説明

床用化粧シート

【課題】施工前の摺動性の問題が無く、かつ施工後でも滑り性の問題が無く、耐傷付き性に優れる床用化粧シートを提供すること。
【解決手段】木質系基材上に、着色熱可塑性樹脂層、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に有する床用化粧シートにおいて、前記表面保護層が基材側の下部表面保護層と表面側の上部表面保護層の少なくとも2層を有し、前記下部表面保護層にモース硬度が4.0以上の無機微粒子を含有してなり、前記上部表面保護層にモース硬度が4.0未満の無機微粒子とワックスとを含有してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アパート、マンション、一般住宅や公共建築物の床面に用いる床材表面に貼り合わせて用いる床用化粧シートに関し、特には施工前の耐摺動性に優れ、かつ施工後の耐傷付き性にも優れる床用化粧シートに関する。
【背景技術】
【0002】
前記用途に用いる床材は、それを製造してから施工する場所に運ぶ際には、表面を面々に合わせて、傷が付かないように梱包するのが一般的となっている。
また、前記床材はその意匠性を高める為に、表面に化粧シートを貼り合わせてなるものが用いられている。このような化粧シートとしては、施工後に生活傷が表面に付かないように、表面保護層にガラスビーズやシリカなどの無機微粒子を添加したり、電離放射線硬化型樹脂を用いて架橋硬化したり、あるいはその両方を行っている。
【0003】
しかしながら、近年、床材の耐キャスター性が重要視されるようになったことから、木質系基材の材質が改良され、重いものとなってきた。床材が重くなるにつれて、床材の表面同士が擦り合って傷を付けあう摺動性の問題が発生してきた。
摺動性の問題を解決するには床材の表面が滑りやすいものとすれば良いが、そうすると施工後に床面が滑りやすすぎると転倒などの危険なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−115657
【特許文献2】特開2008−108616
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、すなわちその課題とするところは、施工前の摺動性の問題が無く、かつ施工後でも滑り性の問題が無く、耐傷付き性に優れる床用化粧シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこの課題を解決したものであり、すなわちその請求項1記載の発明は、木質系基材上に、着色熱可塑性樹脂層、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に有する床用化粧シートにおいて、前記表面保護層が基材側の下部表面保護層と表面側の上部表面保護層の少なくとも2層を有し、前記下部表面保護層にモース硬度が4.0以上の無機微粒子を含有してなり、前記上部表面保護層にモース硬度が4.0未満の無機微粒子とワックスとを含有してなることを特徴とする床用化粧シートである。
【0007】
またその請求項2記載の発明は、前記表面保護層に用いる樹脂が電離放射線硬化型樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の床用化粧シートである。
【発明の効果】
【0008】
本発明はその請求項1記載の発明により、下部表面保護層の固い無機微粒子により優れた表面硬度を得ることが可能となり、上部表面保護層の柔らかい無機微粒子とワックスとにより、適度な滑り性と摺動性とを有する床用化粧シートを得ることが出来る。またその請求項2記載の発明により、表面保護層に用いる樹脂を電離放射線硬化型樹脂とすることで、より摺動性と表面硬度に優れた床用化粧シートを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の床用化粧シートの一実施例の断面の構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面に基づき本発明を詳細に説明する。図1に本発明の床用化粧シートの一実施例の断面の構造を示す。木質系基材1の上に、着色熱可塑性樹脂層2、絵柄模様層3、透明熱可塑性樹脂層4、下部表面保護層5、上部表面保護層6を設けてなる。これら層間には適宜の接着剤による接着剤層(図示せず)を設けても良い。透明熱可塑性樹脂層4の表面には梨地状凹凸(図示せず)を有してもよい。
【0011】
本発明における木質系床材1としては、木材、合板など床面に用いることのできるものであれば特に材質を限定するものではなく、合成樹脂に木粉を混合したものを発泡成形したものなどであっても良い。
【0012】
