説明

布帛の製造方法および布帛の製造装置

【課題】 難燃性を有する布帛ならびに、このような布帛を製造する装置および方法を提供する。
【解決手段】 布帛5は、織布である基布に、銅からなる導電層3が形成さているので、電磁波遮蔽性能を有する。また布帛5が有する導電層3は、外部に露出しないように難燃性材料であるシリコン樹脂からなる被覆層4で覆われている。この被覆層4が設けられることによって、布帛5を構成する基布2への燃焼に必要な酸素および熱のうち少なくともいずれか一方が遮蔽される。これによって基布の材料に関わらず、基布が延焼してしまうことが防ぐことができる。したがって難燃性を有する布帛を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛の製造方法および布帛の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ、ファクシミリ装置および携帯電話などの電子機器の筐体には、材料として、軽量化などのため合成樹脂が用いられている。これらの電子機器には、コンデンサ、コイルおよび抵抗などの電子部品が内蔵され、電磁波を放出している。電子機器の筐体は、合成樹脂によって形成されており、電磁波を透過してしまう。電子機器内で放出された電磁波が、電子機器外に漏出すると、他の電子機器に影響を与える場合がある。また電子機器外から電子機器内に電磁波が侵入すると、電子機器が誤作動する場合がある。この問題を解決するために、電子機器の筐体に電磁波シールド用布帛を設けて、電子機器からの電磁波の漏出および電気機器内への電磁波の侵入が防止されている。電磁波シールド用布帛は、アクリル、ポリエステルおよび綿などの可燃性を有する材料からなる繊維を用いて形成される基布に、無電解めっきにより導電層を設けた電磁波シールド用布帛が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電子機器の筐体に設けられる電磁波シールド用布帛には、電子機器の各種規格、規定および規制または安全性の観点から難燃性であることが要求されるが、可燃性の基布を用いる構成では、電子部品からの発熱または結線不良による火花によって電磁波シールド用布帛に着炎した場合、布帛が延焼するおそれがある。また基布が導電層で覆われていたとしても、火炎に晒されると、基布を構成する合成繊維が溶融し表面の導電体層を芯材にして燃焼する。このように延焼のおそれのない、難燃性を有する電磁波シールド用布帛が望まれている。
【0004】
本発明の目的は、難燃性を有する布帛ならびに、このような布帛を製造する装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基布と、
難燃性を有する材料から成り、基布を覆って形成される被覆層とを有することを特徴とする布帛である。
【0006】
本発明に従えば、基布を覆う被覆層は難燃性であり、布帛に着炎しても、被覆層の延焼は防がれる。さらにこの被覆層が設けられることによって、布帛を構成する基布への燃焼に必要な酸素および熱のうち少なくともいずれか一方が遮蔽される。これによって基布の材料に関わらず、基布が延焼してしまうことが防がれる。したがって布帛に着炎して、布帛の延焼が防がれる、難燃性を有する布帛を実現することができる。
【0007】
また本発明は、導電性を有する材料から成り、基布を覆って形成される導電層が設けられ、
被覆層は、導電層を覆って形成されることを特徴とする。
【0008】
本発明に従えば、導電性材料から成る導電層が、基布を覆って形成される。この導電層を有する布帛を設けることによって、導電層を利用して電磁波を遮蔽することができる。さらに導電層を覆って被覆層が形成される。基布と被覆層の間に導電層を設けるようにし、基布および導電層を外側から覆うことによって、前述のような基布の素材に関わらず、難燃性を有しかつ電磁波を遮蔽する特性を有する優れた布帛を実現することができる。
【0009】
また本発明は、基布を形成する基布形成手段と、
難燃性を有する材料から成る被覆層を、基布を覆って形成する被覆層形成手段と、
を含むことを特徴とする布帛の製造装置である。
【0010】
本発明に従えば、基布形成手段によって基布を形成し、被覆形成手段によって基布を覆う被覆層を形成して布帛を製造することができる。したがって前述の優れた効果を達成することができる布帛を製造することができる。
【0011】
また本発明は、基布を形成する基布形成工程と、
難燃性を有する材料から成る被覆層を、基布を覆って形成する被覆層形成工程と、
を含むことを特徴とする布帛の製造方法である。
【0012】
