広告付きコンテンツの提供システム、方法、プログラム及び記録媒体
【課題】 コンテンツの消費に当り、ユーザーに好きな広告もそうでない広告も見てもらうことを原則として番組広告の復権を計り、一方でユーザーにもツボを押えた選択手段を与えることで広告を見ることを納得してもらえるようにする。
【解決手段】 ユーザーに複数の広告を、その中から任意のものが選択可能であるように且つ条件を付けて提示し、ユーザーからの広告選択情報を受けて、前記条件に合う適正な選択が為されたか否かを判定し、選択内容が正しいものである場合に、選択された広告データとコンテンツとを組み合わせて、この広告データ付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信するようにした。
【解決手段】 ユーザーに複数の広告を、その中から任意のものが選択可能であるように且つ条件を付けて提示し、ユーザーからの広告選択情報を受けて、前記条件に合う適正な選択が為されたか否かを判定し、選択内容が正しいものである場合に、選択された広告データとコンテンツとを組み合わせて、この広告データ付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動く映像いわゆる動画、音楽、新聞、マンガ、書籍などのデジタル化されたコンテンツに広告データを付けて、インターネットなどのネットワークを介して、ダウンロード形式やストリーミング放送形式のようなネットワーク型配信を、コンピュータやネットワーク接続が可能なテレビジョン受像器や可搬型情報端末や携帯電話機などに対して行う技術に関する。なお上記デジタル化されたコンテンツデータのことをコンテンツと呼ぶことにする。
【背景技術】
【0002】
米国の動画共有サービスであるユーチューブ(商標)躍進の衝撃は極めて大きく、テレビジョン放送で放送済みの映像をIP(インターネット・プロトコル)網を利用したネットワーク型配信によって再利用したり、放送と同時に再送信したり、初めからネットワーク型配信のための番組を制作する動きが活発化している。しかしながらインターネットでは概して無料のサービスが多く、コンテンツのネットワーク型配信に課金することは大変に難しい。
【0003】
民放局は番組に広告を付けて放送しているが、広告部分をスキップして番組のみを視聴可能にする録画技術によってテレビコマーシャルの崩壊が叫ばれ出し、現実にスポンサーが放送に掛ける広告支出が減少し始めている。
【0004】
視聴者ユーザーにしてみれば、好きな広告は見たいが、殆どの広告は見たくないと言うのが本音である。そこで特開2005−184183号では、受信した好みのコマーシャルを記憶しておき、テレビ番組を受信している状態でコマーシャルが開始されたら、この記憶しておいた好みのコマーシャルに差し替えて再生するようにしている。また前記受信した好みのコマーシャルを放送局のセンタ装置に通知して、これと同種のコマーシャルを通信によって取得しておき、これを上記のように差し替えて再生するようにしている。これにより実質的に広告部分のスキップ視聴をなくそうと言うのである。
【特許文献1】特開2005−184183号(図2、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこでネットワーク型配信でもこのような好みのコマーシャルに差し替えて再生する方式を採用すれば良いわけであるが、ユーザーにしてみればごく限られた広告を何度も見ることになりかねないし、この方式は広告スポンサーを納得させるものではあり得ない。また広告の質を向上させると言うことには貢献するところがないように思われる。
【0006】
そこでこの発明は、好きな広告もそうでない広告も見てもらうことを原則として番組広告の復権を計り、一方でユーザーにもツボを押えた選択手段を与えることで広告を見ることを納得してもらえるような、そうした新しい時代の要求にマッチする広告付きコンテンツの提供手段を開拓することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、インターネットなどのネットワーク上でコンテンツと共に広告データを提供するシステムであって、ユーザーに複数のコンテンツを選択肢として提示するためのコンテンツ提示手段と、ユーザーに複数の広告を選択肢として且つ条件付きで提示するための広告提示手段と、ユーザーからの広告選択情報を受けて前記条件に合う適正な選択が為されたか否かを判定するための適否判定手段と、選択内容が正しいものである場合に、選択された広告データと選択されたコンテンツとを組み合わせる広告付きコンテンツ生成手段と、この広告付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信する送信手段と、を備えている、広告付きコンテンツの提供システムとすることにより達成される。
【0008】
このシステムのコンテンツ提示手段は、複数のコンテンツの中からユーザーが欲しいとするコンテンツをユーザーのコンピュータ上で選択出来るように提示する。例えばコンテンツが動画であれば、サムネイル画像と動画タイトルとの組を複数組並べてユーザー側に表示させるようにする。選択数は一般的には1であるが、ダウンロード方式でもストリーミング方式でも複数を選択させることが可能である。なおコンピュータと言うのはいわゆるデスクトップ・コンピュータに限定されず、これが組み込まれているテレビジョン受像器や可搬型情報端末や携帯電話機やカーナビゲーション機器などもコンピュータの一種である。また本願で言う選択肢は、試験問題に於ける正答が隠されている答えと言うような意味ではなく、提供可能なものの中から選んで応答するように用意されたいくつかの項目と言う意味合いである。
【0009】
また広告提示手段は、複数の広告の中からユーザーが「見てもいい」とする広告をユーザーのコンピュータ上で選択出来るように条件付きで提示する。例えば広告のタイトルを20列挙して、この中から5つを選ぶことを条件とするのである。また例えば広告を5分類に分類して各々の分類に5つずつ広告のタイトルを挙げておき、必ず各分類から2つを選ぶことを条件とするのである。ユーザーにとっては提示された広告の中には見たいもの、見たくないもの、どちらでも良いものが含まれることになるが、条件が付けられているため場合によっては全て見たいもので選択を終えることが出来るかも知れないが、場合によっては見たくないものも含めなくてはならない。しかしながら見たいものから順に選択することにもなるから、この満足度は従来の技術には見られないほど高いものであると言うことが出来る。なお上記「見てもいい」と言うのはユーザーの主体的な意志である。また広告スポンサーにとってはユーザーの選択に見たくないものも含まれる可能性が高まるために一定の満足が得られる。これはコンテンツ制作側にとっても良いことである。
【0010】
次に、ユーザーにより広告が選択されてこれが広告選択情報としてシステムに送信されると、これを受けて適否判定手段が、広告は選択されているか、あるいは例示したように決められた広告選択数が満たされているかなどの所要の条件をチェックする。もしも条件を満たしていない場合には処理を先に進めないか、条件を満たしていない理由を警告して再度広告を条件付きで提示するなどすれば良い。逆に条件を満たしており選択内容が適正なものである場合には、先に処理を進める。
【0011】
なおユーザーに複数のコンテンツや複数の広告を選択肢として提示する場合、両方の選択肢を並べて提示して一括してユーザーに選択してもらい、これを受けて前記条件をチェックするようにしたり、先にコンテンツの選択肢を提示してコンテンツを選択してもらい、ユーザーからのコンテンツ送信要求を受けて初めて広告の選択肢を提示して広告を選択してもらい、これを受けて前記条件をチェックするようにしたり、あるいは先に広告の選択肢を提示して広告を選択してもらい、これを受けて前記条件をチェックして、選択が適正なものであると判断して初めてコンテンツの選択肢を提示してコンテンツを選択してもらうようにする、など幾通りかの設計が可能である。なお前記条件チェックは本願発明の主要部をなす広告の選択に係るものであるが、コンテンツが選ばれているか否かなどのチェックを行うことは一般的なプログラミング作法なので説明を省略する。
【0012】
次に、広告付きコンテンツ生成手段は選択された広告データと選択されたコンテンツとを組み合わせて、送信手段によりこの広告付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信する。送信手段は例えばIP網を利用したダウンロード方式やストリーミング方式と言ったネットワーク型配信を利用してユーザーのコンピュータへ広告付きコンテンツを送信する。広告付きコンテンツは送信に先立って圧縮処理され、ユーザーのコンピュータで再生時に解凍処理されるのが一般的である。広告付きコンテンツ生成手段はコンテンツの時間軸上の所要箇所に広告データを埋め込み、コンテンツと広告データとを一体化してから送信手段に渡す他、例えばコンテンツと広告データとを別々にユーザーのコンピュータに送信し、ユーザーのコンピュータにインストールされた映像再生用のアプリケーションソフトウェアを遠隔制御して、再生するコンテンツの時間軸上のどこにどの広告データを割り当てるかや、新旧広告データの差し替えなどを指示するように設計することが出来る。このように広告付きコンテンツ生成手段まわりが行う処理に関しては従来技術を活用すれば良いため、煩雑となるのを避けてその詳細な説明を省略する。なおこの分野の将来のより優れた技術を採用して良いことは勿論である。
