説明

工作機械の起動制限システム

【課題】工作機械の当初の設置場所から離れた場所への不適切な移設を防止すると共に、機械の移設先や移設履歴を知ることもできる技術手段を提供する。
【解決手段】GPSを利用して機械の設置位置を検出し、検出された設置位置が予め登録された許容領域を越えているときに機械の起動ないし機能に制限をかける。起動制限システムは、GPSアンテナ1と、エリア設定手段5と、NC装置4に工作機械3の起動指令が与えられたときにGPS信号を受信して現在位置を演算する現在位置演算手段2と、現在位置がエリア設定手段5に設定された許可エリアを越えているときにNC装置4に動作制限信号を出力する制限情報出力手段7と、所定の解除指令を受けて前記動作制限信号に基づく動作制限を解除する制限解除手段8とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工作機械が移設されたときに、機械の起動を制限して、不適切な移設による加工精度の低下や機械の転売などに起因するトラブルを防止する技術手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加工精度の高い工作機械は、機械の据付が不適切であると、加工精度に狂いが生じたり、所定の加工能力を発揮できないなどのトラブルが発生する。たとえば、据付ける床面に歪みや捻じれがあると、機械を床面に固定したときにフレームが変形し、当該フレームに搭載されている主軸や刃物台の位置関係に誤差が生ずるため、その機械の本来の加工精度を発揮することができない。また、据付ける床面を支えている基礎の強度が十分でないと、大きな切削反力が作用したり、ワークの搬送を行うローダやアンローダが動作したときに機械が振動し、加工面精度が低下したり、本来の加工能力を発揮できないということが起る。
【0003】
工作機械には種々のものがあり、更に同じ種類の工作機械であってもフレームの構造や刃物台の配置位置により、据付時に留意しなければならない技術事項にも相違がある。そこで、工作機械の据付に際しては、機械メーカが認定した据付業者により据付を行って、機械本来の性能が確保されるようにしている。
【0004】
しかし、一旦据付けられた工作機械は、工場の配置変えや移転、あるいは売却等によって移設されても、ユーザからの連絡がない限り、工作機械メーカや当該機械を据付けた据付業者は、機械の移設を知ることができない。メーカが知らないまま、不適切な方法で移設されたり、不適当な場所に移設されると、加工精度の低下、工具や機械寿命の低下などの問題が発生し、機械のユーザとメーカの間で補償などについてのトラブルが発生することがある。また、甚だしい場合は、違法な移設が行われて、工作機械メーカの信用が害されるということも起り得る。
【0005】
工作機械を移設するときには、運転時とは異なる種類の振動が工作機械に作用する。特許文献1には、このような振動を検出することによって、機械の移設を認識して、その後の機械の起動を抑制することにより、工作機械の不適切な移設によるトラブルの発生を回避することが提案されている。
【特許文献1】特開2003‐35595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の技術によれば、工作機械の移設作業が行われた可能性があることを検知することができ、据付不良等によるトラブルの発生を回避できると考えられる。しかし、工場内のライン変更に伴う機械の僅かな移動、操作ミスによるワークと機械の衝突に起因する振動や地震発生時の振動により、機械の起動ができなくなるということが起り、そのたびにユーザがメーカに連絡して、起動制限を解除するためのパスワードなどの取得を行わなければならず、対応が面倒になるという問題がある。
【0007】
また、地震によって起動停止が掛かる場合のように、不必要なときに機械の起動が制限されるという事態が生ずることは、いわば誤作動によって機械が停止するということであり、機械の信頼を損なう危険性が大きい。
【0008】
また、振動検出器のみで移設を検知する方法では、振動検出器の改造によって、不正な移設が行われる危険性があり、機械の移設先や移設履歴なども分からないので、輸出が禁止されている国に移設されるのを防止することができず、また中古品を購入したユーザに対する適正な保守をすることができないなどの問題がある。
【0009】
