説明

常温収縮チューブユニット梱包体

【課題】電力ケーブルの接続作業の間に要求される注意レベルを緩和することができる常温収縮チューブユニット梱包体を提供する。
【解決手段】常温で縮径するチューブ52と、チューブの内周側に配置され、チューブを拡径状態に保持する筒状の拡径部材54とからなる常温収縮チューブユニット50を梱包材60により梱包してなる常温収縮チューブユニット梱包体において、梱包材60を、チューブの外周面を被覆する外周保護体62と、拡径部材内を通され、両端部が折り返されて外周保護体の外周側に被せられた筒状保護体64とを有するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの接続に用いる常温収縮チューブユニットを梱包材により梱包した常温収縮チューブユニット梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高圧CVケーブルなどの電力ケーブルの接続箇所を絶縁するために、常温収縮チューブユニットが使用されている。上記常温収縮チューブユニットの一例を図7の模式的断面図に示す。図7の常温収縮チューブユニットは、チューブ10と拡径部材12とからなる。
【0003】
チューブ10は、絶縁層14と、その内周の両側に設けられた半導電性ストレスコーン層16、16と、絶縁層14の内周の中央部に設けられた内部半導電層18と、絶縁層14の外周面に設けられた外部半導電層20とを有する略円筒状もので、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム等の常温で弾性を有するゴム材で形成され、いったん拡径されても常温で縮径可能なものである(例えば、特許文献1参照)。拡径部材12は、線材をスパイラル状に巻いたスパイラルコアで、チューブ10の内周側に配置され、この拡径部材12によってチューブ10の内径が拡径状態に保持されている。
【0004】
上述した常温収縮チューブユニットを使用して電力ケーブルの接続処理を行う場合は、電力ケーブルの接続箇所における電気特性の低下を防止するために、埃、異物が付着したり、傷が付いたりすることを防止する必要がある。そのため、上記常温収縮チューブユニットは、外部からの埃、異物の付着や、傷付きを防止するために、梱包材により梱包された状態で出荷される。
【0005】
従来、上述した常温収縮チューブユニットの梱包材として、特許文献2のものが提案されている。特許文献2の梱包材は、図7において一点鎖線で示すように、拡径部材12(特許文献2では保持スリーブ)の内周面全体を覆うための第1の保護材22と、常温収縮チューブユニットの周囲全体を覆うための袋状の第2の保護材24と、チューブ10の外周面を被覆するための第3の保護材26とを備えたものである。上記第1〜第3の保護材は、ポリエチレン等のフィルム材により形成されている。
【0006】
特許文献2の常温収縮チューブユニット梱包体は、上述した図7の状態で出荷される。そして、施工現場では、第2の保護材24から常温収縮チューブユニットを取り出し、第1の保護材22および第3の保護材26を取り付けた状態で、一方の電力ケーブルを拡径部材12内に挿入するようにして、一方の電力ケーブルにチューブユニットを被せる。次いで、一方の電力ケーブルと他方の電力ケーブルとを接続する。その後、常温収縮チューブユニットのみを移動させ、図8に示すように、チューブ10の内部半導電層18を両電力ケーブル30、30の接続箇所の周囲に位置させた後、チューブ10から拡径部材12を引き抜くことにより、チューブ10を縮径させて両電力ケーブル30、30の接続箇所に密着させる。なお、図8において、32は導体、34は導体接続管を示す。
【0007】
【特許文献1】特開2005−12933号公報
【特許文献2】特開2003−299240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、図7に示した特許文献2の常温収縮チューブユニット梱包体は、第1の保護材22の両端部がそれぞれ拡径部材12の両端部外周面(あるいはチューブ10の両端部外周面)に粘着テープで取り付けられているため(特許文献2の0018、図1参照)、梱包および施工に際して余分な注意が要求されるという問題があった。
【0009】
すなわち、第1の保護材22の両端部がそれぞれ拡径部材12の両端部外周面に粘着テープで取り付ける場合にあっては、線材をスパイラル状に巻いたスパイラルコアからなる拡径部材12の端部を崩し易いため、ここを崩さないように注意が必要になる。拡径部材12の端部の崩れは、全体が崩れるきっかけとなる場合がある。
【0010】
