説明

広視野画像とその関心領域を取り込むための方法及び装置

装置は、第1の光路を提供する単連結な広視野光学系(1)によって取得される画像の取り込みを可能にし、この画像は第1のカメラによって取り込まれる。上記第1の経路に挿入される光学サンプリングシステムが、第2のカメラでのより小さな視野の取り込みを可能にし、このより小さな視野は広視野の関心領域に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単連結な広視野画像を取り込み、当てはまる場合には、その画像を表示及び処理するための方法及びシステムに関する。
本文書において、「単連結」という表現は数学的な意味で理解される。本発明の文脈において、「単連結」という表現は、例えば、対称軸の周囲の視野が欠けた周辺視野とは異なり、観測される広視野が連結されており(すなわち、1部分から成り)「穴」がないことを意味する。
【0002】
本発明はより詳細には、好ましくは同一のマトリクスセンサを有する一方で、画像の解像度よりも遥かに高い解像度を有する画像の関心領域を取り込むか、又は閲覧するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、画像処理システム、監視システム及び遠隔監視システム、移動車両又はロボットに搭載される観測システムにおいて、より一般的には、非常に高い解像度を必要とする用途において非限定的な用途を見出す。
【0004】
この種の方法は特に、観測される関心領域を「スライドする」ことによって、また特に関心領域に光学的にズームするか、又は関心領域を検知することによって半空間全体をカバーする広視野画像を探索するために使用することができる。
【0005】
パノラマ画像とその部分を表示及び処理するための方法及びシステムは当該技術分野において既知である。
従来技術の方法はより詳細には、歪みを補正するか、又は魚眼レンズで取得されたパノラマ画像の一部を拡大すると生じる粒子の粗い外観の発生を遅らせるためのソフトウェア処理方法又は数学的処理方法である。
【0006】
特許文献1は特に、パノラマ画像の関心領域における歪みを補正するための数学関数の使用を開示する。
同様に、特許文献2は、矩形のイメージセンサに投影されたパノラマ画像を拡大する方法、及び画像をアナモルフィックに歪めるように構成されている魚眼レンズを開示する。
【0007】
最後に、特許文献3は、パノラマ画像の、或る時刻に話している参加者に対応する自動的に選択された部分が送信前に電子的に補正される遠隔会議システムを開示する。
要約すれば、上記で参照した方法及びシステムは、パノラマ画像をデジタル処理して、その関心領域を拡大する。
【0008】
これらの方法はすべて、選択される画像部分の解像度の程度が、そのパノラマ画像を取得するための魚眼レンズの解像度によって制限されるという欠点を有する。
特許文献4(ドリスコル(DRISCOLL))に開示される、別の従来技術のシステムは、魚眼レンズを用いて像平面を複製する。
【0009】
このシステムは、第1の像平面に配置される第1のマトリクスセンサと、第2の像平面に配置される第2のマトリクスセンサとを含み、第1のマトリクスセンサの画素は第2のマトリクスセンサの画素よりも小さい。
【0010】
第1のマトリクスセンサは、2つの像平面のうちの一方で平行移動又は回転移動されて、広視野をより高い解像度で走査する。
当業者は、上記システムにおける画像の関心領域の解像度の増加は、2つのマトリクスセンサの画素サイズの比に等しいことを認識するであろう。
【0011】
解像度が2つのセンサの解像度の比に直接依存する上記のタイプのシステムは、多くの用途、特に、
−例えば10倍の拡大を可能にする寸法を有するセンサがない赤外域(3マイクロメートル(μm)〜5μm及び8μm〜12μm)における用途、及び
−解像度係数が10よりも大きい可視域における用途
における使用には適さない。
【0012】
特許文献5に記載される別の従来技術のシステムは、複雑な形状のミラーを使用して周辺視野を取り込み、これを1つ又は複数のビデオカメラに結像させる。
残念ながら、このようなシステムはすべて、視野の一部が見えない視野キャプチャシステムを有し、単連結な広視野の取得が不可能になっている。
【特許文献1】米国特許第5,185,667号
【特許文献2】仏国特許第2,827,680号
【特許文献3】米国特許第5,680,667号
【特許文献4】米国特許出願第2002/0012059号
