説明

居場所確認方法

【課題】 誤動作の可能性が低い居場所確認方法を提供する。
【解決手段】 居場所確認方法は、監視対象の携帯情報端末を保持する被監視者の行動パターンが設定された後に、行動パターンの設定項目に含まれる時間帯において、設定項目に含まれる周期で、監視対象の携帯情報端末が、携帯情報端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、位置情報と、位置情報を取得する際の測位精度とに基づいて、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたか否かを判断する判断ステップと、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたと判断された場合に、音声か映像の少なくとも一方で報告を行う報告ステップとを備え、判断ステップにおける判断で用いられる閾値は、測位精度に応じて変動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末の使用者の居場所を確認する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末の使用者の居場所を確認するシステムが提案されている。特許文献1は、GPSやPHS端末を携帯情報端末として用いて、位置検索サービスを行うシステムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−164207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、位置情報の測位精度は、測位手段により異なるので、実際には設定した範囲内に居ても、誤動作で警報を発する場合が起こり得る。
【0005】
したがって本発明の目的は、誤動作の可能性が低い居場所確認方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る居場所確認方法は、監視対象の携帯情報端末を保持する被監視者の行動パターンが設定された後に、行動パターンの設定項目に含まれる時間帯において、設定項目に含まれる周期で、監視対象の携帯情報端末が、携帯情報端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、位置情報と、位置情報を取得する際の測位精度とに基づいて、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたか否かを判断する判断ステップと、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたと判断された場合に、音声か映像の少なくとも一方で報告を行う報告ステップとを備え、判断ステップにおける判断で用いられる閾値は、測位精度に応じて変動する。
【0007】
監視者は、指定された周期で、監視対象の携帯情報端末の位置情報や測位精度、及び監視対象の携帯情報端末が設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域内に居るか否かを知ることが可能になる。このため、監視対象の携帯情報端末を被監視者が保持している限り、監視者は、実質的に、被監視者の移動軌跡を知ることが可能になる。
【0008】
また、測位手段の違いによる誤差範囲の変動を考慮して、監視対象の携帯情報端末の位置が設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域から外れたか否かを判断するため、誤動作の可能性を低く出来るメリットがある。
【0009】
好ましくは、周期は、任意に変更出来るものである。
【0010】
位置情報を取得したり、サーバー30や監視装置10と通信したりする周期を監視者等が手動で設定出来るため、監視対象の携帯情報端末の通信コストや消費電力を考慮して、監視を行うことが可能になる。
【0011】
また、好ましくは、報告ステップにおける報告は、設定項目に含まれるルート若しくは領域の名称と、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れた旨を含む。
【0012】
監視対象の携帯情報端末の位置が設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域から外れた場合には、設定ルート若しくは設定領域の名称と、監視対象の携帯情報端末の位置がかかる名称のルートまたは領域から外れたことを示す警告表示を行える。このため、居場所確認条件(行動パターン)として、複数のルートまたは領域が設定された場合でも、かかる状況を認識しやすいメリットがある。
【0013】
また、好ましくは、設定項目に含まれるルート若しくは領域は、モニターに表示された地図を用いて設定される。
【0014】
地図上の表示を見ながら、ルート(若しくは領域)を設定出来るので、設定が容易に行えるメリットがある。
【0015】
