広帯域アンテナ装置
【課題】無指向性を有すると共に軽量・小型な広帯域アンテナ装置を提供する。
【解決手段】鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部13と、該略楕円面部13の水平方向長軸の一円弧端部13aから下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部12と、を有する4枚のアンテナ素子11を、一円弧端部13aに接近する一鉛直軸心Cを中心としての90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成したものである。
【解決手段】鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部13と、該略楕円面部13の水平方向長軸の一円弧端部13aから下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部12と、を有する4枚のアンテナ素子11を、一円弧端部13aに接近する一鉛直軸心Cを中心としての90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅向けテレビ用のアンテナは、一方向に強く指向性を有する八木アンテナが、住宅の屋根上に設置されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−122954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、八木アンテナは、一方向に強く指向性を有するものであるため、アンテナの設置作業の際に、方向や高さを正確に精度良く行う専門的な技術作業が必要といった問題や、大きく嵩張るため高所での作業が容易でなく時間や手間、施工費用がかかるといった問題があった。
また、アンテナは、受信状態の良い屋根上の目立つ場所に設置されるが、大型で骨組みのような八木アンテナは、洗練された住宅デザインを損なわせてしまうといった問題があった。
さらに、テレビ放送用の電波は一般的に水平偏波であり、異なる方向に放送局がある場合は複数のアンテナを設置する必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、特に水平偏波に対する無指向性を有すると共に軽量・小型な広帯域アンテナ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の広帯域アンテナ装置は、鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部と、該略楕円面部の水平方向長軸の一円弧端部から下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部と、を有する4枚のアンテナ素子を、上記一円弧端部に接近する一鉛直軸心を中心としての90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成したものである。
また、上記アンテナ素子を非導電性の基板に貼設し、上記一鉛直軸心に関して線対称状の一対のアンテナ素子の上記略楕円面部の上記一鉛直軸心から最も離れた最外円弧端部間の長さ寸法を、エレメント長さ寸法とすると、上記エレメント長さ寸法を、電気長で、適用周波数の最低周波数の波長の0.45倍以上0.65倍以下に設定したものである。
また、上記略楕円面部の短軸寸法を、該略楕円面部の長軸寸法の18%以上47%以下に設定したものである。
【0007】
また、上記一鉛直軸心を中心として回転方向に隣り合う一対の上記アンテナ素子を第1リード線で接続すると共に、他の一対の上記アンテナ素子を第2リード線で接続して、上記第1リード線の給電リード部と上記第2リード線の給電リード部を同等のリード長さ寸法に形成すると共に、上記第1リード線の上記給電リード部と第2リード線の給電リード部とを平行に配設した平行部を形成し、上記平行部の平行部長さ寸法を、上記リード長さ寸法の80%以上に設定したものである。
【0008】
また、上記一鉛直軸心を中心として回転方向に隣り合う一対の上記アンテナ素子を第1リード線で接続すると共に、他の一対の上記アンテナ素子を第2リード線で接続して、上記第1リード線の給電リード部と上記第2リード線の給電リード部を同等のリード長さ寸法に形成し、上記リード長さ寸法は、電気長で、適用周波数範囲の中心周波数の波長の、0.16倍以上0.32倍以下に設定されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、何れの方向からの電波も均一に受信でき(無指向性の特性が得られ)、アンテナ装置の設置方向を電波塔や送信所等の方向に調整する必要がなく、容易かつ迅速に設置作業を行うことができる。つまり、設置作業を簡略化できる。小型で、屋根の上から大きく突出することがなく、目立たず、住宅の意匠性(美観)を損なわずに、しかも、小スペースに設置できる。軽量で、搬送や設置作業を容易に行うことができる。広い範囲の周波数帯を受信でき、例えば、地上デジタルテレビ用の広範囲の周波数帯全域をカバー(受信)する広帯域特性を有するアンテナが得られる。住宅の向きや住宅が建てられる場所を考慮する必要がないので、住宅の設計段階でアンテナ装置の配置を決定でき、住宅全体の意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】実施の一形態を示す平面図である。
【図3】実施の一形態を示す正面図である。
【図4】要部拡大図であり、(a)は要部拡大正面図であり、(b)は要部拡大右側面図であり、(c)は要部拡大背面図であり、(d)は要部拡大左側面図である。
【図5】第1・第2リード線を説明する説明図であり、(a)は給電リード部を説明する説明図であり、(b)は平行部を説明する説明図である。
【図6】第1アンテナ部材の一例を示す正面図である。
【図7】第2アンテナ部材の一例を示す側面図である。
【図8】VSWR特性を示すグラフ図である。
【図9】測定結果を表として示す図である。
【図10】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図11】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図12】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図13】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図14】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図15】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図16】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図17】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図18】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
