説明

布地の洗濯又は処置の用途に用いるための組成物と前記組成物の製造方法

【課題】布地の洗濯又は処置の用途に用いるための補助組成物であって、洗濯プロセス中に布地の洗浄及び布地柔軟化の両方が可能な洗濯洗剤組成物を提供する。
【解決手段】油中水型エマルションを含んでなる、(i)モンモリロナイト粘土等の粘土と、(ii)乳化形態のシリコーンとの混合体を含み、前記油中水型エマルションが、シリコーンを含んでなる連続相と、水と漂白剤とを含んでなる不連続相とにより構成され、帯電ポリマー布地柔軟増強成分をさらに含んでなる、補助組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地の洗濯又は処置の用途に用いるための組成物に関する。より具体的には、本発明は洗濯プロセス中に布地の洗浄及び布地柔軟化の両方が可能な洗濯洗剤組成物に関する。本発明は上記組成物の製造方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯プロセス中に布地の洗浄及び柔軟化の両方を行う洗濯洗剤組成物が知られており、洗濯洗剤メーカーは長年その開発と販売を行ってきた。通常、これらの洗濯洗剤組成物は、洗濯された布地に布地柔軟化効果をもたらすことができる成分を含んでなり、かかる布地柔軟化成分には粘土類とシリコーン類とが含まれる。
【0003】
洗濯された布地に布地柔軟化効果を付与するための洗濯洗剤組成物への粘土の組込みは、以下の文献に記載されている。洗濯プロセス中に布地の洗浄及び柔軟化の両方を行うことができるスメクタイト粘土を含んでなる、粒状のしっかりした構造の洗濯洗剤組成物は、米国特許4,062,647号(T.D.ストーム(Storm,T.D.)及びJ.P.ナーシュル(Nirschl,J.P.)、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company))に記述されている。ベントナイト粘土凝集体を含んでなる強力布地柔軟化洗剤は、英国特許2138037号(E.アレン(Allen,E.)、M.コートロー(Coutureau,M.)及びA.ディラーストーン(Dillarstone,A.)、コルゲート・パーモリーブ社(Colgate-Palmolive Company))に記述されている。大きさが150〜2,000ミクロンの布地柔軟化粘土を含有する洗濯洗剤組成物が、米国特許4,885,101号(H.T.タイ(Tai,H.T.)、リーバーブラザース社(Lever Brothers Company))に記述されている。粘土含有洗濯洗剤組成物の布地柔軟化効果は、粘土含有洗濯洗剤組成物に凝集補助剤を組み込むことにより改善される。例えば、スメクタイト型粘土及びポリマー粘土凝集剤を含んでなる洗剤組成物が、欧州特許0299575号(H.ラームドンク(Raemdonck,H.)及びA.ブッシュ(Busch,A.)、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company))に記述されている。
【0004】
洗濯プロセス中の、洗濯された布地に布地柔軟化効果をもたらすためのシリコーンの使用もまた公知である。米国特許4,585,563号(A.ブッシュ(Busch,A.)及びS.コスマス(Kosmas,S.)、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company))には、具体的な有機官能性ポリジアルキルシロキサンが粒状洗剤に有利に組み込まれ、洗濯全体を通しての柔軟化及びさらなる繊維取り扱いの改善を含む著しい効果をもたらすことが記述されている。米国特許5,277,968(E.カニベンク(Canivenc,E.)、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc Chemie))には、繊維基質に良好な感触と良好な疎水性とを付与するとされている、繊維基質の調整方法で、有効な調整量の特定のポリジオルガノシロキサンによるそのような繊維物質の処置を含んでなる方法が記述されている。
【0005】
洗剤メーカーは、同じ洗濯洗剤組成物内に粘土とシリコーンの両方を組み込もうと試みてきた。例えば、それらの分配性能を改善させるとされるシリコネート類が粘土含有組成物中に組み込まれた。米国特許4,419,250(E.アレン(Allen,E.)、R.ディラーストーン(Dillarstone,R.)及びJ.A.ロール(Reul,J.A.)、コルゲート・パーモリーブ社(Colgate-Palmolive Company))は、低級アルキル硅酸の塩及び/又はその単一若しくは複数の重合生成物を含んでなる凝集ベントナイト粒子について記述している。米国特許4,421,657号(E.アレン(Allen,E.)、R.ディラーストーン(Dillarstone,R.)及びJ.A.ロール(Reul,J.A.)、コルゲート・パーモリーブ社(Colgate-Palmolive Company))は、ベントナイト粘土とシリコネートとを含んでなる強力洗濯及び繊維柔軟化微粒子組成物について記述している。米国特許4,482,477(E.アレン(Allen,E.)、R.ディラーストーン(Dillarstone,R.)及びJ.A.ロール(Reul,J.A.)、コルゲート・パーモリーブ社(Colgate-Palmolive Company))は、分配性能を補助する割合のシリコネート、好ましくはベントナイトを布地柔軟化剤として含む、微粒子構造の合成有機洗剤組成物について記述している。別の例として、欧州特許0163352号(D.W.ヨーク(York,D.W.)、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company))は、洗濯プロセス中に粘土含有洗濯洗剤組成物により発生する過剰な泡を制御する目的での粘土含有洗濯洗剤組成物へのシリコーンの組込みについて記述している。欧州特許0381487号(I.S.ビギン(Biggin,I.S.)及びP.S.カートライト(Cartwright,P.S.)、BPケミカルズ社(BP Chemicals Limited))は、ポリシロキサンのようなバリア物質によって事前に処理された粘土を含んでなる水性ベースの液体洗剤の配合について記述している。
【0006】
