらに、測定値の部分集合自体が過剰決定の場合、その部分集合の自己無矛盾性を調べることができる。完全性監視として知られているプロセスにおいて、部分集合内の測定値間の無矛盾性の定量的測定値が決定される。定量的測定値は、その部分集合から導出された位置推定値に関連しており、位置推定値の「コスト」と呼ばれるかもしれない。これらのコストは最良推定値として推定値の1つを選定する際に役に立つかもしれない。
【0007】
このプロセスはさらに図2を参照して説明することができる。ここで、参照発信源202a、202b、202c、202d、202e、202fから測定値を求め、その測定値の異なる部分集合から3個の位置推定値pe1、pe2、およびpe3を得ているものと仮定する。特に、図示したように、pe1は、参照発信源202a、202b、202c、202d、および202eから取得した測定値から導かれると仮定する。pe2は参照発信源202a、202b、202c、202d、および202fから取得した測定値から導かれると仮定する。また、pe3は参照発信源の202b、202c、202d、202e、および202fから取得した測定値から導かれると仮定する。
【0008】
1つの例において、コストは位置推定値を導く際に使用される測定値に残留するRMS誤差である。この例では、第1の推定値pe1に関連するコストは以下のように表現される。
【数1】

【0009】
ここでra、rb、rc、rd、およびreは加入者局と参照発信源202a、202b、202c、202d、202eと間のそれぞれ測定された距離である。また、da,pe1、db,pe1、dc,pe1、dd,pe1、およびde,pe1はそれぞれ位置推定値pe1と参照信号源202a、202b、202c、202d、および202eとの間の距離を計算した値である。
【0010】
同様に、この例では、第2の推定値に関連するコスト(pe2)は以下のように表現される。
【数2】

【0011】
ここで、rfは加入者局と参照発信源202fの間で測定された距離である。また、da,pe2、db,pe2、dc,pe2、dd,pe2、およびdf,pe2はそれぞれ位置推定値pe2と参照信号源202a、202b、202c、202d、および202fとの間の距離を計算した値である。
【0012】
第3の推定値pe3に関連するコストは以下のように表現される。
【数3】

【0013】
ここで、db,pe3、dc,pe3、dd,pe3、de,pe3、およびdf,pe3はそれぞれ位置推定値pe3と参照信号源202b、202c、202d、202e、および202fとの間の距離を計算した値である。
【発明の概要】
【0014】
従来の位置決定システムでは、最低のコストに対応する位置推定値が最良の位置推定値として選択される。しかしながら、最低のコスト推定値が実際には最良の推定値ではない場合が多い。例えば、次のようなシナリオを考えよう。すなわち、最低のコスト推定値を計算するのに用いた2以上の測定値がマルチパスおよび見通し線の欠如というような要因で損なわれており、より高いコスト推定値を決定するのに用いた測定値は損なわれていないようなシナリオである。このシナリオでは、事実上、より高いコスト推定値が最良位置推定値となる。
【0015】
損なわれた測定値を特定することができる場合、損なわれた測定値に基づく位置推定値を考察から除外することにより、精度を改良することができる。しかしながら、従来の方法では、合計6未満の測定値が利用可能である場合、または2以上の測定値が損なわれている場合、一般に、どの測定値が損なわれているかを特定するのは不可能である。
【0016】
本発明は複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出する方法を提供する。相関関数から各パラメータ測定値を導出する。相関関数は受信機で受信した信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に識別する識別符号との相関を取ることによって順次導かれるものである。
【0017】
第1の実施例は、複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することを含む。次に、その位置推定値の1つが局地的地形に基づいて選択される。
【0018】
本方法の第2の実施例は、複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することを含む。次に、各位置推定値のコストが導出される。コストは位置推定値を導出する際に使用される測定値の無矛盾性の度合いを表す。コストが求まると、局地的地形に基づいてコストを改良する。次に、前記位置推定値の1つが改良したコストに基づいて選択される。
【0019】
本方法の第3の実施例は、信頼性のない複数の測定値を除外するために局地的地形を利用することを含む。次に、残っている測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出する。次に、各位置推定値に対するコストを決定し、次に、位置推定値の1つがコストに応じて選択される。
【0020】
本発明の第4の実施例は、複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することを含む。次に、信頼性尺度が局地的地形に基づいて各位置推定値に対して導かれる。次に、位置推定値の1つが信頼性尺度に基づいて選択される。
【0021】
1つの実施において、識別符号は擬似雑音(PN)符号であり、測定値は到着時刻の測定値である。この実施において、到着時刻の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々が導出される。
【0022】
局地的地形に基づいて、各位置推定値に対する信頼性尺度の信頼性は、以下の手順により導出される。位置推定値を導出するための各到着時刻の測定のために、局地的地形に基づき、見通し線伝送に対応する相関関数の予測ピーク振幅が計算される。次に、この値を実際の相関関数の最も早い非サイドローブピークの振幅と比較する。次に、信頼性尺度を、その比較に基づいて調整する。
【0023】
例えば、実際のピーク振幅が予測ピーク振幅を超える場合、マルチパス状態が存在しえて、それを反映して信頼性尺度は減少する。別の例として、実際のピーク振幅が予測より小さい場合、送信機からの伝送経路に予期しない障害があるかもしれない。それを反映して信頼性尺度は減少する。このステップは位置推定値を導出するための各測定値に対して繰り返される。この結果は位置推定値に対する信頼性尺度である。
【0024】
これらの各方法は、プロセッサがアクセス可能なメモリに蓄積されており、かつプロセッサが実行可能な一連の命令として実際に具体化されるかもしれない。さらに、システムはプロセッサと前記メモリを含むことができ、プロセッサはメモリをアクセスでき、プロセッサはそこに蓄積された命令にアクセスし実行するように構成されている。
【0025】
このようなシステムは種々の環境または用途で使用されるかもしれない。例えば、1つの応用では、このようなシステムは、加入者局の一部を形成し、基地局、セクター、GSP衛星、またはそれらの任意の組み合わせからの少なくとも1つの送信信号から、加入者局の位置を決定するように構成される。他の応用では、このようなシステムは位置決定エンティティ(PDE)の一部を形成する。これは、加入者局によって得られた測定値から、加入者局の位置を決定するように構成されている。より詳細には、加入者局は、基地局、セクター、GPS衛星、またはそれらの任意の組み合わせからの少なくとも1つの送信信号から測定値を求め、それらをPDEに供給する。次にPDEは加入者局の位置を計算する。
【0026】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図面と詳細な説明を検討することにより当業者には明白であるか、または明白になるだろう。そのようなすべての付加的システム、方法、特徴、および利点が本記載の中に含まれており、本発明の範囲の中にあり、かつ付随の請求項で保護されることを意図している。