【特許文献5】米国特許出願第2003/0095338号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上記の欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのために、本発明の第1の態様は、角倍率が1未満であるアフォーカルレンズから成る広視野光学系によって取得される画像を取り込み、広視野の第1の光線を供給するためのシステムを提供する。本システムは、
第1の光線から、広視野内の狭視野に対応する第2の光線を選択するとともに、画像の関心領域を示す手段と、
狭視野の第2の光線を第1の解像度で取り込むように構成されたレンズを含む第1のビデオカメラと、
第1の複製光線を生成すべく、広視野の第1の光線を複製する手段と、
第1の複製光線全体を、広視野と狭視野との比によって定義される低減係数だけ第1の解像度よりも低い第2の解像度で取り込むように構成されたレンズを含む第2のビデオカメラと
を備える。
【0015】
第2のビデオカメラ及び第1のビデオカメラは、同一の感光素子マトリクスを有することが好ましい。
したがって、本発明のキャプチャシステムは、両方のビデオカメラの感光素子マトリクスが同一である場合でも、純粋な光学技法を用いて画像の関心領域の解像度を高める。
【0016】
さらに、本発明のシステムは半空間全体を取り込むことができる。
したがって、本発明は、広視野画像の関心領域を、従来技術のシステム及び方法で得られる解像度よりも遥かに高い解像度で観測することを可能にする。
【0017】
第1の変形において、第1のビデオカメラは可動型であり、選択手段は、第2の光線を受光する位置に第1のビデオカメラを位置決めする手段を含む。
第2の変形において、第1のビデオカメラは固定型であり、選択手段は、第2の光線を第1のビデオカメラに向かって偏向させる偏向手段を含む。
【0018】
これらの偏向手段は特に、第1の光線中で回転可能なプリズム、ミラー又は任意の回折システムであってもよい。
したがって、上記の変形はともに、第1のビデオカメラを広視野全体にわたって移動させる必要なく広視野画像の関心領域を高解像度で取り込むことを可能にする。たとえば、広視野が半空間(180°)に対応し、広視野と狭視野との比によって定義される低減係数が10に等しいと仮定すると、第1のビデオカメラ(又は偏向手段)を18°の角度にわたって移動させれば、第1のビデオカメラで半空間全体が十分にカバーされる。
【0019】
したがって、特に高速なキャプチャシステムが得られる。
キャプチャシステムが車両又はロボットに搭載される場合、キャプチャシステムの全体的な外部寸法は、広視野の固定型光学系のレンズのみに対応することが非常に有利である。この特徴は、厳しい空気力学的な制約を有する飛行機内にシステムが設置される場合、特に重要である。
【0020】
第1のビデオカメラは、関心領域の角度の大きさを確定する光学ズームシステムを含むことが好ましい。
1つの好ましい実施の形態において、本発明のシステムは、第1の複製光線を生成すべく第1の光線を複製する手段と、第1の複製光線をすべて取り込む第2のビデオカメラとをさらに備える。
【0021】
この好ましい実施の形態の第1の変形において、本発明のキャプチャシステムは、第2のビデオカメラによって取り込まれる広視野画像全体を閲覧するための端末を備え、この端末は、関心領域を画定することを可能にする選択手段の制御手段の付近にある。
【0022】
その場合、第1のビデオカメラを、全体としての広視野画像に対して、関心領域に対応する第2の光線内に位置決めし、閲覧端末から光学ズームシステムを制御することが可能である。
【0023】
したがって、観測者は、閲覧端末から、例えばレバー又はジョイスティックによってパノラマ画像の一部を拡大することができ、関心領域の解像度は、第1のビデオカメラの特性によって確定される。
【0024】
好ましい実施の形態の第2の変形において、本発明のキャプチャシステムは、第2のカメラによって取り込まれた広視野画像を処理する画像処理手段を含み、この処理手段は、画像中の動き及び/又は光度の変化を検出し、それに応じて選択手段を制御するように構成されている。
【0025】
この変形は特に、監視用途及び侵入者検出用途に適している。
主に軍事用途向けの1つの変形では、光学系及び第1のビデオカメラは、第1の赤外光線及び第2の赤外光線を取り込むように構成されている。
【0026】
