説明

帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

【課題】高湿環境下で繰り返し使用しても優れた特性を維持し得る帯電部材、ならびに、該帯電部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】SiO0.51(OR2)(OR3)で示される第1のユニット、SiO1.04(OR5)で示される第2のユニットおよびSiO1.56で示される第3のユニットを有するポリシロキサンを含有する表面層を有する帯電部材であって、該ポリシロキサン中の該第1ユニットのモル数をx[mol]とし、該第2ユニットのモル数をy[mol]とし、該第3ユニットのモル数をz[mol]としたとき、0.60≦{(x+y)/(x+y+z)}≦0.80である帯電部材。(上記R1、R4およびR6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示し、R2、R3およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やレーザービームプリンター(LBP)などの電子写真装置に用いられる帯電部材、ならびに、帯電部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子写真感光体の表面を帯電する方式の1つとして、接触帯電方式が実用化されている。
接触帯電方式は、電子写真感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材と該電子写真感光体との間の当接部近傍で微少な放電をさせることによって、該電子写真感光体の表面を帯電する方式である。
【0003】
また、接触帯電方式の中でも広く普及している方式は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電部材に印加する方式(以下「AC+DC接触帯電方式」ともいう。)である。AC+DC接触帯電方式の場合、交流電圧には、帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ電圧が用いられる。
AC+DC接触帯電方式は、交流電圧を用いることにより、帯電均一性の高い安定した帯電を行える方式であるが、交流電圧源を使用する分、直流電圧のみの電圧を帯電部材に印加する方式(以下「DC接触帯電方式」ともいう。)に比べて、帯電装置、電子写真装置の大型化、コストアップを招いてしまう。
すなわち、DC接触帯電方式は、AC+DC接触帯電方式に比べて、帯電装置、電子写真装置の小型化、コストダウンの点で優れた帯電方式である。
【0004】
帯電部材の形状としては、ローラー形状が一般的である(以下、ローラー形状の帯電部材を「帯電ローラー」ともいう。)。
また、接触帯電方式の場合、電子写真感光体と帯電部材との当接ニップを十分にかつ均一に確保する必要があることから、接触帯電方式に用いられる帯電部材には、ある程度低硬度であることが要求される。
【0005】
このような要求に対して、従来、支持体および該支持体上に設けられた弾性層(導電性弾性層)を有する帯電部材が提案されている。
しかしながら、弾性層(導電性弾性層)は、低分子量成分を比較的多量に含むことが多いため、この低分子量成分がブリードアウトし、電子写真感光体の表面を汚染することがある。低分子量成分としては、反応開始剤の残留物、反応副生成物、原料の未反応物、加硫剤、軟化剤、可塑剤および導電剤などが挙げられる。
そこで、現在、低分子量成分のブリードアウトを抑制するために、導電性弾性層上に表面層を設けることもよく行われている。
【0006】
例えば、特開2001−173641号公報(特許文献1)には、ゾル−ゲル法によって形成される無機酸化物被膜を帯電部材の表面層とする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−173641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特開平2001−173641号公報に開示された技術は、具体的には、金属アルコキシドと有機ケイ素化合物またはフッ素置換有機ケイ素化合物との反応物からなるゾルをローラー状基材表面に塗布し、これをゲル化させることによって表面層を形成する技術である。
しかしながら、本発明者らが、この技術について鋭意検討したところ、このようなシロキサン化合物を含むゾル−ゲル法によって形成された膜は、膜中に未反応のシラノール基やアルコキシ基が残存している場合が多く、この残留シラノール基や残留アルコキシ基が膜の電気的特性、ひいては帯電部材の帯電特性に影響を与える場合があることがわかった。
【0008】
本発明の目的は、ポリシロキサンを含有する表面層を有する帯電部材であっても、良好な帯電特性を示す帯電部材、具体的には、高湿環境下で繰り返し使用しても優れた特性を維持し得る帯電部材、ならびに、該帯電部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、SiO0.5(OR)(OR)で示される第1のユニット、SiO1.0(OR)で示される第2のユニットおよびSiO1.5で示される第3のユニットを有するポリシロキサンを含有する表面層を有する帯電部材であって、
該ポリシロキサン中の該第1ユニットのモル数をx[mol]とし、該第2ユニットのモル数をy[mol]とし、該第3ユニットのモル数をz[mol]としたとき、0.60≦{(x+y)/(x+y+z)}≦0.80である帯電部材である。
(上記R、RおよびRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示し、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。)
また、本発明は、上記帯電部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
【0010】
なお、上記の「SiO0.5(OR)(OR)で示される第1のユニット」とは、下記式(i)に示すようなポリシロキサンのうちの四角で囲んだ範囲A1を意味する。範囲A1の中の、アルコキシ基の酸素原子でない酸素原子(Si−O−SiのO)は、2個のケイ素原子と結合しているため、ケイ素原子1個あたりが結合している酸素原子(Si−O−SiのO)の数は0.5個と考える。
【化1】