本発明における着色熱可塑性樹脂層2としては、化粧シートの基材としての強度と木質系基材の表面を隠蔽する着色を有するものであればよく、用いる熱可塑性樹脂としては、種類は特に限定されず、例えば従来、係る化粧シート用の基材シートの素材として使用されている公知の任意の熱可塑性樹脂を使用することができる。具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(以後ASとする)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(以後ABSとする)等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂等、またはこれらから選ばれる2種または3種以上の共重合体や混合物、複合体、積層体等を使用することができる。厚みとしては50〜150μm程度が印刷しやすさ、基材に貼るときにある程度形状を保持したほうがの貼りやすさの点で好適である。
【0013】
着色するときの着色剤としては、高屈折率で耐候性、隠蔽性に優れた無機顔料を使用することが望ましい。具体的には、例えば黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、バリウムイエロー、キナクリドン、オーレオリン、モリブデートオレンジ、弁柄、マルスバイオレット、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、紺青、エメラルドグリーン、ビリジアン、鉄黒、カーボンブラック等の有色顔料や、例えば酸化チタン(チタン白、チタニウムホワイト)、酸化亜鉛(亜鉛華)、塩基性炭酸鉛(鉛白)、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛、リトポン、チタノックス等の白色顔料等を使用することができる。
【0014】
また、各種充填剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などの各種添加剤を適宜添加することも任意である。以上の樹脂をそれぞれ単独でまたは複数種混合して使用することができる。
【0015】
本発明における絵柄模様層3としては、前記着色熱可塑性樹脂層2の表面側か後述する透明熱可塑性樹脂層4の裏側にグラビア印刷等の手段により設けられる。具体的には2液硬化型ウレタン樹脂系インキ、塩化酢酸ビニル樹脂系インキなどが挙げられる。顔料としては、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青等の無機顔料や、アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料、魚鱗粉、塩基性炭酸鉛、酸化塩化ビスマス、酸化チタン被覆雲母等の真珠光沢顔料、蛍光顔料、夜光顔料等、またはこれらから選ばれる2種以上の混合物等を使用することができる。また、各種充填剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などの各種添加剤を適宜添加することも任意である。
【0016】
本発明における透明熱可塑性樹脂層4としては、前記着色熱可塑性樹脂層2と同様の樹脂が使用可能であるが、透明性や加工適性の点からポリオレフィン系樹脂が好適である。また、本発明における透明熱可塑性樹脂層4は、その表面側に導管や梨地状の凹凸を設けても良い。透明熱可塑性樹脂層4を設ける方法としては、前記絵柄模様層3を設けた着色熱可塑性樹脂層2の表面に、適宜接着剤層などを介して、予め表面凹凸を設けた透明熱可塑性樹脂層4を貼りあわせる方法や、溶融樹脂を押出同時エンボス付与により直接透明熱可塑性樹脂層4を設ける方法などがあげられるが、特にこれらに限定するものではない。厚みとしては50〜150μm程度が好適である。
【0017】
本発明における下部表面保護層5としては、化粧シート表面の各種耐性を得るために設けるものであり、特に耐傷付き性の物性項目(例えば、鉛筆硬度試験やデュポン衝撃試験)に影響を与える。本発明では特に、モース硬度が4.0以上の無機微粒子を含有した樹脂層からなるものが用いられる。使用される樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の熱硬化性樹脂や電離放射線樹脂が使用可能であり、特には紫外線硬化型樹脂が好適である。下部表面保護層5の層厚としては、特に制限されるものではないが、他層とのバランスやロールで巻き取れること等を考慮すると、5〜10μmが好適ある。
【0018】
前記下部表面保護層5に含有する無機微粒子の含有量としては、1〜20重量%が好適である。1重量%未満だと耐傷性が不十分となり、20重量%より多いと樹脂とのバインダー効果が少なくなり、無機微粒子が樹脂から外れやすいといった問題が出てくる。
前記下部表面保護層5に含有する無機微粒子としては、モース硬度が4.0以上のものが用いられる。モース硬度が4.0未満だと耐傷付き性が不十分となる。モース硬度が4.0以上の無機微粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、ジルコニア、二酸化ケイ素等があげられる。前記下部表面保護層5に含有する無機微粒子の形は特に限定されないが、粒径としては、層厚よりあまりに大きいと樹脂から外れやすく、印刷柄が見えにくくなる傾向があるので、層厚の2倍弱までが好適である。
