説明

店員呼出システム

【課題】店舗内のテーブルに着席した顧客が店員を呼び出す際、テーブルに設けられた送信機を操作することにより、迅速かつ円滑に店員を呼び出すことができる店員呼出システムを提供する。
【解決手段】本発明の店員呼出システムAは、店舗内の顧客が着席するテーブルに設けられ、店員を呼び出す呼出信号m1を送信する送信機1と、呼出信号m1は、テーブルの識別情報を含み、送信機1から送信された呼出信号m1を受信する受信機2と、この受信機2が受信したテーブルの識別情報を、このテーブルの識別情報に対応させて店員を呼び出す呼出音声信号m2に変換する情報処理装置3と、呼出音声信号m2を無線通信により送信する通信手段4と、店舗内の店員が携帯し、通信手段4により送信された呼出音声信号m2を受信する携帯端末5と、この携帯端末5は、呼出音声信号m2を音声により出力する音声出力手段51を備えているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内のテーブルに着席した顧客が店員を呼び出す際、テーブルに設けられた送信機を操作することにより、迅速かつ円滑に店員を呼び出すことができる店員呼出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店などの店舗に来店した顧客が、着席したテーブルから店員を呼び出す場合、テーブルに設けられた送信機を操作し、この送信機からテーブルの識別情報を含んだ呼出信号を送信し、送信された呼出信号を受信機により受信して、呼出のあったテーブルを呼出表示装置により表示させて店員に知らせる店員呼出システムが用いられていた(例えば、特許文献1の図1参照)。
【特許文献1】特開平11−161859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した店員呼出システムにあっては、店員は、呼出表示装置が設置してある場所に出向いて呼出のあったテーブルの表示を確認しなければならないという煩雑さがあり、特に、繁忙時は呼出表示装置を見に行けないこともあり、顧客からの呼び出しに対応して迅速な接客ができないという問題点があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、店舗内の顧客が着席するテーブルに設けられ、店員を呼び出す呼出信号を送信する送信機と、前記呼出信号は、前記テーブルの識別情報を含み、前記送信機から送信された呼出信号を受信する受信機と、この受信機が受信した前記テーブルの識別情報を、前記テーブルの識別情報に対応させて店員を呼び出す呼出音声信号に変換する情報処理装置と、前記呼出音声信号を無線通信により送信する通信手段と、前記店舗内の店員が携帯し、前記通信手段により送信された前記呼出音声信号を受信する携帯端末と、この携帯端末は、前記呼出音声信号を音声により出力する音声出力手段を備えている店員呼出システムである。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の店員呼出システムにおいて、通信手段は、送受信機能を有し、携帯端末は、マイクと、送受信機能を有し、前記携帯端末は、複数であり、前記各携帯端末は、前記通信手段を介して前記携帯端末間で音声を送受信できるものである。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の店員呼出システムにおいて、音声出力手段は、イヤホンまたは骨伝導スピーカであるものである。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1記載の店員呼出システムにおいて、受信機に接続され、送信機から送信されたテーブルの識別情報を表示する呼出表示装置を備えているものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の店員呼出システムによれば、店舗内の店員が携帯し、通信手段により送信された呼出音声信号を受信する携帯端末と、この携帯端末は、呼出音声信号を音声により出力する音声出力手段を備えているため、店員は、呼出のあったテーブルの識別情報を携帯端末により音声で認識することができ、店員は、顧客の呼び出しに対応して迅速に接客をすることができる。
【0010】
請求項2記載の店員呼出システムによれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、通信手段は、送受信機能を有し、携帯端末は、マイクと、送受信機能を有し、携帯端末は、複数であり、各携帯端末は、通信手段を介して携帯端末間で音声を送受信できるため、顧客の呼び出しに対応する店員が、他の店員に対し、自分が対応する旨を音声で伝達したり、一の店員が、他の店員に対して、顧客の呼び出しに対応するよう指示を出したりすることができ、他の店員との円滑な連携を図ることができる。
【0011】