この発明は、工作機械の移設に伴う種々のトラブルの発生を防止するための研究の一環としてなされたもので、当初の設置場所から離れた場所への不適切な移設を防止すると共に、機械の移設先や移設履歴を知ることもできる技術手段を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、GPSを利用して機械の設置位置を検出し、検出された設置位置が予め機械に登録された許容領域を越えているときに機械の起動ないし機能に制限をかけることにより、上記課題を解決したものである。
【0011】
すなわち、上記課題を解決したこの出願の請求項1の発明に係る工作機械の起動制限システムは、GPSアンテナ1と、エリア設定手段5と、NC装置4に工作機械3の起動指令が与えられたときにGPS信号を受信して現在位置を演算する現在位置演算手段2と、現在位置がエリア設定手段5に設定された許可エリアを越えているときにNC装置4に動作制限信号を出力する制限情報出力手段7と、所定の解除指令を受けて前記動作制限信号に基づく動作制限を解除する制限解除手段8とを備えていることを特徴とする、工作機械の起動制限システムである。
【0012】
また、上記課題を解決したこの出願の請求項2の発明に係る工作機械の起動制限システムは、GPSアンテナ1と、エリア設定手段5と、所定間隔の計測タイミングを設定する計測タイミング設定手段17と、計測タイミング毎にGPS信号を受信して現在位置を演算する現在位置演算手段2と、演算された現在位置を更新記憶する現在位置記憶手段16と、当該記憶された現在位置がエリア設定手段5に設定された許可エリアを越えているときにNC装置4に動作制限信号を出力する制限情報出力手段7と、所定の解除指令を受けて前記動作制限信号に基づく動作制限を解除する制限解除手段8とを備えていることを特徴とする、工作機械の起動制限システムである。
【0013】
この出願の請求項3の発明は、上記請求項1又は2記載の手段を備えた工作機械の起動制限システムにおいて、入力された位置信号に基づいてエリア設定手段5に設定されているエリアを書換えるエリア更新手段9を備え、前記制限解除手段8は、前記動作制限を解除するときにエリア更新手段9に現在位置を出力することを特徴とするものである。
【0014】
また、この出願の請求項4の発明は、上記請求項1、2又は3記載の手段を備えた工作機械の起動制限システムにおいて、インターネット接続手段と、インターネット接続手段を介して現在位置を送信する現在位置送信手段12と、インターネット接続手段を介して前記解除指令を受信する解除指令受信手段13とを備えていることを特徴とするものである。
【0015】
GPSは4個の衛星から同時に発信される電波の到達時間差により、受信端末の位置と時間を演算により求めるシステムで、GPSアンテナ1と位置演算手段2とで構成されている。エリア設定手段5には、初期位置と、その初期位置を中心とする広さを設定することによりエリアを設定するか、または、初期位置に関係なく、経度や緯度でエリアを設定する。初期位置は、移設される前の正当に据付けられた位置である。
【0016】
制限情報出力手段7から出力される制限信号は、簡単には工作機械3やNC装置4に起動指令が与えられないようにする信号であるが、起動できるけれども特定の動作が機能しないというような機械の動作を部分的に制限する信号であってもよい。解除指令は、暗証番号のようなパスワードであって、移設を行った据付担当者が手入力指令するか、インターネットを介して工作機械メーカなどに設置したサーバ11から取得して自動入力する。
【0017】
工作機械やNC装置を起動するときに、GPSを利用して工作機械の現在位置を検出するシステムでは、GPSの電波が到達しないトンネルや地下工場に工作機械が設置されたとき機能しなくなる。この問題は、請求項2や請求項3に示すように、工作機械が電源に接続されていないときでも、内蔵バッテリーにより、所定間隔のタイミングごとにGPS電波を受信して現在位置を演算して所定の記憶領域に更新記憶(記憶内容を上書き)し、工作機械起動時にこの記憶値が設定エリアを越えていたときに、起動制限をかけるというシステムを採用することにより、回避することができる。
【0018】
請求項4に記載のように、移設を許容する領域を設定するエリア設定手段5に設定されているエリアを書き換えるエリア更新手段9を設けて、移転先で生じた軌道制限が認証パスワードの入力などにより、解除手段によって解除されたときに、承認された移転先の位置を基準とする新しいエリアに書き換えれば、移転先の承認が行われた後、当該移転先から少し移動しただけでも起動制限がかかるという現象を回避できる。具体的にはたとえば、エリア設定手段に初期位置と、その初期位置を中心とする領域の大きさを表す情報とを記憶し、移転先が承認されたときに、初期位置のデータを移転先のデータに書き換えることにより、簡単に実現することができる。
【0019】