図1に於て、本発明の広帯域アンテナ装置の実施の一形態は、鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部13と、鉛直面上に配設され略楕円面部13の水平方向長軸S1の一円弧端部13aから下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部12と、を有する1枚の導電性材料から成る薄片面状のアンテナ素子11を、4枚備えている。
【0012】
そして、4枚のアンテナ素子11,11,11,11を、一円弧端部13aに接近する一鉛直軸心Cを中心として、図1及び図2に示すように、90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成している。
【0013】
また、図3に示すように、アンテナ素子11の略楕円面部13は、鉛直方向短軸S2に沿った短軸寸法Hbを、水平方向長軸S1に沿った長軸寸法Lbの18%以上47%以下に設定している。好ましくは、短軸寸法Hbを長軸寸法Lbの20%以上35%以下とする。より好ましくは、30%以上35%以下とする。なお、本発明に於て「横細長状の略楕円面部13」とは、短軸寸法Hbが長軸寸法Lbの47%以下の略楕円形状を言う。また、上記の下限値未満であると広帯域を十分に受信できなくなり、上記の上限値を越えると広帯域を十分に受信できなくなると共に小型化が困難である。
【0014】
アンテナ素子11の脚部12は、下方に次第に幅寸法Wが増加する下方拡幅形状である。一鉛直軸心C寄りに(接近して)配設される脚部12の内側端縁12aは、一鉛直軸心Cとの間に微小間隙をもって一鉛直軸心Cに平行な直線状に形成されている。また、脚部12の外側端縁12bは、大きな曲率半径の凹状円弧形に形成されている。
脚部12は、略楕円面部13の(二点鎖線で示す仮想曲線である)一円弧端部13aに接する接線方向から、略直角三角形状の脚部12の上端部(内端部)12cが接合して、接合部を形成している。
【0015】
また、脚部12の下端縁部12dから略楕円面部13の下端円弧縁部13dまでの脚突出寸法Hcは、短軸寸法Hbの5%以上25%以下に設定している。好ましくは、短軸寸法Hbの10%以上20%以下であり、より好ましくは、短軸寸法Hbの14%以上20%以下に設定している。なお、短軸寸法Hbの14%以上16%以下とするも良い。
【0016】
ここで、図2に示すように、一鉛直軸心Cを中心として矢印Nの回転方向(平面視反時計廻り方向N)に配設される4枚のアンテナ素子11,11,11,11を、順次、第1アンテナ素子11a、第2アンテナ素子11b、第3アンテナ素子11c、第4アンテナ素子11dと呼ぶ。
図3及び図4(a)に二点鎖線で示すように、第1アンテナ素子11a(の脚部12)に同軸ケーブル9の内部導体9aを接続し、第3アンテナ素子11c(の脚部12)に同軸ケーブル9の外部導体9bを接続している。
言い換えると、一鉛直軸心Cを挟んで隣り合う(180度回転対称状の)一対のアンテナ素子11,11の内、一方のアンテナ素子11に同軸ケーブル(給電線)9の内部導体9aと接続し、他方のアンテナ素子11に外部導体9bを接続している。なお、図1及び図4(b)〜(d)に於て、同軸ケーブル9は図示省略している。
【0017】
また、図4(a)〜(d)に示すように、第1アンテナ素子11aに第1リード線81の一端側81aを接続し、第2アンテナ素子11bに第1リード線81の他端側81bを接続している。また、第3アンテナ素子11cに第2リード線82の一端側82aを接続し、第4アンテナ素子11dに第2リード線82の他端側82bを接続している。言い換えると、一鉛直軸心Cを中心として回転方向に隣り合う一対のアンテナ素子11,11(の脚部12,12)を第1リード線81で接続すると共に、他の一対のアンテナ素子11,11(の脚部12,12)を第2リード線82で接続している。
【0018】
図5に示すように、第1リード線81と第2リード線82は、同形状であって、両端部は、絶縁被覆部が剥離され導体が露出されている。露出した導体がアンテナ素子11の脚部12の給電点にハンダ等で電気的に接続される。そして、アンテナ素子11に導体が直接に接触していない絶縁被覆部に相当する部位が給電リード部81d,82dである。第1リード線81の給電リード部81dと、第2リード線82の給電リード部82dと、は、リード長さ寸法Taが同等に形成されている。
【0019】
図5(b)に示すように、第1リード線81と第2リード線82との絶縁被覆部が相互に密着して平行状態が維持される平行部80を形成している。平行部80の平行部長さ寸法Tbをリード長さ寸法Taの80%以上としている。
また、リード長さ寸法Taは、電気長に換算すると、適用周波数範囲の中心周波数の波長λaの、0.16倍以上0.32倍以下に設定している。より好ましくは、上記中心周波数の波長λaの0.18倍以上0.27倍以下に設定する。この下限値未満、又は、この上限値を越えると、様々な方向からの電波を均一に受信することが困難である。
【0020】
言い換えると、第1リード線81と第2リード線82を有する2芯平行線(平行リード線)8を備えている。その2芯平行線8を所定長さに切断し、両端の絶縁被覆部を剥離して導体を露出させると共に給電リード部(絶縁被覆部)81d,82dが上記リード長さ寸法Taとなるように残存させている。また、両端を長手方向に沿って割いてY字状部を形成し、中間部を平行部80とすると共にその平行部長さ寸法Tbをリード長さ寸法Taの80%以上となるように残存させている。
【0021】
また、図6及び図7に示すように、アンテナ素子11は、薄板状かつ横細長矩形状(長方形状)の基板Kに貼設(貼着)している。1枚の鉛直面状の基板Kに、2枚のアンテナ素子11,11を一鉛直軸心Cに関して線対称状に配設している。
一鉛直軸心Cを挟んで向かいあう一方の脚部12の内側端縁12aと他方の脚部12の内側端縁12aの間隔寸法は、基板K及びアンテナ素子11の厚みの和(第1・第2アンテナ部材1,2の厚み寸法)より大きく形成されている。
【0022】
具体的には、図6に示すように、第1アンテナ素子11aと第3アンテナ素子11cとを基板Kに正面視で一鉛直軸心Cに関して線対称状に貼設して第1アンテナ部材1を形成している。一鉛直軸心Cに沿って、第1アンテナ部材1の上縁1aから中央部(高さ寸法Haの略2分の1)まで差込スリット19を形成している。
また、図7に示すように、第2アンテナ素子11bと第4アンテナ素子11dとを基板Kに側面視で一鉛直軸心Cに関して線対称状に基板Kに貼設して第2アンテナ部材2を形成している。一鉛直軸心Cに沿って、脚部12と脚部12の間に、第2アンテナ部材2の下縁2bから中央部(高さ寸法Haの略2分の1)まで差込スリット29を形成している。
そして、第1アンテナ部材1の差込スリット19の上方から第2アンテナ部材2の差込スリット29を差し込んで固着し、図1に示すように、第1アンテナ部材1と第2アンテナ部材2とが互いに直交して平面視十字状となるアンテナ装置を形成している。つまり、一枚の基板Kには、一鉛直軸心Cを挟んで隣り合う180度回転対称状の一対のアンテナ素子11,11を貼設している。
【0023】
図6及び図7に於て、1枚の基板K上に貼設された一対のアンテナ素子1,1の内、一鉛直軸心Cから最も離れた最外円弧端部(他円弧端部)13b,13bの長さ寸法をエレメント長さ寸法Laと呼ぶと、エレメント長さ寸法Laは、電気長にすると、適用周波数範囲の最低周波数の波長λbの0.45倍以上0.65倍以下に設定している。好ましくは、0.5倍以上0.55倍以下に設定する。より好ましくは0.52倍以上0.54倍以下に設定する。