【0027】
図中の要素は必ずしも正確な縮尺率ではなく、本発明の原理を示す強調されたものである。図面中に、参照数字は異なる図面全体にわたって同じ部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、位置決定システムの一例の略図。
【図2】図2は、測定値の異なる部分集合から、複数の取りうる位置推定値の各々を決定するプロセスを示す図。
【図3】図3は、対象となる発明の一応用例を代表する位置決定システムの一例の略図である。
【図4】図4は、CDMAパイロット信号に対する相関関数の一例の時間領域表現を示す図である。
【図5】図5は、マルチパス状態の影響を反映しているCDMAパイロット信号に対する相関関数の一例の時間領域表現を示す図である。
【図6】図6は、図5の相関関数を発生させるかもしれない1シナリオ例を示す図である。
【図7】図7は、見通し外状態に従うCDMAパイロット信号に対する相関関数の一例の時間領域表現を示す図である。
【図8】図8は、図7の相関関数を発生させるかもしれない1シナリオ例を示す図である。
【図9】図9は、マルチパスおよび見通し外状態に従うCDMAパイロット信号に対する相関関数の一例の時間領域表現を示す図である。
【図10】図10は、図9の相関関数を発生させるかもしれない1シナリオ例を示す図である。
【図11A】図11Aは、本発明に従う方法の第1の実施例を示す簡略フローチャートであり、局地的地形に基づいて位置推定値が選択される。
【図11B】図11Bは、本発明に従う方法の第2の実施例を示す簡略フローチャートであり、複数の位置推定値に対して、局地的地形に基づいて決定される精度を上げたコストに応じて位置推定値が選択される。
【図12】図12は、本発明に従う方法の第3の実施例を示す簡略フローチャート。局地的地形への考察に基づき信頼性のない測定値を考察から除外する。
【図13】図13は、本発明に従う方法の第4の実施例を示す簡略フローチャートであり、局地的地形の考察に基づいて決定される信頼性尺度に応じて位置推定値が決定される。
【図14】図14は、本発明に従う方法の1実施例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、加入者局の簡略ブロックダイアグラムである。
【詳細な説明】
【0029】
応用例
図3を参照して、本発明の応用例を示す。この応用例では、加入者局100は、セルラー、固定無線、PCS、および衛星通信システムのような、しかしこれらに限定されない無線通信システムの一構成要素である。さらに、上記無線通信システムはCDMA、TDMA、FDMA、またはGSM(登録商標)多元接続プロトコル、またはそれらの組み合わせに従って多元接続を規定しているかもしれない。
【0030】
少なくとも1つの基地局またはセクター102a、102b、および102cがこの無線通信システムで用いられる。各基地局またはセクター102a、102b、102cは、その基地局またはセクターを一意的に特定する繰り返し擬似ランダム雑音(PN)符号で変調されるパイロット信号を送信する。IS−95準拠のCDMAシステムでは、PN符号は32,768チップの系列であり、26.67msecごとに繰り返される。
【0031】
少なくとも1つのGPS衛星106a、106bも、加入者局100または位置決定エンティティ(PDE)104で受信できるかもしれない。各GPS衛星もその衛星を一意的に特定する繰り返しPN符号で変調された信号を送信する。現在のGPSシステムでは、PN符号は1,023チップの系列であり、1msec毎に繰り返される。
【0032】
加入者局100の中のパラメータ計算機は、基地局もしくはセクター102a、102b、ならびに102cから送信されるパイロット信号、および/またはGPS衛星106a、106bから送信された信号の種々のパラメータを計算するように構成される。そのようなパラメータはTOA、送信時刻、全受信電力で割った1チップあたりのエネルギー(Ec/Io)、および上記のどれかに関する信頼性尺度を含むかもしれない。信頼性尺度は、TOA推定値のようなこれらパラメータの少なくとも1つに対する二乗平均平方根誤差(RMSE)を含むがこれに限定されるものではない。
【0033】
一度計算されたパラメータ、および、もし計算されていれば、信頼性尺度はPDE104に提供される。PDEはそれに応じて加入者局100の位置を計算する。(PDE104はインターネットもしくは他のTCP/IPネットワークのような公衆コンピュータネットワーク、構内ネットワーク、または他のネットワークのサーバであっても良い。)このプロセスの一部として、PDE104は、対応する信頼性尺度によってパラメータを加重し、その加重パラメータを用いて加入者局100の位置を計算しても良い。いったん計算されると、加入者局100の位置はそこにダウンロードされても良い。または911番か他の緊急電話の場合、位置情報を非常時オペレータに伝えても良い。
【0034】
PDE104は、基地局もしくはセクター102a、102b、および102cからの送信信号から導出した測定値から加入者局100の位置を計算しても良い。または、改良するために少なくとも1つの基地局もしくはセクター102a、102b、102cならびに少なくとも1つのGPS衛星106a、106bの組み合わせ測定値から加入者局100の位置を計算しても良い。
【0035】
PDE104は加入者局100に対し、他の形式の支援を提供するかもしれない。例えば、PDE104は連続的に複数のGPS衛星を追跡し、それらから送信される信号を探索している加入者局100に対して支援を提供するかもしれない。これにより加入者局100は、電源を入れた時に衛星の場所を探索するための時間の掛かる「コールドスタート」手順を踏む必要性が無くなる。
【0036】
一実施例において、加入者局100の中のパラメータ計算機は相関ロジックと解析ロジックを含む。本開示の目的に対しては、用語「ロジック」はハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを意味する。相関ロジックは、複数の基地局、セクター、および/またはGPS衛星から送信される複数のパイロット信号の組み合わせを含む複合信号を受信する。各パイロット信号は一例としてPN符号である識別符号で変調される。この識別符号は1回、または、繰り返しベースで信号を変調するかもしれない。パイロット信号を変調するために使用される識別符号はパイロット信号の発信源を、それが基地局、セクター、またはGPS衛星であっても一意的に特定する。
【0037】
相関ロジックは、積分時間Iを用いて、複合信号とシフトした識別符号との間の相関値を決定するように構成される。相関ロジックによって使用される識別符号と、コンポジット信号内に含まれているパイロット信号を変調する識別符号とが合致すると、明らかに最大相関を示すだろう。相関ロジックは、探索窓内で信号とシフトした識別信号の間の相関を表す相関関数を出力する。
【0038】
1つの例では、コンポジット信号Sの各サンプルは、同相(I)および直交(Q)成分を持つ複素数である。また信号SはPN符号でそれぞれ変調された複数のパイロット信号を含む。1つの実施において、相関ロジックは相関値Cを決定する。これは、PN符号と使用するPN符号におけるシフト量sに依存する。この相関値はコヒーレント、すなわち位相情報を保有しており、以下のように表される複素数である。
【数4】

【0039】
ここで、Nはチップで表した(コヒーレント)積分時間、S(i)は受信信号のサンプル、kは任意の開始時刻である。この実施において、積分時間Iはコヒーレント積分時間Nである。
【0040】
第2の実施において、相関ロジックは、相関値Cを決定する。これは実数であり、非コヒーレントに、すなわち位相情報を持たずに、それぞれNチップにわたって行うM連続したコヒーレント積分を結合して、導出される。この実施では、相関値Cは以下のように表わすことができる。
【数5】

【0041】
この実施では、積分時間IはNとMの積である。
【0042】
