説明

帯域測定装置、帯域測定システム、帯域測定プログラム及び通信装置

【課題】インターネットを経由した通信の経路上における輻輳を防止することを課題とする。
【解決手段】帯域測定装置は、プローブパケット及び該プローブパケットに対する応答パケットのサイズを最大値に設定する。また、帯域測定装置は、設定されたパケットのサイズでパケットロスが生じるまで送信帯域値を上げつつ、応答パケットを送信する応答装置に対してプローブパケットを送信する。また、帯域測定装置は、応答パケットのサイズを最小値に設定する。また、帯域測定装置は、設定されたパケットのサイズでパケットロスが生じたときの送信帯域値からパケットロスが生じるまでさらに送信帯域値を上げつつ、応答装置に対してプローブパケットを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯域測定装置、帯域測定システム、帯域測定プログラム及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを経由する通信の回線では、一つの態様として、上りと下りとの双方向でそれぞれ独立に帯域を確保する全二重回線がある。かかる全二重回線では、双方向で独立した帯域制御が行なわれること自体がコスト増大の要因となってしまう。そこで、インターネットを経由する通信の回線では、他の態様として、上りと下りとの双方向の帯域を共有するVPN(Virtual Private Network)ルータ装置が利用される。
【0003】
ところで、近年のインターネットは、様々なレイヤでネットワークの仮想化が進んでいる。特に、上記のルータ装置においては、処理の複雑化や高負荷化が問題となっている。また、インターネットを経由する通信では、種々の機器を介して通信が行なわれるため、経路上における帯域の幅や任意の機器にかかる負荷等によって通信状況が変化する。
【0004】
そもそも、インターネットにおいて効率的な通信を実現するためには、エンドユーザによって利用されるエンドホスト装置がネットワークの性質を認識し、適切な送信帯域制御を実施することが好ましい。ところが、エンドホスト装置は、上記の多種多様な相互接続で構成されるインターネットの性質から、経路上の途中に設置されたルータ装置等からトラフィック状況を直接取得することが困難である。このため、最近では、エンドホスト装置が、他のエンドホスト装置との相互通信によって経路上のボトルネックポイントにおける転送可能な帯域を測定する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−152205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、インターネットを経由した通信の経路上で輻輳を引き起こしてしまうという課題がある。具体的には、従来技術では、エンドホスト装置間における片方向のトラフィックごとに独立して帯域を測定するため、測定された転送可能な帯域が双方向の合計であるか否かを検出することが困難である。
【0007】
例えば、上記のVPNルータ装置では、性能の制約によっては転送可能な帯域が回線帯域を満たさない場合があり、高負荷となる暗号化や復号化等を双方向の処理でそれぞれ共有しているため、一方のトラフィックが他方のトラフィックの転送性能に影響を与える。すなわち、このような装置を利用して、片方向ごとに独立して帯域を測定して使用帯域を決定する場合には、双方向のトラフィックの合計の使用帯域が転送可能な帯域を超えてパケットロスが発生する要因になる。パケットロスが発生する結果、従来技術では、輻輳を引き起こしてしまう。
【0008】
そこで、本願に開示する技術は、上記に鑑みてなされたものであって、インターネットを経由した通信の経路上における輻輳を防止することが可能である帯域測定装置、帯域測定システム、帯域測定プログラム及び通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本願に開示する帯域測定装置は、プローブパケット及び該プローブパケットに対する応答パケットのサイズを所定値に設定する第1設定部を有する。また、帯域測定装置は、第1設定部によって設定されたプローブパケット及び応答パケットのサイズで、パケットロスが生じるまで送信帯域値を上げつつ、該応答パケットを送信する応答装置に対してプローブパケットを送信する第1送信部を有する。また、帯域測定装置は、応答パケットのサイズを所定値よりも小さい値に設定する第2設定部を有する。また、帯域測定装置は、第1設定部によって設定されたプローブパケット、及び、第2設定部によって設定された応答パケットのサイズで、第1送信部によるプローブパケットの送信でパケットロスが生じたときの送信帯域値からパケットロスが生じるまでさらに送信帯域値を上げつつ、応答装置に対してプローブパケットを送信する第2送信部を有する。
【発明の効果】
【0010】
本願に開示する帯域測定装置、帯域測定システム、帯域測定プログラム及び通信装置の一つの様態は、インターネットを経由した通信の経路上における輻輳を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施例1に係る帯域測定装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、帯域測定装置を含むネットワークの構成例を示す図である。
【図3】図3は、実施例2に係る帯域測定装置の構成例を示す図である。