請求項3に記載の店員呼出システムによれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、音声出力手段は、イヤホンまたは骨伝導スピーカであるため、静かな店舗内にあっては音を立てずに顧客の呼出を聞き取ることができ、騒音の大きい店舗内であっては周囲の雑音にかかわらず確実に顧客の呼出を聞き取ることができ、顧客の呼び出しに対して迅速な接客を行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の店員呼出システムによれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、受信機に接続され、送信機から送信されたテーブルの識別情報を表示する呼出表示装置を備えているため、顧客の呼出のあったテーブルの識別情報を、音声に加えて目視でも確認することができ、音声による認識を補助して、より一層確実な接客を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施例を、図1〜図3に基づき説明する。図1において、Aは店員呼出システムであり、店員呼出システムAは、概略的に、送信機1と、受信機2と、情報処理装置3と、通信手段4と、携帯端末5とにより構成される。
【0014】
送信機1は、例えば、飲食店などの店舗において、店舗内の顧客が着席するテーブルに設けられ、料理の注文をするときなど、店員を呼び出す際に、顧客が操作して店員を呼び出す呼出信号m1を送信するものであり、例えば、押しボタン式のような顧客が簡易に操作できるもので、呼出信号m1は、無線通信または有線通信により受信機2に送信される。この呼出信号m1は、店員を呼び出している顧客の着席するテーブルの番号など、テーブルを識別するためのテーブルの識別情報を含んでいる。
【0015】
受信機2は、送信機1から送信された呼出信号m1を受信するものであり、受信した呼出信号m1は情報処理装置3に送信される。この受信機2は、呼出信号m1が無線送信により送信される場合にあっては、店舗内に呼出信号m1を受信するための一又は二以上の受信用のアンテナ(図1では、一のアンテナを設けたものを例示)が設けられ、呼出信号m1が有線送信により送信される場合にあっては、受信機2と各テーブルの送信機1とがケーブル(図示せず)により接続される。
【0016】
情報処理装置3は、受信機2が受信したテーブルの識別情報を、このテーブルの識別情報に対応させて店員を呼び出す呼出音声信号m2に変換するものであり、具体的には、図2に示したように、テーブルの識別情報を受信機2から取得するテーブル情報取得部31と、情報処理装置3を制御する制御部32と、呼出音声信号m2の電子データを記憶した音声信号記憶部33と、呼出音声信号m2を通信手段4に送信する音声信号送信部34とを備えている。
【0017】
通信手段4は、呼出音声信号m2を無線通信により送信するものであり、図1に示したように、通信手段4に設けられたアンテナ4aを介して携帯端末5に呼出音声信号m2が送信される。なお、このアンテナ4aは、店舗内の一又は二箇所以上に設けられ、無線通信に支障が出ないような適所に配設される。
【0018】
携帯端末5は、店舗内の店員が携帯し、通信手段4により送信された呼出音声信号m2を受信するものであり、具体的には、携帯端末5に設けられた携帯端末通信手段53により呼出音声信号m2が受信される。
【0019】
また、携帯端末5は、呼出音声信号m2を音声により出力する音声出力手段51を備えている。この音声出力手段51は、外部に音を発するスピーカを用いることもできるが、好適には、イヤホン(ヘッドホンを含み、耳に直接装着して音声を伝達するものであって、外部に音が漏れず、耳を介して音声を伝達するもの)や頭部に当接して音声を伝達する骨伝導スピーカ(例えば、特許第2967777号のもの)などのヘッドセットであって、いわゆるハンズフリーのものが用いられる。
【0020】
次に、上述した実施例に係る店員呼出システムAの作用について、店舗が飲食店である場合を例にとって説明する。
【0021】
顧客が店舗内のテーブルに着席した後、例えば、飲食する料理を注文するとき、あるいは、追加の注文や用事を頼むときなどに店員を呼び出す際、顧客がテーブルに設けられた送信機1を操作する。
【0022】
そして、送信機1から送信された呼出信号m1を受信機2で受信し、受信した呼出信号m1が情報処理装置3に送られると、この情報処理装置3において、テーブル識別情報取得部31が取得したテーブルの識別情報に基づき、制御部32の動作により、該テーブルの識別情報に対応した呼出音声信号m2が音声信号記憶部33から読み出され、読み出された呼出音声信号m2は、音声信号送信部34を介して通信手段4に送信される。
【0023】
前述の呼出音声信号m2は、例えば、テーブルの番号や客室の名称などの音声と、店員を呼び出す旨の音声とが組み合わされた音声信号である。
【0024】