【0013】
従って、ユーザーのコンピュータでこの広告付きコンテンツを再生するとコンテンツと共に広告データがディスプレイに表示(音声の場合はスピーカに出力)されるが、この広告データは本願システムが提示した複数の広告の中からユーザーが積極的に選択したもの、そのものであると言うことになる。なお上述した広告の選択条件に関して、選択しなくてはならない広告の数を「いくつ以上」とすれば、見たい広告の数が条件よりも多くなるユーザーが必ずいるものである。また面白い広告ほどリクエストが多いとなれば広告制作側も切瑳琢磨することは間違いなく、広告の質が向上することになる。なお本願発明の効果の他の側面として時間枠に縛られないコンテンツ配信が可能であることが上げられる。従ってコンテンツの時間軸上のある箇所に広告データを挿入するに当り、広告データの時間的な長さに制約されなくなり、自由な広告データの挿入や新旧広告データの差し替えが可能となる。
【0014】
なお前記広告提示手段は、コンテンツと広告データとを関連付けておき、ユーザーからのコンテンツ選択情報を受けてこのコンテンツに対応する広告を選択肢として提示するものとすることが出来る。すなわちこのコンテンツにはこの広告をあるいはこれ等の広告群を割り当てる、と言うことが可能になる。また前記広告提示手段は、ユーザーに選択された複数のコンテンツに付いて、一括して広告の選択肢を提示するものとすることが出来る。複数のコンテンツを一括してダウンロードしたり順次ストリーミング再生する場合に、複数の広告はこのコンテンツセットに対して割り当てられる。また前記広告提示手段は、複数の広告をジャンル分けし、このジャンル毎に選択肢として提示するものとすることが出来る。ジャンル分けと言うのは広告を例えば自動車、家電、住宅、保険、日曜雑貨などに分類しておき、その各々に付いて広告の選択肢を提示することを言う。この他1つの製品に付いて異なる見せ方をした3つのバージョンの広告を提示するなどと言うことも行われるようになる。またユーザーが選択する広告の再生順序を自ら決めることが出来るように広告の選択肢を提示することも可能である。なおコンテンツのどの位置で広告を見せるかは任意設計事項である。例えばコンテンツ再生の初めや終わりに一括して広告を再生したり、途中途中に分散させて挿入したり、また分散の場合に広告を再生する間隔を変化させたりすることなどは自由に設計してよい。
【0015】
さて、本願発明の前記広告提示手段は、広告の選択肢に必須選択広告を含めるようにすることが出来る。例えば上述した広告のタイトルを20列挙してこの中から5つを選ぶことを条件とする場合に、5つの内の1つは必須選択品目とし、ユーザーが自由に選択出来るのは5つの内の4つであるとするのである。あまり選択されない広告をユーザーに見てもらうようにするのは広告スポンサーへの配慮であるだけでなく、ユーザーにとっても新たな広告との出会いがあると言う点で貴重である。
【0016】
また本願発明の前記広告提示手段は、選択された広告データを、選択されたコンテンツの終わりにも重複して組み合わせるか否かのを選択肢を提示するようにすることが出来る。ユーザーが自ら選択した広告の満足度は従来の技術には見られないほど高いものであるから、コンテンツの終わりにも重複して見せられても抵抗が少ないか積極的に見たいものであるに違いないのである。このようにしてユーザーの印象に強く残る広告となる。
【0017】
また本願発明の前記広告提示手段は、更にユーザーからのコンテンツ再選択要求を受け付けてユーザーに再度広告の選択肢を提示するようにすることが出来る。なおコンテンツの再生前に広告を組み替えられるようにしたり、コンテンツの再生中に広告を組み替えられるようにするのは設計いかんである。コンテンツの再生中の広告組み替えでは、これまでに見た広告の数を引いた分の広告の選択肢を提示するようにしてもよい。
【0018】
また本願発明の前記広告提示手段は、更にユーザーからのキーワードを受け付けて広告を検索する検索手段を備え、この検索結果の広告を選択肢として提示するようにすることが出来る。キーワードとしては商品名やタレント名などが用いられる。そしてこの検索結果の広告を、広告の選択肢に組み入れたり、必須選択広告と組み合わせたりするのである。
【0019】
また本願発明の前記広告提示手段は、更にユーザーからの広告選択情報を受けて、このユーザーに固有の嗜好情報として記憶装置のユーザー情報記憶領域に記録しておき、後に前記広告提示手段がこのユーザーに複数の広告を選択肢として提示する際には、前記嗜好情報を該当するユーザー領域から読み出して、この嗜好情報にマッチする広告を選択肢に加える嗜好情報処理手段を備えているものとすることが出来る。広告選択情報にはユーザーの嗜好が反映されている。例えばこのユーザーは車に興味がある、好きな俳優は誰それである、ダンスのシーンがある広告ている、などの傾向が分かるため、このユーザーがコンテンツを消費する際にはこの傾向の広告を選んで選択肢に加えるようにする。こうしてユーザーの購買意欲を高めることが出来るのである。
【0020】
また本願発明の前記広告提示手段は、更にユーザーに選択された広告に関連するWWW文書にアクセスし得るようにハイパーリンクを提示するリンク文書出力手段を備えているものとすることが出来る。ユーザーが自ら選んだ見たいと思う広告に関しては、その商品に付いて更に詳しい情報が欲しくなるものである。そのような場合にこの広告に関連して提示されるハイパーリンクを辿らせることで、例えばコンテンツを消費した後の時間をその商品のために費やすように誘導することが出来る。
【0021】
この他、ユーザーからの広告選択情報を受けて広告視聴数の集計を行うようにすれば、広告の視聴率を出すことが出来る。また広告データを全文検索し得るように広告データにキャプションなどの文字情報を付属させるようにすれば、上述したユーザーからのキーワードを受け付けて広告を検索する検索手段にとっては全文検索が可能になるため、的を射た検索結果をユーザーに提供することが出来るようになる。またお勧めの広告名を選択肢に上げるようにしても良い。
【発明の効果】
【0022】
ユーザーのコンピュータで再生される広告付きコンテンツは、コンテンツの再生時に必ず広告を見せるものであるが、この広告に付いて本願発明では、複数の広告を提示してこの中からユーザーが「見てもいい」とする広告をユーザーのコンピュータ上で選択出来るようにした点に最大の特徴を有している。この結果ユーザーにとっては自分が選択した比較的に見たいと思う広告を見ることになるために納得がゆき、広告スポンサーにとってはユーザーの選択に見たくないものも含まれて見られる可能性が高まるために満足が得られ、また良い広告が多く見られると言うことになるため広告制作の質が向上する、と言う効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に述べる実施形態は例示に過ぎず、いろいろなバリエーションを与えることが出来、それ等もまた本願発明の権利範囲内のものである。
【0024】
(第1実施形態)
図1乃至図6はこの発明の第1実施形態を表わすが、これはストリーミングにより動画広告付きのテレビ番組を再送信する配信サーバに関する。図1ではこの配信サーバがCPU10を用いて実現した場合のハードウェア構成で表わされており、図2の広告付きコンテンツ提供部100は下記プログラムをCPU10上で動作させることで実現している。CPU10にはメモリ11、記憶装置であるハードディスク12、インターネットに接続するためのLANカード17、表示装置であるディスプレイ13、入力装置であるキーボード及びマウス14、CD−DVDドライブ15が接続されている。ハードディスク12には、オペレーティングシステム(OS)2、再送信するテレビ番組のコンテンツ提示プログラム20、広告提示プログラム21、適否判定プログラム22、広告付きコンテンツ生成プログラム23、ストリーミング配信プログラム24が記録されている。これ等のプログラムは、CD−DVDドライブ15を介してCD−ROM16からインストールされたものである。
【0025】
図2で表わすように配信サーバ1とクライアントコンピュータ3とはインターネットで接続されている。クライアントコンピュータ3にはディスプレイ30が接続されており、この図では配信サーバ1から送信された広告選択窓5が表示されている。配信サーバ1が図3の処理を実行することで、配信サーバ1とクライアントコンピュータ3との間に図4で表わすような通信が行われる。コンテンツの視聴はこの実施形態ではディスプレイ30に表示されるWWWブラウザで行われるように設計している。配信サーバ1は視聴を希望するユーザーのWWWブラウザに図5で表わすようなコンテンツ選択窓4として現われるWWW文書によるコンテンツリストを送信する。ユーザーがここに表示される品目40の中から希望のものを選んでマウスでクリックすると、視聴要求として品目情報が配信サーバ1に送られる。ここまでは従来技術である。
【0026】