本発明に従えば、基布形成工程で基布を形成し、被覆層形成工程で基布を覆う被覆層を形成して布帛を製造することができる。したがって前述の優れた効果を達成することができる布帛を製造することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基布の材料に関わらず、難燃性を有する布帛を実現することができる。
【0014】
また本発明によれば、布帛を電磁波を遮蔽するための電磁波シールド用布帛として用いることができる。したがって難燃性を有しかつ電磁波を遮蔽することができる優れた布帛を実現することができる。
【0015】
また本発明によれば、基布形成手段および被覆層形成手段を備える装置によって、基布の材料に関わらず、難燃性を有する優れた布帛を実現することができる。
【0016】
本発明によれば、基布形成工程および被覆層形成工程を経て、基布の材料に関わらず、難燃性を有する優れた布帛を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の一形態である布帛の断面図である。布帛5は、たとえばパーソナルコンピュータおよび携帯電話装置などの、電子装置内に設けられ、電子装置に設けられる電子部品から発生される電磁波が、電子装置の外方に漏れて、他の電子装置などに誤動作などの悪影響を及ぼすこと、または電子装置に到来した電磁波が、電子装置内に侵入して内部の電子部品に悪影響を及ぼすことを防ぐために用いられる。
【0018】
布帛5は、基布2と、導電層3と、被覆層4とを有する。基布2は、フェノール樹脂繊維から成る紡績糸1を用いて構成される織布である。基布2は、フェノール樹脂繊維と非除去繊維との混紡糸を用いて製織された後、非除去繊維が除去された構成である。混紡糸の太さは、たとえば英式綿番手80番手以上20番手以下である。基布2の厚みは、たとえば約180μmである。
【0019】
導電層3は、基布2を外方から覆って形成される。導電層3は、布帛5を露出しないように被覆するとともに、布帛5全体にわたって一体に連なって形成されている。また導電層3は、抵抗が小さく良好な導電性を有する材料から成る。導電層3の材料は、たとえば金、銀および銅などの導電性を有する金属であってもよく、本実施の形態では、銅によって実現される。このような導電層3を形成することによって、布帛5全体にわたって良好な導電性が得られている。
【0020】
被覆層4は、導電層3で覆われた基布2を外方から覆って形成される。被覆層4は、導電層3が露出しないように被覆するとともに、布帛5全体にわたって一体に連なって形成され布帛を構成する各繊維を連結している。被覆層4は、難燃性を有する材料から成る。被覆層4の材料は、たとえばノンハロゲン系の難燃剤または各種合成樹脂塗料などを用いることができる。本実施の形態では、シリコン樹脂によって実現される。シリコン樹脂を用いて被覆されている布帛は、被覆層の厚みが10μm以上の厚さになると布帛の表面が強張るので、被覆層4の厚さは、たとえば2μm程度に形成される。このような被覆層4を形成することによって、布帛に形成された導電層の外部への露出を防ぐことができる。
【0021】
また、布帛5を覆う被覆層4に着炎した場合、被覆層4はシリコン樹脂で形成されており、シリコン樹脂は無機層となり基布2の燃焼に必要な酸素および熱の少なくともいずれか一方が遮蔽されるので、シリコン樹脂で全体が覆われている本実施形態の布帛5は難燃性を有する布帛となる。
【0022】
さらに布帛5を覆う被覆層4に着炎した場合、被覆層4の材料であるシリコン樹脂が溶融し、導電層3が形成された基布2を流動して覆う、このとき基布2を形成する材料が熱分解しガスが発生し、流動化した被覆層4がガスで発泡するので、基布燃焼に必要な酸素と熱が遮蔽される。したがって本実施形態の布帛5は難燃性を有する布帛となる。
【0023】
図2は、布帛5の一部を拡大して示す断面図である。紡績糸1は、フェノール樹脂短繊維の繊維集合体である。通常短繊維で構成されている紡績糸などは、起毛状態の毛羽6を有する。ここで起毛状態とは、毛羽の先端部分が紡績糸本体より離間し起立した状態をいう。本実施の形態の紡績糸1は、連結状態の毛羽7を有する。連結状態とは、毛羽が傾倒し紡績糸に沿うように糊着された状態をいう。起毛状態の毛羽6および連結状態の毛羽7は、紡績糸1本体から外部に突出したフェノール樹脂繊維の末端部分である。本実施の形態では、導電層3が紡績糸1と連結状態の毛羽7とを一体となるように覆っているので、連結状態の毛羽7の起毛が抑さえられた状態になっている。また被覆層4は、連結状態の毛羽7が紡績糸1に沿うように連結状態の毛羽7と紡績糸1とを糊着するとともに、紡績糸1と毛羽7とが一体となるように覆っている。このような被覆層4を形成することによって、毛羽の起毛の進行が確実に防がれ、また各繊維の脱落も防がれている。また、布帛から繊維が万一脱落したとしても、脱落した繊維は電気絶縁性材料であるシリコン樹脂で覆われているので、電子部品の回路が短絡することを防ぐことができる。