【図4】図4は、設定情報に保持される情報の例を示す図である。
【図5】図5は、測定情報に保持される情報の例を示す図である。
【図6】図6は、ICMP Echoメッセージを用いたプローブパケットの形式を示す図である。
【図7】図7は、ICMP Echo Replyメッセージを用いた応答パケットの形式を示す図である。
【図8】図8は、UDPを用いたプローブパケットの形式を示す図である。
【図9】図9は、UDPを用いた応答パケットの形式を示す図である。
【図10】図10は、実施例2に係る帯域測定処理の例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、双方向で帯域が独立している場合の帯域測定パターンの例を示す図である。
【図12】図12は、双方向で帯域を共有している場合の帯域測定パターンの例を示す図である。
【図13】図13は、帯域測定装置を要求側と応答側とに分けた場合のネットワーク構成例を示す図である。
【図14】図14は、要求側帯域測定装置の構成例を示す図である。
【図15】図15は、応答側帯域測定装置の構成例を示す図である。
【図16】図16は、帯域測定プログラムを実行するコンピュータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本願に開示する帯域測定装置、帯域測定システム、帯域測定プログラム及び通信装置の実施例を説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。また、各実施例は、内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0013】
図1を用いて、実施例1に係る帯域測定装置の構成例を説明する。図1は、実施例1に係る帯域測定装置の構成例を示す図である。例えば、図1に示すように、帯域測定装置1は、第1設定部2と、第1送信部3と、第2設定部4と、第2送信部5とを有する。また、帯域測定装置1は、例えば、ルータ装置やインターネット等を介して通信を行なうエンドホスト装置に接続された装置であり、該エンドホスト装置間における送信帯域を測定する。
【0014】
上記構成において、第1設定部2は、プローブパケット及び該プローブパケットに対する応答パケットのサイズを所定値に設定する。第1送信部3は、第1設定部2によって設定されたプローブパケット及び応答パケットのサイズで、パケットロスが生じるまで送信帯域値を上げつつ、該応答パケットを送信する応答装置に対してプローブパケットを送信する。
【0015】
第2設定部4は、応答パケットのサイズを所定値よりも小さい値に設定する。第2送信部5は、第1設定部2によって設定されたプローブパケット、及び、第2設定部4によって設定された応答パケットのサイズで、応答装置に対してプローブパケットを送信する。プローブパケットの送信において、第2送信部5は、第1送信部3によるプローブパケットの送信でパケットロスが生じたときの送信帯域値からパケットロスが生じるまでさらに送信帯域値を上げつつ、応答装置に対してプローブパケットを送信する。
【0016】
なお、帯域測定装置1は、上記処理によって得られるパケットロスが生じたときの送信帯域値を測定結果として所望の装置に通知したり、該送信帯域値から転送可能な帯域が双方向で独立しているか、若しくは双方向で共有しているかを判定したりする。すなわち、帯域測定装置1から測定結果や判定結果を得た所望の装置は、好適な送信帯域に制御することができる。
【0017】
このように、帯域測定装置1は、ネットワーク内において転送可能な帯域が双方向で独立しているか、若しくは双方向で共有しているかの判定のための送信帯域値を測定結果として出力する。この結果、帯域測定装置1は、ネットワーク内において片方向のトラフィックごとに独立して帯域を測定する従来技術と比較して、インターネットを経由した通信の経路上における輻輳を防止することができる。
【実施例2】
【0018】
[ネットワークの構成]
図2を用いて、帯域測定装置を含むネットワークの構成を説明する。図2は、帯域測定装置を含むネットワークの構成例を示す図である。かかるネットワークは、例えば、図2に示すように、帯域測定装置1000、エンドホスト装置2000、ルータ装置3000、帯域測定装置1100、エンドホスト装置2100及びルータ装置3100を有する。なお、図2では、2つのエンドホスト装置による2点間のネットワークを示したが、地点数や各装置の数等はこれに限られるものではない。
【0019】
また、ネットワークポートは、例えば、イーサネット(登録商標)等のIP(Internet Protocol)パケットを送受信可能な任意のリンク層のプロトコルが利用される。そして、帯域測定装置1000や帯域測定装置1100は、任意のリンク層のプロトコルを用いてネットワークに対してパケットを送受信することになる。なお、エンドホスト装置は、PC(Personal Computer)やサーバ装置等の通信装置である。
【0020】
また、帯域測定装置1000、エンドホスト装置2000及びルータ装置3000は、LAN(Local Area Network)を形成する。帯域測定装置1000とエンドホスト装置2000との接続では、例えば、USB(Universal Serial Bus)やシリアル転送(Serial Transmission)等を利用する。同様に、帯域測定装置1100、エンドホスト装置2100及びルータ装置3100は、LANを形成する。帯域測定装置1100とエンドホスト装置2100との接続では、同様に、USBやシリアル転送等を利用する。