試験されるシフト量sの範囲は探索窓Wである。Wは、所望の探索窓Wにわたり信号SとPN符号のシフト量s(シフト量sはチップで表される)との間の相関度を表す相関関数F(PN、s)から共に由来するC(PN、s)を評価する。この場合、PN符号は信号上へ繰り返し変調され、相関関数F(PN、s)は周期的になるであろう。
【0043】
図4はCDMA無線通信システムにおけるパイロット信号に対する相関関数F(PN、s)の例を示す。この例の窓サイズ(チップで表した)は8である。窓は原点406に中心があると仮定した。横軸402はPN符号のシフト量(チップで表現した)を表す。また縦軸404は相関関数F(PN、s)(エネルギー(dB)で表現した)を表す。図示したように、この例の関数のピーク408は原点406に位置している。この相関関数は実世界の相関関数におけるコンポーネントパルスを構成するかもしれない。
【0044】
相関関数のピーク408が十分高く、雑音並びに他の歪(後に議論する)と十分区別可能でフォールスポジティブの危険が許容水準まで減少されていれば、測定値取得は成功している。相関ロジックは他のPN符号について少なくとも4つの測定値取得に成功するまでこのプロセスを繰り返すかもしれない。
【0045】
取得に成功した各測定値に対し、解析ロジックは伝搬時間の推定値を導出するかもしれない。この伝搬時間推定値は、1つの例では、探索窓の中で相関関数の最も早い非サイドローブピークに関連した時間/距離である。一般に、最も早い非サイドローブピークに関連した時間/距離は多くの場合見通し線伝送に対応しているため、これが用いられる。また、通常、見通し線伝送に関連したピークが正確なTOA計算に必要である。解析ロジックは、また、TOA計算のためのRMS誤差のような信頼性尺度を導出し、この信頼性尺度から導出される重みを用いてTOA推定値を加重するかもしれない。
【0046】
解析ロジックは少なくとも4個の加重TOA推定値をPDE104に提供するかもしれない。この情報に応じて、PDE104は加入者局100の位置を計算し、次に、この情報を加入者局100にダウンロードする。
【0047】
対象発明は、PDE104中に採用され、提供された測定値(加重または非加重)に応じて加入者局100の位置を計算する目的に利用されるかもしれない。しかし、位置決定機能が、加入者局100または少なくとも1つの基地局もしくはセクター102a、102b、102cのような他のエンティティの中で直接実行されるような他の応用も可能であることを理解すべきである。その場合には、対象発明は無線通信システムにおけるこれらの他のエンティティのどれかで採用されるかもしれない。
【0048】
マルチパスおよび/または見通し線の欠如の影響に関する背景
図5はCDMA通信システムにおけるパイロット信号に対する相関関数F(PN、s)の例を示しており、マルチパスの影響を表す。図中で破線で示されたより弱く、時間的に早い、独立した到着に対する相関関数を、図中に実線で示したより強く、独立した信号到着に対する相関関数に重ねて示した。これらの2つの相関関数の加算的な結合は、マルチパスの影響を受ける、またはマルチパス信号の実世界の複合信号から導出された相関関数を表すかもしれない。本開示の目的に対しては、「独立した」到着は、異なる発信源からの複数信号の1つを含む。この複数の信号は異なる経路を通って受信者に到着する同一信
号が示す複数の様相の1つと同様に受信者に到着する。
【0049】
図6は図5で示した相関関数を発生させるかもしれない状況を示す。図示したように、基地局またはセクター102と加入者局100の間の直接見通し線経路は障害物614(例として木)によって遮断される。これは減衰はするが、パイロット信号の通過は許容する。同時に、マルチパスにより、同じパイロット信号が、別の障害物616(例えばビル)で反射し、見通し線内の直接波より小さい減衰量で加入者局100によって受信されるかもしれない。障害物616からのこの反射は図5の実線で表された相関関数を発生させるかもしれない。一方障害物614を通る直接伝搬の方は図5の破線で表される相関関数を発生させるかもしれない。
【0050】
図5に戻り、このマルチパス状態により、相関関数の最も早い非サイドローブピークの位置を決定する時の難しさが増加する。このピークは図5中で512で示すピークである。この難しさの理由は、このピークを図6の番号518で特定される反射信号を表す相関関数のサイドローブと区別するのが難しいかもしれないということである。従って、パラメータ計算機の解析ロジックがそのようなサイドローブを見通し線到着に対する相関関数のピークとして誤って解釈するか、またはこの相関関数のピークを後から到着する信号のサイドローブと誤って解釈するという危険があるだろう。いずれにしても、以後の到着の時間の推定値は偏るだろう。
【0051】
図7は、図8に示したシナリオの結果となるかもしれない見通し外状態の影響を反映した、CDMA無線通信システムにおけるパイロット信号から導いた相関関数の例を示している。ここでは、図示したように、障害物804は基地局102から加入者局100までの見通し伝送経路を完全に遮断している。しかしながら、基地局102からの見通し外伝送はビル802で反射され、加入者局100で受信される。この見通し外伝送により図7に示した相関関数が発生する。
【0052】
ここでは、相関関数に、見通し線伝送に対応するピークが存在しないため、到着時刻の正確な推定値を求めることは困難である。さらに、ピーク702は図7に示される最も早い非サイドローブのピークであるため、解析ロジックがパイロット信号の到着時刻の推定値を決定する際にピーク702に関する時間/距離を用いる危険がある。このピークは、見通し線伝送に関するピークではないため、到着時刻の推定値は偏るだろう。
【0053】
図9はCDMA無線通信システムの結果であるかもしれないマルチパスと見通し状態の組み合わせを反映した相関関数を示す。図10は図9に示される相関関数を発生させるかもしれないシナリオの例を示す。図示したように、基地局102から加入者局100への見通し線伝送はビル604によって完全に遮断される。しかしながら、基地局102からの2つの反射波が加入者局100で受信される。ビル612で反射された1番目の波は時間的に早く到着し、図9の擬似的関数に示すピーク902を発生させると考えられる。ビル602で反射された2番目の波は時間的に遅く到着し、図9に示すピーク904を発生させると考えられる。
【0054】
ここで、到着時刻の正確な推定値を求めることはやはり困難である。相関関数に見通し線伝送に対応するピークが存在しないからである。さらに、ピーク902は最も早い非サイドローブピークであるため、解析ロジックが到着時刻を計算する際にそれに関連している時間/距離を用いる危険がある。このピークは見通し線伝送に対応していないため、解析した時刻の推定値はそれ故偏るだろう。
【0055】
発明の実施例
本発明は複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出する一方法を提供する。各パラメータの測定値は1つの相関関数から導出される。これは受信機で受信された信号と、受信機で受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関を取ることによって順次導出される。
【0056】
図11Aを参照して本方法の第1の実施例を示す。ステップ1100において、本方法のこの実施例は、複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することを含む。本方法はステップ1100からステップ1102へ進む。ここで、位置推定値の1つが局地的地形に基づいて選択される。
【0057】
本方法の第2の実施例を図11Bに示す。図示したように、本方法のこの実施例はステップ1104で始まる。このステップは、すでに求めた複数の測定値の異なる(重なりはあるかもしれないが)部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することを含む。例えば、6個の測定値A、B、C、D、E、およびFが求められている場合、ステップ1104は次の測定値の各部分集合から6個の位置推定値を導出することを含むかもしれない。1)A、B、C、D、E、2)A、B、C、D、F、3)A、B、C、E、F、4)A、B、D、E、F、5)A、C、D、E、F、6)B、C、D、E、F。