配信サーバ1はユーザーが選択した品目の情報を受信すると(ステップS1)、図6で表わすような広告選択窓5として現われるWWW文書による広告リストを送信する。この例では選択されたコンテンツに予め関連付けられた複数の広告を提示するように設計されているが、この関連付けをしない設計もまた可能である。そこでユーザーがこの品目一覧表50の中から「見たい、あるいは見てもよい」とする広告を画面の指示通り5つ選んでマウスでチェックボックスをチェックする。こうして選択された黒丸付きのものがチェック付き品目51である。そして確認ボタン52をクリックすると、視聴要求として品目情報が配信サーバ1に送られる。配信サーバ1はユーザーが選択した品目の情報を受信すると(ステップS2)、チェック付き品目51は最低5つ選択されているか否かの判定を行い(ステップS3)、適正(YES)の場合には、先にユーザーが選んだテレビ番組の中に、続けて選んだ5つの動画広告を挿入して一連の動画とした広告付きコンテンツをクライアントコンピュータ3にストリーミング配信する(ステップS4)。この広告付きコンテンツがクライアントコンピュータ3でキャッシュされつつ再生される。この実施形態では広告視聴をスキップしたり早送りすることが出来ないように設定している。なお上記でチェック付き品目51が条件に合わず不適正(NO)の場合には、図4では表わしていないが再度選択をやり直して欲しい旨のメッセージを含む品目一覧表50をクライアントコンピュータ3に送信する。ここから分かることは、広告の選択をユーザーに任せているので、同じテレビ番組でもユーザーによって見る広告が異なると言うことである。なお前記広告付きコンテンツはダウンロード方式で送信することも可能である。
【0027】
(第2実施形態)
図7及び図8はこの発明の第2実施形態を表わす。この実施形態の広告選択窓5に表示される品目一覧表の特徴は、多数の品目をジャンル毎にタブで切り替える画面に分けて表示するタブ式品目一覧表53である点、及び必須選択品目54として初めから選択されている点にある。従ってユーザーはタブで切り替えて、画面の指示通り各々の一覧表の中から希望する品目を2つずつ選択する。この例では前記必須選択品目54の2つを含めて合計14が選択されなくては条件に合わないものとしている。ユーザーはこの選択で良ければ確認ボタン52をクリックするが、これにより配信サーバは図8(a)で表わす14つの動画広告を挿入して一連の動画とした広告付きコンテンツを生成する。なおこの図では簡易的に5つの広告7−1〜7−5が本編6の中に挿入されている状態を表わす。ここから分かることは、通常の再生ではユーザーに選択された広告の長さによって全体の長さが変わるとと言うことである。
【0028】
更にこの品目一覧表の特徴は、広告選択窓5の中に「終りにもう一度見る」としたチェックボックス55を設けている点にある。この選択はユーザーの任意であるが、これが選択された場合には配信サーバは図8(b)で表わすように、本編6の終りに前記広告をまとめて追加した広告付きコンテンツを生成する。図では簡易的に5つの広告7−1〜7−5が追加広告として本編6の終りに再度現われる状態を表わしている。
【0029】
(第3実施形態)
図9及び図10はこの発明の第3実施形態を表わす。配信サーバ1の広告付きコンテンツ制御部101では広告付きコンテンツ生成部と差し替え制御部とで広告データとコンテンツとを組み合わせたり組み替えたりの処理を行う。この際に配信サーバ1は、図9で表わすようにインターネットで接続されたクライアントコンピュータ3の広告差し替え部31の広告付きコンテンツ合成部と連係した処理を行う。
【0030】
この実施形態は、広告付きコンテンツ生成部で組み合わしたコンテンツと広告とを一体化させることなく別々にクライアントコンピュータ3にダウンロードさせて、コンテンツ記憶部に別々に記録させるようにしている。これをクライアントコンピュータ3で再生するには、コンテンツと広告とをコンテンツ記憶部から読み出して広告付きコンテンツ合成部で組み合わせて再生する。この際に認証鍵要求部が広告付きコンテンツ制御部101に対して認証鍵の送信を要求し、これを受信して初めて再生することが出来るように設計されている。従って認証鍵を送らなければ、コンテンツ記憶部に記録されている例えば期限切れの広告(従ってコンテンツも)が再生されないようにすることが出来る。そこでこれを再生したいのであれば、クライアントコンピュータ3は現在有効な広告を配信サーバ1からダウンロードしなくてはならない。
【0031】
広告付きコンテンツ生成部は、コンテンツ記憶部に記録されているとコンテンツに現在組み合わされるべきものとされている広告を選び出す。図10で簡略的に表わすようにこの新しい広告7−6〜7−10をクライアントコンピュータ3にダウンロードさせてコンテンツ記憶部に記録させる。クライアントコンピュータ3がコンテンツを再生する際には、広告付きコンテンツ合成部が配信サーバ1の差し替え制御部と連係して、このコンテンツには古い広告7−1〜7−5ではなく新しい広告7−6〜7−10をコンテンツ記憶部から読み出して組み合わせるのである。なおコンテンツ自体に付いても同様に再生期限を設定することが出来る。
【0032】
(第4実施形態)
図11で表わす実施形態は、ユーザーが視聴途中で広告の組み替え要求を出して来た場合に、これに対処出来るような配信サーバの処理に関する。クライアントコンピュータからの広告の組み替え要求を受信したら(ステップS6)、この要求が出されたコンテンツの現在再生位置と、未だ再生されていない広告の数とをチェックして、新たに広告リストを提示して現在再生位置より後に再生される広告の数に見合う数の広告をユーザーに選択させ(ステップS7)、この後の分に付いて広告データの組み替えを行って(ステップS8)、ストリーミング送信を再開させる。
【0033】
(第5実施形態)
図12及び図13はこの発明の第5実施形態を表わす。配信サーバは後述するキャプション取得部102とインデクサ103と記憶装置104とキャプション検索部105とを備える。ここで取り扱う広告データはキャプションデータを有しており、図12で表わすようにこれを配信サーバのキャプション取得部102が広告データから取り出し、このキャプションを検索出来るようにするためにインデクサ103に掛けてインデックス化し、記憶装置104に記録しておく。そして配信サーバはユーザーからキーワードを受けて、キャプション検索部105で記憶装置104のインデックスを検索し、ヒットした広告品目を広告リストに加えてクライアントコンピュータに送信する。
【0034】
ユーザーがこの広告リストの中から希望する品目を所要の数(ここでは10)だけ選択すると、この品目情報を適否判定部で判定して、適正であれば図13で表わすようにクライアントコンピュータのディスプレイの順位変更窓56に選択済み品目一覧表57として表示されるように送信する。そこでユーザーは順位変更の必要があれば、マウスを用いて順位を変えたい広告の品名を選択した後、マウスで順位変更窓56の移動ボタン58の上方矢印または下方矢印をクリックしてその順位を上げたり下げたりの操作を行う。そして確認ボタン59を押すと、決定された新しい順位の品目情報が配信サーバに送信される。これを受けて広告付きコンテンツ生成部はこの順序を守るようにして広告データとコンテンツとを組み合わせる。
【0035】
(第6実施形態)
図14で表わす実施形態は、ユーザーからの広告選択情報を受けてユーザーに固有の嗜好情報を利用したり、広告視聴数の集計を行って言わば広告視聴率を算出しようとするものである。配信サーバは後述する嗜好情報処理部106と広告視聴数集計部107と記憶装置104とリスト合成部108とを備える。ユーザーが前回選択した広告の情報を嗜好情報処理部106で処理し、このユーザーの嗜好を把握してこのユーザー好みの広告品目を記憶装置104に記録しておくと共に、広告視聴数集計部107がこの情報を利用して母集団の広告視聴率を算出する。次に同じユーザーに対して広告提示部が今回提示する広告に、リスト合成部108が記憶装置104に記録してあるこのユーザー好みの広告品目を読み出して追加し、今回提示広告とするのである。
【0036】
(第7実施形態)
図15及び図16はこの発明の第7実施形態を表わす。配信サーバ1はユーザーにコンテンツリストから視聴したい品目を選択させると、直ぐにこの品目の再生画面をクライアントコンピュータに送信するが、この際にディスプレイ30に表示される選択窓8には、この品目の再生用の動画表示窓80と、これから選択させる広告の品目81の一覧表(サムネイル画像付き)とを表示するようにしている。そこでユーザーがこの中から「見たい、あるいは見てもよい」とする広告を画面の指示通り最低1つ選んで、マウスでそのチェックボックスをチェックする。こうして選択された黒丸付きのものがチェック付き品目82である。そして動画表示窓80の中央部に表示されている動画再生ボタン83をマウスでクリックすると、視聴要求と広告の品目情報とが配信サーバに送られる。配信サーバはユーザーが選択した品目の情報を受信すると、所定の条件判定を行い、それが適正である場合には、先にユーザーが選んだ動画コンテンツの最後にこの動画広告を付けて一連の動画とした広告付きコンテンツを、クライアントコンピュータにストリーミング配信する。
【0037】