【0021】
上記構成において、エンドホスト装置2000とエンドホスト装置2100とは、ルータ装置3000及びルータ装置3100やインターネット等を介して相互に通信を行なう。このとき、帯域測定装置1000及び帯域測定装置1100は、エンドホスト装置2000及びエンドホスト装置2100間における送信帯域を測定する。なお、帯域測定装置1000や帯域測定装置1100による処理の詳細については後述する。
【0022】
[実施例2に係る帯域測定装置の構成]
次に、図3を用いて、実施例2に係る帯域測定装置の構成を説明する。図3は、実施例2に係る帯域測定装置の構成例を示す図である。なお、図3に示す帯域測定装置100は、帯域測定装置1、帯域測定装置1000及び帯域測定装置1100等の一例である。
【0023】
例えば、図3に示すように、帯域測定装置100は、設定情報111と、測定情報112とを有する。また、帯域測定装置100は、制御通信部121と、装置制御部122と、プローブパケット生成部123と、パケット送信部124と、パケット受信部125と、パケット判別部126と、応答パケット生成部127と、パケットロス検出部128とを有する。
【0024】
このうち、設定情報111と測定情報112とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。また、制御通信部121〜パケットロス検出部128は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。或いは、制御通信部121〜パケットロス検出部128は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
【0025】
ここで、図4を用いて、設定情報111に保持される情報を説明する。図4は、設定情報111に保持される情報の例を示す図である。例えば、図4に示すように、設定情報111は、測定対象となるエンドホスト装置を示す「送信元アドレス」と、該エンドホスト装置の通信先の装置であるエンドホスト装置を示す「宛先アドレス」とを保持する。加えて、設定情報111は、インターネットに接続されたルータ装置を示す「次ホップアドレス」と、1度で送信可能なデータの最大値を示す「経路MTU(Maximum Transmission Unit)値」とを保持する。なお、設定情報111は、上記の各種情報を「インデックス」に対応付けて保持する。
【0026】
設定情報111に保持される情報の例を挙げると、設定情報111は、「インデックス:1」と、「送信元アドレス:192.0.1.10」と、「宛先アドレス:192.0.2.20」とを対応付けて保持する。加えて、設定情報111は、「インデックス:1」と、「次ホップアドレス:192.0.1.1」と、「経路MTU値:1500B(Byte)」とを対応付けて保持する。
【0027】
また、図5を用いて、測定情報112に保持される情報を説明する。図5は、測定情報112に保持される情報の例を示す図である。例えば、図5に示すように、測定情報112は、帯域測定の時系列を示す「測定状態」と、帯域測定時の送信帯域を示す「送信帯域値1」及び「送信帯域値2」とを保持する。加えて、測定情報112は、帯域測定のために送信されるプローブパケットのサイズを示す「プローブサイズ設定値」と、プローブパケットに対して送信先装置に要求する応答パケットのサイズを示す「応答サイズ要求値」とを保持する。加えて、測定情報112は、「シーケンス番号」と、「パケットロス率」とを保持する。なお、測定情報112は、上記の各種情報を「インデックス」に対応付けて保持する。
【0028】
測定情報112に保持される情報の例を挙げると、測定情報112は、「インデックス:2」と、「測定状態:フェーズ2」と、「送信帯域値1:5Mbps」と、「送信帯域値2:5Mpbs」とを対応付けて保持する。加えて、測定情報112は、「プローブサイズ設定値:1480B」と、「応答サイズ要求値:26B」と、「シーケンス番号:4000」と、「パケットロス率:1%」とを対応付けて保持する。
【0029】
図3の説明に戻り、制御通信部121は、例えば、制御通信ポートを介して行なわれるエンドホスト装置との通信を制御する。かかるエンドホスト装置との通信において、制御通信部121は、該エンドホスト装置からの制御信号に基づいて設定情報111を設定する。エンドホスト装置からの制御信号には、例えば、「送信元アドレス」、「宛先アドレス」、「次ホップアドレス」及び「経路MTU値」が含まれる。
【0030】
装置制御部122は、例えば、帯域測定装置100を全体制御する。詳細には、装置制御部122は、測定情報112のエントリを確保して初期化を行ない、設定情報111のインデックスの値を測定情報112のインデックスに設定する。そして、装置制御部122は、設定情報111に保持された「経路MTU値」に従って、プローブパケットのサイズが到達可能な最大値になるように測定情報112の「プローブサイズ設定値」を設定する。なお、プローブパケットのサイズが到達可能な最大値とは、例えば、データの最大値である「経路MTU値」から20B程を減算した値になる。なお、減算する値については後述する。
【0031】