【0024】
長軸寸法Lbは、エレメント長さ寸法Laの40%以上49.5%以下に設定している。より好ましくは、エレメント長さ寸法Laの47%以上49.5%以下に設定する。言い換えると、エレメント長さ寸法Laは、長軸寸法Lbの2.02倍以上2.5倍以下に設定している。より好ましくは、長軸寸法Lbの2.02倍以上2.13倍以下に設定している。
また、短軸寸法Hbと脚突出寸法Hcの和がエレメント高さ寸法Haである。なお、エレメント長さ寸法Laは、基板Kの長さ寸法、又は、第1・第2アンテナ部材1,2の長さ寸法でもある。エレメント高さ寸法Haは、基板Kの高さ寸法、又は、第1・第2アンテナ部材1,2の高さ寸法でもある。
【0025】
非導電性の基板Kの材質としては、ガラスエポキシ基板、樹脂シート(フィルム)、ガラス、電子基板等、(非金属の)絶縁物であれば良く、視認性の面からは、透明乃至半透明のものでもよい。基板Kの厚み寸法は、1mm以上2mm以下であり、好ましくは、1.2mm以上1.8mm以下である。
【0026】
また、アンテナ素子11の材質としては、固有抵抗が小さい(導電率が高い)ものであって、例えば、100μm以下の金属製薄板(金属箔)、金属メッシュ材(網板)、金属膜、透明導電膜、金属半透明膜、導電塗料膜等である。金属製薄板としては、Cu、Al、Ag、Au等である。金属膜としては、Au、Ag、Cu、Al、Pd、Pt等、又は、これらを含む合金である。透明導電膜としては、基板Kに、ITO、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ、電着等で基板K上に成膜されるものである。金属半透明膜としては、Ag−Cu、Ag−Pd、Ni−Au等である。金属塗料膜としては、金属ペーストやカーボンペーストを用いて、スクリーン印刷、ロールコーティング、転写等で基板K上に成膜されるものである。
【0027】
次に、本発明のアンテナ装置の作用(使用方法)について説明する。
アンテナ素子11が略楕円面部13を備えているので、安定して広い周波数帯域に於て、優秀なVSWR特性(電圧定在波比)が得られる。また、略楕円面部13を水平方向に横細長状とすることで、アンテナ装置全体の高さ寸法が低くなる。また、脚部12によって、特性インピーダンスが徐々に変化する広帯域のインピーダンスの整合回路を構成し、十分に広い周波数帯域に対応可能となる。また、脚部12によって基板Kの差込スリット29の縁部が補強される。つまり、脚部12は、インピーダンス整合用及び補強用と言える。
【0028】
広帯域の周波数を受信可能な第1アンテナ部材1と広帯域の周波数を受信可能な第2アンテナ部材2と、を直交させることで、何れの方向からの電波も均一かつ広い周波数帯で受信可能な無指向性の特性が得られる。
【0029】
また、第1・第2リード線81,82に平行部80を設け、平行部80がリード長さ寸法Taの80%以上維持されたまま、アンテナ素子11と接続されることで、受信への悪影響を防止し、安定した受信感度が得られると共に、高品質なアンテナ装置が得られる。
【0030】
また、アンテナ素子11を基板Kに貼設することで、物理長(エレメント長さ寸法La)を、電気長より短くできる。例えば、基板Kがガラスエポキシ製(実効比誘電率が2.8)であれば、物理長は、電気長の略60%程度であればよく、アンテナ装置全体をより小型・軽量にする。
また、第1・第2リード線81,82の絶縁被覆部によって、物理長(リード長さ寸法Ta)を、短くできる。例えは、絶縁被覆部の実効比誘電率が2.36であれば、物理長は、所望の電気長の略65%程度であればよく、アンテナ装置全体の一層の小型・軽量化を図り得る。
【0031】
次に、図8〜図18に示される測定データは、アンテナ素子11が略0.035mmの銅製であり、基板Kがガラスエポキシ(比誘電率は4.6、実効比誘電率は2.8)である。エレメント長さ寸法Laは、物理長であり、電気長は物理長を約1.67倍にした数値である。
また、2芯平行線8は、内部導体の直径が1mm、導体中心間距離が1.9mm、絶縁体占積率が0.686、実効比誘電率が2.36であって、リード長さ寸法Taは物理長であり、電気長は物理長を約1.54倍した数値である。
【0032】
図8に於て、地上波デジタルテレビ用の周波数帯域である470MHz〜710MHzといった広い周波数帯域(広帯域)に対して、エレメント長さ寸法LaとVSWRとの関係を示している。図8から明らかなように、適用周波数範囲(470MHz〜710MHz)において、VSWR値が2以下となっており、広い周波数帯を受信可能な広帯域アンテナであることが明らかである。
特に、電気長にすると、適用周波数範囲の最低周波数(470MHz)の波長λbの0.52倍以上0.65倍以上のもの(物理長がLa=220mm、225mm、250mmのもの)が、最低周波数で優れていることが分かる。
また、小型という面では、上記最低周波数の波長λbの0.5倍以上0.55倍以下のもの(物理長がLa=210mm、220mm、225mmのもの)が優れていることが分かる。
即ち、上記最低周波数の波長λbの0.52倍以上0.55倍以下のもの(物理長がLa=220mm、225mmのもの)が非常に優秀であることが分かる。
【0033】
図8の測定結果は、図1に示したアンテナ装置を、それぞれ
(イ)La=210mm,Lb=100mm,Hb=25mm,Hc=5mm,Ta=75mmとしたもの、
(ロ)La=225mm,Lb=107.5mm,Hb=25mm,Hc=5mm,Ta=75mmとしたもの、
(ハ)La=220mm,Lb=105mm,Hb=35mm,Hc=5mm,Ta=75mmとしたもの、
(二)La=250mm,Lb=122.5mm,Hb=25mm,Hc=5mm,Ta=75mmとしたもの、
について、VSWR特性を測定したものである。
【0034】
次に、エレメント長さ寸法Laと、短軸寸法Hbと、リード長さ寸法Taが異なる本発明に係るアンテナ装置を30種類(図9参照)製作し、水平偏波で各方向からの利得を各々測定した。なお、脚突出寸法Hcは全て5mmである。
測定結果をまとめた図9に於て、利得の平均(Gave)、利得の最大値(Gmax)、利得の最小値(Gmin)、利得の最大差(Gmax−Gmin)から明らかなように、十分な利得が得られている。なお、単位はdBiとする。
また、図9に示した30種類の内、9種類の指向性・利得の測定結果を、夫々、図10〜図18に示す。470MHz〜710MHzの広帯域で優秀な無指向性を示していることが明らかである。なお、図10〜図18に示した以外(残り21種類)についても同様に無指向性が得られた。
【0035】
図9に於て、短軸寸法Hbを長軸寸法Lbの30%以上35%以下とした、エレメント長さ寸法Laが220mm(長軸寸法Lbが105mm)、短軸寸法Hbが35mmに設定されているものは、他に比べて利得の平均値(Gave)が−5以上、かつ、利得の最大差(Gmax−Gmin)が8以下のものが多く含まれ、より優れていることが分かる。言い換えると、エレメント長さ寸法Laを、電気長で、適用周波数範囲の最低周波数の波長λbの0.52倍以上0.54倍以下に設定したものがより優れているとも言える。また、小型という面で、短軸寸法Hbを長軸寸法Lbの20%以上35%以下にしたものが優れている。
【0036】