【0011】
上記の「SiO1.0(OR)で示される第2のユニット」も、「SiO0.5(OR)(OR)で示される第1のユニット」と同様であり、具体的には、下記式(ii)に示すようなポリシロキサンのうちの四角で囲んだ範囲A2を意味する。
【化2】

【0012】
上記の「SiO1.5で示される第3のユニット」も、「SiO0.5(OR)(OR)で示される第1のユニット」と同様であり、具体的には、下記式(iii)に示すようなポリシロキサンのうちの四角で囲んだ範囲A3を意味する。
【化3】

【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高湿環境下で繰り返し使用しても優れた特性を維持し得る帯電部材、ならびに、該帯電部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の帯電部材は、上記のとおり、SiO0.5(OR)(OR)で示される第1のユニット、SiO1.0(OR)で示される第2のユニットおよびSiO1.5で示される第3のユニットを有するポリシロキサンを含有する表面層を有している。
【0015】
そして、本発明の帯電部材は、その表面層において、ポリシロキサン中の第1ユニットのモル数をx[mol]とし、第2ユニットのモル数をy[mol]とし、第3ユニットのモル数をz[mol]としたとき、0.60≦{(x+y)/(x+y+z)}≦0.80であることを特徴の1つとしている。
ここで、{(x+y)/(x+y+z)}が小さすぎると、繰り返し使用した際、良好な画像形成に必要な表面層の電気的特性が不十分となることがある。一方、{(x+y)/(x+y+z)}が大きすぎると、シラノール基やアルコキシ基の量が多くなりすぎるため、高湿環境下において、吸湿による表面層の機械的強度低下が引き起こされることがある。好ましくは、0.65≦{(x+y)/(x+y+z)}≦0.75である。
【0016】
また、本発明において、帯電部材の表面層の時定数τ[s]は、1×10≦τ≦1×10であることが好ましい。τが小さすぎると、繰り返し使用した際、良好な画像形成に必要な表面層の電気的特性が不十分となることがある。一方、τが大きすぎると、放電(電子写真感光体と帯電部材との当接部近傍での微少な放電)に時間がかかりすぎて、画像出力スピードが高速である場合に、電子写真感光体を十分に帯電することができなくなることがある。
【0017】
本発明において、帯電部材の時定数τ[s]とは、次のようにして測定して得られる値を意味する。
すなわち、測定対象の帯電部材の表面層を形成する際に用いた表面層用塗布液を、アルミニウムシート(厚さ100μm)上に塗布し、これを測定対象の帯電部材の表面層を形成する際と同様の条件で硬化・乾燥させることによって、アルミニウムシート上に層を形成した。なお、アルミニウムシート上に表面層用塗布液を塗布する際の塗布量は、アルミニウムシート上に形成される層(硬化・乾燥後の層)の層厚が10nmになるように調整した。
【0018】
このようにして上に層を形成したアルミニウムシートを4cm×4cmの正方形型に切断し、これをサンプル片とした。
サンプル片の層側の表面に金蒸着を施した。
この金蒸着を施したサンプル片を、図2に示す構成の誘電率測定システムに組み込み、印加電圧3V、測定周波数10Hzの条件で上記サンプル片の時定数を測定した。測定して得られた上記サンプル片の時定数を測定対象の帯電部材の表面層の時定数τとした。なお、図2中、201はサンプル片であり、202は誘電率測定装置(1296型誘電率測定インターフェースと1260型インピダンスアナライザーとを併用、英国ソーラトロン社製)であり、203は接触電極端子であり、204は平板電極である。
【0019】
上記ポリシロキサン中のアリール基(上記R、RおよびRのアリール基など)の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5〜30質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基(上記OR、ORおよびOR中のオキシアルキレン基など)の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5〜70質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して20〜90質量%であることが好ましい。
【0020】
また、上記ポリシロキサンは、フッ化アルキル基を有するものであることが好ましく、その場合、上記ポリシロキサン中のアリール基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5〜30質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5〜70質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5〜50質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して20〜85質量%であることが好ましい。
上記フッ化アルキル基としては、例えば、直鎖型または分岐型のアルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。その中でも、炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
上記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある。)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
【0021】
本発明の帯電部材の表面層に含有させるポリシロキサンは、例えば、下記工程(I)および(II)を経て得ることができる。
(I)アリール基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させる縮合工程
(II)該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、工程(I)により得られた加水分解性縮合物を架橋させる架橋工程
【0022】
上記工程(I)の加水分解に用いる水の量は、上記工程(I)に用いる加水分解性シラン化合物の総量に対して30〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
【0023】
また、上記アリール基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
【化4】