この実施形態は動画コンテンツの制作者に制作費用の一部でも補助することが出来るようにと考えたものである。複数の広告をユーザーに提示し、ユーザーが広告を選んで視聴すると言う行為に対して広告スポンサーから経済的な価値が付けられる。なおこの実施形態では広告を視聴したユーザーにもポイントが付くようにした。ユーザーに広告が視聴されたら(ステップS9)、このユーザーのアカウントにポイントを加算するが(ステップS10)、更に図示しないリンク文書出力手段が、ユーザーに視聴された広告に関連する文書にユーザーがアクセスし得るように、この文書へのハイパーリンク文書を生成して、広告の再生が終了した動画表示窓80に表示するようにした(ステップS11)。ユーザーが選んで視聴した広告であるから、これに関連するWWW文書を閲覧したいと思う気持ちがユーザーにはあるためである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は動画のみならず、音楽、新聞、マンガ、書籍などのデジタル化されたコンテンツに広く適用可能である。また広告も動画のみならず、静止画や音声・音楽や文字によるものなどを自由に用いてよい。また広告付きコンテンツの提供先はパーソナルコンピュータに限らず、ネットワーク接続が可能なテレビジョン受像器や可搬型情報端末や携帯電話機なども含まれる。またこの発明はコンテンツの販売にも利用することが出来る。すなわち例えばコンテンツのダウンロード前に広告を試聴させ、これによって購入料金を割り引いたり無料にするのである。また広告の選択にも各種の方式が考えられる。例えば複数の広告からなるグループを幾つか用意しておき、一つのグループを選択することで複数の広告を一括選択させる。また月毎に一括して広告を選び、これをその月に視聴する全てのコンテンツにランダムに適用したり、あるいはユーザーに作成させた広告プレイリスト通りに適用する方式も設計可能である。またコンテンツ視聴の途中途中で広告を選択させて次に進めるようにする設計も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】 第1実施形態の配信サーバのハードウェア構成を示す図。
【図2】 ネットワーク構成を示す図。
【図3】 配信サーバの処理を示すフローチャート。
【図4】 配信サーバとクライアントコンピュータとのセッションを示す図。
【図5】 クライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【図6】 クライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【図7】 第2実施形態のクライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【図8】 広告付きコンテンツのタイムラインを示す図。
【図9】 第3実施形態の配信サーバとクライアントコンピュータとのセッションを示す図。
【図10】 広告付きコンテンツのタイムラインを示す図。
【図11】 第4実施形態の配信サーバの処理を示すフローチャート。
【図12】 第5実施形態の説明図。
【図13】 クライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【図14】 第6実施形態の説明図。
【図15】 第7実施形態の配信サーバの処理を示すフローチャート。
【図16】 クライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【符号の説明】
【0040】
1 配信サーバ
10 CPU
11 メモリ
12 ハードディスク
13 ディスプレイ
14 キーボード・マウス
15 CD−DVDドライブ
16 CD−ROM
17 LANカード
100広告付きコンテンツ提供部
101広告付きコンテンツ制御部
102キャプション取得部
103インデクサ
104記憶装置
105キャプション検索部
106嗜好情報処理部
107広告視聴数集計部
108リスト合成部
2 OS
20 コンテンツ提示プログラム
21 広告提示プログラム
22 適否判定プログラム
23 広告付きコンテンツ生成プログラム
24 ストリーミング配信プログラム
3 クライアントコンピュータ
30 ディスプレイ
31 広告差し替え部
4 コンテンツ選択窓
40 品目
5 広告選択窓
50 品目一覧表
51 チェック付き品目
52 確認ボタン
53 タブ式品目一覧表
54 必須選択品目
55 チェックボックス
56 順位変更窓
57 選択済み品目一覧表
58 移動ボタン
59 確認ボタン
6 本編
7 広告
8 選択窓
80 動画表示窓
81 品目
82 チェック付き品目
83 動画再生ボタン
【技術分野】
【0001】
この発明は、動く映像いわゆる動画、音楽、新聞、マンガ、書籍などのデジタル化されたコンテンツに広告データを付けて、インターネットなどのネットワークを介して、ダウンロード形式やストリーミング放送形式のようなネットワーク型配信を、コンピュータやネットワーク接続が可能なテレビジョン受像器や可搬型情報端末や携帯電話機などに対して行う技術に関する。なお上記デジタル化されたコンテンツデータのことをコンテンツと呼ぶことにする。
【背景技術】
【0002】
米国の動画共有サービスであるユーチューブ(商標)躍進の衝撃は極めて大きく、テレビジョン放送で放送済みの映像をIP(インターネット・プロトコル)網を利用したネットワーク型配信によって再利用したり、放送と同時に再送信したり、初めからネットワーク型配信のための番組を制作する動きが活発化している。しかしながらインターネットでは概して無料のサービスが多く、コンテンツのネットワーク型配信に課金することは大変に難しい。
【0003】
民放局は番組に広告を付けて放送しているが、広告部分をスキップして番組のみを視聴可能にする録画技術によってテレビコマーシャルの崩壊が叫ばれ出し、現実にスポンサーが放送に掛ける広告支出が減少し始めている。
【0004】
視聴者ユーザーにしてみれば、好きな広告は見たいが、殆どの広告は見たくないと言うのが本音である。そこで特開2005−184183号では、受信した好みのコマーシャルを記憶しておき、テレビ番組を受信している状態でコマーシャルが開始されたら、この記憶しておいた好みのコマーシャルに差し替えて再生するようにしている。また前記受信した好みのコマーシャルを放送局のセンタ装置に通知して、これと同種のコマーシャルを通信によって取得しておき、これを上記のように差し替えて再生するようにしている。これにより実質的に広告部分のスキップ視聴をなくそうと言うのである。
【特許文献1】特開2005−184183号(図2、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこでネットワーク型配信でもこのような好みのコマーシャルに差し替えて再生する方式を採用すれば良いわけであるが、ユーザーにしてみればごく限られた広告を何度も見ることになりかねないし、この方式は広告スポンサーを納得させるものではあり得ない。また広告の質を向上させると言うことには貢献するところがないように思われる。
【0006】
そこでこの発明は、好きな広告もそうでない広告も見てもらうことを原則として番組広告の復権を計り、一方でユーザーにもツボを押えた選択手段を与えることで広告を見ることを納得してもらえるような、そうした新しい時代の要求にマッチする広告付きコンテンツの提供手段を開拓することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、インターネットなどのネットワーク上でコンテンツと共に広告データを提供するシステムであって、ユーザーに複数のコンテンツを選択肢として提示するためのコンテンツ提示手段と、ユーザーに複数の広告を選択肢として且つ条件付きで提示するための広告提示手段と、ユーザーからの広告選択情報を受けて前記条件に合う適正な選択が為されたか否かを判定するための適否判定手段と、選択内容が正しいものである場合に、選択された広告データと選択されたコンテンツとを組み合わせる広告付きコンテンツ生成手段と、この広告付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信する送信手段と、を備えている、広告付きコンテンツの提供システムとすることにより達成される。
【0008】
このシステムのコンテンツ提示手段は、複数のコンテンツの中からユーザーが欲しいとするコンテンツをユーザーのコンピュータ上で選択出来るように提示する。例えばコンテンツが動画であれば、サムネイル画像と動画タイトルとの組を複数組並べてユーザー側に表示させるようにする。選択数は一般的には1であるが、ダウンロード方式でもストリーミング方式でも複数を選択させることが可能である。なおコンピュータと言うのはいわゆるデスクトップ・コンピュータに限定されず、これが組み込まれているテレビジョン受像器や可搬型情報端末や携帯電話機やカーナビゲーション機器などもコンピュータの一種である。また本願で言う選択肢は、試験問題に於ける正答が隠されている答えと言うような意味ではなく、提供可能なものの中から選んで応答するように用意されたいくつかの項目と言う意味合いである。
【0009】
また広告提示手段は、複数の広告の中からユーザーが「見てもいい」とする広告をユーザーのコンピュータ上で選択出来るように条件付きで提示する。例えば広告のタイトルを20列挙して、この中から5つを選ぶことを条件とするのである。また例えば広告を5分類に分類して各々の分類に5つずつ広告のタイトルを挙げておき、必ず各分類から2つを選ぶことを条件とするのである。ユーザーにとっては提示された広告の中には見たいもの、見たくないもの、どちらでも良いものが含まれることになるが、条件が付けられているため場合によっては全て見たいもので選択を終えることが出来るかも知れないが、場合によっては見たくないものも含めなくてはならない。しかしながら見たいものから順に選択することにもなるから、この満足度は従来の技術には見られないほど高いものであると言うことが出来る。なお上記「見てもいい」と言うのはユーザーの主体的な意志である。また広告スポンサーにとってはユーザーの選択に見たくないものも含まれる可能性が高まるために一定の満足が得られる。これはコンテンツ制作側にとっても良いことである。