【0019】
本発明における上部表面保護層6としては、化粧シート表面の各種耐性を得るために設けるものであり、特に滑り性、摺動性、耐傷付き性の物性項目に影響を与える。本発明では特に、ワックスおよびモース硬度が2.0〜4.0の無機微粒子を含有した樹脂層からなるものが用いられる。使用される樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の熱硬化性樹脂や電離放射線樹脂が使用可能であり、特には紫外線硬化型樹脂が好適である。上部表面保護層6の層厚としては、特に制限されるものではないが、他層とのバランスやロールで巻き取れること等を考慮すると、5〜10μmが好適ある。
【0020】
ワックスとしては公知の天然ワックス又は合成ワックスの中から適宜選択して使用することができる。本発明で使用することのできる天然ワックスの例としては、例えばミツロウ、羊毛脂、鯨ロウのような動物性ワックス、カルナバロウ、木ロウのような植物性ワックス又はモンタンロウ、パラフィンロウ等の鉱物性ワックスが挙げられる。又、合成ワックスとしては、例えば、アクリル系又はアクリル−スチレン系エマルジョン等を挙げることができる。
【0021】
前記上部表面保護層6に含有するワックスの含有量としては、同時に含有する無機微粒子との兼ね合いもあるが、1〜5重量%が好適である。1重量%未満だと表面が互いに削りあい、傷付け合ってしまう摺動性問題が発生する。5重量%を超えると表層が滑りやすくなる為、床用シートと不適切である。
【0022】
前記上部表面保護層6に含有する無機微粒子の含有量としては、1〜20重量%が好適である。1重量%未満だと前述のワックス効果がより強く出て、床材の表面がすべり易いといった問題がでてくる。20重量%を超えると樹脂とのバインダー効果が少なくなり、無機微粒子が樹脂から外れやすいといった問題が出てくる。
前記上部表面保護層6に含有する無機微粒子としては、モース硬度が2.0〜4.0のものが用いられる。モース硬度が2.0未満だと柔らかすぎて効果が出ない。モース硬度が4.0以上だと表層にある樹脂としては硬すぎて、摺動性問題が発生する。モース硬度が2.0〜4.0の無機微粒子としては、シリカ、セレナイト、アラバスター、フローライト、マラカイト、マイカ等があげられる。
前記上部表面保護層6に含有する無機微粒子の粒径としては、層厚よりあまりに大きいと樹脂から外れやすく、印刷柄が見えにくくなる傾向があるので、層厚の2倍弱までが好適である。
前記上部表面保護層6に含有する無機微粒子の形としては、特に限定するものではないが、その効果としてワックスがすべり過ぎるのを防ぐ機能もあるので、不定形の方が効果を期待できる。
【実施例1】
【0023】
着色熱可塑性樹脂層2として厚さ70μmのポリエステルフィルム(リケンテクノス(株)製)を使用し、その片面にグラビアインキ(東洋インキ製造(株)製「ラミスター」)で木目印刷をグラビア印刷機により印刷して絵柄模様層3とした。その後、印刷を施した面とは逆の面にシリカ粉末を含有する2液ウレタン系プライマー樹脂を乾燥後の厚みが1μmとなるようにグラビア塗工した。
【0024】
その後、前記絵柄模様層3上にポリエステルポリオールを主剤としイソホロンジイソシアネートを硬化剤とする2液ウレタン樹脂系接着剤を用い、乾燥後の塗布量が2g/m2になるように塗工し、透明熱可塑性樹脂層4として、透明ポリプロピレン樹脂と接着性樹脂(マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂)とを、透明ポリプロピレン樹脂の厚みが80μm、接着性樹脂の厚みが20μmとなり、接着性樹脂が絵柄模様層3側になるように共押出ラミネートした。
【0025】
前記透明熱可塑性樹脂層4の表面上に、アクリルポリオール100重量部、ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)10重量部を入れた2液硬化型アクリルウレタン樹脂に対して、平均粒径6μmでモース硬度6.5の球状ガラスビーズ7重量部添加し、厚さ8μmとなるように塗布し、熱風乾燥により硬化させ下部表面保護層5を設けた。
【0026】
前記下部表面保護層5の表面上に、アクリルポリオール100重量部、ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)10重量部を入れた2液硬化型アクリルウレタン樹脂に対して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.5部、ヒンダードアミン系光安定剤0.2部、平均粒径6μmの球状ポリエチレンワックス1部および平均粒径5μmのモース硬度3.0の不定形シリカ4部を添加し、厚さ8μmとなるように塗布し、熱風乾燥により硬化させ上部表面保護層6を設け、本発明の床用化粧シートを得た。
【実施例2】
【0027】