さらに、エレメント長さ寸法Laが220mm、短軸寸法Hbが35mmに設定されているものの内、リード長さ寸法Taを、電気長で、適用周波数範囲(470MHz〜710MHz)の中心周波数(590MHz)の波長λaの0.18倍以上0.27倍以下に設定したもの、即ち、物理長が、Ta=65、75、85、のもの(図15〜図17参照)は、利得の平均値が−5以上、かつ、利得の最大差が8以下を満たし非常に優れていることが分かる。
【0037】
なお、本発明は、設計変更可能であって、図示省略するが、第1アンテナ素子11aと第4アンテナ素子11dを第1リード線81で接続し、第2アンテナ素子11bと第3アンテナ素子11cを第2リード線82で接続するも良い。
また、接続方法はハンダ付けの他、リード線に圧着端子をつけたものをネジ止めするなど、従来の接続方法を適用してもよい。
また、「貼着又は貼設」とは、基板Kの外面に接着剤、粘着剤、粘着テープ(シート)材等で取着した場合、アンテナ素子11を2枚の基板Kの間に挟設・挟着させる場合、焼き付けての積層、転写、蒸着、塗装、成膜、電着、を包括している。
【0038】
なお、本発明のアンテナは、図示省略するが、屋外用として一般的な防水ケースに収納して使用してもよい。
【0039】
以上のように、本発明の広帯域アンテナ装置は、鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部13と、略楕円面部13の水平方向長軸S1の一円弧端部13aから下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部12と、を有する4枚のアンテナ素子11を、一円弧端部13aに接近する一鉛直軸心Cを中心としての90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成したので何れの方向からの電波も均一に受信でき(特に水平偏波に対する無指向性の特性が得られ)、アンテナ装置の設置方向を電波塔や送信所等の方向に調整する必要がなく、容易かつ迅速に設置作業を行うことができる。つまり、設置作業を簡略化できる。小型で、屋根の上から大きく突出することがなく、目立たず、住宅の意匠性(美観)を損なわずに、しかも、小スペースに設置できる。軽量で、搬送や設置作業を容易に行うことができる。広い範囲の周波数帯を受信でき、例えば、地上デジタルテレビ用の広範囲の周波数帯全域をカバー(受信)する広帯域特性を有するアンテナ装置が得られる。住宅の向きや住宅が建てられる場所を考慮する必要がないので、住宅の設計段階でアンテナ装置の配置を決定でき、住宅全体の意匠性を高めることができる。
【0040】
また、アンテナ素子11,11を非導電性の基板Kに貼設し、一鉛直軸心Cに関して線対称状の一対のアンテナ素子11,11の略楕円面部13,13の一鉛直軸心Cから最も離れた最外円弧端部13b,13b間の長さ寸法を、エレメント長さ寸法Laとすると、エレメント長さ寸法Laを、電気長で、適用周波数の最低周波数の波長λbの0.45倍以上0.65倍以下に設定したので、広い周波数帯域で、優れたVSWR特性が得られる。確実に広い範囲の周波数を受信できる。
【0041】
また、略楕円面部13の短軸寸法Hbを、略楕円面部13の長軸寸法Lbの18%以上47%以下に設定したので、広帯域の周波数を受信でき、かつ、アンテナ装置全体をより低くできる。低重心のアンテナ装置が得られ、姿勢が安定しやすく設置作業等を容易に行うことができる。
【0042】
また、一鉛直軸心Cを中心として回転方向に隣り合う一対のアンテナ素子11,11を第1リード線81で接続すると共に、他の一対のアンテナ素子11,11を第2リード線82で接続して、第1リード線81の給電リード部81dと第2リード線82の給電リード部82dを同等のリード長さ寸法Taに形成すると共に、第1リード線81の給電リード部81dと第2リード線82の給電リード部82dとを平行に配設した平行部80を形成し、平行部80の平行部長さ寸法Tbを、リード長さ寸法Taの80%以上に設定したので、より安定してより精度良く電波を受信できる。
【0043】
また、一鉛直軸心Cを中心として回転方向に隣り合う一対のアンテナ素子11,11を第1リード線81で接続すると共に、他の一対のアンテナ素子11,11を第2リード線82で接続して、第1リード線81の給電リード部81dと第2リード線82の給電リード部82dを同等のリード長さ寸法Taに形成し、リード長さ寸法Taは、電気長で、適用周波数範囲の中心周波数の波長λaの、0.16倍以上0.32倍以下に設定されているので、様々な方向からの電波に対して、優れた利得が均一に、かつ、安定して得られる。受信方向毎に利得のバラつきがより少ない高精度の無指向性アンテナ装置が得られる。
【符号の説明】
【0044】
11 アンテナ素子
12 脚部
13 略楕円面部
13a 一円弧端部
13b 最外円弧端部
80 平行部
81 第1リード線
81d 給電リード部
82 第2リード線
82d 給電リード部
C 一鉛直軸心
Hb 短軸寸法
La エレメント長さ寸法
Lb 長軸寸法
S1 水平方向長軸
Ta リード長さ寸法
Tb 平行部長さ寸法
λa 中心周波数の波長
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅向けテレビ用のアンテナは、一方向に強く指向性を有する八木アンテナが、住宅の屋根上に設置されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−122954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、八木アンテナは、一方向に強く指向性を有するものであるため、アンテナの設置作業の際に、方向や高さを正確に精度良く行う専門的な技術作業が必要といった問題や、大きく嵩張るため高所での作業が容易でなく時間や手間、施工費用がかかるといった問題があった。
また、アンテナは、受信状態の良い屋根上の目立つ場所に設置されるが、大型で骨組みのような八木アンテナは、洗練された住宅デザインを損なわせてしまうといった問題があった。
さらに、テレビ放送用の電波は一般的に水平偏波であり、異なる方向に放送局がある場合は複数のアンテナを設置する必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、特に水平偏波に対する無指向性を有すると共に軽量・小型な広帯域アンテナ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の広帯域アンテナ装置は、鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部と、該略楕円面部の水平方向長軸の一円弧端部から下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部と、を有する4枚のアンテナ素子を、上記一円弧端部に接近する一鉛直軸心を中心としての90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成したものである。
また、上記アンテナ素子を非導電性の基板に貼設し、上記一鉛直軸心に関して線対称状の一対のアンテナ素子の上記略楕円面部の上記一鉛直軸心から最も離れた最外円弧端部間の長さ寸法を、エレメント長さ寸法とすると、上記エレメント長さ寸法を、電気長で、適用周波数の最低周波数の波長の0.45倍以上0.65倍以下に設定したものである。