さらに好ましくは、モニターは、地図の上に、設定項目に含まれるルート若しくは領域と、測位精度が視認出来る状態で監視対象の携帯情報端末の位置情報を表示する。
【0016】
地図上に、設定項目に含まれるルート若しくは領域と、測位精度が視認出来る状態で監視対象の携帯情報端末の位置情報が表示されるため、測位誤差も考慮して、監視対象の携帯情報端末の位置関係を視認出来る。
【0017】
また、好ましくは、モニターは、地図の上に、監視対象の携帯情報端末が移動すると予想される予想位置若しくは予想位置を含む予想領域を表示するものであり、予想位置若しくは予想領域は、監視対象の携帯情報端末の過去の位置情報に基づいて算出される。
【0018】
この場合には、監視者は、監視対象の携帯情報端末の使用者(被監視者)の行動(設定されたルートや領域から外れようとしているのか否かなど)を予想しやすくなるメリットがある。
【0019】
また、好ましくは、モニターは、地図の上に、設定項目に含まれるルートの目的地若しくは経由地を含む一定範囲の領域を表示し、監視対象の携帯情報端末が一定範囲の領域に入ったことを示す情報を表示する。
【0020】
この場合には、監視者は、監視対象の携帯電話情報端末の使用者(被監視者)が目的地に到達出来たことを知ることが可能になる。
【0021】
本発明に係るサーバーにインストールされる居場所確認プログラムは、監視対象の携帯情報端末を保持する被監視者の行動パターンが設定された後に、行動パターンの設定項目に含まれる時間帯において、設定項目に含まれる周期で、監視対象の携帯情報端末に、携帯情報端末の位置情報を取得する指示を行う位置情報取得指示工程と、位置情報と、位置情報を取得する際の測位精度に関する情報とに基づいて、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたか否かを判断する判断工程と、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたと判断された場合に、監視装置に報告を行う報告工程とを備え、判断工程における判断で用いられる閾値は、測位精度に応じて変動する。
【0022】
本発明に係る居場所確認システムは、監視対象の携帯情報端末を保持する被監視者の行動パターンを設定するために使用される入力部を有する監視装置と、監視装置とネットワークを介して通信可能であり、行動パターンの設定項目に含まれる時間帯において、設定項目に含まれる周期で、監視対象の携帯情報端末に、携帯情報端末の位置情報を取得する指示を行うサーバーとを備え、サーバーは、位置情報と、位置情報を取得する際の測位精度に関する情報とに基づいて、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたか否かを判断し、設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたと判断した場合に、監視装置に報告を行うものであり、判断工程における判断で用いられる閾値は、測位精度に応じて変動する。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明によれば、誤動作の可能性が低い居場所確認方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態における居場所確認システムの構成図である。
【図2】監視装置の出力部に表示される地図で、設定項目を表示した状態を示すものである。
【図3】監視装置の出力部に表示される地図で、設定されたルートから外れない状態の第1携帯情報端末の移動軌跡を示す図である。
【図4】監視装置の出力部に表示される地図で、設定されたルートから外れた状態の第1携帯情報端末の移動軌跡を示す図である。
【図5】監視装置の出力部に表示される地図で、予想エリア表示を含む第1携帯情報端末の移動軌跡を示す図である。
【図6】監視装置の出力部に表示される地図で、予想位置表示を含む第1携帯情報端末の移動軌跡を示す図である。
【図7】監視装置の出力部に表示される地図で、円形の目的地エリア表示を含む第1携帯情報端末の移動軌跡を示す図である。
【図8】監視装置の出力部に表示される地図で、直線の境界線で区切られた目的地エリア表示を含む第1携帯情報端末の移動軌跡を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態における居場所確認システム1は、監視装置10、サーバー30、及び第1〜第5携帯情報端末51〜55を備える(図1参照)。携帯情報端末の数は一例であって、5台に限るものではない。携帯情報端末は、携帯電話に限られるものではなく、通信キャリアのネットワーク網を介して、サーバー30と通信が可能な端末であればよい。
【0026】
