説明

平面研削盤用ブロックドレッサ

【課題】寿命が長く、安価で、ドレッシングのための特別な段取を必要とせず、かつドレッシング時の抵抗の少ない平面研削盤用のブロックドレッサを提供する。
【解決手段】
平面研削盤2の研削テーブル4上に固定され、ドレッシング平面10aに設けられた砥粒層12を砥石車16の円周上の研削面16aに当接させるとともに、砥石車に対して該砥石車16の回転軸14に直角な方向に相対移動させて、砥石車16の研削面16aをドレッシングするブロックドレッサ10において、砥粒層12は、ドレッシング平面10a上に砥石車の回転軸14に対して傾斜して延在する帯状に少なくとも1条ベース部材10cに形成され、前記帯状の砥粒層12の前記回転軸線方向の幅12wは、砥石車16の幅16wより小さく形成されること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面研削盤の回転砥石をドレッシングするブロックドレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
研削作業は、厳しい精度、短い時間に、良好な仕上げ面を加工することが常に求められている。そのため、研削作業における砥石の性能を最大限に維持発揮させ、能率よくさらに精度の高い加工をするためには、目詰まり・目つぶれによって切れ味が悪くなった砥粒を取り除き切れ味を回復させるドレッシングは極めて重要である。
【0003】
従来、平面研削用の円盤状砥石(砥石車68)をドレッシングするドレッサとして、図15に示すように、ダイヤモンドの単石を保持具71で保持した単石ドレッサ70や図16及び図17に示すように、多石を接触表面の全体に埋め込んだブロックドレッサ72や図18に示すように、回転砥石(砥石車68)とは独立して回転するロータリドレッサ74が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
古くより使われる単石ドレッサ70は、比較的安価に製作が可能である。しかし、ドレッシングする際に砥石車68の回転方向に対して直角方向に単石ドレッサ70を送るが、真直性が悪く高精度のドレッシングが困難であるという問題があった。さらにダイヤモンドの先端が常時砥石面に接触しているため、発熱による酸化損耗が著しくドレッサの寿命が短いという問題があった。
【0005】
また、ロータリドレッサ74は、ロールの表面にダイヤモンドの粒子が数多く埋め込んであり、ダイヤモンド砥粒に対する負荷も小さく、冷却も充分行えるため長寿命である。しかし、駆動装置を必要とするため高価となり、平面研削をおこなう砥石車68との配置において、大きなスペースを必要とするとともに、工作物の加工とは異なる段取が必要であるため、ドレッシングのための段取時間を余分に必要とするという問題があった。
【0006】
また、ブロックドレッサは比較的安価に製作でき、砥石車による工作物の加工と同じ段取、同じ動作環境でできるという利点はあるが、従来のブロックドレッサ72は、ブロックドレッサ72が砥石車に接触する面(ドレッシング平面)全体に、ダイヤモンド砥粒が埋め込まれており、ドレッシング時の抵抗が単石ドレッサ70やロータリドレッサ74と比較して大きいため、ドレッシング時に振動を生じてびびりが発生し易く、ドレッシングされる砥石車68の形状精度を低下させるという問題があった。
【0007】
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、寿命が長く、安価で、ドレッシングのための特別な段取を必要とせず、かつドレッシング時の抵抗の少ない平面研削盤用のブロックドレッサを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、平面研削盤の研削テーブル上に固定され、ベース部材のドレッシング平面に設けられた砥粒層を砥石車の円周上の研削面に当接させるとともに、前記砥石車に対して該砥石車の回転軸に直角な方向に相対移動させて、砥石車の研削面をドレッシングするブロックドレッサにおいて、前記砥粒層は、前記ドレッシング平面上に前記砥石車の回転軸に対して傾斜して延在する帯状に少なくとも1条前記ベース部材に設けられ、前記帯状の砥粒層の前記回転軸方向の幅は、前記砥石車の幅より小さく形成されていることである。
【0009】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記砥粒層は、前記ドレッシング平面上に2条設けられ、一方の砥粒層は粗い砥粒で構成された粗砥粒層であり、他方の砥粒層は細かい砥粒で構成された仕上げ砥粒層であることである。
【0010】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は 請求項1又は2において、前記帯状の砥粒層は、前記回転軸線方向において前記砥石車の幅より広い範囲で、前記ベース部材に設けられていることである。