【0010】
次に、ユーザーにより広告が選択されてこれが広告選択情報としてシステムに送信されると、これを受けて適否判定手段が、広告は選択されているか、あるいは例示したように決められた広告選択数が満たされているかなどの所要の条件をチェックする。もしも条件を満たしていない場合には処理を先に進めないか、条件を満たしていない理由を警告して再度広告を条件付きで提示するなどすれば良い。逆に条件を満たしており選択内容が適正なものである場合には、先に処理を進める。
【0011】
なおユーザーに複数のコンテンツや複数の広告を選択肢として提示する場合、両方の選択肢を並べて提示して一括してユーザーに選択してもらい、これを受けて前記条件をチェックするようにしたり、先にコンテンツの選択肢を提示してコンテンツを選択してもらい、ユーザーからのコンテンツ送信要求を受けて初めて広告の選択肢を提示して広告を選択してもらい、これを受けて前記条件をチェックするようにしたり、あるいは先に広告の選択肢を提示して広告を選択してもらい、これを受けて前記条件をチェックして、選択が適正なものであると判断して初めてコンテンツの選択肢を提示してコンテンツを選択してもらうようにする、など幾通りかの設計が可能である。なお前記条件チェックは本願発明の主要部をなす広告の選択に係るものであるが、コンテンツが選ばれているか否かなどのチェックを行うことは一般的なプログラミング作法なので説明を省略する。
【0012】
次に、広告付きコンテンツ生成手段は選択された広告データと選択されたコンテンツとを組み合わせて、送信手段によりこの広告付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信する。送信手段は例えばIP網を利用したダウンロード方式やストリーミング方式と言ったネットワーク型配信を利用してユーザーのコンピュータへ広告付きコンテンツを送信する。広告付きコンテンツは送信に先立って圧縮処理され、ユーザーのコンピュータで再生時に解凍処理されるのが一般的である。広告付きコンテンツ生成手段はコンテンツの時間軸上の所要箇所に広告データを埋め込み、コンテンツと広告データとを一体化してから送信手段に渡す他、例えばコンテンツと広告データとを別々にユーザーのコンピュータに送信し、ユーザーのコンピュータにインストールされた映像再生用のアプリケーションソフトウェアを遠隔制御して、再生するコンテンツの時間軸上のどこにどの広告データを割り当てるかや、新旧広告データの差し替えなどを指示するように設計することが出来る。このように広告付きコンテンツ生成手段まわりが行う処理に関しては従来技術を活用すれば良いため、煩雑となるのを避けてその詳細な説明を省略する。なおこの分野の将来のより優れた技術を採用して良いことは勿論である。
【0013】
従って、ユーザーのコンピュータでこの広告付きコンテンツを再生するとコンテンツと共に広告データがディスプレイに表示(音声の場合はスピーカに出力)されるが、この広告データは本願システムが提示した複数の広告の中からユーザーが積極的に選択したもの、そのものであると言うことになる。なお上述した広告の選択条件に関して、選択しなくてはならない広告の数を「いくつ以上」とすれば、見たい広告の数が条件よりも多くなるユーザーが必ずいるものである。また面白い広告ほどリクエストが多いとなれば広告制作側も切瑳琢磨することは間違いなく、広告の質が向上することになる。なお本願発明の効果の他の側面として時間枠に縛られないコンテンツ配信が可能であることが上げられる。従ってコンテンツの時間軸上のある箇所に広告データを挿入するに当り、広告データの時間的な長さに制約されなくなり、自由な広告データの挿入や新旧広告データの差し替えが可能となる。
【0014】
なお前記広告提示手段は、コンテンツと広告データとを関連付けておき、ユーザーからのコンテンツ選択情報を受けてこのコンテンツに対応する広告を選択肢として提示するものとすることが出来る。すなわちこのコンテンツにはこの広告をあるいはこれ等の広告群を割り当てる、と言うことが可能になる。また前記広告提示手段は、ユーザーに選択された複数のコンテンツに付いて、一括して広告の選択肢を提示するものとすることが出来る。複数のコンテンツを一括してダウンロードしたり順次ストリーミング再生する場合に、複数の広告はこのコンテンツセットに対して割り当てられる。また前記広告提示手段は、複数の広告をジャンル分けし、このジャンル毎に選択肢として提示するものとすることが出来る。ジャンル分けと言うのは広告を例えば自動車、家電、住宅、保険、日曜雑貨などに分類しておき、その各々に付いて広告の選択肢を提示することを言う。この他1つの製品に付いて異なる見せ方をした3つのバージョンの広告を提示するなどと言うことも行われるようになる。またユーザーが選択する広告の再生順序を自ら決めることが出来るように広告の選択肢を提示することも可能である。なおコンテンツのどの位置で広告を見せるかは任意設計事項である。例えばコンテンツ再生の初めや終わりに一括して広告を再生したり、途中途中に分散させて挿入したり、また分散の場合に広告を再生する間隔を変化させたりすることなどは自由に設計してよい。
【0015】
さて、本願発明の前記広告提示手段は、広告の選択肢に必須選択広告を含めるようにすることが出来る。例えば上述した広告のタイトルを20列挙してこの中から5つを選ぶことを条件とする場合に、5つの内の1つは必須選択品目とし、ユーザーが自由に選択出来るのは5つの内の4つであるとするのである。あまり選択されない広告をユーザーに見てもらうようにするのは広告スポンサーへの配慮であるだけでなく、ユーザーにとっても新たな広告との出会いがあると言う点で貴重である。
【0016】
また本願発明の前記広告提示手段は、選択された広告データを、選択されたコンテンツの終わりにも重複して組み合わせるか否かのを選択肢を提示するようにすることが出来る。ユーザーが自ら選択した広告の満足度は従来の技術には見られないほど高いものであるから、コンテンツの終わりにも重複して見せられても抵抗が少ないか積極的に見たいものであるに違いないのである。このようにしてユーザーの印象に強く残る広告となる。
【0017】
また本願発明の前記広告提示手段は、更にユーザーからのコンテンツ再選択要求を受け付けてユーザーに再度広告の選択肢を提示するようにすることが出来る。なおコンテンツの再生前に広告を組み替えられるようにしたり、コンテンツの再生中に広告を組み替えられるようにするのは設計いかんである。コンテンツの再生中の広告組み替えでは、これまでに見た広告の数を引いた分の広告の選択肢を提示するようにしてもよい。
【0018】
また本願発明の前記広告提示手段は、更にユーザーからのキーワードを受け付けて広告を検索する検索手段を備え、この検索結果の広告を選択肢として提示するようにすることが出来る。キーワードとしては商品名やタレント名などが用いられる。そしてこの検索結果の広告を、広告の選択肢に組み入れたり、必須選択広告と組み合わせたりするのである。
【0019】
また本願発明の前記広告提示手段は、更にユーザーからの広告選択情報を受けて、このユーザーに固有の嗜好情報として記憶装置のユーザー情報記憶領域に記録しておき、後に前記広告提示手段がこのユーザーに複数の広告を選択肢として提示する際には、前記嗜好情報を該当するユーザー領域から読み出して、この嗜好情報にマッチする広告を選択肢に加える嗜好情報処理手段を備えているものとすることが出来る。広告選択情報にはユーザーの嗜好が反映されている。例えばこのユーザーは車に興味がある、好きな俳優は誰それである、ダンスのシーンがある広告ている、などの傾向が分かるため、このユーザーがコンテンツを消費する際にはこの傾向の広告を選んで選択肢に加えるようにする。こうしてユーザーの購買意欲を高めることが出来るのである。
【0020】
また本願発明の前記広告提示手段は、更にユーザーに選択された広告に関連するWWW文書にアクセスし得るようにハイパーリンクを提示するリンク文書出力手段を備えているものとすることが出来る。ユーザーが自ら選んだ見たいと思う広告に関しては、その商品に付いて更に詳しい情報が欲しくなるものである。そのような場合にこの広告に関連して提示されるハイパーリンクを辿らせることで、例えばコンテンツを消費した後の時間をその商品のために費やすように誘導することが出来る。
【0021】
この他、ユーザーからの広告選択情報を受けて広告視聴数の集計を行うようにすれば、広告の視聴率を出すことが出来る。また広告データを全文検索し得るように広告データにキャプションなどの文字情報を付属させるようにすれば、上述したユーザーからのキーワードを受け付けて広告を検索する検索手段にとっては全文検索が可能になるため、的を射た検索結果をユーザーに提供することが出来るようになる。またお勧めの広告名を選択肢に上げるようにしても良い。
【発明の効果】
【0022】
ユーザーのコンピュータで再生される広告付きコンテンツは、コンテンツの再生時に必ず広告を見せるものであるが、この広告に付いて本願発明では、複数の広告を提示してこの中からユーザーが「見てもいい」とする広告をユーザーのコンピュータ上で選択出来るようにした点に最大の特徴を有している。この結果ユーザーにとっては自分が選択した比較的に見たいと思う広告を見ることになるために納得がゆき、広告スポンサーにとってはユーザーの選択に見たくないものも含まれて見られる可能性が高まるために満足が得られ、また良い広告が多く見られると言うことになるため広告制作の質が向上する、と言う効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に述べる実施形態は例示に過ぎず、いろいろなバリエーションを与えることが出来、それ等もまた本願発明の権利範囲内のものである。