【0024】
本実施形態の布帛5に従えば、布帛に着炎しても、シリコン樹脂からなる被覆層4が無機層となり、布帛5を構成する基布2の燃焼に必要な酸素および熱が無機層となった被覆層4によって遮蔽されるので、布帛5の延焼が防がれる。したがって難燃性を有する布帛5を実現することができる。また、本実施形態では布帛5を構成する繊維に、難燃性材料であるフェノール樹脂を用いているので、さらに布帛5は延焼しにくい布帛となっている。
【0025】
また布帛5は導電層3を有するので、電磁波を遮蔽することができる。したがって難燃性を有する布帛5を電磁波遮蔽体として電子部品の周囲に用いることができ、さらに電子部品からの発熱または結線不良による火花が布帛5に着炎したとしても延焼を防ぐことができる安全な布帛を実現することができる。
【0026】
また、本実施の形態の布帛5に従えば、銅からなる導電層3が、フェノール樹脂繊維からなる織布を覆って形成される。電子機器の筐体に布帛5を設けることによって、導電層3を利用して電磁波を遮蔽することができる。さらに導電層3を覆ってシリコン樹脂から成る被覆層4が形成される。これによって導電層3が外部に露出することが防がれるとともに、布帛5を構成する各繊維を被覆層4によって連結し、布帛5を構成する各繊維が脱落してしまうことが防がれる。
【0027】
したがって、本実施の形態の布帛5によれば、布帛5を電子部品の周囲に配置する場合、フェノール樹脂繊維が脱落して電子部品に接触してしまうことが防がれる。また万一、フェノール樹脂繊維が脱落して電子部品に接触したとしても、導電層3が外部に露出していないので、電子部品の回路を短絡させてしまう不具合が防がれる。さらにフェノール樹脂繊維単体ではなく布帛5が電子部品に接触しても電子部品の回路を短絡させてしまう不具合が防がれる。
【0028】
また、本実施形態の布帛5に用いた紡績糸2を構成するフェノール樹脂繊維および、被覆層を構成するシリコン樹脂は廃棄時などに燃焼してもダイオキシンおよびシアンなどの有毒ガスの発生が極めて少ないので、本実施の形態の布帛5に従えば、環境に優しい布帛を実現することができる。
【0029】
図3は、布帛の製造工程を示すフローチャートである。布帛は、基布製造工程a1、導電層製造工程a2および被覆層形成工程a3を経て製造される。基布として織布を用いた場合、基布製造工程a1は、各種繊維を用いて糸を紡績する工程、および製織機によって織布を製造する工程が含まれる。また基布として不織布を用いた場合は、基布製造工程a1では、各種繊維で構成される薄膜状のウェブを形成する工程、およびウェブを構成する繊維同士を機械的または物理的に交絡させることにより不織布を形成する工程が含まれる。また基布として紙状布を用いた場合、基布製造工程a1は、短繊維を液体中に均一に縣濁する工程と、その後短繊維塊を抄き、紙状にする工程とが含まれる。
【0030】
導電層形成工程a2は、導電性材料を用いて、無電解めっきなどで基布に導電層を形成し、導電層が形成された基布をカレンダープレスなどで加熱加圧する工程が含まれる。
被覆層形成工程a3は、難燃性を有する材料を浸漬などにより導電層全体を覆うように塗付する工程と、難燃性を有する材料が塗付された導電層を有する基布をカレンダープレスなどで加熱加圧する工程が含まれる。
【0031】
本実施の形態の製造工程に従えば、基布形成工程a1で基布を形成し、導電層形成工程a2で基布を覆う導電層を形成し、被覆形成工程a3で導電層を覆う被覆層を形成して布帛を製造することができる。したがって難燃性を有し、かつ電磁波を遮蔽する特性を有する布帛を製造することができる。
【0032】
図4は、基布製造工程a1で使用する織布の製造装置を示す正面図である。この製造装置は、紡績機8、製織機9、精錬機10、フェノール樹脂繊維で構成された織布を圧縮する圧縮機11を含む。
【0033】
紡績機8は、原綿(フェノール樹脂繊維12および予め定める流動化条件下で流動化する材料から成る被除去繊維13)を所定の比率で混紡し、混紡糸を製造する。製織機9は、混合布を織る。さらに、精錬機10は、混合布から被除去繊維13を溶出させる。そして、フェノール樹脂繊維で構成される織布を圧縮する圧縮機11は、織布に圧力を加えることによって、毛羽を抑え、被除去繊維13を溶出させたことによって生じた隙間を塞いで厚みの薄い基布にする。
【0034】