洗剤メーカーはさらに、洗濯洗剤組成物中にシリコーン、粘土及び凝集剤を組み込もうと試みてきた。例えば、置換ポリシロキサン、柔軟化粘土及び粘土凝集剤を含んでなる布地処置組成物が、PCT国際公開特許WO92/07927(C.A.A.V.J.マーテルー(Marteleur,C.A.A.V.J.)及びA.C.コンベンツ(Convents,A.C.)、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company))に記述されている。
【0007】
最近になって、有機親和性粘土と官能化オイルとを含んでなる布地ケア組成物が、米国特許6,656,901B2(D.ムーアフィールド(Moorfield,D.)及びN.フィルトン(Whilton,N.)、コノプコ社のユニリーバ・ホーム・アンド・パーソナルケア米国部門(Unilever Home & Personal Care USA division of Conopco,Inc.))に記述されている。PCT国際公開特許WO02/092748(T.インストーン(Instone,T)ら、ユニリーバ社(UnileverPLC))は、非イオン性界面活性剤と、シリコーンであることができる非水溶性液体と、粘土であることができる粒状担体物質との、緊密なブレンド(intimate blend)を含んでなる粒状組成物を記述する。PCT国際公開特許WO03/055966(D.H.コカルド(Cocardo,D.H.)ら、ヒンダステインリーバ社(Hindustain Lever Limited))は、粘土であることができる固体担体とシリコーンであることができるしわ防止剤とを含んでなる布地ケア組成物を記述する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記すべての試みにもかかわらず、洗剤メーカーが洗濯洗剤に対して達成できた布地柔軟化性能上の効果の改善のどれも、布地洗浄性能及びその加工性を犠牲にしている。従って、布地洗浄性能及び加工性に大きな悪影響を与えることなく、洗濯洗剤組成物の布地柔軟化性能を改善する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の問題を、布地の洗濯又は処置の用途に用いるための補助組成物であって、(i)粘土と、(ii)乳化形態のシリコーンとの混合体を含んでなる補助組成物の付与により克服するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(粘土)
典型的には、粘土はスメクタイト粘土などの布地柔軟化粘土である。好ましいスメクタイト粘土類は、バイデライト粘土類、ヘクトライト粘土類、ラポナイト粘土類、モンモリロナイト粘土類、ノントナイト粘土類(nontoniteclays)、サポナイト粘土類、及びこれらの混合物である。好ましくは、スメクタイト粘土は2八面体型スメクタイト粘土、より好ましくはモンモリロナイト粘土である。2八面体型(dioctrahedral)スメクタイト粘土類は、典型的には次の2つの一般式のうち1つを有する。
式(I)NaAl2−xMgSi10(OH)
又は
式(II)CaAl2−xMgSi10(OH)
式中、xは0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4の数字である。
【0011】
好ましい粘土類は、帯電量の少ないモンモリロナイト粘土(ナトリウムモンモリロナイト粘土又はワイオミング(Wyoming)型モンモリロナイト粘土としても公知)であり、それは上記の式(I)に対応する一般式を有する。好ましい粘土類は、さらに帯電量の大きいモンモリロナイト粘土(カルシウムモンモリロナイト粘土又はチェト(Cheto)型モンモリロナイト粘土としても公知)であり、それは上記の式(II)に対応する一般式を有する。好ましい粘土類は、Archillas Activadas Andinasのフラソフト1(Fulasoft1)、フォーダミン(Fordamin)のホワイトベントナイト(White Bentonites)STP、及びラビオサ・ケミカ・ミネラリア(Laviosa Chemica Mineraria)SPAのDetercal P7の商品名で供給されている。
【0012】
粘土は、ヘクトライト粘土であってもよい。典型的なヘクトライト粘土は、次の一般式を有する。
式(III)[(Mg3−xLi)Si4−yMeIII10(OH2−z)]−(x+y)((x+y)/n)Mn+
式中、y=0〜0.4であり、y=>0の場合は、MeIIIはAl、Fe又はBであり、好ましくはy=0であり、Mn+は一価(n=1)又は二価(n=2)の金属イオンであり、好ましくはNa、K、Mg、Ca及びSrから選択される。xは0.1〜0.5の数字であり、好ましくは0.2〜0.4であり、より好ましくは0.25〜0.35である。zは0〜2の数字である。(x+y)の値は、粘土の層荷電であり、好ましくは(x+y)の値は0.1〜0.5の範囲内にあり、好ましくは0.2〜0.4、より好ましくは0.25〜0.35である。好ましいヘクトライト粘土は、レオックス(Rheox)より商標名ベントーン(Bentone)HCで供給されているものである。本明細書に用いる他の好ましいヘクトライト粘土類は、CSMマテリアルズ(CSM Materials)からヘクトライト(Hectorite)U及びヘクトライトRの商標名でそれぞれ供給されているヘクトライト粘土である。
【0013】
粘土は、さらにアロフェン粘土類、緑泥石粘土類(好ましい緑泥石粘土類はアメス石粘土類、ベイリクロア(baileychlore)粘土類、シャモス石粘土類、クリノクロア粘土類、クーク石粘土類、コランドファイト(corundophite)粘土類、ダフネ石粘土類、鉄緑泥石粘土類、ゴニヤライト粘土類、ニマイト粘土類、オディナイト粘土類、斜方シャモス石粘土類、パンナンタイト(pannantite)粘土類、ペニンナイト粘土類、リピドライト(rhipidolite)粘土類、須藤石粘土類、及び塊緑泥石粘土類である)、イライト粘土類、混合層(inter-stratified)粘土類、オキシ水酸化鉄粘土類(好ましいオキシ水酸化鉄粘土類は、赤鉄鉱粘土類、針鉄鉱粘土類、鱗鉄鉱(lepidocrite)粘土類、及びフェリハイドロ石粘土類である)、カオリン粘土類(好ましいカオリン粘土類は、カオリナイト粘土類、ハロイサイト粘土類、ディッカイト粘土類、ナクライト粘土類、及びヒシンゲル石粘土類である)、スメクタイト粘土類、バーミキュライト粘土類、並びにこれらの混合物から成る群から選択されてよい。