また、施工現場において、第2の保護材24を取り去った後、常温収縮チューブユニットを電力ケーブルに外嵌させた状態では、チューブ10の端部は保護材で保護されておらず、むき出しになっている。そのため、電力ケーブルの接続作業の間に、チューブ10の端部を工具などで傷つけないように注意を余分に要求されるものであった。
【0011】
さらに、第1の保護材22の両端部をチューブ10の両端部外周面に粘着テープで取り付けた場合は、その上に巻かれた第3の保護材26の端が浮いて剥がれ易いので、予定外に第3の保護材26が剥がれて作業の邪魔なるようなことがないように注意しなければならなかった。
【0012】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、常温収縮チューブユニットを梱包材により梱包してなる常温収縮チューブユニット梱包体であって、常温収縮チューブユニットの梱包作業や電力ケーブルの接続作業の間に要求される注意レベルを緩和することができる常温収縮チューブユニット梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本願は以下の発明を提供する。
(1)常温で縮径するチューブと、前記チューブの内周側に配置され、前記チューブを拡径状態に保持する筒状の拡径部材とからなる常温収縮チューブユニットを梱包材により梱包してなる常温収縮チューブユニット梱包体であって、前記梱包材が、前記チューブの外周面を被覆する外周保護体と、前記拡径部材内を通され、両端部が折り返されて前記外周保護体の外周側に被せられた筒状保護体とを有することを特徴とする常温収縮チューブユニット梱包体。
(2)前記筒状保護体の両端部に粘着テープを外周側から締め付けるように巻くことにより、前記筒状保護体の両端部が常温収縮チューブユニットに止着されていること3を特徴とする(1)の常温収縮チューブユニット梱包体。
(3)前記筒状保護体の一方の端部の外側に、当該筒状保護体の他方の端部が重ねられており、それぞれの端部はそれぞれの端縁に近い位置に巻きつけられた粘着テープで常温収縮チューブユニットに止着されていることを特徴とする(2)の常温収縮チューブユニット梱包体。
(4)前記チューブは、絶縁性のゴム材で形成された絶縁層と、前記絶縁層の外周に塗装法により形成された外部半導電層とを有することを特徴とする(1)〜(3)の常温収縮チューブユニット梱包体。
(5)前記絶縁層および外部半導電層はそれぞれシリコーンゴムからなることを特徴とする(4)の常温収縮チューブユニット梱包体。
(6)前記外周保護体は複数層のシートにより形成されていることを特徴とする(1)〜(5)の常温収縮チューブユニット梱包体。
(7)前記チューブの軸方向両端部が先端に向かって縮径するテーパ面になっていることを特徴とする(1)〜(6)の常温収縮チューブユニット梱包体。
【発明の効果】
【0014】
(1)の発明によれば、梱包作業や電力ケーブルの接続作業に際して要求される注意レベルを緩和することができる。また、(1)の発明は、拡径部材を保護するための筒状保護体の両端部が折り返されて外周保護体の外周側に被せられているので、外周保護体が筒状保護体で覆われて、全体の収まりがよく、拡径部材に筒状保護体を止める必要もなくなる。さらに、(1)の発明によれば、(イ)スパイラルコアからなる拡径部材が崩れるトラブルの要因が減る、(ロ)施工現場におけるチューブ端部の保護をより確実にできる、(ハ)予定外の梱包材剥離を防止できる、という効果が奏される。
【0015】
(2)の発明では、筒状保護体の両端部に粘着テープを外周側から締め付けるように巻くので、外周保護体の上からでも、筒状保護体の両端部を常温収縮チューブユニットにうまく止着することができる。
【0016】
(3)の発明では、筒状保護体の一方の端部の外側に他方の端部を重ね、それぞれの端部をそれぞれの端縁に近い位置に巻きつけられた粘着テープで止着するので、筒状保護体がチューブユニットの軸方向に引っ張られても、巻きつけた粘着テープ同士の係合により、筒状保護体が抜けるのを防止できる。このため、粘着テープをチューブユニットに強く巻きつけることは不要になる。
【0017】
(4)の発明は、絶縁性のゴム材で形成された絶縁層と、この絶縁層の外周に塗装法により形成された外部半導電層とを有するチューブの梱包体である。塗装法で形成された外部半導電層は、モールド成形された外部半導電層に比べて、薄く弱いので、損傷を与えないように、より注意して取り扱う必要があるが、(4)の発明の梱包体では、外部半導電層と筒状保護体との間に外周保護体を介在させているので、外周保護体がチューブの軸方向に引っ張られても、その力は外部半導電層に伝わりにくく、また伝わったとしても分散されるので、搬送時などに外部半導電層が損傷を受ける事故を減らすことができる。この効果は、外部半導電層や絶縁層が柔らかいシリコーンゴム製である場合には、特に有効である((5)の発明)。