上記式(1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基を示し、Ar11は、アリール基を示す。aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数であり、a+b=3である。
上記式(1)中のR11およびR12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
上記式(1)中のAr11のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
【0024】
以下にアリール基を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(1−1):フェニルトリメトキシシラン
(1−2):フェニルトリエトキシシラン
(1−3):フェニルトリプロポキシシラン
(1−4):ジフェニルジメトキシシラン
(1−5):ジフェニルジエトキシシラン
【0025】
上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
【化5】

【0026】
上記式(2)中、R21およびR22は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基を示し、Z21は、2価の有機基を示し、Rc21は、カチオン重合可能な基を示す。dは0〜2の整数であり、eは1〜3の整数であり、d+e=3である。
【0027】
上記式(2)中のRc21のカチオン重合可能な基とは、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基を意味し、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および反応制御の容易性の観点から、エポキシ基が好ましい。
【0028】
上記式(2)中のR21およびR22のアルキル基としては、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
【0029】
上記式(2)中のZ21の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
【0030】
上記式(2)中のeは3であることが好ましい。
上記式(2)中のdが2の場合、2個のR21は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(2)中のeが2または3の場合、2個または3個のR22は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0031】
以下に、上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(2−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(2−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(2−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(2−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
【0032】
また、製造される帯電部材の表面の離型性を向上させる観点から、上記工程(I)において、アリール基を有する加水分解性シラン化合物およびカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物だけでなく、第3の原料として、さらに下記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用することがより好ましい。下記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を用いることによって、得られるポリシロキサンは、フッ化アルキル基(パーフルオロアルキル基)を有するポリシロキサンとなる。
【化6】

【0033】
上記式(3)中、R31およびR32は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基を示し、Z31は、2価の有機基を示し、Rf31は、炭素数1〜31のパーフルオロアルキル基を示す。fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であり、f+g=3である。
【0034】
上記式(3)中のR31およびR32のアルキル基としては、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
【0035】
上記式(3)中のZ31の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
【0036】
上記式(3)中のRf31の炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基としては、処理性の観点から、特に炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
【0037】
上記式(3)中のgは3であることが好ましい。
上記式(3)中のfが2の場合、2個のR31は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(3)中のgが2または3の場合、2個または3個のR32は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0038】
以下に、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(3−1):CF−(CH−Si−(OR)
(3−2):F(CF−(CH−Si−(OR)
(3−3):F(CF−(CH−Si−(OR)
(3−4):F(CF−(CH−Si−(OR)
(3−5):F(CF−(CH−Si−(OR)
(3−6):F(CF10−(CH−Si−(OR)
上記(3−1)〜(3−6)中のRはメチル基またはエチル基を示す。
上記(3−1)〜(3−6)の中でも、(3−4)〜(3−6)が好ましい。
【0039】
上記アリール基を有する加水分解性シラン化合物、上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物および上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
【0040】
本発明においては、上記工程(I)において、上述の加水分解性シラン化合物以外の加水分解性シランをさらに併用してもよい。
上述の加水分解性シラン化合物以外の加水分解性シランとしては、例えば、下記式(4)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が挙げられる。
【化7】