また同様に、装置制御部122は、応答パケットのサイズが到達可能な最大値になるように測定情報112の「応答サイズ要求値」を設定する。続いて、装置制御部122は、測定情報112の「送信帯域値1」に十分小さい値を初期値として設定するとともに、測定状態を「測定状態:フェーズ1」に遷移する。なお、「送信帯域値1」に設定される初期値は、最大の送信帯域値の4分の1以下が好ましい。
【0032】
プローブパケット生成部123は、例えば、プローブパケットの生成処理を実施する。詳細には、プローブパケット生成部123は、測定情報112に基づいて、「送信帯域値1」に応じた送信レート、「プローブサイズ設定値」に設定されたサイズでプローブパケットを生成する。また、プローブパケット生成部123は、「シーケンス番号」及び「応答サイズ要求値」に設定されたサイズで応答パケットを要求する情報をプローブパケットに付加する。
【0033】
パケット送信部124は、例えば、プローブパケット生成部123によって生成されたプローブパケットを、ネットワークポートを介して送信する。また、パケット送信部124は、例えば、応答パケット生成部127によって生成された応答パケットを、ネットワークポートを介して送信する。プローブパケット及び応答パケットのプロトコルは、一つの態様として、IPv4(Internet Protocol version 4)やICMP(Internet Control Message Protocol)等を利用する。また、プローブパケット及び応答パケットのプロトコルは、他の態様として、IPv4の代替としてIPv6を、ICMPの代替としてUDP(User Datagram Protocol)を利用する。
【0034】
ここで、図6を用いて、ICMP Echoメッセージを用いたプローブパケットの形式を説明する。図6は、ICMP Echoメッセージを用いたプローブパケットの形式を示す図である。
【0035】
例えば、図6に示すように、プローブパケットのEchoメッセージは、応答パケットの要求通知を示す「タイプ(8)」と、帯域を測定するモードであることを示す「コード(1)」と、「チェックサム」とを有する。加えて、Echoメッセージは、上記のように付加される「応答サイズ」と、「シーケンス番号」とを有する。なお、Echoメッセージが有する「データ」領域には、任意の内容が格納されれば良い。かかる「データ」のサイズは、例えば、プローブパケットのサイズからICMPヘッダのサイズを減算したサイズになる。
【0036】
次に、図7を用いて、ICMP Echo Replyメッセージを用いた応答パケットの形式を説明する。図7は、ICMP Echo Replyメッセージを用いた応答パケットの形式を示す図である。
【0037】
例えば、図7に示すように、応答パケットのEcho Replyメッセージは、応答パケットの通知を示す「タイプ(0)」と、帯域を測定するモードであることを示す「コード(1)」と、「チェックサム」とを有する。加えて、Echo Replyメッセージは、上記のように付加される「応答サイズ」と、「シーケンス番号」とを有する。なお、Echo Replyメッセージが有する「データ」領域には、任意の内容が格納されれば良い。かかる「データ」のサイズは、例えば、応答パケットのサイズからICMPヘッダのサイズを減算したサイズになる。
【0038】
次に、図8を用いた、UDPを用いたプローブパケットの形式を説明する。図8は、UDPを用いたプローブパケットの形式を示す図である。
【0039】
例えば、図8に示すように、UDPを用いたプローブパケットは、プローブパケットの送信元を示す「送信元ポート」と、該プローブパケットの送信先を示す「宛先ポート」と、データの全体サイズを示す「データサイズ」と、「チェックサム」とを有する。加えて、UDPを用いたプローブパケットは、上記のように付加される「応答サイズ」と、「シーケンス番号」とを有する。なお、UDPを用いたプローブパケットが有する「データ」のサイズは、例えば、プローブパケットのサイズからUDPヘッダのサイズを減算したサイズになる。
【0040】
次に、図9を用いた、UDPを用いた応答パケットの形式を説明する。図9は、UDPを用いた応答パケットの形式を示す図である。
【0041】
例えば、図9に示すように、UDPを用いた応答パケットは、応答パケットの送信元を示す「送信元ポート」と、該応答パケットの送信先を示す「宛先ポート」と、データの全体サイズを示す「データサイズ」と、「チェックサム」とを有する。加えて、UDPを用いた応答パケットは、上記のように付加される「応答サイズ」と、「シーケンス番号」とを有する。なお、UDPを用いた応答パケットが有する「データ」のサイズは、例えば、応答パケットのサイズからUDPヘッダのサイズを減算したサイズになる。
【0042】
図3の説明に戻り、パケット受信部125は、例えば、ネットワークポートを介してプローブパケット又は応答パケットを受信する。パケット判別部126は、例えば、パケット受信部125によって受信されたパケットがプローブパケット若しくは応答パケットの何れであるかを判別する。そして、パケット判別部126は、受信されたパケットがプローブパケットである場合に、該プローブパケットを応答パケット生成部127に出力する。一方、パケット判別部126は、受信されたパケットが応答パケットである場合に、該応答パケットをパケットロス検出部128に出力する。
【0043】