【0018】
(6)の発明は、外周保護体を複数層のシートで形成したので、外周保護体がチューブの軸方向に引っ張られたときに外部半導電層に力が伝わることを、前記シート間のずれにより防止できる。
【0019】
(7)の発明は、チューブの軸方向両端部が先端に向かって縮径するテーパ面になっているものである。外周保護体の上に筒状保護体を折り返すことにより、チューブ端部がテーパ面になっていても、本発明の梱包体によれば、梱包時、接続時の注意の要求レベルを緩和できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図1は本発明に係る常温収縮チューブユニット梱包体の一実施形態を示す断面図である。
【0021】
図1において、50は常温収縮チューブユニットを示す。この常温収縮チューブユニット50は、常温で縮径するチューブ52と、チューブ52の内周側に配置され、チューブ52を拡径状態に保持する筒状の拡径部材54とからなる。チューブ52は、図7に示したチューブ10と基本的に同様の構造のもので、絶縁層14、半導電性ストレスコーン層16、内部半導電層18および外部半導電層20を有する。これら各層は、それぞれ永久伸びが生じにくいシリコーンゴムを主原料として形成されている。
【0022】
本例のチューブ52では、外部半導電層20は塗装法により形成されている。このような外部半導電層は、例えば、シリコーンゴムを主体とした液状の半導電性ゴム材をノズル噴射による吹付け塗布等により絶縁層の外周に塗装し、これを加硫硬化させることにより形成することができる。また、本例では、チューブ52の軸方向両端部が先端に向かって縮径するテーパ面56、56になっている。拡径部材54は、線材をスパイラル状に巻いたスパイラルコアである。
【0023】
図1において、60は常温収縮チューブユニット50を梱包する梱包材を示す。この梱包材60は、チューブ52の外周面を被覆する外周保護体62と、拡径部材54内を通され、両端部が折り返されて外周保護体62の外周側に被せられた筒状保護体64と、常温収縮チューブユニット50全体を封入して保護する袋シート66とからなる。外周保護体62、筒状保護体64および袋シート66は、いずれもポリエチレンなどからなるプラスチックフィルム(シート)により形成されている。フィルム(シート)には、厚さ0.05〜1.0mm程度のものを用いることができる。
【0024】
外周保護体62は、シートを一層に巻いたものでもよいが、本例では、外周保護体62は、長いシートをチューブ52の外周面に巻き付けたり、複数枚のシートをチューブ52の外周面に巻き付けたりすることにより、外周保護体62が複数層(2〜4層程度)のシートにより形成されている。外周保護体62となるシートの端部は、必要に応じて粘着テープで止めてもよい。
【0025】
また、外周保護体62の外周側に被せられた筒状保護体64の端部は、粘着テープなどの係止手段で、外周保護体62や筒状保護体64に止めることができる。本例では、筒状保護体64の一方の端部は、外周保護体62の外周に重ね合わされ、塩化ビニルなどからなる粘着テープ68を外周側から締め付けるように巻くことにより、常温収縮チューブユニット50に止着されている。筒状保護体64の他方の端部は、筒状保護体64の一方の端部および上記粘着テープ68の外周に重ね合わされ、粘着テープ70を外周側から締め付けるように巻くことにより、常温収縮チューブユニット50に止着されている。
【0026】
この場合、両粘着テープ68、粘着テープ70は互いに近接した位置に巻かれている。また、粘着テープ68、70は、筒状保護体64の重ね合わされた両端部のそれぞれの端縁により近い位置に巻き付けられている。すなわち、一方の端部を止める粘着テープ68はその端縁Aにより近い位置に巻きつけられ、他方の端部を止める粘着テープ70はその端縁Bにより近い位置に巻きつけられている。このような位置に粘着テープ70を巻くと、筒状保護体64がチューブユニット50の軸方向に引っ張られても、巻いた粘着テープ68、70同士の係合により、筒状保護体64の重ね合わせた端部が抜けるのを防止できるので、チューブユニット50に対する粘着テープ68、70の締め付けを弱くすることが可能になる。
【0027】
本例の常温収縮チューブユニット梱包体は、下記の手順によって作製することができる(図1〜図5参照)。
(1)チューブ52の外周面に外周保護体62を巻く(図2)。
(2)拡径部材54内に筒状保護体64を通す(図3)。