【0041】
上記式(4)中、R41は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、または、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。R42は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。hは0〜3の整数であり、kは1〜4の整数であり、h+k=4である。
上記式(4)中のR41のフェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましい。
上記式(4)中のR41のアルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
【0042】
上記式(4)中のhは1〜3の整数であることが好ましく、特には1であることがより好ましい。
上記式(4)中のkは1〜3の整数であることが好ましく、特には3であることがより好ましい。
【0043】
上記式(4)中のR42の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましい。
【0044】
上記式(4)中のhが2または3の場合、2個または3個のR41は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(4)中のkが2、3または4の場合、2個、3個または4個のR42は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0045】
以下に、上記式(4)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(4−1):テトラメトキシシラン
(4−2):テトラエトキシシラン
(4−3):テトラプロポキシシラン
(4−4):メチルトリメトキシシラン
(4−5):メチルトリエトキシシラン
(4−6):メチルトリプロポキシシラン
(4−7):エチルトリメトキシシラン
(4−8):エチルトリエトキシシラン
(4−9):エチルトリプロポキシシラン
(4−10):プロピルトリメトキシシラン
(4−11):プロピルトリエトキシシラン
(4−12):プロピルトリプロポキシシラン
(4−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(4−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(4−15):フェニルトリプロポキシシラン
(4−16):デシルトリメトキシシラン
(4−17):デシルトリエトキシシラン
(4−18):デシルトリプロポキシシラン
【0046】
次に、本発明の帯電部材の構成について、上記ポリシロキサンを含有する表面層の具体的な形成方法を含めて説明する。
【0047】
図1に、本発明の帯電部材の構成の一例を示す。図1中、101は支持体であり、102は導電性弾性層であり、103は表面層である。
電子写真感光体と帯電部材との当接ニップを十分に確保する観点から、帯電部材は、例えば図1に示したように、支持体と表面層との間に導電性弾性層を設けた構成であることが好ましい。換言すれば、帯電部材は、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有するものであることが好ましい。また、支持体と導電性弾性層との間や導電性弾性層と表面層との間に別の層を1つまたは2つ以上設けてもよい。
【0048】
以下、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材を例にとって説明する。
【0049】
帯電部材の支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理などの表面処理を施してもよい。
【0050】
導電性弾性層には、従来の帯電部材の弾性層(導電性弾性層)に用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。
ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムなどが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製「ラバロン」、クラレ(株)製「セプトンコンパウンド」などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製の「サーモラン」、三井石油化学工業(株)社製の「ミラストマー」、住友化学工業(株)社製の「住友TPE」およびアドバンストエラストマーシステムズ社製の「サントプレーン」などが挙げられる。
【0051】
また、導電性弾性層には、導電剤を適宜使用することによって、その導電性を所定の値にすることができる。導電性弾性層の電気抵抗は、導電剤の種類および使用量を適宜選択することによって調整することができ、その電気抵抗の好適な範囲は10〜10Ωであり、より好適な範囲は10〜10Ωである。
【0052】
導電性弾性層に用いられる導電剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質などが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩として、具体的には、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩など)などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩が挙げられる。
【0053】
帯電防止剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性帯電防止剤などが挙げられる。
【0054】
電解質としては、例えば、周期律表第1族の金属(LiやNaやKなど)の塩(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩として、具体的には、LiCFSO、NaClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCNおよびNaClなどが挙げられる。
【0055】
また、導電性弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属(CaやBaなど)の塩(Ca(ClOなど)やこれから誘導される帯電防止剤が、イソシアネート(一級アミノ基や二級アミノ基など)と反応可能な活性水素を有する基(水酸基やカルボキシル基など)を1つ以上持ったものを用いることもできる。また、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)もしくはその誘導体との錯体や、これらとモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど)との錯体などのイオン導電性導電剤を用いることもできる。
【0056】
また、導電性弾性層用の導電剤として、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック、ゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、および、熱分解カーボンなどの導電性のカーボンを用いることもできる。ゴム用カーボンとして、具体的には、Super Abrasion Furnace(SAF:超耐摩耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF:準超耐摩耗性)、High Abrasion Furnace(HAF:高耐摩耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF:良押し出し性)、General Purpose Furnace(GPF:汎用性)、Semi Rein Forcing Furnace(SRF:中補強性)、Fine Thermal(FT:微粒熱分解)およびMedium Thermal(MT:中粒熱分解)などの各ゴム用カーボンが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、天然グラファイトおよび人造グラファイトなどのグラファイトを用いることもできる。
【0057】