【0024】
(第1実施形態)
図1乃至図6はこの発明の第1実施形態を表わすが、これはストリーミングにより動画広告付きのテレビ番組を再送信する配信サーバに関する。図1ではこの配信サーバがCPU10を用いて実現した場合のハードウェア構成で表わされており、図2の広告付きコンテンツ提供部100は下記プログラムをCPU10上で動作させることで実現している。CPU10にはメモリ11、記憶装置であるハードディスク12、インターネットに接続するためのLANカード17、表示装置であるディスプレイ13、入力装置であるキーボード及びマウス14、CD−DVDドライブ15が接続されている。ハードディスク12には、オペレーティングシステム(OS)2、再送信するテレビ番組のコンテンツ提示プログラム20、広告提示プログラム21、適否判定プログラム22、広告付きコンテンツ生成プログラム23、ストリーミング配信プログラム24が記録されている。これ等のプログラムは、CD−DVDドライブ15を介してCD−ROM16からインストールされたものである。
【0025】
図2で表わすように配信サーバ1とクライアントコンピュータ3とはインターネットで接続されている。クライアントコンピュータ3にはディスプレイ30が接続されており、この図では配信サーバ1から送信された広告選択窓5が表示されている。配信サーバ1が図3の処理を実行することで、配信サーバ1とクライアントコンピュータ3との間に図4で表わすような通信が行われる。コンテンツの視聴はこの実施形態ではディスプレイ30に表示されるWWWブラウザで行われるように設計している。配信サーバ1は視聴を希望するユーザーのWWWブラウザに図5で表わすようなコンテンツ選択窓4として現われるWWW文書によるコンテンツリストを送信する。ユーザーがここに表示される品目40の中から希望のものを選んでマウスでクリックすると、視聴要求として品目情報が配信サーバ1に送られる。ここまでは従来技術である。
【0026】
配信サーバ1はユーザーが選択した品目の情報を受信すると(ステップS1)、図6で表わすような広告選択窓5として現われるWWW文書による広告リストを送信する。この例では選択されたコンテンツに予め関連付けられた複数の広告を提示するように設計されているが、この関連付けをしない設計もまた可能である。そこでユーザーがこの品目一覧表50の中から「見たい、あるいは見てもよい」とする広告を画面の指示通り5つ選んでマウスでチェックボックスをチェックする。こうして選択された黒丸付きのものがチェック付き品目51である。そして確認ボタン52をクリックすると、視聴要求として品目情報が配信サーバ1に送られる。配信サーバ1はユーザーが選択した品目の情報を受信すると(ステップS2)、チェック付き品目51は最低5つ選択されているか否かの判定を行い(ステップS3)、適正(YES)の場合には、先にユーザーが選んだテレビ番組の中に、続けて選んだ5つの動画広告を挿入して一連の動画とした広告付きコンテンツをクライアントコンピュータ3にストリーミング配信する(ステップS4)。この広告付きコンテンツがクライアントコンピュータ3でキャッシュされつつ再生される。この実施形態では広告視聴をスキップしたり早送りすることが出来ないように設定している。なお上記でチェック付き品目51が条件に合わず不適正(NO)の場合には、図4では表わしていないが再度選択をやり直して欲しい旨のメッセージを含む品目一覧表50をクライアントコンピュータ3に送信する。ここから分かることは、広告の選択をユーザーに任せているので、同じテレビ番組でもユーザーによって見る広告が異なると言うことである。なお前記広告付きコンテンツはダウンロード方式で送信することも可能である。
【0027】
(第2実施形態)
図7及び図8はこの発明の第2実施形態を表わす。この実施形態の広告選択窓5に表示される品目一覧表の特徴は、多数の品目をジャンル毎にタブで切り替える画面に分けて表示するタブ式品目一覧表53である点、及び必須選択品目54として初めから選択されている点にある。従ってユーザーはタブで切り替えて、画面の指示通り各々の一覧表の中から希望する品目を2つずつ選択する。この例では前記必須選択品目54の2つを含めて合計14が選択されなくては条件に合わないものとしている。ユーザーはこの選択で良ければ確認ボタン52をクリックするが、これにより配信サーバは図8(a)で表わす14つの動画広告を挿入して一連の動画とした広告付きコンテンツを生成する。なおこの図では簡易的に5つの広告7−1〜7−5が本編6の中に挿入されている状態を表わす。ここから分かることは、通常の再生ではユーザーに選択された広告の長さによって全体の長さが変わるとと言うことである。
【0028】
更にこの品目一覧表の特徴は、広告選択窓5の中に「終りにもう一度見る」としたチェックボックス55を設けている点にある。この選択はユーザーの任意であるが、これが選択された場合には配信サーバは図8(b)で表わすように、本編6の終りに前記広告をまとめて追加した広告付きコンテンツを生成する。図では簡易的に5つの広告7−1〜7−5が追加広告として本編6の終りに再度現われる状態を表わしている。
【0029】
(第3実施形態)
図9及び図10はこの発明の第3実施形態を表わす。配信サーバ1の広告付きコンテンツ制御部101では広告付きコンテンツ生成部と差し替え制御部とで広告データとコンテンツとを組み合わせたり組み替えたりの処理を行う。この際に配信サーバ1は、図9で表わすようにインターネットで接続されたクライアントコンピュータ3の広告差し替え部31の広告付きコンテンツ合成部と連係した処理を行う。
【0030】
この実施形態は、広告付きコンテンツ生成部で組み合わしたコンテンツと広告とを一体化させることなく別々にクライアントコンピュータ3にダウンロードさせて、コンテンツ記憶部に別々に記録させるようにしている。これをクライアントコンピュータ3で再生するには、コンテンツと広告とをコンテンツ記憶部から読み出して広告付きコンテンツ合成部で組み合わせて再生する。この際に認証鍵要求部が広告付きコンテンツ制御部101に対して認証鍵の送信を要求し、これを受信して初めて再生することが出来るように設計されている。従って認証鍵を送らなければ、コンテンツ記憶部に記録されている例えば期限切れの広告(従ってコンテンツも)が再生されないようにすることが出来る。そこでこれを再生したいのであれば、クライアントコンピュータ3は現在有効な広告を配信サーバ1からダウンロードしなくてはならない。
【0031】
広告付きコンテンツ生成部は、コンテンツ記憶部に記録されているとコンテンツに現在組み合わされるべきものとされている広告を選び出す。図10で簡略的に表わすようにこの新しい広告7−6〜7−10をクライアントコンピュータ3にダウンロードさせてコンテンツ記憶部に記録させる。クライアントコンピュータ3がコンテンツを再生する際には、広告付きコンテンツ合成部が配信サーバ1の差し替え制御部と連係して、このコンテンツには古い広告7−1〜7−5ではなく新しい広告7−6〜7−10をコンテンツ記憶部から読み出して組み合わせるのである。なおコンテンツ自体に付いても同様に再生期限を設定することが出来る。
【0032】
(第4実施形態)
図11で表わす実施形態は、ユーザーが視聴途中で広告の組み替え要求を出して来た場合に、これに対処出来るような配信サーバの処理に関する。クライアントコンピュータからの広告の組み替え要求を受信したら(ステップS6)、この要求が出されたコンテンツの現在再生位置と、未だ再生されていない広告の数とをチェックして、新たに広告リストを提示して現在再生位置より後に再生される広告の数に見合う数の広告をユーザーに選択させ(ステップS7)、この後の分に付いて広告データの組み替えを行って(ステップS8)、ストリーミング送信を再開させる。
【0033】
(第5実施形態)
図12及び図13はこの発明の第5実施形態を表わす。配信サーバは後述するキャプション取得部102とインデクサ103と記憶装置104とキャプション検索部105とを備える。ここで取り扱う広告データはキャプションデータを有しており、図12で表わすようにこれを配信サーバのキャプション取得部102が広告データから取り出し、このキャプションを検索出来るようにするためにインデクサ103に掛けてインデックス化し、記憶装置104に記録しておく。そして配信サーバはユーザーからキーワードを受けて、キャプション検索部105で記憶装置104のインデックスを検索し、ヒットした広告品目を広告リストに加えてクライアントコンピュータに送信する。
【0034】
ユーザーがこの広告リストの中から希望する品目を所要の数(ここでは10)だけ選択すると、この品目情報を適否判定部で判定して、適正であれば図13で表わすようにクライアントコンピュータのディスプレイの順位変更窓56に選択済み品目一覧表57として表示されるように送信する。そこでユーザーは順位変更の必要があれば、マウスを用いて順位を変えたい広告の品名を選択した後、マウスで順位変更窓56の移動ボタン58の上方矢印または下方矢印をクリックしてその順位を上げたり下げたりの操作を行う。そして確認ボタン59を押すと、決定された新しい順位の品目情報が配信サーバに送信される。これを受けて広告付きコンテンツ生成部はこの順序を守るようにして広告データとコンテンツとを組み合わせる。