(3)筒状保護体64の一方の端部を折り返して外周保護体62の外周に重ね合わせ、筒状保護体64の一方の端部に粘着テープ68を外周側から締め付けるように巻くことにより、筒状保護体64の一方の端部を常温収縮チューブユニット50に止着する(図4)。
(4)筒状保護体64の他方の端部を折り返して筒状保護体64の一方の端部および粘着テープ68の外周に重ね合わせ、筒状保護体64の他方の端部に粘着テープ70を外周側から締め付けるように巻くことにより、筒状保護体64の他方の端部を常温収縮チューブユニット50に止着する(図5)。
(5)常温収縮チューブユニット50を袋シート66に封入する(図1)。
【0028】
本例の常温収縮チューブユニット梱包体を用いて電力ケーブルの端部同士を接続する手順は、下記のとおりである。
(1)袋シート66から常温収縮チューブユニット50を取り出す。
(2)外周保護体62および筒状保護体64を取り付けた状態で、一方の電力ケーブルを拡径部材54内に挿入する。
(3)一方の電力ケーブルと他方の電力ケーブルとを接続する。
(4)粘着テープ68、70を剥がして筒状保護体64を広げる。
(5)筒状保護体64の一方の端部を一方の電力ケーブルに止める。
(6)筒状保護体64を一方の電力ケーブル上に残した状態で、常温収縮チューブユニット50のみを移動させ、チューブ52の内部半導電層を両電力ケーブルの接続箇所の周囲に位置させる。
(7)チューブ52から拡径部材54を引き抜く。これにより、チューブ52が縮径して両電力ケーブルの接続箇所に密着する(図8参照)。
(8)必要に応じ外周保護体62を取り去る。
【0029】
本例の常温収縮チューブユニット梱包体は、下記の作用効果を奏する。
【0030】
(a)常温収縮チューブユニット50を一方の電力ケーブルに外嵌させた状態において、チューブ52の端部が折り返した筒状保護体64で保護されている。そのため、電力ケーブルの接続作業の間に、チューブ52の端部に工具などが当たらないように高度な注意をする必要がなく、電力ケーブルの接続作業の間に要求される注意レベルを緩和することができる。また、本例のように端部がテーパ面になっているチューブ52でも、折り返した筒状保護体64によってチューブ52の端部を確実に保護することができ、電力ケーブルの接続作業の間に要求される注意レベルを緩和することができる。また、梱包のために、あるいは梱包を解くために拡径部材54に触れる必要がないので、拡径部材54を崩してしまうトラブルを減らすことができる。さらに、筒状保護体64の中に外周保護体62が納まっているので、外周保護体62が予定外に剥がれることがなく、梱包体の取り扱い性が向上する。
【0031】
(b)成形法で形成された外部半導電層は厚く強度が高いのに対し、塗装法で形成された外部半導電層20は薄く強度が低い。本例のように塗装法による外部半導電層20を有するチューブ52を用いた常温収縮チューブユニット50の梱包体では、筒状保護体64を折り返してチューブ52の外周面に直接重ね合わせ、筒状保護体64の端部に粘着テープを外周側から巻いた場合、筒状保護体64にこの筒状保護体64を横や縦にずらす力が加わると、粘着テープを巻いた部分でチューブ52の外部半導電層20にこの外部半導電層20を横や縦に引っ張る力が加わり、外部半導電層20に亀裂が入る恐れがある。そのため、常温収縮チューブユニット梱包体の持ち運びに注意を要する。これに対し、本例の常温収縮チューブユニット梱包体では、外周保護体62を設け、この外周保護体62に筒状保護体64を被せるようにしたので、筒状保護体64にこれをずらす力が加わっても、外周保護体62によって、外部半導電層20に直接加わるのを回避でき、また加わる力が広く分散され、外部半導電層20に加わる力が緩和される。したがって、本例の常温収縮チューブユニット梱包体によれば、外部半導電層20がシリコーン樹脂の塗装で形成された薄く強度が低いものであっても、常温収縮チューブユニット梱包体の運搬に要求される注意レベルを緩和することができる。なお、前述した特許文献2の段落0018には、第1の保護材の両端部をチューブの両端部外周面に粘着テープで取り付ける旨の記載があるが、このようにした場合には、上述した問題が生じる。
【0032】
(c)外周保護体62を複数層のシートにより形成したので、外周保護体62に被せられた筒状保護体64にこれをずらす力が加わっても、外周保護体62の複数層のシート間がずれることにより、外部半導電層に力が伝わるのを回避できるため、外部半導電層が傷つくことを防止することができる。
【0033】