監視装置10は、通信部11、制御部13、入力部15、出力部17を有し、通信部11やインターネット網(通信キャリアのネットワーク網でもよい)を介して、サーバー30と通信可能なコンピューターであり、監視対象の携帯情報端末(第1〜第5携帯情報端末51〜55)の位置確認を行う使用者(以下、「監視者」とする。)が使用する。制御部13は、CPUなど、監視装置10の各部を制御する。入力部15は、キーボードやマウスなど、情報を入力する装置で、居場所確認プログラムにおける監視対象の携帯情報端末情報など居場所を確認する条件(監視対象の携帯情報端末の使用者(以下、「被監視者」とする。)の行動パターン)を入力するのに使用される。出力部17は、モニターなど、文字情報や地図情報を表示する装置で、本実施形態における居場所確認プログラムにおける監視対象の携帯情報端末の位置情報などを表示するのに使用される。
【0027】
サーバー30は、通信キャリアのネットワーク網を介して、第1〜第5携帯情報端末51〜55と通信可能であり、内蔵する記録媒体(ハードディスクなど)には、本実施形態における居場所確認プログラムがインストールされているASP(Application Service Provider)サーバーである。監視装置10は、ブラウザソフトを使って、サーバー30にアクセスし、サーバー30にインストールされた居場所確認プログラムを動作させる。
【0028】
居場所確認プログラムで、居場所確認を行う携帯情報端末(監視対象の携帯情報端末)ごとに、居場所確認条件(行動パターン)を設定する場合には、監視装置10の出力部17に地図が表示される。出力部17に表示する地図は、監視装置10に記録されたものであってもよいし、サーバー30等からダウンロードして得られるものであってもよい。
【0029】
監視者は、出力部17に表示された地図を見ながら、入力部15を使って、監視対象の携帯情報端末ごとに、居場所確認条件(行動パターン)を入力する(パターン設定工程)。居場所確認条件(行動パターン)は、携帯情報端末を識別する情報(携帯情報端末番号など)、ルート設定(若しくは領域設定)を含む。
【0030】
ルート設定(若しくは領域設定)は、入力部15を使って設定した出発地と目的地に基づいて算出されるルートでもよいし、入力部15を使って地図上に線(図2の破線参照)を引いたり、領域(図2の点線参照)を指定したりして、決定してもよい。地図上の表示を見ながら、ルート(若しくは領域)を設定出来るので、設定が容易に行えるメリットがある。
【0031】
また、監視者は、入力部15を使って、設定されたルートごとに、ルート(またはエリア)の名称、出発時間(若しくは開始時間)と到着時間(若しくは終了時間)で定義される時間帯、定期的なルートの繰り返し設定、測位周期を設定する。
【0032】
家から学校への登校する過程(図2の破線表示)を監視する場合の入力例としては、「監視対象:第1携帯情報端末51」、「ルート名称:登校」、「出発時間:午前8時10分」、「到着時間:午前8時30分」、「定期的なルートの繰り返し設定:祝祭日をのぞく4月の毎週月曜日〜金曜日」、「測位周期:1分」が考えられる。
【0033】
また、塾に滞在する過程(図2の点線表示)を監視する場合の入力例としては、「監視対象:第2携帯情報端末52」、「エリア名称:塾での学習」、「開始時間:午後5時15分」、「終了時間:午後6時15分」、「定期的なルートの繰り返し設定:4月の毎週土曜日」、「測位周期:10分」が考えられる。
【0034】
ルート若しくはエリアの日時に関する情報は、出発時間(若しくは開始時間)と到着時間(若しくは終了時間)だけでなく、経由地の到着時間を設定するなど、さらに細分化したものであってもよい。
【0035】
居場所確認条件(行動パターン)は、サーバー30に記録され、かかる条件に基づいて、居場所確認プログラムが実行される。
【0036】
居場所確認条件(行動パターン)の設定後、サーバー30は、監視対象の携帯情報端末に対して、指定された時間帯で、且つ指定された周期で、該携帯情報端末の位置情報を取得する指示を含む信号を送信する(位置情報取得指示工程)。
【0037】
信号を受信した携帯情報端末は、位置情報(緯度経度情報)を取得する(位置情報取得工程)。具体的には、携帯情報端末がGPS(Global Positioning System)測位が可能な場合には、GPS測位で緯度経度情報を取得し、GPS機能を有しないまたはGPS測位が可能でない場合には、3基以上の基地局からの電波情報を元に位置を算出する複数基地局測位で緯度経度情報を取得し、3基以上の基地局からの電波情報を得られない場合には、単独の基地局からの電波の情報を元に算出するセルベース測位で緯度経度情報を取得する。
【0038】
取得した位置情報(緯度経度情報)は、測位方法(測位精度)に関する情報とともに、サーバー30に送信される。
【0039】
サーバー30は、送られてきた位置情報に基づいて、監視対象の携帯情報端末が、居場所確認条件(行動パターン)に含まれるルート若しくは領域から外れた場所に居るか否かを判断する(判断工程)。具体的には、監視対象の携帯情報端末の位置と、設定されたルート(若しくは領域)との距離が、閾値を越えたか否かを判断する。閾値は、位置情報の測位精度に応じて変動する。GPS測位など測位誤差が小さい場合には、閾値を小さくし、セルベース測位など測位誤差が大きい場合には、閾値を大きくする。