【0011】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記砥粒層は、ダイヤモンド砥粒を含有せしめて棒状に形成されたメタルボンド部材が、前記砥石車の回転軸に対して傾斜させて前記ベース部材に固定されていることである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によると、ドレッシング時において、まず回転軸線方向に対して傾斜した方向に設けられた砥粒層の接触開始端側(先に研削面に接触する端側)より砥石車の研削面の一端側が接触し、続いて砥粒層の接触部が砥粒層の前記接触開始端側より接触終了端側(接触開始端側の反対側)に斜めに移動する間に砥石車における砥粒層への接触部が回転軸方向に研削面の一端側から他端側に移動することで、砥石車の研削面をドレッシングする。このように、砥粒層の接触開始端側より接触終了端側に砥石車の研削面への接触部を移動させながらドレッシングし、従来の単石ドレッサのように常時同じ接触部で接触しないので、発熱による酸化損耗を防止してドレッサの寿命を延ばすことができる。砥粒層は、研削面の幅より小さい幅で少なくとも1条設けられ、従来のドレッサブロックのように砥石車に接触するドレッシング平面全体に設けられていない。そのため、ドレッシング時の抵抗が小さくなり、ドレッシング時に砥石車に振動を生じることがなくドレッシング作業が容易となるとともに、びびりの発生を防止して砥石車の研削面の形状精度を向上させることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によると、砥粒層は2条設けられているので、研削面に粗砥粒層の条が粗ドレッシングした後に、仕上げ砥粒層の条で砥石車の同じ研削面の部分を仕上げドレッシングする。そのため、ドレッシングの粗加工と仕上げ加工とを一連の作業で行うことができる。
【0014】
請求項3に係る発明によると、帯状の砥粒層は、回転軸線方向において砥石車の幅より広い範囲で、ベース部材に設けられている。そのため、いわゆるワンパスでドレッシング作業を行うことが可能であり、ドレッシング作業の効率化を図ることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によると、ダイヤモンド砥粒を含有せしめて棒状に形成されたメタルボンド部材をベース部材に傾斜させて固定するので、回転軸に対して傾斜した砥粒層の条を簡単に形成できるブロックドレッサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るブロックドレッサを使用した平面研削盤を示す図。
【図2】ブロックドレッサのドレッシング平面を示す図。
【図3】ブロックドレッサの側端面を示す図。
【図4】ブロックドレッサのドレッシング平面に設けられた粗砥粒層と仕上げ砥粒層とを示す拡大図。
【図5】ブロックドレッサの使用状態を表わす説明図。
【図6】ブロックドレッサの砥粒層が1条である第2の実施形態を示す平面図。
【図7】ブロックドレッサの側端面を示す図。
【図8】複数の円形穴をドレッシング平面に設けたブロックドレッサの第3の実施形態を示す図。
【図9】ブロックドレッサの側端面を示す図。
【図10】ドレッシング平面に2条の砥粒層のみが設けられたブロックドレッサの第4の実施形態を示す図。
【図11】ブロックドレッサの側端面を示す図。
【図12】砥粒層をX軸方向に対して7度傾斜させて前後方向にそれぞれ2列ずつ設けたブロックドレッサの第5の実施形態を示す図。
【図13】ブロックドレッサの側端面を示す図。
【図14】ブロックドレッサを2つ使用した別例を示す図。
【図15】従来の単石ドレッサの使用状態を示す図。
【図16】従来のブロックドレッサの使用状態を示す正面図。
【図17】従来のブロックドレッサの使用状態を示す側面図。
【図18】従来のロータリドレッサの使用状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