また、上記略楕円面部の短軸寸法を、該略楕円面部の長軸寸法の18%以上47%以下に設定したものである。
【0007】
また、上記一鉛直軸心を中心として回転方向に隣り合う一対の上記アンテナ素子を第1リード線で接続すると共に、他の一対の上記アンテナ素子を第2リード線で接続して、上記第1リード線の給電リード部と上記第2リード線の給電リード部を同等のリード長さ寸法に形成すると共に、上記第1リード線の上記給電リード部と第2リード線の給電リード部とを平行に配設した平行部を形成し、上記平行部の平行部長さ寸法を、上記リード長さ寸法の80%以上に設定したものである。
【0008】
また、上記一鉛直軸心を中心として回転方向に隣り合う一対の上記アンテナ素子を第1リード線で接続すると共に、他の一対の上記アンテナ素子を第2リード線で接続して、上記第1リード線の給電リード部と上記第2リード線の給電リード部を同等のリード長さ寸法に形成し、上記リード長さ寸法は、電気長で、適用周波数範囲の中心周波数の波長の、0.16倍以上0.32倍以下に設定されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、何れの方向からの電波も均一に受信でき(無指向性の特性が得られ)、アンテナ装置の設置方向を電波塔や送信所等の方向に調整する必要がなく、容易かつ迅速に設置作業を行うことができる。つまり、設置作業を簡略化できる。小型で、屋根の上から大きく突出することがなく、目立たず、住宅の意匠性(美観)を損なわずに、しかも、小スペースに設置できる。軽量で、搬送や設置作業を容易に行うことができる。広い範囲の周波数帯を受信でき、例えば、地上デジタルテレビ用の広範囲の周波数帯全域をカバー(受信)する広帯域特性を有するアンテナが得られる。住宅の向きや住宅が建てられる場所を考慮する必要がないので、住宅の設計段階でアンテナ装置の配置を決定でき、住宅全体の意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】実施の一形態を示す平面図である。
【図3】実施の一形態を示す正面図である。
【図4】要部拡大図であり、(a)は要部拡大正面図であり、(b)は要部拡大右側面図であり、(c)は要部拡大背面図であり、(d)は要部拡大左側面図である。
【図5】第1・第2リード線を説明する説明図であり、(a)は給電リード部を説明する説明図であり、(b)は平行部を説明する説明図である。
【図6】第1アンテナ部材の一例を示す正面図である。
【図7】第2アンテナ部材の一例を示す側面図である。
【図8】VSWR特性を示すグラフ図である。
【図9】測定結果を表として示す図である。
【図10】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図11】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図12】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図13】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図14】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図15】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図16】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図17】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【図18】指向性・利得特性の測定結果を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
図1に於て、本発明の広帯域アンテナ装置の実施の一形態は、鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部13と、鉛直面上に配設され略楕円面部13の水平方向長軸S1の一円弧端部13aから下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部12と、を有する1枚の導電性材料から成る薄片面状のアンテナ素子11を、4枚備えている。
【0012】
そして、4枚のアンテナ素子11,11,11,11を、一円弧端部13aに接近する一鉛直軸心Cを中心として、図1及び図2に示すように、90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成している。
【0013】
また、図3に示すように、アンテナ素子11の略楕円面部13は、鉛直方向短軸S2に沿った短軸寸法Hbを、水平方向長軸S1に沿った長軸寸法Lbの18%以上47%以下に設定している。好ましくは、短軸寸法Hbを長軸寸法Lbの20%以上35%以下とする。より好ましくは、30%以上35%以下とする。なお、本発明に於て「横細長状の略楕円面部13」とは、短軸寸法Hbが長軸寸法Lbの47%以下の略楕円形状を言う。また、上記の下限値未満であると広帯域を十分に受信できなくなり、上記の上限値を越えると広帯域を十分に受信できなくなると共に小型化が困難である。
【0014】
アンテナ素子11の脚部12は、下方に次第に幅寸法Wが増加する下方拡幅形状である。一鉛直軸心C寄りに(接近して)配設される脚部12の内側端縁12aは、一鉛直軸心Cとの間に微小間隙をもって一鉛直軸心Cに平行な直線状に形成されている。また、脚部12の外側端縁12bは、大きな曲率半径の凹状円弧形に形成されている。
脚部12は、略楕円面部13の(二点鎖線で示す仮想曲線である)一円弧端部13aに接する接線方向から、略直角三角形状の脚部12の上端部(内端部)12cが接合して、接合部を形成している。
【0015】
また、脚部12の下端縁部12dから略楕円面部13の下端円弧縁部13dまでの脚突出寸法Hcは、短軸寸法Hbの5%以上25%以下に設定している。好ましくは、短軸寸法Hbの10%以上20%以下であり、より好ましくは、短軸寸法Hbの14%以上20%以下に設定している。なお、短軸寸法Hbの14%以上16%以下とするも良い。
【0016】
ここで、図2に示すように、一鉛直軸心Cを中心として矢印Nの回転方向(平面視反時計廻り方向N)に配設される4枚のアンテナ素子11,11,11,11を、順次、第1アンテナ素子11a、第2アンテナ素子11b、第3アンテナ素子11c、第4アンテナ素子11dと呼ぶ。
図3及び図4(a)に二点鎖線で示すように、第1アンテナ素子11a(の脚部12)に同軸ケーブル9の内部導体9aを接続し、第3アンテナ素子11c(の脚部12)に同軸ケーブル9の外部導体9bを接続している。
言い換えると、一鉛直軸心Cを挟んで隣り合う(180度回転対称状の)一対のアンテナ素子11,11の内、一方のアンテナ素子11に同軸ケーブル(給電線)9の内部導体9aと接続し、他方のアンテナ素子11に外部導体9bを接続している。なお、図1及び図4(b)〜(d)に於て、同軸ケーブル9は図示省略している。
【0017】