また、導電性弾性層用の導電剤として、酸化スズ、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの金属酸化物や、ニッケル、銅、銀およびゲルマニウムなどの金属を用いることもできる。
【0058】
また、導電性弾性層用の導電剤として、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリアセチレンなどの導電性ポリマーを用いることもできる。
【0059】
また、導電性弾性層には、無機または有機の充填剤や架橋剤を添加してもよい。充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸アルミニウムなどが挙げられる。架橋剤としては、例えば、イオウ、過酸化物、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤などが挙げられる。
【0060】
導電性弾性層の硬度は、帯電部材と被帯電体である電子写真感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、アスカーCで70度以上であることが好ましく、特には73度以上であることがより好ましい。
本発明において、アスカーC硬度の測定は、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で行った。
【0061】
以下、表面層の具体的な形成方法について説明する。
まず、アリール基を有する加水分解性シラン化合物およびカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物、ならびに、必要に応じて上記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物を得る。
加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
【0062】
また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
【0063】
また、加水分解性縮合物を得る際の、アリール基を有する加水分解性シラン化合物およびカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、得られるポリシロキサン中のアリール基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5〜30質量%になるように、オキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5〜70質量%になるように、シロキサン部分の含有量がポリシロキサン全質量に対して20〜90質量%になるようにすることが好ましい。
【0064】
具体的には、アリール基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して10〜50mol%の範囲になるように配合することが好ましい。
【0065】
また、上記工程(I)において、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合には、得られるポリシロキサン中のアリール基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5〜30質量%になるように、オキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5〜70質量%になるように、フッ化アルキル基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5〜50質量%になるように、シロキサン部分の含有量がポリシロキサン全質量に対して20〜85質量%になるようにすることが好ましい。
【0066】
具体的には、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物とフッ化アルキル基を含有する加水分解性シラン化合物とのモル比が10:1〜1:10の範囲になるように配合することがより好ましい。
【0067】
次に、得られた加水分解性縮合物を含む表面層用塗布液を調製し、表面層の直下となる層(例えば導電性弾性層。支持体の場合もある。)の上に、調製した表面層用塗布液を塗布する。
表面層用塗布液を調製する際には、塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、適当な溶剤を用いてもよい。適当な溶剤としては、例えば、エタノールおよび2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。また、表面層用塗布液を導電性弾性部材上に塗布する際には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布などを採用することができる。
【0068】
次に、導電性弾性部材上に塗布された表面層用塗布液に活性エネルギー線を照射する。すると、表面層用塗布液に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基は開裂し、これによって該加水分解性縮合物を架橋させることができる。加水分解性縮合物は架橋によって硬化する。
活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
【0069】
上記活性エネルギー照射時に発生した熱により、導電性弾性部材の導電性弾性層が膨張し、その後冷却によって収縮した際、表面層がこの膨張・収縮に十分に追従しないと、シワやクラックが多い表面層になってしまう場合があるが、架橋反応に紫外線を用いた場合、短時間(15分以内)に加水分解性縮合物を架橋することができる上、熱の発生も少ないため、表面層のシワやクラックが発生しにくい。
【0070】
また、帯電部材の置かれる環境が温湿度の変化が急激な環境である場合、その温湿度の変化による導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従しないと、表面層にシワやクラックが発生することがあるが、架橋反応を熱の発生が少ない紫外線によって行えば、導電性弾性層と表面層との密着性が高まり、導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従できるようになるため、環境の温湿度の変化による表面層のシワやクラックも抑制することができる。
また、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
【0071】
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150〜480nmの光を豊富に含む紫外線源が用いられる。
なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm]=紫外線強度[mW/cm]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
【0072】
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254を用いて測定することができ、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172を用いて測定することができる。
【0073】
また、架橋反応の際、架橋効率向上の観点から、カチオン重合触媒(重合開始剤)を共存させておくことが好ましい。例えば、活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に対してエポキシ基は高い反応性を示すことから、上記のカチオン重合可能な基がエポキシ基である場合、カチオン重合触媒としては、ルイス酸のオニウム塩を用いることが好ましい。
【0074】
その他のカチオン重合触媒としては、例えば、ボレート塩、イミド構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、アゾ化合物、過酸化物などが挙げられる。
【0075】
各種カチオン重合触媒の中でも、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましく、特には、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、下記式で示される構造を有する化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業(株)製)や、
【化8】