【0040】
監視対象の携帯情報端末の位置と、設定されたルート(若しくは領域)との距離が、閾値を越えていない場合には、監視対象の携帯情報端末が、居場所確認条件(行動パターン)に含まれるルート若しくは領域に近い場所に居る(設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域内に居る)と判断され、サーバー30は、監視装置10に、監視対象の携帯情報端末の位置情報や、測位精度、監視対象の携帯情報端末が、該所定領域内に居ることを示す情報を送信する。
【0041】
監視装置10の出力部17は、監視対象の携帯情報端末の位置を示す情報を軌跡表示する(図3参照)。具体的には、出力部17は、地図上に、監視対象の携帯情報端末の位置を点で表示し(図3の黒丸t1〜t8参照)、監視対象の携帯情報端末の位置を中心で閾値が半径となる円を表示する(図3の点線R6〜R8参照)。例えば、黒丸t6は、出発位置から6番目に計測された位置を示し、点線R6は、出発位置から6番目に計測された位置が中心で閾値が半径となる円の外形を示す。図3では、点線R1〜R5を省略しているが、これらを表示する形態でもよいし、表示しない形態であってもよい。
【0042】
監視対象の携帯情報端末の位置と、設定されたルート(若しくは領域)との距離が、閾値を越えた場合には、監視対象の携帯情報端末が、居場所確認条件(行動パターン)に含まれるルート若しくは領域から外れた場所に居る(設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域内に居ない)と判断され、サーバー30は、監視装置10に、監視対象の携帯情報端末の位置情報や、測位精度、監視対象の携帯情報端末が、該所定領域内に居ないことを示す情報を送信する。
【0043】
監視装置10の出力部17は、地図上に、設定項目に含まれるルート若しくは領域と、測位精度が視認出来る状態で監視対象の携帯情報端末の位置情報を表示する。すなわち、監視対象の携帯情報端末の位置を示す情報を軌跡表示する(図4参照)。具体的には、出力部17は、地図上に、監視対象の携帯情報端末の位置を点で表示し(図4の黒丸t1〜t10参照)、監視対象の携帯情報端末の位置を中心で閾値が半径となる円を表示する(図4の点線R8〜R10参照)。例えば、黒丸t9は、出発位置から9番目に計測された位置を示し、点線R9は、出発位置から9番目に計測された位置が中心で閾値が半径となる円の外形を示す。図4では、点線R1〜R7を省略しているが、これらを表示する形態でもよいし、表示しない形態であってもよい。
【0044】
また、出力部17は、監視対象の携帯情報端末が、設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域内に居ないことを示す情報を音声や文字や映像で出力し、監視装置10の使用者(監視者)に警告する。図4では、警告表示の一例として、点線R10の近くに、「警告!第1携帯情報端末51の位置が「ルート名称:登校」のルートから外れました。」を吹き出し表示する。
【0045】
また、このとき、サーバー30は、監視対象の携帯情報端末に、監視対象の携帯情報端末が、設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域内に居ないことを示す情報を送信する。監視対象の携帯情報端末は、自身が、該所定領域内に居ないことを示す情報を音声や文字や映像で出力し、監視対象の携帯情報端末の使用者(被監視者)に報告(警告)する(報告工程)。
【0046】
本実施形態では、監視装置10の使用者(監視者)は、指定された周期で、監視対象の携帯情報端末の位置情報や測位精度、及び監視対象の携帯情報端末が設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域内に居るか否かを知ることが可能になる。このため、監視対象の携帯情報端末を被監視者が保持している限り、監視者は、実質的に、被監視者の移動軌跡を知ることが可能になる。
【0047】
また、監視対象の携帯情報端末の位置が設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域から外れた場合には、設定ルート若しくは設定領域の名称と、監視対象の携帯情報端末の位置がかかる名称のルートまたは領域から外れたことを示す警告表示を監視装置10や監視対象の携帯情報端末で行う。このため、居場所確認条件(行動パターン)として、複数のルートまたは領域が設定された場合でも、かかる状況を認識しやすいメリットがある。
【0048】
また、測位手段の違いによる誤差範囲の変動を考慮して、監視対象の携帯情報端末の位置が設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域から外れたか否かを判断するため、誤動作の可能性を低く出来るメリットがある。