また、図4(a)〜(d)に示すように、第1アンテナ素子11aに第1リード線81の一端側81aを接続し、第2アンテナ素子11bに第1リード線81の他端側81bを接続している。また、第3アンテナ素子11cに第2リード線82の一端側82aを接続し、第4アンテナ素子11dに第2リード線82の他端側82bを接続している。言い換えると、一鉛直軸心Cを中心として回転方向に隣り合う一対のアンテナ素子11,11(の脚部12,12)を第1リード線81で接続すると共に、他の一対のアンテナ素子11,11(の脚部12,12)を第2リード線82で接続している。
【0018】
図5に示すように、第1リード線81と第2リード線82は、同形状であって、両端部は、絶縁被覆部が剥離され導体が露出されている。露出した導体がアンテナ素子11の脚部12の給電点にハンダ等で電気的に接続される。そして、アンテナ素子11に導体が直接に接触していない絶縁被覆部に相当する部位が給電リード部81d,82dである。第1リード線81の給電リード部81dと、第2リード線82の給電リード部82dと、は、リード長さ寸法Taが同等に形成されている。
【0019】
図5(b)に示すように、第1リード線81と第2リード線82との絶縁被覆部が相互に密着して平行状態が維持される平行部80を形成している。平行部80の平行部長さ寸法Tbをリード長さ寸法Taの80%以上としている。
また、リード長さ寸法Taは、電気長に換算すると、適用周波数範囲の中心周波数の波長λaの、0.16倍以上0.32倍以下に設定している。より好ましくは、上記中心周波数の波長λaの0.18倍以上0.27倍以下に設定する。この下限値未満、又は、この上限値を越えると、様々な方向からの電波を均一に受信することが困難である。
【0020】
言い換えると、第1リード線81と第2リード線82を有する2芯平行線(平行リード線)8を備えている。その2芯平行線8を所定長さに切断し、両端の絶縁被覆部を剥離して導体を露出させると共に給電リード部(絶縁被覆部)81d,82dが上記リード長さ寸法Taとなるように残存させている。また、両端を長手方向に沿って割いてY字状部を形成し、中間部を平行部80とすると共にその平行部長さ寸法Tbをリード長さ寸法Taの80%以上となるように残存させている。
【0021】
また、図6及び図7に示すように、アンテナ素子11は、薄板状かつ横細長矩形状(長方形状)の基板Kに貼設(貼着)している。1枚の鉛直面状の基板Kに、2枚のアンテナ素子11,11を一鉛直軸心Cに関して線対称状に配設している。
一鉛直軸心Cを挟んで向かいあう一方の脚部12の内側端縁12aと他方の脚部12の内側端縁12aの間隔寸法は、基板K及びアンテナ素子11の厚みの和(第1・第2アンテナ部材1,2の厚み寸法)より大きく形成されている。
【0022】
具体的には、図6に示すように、第1アンテナ素子11aと第3アンテナ素子11cとを基板Kに正面視で一鉛直軸心Cに関して線対称状に貼設して第1アンテナ部材1を形成している。一鉛直軸心Cに沿って、第1アンテナ部材1の上縁1aから中央部(高さ寸法Haの略2分の1)まで差込スリット19を形成している。
また、図7に示すように、第2アンテナ素子11bと第4アンテナ素子11dとを基板Kに側面視で一鉛直軸心Cに関して線対称状に基板Kに貼設して第2アンテナ部材2を形成している。一鉛直軸心Cに沿って、脚部12と脚部12の間に、第2アンテナ部材2の下縁2bから中央部(高さ寸法Haの略2分の1)まで差込スリット29を形成している。
そして、第1アンテナ部材1の差込スリット19の上方から第2アンテナ部材2の差込スリット29を差し込んで固着し、図1に示すように、第1アンテナ部材1と第2アンテナ部材2とが互いに直交して平面視十字状となるアンテナ装置を形成している。つまり、一枚の基板Kには、一鉛直軸心Cを挟んで隣り合う180度回転対称状の一対のアンテナ素子11,11を貼設している。
【0023】
図6及び図7に於て、1枚の基板K上に貼設された一対のアンテナ素子1,1の内、一鉛直軸心Cから最も離れた最外円弧端部(他円弧端部)13b,13bの長さ寸法をエレメント長さ寸法Laと呼ぶと、エレメント長さ寸法Laは、電気長にすると、適用周波数範囲の最低周波数の波長λbの0.45倍以上0.65倍以下に設定している。好ましくは、0.5倍以上0.55倍以下に設定する。より好ましくは0.52倍以上0.54倍以下に設定する。
【0024】
長軸寸法Lbは、エレメント長さ寸法Laの40%以上49.5%以下に設定している。より好ましくは、エレメント長さ寸法Laの47%以上49.5%以下に設定する。言い換えると、エレメント長さ寸法Laは、長軸寸法Lbの2.02倍以上2.5倍以下に設定している。より好ましくは、長軸寸法Lbの2.02倍以上2.13倍以下に設定している。
また、短軸寸法Hbと脚突出寸法Hcの和がエレメント高さ寸法Haである。なお、エレメント長さ寸法Laは、基板Kの長さ寸法、又は、第1・第2アンテナ部材1,2の長さ寸法でもある。エレメント高さ寸法Haは、基板Kの高さ寸法、又は、第1・第2アンテナ部材1,2の高さ寸法でもある。
【0025】
非導電性の基板Kの材質としては、ガラスエポキシ基板、樹脂シート(フィルム)、ガラス、電子基板等、(非金属の)絶縁物であれば良く、視認性の面からは、透明乃至半透明のものでもよい。基板Kの厚み寸法は、1mm以上2mm以下であり、好ましくは、1.2mm以上1.8mm以下である。
【0026】
また、アンテナ素子11の材質としては、固有抵抗が小さい(導電率が高い)ものであって、例えば、100μm以下の金属製薄板(金属箔)、金属メッシュ材(網板)、金属膜、透明導電膜、金属半透明膜、導電塗料膜等である。金属製薄板としては、Cu、Al、Ag、Au等である。金属膜としては、Au、Ag、Cu、Al、Pd、Pt等、又は、これらを含む合金である。透明導電膜としては、基板Kに、ITO、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ、電着等で基板K上に成膜されるものである。金属半透明膜としては、Ag−Cu、Ag−Pd、Ni−Au等である。金属塗料膜としては、金属ペーストやカーボンペーストを用いて、スクリーン印刷、ロールコーティング、転写等で基板K上に成膜されるものである。
【0027】
次に、本発明のアンテナ装置の作用(使用方法)について説明する。
アンテナ素子11が略楕円面部13を備えているので、安定して広い周波数帯域に於て、優秀なVSWR特性(電圧定在波比)が得られる。また、略楕円面部13を水平方向に横細長状とすることで、アンテナ装置全体の高さ寸法が低くなる。また、脚部12によって、特性インピーダンスが徐々に変化する広帯域のインピーダンスの整合回路を構成し、十分に広い周波数帯域に対応可能となる。また、脚部12によって基板Kの差込スリット29の縁部が補強される。つまり、脚部12は、インピーダンス整合用及び補強用と言える。
【0028】
広帯域の周波数を受信可能な第1アンテナ部材1と広帯域の周波数を受信可能な第2アンテナ部材2と、を直交させることで、何れの方向からの電波も均一かつ広い周波数帯で受信可能な無指向性の特性が得られる。
【0029】
また、第1・第2リード線81,82に平行部80を設け、平行部80がリード長さ寸法Taの80%以上維持されたまま、アンテナ素子11と接続されることで、受信への悪影響を防止し、安定した受信感度が得られると共に、高品質なアンテナ装置が得られる。
【0030】
また、アンテナ素子11を基板Kに貼設することで、物理長(エレメント長さ寸法La)を、電気長より短くできる。例えば、基板Kがガラスエポキシ製(実効比誘電率が2.8)であれば、物理長は、電気長の略60%程度であればよく、アンテナ装置全体をより小型・軽量にする。