下記式で示される構造を有する化合物(商品名:イルガキュア261、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
【化9】

が好ましい。
カチオン重合触媒の使用量は、加水分解性縮合物に対して0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0076】
また、帯電部材の表面へのトナーや外添剤の固着を抑制する観点から、帯電部材の表面(=表面層の表面)の粗さ(Rz)はJIS94で10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがより一層好ましい。
【0077】
また、電子写真感光体との当接ニップを十分に確保する観点から、帯電部材の表面層の弾性率は5000MPa以下であることが好ましい。一方、一般的に、層の弾性率は小さくなるほど架橋密度が小さくなる傾向にあるため、帯電部材に導電性弾性層を設ける場合には、導電性弾性層中の低分子量成分が帯電部材の表面にブリードアウトして電子写真感光体の表面を汚染してしまうのを抑制する観点から、帯電部材の表面層の弾性率は100MPa以上であることが好ましい。
【0078】
また、表面層の層厚は厚いほど低分子量成分のブリードアウトの抑制する効果が大きくなる傾向にあるため、帯電部材に導電性弾性層を設ける場合には、表面層の層厚は0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましい。一方、表面層の層厚は薄いほど帯電部材の帯電能が向上する傾向にあるため、表面層の層厚は1.0μm以下であることが好ましく、0.6μm以下であることがより好ましい。
【0079】
図3に、本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図3において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体としては、支持体および支持体上に形成された無機感光層もしくは有機感光層を有するものが一般的である。また、電子写真感光体は表面層として電荷注入層を有するものであってもよい。
【0080】
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、本発明の帯電部材3(図3においてはローラー形状の帯電部材)により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0081】
帯電部材3による電子写真感光体1の表面の帯電の際、帯電部材3には、電圧印加手段(不図示)から直流電圧のみの電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。後述の実施例においては、帯電部材には直流電圧のみの電圧(−1200V)を印加した。また、後述の実施例において、暗部電位は−600V、明部電位は−350Vとした。
【0082】
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像(反転現像もしくは正規現像)されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
【0083】
現像手段としては、例えば、ジャンピング現像手段、接触現像手段および磁気ブラシ手段などが挙げられるが、トナーの飛散性改善の観点から、接触現像手段が好ましく、後述の実施例においては、接触現像手段を採用した。
【0084】
また、転写ローラーとしては、支持体上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなるものが例示される。
【0085】
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合、この画像形成物は、不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写部へ再導入される。
【0086】
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段が接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0087】
上述の電子写真感光体1、帯電部材3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図3では、電子写真感光体1、帯電部材3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
【実施例】
【0088】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0089】
〈実施例1〉
(帯電ローラーの作製)
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG105、ダイソー(株)製)100部、導電剤としてのEC600JDカーボン(商品名:EC600JD、ライオン(株)製)2部、導電剤としてのHS−500カーボン(商品名:HS−500、旭カーボン(株)製)20部、ベントナイト(商品名:ベンゲルSH、(株)ホージュン製)5部および酸化亜鉛5部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラーDMーP、大内新興化学(株)製)1.0部、加硫促進剤としてのテトラエチルチウラムジスルフィド(商品名:ノクセラーTET−G大内新興化学(株)製)1.0部および加硫剤としての硫黄1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物Iを得た。
【0090】
次に、混練物Iを、ゴム押し出し機で、外径9.4mm、内径5.4mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶で160℃の水蒸気で30分間1次加硫することによって、導電性弾性層用1次加硫チューブIを得た。
【0091】
一方、直径6mm、長さ256mmの円柱形の鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの)の円柱面軸方向中央を挟んで両側115.5mmまでの領域(あわせて軸方向幅231mmの領域)に、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布し、これを30分間80℃で乾燥させた後、さらに1時間120℃で乾燥させた。
この円柱面に熱硬化性接着剤を塗布し乾燥させた支持体を、導電性弾性層用1次加硫チューブIの中に挿入し、その後、導電性弾性層用1次加硫チューブIを1時間160℃で加熱した。この加熱によって、導電性弾性層用1次加硫チューブIが2次加硫され、また、熱硬化性接着剤が硬化した。このようにして、表面研磨前の導電性弾性ローラーIを得た。
【0092】
次に、表面研磨前の導電性弾性ローラーIの導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を231mmとした後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨することによって、端部直径8.2mm、中央部直径8.5mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さ(Rz)が5.5μmで、振れが28μmの導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iを得た。
【0093】
十点平均粗さ(Rz)はJISB6101に準拠して測定した。
振れの測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザー測定機LSM−430vを用いて行った。詳しくは、該測定機を用いて外径を測定し、最大外径値と最小外径値の差を外径差振れとし、この測定を5点で行い、5点の外径差振れの平均値を被測定物の振れとした。
得られた導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iの硬度は78度(アスカーC)であった。
【0094】
次に、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)37.44g(0.156mol(加水分解性シラン化合物総量に対して48.67mol%相当))、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)21.68g(0.078mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2,テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.022mol)と、水25.93gおよびエタノール71.91gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流(120℃)を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。加水分解反応の際のpHは5であり、Rohは1.5であった。ここでいう、Rohとは、
Roh=[HO]/[OR]
で定義される値を意味する。[HO]は水分子のモル数を意味し、[OR]は上記加水分解性シラン化合物に含まれるすべてのアルコキシ基のモル数を意味する。
この縮合物Iを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Iを調製した。
【0095】
この縮合物含有アルコール溶液I100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液Iに添加し、さらにエタノールでこれを希釈することによって、固形分2質量%の表面層用塗布液Iを調製した。
【0096】
次に、導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iの導電性弾性層上に表面層用塗布液Iをリング塗布(吐出量:0.008ml/s(リング部のスピード:30mm/s、総吐出量:0.064ml)した。
次に、導電性弾性層上にリング塗布した表面層用塗布液Iに254nmの波長の紫外線を積算光量が8500mJ/cmになるように照射することによって、表面層用塗布液Iを硬化(架橋反応による硬化)させ、この硬化したものを数秒間(2〜3秒間)放置して乾燥させることによって表面層を形成した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。
紫外線の照射によってグリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基が開裂し、縮合物Iの架橋反応が生じたと考えられる。
【0097】
以上のようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層(表面層用塗布液Iを用いて形成したポリシロキサンを含有する層)を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーIとする。
【0098】
(帯電ローラーの物性の測定)
帯電ローラーIの表面層の層厚は0.48μmであった。
帯電ローラーIの表面粗さRzは5.6μmであった。
また、帯電ローラーIの表面層の弾性率は900MPaであった。本発明において、弾性率の測定は、表面皮膜物性試験(商品名:フィッシャースコープH100V;フィッシャーインストルメンツ社製)を用いて行い、圧子を測定対象の表面から1μm/7sで進入させたときの値を弾性率とした。
また、帯電ローラーIの表面層の時定数τは、上述のとおりにして測定したところ、4.44×10sであった。
【0099】
また、帯電ローラーIの表面層の組成分析を以下のとおりにして行った。
・{(x+y)/(x+y+z)}について
本発明において、{(x+y)/(x+y+z)}の測定には、29Si−固体NMR(商品名:CMX−300、Chemagnetics社製)を用い、測定試料を直径7.5mmのセラミック製プローブに挿入し、室温(25℃)にてCP/MAS法により{(x+y)/(x+y+z)}を測定した。測定試料としては、帯電部材の表面層から適当量採取し、これを粉砕したものを用いた。
測定の結果、帯電ローラーIの表面層における{(x+y)/(x+y+z)}は0.60であった。
【0100】
・ポリシロキサン中の官能基について
10〜1000倍の光学顕微鏡下、光学顕微鏡に設置した3次元粗微動マイクロマニピュレーター((株)ナリシゲ製)を用い、上記と同様にして作製した帯電ローラーIの表面層から1mg程度の試料を採取した。
採取した試料を、TG−MS法(TG装置にMS装置を直結)により、加熱時に発生する気体の質量数ごとの濃度変化を、重量変化と同時に、温度の関数として追跡した。測定の条件を表1に示す。
【0101】
【表1】

