説明

山砂を主原料に用いた抗菌剤とその加工方法

【課題】山砂を主原料に用いた抗菌剤とその加工方法の提供。
【解決手段】《I》山砂を高温で焼き、製粉機で、任意のミクロン単位の大きさの微粒子に製粉することを特長とする抗菌剤。《II》イ)(I)の抗菌剤を、糊料に均一に混合して、溶剤を加え、染料のような溶液にする。ロ)(イ)の染料のような溶液を、織布や不織布のような基布に刷るように均一に塗布、付着させる。ハ)次に、(ロ)のように付着させた基布を乾燥させる。以上のことを特徴とする加工方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、高温で焼いた山砂をミクロン単位の微粒子に製粉して、抗菌剤にする。
それに糊料と溶剤を混ぜ、染料のような溶液にして、基布に刷るように均一に塗布、付着させ、乾燥した、山砂を主原料に用いた抗菌剤とその加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、抗菌処理は殺菌剤のような化学薬品を主力にした方法が主であったが、薬品の強い毒性によって、人体のアレルギーの原因になったり、場合によっては、中毒になったりと、安全面で問題を残していた。
更に、化学薬品を使用しているうちに細菌類も耐性を持ち、抗菌力が失われる場合もあり、更に強い薬品の開発と、耐性を持とうと進化する細菌との競争が、際限なくエスカレートしていった。
そのため、人体にも安全な、毒性の少なく、安心できる技術が求められている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、次のような課題があった。
イ)強い毒性を持った化学薬品は、人体のアレルギーの原因や、中毒などの副作用がある。
ロ)化学薬品による殺菌、抗菌は、耐性を持った細菌をつくり、より強い化学薬品の開発と、それに対する耐性を作ろうとする細菌の競争を限りなくエスカレートさせる。
ハ)人体に安全な、毒性の少ない、安心できる技術が求められている。
【課題を解決しようとする手段】
【0004】
以下、本発明の課題を解決するための手段を説明する。
《I》
山砂を高温で焼き、製粉機で、任意のミクロン単位の大きさの微粒子に製粉することを特長とする抗菌剤。
《II》
イ)(I)の抗菌剤を、糊料に均一に混合して、溶剤を加え、染料のような溶液にする。
ロ)(イ)の染料のような溶液を、織布や不織布のような基布に刷るように均一に塗布、付着させる。
ハ)次に、(ロ)のように付着させた基布を乾燥させる。
ニ)以上のことを特長とする加工方法。
本発明は以上のような構成よりなる、山砂を主原料に用いた抗菌剤とその加工方法に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
山砂を高温で焼き、有機物、細菌類を焼却、除去する。
更に、ジェットミルのような空気の対流を利用した、ミクロン単位の微細な粉末を製造する製粉機で、ミクロン単位の微粒子にする。
出来た山砂のミクロン単位の微粒子を、糊料と溶剤に混ぜ、染料のような混合溶液を作る。
染色と同じ工程で、その溶液を基布に刷るように塗りつけ、乾燥させる。
そのため、山砂の粒度は、顔料と同じぐらい、ミクロン単位の細かい粉末状である方が良い。
この山砂の成分には二酸化チタンが微量に含まれていた。
そうして出来た、山砂を微粒子にして、均一に塗布した布地は、実施例として、その布地の上で、大腸菌を培養する条件、生菌、培養カンテン、培養温度を与えても、大腸菌の増殖はなかった。
更に、この布地を牛舎に張ると、臭気が薄れたと報告があった。
又、更に実施例として、この布地で包んだ食パンを自然環境で放置しても、6ケ月間、腐敗しなかったとの報告もあった。
又、別の実施例として、この布地を肌身に着けると、腰痛等の痛みが薄れ、大変、暖かいと報告が多い。
明確ではないが、これは、焼いた山砂が微粒子になって、自然に含まれていた二酸化チタン成分の光触媒に近い作用による効果と遠赤外線のセラミック効果の複合作用と考えられる。
更に実施例として、基布が、織布、不織布でも、紙でも、ゴムでも、塗布出来る素材であれば、材質を問わず、木材でも、ビニールのような化学製品でも、糊料と溶剤を変えて、スクリーン印刷の方法や捺染ロールを用いたプリントも可能である。
又、更にプラスチックの成分を混入させたり、陶器や磁器の原料に混入させても良い。
又、フィルム等に含有加工して、貼りつけても効果がある。
【発明の効果】
【0006】
この発明の効果を説明する。
この発明の技術によって、安全で、毒性が少なく、コストが安く、幅広い分野に利用出来る、価値の高い商品を生み出すことが可能となる。
なお、山砂の成分に二酸化チタンが含まれていない場合には、二酸化チタンを加えても良い。
実施例として更に、抗菌塗料として、吹き付け塗装方法で、病院や学校のような床、壁の建築物、駅やバス等の公共の待合所、デパートやスーパーのような店の土間、外壁といった土木分野でも利用出来る。
汚れによって抗菌作用が薄れた場合でも、再塗装は容易である。
又、更に簡単な方法は、商品のドブ漬けのような浸し漬けでも良い。
このように、自然の鉱物の集合体である山砂を原料にして作られる抗菌剤は安全と安心、毒性もなく、副作用もなく、人体影響に一番優しいと考える。
更に、鉱物が持つ安定した持続力で、長期に及び効果があるし、一時的な抗菌作用を持つに過ぎない化学薬品とは異なる、新しい技術である。
最近発生している感染系病原体の蔓延は、老人ホームや病院、託児所といった集団生活においての、保菌者となった老人、子供の食べ残しや排泄物による二次感染が大半を占めるため、実施例として、紙オムツ、衣類、食器、トイレ、ゴミ箱等に利用すれば、感染を防ぐ手だてとしてなりうる。
又、それに限らず、病室などの、床、壁、ドアにも施工出来る汎用性の高さを持つ。
更には、トイレットペーパーにも、包帯にも加工が出来るし、感染系病原体に限らず、広い意味での抗菌作用を生かすのであれば、カバンやバック、布袋といった、普段持ち歩く物への加工や、バス、列車といった、不特定多数が数多く利用する公共の施設での座席、つり革等にも施工出来る。
その他、食品や野菜の保存紙袋、ゴミ袋にも使用出来るし、畜舎、調理室にも施行出来る。
加工が容易で、汎用性が高く、しかも安いコストで提供出来る、安全な方法と考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
山砂を高温で焼き、製粉機で、任意のミクロン単位の大きさの微粒子に製粉することを特長とする抗菌剤。
【請求項2】
イ)(請求項1)の抗菌剤を、糊料に均一に混合して、溶剤を加え、染料のような溶液にする。
ロ)(イ)の染料のような溶液を、織布や不織布のような基布に刷るように均一に塗布、付着させる。
ハ)次に、(ロ)のように付着させた基布を乾燥させる。
ニ)以上のことを特長とする加工方法。
以上のごとく構成された、山砂を主原料に用いた抗菌剤とその加工方法に関するものである。

【公開番号】特開2006−225365(P2006−225365A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71877(P2005−71877)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(501461209)
【出願人】(505079176)
【出願人】(505079213)
【Fターム(参考)】