【0014】
粘土はまた、好ましくは波長460nmで少なくとも60、より好ましくは少なくとも70又は少なくとも80の反射率を有する淡色結晶性粘土鉱物であってもよい。好ましい淡色結晶性粘土鉱物類は、陶土類、ハロイサイト粘土類、2八面体粘土類、例えばカオリナイト、3八面体粘土類、例えばアンチゴライト及びアメス石、スメクタイト及びホルマイト(hormite)粘土類、例えばベントナイト(モンモリロナイト)、バイデル石(beidilite)、ノントロナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、ピメライト、雲母、白雲母、バーミキュライト粘土類、並びに、葉蝋石/タルク、ウイレムサイト及びミネソタアイト粘土類である。好ましい淡色結晶性粘土鉱物類は、GB2357523A及びPCT国際公開特許WO01/44425に記載されている。
【0015】
好ましい粘土は、少なくとも70meq/100gのカチオン性交換容量を有する。粘土類のカチオン性交換容量は、グリムショー(Grimshaw)著、粘土の化学と物理(The Chemistryand Physics of Clays)、インターサイエンス・パブリッシャーズ社(Interscience Publishers Inc.)、264〜265頁(1971)に記述されている方法を使って測定することができる。
【0016】
好ましくは、粘土は典型的には20マイクロメートル超過の、好ましくは23マイクロメートル超過の、好ましくは25マイクロメートル超過の、又は好ましくは21マイクロメートル〜60マイクロメートルの、より好ましくは22マイクロメートル〜50マイクロメートルの、より好ましくは23マイクロメートル〜40マイクロメートルの、より好ましくは24マイクロメートル〜30マイクロメートルの、より好ましくは25マイクロメートル〜28マイクロメートルの重量平均一次粒径を有する。これらの好ましい重量平均一次粒径を有する粘土類は、さらに改善された布地柔軟化効果をもたらす。粘土の重量平均粒径の決定方法は、以下でより詳細に記述される。
【0017】
(粘土の重量平均一次粒径の決定方法)
粘土の重量平均一次粒径は、典型的には以下の方法を用いて決定される:12gの粘土を、250mLの蒸留水の入ったガラス製ビーカーに入れ、それを5分間激しく攪拌し、粘土溶液を形成する。粘土は、超音波で分解されたり、高圧ミクロフルイダイザー(microfluidizer)処理装置内でミクロ流体にされないが、水の入った前記ビーカーに未処理の形態で(すなわち、そのままの形態で)加えられる。1mLの粘土溶液を、マイクロピペットを使用して、アキュサイザー(Accusizer)780単一粒子光学寸法測定器(SPOS)のリザーバ容量に加える。アキュサイザー(Accusizer)780SPOSのリザーバ容量分加えられた粘土溶液は、さらなる蒸留水によって希釈され希釈粘土溶液に形成される。希釈はアキュサイザー(Accusizer)780SPOSのリザーバ容量内で生じ、これは前記アキュサイザー(Accusizer)780SPOSによって制御された自動プロセスであり、希釈粘土溶液中の粘土粒子の重量平均粒径を決定するための希釈粘土溶液の最適濃度を決定する。希釈粘土溶液を、アキュサイザー(Accusizer)780SPOSのリザーバ容量内で3分間放置する。粘土溶液がアキュサイザー(Accusizer)780SPOSのリザーバ容量内にある間中、激しく攪拌する。粘土溶液は、次にアキュサイザー(Accusizer)780SPOSのセンサーを通して吸い出される。これはアキュサイザー(Accusizer)780SPOSによって制御された自動プロセスであり、希釈粘土溶液中の粘土粒子の重量平均粒径を決定するためのセンサーを通過する希釈粘土溶液の最適流量を決定する。この方法のすべての工程は、20℃の温度にて実施される。この方法を3回繰り返し、それらの結果の平均を割り出す。
【0018】
(シリコーン)
シリコーンは、好ましくは布地柔軟化シリコーンである。前記シリコーンは、典型的には、次の一般式を有する。
【化1】

式中、各繰り返し単位‐(Si(R)(R)O)‐中の各R及びRは独立して、分枝状若しくは非分枝状、置換若しくは非置換のC〜C10のアルキル若しくはアルケニル、置換若しくは非置換のフェニル、又は‐[‐RSi‐O‐]‐単位から選択され、xは50〜300,000の数字であり、好ましくは100〜100,000、より好ましくは200〜50,000であり、ここで、置換アルキル、アルケニル、又はフェニルは、典型的にはハロゲン基、アミノ基、ヒドロキシル基、四級アンモニウム基、ポリアルコキシ基、カルボキシル基、又はニトロ基で置換され、ポリマーはヒドロキシル基、水素又は‐SiRで終端をなし、式中、Rはヒドロキシル基、水素基、メチル基又は官能基である。
【0019】
好適なシリコーンとしては、欧州特許150872号、PCT国際公開特許WO92/01773及び米国特許4800026号に記載されているもののようなアミノシリコーン類、米国特許4448810号及び欧州特許459821号に記載されているもののような四級シリコーン類、PCT国際公開特許WO00/71806及び同00/71807に記載されているもののような高粘度シリコーン類、変性ポリジメチルシロキサン、米国特許5668102号に記載されているもののような官能化ポリジメチルシロキサンが挙げられる。好ましくは、シリコーンはポリジメチルシロキサンである。
【0020】
シリコーンは、好ましくは、2つ以上の異なる種類のシリコーンのシリコーン混合物でもよい。好ましいシリコーン混合物は、高粘度シリコーンと低粘度シリコーン、官能化と非官能化シリコーン、又は非帯電シリコーンポリマーとカチオン性シリコーンポリマーとを含んでなるものである。
【0021】
シリコーンは典型的には、剪断速度20s−1及び周囲条件(20℃で101kPa(1気圧))で測定する時、5Pa・s(5,000cp)〜5,000Pa・s(5,000、000cp)、又は10Pa・s(10,000cp)超過〜1,000Pa・s(1,000,000cp)、又は10Pa・s(10,000cp)〜600Pa・s(600、000cp)、より好ましくは50Pa・s(50,000cp)〜400Pa・s(400,000cp)、さらに好ましくは80Pa・s(80,000cp)〜200Pa・s(200,000cp)の粘度を有する。シリコーンは、特に粘土と混合される時に、典型的には液体又は液化可能な形態である。典型的には、シリコーンは3個超過の、好ましくは5個超過の、又はさらに10個超過のシロキサンモノマー単位を含んでなる高分子シリコーンである。