【0049】
また、位置情報を取得したり、サーバー30や監視装置10と通信したりする周期を監視者等が手動で設定出来るため、監視対象の携帯情報端末の通信コストや消費電力を考慮して、監視を行うことが可能になる。例えば、監視対象の携帯情報端末の位置が設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域から外れる可能性が高い場合には、周期を短くして監視を厳しくし、可能性が低い場合には、周期を長くして監視を緩くすることが考えられる。
【0050】
また、地図上に、設定項目に含まれるルート若しくは領域と、測位精度が視認出来る状態で監視対象の携帯情報端末の位置情報が表示されるため、測位誤差も考慮して、監視対象の携帯情報端末の位置関係を視認出来る。
【0051】
なお、監視対象の携帯情報端末の位置が設定ルート若しくは設定領域を含む所定領域から外れたか否かの判断は、サーバー30にインストールされた位置確認プログラムが行う形態を説明したが、監視装置10にインストールされたプログラムで行ったり、監視対象の携帯情報端末にインストールされたプログラムで行ったりしてもよい。
【0052】
また、サーバー30が、監視対象の携帯情報端末の過去の位置情報に基づいて、かかる携帯情報端末が移動すると予想される位置(若しくはかかる位置を含む領域)を算出し、かかる予想位置(若しくは予想領域)が監視装置10の出力部17の地図上に表示される形態であってもよい(図5の一点鎖線参照)。
【0053】
具体的には、サーバー30は、監視対象の携帯情報端末の過去の位置情報から、移動する速度や方向(移動が殆ど無い場合は、直近の測位精度が高い位置)を算出し、測位精度を考慮して、予想位置(若しくは予想領域)を算出し、かかる予想位置(若しくは予想領域)を出力部17の地図の上に表示させる。予想位置(若しくは予想領域)は、位置情報が更新されるたびに更新される。この場合には、監視装置10の使用者(監視者)は、監視対象の携帯情報端末の使用者(被監視者)の行動(設定されたルートや領域から外れようとしているのか否かなど)を予想しやすくなるメリットがある。
【0054】
なお、予想位置(若しくは予想領域)は、図5の一点鎖線で示すように、ある大きさの範囲で示してもよいし、図6のように、星印などの点で示す形態であってもよい。また、これらの予想位置(若しくは予想領域)と同時に、実際に測位で得られた位置情報を表示させる形態であってもよい。特に、測位精度が低く位置情報よりも、予想位置(若しくは予想領域)の方が、実際に監視対象の携帯電話の位置として正確であることも考えられる。
【0055】
また、サーバー30が、設定されたルートの目的地を含む領域(目的地エリア)を設け、かかる目的地エリアに、監視対象の携帯情報端末が入ったか否かを判断し、入ったことを示す情報や目的地エリアが監視装置10の出力部17の地図上に表示される形態であってもよい(図7の二点鎖線、吹き出し表示参照)。
【0056】
具体的には、サーバー30は、設定ルートの目的地を含む一定範囲の領域(目的地エリア)を設定し、地図上に目的地エリア(図7の二点鎖線)を表示する。また、サーバー30は、目的地エリアの内側に、監視対象の携帯情報端末の位置情報が含まれるか否かを判断する。監視対象の携帯情報端末の位置情報が、目的地エリアの内側にあると判断した場合には、地図上に監視対象の携帯電話が目的地エリア内に入った旨を示す情報を出力部17の地図の上に表示させる(図7の吹き出し表示参照)。この場合には、監視装置10の使用者(監視者)は、監視対象の携帯電話情報端末の使用者(被監視者)が目的地に到達出来たことを知ることが可能になる。
【0057】
なお、目的地への到着時間と比較出来るように、目的地エリア内に入った時間や設定されたルートの到着時間などの情報も表示させる形態であってもよい。また、目的地を含むエリア(目的地エリア)だけでなく、出発地と目的地の間の経由地を含むエリア(経由地エリア)を設けて、かかる経由地エリアに監視対象の携帯情報端末が入ったか否かを判断する形態であってもよい。
【0058】
なお、図7の例では、出力部17は、地図上に、監視対象の携帯情報端末の位置を点で表示し(黒丸t1〜t15参照)、監視対象の携帯情報端末の位置を中心で閾値が半径となる円を表示する(点線R13〜R15参照)。
【0059】
目的地エリア(若しくは経由地エリア)は、図7に示すような円形に限るものではなく、他の形状であってもよい。例えば、図8に示すように、二点鎖線の境界線よりも上(北)を目的地エリアとして、設定する形態であってもよい。本実施形態では、出力部17に表示された地図の上で、設定項目の内容を入力出来るため、図7のような円形の目的地エリアも、図8のような境界線で定められる目的地エリアも容易に入力することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 居場所確認システム