【0035】
(第6実施形態)
図14で表わす実施形態は、ユーザーからの広告選択情報を受けてユーザーに固有の嗜好情報を利用したり、広告視聴数の集計を行って言わば広告視聴率を算出しようとするものである。配信サーバは後述する嗜好情報処理部106と広告視聴数集計部107と記憶装置104とリスト合成部108とを備える。ユーザーが前回選択した広告の情報を嗜好情報処理部106で処理し、このユーザーの嗜好を把握してこのユーザー好みの広告品目を記憶装置104に記録しておくと共に、広告視聴数集計部107がこの情報を利用して母集団の広告視聴率を算出する。次に同じユーザーに対して広告提示部が今回提示する広告に、リスト合成部108が記憶装置104に記録してあるこのユーザー好みの広告品目を読み出して追加し、今回提示広告とするのである。
【0036】
(第7実施形態)
図15及び図16はこの発明の第7実施形態を表わす。配信サーバ1はユーザーにコンテンツリストから視聴したい品目を選択させると、直ぐにこの品目の再生画面をクライアントコンピュータに送信するが、この際にディスプレイ30に表示される選択窓8には、この品目の再生用の動画表示窓80と、これから選択させる広告の品目81の一覧表(サムネイル画像付き)とを表示するようにしている。そこでユーザーがこの中から「見たい、あるいは見てもよい」とする広告を画面の指示通り最低1つ選んで、マウスでそのチェックボックスをチェックする。こうして選択された黒丸付きのものがチェック付き品目82である。そして動画表示窓80の中央部に表示されている動画再生ボタン83をマウスでクリックすると、視聴要求と広告の品目情報とが配信サーバに送られる。配信サーバはユーザーが選択した品目の情報を受信すると、所定の条件判定を行い、それが適正である場合には、先にユーザーが選んだ動画コンテンツの最後にこの動画広告を付けて一連の動画とした広告付きコンテンツを、クライアントコンピュータにストリーミング配信する。
【0037】
この実施形態は動画コンテンツの制作者に制作費用の一部でも補助することが出来るようにと考えたものである。複数の広告をユーザーに提示し、ユーザーが広告を選んで視聴すると言う行為に対して広告スポンサーから経済的な価値が付けられる。なおこの実施形態では広告を視聴したユーザーにもポイントが付くようにした。ユーザーに広告が視聴されたら(ステップS9)、このユーザーのアカウントにポイントを加算するが(ステップS10)、更に図示しないリンク文書出力手段が、ユーザーに視聴された広告に関連する文書にユーザーがアクセスし得るように、この文書へのハイパーリンク文書を生成して、広告の再生が終了した動画表示窓80に表示するようにした(ステップS11)。ユーザーが選んで視聴した広告であるから、これに関連するWWW文書を閲覧したいと思う気持ちがユーザーにはあるためである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は動画のみならず、音楽、新聞、マンガ、書籍などのデジタル化されたコンテンツに広く適用可能である。また広告も動画のみならず、静止画や音声・音楽や文字によるものなどを自由に用いてよい。また広告付きコンテンツの提供先はパーソナルコンピュータに限らず、ネットワーク接続が可能なテレビジョン受像器や可搬型情報端末や携帯電話機なども含まれる。またこの発明はコンテンツの販売にも利用することが出来る。すなわち例えばコンテンツのダウンロード前に広告を試聴させ、これによって購入料金を割り引いたり無料にするのである。また広告の選択にも各種の方式が考えられる。例えば複数の広告からなるグループを幾つか用意しておき、一つのグループを選択することで複数の広告を一括選択させる。また月毎に一括して広告を選び、これをその月に視聴する全てのコンテンツにランダムに適用したり、あるいはユーザーに作成させた広告プレイリスト通りに適用する方式も設計可能である。またコンテンツ視聴の途中途中で広告を選択させて次に進めるようにする設計も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】 第1実施形態の配信サーバのハードウェア構成を示す図。
【図2】 ネットワーク構成を示す図。
【図3】 配信サーバの処理を示すフローチャート。
【図4】 配信サーバとクライアントコンピュータとのセッションを示す図。
【図5】 クライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【図6】 クライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【図7】 第2実施形態のクライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【図8】 広告付きコンテンツのタイムラインを示す図。
【図9】 第3実施形態の配信サーバとクライアントコンピュータとのセッションを示す図。
【図10】 広告付きコンテンツのタイムラインを示す図。
【図11】 第4実施形態の配信サーバの処理を示すフローチャート。
【図12】 第5実施形態の説明図。
【図13】 クライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【図14】 第6実施形態の説明図。
【図15】 第7実施形態の配信サーバの処理を示すフローチャート。
【図16】 クライアントコンピュータの表示画面を示す図。
【符号の説明】
【0040】
1 配信サーバ
10 CPU
11 メモリ
12 ハードディスク
13 ディスプレイ
14 キーボード・マウス
15 CD−DVDドライブ
16 CD−ROM
17 LANカード
100広告付きコンテンツ提供部
101広告付きコンテンツ制御部
102キャプション取得部
103インデクサ
104記憶装置
105キャプション検索部
106嗜好情報処理部
107広告視聴数集計部
108リスト合成部
2 OS
20 コンテンツ提示プログラム
21 広告提示プログラム
22 適否判定プログラム
23 広告付きコンテンツ生成プログラム
24 ストリーミング配信プログラム
3 クライアントコンピュータ
30 ディスプレイ
31 広告差し替え部
4 コンテンツ選択窓
40 品目
5 広告選択窓
50 品目一覧表
51 チェック付き品目
52 確認ボタン
53 タブ式品目一覧表
54 必須選択品目
55 チェックボックス
56 順位変更窓
57 選択済み品目一覧表
58 移動ボタン
59 確認ボタン
6 本編
7 広告
8 選択窓
80 動画表示窓
81 品目
82 チェック付き品目
83 動画再生ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットなどのネットワーク上でコンテンツと共に広告データを提供するシステムであって、
ユーザーに複数のコンテンツを選択肢として提示するためのコンテンツ提示手段と、
ユーザーに複数の広告を選択肢として且つ条件付きで提示するための広告提示手段と、
ユーザーからの広告選択情報を受けて前記条件に合う適正な選択が為されたか否かを判定するための適否判定手段と、
選択内容が正しいものである場合に、選択された広告データと選択されたコンテンツとを組み合わせる広告付きコンテンツ生成手段と、
この広告付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信する送信手段と、
を備えている、広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項2】
前記広告提示手段は広告の選択肢に必須選択広告を含めるものである、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項3】
前記広告提示手段は、選択された広告データを、選択されたコンテンツの終わりにも重複して組み合わせるか否かのを選択肢を提示するものである、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項4】
前記広告提示手段は、更にユーザーからのコンテンツ再選択要求を受け付けてユーザーに再度広告の選択肢を提示するものである、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項5】
前記広告提示手段は、更にユーザーからのキーワードを受け付けて広告を検索する検索手段を備え、この検索結果の広告を選択肢として提示するものである、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項6】
更にユーザーからの広告選択情報を受けて、このユーザーに固有の嗜好情報として記憶装置のユーザー情報記憶領域に記録しておき、後に前記広告提示手段がこのユーザーに複数の広告を選択肢として提示する際には、前記嗜好情報を該当するユーザー領域から読み出して、この嗜好情報にマッチする広告を選択肢に加える嗜好情報処理手段を備えている、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項7】
更にユーザーに選択された広告に関連するWWW文書にアクセスし得るようにハイパーリンクを提示するリンク文書出力手段を備えている、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項8】
インターネットなどのネットワーク上でコンテンツと共に広告データを提供する方法であって、