【0102】
上記条件で測定して得られたTG−DTG(Derivative thermogravimetry)曲線によると、400〜500℃付近および500〜650℃付近から、2段階の顕著な重量減少が認められた。
【0103】
ここで、400〜500℃で発生する気体について、質量数(m/z)31、43、58、59のオキシアルキレン基(グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して13.30質量%であることがわかった。また、質量数(m/z)78(ベンゼン)、91(トルエン)などのアリール基も確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のアリール基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して6.80質量%であることがわかった。(なお、質量数(m/z)16、41などのアルキル基も確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して12.20質量%であることがわかった。)
【0104】
また、500℃〜650℃で発生する気体について、質量数(m/z)51、69、119、131のフッ化アルキル基(トリデカフルオロ−1,1,2,2,テトラヒドロオクチルトリエトキシシランのフッ化アルキル基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して7.10質量%であることがわかった。
残渣はポリシロキサン中のシロキサン部分であると考えられ、よってポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して100.00−(13.30+6.80+7.10+12.20)=60.60質量%である。
以上の測定結果を表4および5に示す。
【0105】
(帯電部材の評価)
上記と同様にして作製した帯電ローラーIを用いて、以下に示す評価を行った。
まず、帯電ローラーIと電子写真感光体とを、これらを一体に支持するプロセスカートリッジに組み込み、このプロセスカートリッジをA4紙縦出力用のレーザービームプリンターに装着した。このレーザービームプリンターの現像方式は反転現像方式であり、転写材の出力スピードは47mm/sであり、画像解像度は600dpiである。
【0106】
なお、帯電ローラーIとともにプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、支持体上に層厚14μmの有機感光層を形成してなる有機電子写真感光体である。また、この有機感光層は、支持体側から電荷発生層と変性ポリアリレート(結着樹脂)を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層であり、この電荷輸送層は電子写真感光体の表面層となっている。
【0107】
また、上記レーザービームプリンターに使用したトナーは、ワックス、荷電制御剤、色素、スチレン、ブチルアクリレートおよびエステルモノマーを含む重合性単量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られた粒子にシリカ微粒子および酸化チタン微粒子を外添してなるトナー粒子を含む、いわゆる重合トナーであって、そのガラス転移温度は63℃、体積平均粒子径は6μmである。
【0108】
画像出力は、30℃/80%RH環境下で行い、A4紙にハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドットの線を間隔2ドットで描く画像)を形成し、これを47mm/sのプロセススピードで3000枚出力した。
【0109】
電気的特性の悪化による出力画像の弊害として、電子写真感光体1周目の再転写パターン(以下「ゴースト」と呼ぶ。)の発生を観察した。観察に使用する画像としては、上記のハーフトーン画像の紙先端から1cmと15cmの部分に、黒ベタ(濃度100%)の格子を出力方向に垂直な方向に5個並べて描いた画像を用いた。
【0110】
出力画像の評価は、1枚出力時(初期)および3000枚出力後において、出力画像を目視することによって行った。
評価基準は以下のとおりである。
A:ゴーストが全く出ていないもの。
B:ゴーストが極薄く発生したもの。
C:ゴーストが薄く発生したもの。
D:ゴーストがはっきりと発生したもの。
以上の評価結果を表6に示す。
【0111】
〈実施例2〜6および比較例1〜2〉
加水分解性シラン化合物の縮合物(実施例1における縮合物I)を得る際の使用材料(加水分解性シラン化合物の種類および量[mol]ならびに水およびエタノールの量[g])ならびに合成条件(加熱還流の条件(温度および時間)、pHおよびRoh)を表2および3に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして帯電ローラーを作製した。実施例2〜6で作製した帯電ローラーを順に帯電ローラーII〜VIとし、比較例1および2で作成した帯電ローラーをそれぞれ帯電ローラーCIおよびCIIとする。
【0112】
【表2】