【0022】
シリコーンは、特に粘土と混合される時に、エマルションの形態である。エマルションは、油中水型エマルション又は水中油型エマルションであることができる。エマルションは、好ましくは、シリコーンが連続相の少なくとも一部、好ましくは全部を形成し、水が不連続相の一部、好ましくは全部を形成している油中水型エマルションの形態である。典型的には、エマルションは0.1マイクロメートル〜5,000マイクロメートル、好ましくは0.1マイクロメートル〜50マイクロメートル、最も好ましくは0.1マイクロメートル〜5マイクロメートルの体積平均一次液滴直径を有する。体積平均一次粒径は通常、コールター・マルチサイザー(Coulter Multisizer)(商標)を用いて、又は以下でより詳細に説明する方法により測定される。
【0023】
乳化形態のシリコーンは、典型的に0.5(500cp)〜70Pa・s(70,000cp)、又は3Pa・s(3,000cp)〜20Pa・s(20,000cp)の粘度を有する。
【0024】
使用に適した市販のシリコーンオイル類は、ダウ・コーニング(Dow Corning)から供給されているDC200(商標)(12.5Pa・s(12,500cp)〜600Pa・s(600、000cp))、又はGEシリコーン(GE Silicone)から供給されているベイシロン流体Mシリーズ(Baysilone Fluid M series)のシリコーンである。あるいは、予め形成されたシリコーンエマルションも使用に好適である。これらのエマルションは、シリコーンの乳化を助けるのに有効な量で水及び/又は他の溶媒を含んでなってもよい。
【0025】
(シリコーンの体積平均液滴直径の決定方法)
エマルションの体積平均液滴直径は、典型的には次の方法で決定される:エマルションを顕微鏡スライド上に乗せ、カバースリップを静かに置く。エマルションを顕微鏡倍率400倍、1,000倍にて観察し、エマルションの平均液滴直径を基準試料台のマイクロメートルと比較して計算する。
【0026】
(乳化剤)
乳化剤は任意の界面活性剤、好ましくは洗浄性界面活性剤であることができる。好適な洗浄性界面活性剤類としては、アニオン性洗浄性界面活性剤類、非イオン性洗浄性界面活性剤類、カチオン性洗浄性界面活性剤類、双極性イオン洗浄性界面活性剤類、両性洗浄性界面活性剤類、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい洗浄性界面活性剤類は、C8〜18のアルキル硫酸塩類、1〜7の平均エトキシル化度を有するC8〜18のアルキルエトキシル化硫酸塩類、C8〜18の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、C12〜18のアルキルカルボン酸類、1〜7の平均エトキシル化度を有するC8〜18のアルキルエトキシル化アルコール類、C12〜24のアルキルN−メチルグルコースアミド類、C8〜18のアルキルポリグルコシド類、アミンオキシド類、C12〜24のアルキルベタイン類、C6〜18のモノアルキルモノエトキシジメチル四級塩化アンモニウム類及びこれらの混合物から成る群から選択される。最も好適には、乳化剤は直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性洗浄性界面活性剤である。
【0027】
(帯電ポリマー布地柔軟増強成分)
帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、好ましくはカチオン性である。好ましくは、帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、カチオン性グアーゴムである。
【0028】
帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、(i)アクリルアミドモノマー単位、(ii)その他のカチオン性モノマー単位、及び(iii)所望により、その他のモノマー単位を含んでなる、カチオン性ポリマーでもよい。帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、カチオン性変性ポリアクリルアミド又はそのコポリマーでもよく、これらのポリアクリルアミドにいかなるカチオン性変性を利用することもできる。極めて好ましい帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、アクリルアミドとジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル四級塩(DMA3−MeCl)とのコポリマー類、例えば、BASF(ルードヴィンシャーフェン(Ludwingshafen)、ドイツ)からSedipur CL343の商標名で販売されているものである。
【0029】
DMA3MeClの一般的構造は、次の通りである。
【化2】

【0030】
アクリルアミドの一般的構造は、次の通りである。
【化3】

【0031】
好ましいカチオン性ポリマー類は、次の一般的構造を有する。
【化4】

式中、n及びmは独立して100〜100,000、好ましくは800〜3400の範囲内の数字である。n:mのモル比は、好ましくは4:1〜3:7、好ましくは3:2〜2:3の範囲内にある。
【0032】
好適な帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、ドイツ特許10027634号、同10027636号、同10027638号、米国特許6111056号、同6147183号、PCT国際公開特許WO98/17762、同98/21301、同01/05872、及び同01/05874にさらに詳細に記述され、そこに記述された方法に従って合成できる。
【0033】
帯電ポリマー布地柔軟増強成分は好ましくは、1%〜70%、好ましくは10%超〜70%、より好ましくは10%〜60%のカチオン平均置換度を有する。帯電ポリマー布地柔軟増強成分がカチオン性グアーゴムの場合、好ましくはそのカチオン置換度は10%〜15%である。しかし、帯電ポリマー布地柔軟増強成分が上述の式VIIに従う一般的構造を有するポリマーである場合、そのカチオン置換度は好ましくは40%〜60%である。カチオン平均置換度は、典型的にはカチオン性に置換されたカチオン性ポリマー中でのモノマーのモル百分率を意味する。カチオン平均置換度は、既知の任意の方法、例えばコロイド滴定によって決定できる。そのようなコロイド滴定法の1つが、D.ホーン(Horn,D.)著、Prog.Colloid&Polymer Sci.、1978年、8、243〜265頁においてより詳細に記述されている。