応答パケット生成部127は、例えば、パケット判別部126によって出力されたプローブパケットのフィールドから、「送信元アドレス」と「応答サイズ要求値」とを取得する。そして、応答パケット生成部127は、設定情報111に基づいて、「応答サイズ要求値」に応じたサイズの応答パケットを生成し、「送信元アドレス」に対して送信するようにパケット送信部124に出力する。
【0044】
パケットロス検出部128は、例えば、パケット判別部126によって出力された応答パケットのフィールドから「シーケンス番号」の抜けを検査し、パケットロスを検出する。そして、パケットロス検出部128は、検出されたパケットロスの数の統計処理を実行し、測定情報112にパケットロス率として格納する。
【0045】
上記処理について、帯域測定装置100は、パケットロス率が閾値を超えるまで「送信帯域値1」を増加させつつプローブパケットを送信する。その後、装置制御部122は、パケットロス率が所定の閾値を超えた場合に、応答パケットのサイズが到達可能な最小値になるように、測定情報112の「応答サイズ要求値」を設定する。
【0046】
続いて、装置制御部122は、測定情報112の「送信帯域値1」を「送信帯域値2」に設定するとともに、測定状態を「測定状態:フェーズ2」に遷移する。すなわち、帯域測定装置100は、パケットロスが生じたときの送信帯域値である「送信帯域値1」からさらに送信レートを上げつつプローブパケットを送信し、パケットロス率が閾値を超えた場合に処理を終了する。なお、上記処理の終了後、帯域測定装置100は、測定情報112に保持される「送信帯域値1」と、「送信帯域値2」とを含む情報を制御信号としてエンドホスト装置に対して送信する。
【0047】
[実施例2に係る帯域測定処理]
次に、図10を用いて、実施例2に係る帯域測定処理を説明する。図10は、実施例2に係る帯域測定処理の例を示すフローチャートである。なお、図10では、制御通信部121によって設定情報111が設定された後の処理を説明する。
【0048】
例えば、図10に示すように、装置制御部122は、測定情報112のエントリを確保して初期化を行ない、設定情報111のインデックスの値を測定情報112のインデックスに設定する(ステップS101)。そして、装置制御部122は、設定情報111の「経路MTU値」に従って、測定情報112のプローブパケットのサイズを最大値に設定する(ステップS102)。また同様に、装置制御部122は、測定情報112の応答パケットのサイズを最大値に設定する(ステップS103)。
【0049】
続いて、装置制御部122は、測定情報112の「送信帯域値1」に十分小さい値を初期値として設定し(ステップS104)、測定状態を「測定状態:フェーズ1」に遷移する(ステップS105)。その後、プローブパケット生成部123は、測定情報112に基づいて、「送信帯域値1」に応じた送信レート、「プローブサイズ設定値」に設定されたサイズでプローブパケットを生成する。このとき、プローブパケット生成部123は、「シーケンス番号」及び「応答サイズ要求値」に設定されたサイズで応答パケットを要求する情報をプローブパケットに付加する。そして、パケット送信部124は、プローブパケット生成部123によって生成されたプローブパケットを送信先アドレス宛てに送信する(ステップS106)。
【0050】
また、プローブパケットを受信した帯域測定装置は、該プローブパケットから「送信元アドレス」と「応答サイズ要求値」とを取得し、該「応答サイズ要求値」に応じたサイズの応答パケットを送信元アドレス宛てに送信する。
【0051】
続いて、パケットロス検出部128は、パケット受信部125によって受信された応答パケットに基づき、パケットのロス率が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS107)。その後、パケットロス検出部128は、パケットのロス率が閾値を超えていない場合に(ステップS107否定)、「送信帯域値1」を増加させ(ステップS108)、ステップS106の処理を再度実行する。
【0052】
一方、装置制御部122は、パケットロス検出部128によってパケットのロス率が閾値を超えたと判定された場合に(ステップS107肯定)、測定情報112の応答パケットのサイズを最小値に設定する(ステップS109)。そして、装置制御部122は、測定情報112の「送信帯域値2」に、パケットロスが生じたときの「送信帯域値1」を設定し(ステップS110)、測定状態を「測定状態:フェーズ2」に遷移する(ステップS111)。
【0053】
続いて、プローブパケット生成部123は、測定情報112に基づいて、「送信帯域値2」に応じた送信レート、「プローブサイズ設定値」に設定されたサイズでプローブパケットを生成する。このとき、プローブパケット生成部123は、「シーケンス番号」及び「応答サイズ要求値」に設定されたサイズで応答パケットを要求する情報をプローブパケットに付加する。その後、パケット送信部124は、プローブパケット生成部123によって生成されたプローブパケットを送信先アドレス宛てに送信する(ステップS112)。
【0054】
また、プローブパケットを受信した帯域測定装置は、該プローブパケットから「送信元アドレス」と「応答サイズ要求値」とを取得し、該「応答サイズ要求値」に応じたサイズの応答パケットを送信元アドレス宛てに送信する。
【0055】