以下、本発明に係るブロックドレッサを平面研削盤に実施した第1の実施形態について図面を参照して説明する。平面研削盤2は、図1に示すように、ワークテーブル4、砥石ヘッド6、クーラント供給装置8を主として備える。ワークテーブル4は、図略の左右方向ガイドによりベッド(図略)に対して左右方向(X軸方向)に水平移動可能に設けられ、図略のボール螺子機構及び図略のサーボモータにより駆動される。また、ワークテーブル4は図略の移動テーブルに載置され、移動テーブルに設けられた図略の前後方向ガイドにより前後方向(Y軸方向)に水平移動可能に設けられ、いずれも図略のボール螺子機構及びサーボモータにより駆動される。ワークテーブル4上にはブロックドレッサ10が、X軸方向に対してブロックドレッサ10の長手方向が平行になるように位置決めされて図略のチャックにより固定されている。このブロックドレッサ10は、例えば炭素鋼S45Cより直方体形状のベース部材10cが形成され、ベース部材10cのドレッシング平面としての上端面10aにはワークテーブル4に固定されたときにX軸方向に対して15度(砥石車の回転軸に対して75度)傾斜する複数の平行溝10bが形成されている。平行溝10bのうち対角線を挟んだ両脇の2条の平行溝にはメタルボンドにダイヤモンド砥粒を混在させた砥粒層12が埋設されている。これらの砥粒層12のうち図3において左側にはメッシュのやや粗い砥粒(例えば#60)を有する粗砥粒層12aが、図3において右側にはメッシュの細かな砥粒(例えば#200)を有する仕上げ砥粒層12bが形成されている。
【0018】
砥石ヘッド6は、砥石軸(砥石車の回転軸)14と、砥石軸14に固定される砥石車16と、砥石車16をカバーする砥石カバー18とを有している。砥石軸14は図略のコラムに設けられた軸受によって回転可能に支持されるとともに、図略の砥石軸駆動装置により回転駆動する。さらに砥石軸14は図略のガイド機構によって上下方向移動可能に構成される。砥石車16の円周面には工作物を加工する研削面16aが設けられ、この研削面16aがドレッシングされる。この研削面16aの幅16w(例えば40mm)(図1参照)よりも前記砥粒層12a及び12bの回転軸線方向の幅12w(例えば2mm)(図4参照)は小さく形成されている。
【0019】
クーラント供給装置8は供給パイプ20と供給ノズル22とにより構成され、供給ノズル22の先端開口部22aは砥石車16の円周面(研削面16a)に接近して設けられている。
【0020】
ブロックドレッサ10の製作は、以下のようにして行われる。まず、炭素鋼S45Cの板材の表面(上端面)に複数本の矩形の平行溝を切削加工により形成する。次に、上記板材から平行溝を15度傾斜させ、ブロックドレッサとして必要な寸法にして直方体状に切り出す。次に、上端面の対角線の両脇の平行溝に、ダイヤモンド砥粒を混在させて棒状に固めたメタルボンド部材を嵌入させ、並行溝内にメタルボンド部材を接着剤又は焼結によって固定する。このように、ブロックドレッサ10の製作においては、ダイヤモンド砥粒を含有せしめて棒状に形成されたメタルボンド部材をドレッシング平面(上端面)10aに傾斜させて固定するだけで、砥石軸(回転軸)14に対して傾斜した砥粒層12の条を簡単に形成できる。
【0021】
次に、上記のように構成されたブロックドレッサ10を使用した平面研削盤2の砥石車16の研削面16aのドレッシングについて図に基づいて以下に説明する。工作物の研削の進行に伴い砥石車16の研削面16aに目詰まりを生じたときにドレッシングをおこなう。ブロックドレッサ10はワークテーブル4上にチャック(図略)により固定する。この際、ブロックドレッサ10の長手方向の辺が、X軸方向に平行に配置されるように固定する。この場合、工作物(ワーク)をワークテーブル4に取付けるのと同様にブロックドレッサ10を取付けるので、特別な段取作業を必要とすることなくドレッシングを行うことができる。続いて、図5に示すように、ワークテーブル4を移動させることで、ブロックドレッサ10を砥石車16の下方前方に位置させる。なお、ブロックドレッサ10の幅(Y軸方向の長さ)は、例えば50mmであり砥石車16の幅16wの40mmよりも大きく形成されている。そして、例えば、砥石車16の周速45m/s、切り込み量3μm、ワークテーブル4のX軸方向の送り速度50mm/sに設定し、クーラント液を供給しながらドレッシングを行う。図5(1)に示すように、図の右側にワークテーブル4を移動させる。ドレッシングにおいては、まず砥石車16の研削面16aの一端(図5の正面図において手前側)が粗砥粒層12aの接触開始端側13に接触する。砥石車16はブロックドレッサ10の送り速度に比較して高速回転しているので、研削面16aの前記一端側は全周囲ドレッシングされる。そして、ブロックドレッサ10の送り(図5において右方向への送り)に伴って、研削面16aの接触部が、図5の正面図において手前側より向こう側へ移動する。粗砥粒層12aによりドレッシングされた研削面は続いて仕上げ砥粒層12bの接触開始端側13に接触し、より細かい研削面16aを形成すべく仕上げドレッシングされる。続いて、ブロックドレッサ10の、図5において左側から右側への送りに伴って、図5(2)〜図5(6)に示すように、砥粒層12a,12b上の接触部SP1,SP2が移動しながら研削面16aの全面にわたってドレッシングをおこなう。このように、砥粒層12a,12bの接触部SP1,SP2は移動しながら研削面16aをドレッシングし、常時同じ接触部が研削面16aに接触しないので、砥粒層12の接触部の発熱による酸化損耗を防止してブロックドレッサ10の寿命を延ばすことができる。また、砥粒層12の砥石軸(砥石車16の回転軸)線方向の幅12w(図4参照)は、研削面16aの幅16w(図1参照)より小さい幅で設けられているので、ドレッシング時の抵抗が小さい。また、ブロックドレッサ10の幅(Y軸方向の長さ)は、砥石車16の幅よりも大きく形成されているので、図5(7)に示すように、ブロックドレッサ10が砥石車16の研削面16aの反対側まで通過した場合には、いわゆるワンパスで研削面のドレッシングが終了する。