【0113】
【表3】

【0114】
また、実施例1の帯電ローラーIと同様にして、帯電ローラーII〜VIならびにCIおよびCIIの物性の測定および評価を行った。測定結果を表4および5に、評価結果を表6に示す。
【0115】
【表4】

【0116】
【表5】

【0117】
【表6】

【0118】
以上のとおり、本発明によれば、高湿環境下で繰り返し使用しても優れた特性を維持し得る帯電部材、ならびに、該帯電部材を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の帯電部材の構成の一例を示す図である。
【図2】誘電率測定システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
101 支持体
102 導電性弾性層
103 表面層
201 サンプル片
202 誘電率測定装置
203 接触電極端子
204 平板電極
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電部材
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiO0.5(OR)(OR)で示される第1のユニット、SiO1.0(OR)で示される第2のユニットおよびSiO1.5で示される第3のユニットを有するポリシロキサンを含有する表面層を有する帯電部材であって、 該ポリシロキサン中の該第1ユニットのモル数をx[mol]とし、該第2ユニットのモル数をy[mol]とし、該第3ユニットのモル数をz[mol]としたとき、0.60≦{(x+y)/(x+y+z)}≦0.80である帯電部材。
(上記R、RおよびRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示し、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を示す。)
【請求項2】
前記表面層の時定数をτ[s]としたとき、1×10≦τ≦1×10である請求項1に記載の帯電部材。
【請求項3】
前記ポリシロキサン中のアリール基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5〜30質量%であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5〜70質量%であり、前記ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して20〜90質量%である請求項1または2に記載の帯電部材。
【請求項4】
前記ポリシロキサンがさらにフッ化アルキル基を有し、前記ポリシロキサン中のアリール基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5〜30質量%であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5〜70質量%であり、前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5〜50質量%であり、前記ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して20〜85質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の帯電部材。
【請求項5】
前記ポリシロキサンが、下記工程(I)および(II)を経て得られるポリシロキサンである請求項1〜4のいずれかに記載の帯電部材。
(I)アリール基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させる縮合工程
(II)該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、工程(I)により得られた加水分解性縮合物を架橋させる架橋工程
【請求項6】
前記工程(I)が、アリール基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、さらに下記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させる工程である請求項5に記載の帯電部材。
【化1】

(式(3)中、R31およびR32は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基を示し、Z31は、2価の有機基を示し、Rf31は、炭素数1〜31のパーフルオロアルキル基を示す。fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であり、f+g=3である。)
【請求項7】
前記アリール基を有する加水分解性シラン化合物が、下記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物である請求項5または6のいずれかに記載の帯電部材。
【化2】

(式(1)中、R11およびR12は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基を示し、Ar11は、アリール基を示す。aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数であり、a+b=3である。)
【請求項8】
前記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物が、下記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物である請求項5〜7のいずれかに記載の帯電部材。
【化3】

(式(2)中、R21およびR22は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基を示し、Z21は、2価の有機基を示し、Rc21は、カチオン重合可能な基を示す。dは0〜2の整数であり、eは1〜3の整数であり、d+e=3である。)
【請求項9】
前記カチオン重合可能な基がエポキシ基である請求項5〜8のいずれかに記載の帯電部材。
【請求項10】
電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、該帯電部材が請求項1〜9のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記帯電部材が前記電子写真感光体に接触配置されている請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置において、該帯電部材が請求項1〜9のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
【請求項13】
前記帯電部材が前記電子写真感光体に接触配置されている請求項12に記載の電子写真装置。
【請求項14】
前記帯電部材に直流電圧のみの電圧を印加するための電圧印加手段を有する請求項12または13に記載の電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−94347(P2007−94347A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370409(P2005−370409)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】