さらに、紡績機8は、混綿機14、カード機15、コーマ機16、錬条機17、粗紡機18、精紡機19およびワインダ機20を含む。混綿機14は、原綿(フェノール樹脂繊維12および予め定める流動化条件下で流動化する材料から成る被除去繊維13)を所定の比率で混綿し、夾雑物を除去する。カード機15は、混綿工程で得られた均一に混合された綿を櫛梳し、繊維を平行に引き揃え、収束させ、太い紐状のスライバを作成する。コーマ機16は、カード工程で引き揃えたスライバをさらに平行に引き揃えつつ、収束させる。練条機17は、カード工程、コーマ工程で引き揃えたスライバをさらに平行に引き揃えつつ、引き伸ばし個々の繊維をさらに平行に収束させる。粗紡機18は、練条工程で引き揃えたスライバをさらにドラフトをかけ撚りをかけることにより、強度を持たせつつ、さらに細く収束させる。精紡機19は、粗糸を所要の太さにドラフトし、これに撚りを加えて、糸にする。ワインダ機20は、精紡で得られた糸を継ぎ足し、長く連続した糸とする。
【0035】
フェノール樹脂からなる主繊維12と予め定める流動化条件下で流動化する材料から成る被除去繊維13との混紡糸を用いて混合布帛を形成する。
【0036】
フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂であってもよく、レゾール型フェノール樹脂であってもよく、また、これらを混合したフェノール樹脂であってもよい。ノボラック型フェノール樹脂から成る繊維としては、たとえばカイノール(商標名)として市販されている繊維を用いることができる。さらにフェノール樹脂繊維は、難燃性を有しており、電子機器など発火するおそれのある機器に用いるのに好適である。そしてフェノール樹脂繊維は、素材自体が難燃性を有する。またフェノール樹脂繊維は、燃焼してもダイオキシンおよびシアンなどの有毒ガスの発生が極めて少ないので環境に優しい。
【0037】
予め定める流動化条件下で流動化する材料から成る被除去繊維18としては、たとえば水溶性ビニロンを用いることができる。水により流動化する材料には限られず、有機溶媒などによって流動化する材料、熱により流動化する材料および光により流動化する材料を用いても構わない。本実施の形態においては、流動化条件下で流動化する材料から成る被除去繊維18としてPVA(ボリビニルアルコール)系の水溶性ビニロンを用いた。
【0038】
フェノール樹脂繊維と水溶性ビニロンを混綿して、混紡糸を作る。水溶性ビニロンは1%以上70%以下が好ましい。水溶性ビニロンの混率が1%未満であると細番手のフェノール樹脂で構成された糸を作成することができない。水溶性ビニロンの混率が70%を超えると、水溶性ビニロンを溶解除去した後のフェノール樹脂繊維で構成される織布の強度が低下し、使用に耐えることができない可能性がある。これを製織後、水溶性ビニロンを溶解することで、フェノール樹脂繊維100%の糸では困難であった細番手の糸を使用した織布が作成できる。
【0039】
使用されるフェノール樹脂繊維は1.1dtex以上5.5dtex以下のものが好ましい。5.5dtexを超えるフェノール樹脂繊維を用いると紡績工程でフェノール樹脂繊維の繊維切断が発生し、紡績が困難である。フェノール樹脂繊維の繊維長は通常の紡績に使用される長さ、すなわち38mm以上70mm以下が適当である。また、使用される水溶性ビニロンは、1.1dtexから5.5dtex、溶解温度60℃から100℃のものが好ましい。さらに、水溶性ビニロンの繊維長は通常の紡績に使用される長さ、すなわち、38mm以上70mm以下が適当である。
【0040】
図5は導電層形成工程a2に使用する、基布に導電層を形成する装置を示す断面図である。装置には、めっき機21と導電層が形成された基布を厚み方向に圧縮する圧縮機22を含む。めっき機21は、基布である織布の表面に導電層を形成する。導電層が形成された基布の圧縮機22は、めっき後に導電層が形成された基布を厚み方向に圧縮し加熱する。この装置を用いると基布に導電層を形成するとともに基布の毛羽の起毛を抑制することができる。
【0041】
図6は被服層形成工程a3に使用する、浸漬機を用いた被覆層形成装置を示す断面図である。装置には、浸漬機23、被覆層を有する布帛の圧縮機24を含む。浸漬機23は、導電層が形成された基布に浸漬によって導電層全体を覆うように電気絶縁性材料を塗付する。被覆層を有する布帛の圧縮機24は、電気絶縁性材料が塗布された布帛を厚み方向に圧縮し加熱する。圧縮によって布帛の毛羽を傾倒させ、同時に加熱することにより布帛全体を覆う被覆層の硬化で毛羽および布帛を構成する各繊維を連結する。
【0042】