本発明はまた、360°空間をカバーする画像を取り込むシステムを提供し、本システムは、上記で簡単に規定したような2つのキャプチャシステムを背中合わせの配置で備え、これらのキャプチャシステムの光学系は半空間をカバーするように構成されている。
【0027】
360°の空間をカバーする画像を取り込む上記キャプチャ方法及び上記システムの利点は、上述のキャプチャシステムと全く同じであるため、ここでは繰り返さない。
本発明の他の態様及び利点は、非限定的な例としてのみ、添付図面に関連して与えられる本発明の1つの特定の実施の形態の以下の説明を読めばより明確になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
特に図1A〜図1Cに関連して以下で説明する好ましい実施の形態は、アフォーカル屈折光学系1を使用する。
アフォーカル屈折光学系を図1Bに詳細に示す。
【0029】
このアフォーカル屈折光学系は主に、3つの連続する光学ユニット1000、1001及び1002から成る。
光学ユニット1000は、その正面の単連結な光視野からの光線を取り込む。
【0030】
プリズム1001(ミラーで置き換えてもよい)は、必要であれば、システムの全体サイズ及び機械的レイアウトに対する制約に応じて光線を偏向させる。
後部ユニット1002は、アフォーカル光学系からの出射口において光学拡大を提供する。
【0031】
図1Cは、アフォーカル系1の出射口及びビデオカメラ10のレンズ11の入射口における光線6の形状を詳細に示す。
アフォーカル系1の出射口及びビデオカメラ20のレンズ21の入射口における光線4’は同一形状を有する。
【0032】
軸Zを有する広視野アフォーカル屈折光学系1は当該技術分野において既知であり、壁3の開口部2に取り付けられる。
壁3は、撮像システムのケーシング、航空機胴体の外板、又は監視構内の天井であってもよい。
【0033】
本発明のアフォーカル広視野光学系1の角倍率は1未満である。
この光学系1は、軸Zと同軸の第1の光線4を生成する。第1の光線4の光路上にある光線デュプリケータ5は、第1の光線4を、好ましくは軸Zに垂直な方向Yに反射して、軸Zを有する第1の複製光線6を生成する。
【0034】
軸Xを有する第1の光線4の光路上にあり、且つデュプリケータ5の下流側にある可動型の第1のデジタルビデオカメラ20のレンズ21は、第1の光線4の一部である細い第2の光線4’のみを取り込む。
【0035】
このビデオカメラ20は、感光性の電荷結合素子(CCD)のマトリクス22と、第1の電気信号24のストリームを生成して送出する手段23とを備える。
多重化システムを備える送受信機15が次に、第1の信号24を無線手段、赤外線手段、又はケーブル手段により、後述する少なくとも1つの観測端末へ送信する。
【0036】
軸Yと同軸の固定型の第2のデジタルビデオカメラ10のレンズ11は、第1の複製光線6全体を取り込む。
第2のビデオカメラ10もまた、感光性の電荷結合素子のマトリクス12と、第2のビデオカメラ10によって取り込まれるパノラマ画像を表す第2の電気信号14のストリームを生成して送出する手段13とを備える。
【0037】
送受信機15は、これらの第2の電気信号14を観測端末へ送信する。
それぞれのレンズ11及び21を除けば、これら2台のビデオカメラ10及び20は同一であってもよい。特に、感光素子マトリクス21及び22によって決まる画素数は同一であってもよい。その場合、信号14及び24の2つのストリームから得られる同一サイズの画像又は写真は同一の解像度を有する。
【0038】
送受信機15によって送信される信号14及び24のストリームは、観測端末において、同じく多重化システムを備える第2の送受信機30の受信機によって受信される。
第2の送受信機30によって受信された、第2の信号14のストリームに等しい第2の信号14’のストリームは、画像歪み及び情報処理電子システム40によって処理される。この電子システム40は、第2のビデオカメラ10によって取り込まれた広視野画像42を示すデータをメモリ41に供給する。
【0039】
広視野画像42は画面43に表示され、画像42のデータは後に閲覧するために記憶媒体44上のアーカイブに記憶されてもよい。
同様に、第2の送受信機30によって受信された、第1の信号24のストリームに等しい第1の信号24’のストリームは、第2の画像歪み及び情報処理電子システム50によって処理される。この第2の電子システム50は、第1のビデオカメラ20によって取り込まれた関心領域52を示すデータを第2のメモリ51に供給する。
【0040】