【0058】
本方法はステップ1104からステップ1106に進む。このステップはステップ1104で決定された各位置推定値のコストを導出することを含む。この開示の目的に対しては、推定値の「コスト」はその推定値を導出するために用いた測定値と矛盾しない任意の尺度であり、残留測定誤差のRMSを非限定的に含む。
【0059】
本方法はステップ1106からステップ1108に進む。このステップは局地的地形に基づいてステップ1104で決定した各コストを改良することを含む。
【0060】
一実施例において、各コストは以下のプロセスを用いて改良される。まず最初に、対応する位置推定値を導出するために用いられる測定値の1つが選択され、対応する参照信号源と受信機の見通し線伝送経路における障害物を特定するために局地的地形を表すデータベースがアクセスされる。オプション的に、受信機から見て反射伝送が発生するかもしれない任意の障害物も特定される。この情報から、参照発信源についての予測相関関数が導出され、得られた実際の相関関数と比較される。この比較に基づいて、ステップ1106で決定したような推定値に対するコストが調整される。位置推定値を導出するために用いた各測定値についてこのプロセスが繰り返される。その結果は位置推定値のための改良したコストである。
【0061】
1つの実施例において、見通し線伝送路の障害物が特定され、参照信号からの見通し線伝送の受信機点での減衰量の予測値が決定される。この情報から、見通し線伝送で得られる相関関数の予測振幅ピークが決定され、実際の相関関数の最も早い非サイドローブピークの振幅と比較される。相違があれば、コストは相違の程度に従った調整量で上方に調整されるかもしれない。合致または合致に近ければ、コストは、下方に調整されるか、または同じ値を保つかもしれない。このプロセスは位置推定値を導出する各測定値について繰り返される。その結果は位置推定値のための改良したコストである。
【0062】
例えば実際のピーク振幅が予測ピーク振幅を超える状況を考えよう。ここで、マルチパス状態が存在するかもしれない。したがって、コストは、それを反映するために大きくなるかもしれない。別の例として、実際のピーク振幅が予測より小さい状況を考えよう。ここで、送信機からの見通し線経路に予測しない障害物があっても良い。したがって、コストは、それを反映するために大きくなるかもしれない。
【0063】
第2の実施例において、見通し線伝送の相関関数の予測形状は見通し線伝送路中にあると予測される障害物を考慮することに基づいて計算される。その計算した形状は、受信機への反射伝送を提供すると予測される障害物を考慮したマルチパスの予測影響を反映できるかもしれない。一度決定すると、予測形状は実際の形状と比較される。再び、この比較に応じてコストの調整ができるだろう。前と同様に、このプロセスは位置推定値が導出される各測定値について繰り返されるだろう。その結果は位置推定値のための改良したコストである。
【0064】
図11Bに戻り、本方法はステップ1108からステップ1110へ進む。ステップ1110において、位置推定値は改良したコストに応じて選択される。1つの例において、このステップは改良したコストの最小値を有する位置推定値を選択することを含む。
【0065】
図12は本発明の方法の第3の実施例を示す。この実施例において、本方法はステップ1204から始まる。このステップは、局地的地形の考察に基づく信頼性のない測定値(既に求めている複数の測定値からの)を除外することを含む。
【0066】
1つの実施において、このステップは各測定値について、対応する送信機からの見通し線内に存在すると予測される、および/または受信地点で反射伝送を発生させると予測される障害物を特定するために、局地的地形を表すデータベースにアクセスすることを含む。この情報に応じて、その送信機に対する予測相関関数が計算され、実際の相関関数と比較される。この比較に応じて、その測定値は信頼性が無いとして除外されるか、そうでなければ保持される。
【0067】
1つの実施例において、送信機からの見通し線伝送の予測減衰量が計算され、見通し線伝送の結果である相関関数の予測振幅がそこから導かれる。この推定値は実際の相関関数における最も早い非サイドローブピークの振幅と比較される。相違が十分顕著である場合、測定値は信頼性がないとして除外されるかもしれない。
【0068】
第2の実施例において、その送信機に対する相関関数の予測形状が計算され、実際の相関関数の形状と比較される。この比較に基づいて、その測定値は信頼性が無いとして除外されるかもしれない。
【0069】
図12に戻り、本方法はステップ1204からステップ1206へ進む。ステップ1206において、本方法は残りの測定値の異なる部分集合から位置推定値を導出することを含む。本方法はステップ1206から、ステップ1208へ進む。このステップは、これらの各位置推定値に対するコスト導出を含む。本方法はステップ1208から、ステップ1210へ進む。このステップはそのコストに基づいて、推定値の1つを選択することを含む。1つの実施において、このステップは最小のコストを持つ位置推定値を最良推定値として選択することを含む。
【0070】
図13に本発明の方法の第4の実施例を示す。この実施例において、本方法はステップ1304で始まる。このステップは、既に求めている測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することを含む。
【0071】
本方法はステップ1304から、ステップ1306へ進む。このステップは、ステップ1304で導出された各位置推定値に対する信頼性尺度を計算するために局地的地形を用いることを含む。
【0072】
本方法はステップ1306から、ステップ1308へ進む。このステップはステップ1304で決定した信頼性尺度に応じて最良の推定値として1つの位置推定値を選択することを含む。
【0073】
信頼性尺度は対応する位置推定値の信頼性に比例、または反比例する尺度を表すかもしれない。信頼性尺度が位置推定値の信頼性に直接比例している場合、ステップ1308は最大の信頼性尺度を持つ位置推定値を最良の推定値として選択することを含むかもしれない。信頼性尺度が位置推定値の信頼性と反比例する尺度の場合、ステップ1308は最小の信頼性尺度を持つ位置推定値を最良の推定値として選択することを含むかもしれない。
【0074】
1つの実施において、ステップ1306は各測定値について、対応する送信機からの見通し線内に存在すると予測される、および/または受信地点で反射伝送を発生させると予測される障害物を決定するために、局地的地形を表すデータベースにアクセスすることを含む。この情報に応じて、その送信機に対する予測相関関数が得られ、実際の相関関数と比較される。この比較に応じて、推定値に対する信頼性尺度が調整される。このプロセスは位置推定値が導出される各測定値について繰り返される。この結果は位置推定値における、信頼性の尺度である。同様に、他の各位置推定値に対する、信頼性尺度が導出される。
【0075】
1つの例において、位置推定値を計算するために用いた各測定値に対しデータベースがアクセスされ、送信機からの見通し線伝送路中の障害物を特定する。この情報から、対応する送信機からの見通し線伝送における予測減衰量が計算され、見通し線伝送についての相関関数の予測ピーク振幅が決定される。予測ピーク振幅は実際の相関関数における最も早い非サイドローブピークの振幅と比較され、それに従って、推定値に対する信頼性尺度が調整される。例えば、この比較によって、マルチパスまたは見通し外状態が存在するかまたは存在しそうであるか示される場合、信頼性尺度を、その尺度が信頼性に反比例、または、比例する信頼性尺度であるかどうかよって上方または下方に調整することができる。他の一例では、この比較は、各測定値に対し対応する相関関数の予測形状と実際の形状を比較し、それに従って、相関関数を調整することを含む。