図7は、フェノール樹脂繊維からなる織布を用いた布帛の製造方法を示すフローチャートである。まず、紡績工程b1において、フェノール樹脂繊維および水溶性ビニロンの混紡糸を作成する。次に、製織工程b2において混合布を織る。さらに、精錬工程b3において水溶性ビニロンを溶出させる。そして、カレンダープレス工程b4において圧力を加えることによって、毛羽を抑え、水溶性ビニロンを溶出させたことによって生じた隙間を塞いで厚みの薄い布帛にする。また、めっき工程b5において導電層を形成する。さらに、めっき後のカレンダープレス工程b6において毛羽の起毛を抑制する。さらに、b7において難燃性を有する材料を塗付し、その後カレンダープレス工程b8において布帛を加熱加圧することによって、被覆層に使用した材料が硬化し確実に毛羽の起毛を抑制し各繊維が連結した所望の布帛を製造する。
【0043】
上記各工程を経て得られた混紡糸は、英式綿番手70番手の細いものから1番手の太い糸まで生産が可能である。しかし、水溶性ビニロンを溶出して織布を生産することを考えると、英式綿番手80番手以上2番手以下の番手糸を生産するのが好ましい。
【0044】
表1は、水溶性ビニロンが30%、フェノール繊維樹脂が70%の混合比率で作製した混合糸の物性を示す。
【0045】
【表1】

【0046】
糸斑とは、所定長さの糸の太さのバラツキである。ネップとは、繊維が絡み合って塊状となり繊維に付着したものである。IPIとは、紡績糸の太さのバラツキの定量測定の一般呼称であり、所定長さの糸の細い箇所の数(Thin),太い箇所の数(Thick)および塊状(Neps)の数をいう。
【0047】
紡績機による紡績後、製織機によって織布にする。この際、溶出させる繊維分(たとえば、30%)減少することを前提に製織する。次に、精錬機により水溶性ビニロンを流出させる。さらに、カレンダープレス機によりプレスする。これによって約180μmの厚みの基布を得ることができる。また、導電層を形成する。その後、カレンダープレス機によりプレスすることにより厚さが約250μmの導電層が形成された織布を得る。30番手の混合糸で製織した布帛がこれらの一連の工程によって40番手の糸で製織した織布と同等の厚みになる。
【0048】
精錬工程においては、水溶性ビニロンを含んだ布帛を80℃〜90℃で湯洗することによって水溶性ビニロンを流出させる。
【0049】
精錬工程により水溶性ビニロンを流出させた後、カレンダープレス機によりカレンダーロールの軸線方向に関して1m当りに294以上686N以下(30トン重以上70トン重以下)程度の荷重を織布にかけてプレスする。
【0050】
精錬工程によって隙間ができた糸を、プレスすることによって細くすることができる。これによって織布の厚みを薄くすることができる。さらに、このプレスによって毛羽を抑制することができる。プレスには、カレンダープレスなどのロールプレスおよび平プレスなどがあるがカレンダープレスが好ましい。
【0051】
カレンダープレス機によりプレスした後、導電性材料、たとえば金属、具体的には、すず、亜鉛、銅および銀などを用いて導電層を形成する。本実施の形態では、電気抵抗が小さく、安価でかつ取り扱いが容易な銅が用いられる。導電層を形成する方法には、めっき、溶射、コーティングなどの方法があり特に限定されるものではない。本実施の形態では、無電解めっきによって導電層を形成している。無電解めっきは、非導電性材料の表面に化学還元反応で金属を析出させる処理である。電解めっきは、電気分解反応で金属イオンを還元し、陰極の導電性材料に金属を析出させる処理である。各導電層を形成するに当っては、先ずフェノール樹脂繊維に無電解めっきをして、繊維の表面に金属である銅を析出させて、銅からなる無電解めっき層部分を形成する。このようにして導電層が形成される。導電層を形成した後、プレスすることにより導電層が形成された織布を得る。本件発明者は、めっき液に織布を浸すと一旦抑えられていた毛羽が元に戻ることを発見した。この毛羽を抑えるため導電層を形成した後さらにプレスすることとした。このプレス工程においては、熱を加えて厚みが250μm程度になるようにプレスする。具体的には、150℃以上200℃以下で5分以上30分以下プレスする。プレスには、カレンダープレスなどのロールプレスおよび平プレスなどがあるがカレンダープレスが好ましい。厚みを薄くしすぎると、アルミ箔と同じ状態になり電磁波シールド性能が著しく低下する。アルミ箔で本実施の形態と同じ電磁波シールド性能を発揮させようとすると、3mm程度の厚みが必要になる。そのため、本実施の形態では250μm程度の厚みが好ましく薄くしすぎないようにプレスするのが好ましい。これは、厚みがある程度あると布帛の導電層の各部分から反射波が発生するため、電磁波をシールドする効果が非常に高くなるからである。
【0052】