また、第1・第2リード線81,82の絶縁被覆部によって、物理長(リード長さ寸法Ta)を、短くできる。例えは、絶縁被覆部の実効比誘電率が2.36であれば、物理長は、所望の電気長の略65%程度であればよく、アンテナ装置全体の一層の小型・軽量化を図り得る。
【0031】
次に、図8〜図18に示される測定データは、アンテナ素子11が略0.035mmの銅製であり、基板Kがガラスエポキシ(比誘電率は4.6、実効比誘電率は2.8)である。エレメント長さ寸法Laは、物理長であり、電気長は物理長を約1.67倍にした数値である。
また、2芯平行線8は、内部導体の直径が1mm、導体中心間距離が1.9mm、絶縁体占積率が0.686、実効比誘電率が2.36であって、リード長さ寸法Taは物理長であり、電気長は物理長を約1.54倍した数値である。
【0032】
図8に於て、地上波デジタルテレビ用の周波数帯域である470MHz〜710MHzといった広い周波数帯域(広帯域)に対して、エレメント長さ寸法LaとVSWRとの関係を示している。図8から明らかなように、適用周波数範囲(470MHz〜710MHz)において、VSWR値が2以下となっており、広い周波数帯を受信可能な広帯域アンテナであることが明らかである。
特に、電気長にすると、適用周波数範囲の最低周波数(470MHz)の波長λbの0.52倍以上0.65倍以上のもの(物理長がLa=220mm、225mm、250mmのもの)が、最低周波数で優れていることが分かる。
また、小型という面では、上記最低周波数の波長λbの0.5倍以上0.55倍以下のもの(物理長がLa=210mm、220mm、225mmのもの)が優れていることが分かる。
即ち、上記最低周波数の波長λbの0.52倍以上0.55倍以下のもの(物理長がLa=220mm、225mmのもの)が非常に優秀であることが分かる。
【0033】
図8の測定結果は、図1に示したアンテナ装置を、それぞれ
(イ)La=210mm,Lb=100mm,Hb=25mm,Hc=5mm,Ta=75mmとしたもの、
(ロ)La=225mm,Lb=107.5mm,Hb=25mm,Hc=5mm,Ta=75mmとしたもの、
(ハ)La=220mm,Lb=105mm,Hb=35mm,Hc=5mm,Ta=75mmとしたもの、
(二)La=250mm,Lb=122.5mm,Hb=25mm,Hc=5mm,Ta=75mmとしたもの、
について、VSWR特性を測定したものである。
【0034】
次に、エレメント長さ寸法Laと、短軸寸法Hbと、リード長さ寸法Taが異なる本発明に係るアンテナ装置を30種類(図9参照)製作し、水平偏波で各方向からの利得を各々測定した。なお、脚突出寸法Hcは全て5mmである。
測定結果をまとめた図9に於て、利得の平均(Gave)、利得の最大値(Gmax)、利得の最小値(Gmin)、利得の最大差(Gmax−Gmin)から明らかなように、十分な利得が得られている。なお、単位はdBiとする。
また、図9に示した30種類の内、9種類の指向性・利得の測定結果を、夫々、図10〜図18に示す。470MHz〜710MHzの広帯域で優秀な無指向性を示していることが明らかである。なお、図10〜図18に示した以外(残り21種類)についても同様に無指向性が得られた。
【0035】
図9に於て、短軸寸法Hbを長軸寸法Lbの30%以上35%以下とした、エレメント長さ寸法Laが220mm(長軸寸法Lbが105mm)、短軸寸法Hbが35mmに設定されているものは、他に比べて利得の平均値(Gave)が−5以上、かつ、利得の最大差(Gmax−Gmin)が8以下のものが多く含まれ、より優れていることが分かる。言い換えると、エレメント長さ寸法Laを、電気長で、適用周波数範囲の最低周波数の波長λbの0.52倍以上0.54倍以下に設定したものがより優れているとも言える。また、小型という面で、短軸寸法Hbを長軸寸法Lbの20%以上35%以下にしたものが優れている。
【0036】
さらに、エレメント長さ寸法Laが220mm、短軸寸法Hbが35mmに設定されているものの内、リード長さ寸法Taを、電気長で、適用周波数範囲(470MHz〜710MHz)の中心周波数(590MHz)の波長λaの0.18倍以上0.27倍以下に設定したもの、即ち、物理長が、Ta=65、75、85、のもの(図15〜図17参照)は、利得の平均値が−5以上、かつ、利得の最大差が8以下を満たし非常に優れていることが分かる。
【0037】
なお、本発明は、設計変更可能であって、図示省略するが、第1アンテナ素子11aと第4アンテナ素子11dを第1リード線81で接続し、第2アンテナ素子11bと第3アンテナ素子11cを第2リード線82で接続するも良い。
また、接続方法はハンダ付けの他、リード線に圧着端子をつけたものをネジ止めするなど、従来の接続方法を適用してもよい。
また、「貼着又は貼設」とは、基板Kの外面に接着剤、粘着剤、粘着テープ(シート)材等で取着した場合、アンテナ素子11を2枚の基板Kの間に挟設・挟着させる場合、焼き付けての積層、転写、蒸着、塗装、成膜、電着、を包括している。
【0038】
なお、本発明のアンテナは、図示省略するが、屋外用として一般的な防水ケースに収納して使用してもよい。
【0039】
以上のように、本発明の広帯域アンテナ装置は、鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部13と、略楕円面部13の水平方向長軸S1の一円弧端部13aから下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部12と、を有する4枚のアンテナ素子11を、一円弧端部13aに接近する一鉛直軸心Cを中心としての90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成したので何れの方向からの電波も均一に受信でき(特に水平偏波に対する無指向性の特性が得られ)、アンテナ装置の設置方向を電波塔や送信所等の方向に調整する必要がなく、容易かつ迅速に設置作業を行うことができる。つまり、設置作業を簡略化できる。小型で、屋根の上から大きく突出することがなく、目立たず、住宅の意匠性(美観)を損なわずに、しかも、小スペースに設置できる。軽量で、搬送や設置作業を容易に行うことができる。広い範囲の周波数帯を受信でき、例えば、地上デジタルテレビ用の広範囲の周波数帯全域をカバー(受信)する広帯域特性を有するアンテナ装置が得られる。住宅の向きや住宅が建てられる場所を考慮する必要がないので、住宅の設計段階でアンテナ装置の配置を決定でき、住宅全体の意匠性を高めることができる。
【0040】
また、アンテナ素子11,11を非導電性の基板Kに貼設し、一鉛直軸心Cに関して線対称状の一対のアンテナ素子11,11の略楕円面部13,13の一鉛直軸心Cから最も離れた最外円弧端部13b,13b間の長さ寸法を、エレメント長さ寸法Laとすると、エレメント長さ寸法Laを、電気長で、適用周波数の最低周波数の波長λbの0.45倍以上0.65倍以下に設定したので、広い周波数帯域で、優れたVSWR特性が得られる。確実に広い範囲の周波数を受信できる。
【0041】
また、略楕円面部13の短軸寸法Hbを、略楕円面部13の長軸寸法Lbの18%以上47%以下に設定したので、広帯域の周波数を受信でき、かつ、アンテナ装置全体をより低くできる。低重心のアンテナ装置が得られ、姿勢が安定しやすく設置作業等を容易に行うことができる。
【0042】