【0076】
このプロセスは位置推定値が導出される各測定値について、推定値の信頼性尺度を求めながら繰り返される。次に、このプロセス全体はすべての推定値に対する信頼性指標を求めるために、ステップ1304において求めた各推定値について繰り返される。
【0077】
図14は本発明の方法の1つの実施例を示す。
【0078】
このプロセスは、タスク1400から始まり、タスク1401に進む。
【0079】
タスク1401において、1組の測定値を得る。測定値セットの要素は、多くの参照点、例えば、GPS衛星、セルラ基地局、セルラ地上測定などからの測定値を含んでいる。また、この測定値セットの要素は任意に与えた参照点に対する複数測定値も表すかもしれない。これは複数の独立したもしくは相関のある測定値、または複数相関ピークなどの単一の測定値に対する複数の仮定を含むかもしれない。各測定値はRMS誤差計算のような重み係数を提供されることができる。
【0080】
本方法はタスク1401から、タスク1402に進む。タスク1402は測定値のすべての可能性のある適切な部分集合が取られたかを問い合わせる。適切な部分集合は位置の解を導出するのに十分な数の独立した測定値を含むだろう。この解は完全決定される必要はない。適切な部分集合は典型的には複数相関ピークなどのように、矛盾していることが分かっている測定値を含まない。
【0081】
答えが否の場合、制御は、タスク1403へ進む。タスク1403で、部分集合が選択される。
【0082】
タスク1404はタスク1403に続く。タスク1404において、位置の解は、適切な航法アルゴリズムを用いて計算される。この航法アルゴリズムは計算に測定重み係数を用いるかもしれない。航法アルゴリズムの出力は、完全決定もしくは過剰決定解の場合単一点であるかもしれない。またはあいまいな解が存在する時は点の有限集合であるかもしれない。または不足決定解の時は点の無限集合であるかもしれない。後者に対する例は3個のGPS衛星についての擬似距離測定値が用いられる時である。その場合、解は1つの曲線を形成する点の集合になるだろう。そのような点の集合は、適切な仮定を用いることによって、範囲が決められるべきである。例えば、非水平曲線は高さの間隔にある仮定をおくことにより(高度支援)範囲を決めることができる。この範囲の大きさは計算時間と所要信頼性間のトレードオフで決定される。
【0083】
タスク1405はタスク1404に続く。タスク1405において、タスク1404で決定された点の集合は、測定値に固有の測定不確定さに従って拡大される。各解の点は通常不確定楕円面に拡大される。この楕円面を記述するパラメータは、航法アルゴリズムの結果であり、個々の測定RMS推定値と参照点の幾何学的配置に依存している。航法の解が2以上の点を生成する場合、組み合わせた拡大領域は各点に割り当てられた不確定領域の結合として決定される。
【0084】
タスク1406はタスク1405に続く。タスク1406において、タスク1405で導出された拡大集合は領域に分割される。各領域は以下のアルゴリズムにおいて、幾何学的中心で代表される。この領域の大きさは計算時間と所要の精度間のトレードオフで決定される。
【0085】
制御はタスク1406から、1407へ進む。タスク1407において、全領域がテストされたか否かの問い合わせがなされる。
【0086】
答えが否の場合、タスク1408が実行される。タスク1408において、1つの領域が選択される。タスク1409がタスク1408に続く。タスク1409はその選択された領域に関連している先験的な確率を決定する。先験的な確率は以下に基づいて計算される。
【0087】
1.その領域に付随する特定の位置に関する情報。これは局地的環境に関する先験的なすべての知識を包含する。例えば、ある領域に、そこに関連している位置決定の要求が過去にしばしばあった場合、その領域は、より高い割り当て確率を有するべきである。また、不足決定解がタスク1404で用いられる場合、結果として得られる点の無限集合の範囲を定めると、結果として得られる集合は通常一様確率分布とはならない。例えば、高度支援が用いられる場合、通常、高度範囲の極値における確率は中央におけるよりも小さい。
【0088】
2.航法解に関連した領域の位置決定。タスク1405において解を拡大した場合、不確定領域には、そこに関連するある確率分布がある(例えば、不確定楕円面に対する三次元ガウス分布)。これはその領域の先験的な確率の一要素として用いることができる。航法解が2以上の点を生成する場合、特定領域は多数の解の点の不確定領域にあり得る。この場合、結合した確率は条件付き確率則に基づいて計算される。
【0089】
3.航法アルゴリズムで用いられる測定値の重みの和。
【0090】
4.解に対する航法アルゴリズムで与えられたコスト。
【0091】
タスク1410はタスク1409に続く。タスク1410において、タスク1403で選ばれた測定値の部分集合のすべての測定値を考慮したかどうか、問い合わせがなされる。
【0092】
否の場合、タスク1411が実行される。タスク1411では、1つの測定値が選択される。
【0093】
タスク1412はタスク1411に続く。タスク1412において、予測受信信号強度が計算される。この計算は受信機位置(タスク1408で選択された領域の中心)、信号発信源の位置(例えば、GPS衛星についての暦と差分補正から決定することができる)に関する知識、および局地的地形に関する知識にも基づく。受信機位置から信号源へ見通し線を引いた後に、すべての障害となりそうな物を特定することができる。障害物のタイプと経路遮断の長さに基づいて、非直接係数(0bliquity factor)が決定され予測減衰値に組み込まれる。同様に、局地的地形の知識に建築物に関する知識を含めることができる。例えば、経路がビルによって遮断される場合、大きな信号減衰が予測されるべきである。この減衰は高い「非線形」としてモデル化することができる。例えば、ビル内部で信号の所要侵入深さが小さい場合、窓を通した信号を受信している窓に近い受信機を想定することができる。これは信号損が小さいことを意味している。信号源の位置が対角線上に反対にある場合、前記と同じ受信機にとってはるかに大きい信号損になることが予測されるだろう。信号がビル内部構造を通して伝搬しなければならないと思われるからである。これらの仮定は「非線形」伝搬損モデル内に容易に組み込むことができる。このモデルにおいては、短い経路遮断に比べて長い経路遮断は均質モデルが提示する減衰量よりさらに大きな予測減衰量がある。予測減衰量と共に、推定誤差のRMS推定値が計算される。伝搬経路が複数の物体と交差している場合、結合した信号減衰量と結合したRMSが計算される。
【0094】
また、減衰は自由空間伝搬損を含んでいる。これは仮定した受信機-信号源間距離が分かっているため、計算することができる。
【0095】
受信機から見るセルラ基地局の仰角は低いため、セルラ基地局に対する減衰量を、簡単に一般的な減衰量対受信機-信号源距離関数を用いて近似することが有効であるかもしれないことを注意すべきである。この関数は、環境に関する知識に基づき、または収集した統計データに基づき選択することができる。通常、より高い高度に見える衛星に対し、特定の経路と予測される遮断を計算に使用するべきである。
【0096】
予測減衰量がいったん決定されると、予測受信強度を求めるためにそれに公称信号源電力を掛算する。衛星に関しては、公称信号源電力は既知であり、セルラ基地局に関してはその基地局によって送信されたオーバヘッドメッセージから知ることができる。そのような発信源がないとき、推定値を用いることができる。信号源電力における不確定さも受信信号強度のRMS誤差推定に反映されるべきである。
【0097】
制御はタスク1412からタスク1413に進む。タスク1413において、実際の受信信号強度および予測受信信号強度を比較し、条件付き確率を計算する。予測よりはるかに大きい電力を有する信号に遇うということは低い確率となるかもしれない。これは(見通し信号は遮断されていると予測されているので)検出された信号はおそらくマルチパスだということを示している。または、予測よりはるかに小さい電力の信号に遇うということは低い確率となるかもしれない。いずれの場合でも、タスク1408で選択された領域の(およびタスク1411で選択された測定値が取られる位置である)確実性は低い。