導電層を形成した織布をカレンダープレス機によりプレスした後、導電層が露出しないように難燃性を有する材料を用いて被覆層を形成する。本実施の形態では、たとえば、難燃性を有する材料であり電気絶縁性材料であるシリコン樹脂が用いられる。シリコン樹脂を塗布する方法には、浸漬、刷毛塗り、スプレー塗り、ローラ塗りなどの方法があり特に限定されるものではない。本実施の形態では、浸漬によって導電層全体を覆うようにシリコン樹脂を塗布している。浸漬は、被浸漬物を塗料中に浸して引き上げ、余分の塗料を滴下させて塗膜を作る方法である。シリコン樹脂を塗付するにあたっては、導電層が形成された織布を、たとえばシリコン樹脂5%エタノール溶液に浸漬する。このようにしてシリコン樹脂が塗付される。プレス工程では熱を加えて布帛の厚みが230μm以上240μm以下となるようにプレスする。
【0053】
シリコン樹脂が塗布された後、布帛を厚み方向に加圧することで毛羽を布帛平面に沿うように傾倒させた状態にし、その状態で布帛を加熱するので、毛羽と布帛を構成する繊維とがシリコン樹脂の硬化によって連結される。プレス工程では、具体的には80℃以上100℃以下で5分以上30分以下プレスする。プレスには、ロールプレスおよび平プレスなどがあるがカレンダープレスが好ましい。
【0054】
本実施の形態によれば、織布の製造装置を含んで構成される基布形成手段によって基布である織布を形成し、めっき機22と導電層が形成された織布を厚み方向に圧縮する圧縮機23とを含んで構成される導電層形成手段によって、基布である織布を覆う銅から成る導電層を形成し、浸漬機24と布帛を厚み方向に圧縮する圧縮機25とを含んで構成される被覆形成手段によって導電層を覆うシリコン樹脂からなる被覆層を形成して布帛を製造することができる。したがって難燃性を有しかつ電磁波を遮蔽することが可能である優れた布帛5を製造することができる。
【0055】
本発明の実施の他の形態として、基布2は、紡績糸1に代え、1つの長い繊維をそのまま糸として利用するヤーンと呼ばれる糸を用いて製織する構成であってもよい。ヤーンを用いて製織機で織布を形成しプレス機で加熱加圧した後、めっき機およびプレス機を用いてヤーンで形成された基布に導電性を有する材料、たとえば銅を用いて導電層を形成し、その後図6に示す浸漬機およびプレス機を用いて難燃性を有する材料たとえばシリコン樹脂を用いて導電層を覆うように被覆層を形成する。
【0056】
このように形成された布帛は前述した布帛5と同様の効果を達成することができる。換言すれば、難燃性を有しかつ電磁波遮蔽性能を有する優れた布帛である。またヤーンでは、起毛状態の毛羽が発生することはないが、たとえば何らかの要因でささくれが生じた場合であっても、ヤーンからなる基布を被覆層によって覆っているので、ささくれが立ち上がるのを防ぐことができる。したがって、ヤーンから成る基布で形成された布帛を電子部品の周囲に配置する場合、ヤーンのささくれが脱落して電子部品に接触してしまうことが防がれる。また万一、ささくれが脱落して電子部品に接触したとしても、電気絶縁性材料のシリコン樹脂で導電層が被覆され外部に露出していないので、電子部品の回路を短絡させてしまう不具合が防がれる。
【0057】
本発明の実施のさらに他の形態として基布2に代えてフェノール樹脂繊維からなる不織布を用いることができる。不織布は、複数の繊維を互いに係止させてシート状に形成したものである。
【0058】
図8は、不織布の製造装置を示す正面図である。製造装置は、テーカーインローラ、シリンダ、フラットおよびドッファからなるカード機25、ニードルパンチ機26を含む、テーカーインローラは、原綿を大まかに梳り開繊をする。シリンダとフラットとによってさらに繊維塊を細かに梳り開繊をすると同時に繊維を平行化させる。ドッファは、平行化された繊維を集積し、繊維からなる薄膜状のウェブを形成する。ニードルパンチ機26は、ウェブ圧縮機と針板とを含む。ウェブ圧縮機は重ねられたウェブを圧縮する。針板は、多数の鉤のついた針を有する板である。圧縮機で圧縮されたウェブを針板の針で垂直に突き刺しまたは、引き上げることによってウェブ中の各繊維を絡み合わせる。これらの装置によってウェブ同士が結合した不織布を形成することができる。ここで不織布とは繊維シートまたはウェブにおいて、各構成繊維が機械的または物理的交絡あるいは化学的な接着剤を用いて結合された基布を言う。
【0059】
このような装置を用いてフェノール樹脂繊維からなる不織布を形成し、めっき機を用いて無電解めっきによって不織布に導電層を形成後、プレス機を用いて不織布の厚み方向に加圧し加熱するその後、浸漬槽23を用いて導電層が形成された不織布に難燃性を有する材料であり電気絶縁性材料であるシリコン樹脂を導電層が露出しないように塗付する。塗付後に布帛の厚み方向に加圧し不織布が有する毛羽を傾倒させ、また加圧すると同時に加熱することによって、毛羽と不織布の各繊維が被覆層の硬化により連結する。