解除手段8への解除情報の入力をインターネットを介して工作機械メーカなどの管理センターに設けたサーバ11から送信するようにすれば、当該サーバ11はユーザの工場に据付けられている工作機械の現在位置及び移動履歴を記憶しておくことができる。このようにすれば、移転先の位置情報から単なる据付場所の変更か転売による移設かを知ることができ、ユーザが変わったときや機械が故障したときの必要なメンテナンスを速やかに行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0020】
この発明により、機械の不適切な移設により生ずる機械性能の低下や寿命の低下を防止できると共に、機械の転売によるメーカとユーザ間のトラブルを防止することができる。そして、エリア設定手段5に移設可能な領域を設定できるので、同一工場内でのライン変更に伴う移設のようなトラブルが生ずるおそれの少ない移設については、ユーザ側で行うことも可能になり、また地震などによって本来必要でない起動制限がかかることもないので、不必要な起動制限システムの作動によって煩雑な制限解除作業が発生するのを避けることができる。
【0021】
更にインターネットを介して起動制限を解除することができるため、適正な移設であった場合に起動制限を解除する処理を自動化することが可能になり、更にサーバに各工作機械の認証履歴や移動履歴を自動で記憶させておくことができるため、機械の精度低下などの問題が生じたときに、この履歴情報をトレースすることによって、その原因を調べることが容易になる。また、現在の機械の移設場所がリアルタイムで記憶されるため、機械故障などが発生した場合に、修理担当者がGPSを使用したナビゲーションシステムを利用して、道に迷うことなく速やかに現場に行くことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1及び図2は、この発明の第1実施形態を示した図で、図1はブロック図、図2は動作手順を示すフローチャートである。
【0023】
図1において、1はGPSアンテナ、2は現在位置演算手段である。現在位置演算手段2は、GPSアンテナ1が受信したGPS電波の受信信号に基づいて、現在位置を演算する。3は工作機械、4は当該工作機械を制御しているNC装置である。NC装置4の電源が投入され、当該NC装置に工作機械3の起動指令が与えられたときに、NC装置4は、現在位置演算手段2を動作させる。
【0024】
5はエリア設定手段である。エリア設定手段5には、機械の初期位置(当初据付けられた位置)と、当該初期位置を中心とする移設可能領域の広さが設定されている。設定されたエリアは相対エリアである。エリア設定手段5には、絶対エリアを経度と緯度とで設定することもできる。また、相対エリアと絶対エリアとの両者を設定して、両エリアのアンド条件又はオア条件で移設許容エリアを設定することもできる。
【0025】
6は比較手段、7は制限情報出力手段である。比較手段6は、現在位置演算手段2が現在位置を演算したときに、その位置がエリア設定手段5に設定された許容エリア内かエリア外かを判定する。制限情報出力手段7は、比較手段6がエリア外と判定したときに、NC装置4に起動制限信号を送る。NC装置4は、起動制限信号を受けたときには、与えられた工作機械の軌道指令を実行しない。
【0026】
8は解除手段である。解除手段8はパスワードの手入力手段を備え、予め設定されている認証パスワードや据付者パスワードが入力されたときに、制限情報出力手段7からの起動制限信号を受けているNC装置4に、その起動制限を解除する解除信号を出力する。
【0027】
9はエリア更新手段である。エリア更新手段9を設けたときは、解除手段8から解除信号が出力されたとき、現在位置演算手段2は、現在位置情報をエリア更新手段9に送る。エリア更新手段9は、受け取った現在位置情報に基づいて、エリア設定手段5に設定されているエリアを書き換える。
【0028】
図2は、図1のシステムの制御フローチャートを示した図である。NC装置4の電源が投入されたとき、ステップ21でGPSにより現在位置を取得し、ステップ22で取得した現在位置がエリア設定手段に設定されている許可エリア内かどうかを判定する。許可エリア内であれば工作機械を起動する。エリア外であれば制限情報出力手段7からの制限情報により、NC装置4に工作機械の起動制限を設定し、最初はステップ24を通過して、ステップ23でパスワードの入力画面を表示し、オペレータにパスワードの入力を促す。パスワードが入力されたら、当該パスワードのチェックを行い、適正なパスワードであれば、NC装置4に設定された起動制限を解除し、工作機械3を起動する。パスワードが適正でないときは、ステップ24に戻ってパスワードの再入力を促す。パスワードの再入力を繰り返しても適正なパスワードが得られないときは、ステップ24でその入力回数がリミットに到達したかどうかを判断し、リミットに到達したら画面をロックし、工作機械を起動しないで処理を終了する。なお、図の例は、NC装置4に工作機械3の起動制限をかけるものであるが、NC装置4の起動を制限するようにしてもよい。