【0034】
帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、好ましくは0.2meq/g〜1.5meq/gの電荷密度を有する。電荷密度は典型的には、ポリマーによって運ばれる電荷数で定義され、ミリ当量/グラム(meq/g)単位で表示される。1当量は、1モルの電荷を付与するのに必要とされる物質の重量であり、1ミリ当量とはこの1000分の1である。
【0035】
好ましくは、帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、100,000ダルトン超〜10,000,000ダルトン未満、好ましくは500,000ダルトン〜2,000,000ダルトン、さらに好ましくは1,000,000ダルトン〜2,000,000の重量平均分子量を有する。ポリマーの重量平均分子量を決定するための任意の既知のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)測定方法を、帯電ポリマー布地柔軟増強成分の重量平均分子量を測定するために使用できる。GPC測定については、B.H.スチュアート(Stuart,B.H.)著、ポリマー分析(Polymer Analysis)、108〜112頁(ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons Ltd)、英国版、(著作権)2002刊)においてより詳細に記述されている。帯電ポリマー布地柔軟増強成分の重量平均分子量を決定するための典型的なGPC法を以下に示す。
【0036】
(帯電ポリマー布地柔軟増強成分の重量平均分子量の決定方法)
1.ポリマー1.5gを脱イオン水1リットル中に溶解する。
2.工程1で得た混合物を、ザルトリウス・ミニサートRC25(Sartorius Minisart RC25)フィルターを使ってろ過する。
3.メーカーの説明書に従い、工程2で得られた混合物100リットルをGPC機に注入する。このGPC機には、35℃で稼動するスプレマ・マックス(Suprema MAX)(8mm×30cm)カラム及びERC7510検出器が取り付けられ、酢酸と塩化カリウム溶液との0.2M水溶液を流量0.8mL/分で溶出溶媒として使用する。
4.重量平均分子量は、GPCのデータをメーカーの説明書に従って分析することにより得られる。
【0037】
(凝集補助剤)
凝集補助剤は、粘土を凝集させることができる。典型的には、凝集補助剤は重合体である。好ましくは、凝集補助剤は、エチレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸及びこれらの混合物から成る群から選択されるモノマー単位を含んでなるポリマーである。好ましくは、凝集補助剤はポリエチレンオキシドである。典型的には、凝集補助剤は少なくとも100,000ダルトン、好ましくは150,000ダルトン〜5,000,000ダルトン及び最も好ましくは200,000ダルトン〜700,000ダルトンの分子量を有する。
【0038】
(補助剤成分)
補助組成物及び/又は洗濯洗剤組成物は、所望により1つ以上の補助剤成分を含んでなってもよい。これらの補助剤成分は、典型的には、洗浄性界面活性剤類、ビルダー類、高分子コビルダー(co-builder)類、漂白剤、キレート剤類、酵素類、再付着防止ポリマー類、汚れ放出ポリマー類、高分子汚れ分散剤及び/又は汚れ懸濁剤類、移染防止剤類、布地保全剤(fabric integrity agents)類、光沢剤類、泡抑制剤類、柔軟仕上げ剤類、凝集剤類並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0039】
(補助組成物)
補助組成物は、布地の洗濯又は処置の用途に用いられ、典型的には完全に配合された洗濯洗剤組成物の一部を形成するか、又は完全に配合された洗濯洗剤組成物に追加するのに適した添加剤組成物である。好ましくは、補助組成物は完全に配合された洗濯洗剤組成物の一部を形成する。
【0040】
補助組成物は、粘土と乳化形態のシリコーンとの混合体を含んでなる。典型的には、補助組成物は追加的に、帯電ポリマー布地柔軟増強成分と所望により1つ以上の補助剤成分とを含んでなる。好ましくは、帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、粘土とシリコーンとの混合体の形態で補助組成物中に存在する。これは、通常は帯電ポリマー布地柔軟増強成分が、粘土及びシリコーンと同じ粒子中に存在することを意味する。
【0041】
好ましくは、シリコーンと乳化剤の重量比は、もし存在するのであれば、補助組成物において3:1〜20:1である。好ましくは、シリコーンと粘土の重量比は、0.05〜0.3である。
【0042】
(洗濯洗剤組成物)
洗濯洗剤組成物は、補助組成物と、洗浄性界面活性剤と、所望により凝集補助剤と、所望によりビルダーと、所望により漂白剤とを含んでなる。洗濯洗剤組成物は、所望により、1つ以上の他の補助剤成分を含んでなる。
【0043】
洗濯洗剤組成物は、液体又は固体状のいずれであってもよいが、好ましくは微粒子形態であり、好ましくは自由流動性微粒子形態である。固体状の組成物は、凝集体、顆粒、フレーク、押出品、棒、錠剤又はこれらのいかなる組み合わせの形態でもあり得る。固形組成物は、乾式混合(dry-mixing)、凝集、圧縮、噴霧乾燥、パン型造粒機による造粒(pan-granulation)、球形化又はこれらの任意の組み合わせなどの方法によって製造されることができる。固形組成物は、好ましくは300g/L〜1,500g/L、好ましくは500g/L〜1,000g/Lのバルク密度を有する。
【0044】