【0060】
このように形成されたフェノール樹脂繊維からなる不織布を基布とする布帛は、難燃性を有しかつ、電磁波遮蔽性能を有する布帛であり、また不織布を形成する繊維が布帛全体を覆う被覆層によって連結された毛羽の起毛脱落が防がれた優れた布帛である。
【0061】
本発明のさらに他の形態として基布2に代えてフェノール樹脂繊維からなる紙状布を用いてもよい。紙状布は、複数の繊維をバインダと呼ばれる結合材で、互いに結合させてシート状に形成したものであり、いわゆる紙を含む。
【0062】
図9は、紙状布の製造装置を示す正面図である。これらの装置は、縣濁槽27、抄紙機28および加熱ドラム29から成る。縣濁槽27は、短繊維を水との重量比が0.01%以上0.5%以下程度になるように均一に懸濁する、また必要であれば縣濁槽27内に接着剤を添加する。抄紙機31は、回転する網を有する。抄紙機28は、縣濁槽27内の繊維原料を脱水し紙層を形成する。加熱ドラム29は、紙層となった短繊維塊の水分を加熱によって蒸発させ、紙層を絞る。加熱ドラム29で水分が蒸発した紙層を接着することにより短繊維同士が結合した紙状布を形成することができる。ここで紙状布とはバインダで短繊維を結合して形成した紙状の基布をいう。
【0063】
これらの装置を用いてフェノール樹脂繊維からなる紙状布を形成し、紙状布にしためっき機を用いて無電解めっきによって導電層を形成後、プレス機により紙状布の厚み方向に加圧し加熱する。浸漬槽を用いて導電層が形成された紙状布に、難燃性を有する材料であり電気絶縁性材料のシリコン樹脂を導電層が露出しないように塗付する。塗付後にプレス機によって布帛の厚み方向に加圧し紙状布が有する毛羽を傾倒させ、また加圧と同時に加熱することにより、紙状布の各繊維を被覆層の硬化によって連結する。
【0064】
このように形成されたフェノール樹脂繊維からなる紙状布を基布とする布帛は、難燃性を有しかつ、電磁波遮蔽性能を有する布帛であり、また不織布を形成する繊維が布帛全体を覆う被覆層によって連結された毛羽の起毛および脱落が防がれた優れた布帛である。
【0065】
本発明の実施のさらに他の形態では、基布を形成する材料としてフェノール樹脂以外、たとえばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、綿などの可燃性を有する材料を用いてもよい。さらに具体的には、前記可燃性の材料のうちいずれか1つから成る繊維を、用いて織布、不織布および紙状布を形成して基布2としてもよいし、前記可燃性の材料のうち2以上材料からそれぞれ成る繊維を用いて、織布、不織布および紙状布を形成して基布2としてもよい。また前記可燃性材料のうちいずれか1つ以上から成るヤーンを用いて織布を形成して基布2としてもよいし、前記可燃性の材料のうち2以上材料からそれぞれ成るヤーンを用いて織布を形成して基布2としてもよい。このように可燃性の材料から成る基布を用いる場合であっても、基布2を被覆層4で覆っているので、着炎しても延焼しない布帛5を実現することができる。したがってフェノール樹脂から成る基布2を用いる布帛5と同様の効果を達成し、優れた布帛5を得ることができる。
【0066】
このような可燃性の材料から成る場合の基布2は、フェノール樹脂から成る基布2とほぼ同様にして形成することができる。基布2が織布の場合、フェノール樹脂によって基布を形成するにあたっては、水溶性ビニロンの繊維を混ぜた糸で製織した後、水溶性ビニロン繊維を溶融させて除去していたが、このような工程、装置が不要であり、この点で一部製造方法および装置の構成が一部異なるが、その他の構成は同様である。
【0067】
さらに具体例を述べると、綿の用いる場合、まず、綿から紡績機8を用いて紡績糸を形成し、紡績糸を製織機で製織し織布を形成する。綿を用いて基布である織布を形成する場合は、非除去繊維の除去工程を経る必要はない。基布製造工程で得られた織布にめっき機を用いて無電解めっきによって綿からなる織布に導電層を形成後、プレス機によって綿からなる織布の厚み方向に加圧し加熱する。浸漬槽23を用いて導電層が形成された不織布に難燃性を有する材料であり電気絶縁性材料であるシリコン樹脂を導電層が露出しないように塗付する。塗付後に布帛の厚み方向に加圧し不織布が有する毛羽を傾倒させ、また加圧すると同時に加熱することによって、毛羽と織布の各繊維が被覆層の硬化により連結する。
【0068】
このようにして得られた綿からなる織布で形成された布帛に従えば、布帛に着炎した場合であってもシリコン樹脂が無機層となり、基布の燃焼に必要な酸素が被覆層によって遮断されるので、布帛の延焼を防ぐことができる、したがって基布を形成する材料が可燃性の綿であっても、難燃性を有する布帛を実現することができる。また、このように形成された布帛は、綿からなる織布を形成する繊維が布帛全体を覆う被覆層によって連結されているので、毛羽の起毛および脱落が防がれた優れた布帛である。