(d)筒状保護体64の一方の端部が外周保護体62の外周に重ね合わされ、筒状保護体64の他方の端部が筒状保護体64の一方の端部の外周に重ね合わされているとともに、両粘着テープ68、70が互いに近接しているため、筒状保護体64が常温収縮チューブユニット50にしっかりと止着され、そのため常温収縮チューブユニット50を確実に保護することができる。
【0034】
なお、本発明において、チューブおよび拡径部材の構造や材質、外周保護体および筒状保護体の材質等は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、外周保護体は、図6に示すように、チューブを入れても余裕が残るような大きい筒状のものを用いて、余分な部分80をチューブの径方向に折り返すことによって形成してもよい。また、上記実施形態では、筒状保護体の端部を幅の狭い粘着テープによって常温収縮チューブユニットに止着したが、幅の広い粘着テープを筒状保護体の外周保護体に被せられている部分全体に巻いてもよく、接着剤を用いて筒状保護体の端部を常温収縮チューブユニットに止着してもよく、筒状保護体の常温収縮チューブユニットへの止着手段に限定はない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る常温収縮チューブユニット梱包体の一実施形態を示す断面図である。
【図2】チューブの外周面に外周保護体を巻いた状態を示す断面図である。
【図3】拡径部材内に筒状保護体を通した状態を示す断面図である。
【図4】筒状保護体の一方の端部を折り返して外周保護体の外周側に被せた状態を示す断面図である。
【図5】筒状保護体の他方の端部を折り返して外周保護体の外周側に被せた状態を示す断面図である。
【図6】外周保護体の一例を示す模式的断面図である。
【図7】常温収縮チューブユニット梱包体の一例を示す模式的断面図である。
【図8】常温収縮チューブにより電力ケーブルを接続した状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0036】
14 絶縁層
20 外部半導電層
50 常温収縮チューブユニット
52 チューブ
54 拡径部材
56 テーパ面
60 梱包材
62 外周保護体
64 筒状保護体
66 袋シート
68 粘着テープ
70 粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温で縮径するチューブと、前記チューブの内周側に配置され、前記チューブを拡径状態に保持する筒状の拡径部材とからなる常温収縮チューブユニットを梱包材により梱包してなる常温収縮チューブユニット梱包体であって、前記梱包材が、前記チューブの外周面を被覆する外周保護体と、前記拡径部材内を通され、両端部が折り返されて前記外周保護体の外周側に被せられた筒状保護体とを有することを特徴とする常温収縮チューブユニット梱包体。
【請求項2】
前記筒状保護体の両端部に粘着テープを外周側から締め付けるように巻くことにより、前記筒状保護体の両端部が常温収縮チューブユニットに止着されていること3を特徴とする請求項1に記載の常温収縮チューブユニット梱包体。
【請求項3】
前記筒状保護体の一方の端部の外側に、当該筒状保護体の他方の端部が重ねられており、それぞれの端部はそれぞれの端縁に近い位置に巻きつけられた粘着テープで常温収縮チューブユニットに止着されていることを特徴とする請求項2に記載の常温収縮チューブユニット梱包体。
【請求項4】
前記チューブは、絶縁性のゴム材で形成された絶縁層と、前記絶縁層の外周に塗装法により形成された外部半導電層とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の常温収縮チューブユニット梱包体。
【請求項5】
前記絶縁層および外部半導電層はそれぞれシリコーンゴムからなることを特徴とする請求項4に記載の常温収縮チューブユニット梱包体。
【請求項6】
前記外周保護体は複数層のシートにより形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の常温収縮チューブユニット梱包体。
【請求項7】
前記チューブの軸方向両端部が先端に向かって縮径するテーパ面になっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の常温収縮チューブユニット梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−193835(P2008−193835A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26655(P2007−26655)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】