また、一鉛直軸心Cを中心として回転方向に隣り合う一対のアンテナ素子11,11を第1リード線81で接続すると共に、他の一対のアンテナ素子11,11を第2リード線82で接続して、第1リード線81の給電リード部81dと第2リード線82の給電リード部82dを同等のリード長さ寸法Taに形成すると共に、第1リード線81の給電リード部81dと第2リード線82の給電リード部82dとを平行に配設した平行部80を形成し、平行部80の平行部長さ寸法Tbを、リード長さ寸法Taの80%以上に設定したので、より安定してより精度良く電波を受信できる。
【0043】
また、一鉛直軸心Cを中心として回転方向に隣り合う一対のアンテナ素子11,11を第1リード線81で接続すると共に、他の一対のアンテナ素子11,11を第2リード線82で接続して、第1リード線81の給電リード部81dと第2リード線82の給電リード部82dを同等のリード長さ寸法Taに形成し、リード長さ寸法Taは、電気長で、適用周波数範囲の中心周波数の波長λaの、0.16倍以上0.32倍以下に設定されているので、様々な方向からの電波に対して、優れた利得が均一に、かつ、安定して得られる。受信方向毎に利得のバラつきがより少ない高精度の無指向性アンテナ装置が得られる。
【符号の説明】
【0044】
11 アンテナ素子
12 脚部
13 略楕円面部
13a 一円弧端部
13b 最外円弧端部
80 平行部
81 第1リード線
81d 給電リード部
82 第2リード線
82d 給電リード部
C 一鉛直軸心
Hb 短軸寸法
La エレメント長さ寸法
Lb 長軸寸法
S1 水平方向長軸
Ta リード長さ寸法
Tb 平行部長さ寸法
λa 中心周波数の波長
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部(13)と、該略楕円面部(13)の水平方向長軸(S1)の一円弧端部(13a)から下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部(12)と、を有する4枚のアンテナ素子(11)を、上記一円弧端部(13a)に接近する一鉛直軸心(C)を中心としての90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成したことを特徴とする広帯域アンテナ装置。
【請求項2】
上記アンテナ素子(11)(11)を非導電性の基板(K)に貼設し、
上記一鉛直軸心(C)に関して線対称状の一対のアンテナ素子(11)(11)の上記略楕円面部(13)(13)の上記一鉛直軸心(C)から最も離れた最外円弧端部(13b)(13b)間の長さ寸法を、エレメント長さ寸法(La)とすると、
上記エレメント長さ寸法(La)を、電気長で、適用周波数の最低周波数の波長(λb)の0.45倍以上0.65倍以下に設定した請求項1記載の広帯域アンテナ装置。
【請求項3】
上記略楕円面部(13)の短軸寸法(Hb)を、該略楕円面部(13)の長軸寸法(Lb)の18%以上47%以下に設定した請求項1又は2記載の広帯域アンテナ装置。
【請求項4】
上記一鉛直軸心(C)を中心として回転方向に隣り合う一対の上記アンテナ素子(11)(11)を第1リード線(81)で接続すると共に、他の一対の上記アンテナ素子(11)(11)を第2リード線(82)で接続して、
上記第1リード線(81)の給電リード部(81d)と上記第2リード線(82)の給電リード部(82d)を同等のリード長さ寸法(Ta)に形成すると共に、上記第1リード線(81)の上記給電リード部(81d)と第2リード線(82)の給電リード部(82d)とを平行に配設した平行部(80)を形成し、
上記平行部(80)の平行部長さ寸法(Tb)を、上記リード長さ寸法(Ta)の80%以上に設定した請求項1,2又は3記載の広帯域アンテナ装置。
【請求項5】
上記一鉛直軸心(C)を中心として回転方向に隣り合う一対の上記アンテナ素子(11)(11)を第1リード線(81)で接続すると共に、他の一対の上記アンテナ素子(11)(11)を第2リード線(82)で接続して、
上記第1リード線(81)の給電リード部(81d)と上記第2リード線(82)の給電リード部(82d)を同等のリード長さ寸法(Ta)に形成し、
上記リード長さ寸法(Ta)は、電気長で、適用周波数範囲の中心周波数の波長(λa)の、0.16倍以上0.32倍以下に設定されている請求項1,2又は3記載の広帯域アンテナ装置。
【請求項1】
鉛直面上に配設される横細長状の略楕円面部(13)と、該略楕円面部(13)の水平方向長軸(S1)の一円弧端部(13a)から下方へ延設される下方拡幅状の給電用の脚部(12)と、を有する4枚のアンテナ素子(11)を、上記一円弧端部(13a)に接近する一鉛直軸心(C)を中心としての90度回転対称状に配設して、平面視十字状に形成したことを特徴とする広帯域アンテナ装置。
【請求項2】
上記アンテナ素子(11)(11)を非導電性の基板(K)に貼設し、
上記一鉛直軸心(C)に関して線対称状の一対のアンテナ素子(11)(11)の上記略楕円面部(13)(13)の上記一鉛直軸心(C)から最も離れた最外円弧端部(13b)(13b)間の長さ寸法を、エレメント長さ寸法(La)とすると、
上記エレメント長さ寸法(La)を、電気長で、適用周波数の最低周波数の波長(λb)の0.45倍以上0.65倍以下に設定した請求項1記載の広帯域アンテナ装置。
【請求項3】
上記略楕円面部(13)の短軸寸法(Hb)を、該略楕円面部(13)の長軸寸法(Lb)の18%以上47%以下に設定した請求項1又は2記載の広帯域アンテナ装置。
【請求項4】
上記一鉛直軸心(C)を中心として回転方向に隣り合う一対の上記アンテナ素子(11)(11)を第1リード線(81)で接続すると共に、他の一対の上記アンテナ素子(11)(11)を第2リード線(82)で接続して、
上記第1リード線(81)の給電リード部(81d)と上記第2リード線(82)の給電リード部(82d)を同等のリード長さ寸法(Ta)に形成すると共に、上記第1リード線(81)の上記給電リード部(81d)と第2リード線(82)の給電リード部(82d)とを平行に配設した平行部(80)を形成し、
上記平行部(80)の平行部長さ寸法(Tb)を、上記リード長さ寸法(Ta)の80%以上に設定した請求項1,2又は3記載の広帯域アンテナ装置。
【請求項5】
上記一鉛直軸心(C)を中心として回転方向に隣り合う一対の上記アンテナ素子(11)(11)を第1リード線(81)で接続すると共に、他の一対の上記アンテナ素子(11)(11)を第2リード線(82)で接続して、
上記第1リード線(81)の給電リード部(81d)と上記第2リード線(82)の給電リード部(82d)を同等のリード長さ寸法(Ta)に形成し、
上記リード長さ寸法(Ta)は、電気長で、適用周波数範囲の中心周波数の波長(λa)の、0.16倍以上0.32倍以下に設定されている請求項1,2又は3記載の広帯域アンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−104957(P2012−104957A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250131(P2010−250131)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】
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