【0069】
本発明の実施のさらに他の形態として、被覆層形成工程a3で、浸漬以外にたとえば刷毛塗り、スプレー塗りまたはローラ塗りなどの方法を用いて難燃性を有する材料から成る被覆層4を形成してもよい。
【0070】
図10は、本発明の実施のさらに他の形態の塗付装置としての刷毛31を示す正面図である。刷毛31は、各種の動物の毛をたばねて木または竹の柄をつけたものである。刷毛に塗物を含ませ布帛に塗り付けることができる。塗物としてたとえばシリコン樹脂5%エタノール溶液を用いることができる。
【0071】
図11は、本発明の実施のさらに他の形態の塗付装置としてのスプレーガン32を示す正面図であり。スプレー塗りに使用するスプレーガン32は、塗料カップおよびガン部を含む。塗料カップには塗物が入っている。ガン部は塗物と圧縮空気とを混合させて霧状に噴出させる。スプレー塗りでは、スプレーガン32を布帛の塗付面から20cm程度離し平行にスプレーガンを運行させ塗物を布帛に塗付する。
【0072】
図12は、本発明の実施の他の形態の塗付装置としてのナチュラルロールコータ27を示す断面図である。ナチュラルロールコータ33は、フィードロール、コーティングロールおよびバックアップロールを含む、フィードロールとコーティングロールの間に塗物が貯められる、塗物が塗付されたコーティングロールとバックアップロールが布帛を挟み回転することによって布帛に塗物を塗付する。
【0073】
刷毛30、スプレー31およびナチュラルロールコータ32を用いた場合は、被覆層を布帛全体に形成できることはもちろんであるが、布帛の片面のみに被覆層を形成することもできる。
【0074】
本発明の実施さらに他の形態として、綿からなる織布に導電層を形成し、布帛の電子部品に相対する面のみに刷毛30などを用いて難燃性材料たとえばシリコン樹脂からなる被覆層を形成することができる。
【0075】
電子部品に相対する面のみに被覆層を形成した布帛を電磁波遮蔽体として電子部品の周囲に用いる場合であっても、電子部品からの発熱または結線不良による火花による布帛への延焼が防がれた難燃性を有する優れた布帛を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の一形態である布帛の断面図である。
【図2】布帛5の一部を拡大して示す断面図
【図3】布帛の製造工程を示すフローチャートである。
【図4】基布である織布の製造装置を示す正面図である。
【図5】基布に導電層を形成する装置を示す断面図である。
【図6】被覆層形成装置を示す断面図である。
【図7】布帛の製造方法を示すフローチャートである。
【図8】基布である不織布の製造装置を示す正面図である。
【図9】基布である紙状布の製造装置を示す正面図である。
【図10】刷毛を示す正面図である。
【図11】スプレーガンを示す正面図である。
【図12】ナチュラルロールコータを示す断面図である。
【符号の説明】
【0077】
1 紡績糸
2 基布
3 導電層
4 被覆層
5 布帛
6 起毛状態の毛羽
7 紡績糸と一体となり連結した毛羽
8 紡績機
9 製織機
10 精錬機
11 織布を圧縮する圧縮機
13 フェノール樹脂繊維
14 被除去繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基布と、
難燃性を有する材料から成り、基布を覆って形成される被覆層とを有することを特徴とする布帛。
【請求項2】
導電性を有する材料から成り、基布を覆って形成される導電層が設けられ、
被覆層は、導電層を覆って形成されることを特徴とする請求項1記載の布帛。
【請求項3】
基布を形成する基布形成手段と、
難燃性を有する材料から成る被覆層を、基布を覆って形成する被覆層形成手段と、
を含むことを特徴とする布帛の製造装置。
【請求項4】
基布を形成する基布形成工程と、
難燃性を有する材料から成る被覆層を、基布を覆って形成する被覆層形成工程と、
を含むことを特徴とする布帛の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−144172(P2006−144172A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336390(P2004−336390)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(592077121)竹内工業株式会社 (11)
【出願人】(502230055)勝倉株式会社 (2)
【Fターム(参考)】