ユーザーに複数のコンテンツを、その中から任意のものが選択可能であるように提示すること、
ユーザーに複数の広告を、その中から任意のものが選択可能であるように且つ条件を付けて提示すること、
ユーザーからの広告選択情報を受けて、前記条件に合う適正な選択が為されたか否かを判定すること、
選択内容が正しいものである場合に、選択された広告データと前記コンテンツとを組み合わせること、
この広告データ付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信すること、
を含む広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項9】
広告の選択肢に必須選択広告を含める、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項10】
選択された広告データを選択されたコンテンツの終わりにも重複して組み合わせるか否かの選択肢をユーザーに提示する、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項11】
更にユーザーからのコンテンツ再選択要求を受け付けて、ユーザーに再度広告の選択肢を提示する、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項12】
更にユーザーからのキーワードを受けて広告を検索し、この検索結果の広告を選択肢として提示する、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項13】
更にユーザーからの広告選択情報を受けて、これをこのユーザーに固有の嗜好情報としてユーザー情報記憶領域に記録しておき、後にこのユーザーに複数の広告を選択肢として提示する際には、前記嗜好情報を該当するユーザー領域から読み出して、この嗜好情報にマッチする広告を選択肢に加える、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項14】
更にユーザーに選択された広告に関連するWWW文書にアクセスし得るようにハイパーリンクを提示する、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項15】
更にユーザーからの広告選択情報を受けて広告視聴数の集計を行う、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項16】
更に広告データを全文検索し得るように広告データにキャプションなどの文字情報を付属させる、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項17】
請求項8〜請求項16の何れか1に記載の広告付きコンテンツの提供方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項18】
請求項8〜請求項16の何れか1に記載の広告付きコンテンツの提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
インターネットなどのネットワーク上でコンテンツと共に広告データを提供するシステムであって、
ユーザーに複数のコンテンツを選択肢として提示するためのコンテンツ提示手段と、
ユーザーに複数の広告を選択肢として且つ条件付きで提示するための広告提示手段と、
ユーザーからの広告選択情報を受けて前記条件に合う適正な選択が為されたか否かを判定するための適否判定手段と、
選択内容が正しいものである場合に、選択された広告データと選択されたコンテンツとを組み合わせる広告付きコンテンツ生成手段と、
この広告付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信する送信手段と、
を備えている、広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項2】
前記広告提示手段は広告の選択肢に必須選択広告を含めるものである、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項3】
前記広告提示手段は、選択された広告データを、選択されたコンテンツの終わりにも重複して組み合わせるか否かのを選択肢を提示するものである、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項4】
前記広告提示手段は、更にユーザーからのコンテンツ再選択要求を受け付けてユーザーに再度広告の選択肢を提示するものである、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項5】
前記広告提示手段は、更にユーザーからのキーワードを受け付けて広告を検索する検索手段を備え、この検索結果の広告を選択肢として提示するものである、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項6】
更にユーザーからの広告選択情報を受けて、このユーザーに固有の嗜好情報として記憶装置のユーザー情報記憶領域に記録しておき、後に前記広告提示手段がこのユーザーに複数の広告を選択肢として提示する際には、前記嗜好情報を該当するユーザー領域から読み出して、この嗜好情報にマッチする広告を選択肢に加える嗜好情報処理手段を備えている、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項7】
更にユーザーに選択された広告に関連するWWW文書にアクセスし得るようにハイパーリンクを提示するリンク文書出力手段を備えている、請求項1に記載の広告付きコンテンツの提供システム。
【請求項8】
インターネットなどのネットワーク上でコンテンツと共に広告データを提供する方法であって、
ユーザーに複数のコンテンツを、その中から任意のものが選択可能であるように提示すること、
ユーザーに複数の広告を、その中から任意のものが選択可能であるように且つ条件を付けて提示すること、
ユーザーからの広告選択情報を受けて、前記条件に合う適正な選択が為されたか否かを判定すること、
選択内容が正しいものである場合に、選択された広告データと前記コンテンツとを組み合わせること、
この広告データ付きコンテンツをユーザーのコンピュータへ送信すること、
を含む広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項9】
広告の選択肢に必須選択広告を含める、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項10】
選択された広告データを選択されたコンテンツの終わりにも重複して組み合わせるか否かの選択肢をユーザーに提示する、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項11】
更にユーザーからのコンテンツ再選択要求を受け付けて、ユーザーに再度広告の選択肢を提示する、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項12】
更にユーザーからのキーワードを受けて広告を検索し、この検索結果の広告を選択肢として提示する、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項13】
更にユーザーからの広告選択情報を受けて、これをこのユーザーに固有の嗜好情報としてユーザー情報記憶領域に記録しておき、後にこのユーザーに複数の広告を選択肢として提示する際には、前記嗜好情報を該当するユーザー領域から読み出して、この嗜好情報にマッチする広告を選択肢に加える、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項14】
更にユーザーに選択された広告に関連するWWW文書にアクセスし得るようにハイパーリンクを提示する、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項15】
更にユーザーからの広告選択情報を受けて広告視聴数の集計を行う、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項16】
更に広告データを全文検索し得るように広告データにキャプションなどの文字情報を付属させる、請求項8に記載の広告付きコンテンツの提供方法。
【請求項17】
請求項8〜請求項16の何れか1に記載の広告付きコンテンツの提供方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項18】
請求項8〜請求項16の何れか1に記載の広告付きコンテンツの提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−243161(P2008−243161A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110982(P2007−110982)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(390010283)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(390010283)
【Fターム(参考)】
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