【0022】
上記のように構成されたブロックドレッサによると、ドレッシング時において、まず回転軸方向に対して傾斜した方向に設けられた砥粒層12の接触開始端側(図5において砥粒層12の右端側)13より砥石車16の研削面16aの一端側が接触し、続いて砥粒層12の接触部SP1,SP2が砥粒層12の接触開始端側13より接触終了端側(図5において左端側)15に斜めに移動する間に砥石車16における砥粒層12への接触部が回転軸方向に研削面16aの一端側から他端側に移動することで、砥石車16の研削面16aをドレッシングする。このように、砥粒層12の接触開始端側13より接触終了端側15に砥石車16の研削面16aへの接触部SP1,SP2を移動させながらドレッシングし、従来の単石ドレッサのように常時同じ接触部で接触しないので、発熱による酸化損耗を防止してドレッサの寿命を延ばすことができる。砥粒層12は、研削面16aの幅より小さい幅で2条設けられ、従来のドレッサブロックのように砥石車に接触するドレッシング平面全体に設けられていない。そのため、ドレッシング時の抵抗が小さくなり、ドレッシング時に砥石車16に振動を生じることがなくドレッシング作業が容易となるとともに、びびりの発生を防止して砥石車16の研削面の形状精度を向上させることができる。
【0023】
また、ドレッシング平面10aに粗砥粒層12aと仕上げ砥粒層12bとの合わせて2条の砥粒層12が設けられているので、研削面16aに粗砥粒層12aの条が粗ドレッシングした後に、仕上げ砥粒層12bの条で砥石車16の同じ研削面16aの部分を仕上げドレッシングする。そのため、ドレッシングの粗加工と仕上げ加工とを一連の作業で行うことができる。
【0024】
次に、本発明に係る別形状のブロックドレッサを平面研削盤に実施した第2の実施形態について図面を参照して説明する。この実施形態におけるブロックドレッサ30は、図6及び図7に示すように、ベース部材30cに設けられた複数の平行溝30bのうちドレッシング平面30aの対角線上にある矩形状の平行溝のみにダイヤモンド砥粒が混在したメタルボンドが埋設されて1条の砥粒層32が形成されている点において、第1の実施形態と相違する。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。このブロックドレッサにおいては、砥粒層32の条が1つだけなので、砥粒層32を形成する工程が簡略となり、コストダウンを図ることができる。
【0025】
次に、本発明に係る別形状のブロックドレッサを平面研削盤に実施した第3の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態のブロックドレッサ40は、図8及び図9に示すように、ベース部材40cの上端面(ドレッシング平面)40aに設けられた2条の砥粒層42のまわりに平行溝ではなく複数個の円形穴44が設けられている点において、第1の実施形態と相違する。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。複数の円形穴44にクーラントの供給ノズル22から注入されるクーラント液が充填されて、ドレッシングの際の研削熱による温度上昇が抑制される。複数の円形穴が削り屑を一時的に保持することで、砥粒層42における削り屑の除去促進を図ることができる。
【0026】
次に、本発明に係る別形状のブロックドレッサを平面研削盤に実施した第4の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態のブロックドレッサ50は、図10及び図11に示すように、ベース部材50cの上端面50aには2条の砥粒層52以外の平行溝が設けられていない点において第1の実施形態と相違する。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。2条の砥粒層52以外の平行溝を設ける加工を行わないので、加工コストの削減を図ることができる。
【0027】