そして、パケットロス検出部128は、パケット受信部125によって受信された応答パケットに基づき、パケットのロス率が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS113)。続いて、パケットロス検出部128は、パケットのロス率が閾値を超えていない場合に(ステップS113否定)、「送信帯域値2」を増加させ(ステップS114)、ステップS112の処理を再度実行する。一方、パケットロス検出部128は、パケットのロス率が閾値を超えたと判定した場合に(ステップS113肯定)、処理を終了する。
【0056】
なお、帯域測定処理を実行した帯域測定装置100は、測定結果として得られるパケットロスが生じたときの「送信帯域値1」と「送信帯域値2」とをエンドホスト装置に対して通知する。測定結果を通知されたエンドホスト装置は、通信先のエンドホスト装置との通信経路上のボトルネックポイントの状況について、双方向で帯域が独立しているか、若しくは双方向で帯域を共有しているかを判定する。そして、エンドホスト装置は、ボトルネックポイントが転送可能な帯域を双方向で共有していることを検出した場合に、該エンドホスト装置による好適な送信帯域制御を実施できる。
【0057】
[測定された帯域のパターン]
次に、図11及び図12を用いて、測定された帯域のパターンを説明する。図11は、双方向で帯域が独立している場合の帯域測定パターンの例を示す図である。図12は、双方向で帯域を共有している場合の帯域測定パターンの例を示す図である。なお、図11及び図12では、縦軸を「送信帯域」、横軸を「フェーズ」とする。
【0058】
例えば、図11に示すように、双方向で帯域が独立している場合には、「送信帯域値2」が「送信帯域値1」とほぼ等しくなる。また、図11の(A)は、パケットロスの検出を示し、図11の(B)は、パケットロスが継続していることを示す。
【0059】
例えば、図12に示すように、双方向で帯域を共有している場合には、「送信帯域値2」が「送信帯域値1」よりも大きくなる。また、図12の(C)及び(D)は、パケットロスの検出を示す。なお、「送信帯域値2」は、転送可能な帯域の概ねの値として利用可能である。
【0060】
[実施例2による効果]
上述したように、帯域測定装置100は、インターネットを経由した通信におけるボトルネックポイントについて、転送可能な帯域を双方向で共有していることを検出するための情報を出力する。この結果、帯域測定装置100は、エンドホスト装置による好適な送信帯域の制御の実施のための情報を提供するので、インターネットを経由した通信の経路上における輻輳を防止することができる。
【実施例3】
【0061】
さて、これまで本願に開示する帯域測定装置の実施例について説明したが、上述した実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、(1)帯域測定装置の役割、(2)帯域の判定、(3)装置の構成、(4)プログラム、において異なる実施例を説明する。
【0062】
(1)帯域測定装置の役割
上記実施例では、ネットワーク内に同一の機能を有する帯域測定装置を複数設ける場合を説明したが、該帯域測定装置をパケットの要求側と応答側とで役割を分けることにしても良い。そこで、以下では、帯域測定装置をパケットの要求側と応答側とで役割を分ける場合を説明する。
【0063】
図13を用いて、帯域測定装置を要求側と応答側とに分けた場合のネットワークの構成を説明する。図13は、帯域測定装置を要求側と応答側とに分けた場合のネットワーク構成例を示す図である。なお、以下では、図13に示した各装置について、図2と同様の機能を有するものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
例えば、図13に示すように、ネットワークは、要求側帯域測定装置1000a、エンドホスト装置2000、ルータ装置3000、応答側帯域測定装置1100b、エンドホスト装置2100及びルータ装置3100を有する。なお、図13では、2つのエンドホスト装置による2点間のネットワークを示したが、地点数が各装置の数はこれに限られるものではない。
【0065】
上記構成において、要求側帯域測定装置1000aと応答側帯域測定装置1100bとは、エンドホスト装置2000及びエンドホスト装置2100間における送信帯域を測定する。なお、要求側帯域測定装置1000aや応答側帯域測定装置1100bによる処理の詳細については後述する。
【0066】
次に、図14を用いて、要求側帯域測定装置の構成を説明する。図14は、要求側帯域測定装置の構成例を示す図である。なお、図14に示す要求側帯域測定装置100aは、要求側帯域測定装置1000aの一例である。なお、図14では、図3に示した帯域測定装置100と同様の機能を有するものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
例えば、図14に示すように、要求側帯域測定装置100aは、設定情報111と、測定情報112とを有する。また、要求側帯域測定装置100aは、制御通信部121と、装置制御部122と、プローブパケット生成部123と、パケット送信部124と、パケット受信部125と、パケットロス検出部128とを有する。
【0068】
すなわち、要求側帯域測定装置100aは、上記の帯域測定装置100における応答パケットを要求し、該応答パケットに基づいてパケットロスを検出する処理を実施するものである。
【0069】
次に、図15を用いて、応答側帯域測定装置の構成を説明する。図15は、応答側帯域測定装置の構成例を示す図である。なお、図15に示す応答側帯域測定装置100bは、応答側帯域測定装置1100bの一例である。なお、図15では、図3に示した帯域測定装置100と同様の機能を有するものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