組成物はさらに液体、ゲル、ペースト、分散体、好ましくはコロイド状分散体又はこれらのいかなる組み合わせの形態でもあり得る。液体組成物は典型的には、剪断速度20s-1及び周囲条件(20℃で101kPa(1気圧))で測定して、0.5Pa・s(500cps)〜3Pa・s(3,000cps)の粘度を有し、典型的には800g/L〜1300g/Lの密度を有する。組成物が分散体の形態であれば、典型的には1マイクロメートル〜5,000マイクロメートル、好ましくは1マイクロメートル〜50マイクロメートルの体積平均粒径を有する。分散体を形成する粒子は、通常、粘土であり、さらにシリコーンが存在する場合にはシリコーンである。典型的には、コールター・マルチサイザー(Coulter Multisizer)を使用して分散体の体積平均粒径を測定する。
【0045】
組成物は、錠剤の他に、前記組成物が少なくとも部分的に封入され、好ましくは例えばポリビニルアルコール製フィルムで完全に封入された1回用量の小袋を含む、1回用量の形態であってよい。
【0046】
組成物は、洗濯プロセス中に布地の洗浄と柔軟化との両方を行うことができる。典型的には、組成物は、自動洗濯機で使用するように配合されるが、手による洗濯用にも配合されることができる。
【0047】
以下の補助剤成分とその濃度は、本発明の洗濯洗剤組成物に組み込まれる時、布地柔軟化性能と布地洗浄性能とをさらに向上させる:組成物の少なくとも10重量%のアルキルベンゼンスルホン酸塩洗浄性界面活性剤、組成物の少なくとも0.5重量%、又は少なくとも1重量%、又はさらに少なくとも2重量%のカチオン性四級アンモニウム洗浄性界面活性剤、組成物の少なくとも1重量%のアルコキシル化アルキル硫酸塩洗浄性界面活性剤、好ましくはエトキシル化アルキル硫酸塩洗浄性界面活性剤、組成物の12重量%未満又はさらに6重量%未満又はさらに0重量%のゼオライトビルダー及びこれらの任意の組み合わせ。好ましくは、洗濯洗剤組成物は前記洗濯洗剤組成物の少なくとも6重量%、又はさらに少なくとも8重量%、又はさらに少なくとも12重量%、又はさらに少なくとも18重量%の補助組成物を含んでなる。好ましくは、組成物は前記組成物の少なくとも0.3重量%の凝集補助剤を含んでなる。洗濯洗剤組成物中の粘土と凝集補助剤の重量比は、好ましくは10:1〜200:1、好ましくは14:1〜160:1、より好ましくは20:1〜100:1、より好ましくは50:1〜80:1の範囲内である。
【0048】
(方法)
補助組成物の製造方法は、(i)シリコーンを水と、及び所望により乳化剤と接触させ、乳化形態のシリコーンを形成し、(ii)その後に、乳化形態のシリコーンを粘土と接触させ、粘土とシリコーンとの混合体を形成する各工程を含んでなる。
【0049】
好ましくは、シリコーンが工程(ii)の粘土と接触させてなる際には、前記シリコーンは液体又は液化可能な形態である。好ましくは、工程(i)で形成されるエマルションは、シリコーンが前記エマルションの連続相の少なくとも一部、好ましくは全部を形成し、水が前記エマルションの不連続相の少なくとも一部、好ましくは全部を形成している油中水型エマルションである。
【0050】
好ましくは、帯電ポリマー布地柔軟増強成分は、工程(ii)において粘土とシリコーンと接触されてなる。帯電ポリマー布地柔軟増強成分を粘土及びシリコーンと緊密に混合すると、得られる補助組成物の布地柔軟化性能がさらに向上する。
【0051】
工程(i)は、周囲温度(例えば、20℃)にて実施されてもよいが、工程(i)は、30℃〜60℃の温度範囲といった高い温度で実施されるのが好ましい。乳化剤が本方法で使用される場合には、前記乳化剤が水と接触して乳化剤−水混合物が形成され、その後、乳化剤−水混合物がシリコーンと接触されてなるのが好ましい。連続プロセスの場合、工程(i)は通常はインラインスタティックミキサー又はインラインダイナミック(剪断)ミキサー内で実施される。非連続プロセスの場合、工程(i)は通常はZブレードミキサー、アンカーミキサー又はパドルミキサーのようなバッチミキサー内で実施される。
【0052】
粘土とシリコーンとの混合体は、好ましくは引き続いて高剪断(high-sheer)混合器内で凝集される。好適な高剪断(high-sheer)混合器には、CBレーディゲ(CB Loedige)ミキサー、シューギ(Schugi)ミキサー、リトルフォード(Littleford)ミキサー、ドライス(Drais)ミキサー、及びブラウン(Braun)ミキサーなどの実験室規模の混合器が含まれる。好適な高剪断(high-sheer)混合器は、CBレーディゲ(CB Loedige)ミキサー又はリトルフォード(Littleford)ミキサー又はドライス(Drais)ミキサーなどのピンミキサーである。高剪断(high-sheer)混合器は通常、好ましくは30ms−1〜35ms−1の先端速度を有する高速で作動する。好ましくは、水が高剪断(high-sheer)混合器に加えられる。
【0053】
粘土とシリコーンとの混合体は、通常引き続いて低剪断混合器内で調整工程にかけられる。好適な低剪断混合器には、レーディゲKM(Loedige KM)などのプローシェア(Ploughshear)ミキサーが挙げられる。好ましくは、低剪断混合器は5ms−1〜10ms−1の先端速度を有する。所望により、1マイクロメートル〜40マイクロメートル又はさらに1マイクロメートル〜10マイクロメートルの平均粒径を通常有するゼオライトのような微粒子及び/又は粘土粒子が、低剪断混合器に導入される。このダスティング工程が、粒子の粘着性を低下させ、その成長を制御することで、その結果得られる粒子の流動性を改善する。
【0054】
粘土とシリコーンとの混合体には、通常サイジング工程が施され、500mm超過の粒径を有する粒子は、前記混合体から除去される。通常、これらの大きな粒子はふるいによって混合体から除去される。
【0055】
粘土とシリコーンとの混合体は、50℃超過の、又はさらに100℃超過の温度の熱風にさらされるのが好ましい。通常は、粘土とシリコーンとの混合体は高温(例えば、50℃超過の、又はさらに100℃超過の温度)で乾燥させ、好ましくは、前記混合体を流動床乾燥機のような低剪断装置内で乾燥させる。この好ましい乾燥工程に引き続いて、粘土とシリコーンとの混合体は好ましくはその後15℃未満、好ましくは1℃〜10℃の温度の冷風にさらされる。この冷却工程は、好ましくは流動床冷却機内で実施される。
【0056】
粘土とシリコーンとの混合体には、好ましくは第2のサイジング工程が施され、250マイクロメートル未満の粒径を有する粒子が前記混合体から除去される。これらの小さな粒子は、ふるい及び/又は水簸によって、混合体から除去される。水簸が使用される場合には、好ましくは第2のサイジング工程は、流動床乾燥機及び/又は冷却機(この方法で使用される場合)などの流動床で実施される。