【0029】
図3は、この発明の第2実施形態のブロック図、図4は、その動作フローチャートで、解除手段8に与える解除信号をインターネット10を介して取得するようにした例である。この第2実施形態のシステムでは、図1のシステムに、インターネット10を介してセンタに設置したサーバ11とデータを送受信する送信手段12と受信手段13とが付加されている。受信手段13は、インターネット10を介してサーバ11から取得した解除情報を解除手段8に与える。送信手段12は、制限情報出力手段7がNC装置4に制限信号を出力したときに、現在位置演算手段2で演算された現在位置をインターネット10を介してサーバ11に送る。また、送信手段12は、NC装置4のディスプレイに表示した認証画面の指示に従ってパスワードが入力されたとき、当該パスワードをサーバ11に送る。
【0030】
図には明示されていないが、この第2実施形態のシステムでは、現在位置演算手段2が充電式のバッテリーを内蔵しており、NC装置4に電源が接続されていないときでも、所定の時間間隔でGPSアンテナ1が取得したGPS電波に基づいて、現在位置の演算を行っている。システムを構成するその他の要素の動作は、図1で説明した通りである。
【0031】
次に図4を参照して、図3のシステムの動作を説明する。現在位置演算手段2は、GPSにより現在位置を取得している。NC装置4の電源が投入されると、ステップ41で比較手段6が現在位置が許可エリア内かどうかを判定する。許可エリア内であれば、通常状態でNC装置4を起動する。許可エリア外であるときは、制限情報出力手段7がNC装置4の起動制限をかける。このとき同時に現在位置演算手段2で演算された現在位置がインターネット10を通してサーバ11に送られる。
【0032】
次にステップ42でNC装置4のディスプレイにパスワード認証画面を表示して、ステップ43でネットワーク認証が可能かどうかを判定し、可能であればオペレータにステップ44で工作機械の移設を行った据付者のパスワードの入力を促し、入力された据付者パスワードをインターネット10を介してサーバ11に送る。サーバ11は、当該パスワードが正規の据付者としてサーバ11に登録されているパスワードに一致すれば、インターネット10を介して認証情報を送る。
【0033】
サーバから認証情報を取得して認証が完了したら、ステップ45でエリア設定手段5の初期位置に現在位置を設定し、通常のNC装置のの起動を行う。サーバ11から認証情報を取得できないときは、ステップ44に戻って据付者のパスワードの入力を促す。そして、図2の場合と同様に、入力動作の繰り返し回数がリミットに達したときは、NC装置4を起動しないで処理を終了する。
【0034】
ステップ43でネットワーク認証ができないと判断したときは、ステップ44のパスワード認証画面を表示したまま据付者パスワードと認証パスワードの入力を待つ。オペレータは、この間に位置情報と据付者パスワードを電話等により管理センターに連絡して、認証パスワードを取得し、手入力で据付者パスワードと認証パスワードを入力する。入力された据付者パスワードと認証パスワードが正しければ、ステップ45でエリア設定手段5の初期位置に現在位置をセットして、NC装置4を起動する。正しい据付者パスワードと認証パスワードが入力されないときは、パスワード認証画面に戻り、図2の場合と同様に、入力操作の繰り返し回数がリミットに達したときに、NC装置4を起動しないで処理を終了する。
【0035】
図5は、この発明の第3実施形態を示すブロック図、図6、7は、その動作フローチャートである。図5のシステムでは、図1のシステムの現在位置演算手段2と比較手段15との間に、現在位置演算手段2で演算された現在位置を上書き記憶する現在位置記憶手段16が設けられている。現在位置演算手段2及び現在位置記憶手段16は、内蔵バッテリーで動作しており、タイミング間隔設定器17に設定された時間間隔ごとに、図6のフローチャートに示す動作を行っている。すなわち、所定の計測タイミングごとにGPSにより現在位置を演算し、取得した現在位置を現在位置記憶手段16に更新記憶する。GPS電波が受信できない等のために、現在位置を取得できないときは、現在位置記憶手段16に記憶されている現在位置を更新しないで次の計測タイミングを待つ。このシステムでは、工作機械3がGPS電波を受信できない場所に設置されたとき、最後にGPS電波を受信した場所を現在位置として記憶している。