例えば、図15に示すように、応答側帯域測定装置100bは、設定情報111と、測定情報112とを有する。また、応答側帯域測定装置100bは、制御通信部121と、装置制御部122と、パケット送信部124と、パケット受信部125と、応答パケット生成部127とを有する。
【0071】
すなわち、応答側帯域測定装置100bは、上記の帯域測定装置100におけるプローブパケットを受信し、該プローブパケットに含まれる情報に基づいて応答パケットを生成し、該応答パケットを送信する処理を実施するものである。
【0072】
(2)帯域の判定
また、上記実施例では、帯域測定装置100が測定した帯域の測定結果を用いて、エンドホスト装置が帯域の独立或いは共有を判定する場合を説明したが、帯域測定装置100が帯域の独立或いは共有を判定してエンドホスト装置に出力することにしても良い。
【0073】
(3)装置の構成
また、上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータ等を含む情報(例えば、「設定情報111に含まれる情報」等)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0074】
また、図示した帯域測定装置100等の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合することができる。例えば、パケット送信部124とパケット受信部125とは、プローブパケットを送信及び応答パケットを受信する「パケット送受処理部」として統合しても良い。
【0075】
また、上記実施例では、エンドホスト装置に接続される場合の帯域測定装置100を説明したが、該帯域測定装置100の機能をエンドホスト装置に組み込むことにしても良い。
【0076】
(4)プログラム
ところで、上記実施例では、ハードウェアロジックによって各種の処理を実現する場合を説明したが、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現するようにしても良い。そこで、以下では、図16を用いて、上記実施例に示した帯域測定装置1と同様の機能を有する帯域測定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図16は、帯域測定プログラムを実行するコンピュータの例を示す図である。
【0077】
図16に示すように、帯域測定装置1としてのコンピュータ11は、バス18で接続されるHDD13、CPU14、ROM15及びRAM16等を有する。
【0078】
ROM15には、上記実施例に示した帯域測定装置1と同様の機能を発揮する帯域測定プログラムが予め記憶されている。つまり、ROM15には、図16に示すように、第1設定プログラム15aと、第1送信プログラム15bと、第2設定プログラム15cと、第2送信プログラム15dとが予め記憶されている。なお、これらのプログラム15a〜プログラム15dについては、図1に示した帯域測定装置1の各構成要素と同様、適宜統合または分散しても良い。
【0079】
そして、CPU14がこれらのプログラム15a〜プログラム15dをROM15から読み出して実行する。これにより、図16に示すように、プログラム15a〜プログラム15dは、第1設定プロセス14aと、第1送信プロセス14bと、第2設定プロセス14cと、第2送信プロセス14dとして機能するようになる。なお、プロセス14a〜プロセス14dは、図1に示した、第1設定部2と、第1送信部3と、第2設定部4と、第2送信部5とに対応する。そして、CPU14は、RAM16に記録されたデータに基づいて帯域測定プログラムを実行する。
【0080】
なお、上記各プログラム15a〜プログラム15dについては、必ずしも最初からROM15に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ11に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておいても良い。また、例えば、コンピュータ11の内外に備えられるHDD等の「固定用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておいても良い。また、例えば、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ11に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」等に各プログラムを記憶させておいても良い。そして、コンピュータ11がこれから各プログラムを読み出して実行するようにしても良い。
【符号の説明】
【0081】
100 帯域測定装置
111 設定情報
112 測定情報
121 制御通信部
122 装置制御部
123 プローブパケット生成部
124 パケット送信部
125 パケット受信部
126 パケット判別部
127 応答パケット生成部
128 パケットロス検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブパケット及び該プローブパケットに対する応答パケットのサイズを所定値に設定する第1設定部と、