そして、通信手段4により受信した呼出音声信号m2は、アンテナ4aを介して携帯端末5に送信され、携帯端末5の携帯端末通信手段53によりこの呼出音声信号m2を受信した後、音声出力手段51により音声に変換され、この音声により店員に呼び出しがあったテーブルおよび呼び出しがあった旨が伝えられる。
【0025】
したがって、店員は、顧客からの送信機1による呼び出しがあった後、即座に呼び出しを認識することができ、この呼び出しに対応して迅速に接客をすることができる。特に、ハンズフリーのイヤホンや骨伝導スピーカを用いた場合には、例えば、繁忙時にあって配膳で両手がふさがり、手を使って携帯端末5を操作できないときであったとしても、確実に顧客の呼出を聞き取ることができ、顧客の呼び出しに対応して迅速な接客を行うことができる。
【0026】
ところで、上述した店員呼出システムAにおいて、通信手段4は、送受信機能を有し、携帯端末5は、マイク52と、送受信機能を有し、携帯端末5は、複数であり、各携帯端末5は、通信手段4を介して携帯端末5、5、・・間で店員が話す音声(通話者音声信号m3)を送受信できるようにしてもよい。前述の送受信機能は、周知の送信回路と周知の受信回路とにより具備され、携帯端末5にあっては、携帯端末通信手段53に設けられる。
【0027】
このような複数の携帯端末5、5、・・を備える店員呼出システムAにあっては、顧客の呼び出しに対応する店員が、他の店員に対し、自分が対応する旨を音声で伝達したり、一の店員が、他の店員に対して、顧客の呼び出しに対応するよう指示を出したりすることができるため、複数の店員が重複して同じ顧客に対応することを防止することができ、他の店員との円滑な連携を図ることができる。
【0028】
また、上述した店員呼出システムAにおいて、図3に示したように、受信機2に接続され、送信機1から送信されたテーブルの識別情報を表示する呼出表示装置6を備えさせる構成としてもよい。この呼出表示装置6には、公知のもの(例えば、特開平11−161859号公報記載の図1のものなど)を使用することができる。
【0029】
かかる店員呼出システムAにあっては、前述のように、受信機2が受信したテーブルの識別情報を、呼出信号m1として情報処理装置3に送信して、携帯端末5を介して音声による呼び出しを行うと共に、店舗内の適所(例えば、顧客からは見えず、店舗内の雰囲気を壊さないような場所)に設けられた呼出表示装置6により表示させることにより、音声に加えて目視でも呼び出しのあったテーブルを確認することができ、音声による認識を補助して、より一層確実な接客を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の店員呼出システムの構成を示した図である。
【図2】図1の情報処理装置の構成を示したブロック図である。
【図3】図1の他の実施例を示した図である。
【符号の説明】
【0031】
A 店員呼出システム
m1 呼出信号
m2 呼出音声信号
m3 通話者音声信号
1 送信機
2 受信機
3 情報処理装置
4 通信手段
5 携帯端末
51 音声出力手段
52 マイク
6 呼出表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内の顧客が着席するテーブルに設けられ、店員を呼び出す呼出信号を送信する送信機と、
前記呼出信号は、前記テーブルの識別情報を含み、
前記送信機から送信された呼出信号を受信する受信機と、
この受信機が受信した前記テーブルの識別情報を、前記テーブルの識別情報に対応させて店員を呼び出す呼出音声信号に変換する情報処理装置と、
前記呼出音声信号を無線通信により送信する通信手段と、
前記店舗内の店員が携帯し、前記通信手段により送信された前記呼出音声信号を受信する携帯端末と、
この携帯端末は、前記呼出音声信号を音声により出力する音声出力手段を備えていることを特徴とする店員呼出システム。
【請求項2】
通信手段は、送受信機能を有し、
携帯端末は、マイクと、送受信機能を有し、
前記携帯端末は、複数であり、
前記各携帯端末は、前記通信手段を介して前記携帯端末間で音声を送受信できることを特徴とする請求項1記載の店員呼出システム。
【請求項3】
音声出力手段は、イヤホンまたは骨伝導スピーカであることを特徴とする請求項1記載の店員呼出システム。
【請求項4】
受信機に接続され、送信機から送信されたテーブルの識別情報を表示する呼出表示装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の店員呼出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−48390(P2009−48390A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213304(P2007−213304)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(394000518)株式会社アイメディカルシステム (4)
【Fターム(参考)】