関心領域52は第2の画面53に表示され、関心領域52のデータは、後に閲覧するために第2の記憶媒体54に記憶されることが有利であり得る。
電子システム40及び50は、当該技術分野において知られているような、広角レンズに特有の画像の歪みを処理するためのソフトウェアを実行する市販のマイクロコンピュータで置き換えられることが有利であり得る。
【0041】
本発明の範囲から逸脱することなく、広視野画像42の関心領域52はまた、広視野画像42に埋め込まれて、広視野画像と同じ画面に表示されてもよい。
観測端末はまた、広視野画像42を閲覧するためのブラウザ60を含む。
【0042】
例えば、ブラウザ60は、画面43に表示される広視野画像42内でカーソル61を位置決めするためのジョイスティックを含んでもよい。
カーソル61の位置は、観測者が第2の画面53に表示し、第1のビデオカメラ20によって撮影したい広視野画像42の関心領域52の角度座標θx、θyを確定する。
【0043】
ブラウザ60によって確定される座標x及びyは、第1のビデオカメラ20によって取り込まれた画像の歪みを第2の電子システム50が正確に処理できるように、第2の電子システム50に送出されることが好ましい。
【0044】
角度座標θx、θyはシステム63にも供給され、このシステム63は、値θxを示す第1の信号ストリーム64x及び値θyを示す第2の信号ストリーム64yを第2の送受信機に送出する。
【0045】
第2の送受信機30は、信号64x及び64yを撮像システムの送受信機15に送信する。
送受信機15によって受信された、第1の信号ストリーム64xに等しい第1の信号ストリーム64x’は、第1の電気モータ71の制御ユニット70に送出される。この電気モータ71は、第2の光線4’に対応する狭視野を取り込むように軸Xを中心に第1のビデオカメラ20を旋回させる。
【0046】
同様に、送受信機15によって受信された、第2の信号ストリーム64yに等しい第2の信号ストリーム64y’は、第2の電気モータ73の第2の制御ユニット72に送出される。この第2の電気モータ73は、第1の光線4内で軸Yを中心に第1のビデオカメラ20を旋回させる。
【0047】
第1のビデオカメラ20によって取り込まれる第2の光線4’は、軸X及び軸Yを中心に第1のビデオカメラ20を旋回させることによって選択される。
第1のビデオカメラ20の移動は、当然、画面43に表示される広視野画像42の角度座標に明らかに対応する。
【0048】
なお、広視野画像42の角度座標θx及びθyは、第1の光線4中の第1のビデオカメラ20の角運動θx及びθyが非常に小さくても、180°に近い観測視野の視角に対応する。
【0049】
これにより、第1のビデオカメラ20を、観測者によって選択された位置(θx,θy)に非常に高速に動かして、高解像度の関心領域52を生成する、広視野画像42の関心領域52に対応する第2の光線4’を取り込むことができる。
【0050】
図1に示すように、ブラウザ60は、画面53に表示される関心領域52の角度の大きさを表示するシステム80と関連することが有利である。
対応する情報が、対応する信号82を生成する電子システム81に送出される。信号82は、第2の送受信機30によって撮像システムの第1の送受信機15へ送信される。
【0051】
対応する受信信号82’は、第1のビデオカメラ20の光学ズームシステムの制御ユニット83に送出される。
したがって、第2の画面53に表示される関心領域52は、同じ解像度を保ったまま、光学ズームシステムの調整に応じてより高い倍率又はより低い倍率で拡大される。
【0052】
したがって、広視野画像42の細部を高い精度で閲覧することが可能である。
1つの異なる実施の形態において、キャプチャシステムは、広視野画像42中の動き及び/又は光度の変化を検出し、それに応じて選択手段に命令を行うように構成された画像処理手段(例えばソフトウェア手段)を含む。
【0053】
この種の画像処理手段は当業者に既知であるため、ここでは説明しない。これらの手段は特に、従来の分割操作及び形状認識操作を行うように構成されている。
図2は、本発明のキャプチャシステムの1つの異なる実施の形態を示す。
【0054】
図2は、この実施の形態の観測システムを示さないが、この観測システムは、図1A〜図1Cに関して上述したものと同じである。
この実施の形態において、第1のビデオカメラ20は固定型であり、第2の光線4’は、軸Yを中心に回転可能なプリズム100によって第1のビデオカメラ20に向かって偏向される。