【0057】
粘土とシリコーンとの混合体には、好ましくは第3のサイジング工程が施され、1,400マイクロメートル超過の粒径を有する粒子が前記混合体から除去される。これらの大きな粒子は、ふるいによって混合体から除去される。
【0058】
第1及び/又は第3のサイジング工程中に混合体から所望により除去される大きな粒子は、通常は高剪断混合器及び/又は流動床乾燥機若しくは冷却機(この方法で使用される場合)に再循環する。所望により、これらの大きな粒子には、高剪断(high sheer)混合器及び/又は流動床乾燥機若しくは冷却機に導入される前に粉砕工程が施される。第2サイジング工程中に混合体から所望により除去される小さい粒子は、通常は高剪断混合器及び/又は低剪断混合器(この方法で使用される場合)に再循環する。
【実施例】
【0059】
実施例1:シリコーンエマルションの調製方法
100Pa・s(100,000cp)の粘度を有するシリコーン(ポリジメチルシロキサン)81.9gをビーカーに加える。8.2gの30重量%濃度のC11〜C13アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)水溶液を次にビーカーに加え、シリコーン、LAS、及び水を平ナイフを使って、手で2分間十分に攪拌し、エマルションを調製する。
【0060】
実施例2:粘土/シリコーン凝集体の製造方法
ベントナイト粘土601.2gとカチオン性グアーゴム7.7gをブラウン(Braun)ミキサーに加える。実施例1のエマルション90.1gをブラウン(Braun)ミキサーに加え、前記ミキサー内の全ての成分を10秒間、115rad/s(1,100rpm)(速度設定8)で攪拌する。ブラウン(Braun)ミキサーの速度を次に209rad/s(2,000rpm)(速度設定14)に上げ、水50gをブラウンミキサーにゆっくりと加える。ミキサーを209rad/s(2,000rpm)で30秒間維持し、湿った凝集体を形成する。湿った凝集体を乾燥させた流動床に移し、4分間137℃で乾燥させ、乾燥した凝集体を形成する。乾燥した凝集体をふるいにかけて、粒径が1,400マイクロメートル超過の凝集体と粒径が250マイクロメートル未満の凝集体とを除去する。
【0061】
実施例3:粘土/シリコーン凝集体
本発明における使用に適している粘土/シリコーン凝集体は、80.3重量%のベントナイト粘土、1.0重量%のカチオン性グアーゴム、10.9重量%のシリコーン(ポリジメチルシロキサン)、0.3重量%のC11〜C13アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、及び7.5重量%の水を含んでなる。
【0062】
実施例4:粘土/シリコーン凝集体
本発明における使用に適している粘土/シリコーン凝集体は、72.8重量%のベントナイト粘土、0.7重量%のカチオン性グアーゴム、15.9重量%のシリコーン(ポリジメチルシロキサン)、0.5重量%のC11〜C13アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、及び10.1重量%の水を含んでなる。
【0063】
実施例5:洗濯洗剤組成物
本発明における使用に適している洗濯洗剤組成物は、上記実施例3又は実施例4のいずれか一方の15重量%の粘土/シリコーン凝集体、300、000ダルトンの重量平均分子量を有する0.2重量%のポリエチレンオキシド、11重量%のC11〜13直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩洗浄性界面活性剤、0.3重量%のC12〜14アルキル硫酸塩洗浄性界面活性剤、1重量%のC12〜C14アルキル、ジメチル、エトキシ四級アンモニウム洗浄性界面活性剤、4重量%の結晶性層状ケイ酸ナトリウム、12重量%のゼオライトA、2.5重量%のクエン酸、20重量%の炭酸ナトリウム、0.1重量%のケイ酸ナトリウム、0.8重量%の疎水変性セルロース、0.2重量%のプロテアーゼ、0.1重量%のアミラーゼ、1.5重量%のテトラアセチルエチレンジアミン(tetraacetlyethylenediamine)、6.5重量%の過炭酸塩、ナトリウム塩の形態の0.1重量%のエチレンジアミン−N’N−二コハク酸,(S,S)異性体、1.2重量%の1,1−ヒドロキシエタンジホスホン酸、0.1重量%の硫酸マグネシウム、0.7重量%の香料、18重量%の硫酸塩、4.7重量%のその他/水を含んでなる。
【0064】
実施例6:洗濯洗剤組成物
本発明における使用に適している洗濯洗剤組成物は、上記実施例3又は実施例4のいずれか一方の12.5重量%の粘土/シリコーン凝集体、300,000ダルトンの重量平均分子量を有する0.3重量%のポリエチレンオキシド、11重量%のC11〜13直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩洗浄性界面活性剤、2.5重量%のC12〜C14アルキル、ジメチル、エトキシ四級アンモニウム洗浄性界面活性剤、4重量%の結晶性層状ケイ酸ナトリウム、12重量%のゼオライトA、20重量%の炭酸ナトリウム、1.5重量%のテトラアセチルエチレンジアミン(tetraacetlyethylenediamine)、6.5重量%の過炭酸塩、1.0重量%の香料、18重量%の硫酸塩、10.7重量%のその他/水を含んでなる。
【0065】
実施例7:洗濯洗剤組成物
本発明における使用に適している洗濯洗剤組成物は、上記実施例3又は実施例4のいずれか一方の12.5重量%の粘土/シリコーン凝集体、6.0重量%の粘土、300,000ダルトンの重量平均分子量を有する0.3重量%のポリエチレンオキシド、10重量%のC11〜13直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩洗浄性界面活性剤、平均7モルのエチレンオキシドで凝結された1重量%のアルキル硫酸塩洗浄性界面活性剤、4重量%の結晶性層状ケイ酸ナトリウム、18重量%のゼオライトA、20重量%の炭酸ナトリウム、1.5重量%のテトラアセチルエチレンジアミン(tetraacetlyethylenediamine)、6.5重量%の過炭酸塩、1.0重量%の香料、15重量%の硫酸塩、4.2重量%のその他/水を含んでなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地の洗濯又は処置の用途に用いるための補助組成物であって、