【0098】
タスク1410における問い合わせが、タスク1403で選択された部分集合のすべての測定値が考慮されたことを示した場合、タスク1414で結合確率が計算される。この計算はタスク1413で得られた結果に基づく。
【0099】
制御はタスク1414からタスク1415に進む。タスク1415では、結合確率がタスク1409とタスク1414の結果に基づいて計算され、次に制御はタスク1407へ戻る。
【0100】
タスク1407における問い合わせが、すべての領域がテストされたことを示した場合、タスク1416が実行される。そこでは、タスク1415で計算された最大確率の領域が選択され、記録される。その記録された領域の幾何学的中心はタスク1403で選択された測定値の部分集合に関連した位置の解になるだろう、また、その領域の確率はその測定値の部分集合に割り当てられた確率になるだろう。制御はタスク1416からタスク1402に戻る。
【0101】
ステップ1402における問い合わせが、すべての測定値の部分集合がテストされたことを示した場合、タスク1417が実行される。そこでは、最大確率を持つ測定値の部分集合が選択され、関連する位置が位置の解であると宣言される。
【0102】
このプロセスはタスク1418で終了する。
【0103】
上で説明されたすべてのステップが操作に必要というわけではない。ある情報のセットが利用可能でない場合、対応するステップを省略することができる。
【0104】
以上の方法のいずれかは実際にさまざまな形式で実施されるかもしれない、例えば、本方法を具体化する一連の命令がメモリ内、もしくはインターネットのような計算機ネットワーク内のサーバ内に蓄積されているような形式、本方法が合成ロジックとして具体化されている形式、または本方法が計算機プログラム製品すなわちコードセグメントまたはモジュールとして具体化されている形式を非限定的に含む種々の形式で実施されるかもしれない。
【0105】
さらに、システムは上記の場所に蓄積された命令を取得し実行するために上記方法のいずれかを具体化するメモリにアクセスするように構成したプロセッサを含むことができる。そのようなシステムは、種々の環境または応用で用いられるかもしれない。例えば、1つの応用では、そのようなシステムは、加入者局内にあって、基地局、セクター、GSP衛星、またはそれらの任意の組み合わせからの少なくとも1つの伝送信号によって加入者局の位置を決定するように構成される。他の応用では、そのようなシステムは、位置決定エンティティ(PDE)にあって、加入者局の位置を決定するように構成される。ここで
加入者局は、基地局、セクター、GSP衛星、またはそれらの任意の組み合わせからの少なくとも1つの伝送信号から測定値を求め、それらを加入者局の位置の推定値を決定するPDEに提供するものである。
【0106】
本開示の目的に対しては、「プロセッサ」はプロセスを具体化する一連の命令を実行することができる計算機、マイクロプロセッサ、ASIC、有限状態機械、DSP、または他の機器を非限定的に含む任意のデバイスであるかもしれない。
【0107】
さらに、ここで用いられるように「メモリ」はプロセッサで読み込み可能であり、プロセスを具体化する一連の命令を格納することができるRAM、ROM、EPROM、EEPROM、PROM、ディスク(ハードまたはフロッピー(登録商標))、CD−ROM、DVD、フラッシュメモリなどを非限定的に含む任意のデバイスであるかもしれない。
【0108】
図15を参照して、加入者局の1つの実施例の簡略ブロックダイアグラムを示す。この特定の例において、数字1502はソフトウェア命令を実行するように構成されたプロセッサを特定し、数字1504は本発明の方法を具体化するソフトウェア命令を含むソフトウェア命令とデータを保持するためのメモリを特定する。
【0109】
数字1506は、ローミング、そして/または、システム登録と抹消に利用できる準備情報を保持するための永続的なメモリである。
【0110】
数字1508と1510はそれぞれキーパッドとディスプレイを特定し、ユーザーインタフェースの一部として通常提供される。
【0111】
数字1512と1514はそれぞれマイクロホンとスピーカーを特定し、音声の送受信を含む用途を支援するために通常提供される。
【0112】
数字1516はCDMA、GSM(登録商標)、WCDMA、AMPS、TDMA、PCS、またはそれら組み合わせのような、ただしそれらに限定されない、少なくとも1つの多元接続プロトコルに従って無線インタフェースを介してRF周波数で情報の送受信が可能な無線機を特定する。
【0113】
数字1518はモデムを特定する。このモデムはベースバンド周波数の音声(およびデータ)をRF周波数にアップコンバートでき、また、RF周波数をベースバンド周波数にダウンコンバートできる。
【0114】
数字1520は相関器を特定する。これは、受信信号から前記したように相関関数を導出するように構成されている。
【0115】
数字1522は局地的地形を表すデータベースを特定する。このデータベースはプロセッサ1502によってアクセス可能である。
【0116】
この特定の例において、測定値は相関器1520が提供する相関関数からプロセッサ1502によって導出される。プロセッサ1502は、次に本発明の方法を実行するためにメモリ1504に蓄積されたソフトウェア命令をデータベース1522にアクセスしながら実行する。このプロセスが終了する時、加入者局の位置推定値が決定されている。
【0117】
これらの実施例、実施または例によって示された技術が、測定、または測定値から導出される位置推定に適用される場合、既にマルチパスおよび見通し線の欠如のような要素に起因する歪みが正確に見込まれているため、特性は大きく向上する。
【0118】
本発明の種々の実施例を説明したが、通常の当業者には、本発明の範囲内にあるこれ以外の多くの実施例および実施が可能であることは明白だろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出する方法であって、それぞれのパラメータ測定値は、受信機で受信された信号と、受信機で受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関から順次導出する相関関数から導出され、
複数の測定値の異なる部分集合から複数の位置推定値の各々を導出することと、
各位置推定値のコストを導出することと、
局地的地形に基づいて前記コストを改良することと、
前記改良したコストに応じて前記位置推定値の1つを選択することとを含む、
方法。
【請求項2】
前記パラメータ測定値は、到着時刻の測定値である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記識別符号は、擬似雑音(PN)符号である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
推定値の前記コストは、その位置推定値の導出に用いた測定値の残留誤差のRMSである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
改良する前記ステップは、各測定値に対して以下のサブステップ、すなわち、
対応する送信機について局地的地形に基づき予測相関関数を計算することと、
その予測相関関数と受信機で得られる実際の相関関数とを比較することと、
その比較に基づいて、予測と実際の相関関数の間の相違が十分大きい場合には、測定値から導出した各位置推定値に対するコストを調整することとを実行すること含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記比較サブステップは、予測ピーク振幅と、実際の相関関数の最も早い非サイドローブピーク振幅とを比較することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記比較サブステップは、相関関数の予測形状と、相関関数の実際の形状とを比較することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