【0036】
図5のNC装置4は、起動指令が与えられたときに、その情報を比較手段6に送る。比較手段6は、当該信号を受けたときに、現在位置記憶手段16に記憶された現在位置とエリア設定手段5に設定されている許可エリアとを比較し、エリア外であればエリア外信号を制限情報出力手段7に出力する。制限情報出力手段7は、比較手段6からエリア外信号が出力されていれば、NC装置4に起動制限信号を出力する。図5のシステムのその他の要素の動作は、図1のものと同じである。
【0037】
図5のシステムの動作フローチャートは、図7に示されている。すなわち、NC装置の電源投入時に現在位置記憶手段16に記憶されている現在位置が許可エリア内かエリア外かを判定し、許可エリア外であれば、ステップ71でNCの起動を制限する。許可エリア内であれば、通常の起動動作に入る。ステップ71に移行した後の動作は、図2で説明したとおりである。
【0038】
この第3実施形態のものにおいても、起動制限を解除する解除信号をインターネットを介して取得する構成とすることができる。その場合には、図5のシステムに図1のシステムに対して図3で付加した要素を付加し、起動制限がかかった後の手続を図4に示した手順で行ってやればよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1実施形態のブロック図
【図2】図2のシステムの動作フローチャート
【図3】第2実施形態のブロック図
【図4】図3のシステムの動作フローチャート
【図5】第3実施形態のブロック図
【図6】図5のシステムで実行される現在位置記憶手順を示すフローチャート
【図7】図5のシステムの電源投入時の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0040】
1 GPSアンテナ
2 現在位置演算手段
3 工作機械
4 NC装置
5 エリア設定手段
7 制限情報出力手段
8 解除手段
9 エリア更新手段
13 受信手段
16 フラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPSアンテナ(1)と、エリア設定手段(5)と、NC装置(4)に工作機械(3)の起動指令が与えられたときにGPS信号を受信して現在位置を演算する現在位置演算手段(2)と、現在位置がエリア設定手段(5)に設定された許可エリアを越えているときにNC装置(4)に動作制限信号を出力する制限情報出力手段(7)と、所定の解除指令を受けて前記動作制限信号に基づく動作制限を解除する制限解除手段(8)とを備えている、工作機械の起動制限システム。
【請求項2】
GPSアンテナ(1)と、エリア設定手段(5)と、所定間隔の計測タイミングを設定する計測タイミング設定手段(17)と、計測タイミング毎にGPS信号を受信して現在位置を演算する現在位置演算手段(2)と、演算された現在位置を更新記憶する現在位置記憶手段(16)と、当該記憶された現在位置がエリア設定手段(5)に設定された許可エリアを越えているときにNC装置(4)に動作制限信号を出力する制限情報出力手段(7)と、所定の解除指令を受けて前記動作制限信号に基づく動作制限を解除する制限解除手段(8)とを備えている、工作機械の起動制限システム。
【請求項3】
入力された位置信号に基づいてエリア設定手段(5)に設定されているエリアを書換えるエリア更新手段(9)を備え、前記制限解除手段(8)は、前記動作制限を解除するときにエリア更新手段(9)に現在位置を出力することを特徴とする、請求項1又は2記載の工作機械の起動制限システム。
【請求項4】
インターネット接続手段と、インターネット接続手段を介して現在位置を送信する現在位置送信手段(12)と、インターネット接続手段を介して前記解除指令を受信する解除指令受信手段(13)とを備えている、請求項1、2又は3記載の工作機械の起動制限システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−129706(P2008−129706A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311754(P2006−311754)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000212566)中村留精密工業株式会社 (120)
【Fターム(参考)】