次に、本発明に係る別形状のブロックドレッサを平面研削盤に実施した第5の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態のブロックドレッサ60は、図12及び図13に示すように、ベース部材60cの上端面60aには傾斜角が7度の平行な2条の砥粒層62と、逆方向に7度傾斜した別の2条の砥粒層62とが交差して設けられている。また、ドレッシング平面60a上に平行溝は設けられていない。これらの点において第1の実施形態と相違する。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0028】
砥粒層62の4本が砥石車16の研削面16aに偏りなく均等に接触するので、ドレッシングにおいても砥石車16の研削面の形状精度を向上させることができる。
【0029】
なお、上記実施形態においては、メタルボンドにダイヤモンド砥粒を混在させた複層の砥粒層としたが、これに限定されず、例えば、電着等によりダイヤモンド砥粒を単層に設けた砥粒層であってもよい。
【0030】
また、上記実施形態において、ブロックドレッサは1つだけ使用されるものとしたが、これに限定されず、例えば、図14に示すように、二つのブロックドレッサ10を並べて用いても良い。この場合において、砥粒層を砥石車の回転軸方向の幅の両外側に存在するように配置することにより、砥石車の円周面(研削面)を1度のドレッシング作業(ワンパス)により研削面全体をドレッシングすることができる。
【0031】
また、ドレッシング平面に設けられる砥粒層は、上記実施形態では1条、2条及び4条のものであるが、これに限定されず、例えば3条又は5条以上の平行の砥粒層でもよく、その場合において、各砥粒層は同じ粗さの砥粒から構成されていてもよく、粗い砥粒からなる粗砥粒層から細かい仕上げ砥粒からなる仕上げの砥粒層が順に形成されているものでもよい。
【0032】
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
【符号の説明】
【0033】
2…平面研削盤、4…研削テーブル(ワークテーブル)、10…ブロックドレッサ、10a…ドレッシング平面(上端面)、10b…平行溝、10c…ベース部材、12…砥粒層、12a…粗砥粒層、12b…仕上げ砥粒層、14…回転軸(砥石軸)、16…砥石車、16a…研削面、30…ブロックドレッサ、30a…ドレッシング平面、30b…平行溝、32…砥粒層、40…ブロックドレッサ、40a…ドレッシング平面、42…砥粒層、50…ブロックドレッサ、52…砥粒層、60…ブロックドレッサ、60a…ドレッシング平面、62…砥粒層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面研削盤の研削テーブル上に固定され、ベース部材のドレッシング平面に設けられた砥粒層を砥石車の円周上の研削面に当接させるとともに、前記砥石車に対して該砥石車の回転軸に直角な方向に相対移動させて、砥石車の研削面をドレッシングするブロックドレッサにおいて、
前記砥粒層は、前記ドレッシング平面上に前記砥石車の回転軸に対して傾斜して延在する帯状に少なくとも1条前記ベース部材に設けられ、
前記帯状の砥粒層の前記回転軸線方向の幅は、前記砥石車の幅より小さく形成されていることを特徴とする平面研削盤用ブロックドレッサ。
【請求項2】
請求項1において、前記砥粒層は、前記ドレッシング平面上に2条設けられ、一方の砥粒層は粗い砥粒で構成された粗砥粒層であり、他方の砥粒層は細かい砥粒で構成された仕上げ砥粒層であることを特徴とする平面研削盤用ブロックドレッサ。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記帯状の砥粒層は、前記回転軸線方向において前記砥石車の幅より広い範囲で、前記ベース部材に設けられていることを特徴とする平面研削盤用ブロックドレッサ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記砥粒層は、ダイヤモンド砥粒を含有せしめて棒状に形成されたメタルボンド部材が、前記砥石車の回転軸に対して傾斜させて前記ベース部材に固定されていることを特徴とする平面研削盤用ブロックドレッサ。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−218512(P2011−218512A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91972(P2010−91972)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(591043721)豊田バンモップス株式会社 (29)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】