前記第1設定部によって設定されたプローブパケット及び応答パケットのサイズで、パケットロスが生じるまで送信帯域値を上げつつ、該応答パケットを送信する応答装置に対してプローブパケットを送信する第1送信部と、
前記応答パケットのサイズを前記所定値よりも小さい値に設定する第2設定部と、
前記第1設定部によって設定されたプローブパケット、及び、前記第2設定部によって設定された応答パケットのサイズで、前記第1送信部によるプローブパケットの送信でパケットロスが生じたときの送信帯域値からパケットロスが生じるまでさらに送信帯域値を上げつつ、前記応答装置に対してプローブパケットを送信する第2送信部と
を有することを特徴とする帯域測定装置。
【請求項2】
前記第1設定部は、前記プローブパケット及び前記応答パケットのサイズを最大値に設定し、
前記第2設定部は、前記応答パケットのサイズを最小値に設定することを特徴とする請求項1に記載の帯域測定装置。
【請求項3】
前記第1送信部によってパケットロスが生じるまで上げられた送信帯域値と、前記第2送信部によってパケットロスが生じるまで上げられた送信帯域値とに基づいて、自装置に接続された通信装置と前記応答装置に接続された通信装置との双方向で帯域が独立しているか、若しくは共有しているかを判定する判定部をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の帯域測定装置。
【請求項4】
送信するプローブパケットに対する応答パケットを要求する要求側帯域測定装置と、前記応答パケットを送信する応答側帯域測定装置とを有する帯域測定システムであって、
前記要求側帯域測定装置は、
前記プローブパケット及び前記応答パケットのサイズを所定値に設定する第1設定部と、
前記第1設定部によって設定されたプローブパケット及び応答パケットのサイズで、パケットロスが生じるまで送信帯域値を上げつつ、前記応答側帯域測定装置に対してプローブパケットを送信する第1送信部と、
前記応答パケットのサイズを前記所定値よりも小さい値に設定する第2設定部と、
前記第1設定部によって設定されたプローブパケット、及び、前記第2設定部によって設定された応答パケットのサイズで、前記第1送信部によるプローブパケットの送信でパケットロスが生じたときの送信帯域値からパケットロスが生じるまでさらに送信帯域値を上げつつ、前記応答側帯域測定装置に対してプローブパケットを送信する第2送信部と
を有し、
前記応答側帯域測定装置は、
前記第1送信部によって送信されたプローブパケットに含まれる応答パケットのサイズの設定値に応じた応答パケットを前記要求側帯域測定装置に対して送信する第1応答パケット送信部と、
前記第2送信部によって送信されたプローブパケットに含まれる応答パケットのサイズの設定値に応じた応答パケットを前記要求側帯域測定装置に対して送信する第2応答パケット送信部と
を有することを特徴とする帯域測定システム。
【請求項5】
プローブパケット及び該プローブパケットに対する応答パケットのサイズを所定値に設定する第1設定手順と、
前記第1設定手順によって設定されたプローブパケット及び応答パケットのサイズで、パケットロスが生じるまで送信帯域値を上げつつ、該応答パケットを送信する応答装置に対してプローブパケットを送信する第1送信手順と、
前記応答パケットのサイズを前記所定値よりも小さい値に設定する第2設定手順と、
前記第1設定手順によって設定されたプローブパケット、及び、前記第2設定手順によって設定された応答パケットのサイズで、前記第1送信手順によるプローブパケットの送信でパケットロスが生じたときの送信帯域値からパケットロスが生じるまでさらに送信帯域値を上げつつ、前記応答装置に対してプローブパケットを送信する第2送信手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする帯域測定プログラム。
【請求項6】
通信先の通信先装置とデータを送受信する通信装置であって、
プローブパケット及び該プローブパケットに対する応答パケットのサイズを所定値に設定する第1設定部と、
前記第1設定部によって設定されたプローブパケット及び応答パケットのサイズで、パケットロスが生じるまで送信帯域値を上げつつ、該応答パケットを送信する前記通信先装置に対してプローブパケットを送信する第1送信部と、
前記応答パケットのサイズを前記所定値よりも小さい値に設定する第2設定部と、
前記第1設定部によって設定されたプローブパケット、及び、前記第2設定部によって設定された応答パケットのサイズで、前記第1送信部によるプローブパケットの送信でパケットロスが生じたときの送信帯域値からパケットロスが生じるまでさらに送信帯域値を上げつつ、前記通信先装置に対してプローブパケットを送信する第2送信部と、
前記第1送信部によってパケットロスが生じるまで上げられた送信帯域値と、前記第2送信部によってパケットロスが生じるまで上げられた送信帯域値とに基づいて、自装置と前記通信先装置との双方向で帯域が独立しているか、若しくは共有しているかを判定する判定部と
を有することを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−223210(P2011−223210A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88894(P2010−88894)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】