メモリに蓄積された一連の命令として実際に具体化された請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1つのプロセッサと請求項8に記載のメモリを含むシステムであって、前記メモリは前記プロセッサによるアクセスが可能であり、かつ前記プロセッサはメモリに蓄積された命令にアクセスし、実行するように構成されたシステム。
【請求項10】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出する方法であって、それぞれのパラメータ測定値は受信機で受信された信号と、受信機で受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関から順次導出する相関関数から導出され、
局地的地形に基づいて、信頼性がないと決定された複数の測定値のいずれかを除外することと、
残りの測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することと、
前記各位置推定値のコストを導出することと、
前記コストに応じて位置推定値の1つを選択することとを含む、
方法。
【請求項11】
前記識別符号は、擬似雑音(PN)符号である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パラメータ測定値は、到着時刻の測定値である請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記除外するステップは、各測定値に対し、以下のサブステップ、すなわち、
局地的地形に基づいて対応する送信機について予測相関関数を計算することと、
前記予測相関関数と測定値が導出される実際の相関関数とを比較することと、
前期比較に基づいて、測定値に信頼性がないかどうかを決定することと、
信頼性がないと決定した場合、前記測定値を以後の考察から除外することとを実行することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記比較サブステップは、相関関数の予測ピーク振幅と実際の相関関数の最も早い非サイドローブピークの振幅とを比較することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記比較サブステップは、相関関数の予測形状と測定値を導出した相関関数の実際の形状とを比較することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
メモリに蓄積された一連の命令として実際に具体化された請求項10に記載の方法。
【請求項17】
1つのプロセッサと請求項16に記載のメモリを含むシステムであって、前記メモリは前記プロセッサによるアクセスが可能であり、かつ前記プロセッサはメモリに蓄積された命令にアクセスし、実行するように構成されたシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの送信機は、GPS衛星である請求項10に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの送信機は、無線通信システムの基地局である請求項10に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの送信機は、無縁通信システムの基地局セクターである請求項10に記載の方法。
【請求項21】
前記信号は無線通信を介して受信機で受信される請求項10に記載の方法。
【請求項22】
前記無線伝送は、多元接続プロトコルに従って起こる請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記多元接続プロトコルは、CDMAである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記多元接続プロトコルは、GSM(登録商標)である請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記多元接続プロトコルは、WCDMAである請求項22に記載の方法。
【請求項26】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出する方法であって、それぞれのパラメータ測定値は、受信機で受信された信号と、受信機で受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関から順次導出する相関関数から導出され、
複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することと、
局地的地形に基づいて、各位置推定値に対する信頼性尺度を導出することと、
前記信頼性尺度に基づいて前記位置推定値の1つを選択することとを含む、
方法。
【請求項27】
位置推定のために信頼性尺度を導出する前記ステップは、以下のサブステップ、すなわち、
位置推定値が導出される各測定値に対応する予測相関関数を決定することと、
各測定値について、前記予測相関関数と測定値が導出される実際の相関関数とを比較することと、
各測定値に対する前記比較に基づいて、位置推定値に対する信頼性尺度を導出することとを実行することを含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記比較ステップは、予測と実際のピーク振幅を比較することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記比較ステップは、見通し線伝送に対する予測ピーク振幅と、最も早い非サイドローブピークの実際の振幅とを比較することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記比較ステップは、相関関数の予測形状と実際の形状を比較することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項31】
メモリに一連の命令を実際に具体化した請求項26に記載の方法。
【請求項32】
プロセッサと請求項31に記載のメモリを含むシステムであって、前記メモリはプロセッサがアクセス可能であり、前記プロセッサはそこに蓄積された命令にアクセスし実行するように構成されたシステム。
【請求項33】
加入者局における請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
PDEにおける請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出する方法であって、各々のパラメータ測定値は受信機で受信された信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関を取ることにより順次導出される相関関数から導出され、
複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出することと、
局地的地形に基づいて、位置推定値の1つを選択することとを含む、
方法。
【請求項36】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出する方法であって、各々のパラメータ測定値は受信機で受信された信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関を取ることにより順次導出される相関関数から導出され、
複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出するためのステップと、
局地的地形に基づいて、位置推定値の1つを選択するためのステップとを含む、
方法。