【0055】
本明細書中に図示しない他の実施の形態では、プリズム100は、他の偏向手段、特にミラー又は当業者に既知の任意の他の回折系で置き換えられてもよい。
図3は、第1のビデオカメラ20によって取り込まれる第2の光線4’を生成する狭視野90、及び第2のビデオカメラ10によって取り込まれる広視野91を示す。
【0056】
図4は、本発明の処理方法の1つの好ましい実施の形態の主要なステップE5〜E90を示す。
最初のステップE5において、広視野光学系1により広視野画像42を取得し、第1の光線4を提供する。
【0057】
この取得ステップE5に続いて、ステップE10において、第1の光線4が複製される。
この複製は、例えば図1に関して簡単に説明したデュプリケータ5を用いて得ることができる。
【0058】
複製ステップE10に続いて、ステップE20において、例えば上述の第2のビデオカメラ10によって第1の複製光線6全体を取り込む。
この実施の形態において、第1の複製光線6を取り込むステップE20に続いて、第2のビデオカメラ10によって第1の複製光線6から得られる広視野画像42を閲覧端末において、例えば画面43で閲覧するステップE30が行われる。
【0059】
この閲覧ステップE30に続いて、第1の光線4から第2の光線4’を選択するステップE40〜E70が行われる。
具体的には、ステップE40において、画面43に表示される広視野画像42内でカーソル61を位置決めする。
【0060】
このカーソルは、例えばジョイスティックによって動かすことができる。
いずれにせよ、カーソル61の位置は、観測者が例えば第2の画面53で閲覧できる広視野画像42の関心領域52の角度座標θx、θyを確定する。
【0061】
カーソル61を位置決めするステップE40に続いて、前のステップにおいて選択された関心領域52に対応する第2の光線4’を取り込むように第1のビデオカメラ20を位置決めするステップE50が行われる。
【0062】
第1のビデオカメラ20を位置決めするステップE50に続いて、画面53に表示する関心領域52の角度の大きさを閲覧端末から選択するステップE60が行われる。
この角度の大きさを選択するステップE60に続いて、ステップE70において、それに応じて第1のビデオカメラ20の光学ズームシステムを調整する。
【0063】
光学ズームシステムを調整するステップE70に続いて、ステップE80において、関心領域52の位置及び角度の大きさに対応する第2の光線4’を取り込む。
第2の光線4’を取り込むステップE80に続いて、ステップE90において、関心領域52を例えば画面53に表示するか、又は、画面43に表示されるパノラマ画像42に埋め込む。
【0064】
関心領域52を表示するステップE90に続いて、上述のカーソル61を位置決めするステップE40を行う。
別の実施の形態において、第1の複製光線を取り込むステップE20に続いて、広視野画像42を処理して、その画像中の動き又は光度の変化を検出するステップを行う。
【0065】
したがって、この画像処理ステップは、上述のようにカーソル61によって選択されている座標ではなく、関心領域の角度座標θx、θyを自動的に求める。
さらなる実施の形態において、第1のビデオカメラ20を動かす(ステップE50)代わりに、角度座標θx、θyに応じて偏向手段を旋回させて、第2の光線4’を第1のビデオカメラ20に向かって偏向させる。
【0066】
図5Aは、360°の空間をカバーする本発明のキャプチャシステムの1つの好ましい実施の形態を示し、図5Bはその詳細を示す。
このキャプチャシステムは、図1A〜図2に関して上述したような2つのキャプチャシステムA及びA’を背中合わせの配置で備える。
【0067】
この実施の形態において、2つのキャプチャシステムA及びA’の光学系は、網掛け部分H及びH’でそれぞれ示すように、半空間よりも大きな空間をカバーするように構成されている。
【0068】
当業者は、網掛け部分R1及びR2は、システムA及びA’の両方によって取り込まれる重複領域であることを容易に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】本発明のキャプチャシステムの1つの好ましい実施の形態を示す図である。
【図1B】図1Aのキャプチャシステムの詳細を示す図である。
【図1C】図1Aのキャプチャシステムの詳細を示す図である。
【図2】本発明のキャプチャシステムの別の実施の形態を示す図である。