10 監視装置
11 通信部
13 制御部
15 入力部
17 出力部
30 サーバー
51〜55 第1〜第5携帯情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の携帯情報端末を保持する被監視者の行動パターンが設定された後に、前記行動パターンの設定項目に含まれる時間帯において、前記設定項目に含まれる周期で、前記監視対象の携帯情報端末が、前記携帯情報端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報と、前記位置情報を取得する際の測位精度とに基づいて、前記設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたか否かを判断する判断ステップと、
前記設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたと判断された場合に、音声か映像の少なくとも一方で報告を行う報告ステップとを備え、
前記判断ステップにおける判断で用いられる閾値は、前記測位精度に応じて変動することを特徴とする居場所確認方法。
【請求項2】
前記周期は、任意に変更出来るものであることを特徴とする請求項1に記載の居場所確認方法。
【請求項3】
前記報告ステップにおける報告は、前記設定項目に含まれるルート若しくは領域の名称と、前記設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れた旨を含むことを特徴とする請求項1に記載の居場所確認方法。
【請求項4】
前記設定項目に含まれるルート若しくは領域は、モニターに表示された地図を用いて設定されることを特徴とする請求項1に記載の居場所確認方法。
【請求項5】
前記モニターは、前記地図の上に、前記設定項目に含まれるルート若しくは領域と、前記測位精度が視認出来る状態で前記監視対象の携帯情報端末の位置情報を表示することを特徴とする請求項4に記載の居場所確認方法。
【請求項6】
前記モニターは、前記地図の上に、前記監視対象の携帯情報端末が移動すると予想される予想位置若しくは前記予想位置を含む予想領域を表示するものであり、
前記予想位置若しくは前記予想領域は、前記監視対象の携帯情報端末の過去の位置情報に基づいて算出されることを特徴とする請求項4に記載の居場所確認方法。
【請求項7】
前記モニターは、前記地図の上に、設定項目に含まれるルートの目的地若しくは経由地を含む一定範囲の領域を表示し、前記監視対象の携帯情報端末が前記一定範囲の領域に入ったことを示す情報を表示することを特徴とする請求項4に記載の居場所確認方法。
【請求項8】
監視対象の携帯情報端末を保持する被監視者の行動パターンが設定された後に、前記行動パターンの設定項目に含まれる時間帯において、前記設定項目に含まれる周期で、前記監視対象の携帯情報端末に、前記携帯情報端末の位置情報を取得する指示を行う位置情報取得指示工程と、
前記位置情報と、前記位置情報を取得する際の測位精度に関する情報とに基づいて、前記設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたか否かを判断する判断工程と、
前記設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたと判断された場合に、監視装置に報告を行う報告工程とを備え、
前記判断工程における判断で用いられる閾値は、前記測位精度に応じて変動することを特徴とするサーバーにインストールされる居場所確認プログラム。
【請求項9】
監視対象の携帯情報端末を保持する被監視者の行動パターンを設定するために使用される入力部を有する監視装置と、
前記監視装置とネットワークを介して通信可能であり、前記行動パターンの設定項目に含まれる時間帯において、前記設定項目に含まれる周期で、前記監視対象の携帯情報端末に、前記携帯情報端末の位置情報を取得する指示を行うサーバーとを備え、
前記サーバーは、前記位置情報と、前記位置情報を取得する際の測位精度に関する情報とに基づいて、前記設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたか否かを判断し、前記設定項目に含まれるルート若しくは領域から外れたと判断した場合に、前記監視装置に報告を行うものであり、
前記判断工程における判断で用いられる閾値は、前記測位精度に応じて変動することを特徴とする居場所確認システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−221267(P2012−221267A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86931(P2011−86931)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(502181595)株式会社 ゼネテック (19)
【Fターム(参考)】