【請求項37】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出するためのシステムであって、各々のパラメータ測定値は受信機で受信された信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関を取ることにより順次導出される相関関数から導出され、
複数の測定値から、各々が測定値の異なる部分集合から導出される複数の位置推定値を導出する第1のロジックと、
各位置推定値のコストを導出するための第2のロジックと、
局地的地形に基づくコストを改良するための第3のロジックと、
その改良したコストに応じて位置推定値の1つを選択するための第4のロジックとを含む、
システム。
【請求項38】
前記パラメータ測定値は、到着時刻測定値である請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記識別符号は、擬似雑音(PN)符号である請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
推定値の前記コストは、その位置推定値を導出する際に用いる測定値の残留誤差のRM
Sである請求項37に記載のシステム。
【請求項41】
前記第3のロジックは、位置推定値が導出された各測定値について、(a)局地的地形に基づき対応する送信機について予測相関関数を計算するように、(b)計算した相関関数と実際の相関関数を比較するように、および(c)その比較に基づいて、予測と実際の相関関数の間の相違が十分大きい場合、測定値から導出した各位置推定値に対するコストを調整するように構成された請求項37に記載のシステム。
【請求項42】
前記第3のロジックは、相関関数の予測ピーク振幅と実際の相関関数の最も早い非サイドローブのピークの振幅とを比較するように構成された請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第3のロジックは、相関関数の予測形状と相関関数の実際の形状とを比較するように構成された請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出するためのシステムであって、各々のパラメータ測定値は受信機で受信された信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関を取ることにより順次導出される相関関数から導出され、
局地的地形に基づいて信頼性がないと決定された複数の測定値のいずれかを除外するための第1のロジックと、
残っている測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出するための第2のロジックと、
各位置推定値のコストを導出するための第3のロジックと、
そのコストに応じて位置推定値の1つを選択するための第4のロジックとを含む、
システム。
【請求項45】
前記識別符号は、擬似雑音(PN)符号である請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記測定値は、到着時刻の測定値である請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1のロジックは、各測定値に対し、(a)局地的地形に基づいてその測定値が導出された送信機に対応する予測相関関数を計算するように、(b)その予測相関関数と測定値が導出された実際の相関関数とを比較するように、(c)その比較に基づいて、測定値が信頼性がないかどうかを決定するように、および(d)信頼性がないと決定された場合、その測定値を以後の考察から除外するように構成された請求項44に記載のシステム。
【請求項48】
前記第1のロジックは、予測ピーク振幅と前記測定値が導出された実際の相関関数の最も早い非サイドローブピークの振幅とを比較するように構成された請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1のロジックは、予測形状と前記測定値が導出された相関関数の実際の形状と比較するように構成された請求項47に記載のシステム。
【請求項50】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出するためのシステムであって、各々のパラメータ測定値は受信機で受信された信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関を取ることにより順次導出される相関関数から導出され、
測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出するための第1のロジックと、
局地的地形に基づいて、各位置推定値における信頼性尺度を導出するための第2のロジックと、
前記信頼性尺度基づいて、位置推定値の1つを選択するための第3のロジックとを含む、
システム。
【請求項51】
前記第2のロジックは、各位置推定値に対して、(a)位置推定値が導出される各測定値に対応して予測相関関数を決定するように、(b)各測定値に対し、予測相関関数と、測定値が導出される実際の相関関数を比較するように、および(c)前記比較に基づいて、各測定値について、位置推定値対する信頼性尺度を導出するように構成された、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記第2のロジックは、予測ピーク振幅と実際のピーク振幅とを比較するように構成されている、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記第2のロジックは、見通し線伝送路に対する予測ピーク振幅と実際の最も早い非サイドローブピークの振幅とを比較するように構成された、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記第2のロジックは、相関関数の予測形状と実際の形状とを比較するように構成された、請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
加入者局における請求項50に記載のシステム。
【請求項56】
PDEにおける請求項50に記載のシステム。
【請求項57】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出するためのシステムであって、各々のパラメータ測定値は受信機で受信された信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関を取ることにより順次導出される相関関数から導出され、
測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出するための第1のロジックと、
局地的地形に基づいて、位置推定値の1つを選択するための第2のロジックとを含む、
システム。
【請求項58】
複数のパラメータ測定値から受信機の位置推定値を導出するためのシステムであって、各々のパラメータ測定値は受信機で受信された信号と、受信機が受信できる送信機を一意的に特定する識別符号との相関を取ることにより順次導出される相関関数から導出され、
複数の測定値の異なる部分集合から、複数の位置推定値の各々を導出するための手段と、
局地的地形に基づいて、位置推定値の1つを選択するための手段とを含む、
システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−42476(P2012−42476A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−198157(P2011−198157)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【分割の表示】特願2003−586635(P2003−586635)の分割
【原出願日】平成15年4月11日(2003.4.11)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】