【図3】図1A〜図2に示すシステムの実施の形態のビデオカメラの各々によって観測される空間の拡大図である。
【図4】本発明のキャプチャ方法の1つの好ましい実施の形態の主要ステップE5〜E90を示す図である。
【図5A】360°の空間をカバーする本発明のキャプチャシステムの1つの好ましい実施の形態を示す図である。
【図5B】図5Aのキャプチャシステムの詳細を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角倍率が1未満であるアフォーカルレンズから成る単連結な広視野光学系(1)によって取得される画像(42)を取り込み、広視野の第1の光線(4)を供給するためのシステムであって、
前記第1の光線(4)から、前記広視野内の狭視野に対応する第2の光線(4’)を選択するとともに、前記画像(42)の関心領域(52)を示す手段と、
前記狭視野の第2の光線(2’)を第1の解像度で取り込むように構成されたレンズ(21)を含む第1のビデオカメラ(20)と、
第1の複製光線(6)を生成すべく、前記広視野の第1の光線(4)を複製する手段(5)と、
前記第1の複製光線(6)全体を、前記広視野と前記狭視野との比によって定義される低減係数だけ前記第1の解像度よりも低い第2の解像度で取り込むように構成されたレンズ(11)を含む第2のビデオカメラ(10)と
を備え、
前記第2のビデオカメラ(10)及び前記第1のビデオカメラ(20)は、同一の感光素子マトリクス(21、22)を有することが好ましい、システム。
【請求項2】
前記第1のビデオカメラ(20)は可動型であり、前記選択手段は、前記第2の光線(4’)を受光する位置(θx,θy)に前記第1のビデオカメラ(20)を位置決めする手段(60、61、71、73)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項3】
前記第1のビデオカメラ(20)は固定型であり、前記選択手段は、前記第2の光線(4’)を前記第1のビデオカメラ(20)に向かって偏向させる偏向手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項4】
前記偏向手段は、前記第1の光線(4)内で回転可能なプリズム、ミラー又は任意のタイプの回折系を含むことを特徴とする、請求項3に記載のキャプチャシステム。
【請求項5】
前記第1のビデオカメラ(20)は、前記関心領域(52)の角度の大きさを確定する光学ズームシステムを含むことを特徴とする、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項6】
前記画像(42)を閲覧するための端末(43)を前記選択手段の制御手段(83)の付近にさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項7】
前記画像(42)中の動き及び/又は光度の変化を検出し、それに応じて前記選択手段に命令を行うように構成されている、前記画像(42)を処理する手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項8】
前記光学系(1)及び前記第1のビデオカメラ(10)は、第1の赤外光線(4)及び第2の赤外光線(4’)を取り込むように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項9】
360°の空間をカバーする画像を取り込むシステムであって、請求項1〜8のいずれか一項に記載の2つのキャプチャシステム(A、A’)を背中合わせの配置で備え、該キャプチャシステム(A、A’)の前記光学系は少なくとも半空間をカバーするように構成されていることを特徴とする、システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2007−511117(P2007−511117A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536131(P2006−536131)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002723
【国際公開番号】WO2005/046240
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(506138867)ウィンライト システム ファイナンス (1)
【氏名又は名称原語表記】WINLIGHT SYSTEM FINANCE
【Fターム(参考)】