(i)粘土と、
(ii)油中水型エマルションを含んでなる、乳化形態のシリコーンとの混合体を含んでなり、
前記油中水型エマルションが、
シリコーンを含んでなる連続相と、
水と漂白剤とを含んでなる不連続相とにより構成されてなる、補助組成物。
【請求項2】
前記補助組成物が、少なくとも1つの帯電ポリマー布地柔軟増強成分をさらに含んでなる、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項3】
前記帯電ポリマー布地柔軟増強成分が、0.2meq/g〜1.5meq/gの電荷密度を有する、請求項2に記載の補助組成物。
【請求項4】
前記帯電ポリマー布地柔軟増強成分が、1,000,000ダルトン〜2,000,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項2に記載の補助組成物。
【請求項5】
前記帯電ポリマー布地柔軟増強成分が、カチオン性グアーゴムである、請求項2に記載の補助組成物。
【請求項6】
前記乳化形態におけるシリコーンが、剪断速度20s−1において、3Pa・s(3,000cp)〜20Pa・s(20,000cp)の粘度を有する、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項7】
前記シリコーンが、剪断速度20s−1において、10Pa・s(10,000cp)〜600Pa・s(600,000cp)の粘度を有する、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項8】
前記シリコーンが、ポリジメチルシロキサンである、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項9】
前記エマルションの不連続相が、0.1マイクロメートル〜5マイクロメートルの平均液滴直径を有する、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項10】
前記粘土が、布地柔軟化粘土である、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項11】
前記粘土が、モンモリロナイト粘土である、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項12】
前記乳化剤が、アニオン性洗浄性界面活性剤である、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項13】
前記乳化剤が、直鎖アルキルベンゼンスル酸塩洗浄性界面活性剤である、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項14】
前記乳化形態におけるシリコーンが、剪断速度20s−1において0.5(500cp)〜70Pa・s(70,000cp)の粘度を有する、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項15】
前記シリコーンが、剪断速度20s−1において50Pa・s(50,000cp)〜400Pa・s(400,000cp)の粘度を有するものである、請求項1に記載の補助組成物。
【請求項16】
i)請求項1に記載の補助組成物と、
ii)洗浄性界面活性剤と、
iii)凝集補助剤と、
iv)ビルダーと、
v)1つ以上の補助剤とを含んでなる、洗濯洗剤組成物。
【請求項17】
前記組成物が、凝集補助剤を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記凝集補助剤が、200,000ダルトン〜700,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレンオキシドである、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、自由流動性微粒子形態である、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
請求項1に記載の補助組成物の調製方法であって、
(i)シリコーンを水と、及び乳化剤と接触させ、乳化形態のシリコーンを形成し、
(ii)その後に、乳化形態の前記シリコーンを粘土と接触させ、粘土と乳化形態のシリコーンとの混合体を形成する、各工程を含んでなる、調製方法。
【請求項21】
工程(ii)において、少なくとも1つの帯電ポリマー布地柔軟増強成分が、前記粘土及びシリコーンと接触させてなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
粘土と乳化形態のシリコーンとの前記混合体が、引き続いて高剪断混合器内で凝集され、凝集体が形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記水が前記高剪断混合器に加えられる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
粘土と乳化形態のシリコーンとの前記混合体が100℃超過の温度にさらされてなる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記エマルションの不連続相が、0.1マイクロメートル〜5マイクロメートルの平均液滴直径を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記粘土が、14マイクロメートル〜160マイクロメートルの一次粒径を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
シリコーンと乳化剤の重量比が3:1〜20:1である、請求項20に記載の方法。

【公開番号】特開2010−106284(P2010−106284A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6055(P2010−6055)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【分割の表示】特願2006−551558(P2006−551558)の分割
【原出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】