実施例1の上部表面保護層6をウレタンアクリレート(ダイセル・ユーシービ(株)製「Ebecryl 4858」)100部とペンタエリスリトールテトラアクリレート(ダイセル・ユーシービ(株)製「PETA−K」)20部、ベンゾフェノン系光開始剤(ダイセル・ユーシービ(株)製「Ebecryl BZO」)0.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.5部、ヒンダードアミン系光安定剤0.5部、平均粒径6μmの球状ポリエチレンワックス1部および平均粒径5μmのモース硬度3.0の不定形シリカ4部を添加した紫外線硬化型樹脂を厚さ8μmとなるように塗布し、メタルハライドランプによる紫外線照射により硬化させ上部表面保護層6とした以外は、実施例1と同様にして床用化粧シートを得た。
【0028】
<比較例1>
上部表面保護層6に入っているワックスを抜いた以外は実施例1と同様にして床用化粧シートを得た。
【0029】
<比較例2>
上部表面保護層6に入っている平均粒径5μmのモース硬度3.0の不定形シリカの変わりに平均粒径5μmのモース硬度6.0の不定形ガラスビースにした以外は、実施例1と同様にして床材化粧シートを得た。
【0030】
<比較例3>
下部表面保護層5に入っている平均粒径6μmでモース硬度6.5の球状ガラスビーズの変わりに平均粒径6μでモース硬度3.0の不定形シリカにした以外は、実施例1と同様にして床材化粧シートを得た。
【0031】
<比較例4>
上部表面保護層6に入っている平均粒径5μmのモース硬度3.0の不定形シリカを抜いた上部表面保護層にした以外は、実施例1と同様にして床材化粧シートを得た。
【0032】
<比較例5>
下部表面保護層5に入っている平均粒径6μmでモース硬度6.5の球状ガラスビーズを抜いた上部表面保護層にした以外は、実施例1と同様にして床材化粧シートを得た。
【0033】
<性能評価方法>
厚み12mmの合板を用い、この表面に2液水性エマルジョン接着剤(中央理化工業(株)製「リカボンド」(「BA−20」と「BA−11B」を100部:5部で混合)を用い、これをウエット状態で100g/m2に塗工したあと、ラミネータにて前記実施例1〜実施例2と比較例1〜比較例5の化粧シートの着色熱可塑性樹脂層側とを貼り合わせ、12時間養生し床材とした。
【0034】
<摺動性評価>
床材を面々合わせにし、面々合わせの上から500g/cm2となるような荷重を加え、2000回往復して床材を擦り合わせたのち、床材の表面を観察した。評価方法は、表面状態が全く変わらない・・・◎、僅かに傷有り(実用上問題無し)・・・○、傷あり、表層の塗膜が削れる・・・×とした。
【0035】
<滑り性評価>
ドライボアミューズ(HEIDON製「TYPE:94iII)を使用し、滑り片にストッキングを被せ、前記床材と滑り片との静摩擦係数を測定した。0.4を超える・・・◎、0.3〜0.4・・・○、0.3未満・・・×とした。
【0036】
<耐傷付き性評価>
耐傷付き性評価として、鉛筆硬度試験を実施した。試験方法は、JIS K 5600−5−4 塗料一般試験方法 引っかき硬度(鉛筆法)に準拠。評価方法は、傷がつき始めた鉛筆の硬さを目視にて確認した。
以上の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の床用化粧シートは、アパート、マンション、一般住宅や公共建築物の床面に用いる床材表面に貼り合わせて利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…木質系基材
2…着色熱可塑性樹脂層
3…絵柄模様層
4…透明熱可塑性樹脂層
5…下部表面保護層
6…上部表面保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質系基材上に、着色熱可塑性樹脂層、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に有する床用化粧シートにおいて、前記表面保護層が基材側の下部表面保護層と表面側の上部表面保護層の少なくとも2層を有し、前記下部表面保護層にモース硬度が4.0以上の無機微粒子を含有してなり、前記上部表面保護層にモース硬度が4.0未満の無機微粒子とワックスとを含有してなることを特徴とする床用化粧シート。
【請求項2】
前記表面保護層に用いる樹脂が電離放射線硬化型樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の床用化粧シート。

【図1】
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【公開番号】特開2011−202422(P2011−202422A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71204(P2010−71204)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(593173840)株式会社トッパン・コスモ (243)
【Fターム(参考)】