説明

廃タイヤのゴム再資源化方法、及び再資源化システム

【課題】 本発明は、廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹き付け、高温でゴムを溶融して他の素材と分別し、廃タイヤのゴムを品質よく一定粒径以下の粒状体として再資源化する方法及びシステムを提供しようとするものである。
【解決手段】 廃タイヤを真空雰囲気中で冷媒によって瞬間凍結して弾性を失わせ、弾性を失った廃タイヤを打撃や衝撃等により破砕し、破砕された廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを溶融させて、廃タイヤに使われたカーカス、ベルト、ヒートワイヤ等の非ゴム素材を分別した後溶融ゴムを再凍結してゴム塊とし、このゴム塊を周壁に一定口径の貫通孔を多数有する有底回転円筒体内に投入、円筒体内の回転刃で切断・粉砕し、円筒体の回転に伴う遠心力により前記貫通孔から円筒体外に一定粒径以下のゴム粒状体を放出して再資源化する方法及び再資源化システムによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃タイヤを破砕し、廃タイヤに用いられていたゴムと他の素材とを分別し、分別されたゴムを一定粒径以下の粒状体として再資源化する方法に係り、特にゴムと他の素材との分別が、廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹き付けてゴムを溶融させることによって行われ、また一定粒径以下のゴム粒状体の選別・収集が溶融、分別され再凍結されたゴム塊を粉砕した後、遠心力を利用して行われてなる廃タイヤのゴム再資源化方法、及び再資源化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の普及に伴なって使用済みタイヤが大量に野積みされ、その野積みタイヤの自然発火による火災の発生等の環境破壊が社会問題化し、その再利用、再資源化が大きな課題となってきている。
使用済みの廃タイヤの再利用、再資源化の方法としては、原型のまま、あるいは切断加工して遊具などとして使用したり、そのまま燃焼して高カロリーの熱源として利用されたりもしているが、一方では破砕装置によって粗破砕し、タイヤのゴム部分を補強するためにタイヤの内面に貼着された合成樹脂繊維製などのカーカスや、タイヤが路面に接する部分(トレッド)の内面に帯状に貼着された合成樹脂繊維製などのベルト、前記カーカスの両端を支持するとともにタイヤをリムに固定する金属製のビードワイヤー等の非ゴム素材をゴム部分から剥がして分離し、ゴム、合成樹脂繊維類、金属類をそれぞれ資源として再利用することも行われている。
しかし、前記の廃タイヤを資源として再利用する場合においては、ゴム部分から非ゴム素材を剥がして分離することが困難であること、そして分離したゴム部分に合成樹脂繊維や金属類の非ゴム素材が含まれていると、再生したゴム製品の商品価値が低下するという問題があった。
【0003】
一方、固形物を粉砕し一定粒径の粉粒体を得るには、粉砕機で粉砕された固形物を所定の粒径に相当するメッシュの篩装置に投入し、前記篩装置を振動させることによって一定粒径以下の粉粒体を篩のメッシュから落下させて収集することが一般に行われている。また、篩のメッシュから落下せず篩上に残った一定粒径以上の粗い粉粒体を効率よく回収するために篩を傾斜させて配置することもよく行われている。
しかしこの方法では、粉砕機で粉砕された固形物を篩上まで搬送しなければならず、仮に粉砕機の排出口に接して篩装置を備えたとしても、篩い残された粗い粉粒体を粉砕機で再度粉砕するためには、篩い残された粗い粉粒体を破砕機の投入口まで何らかの手段で搬送する必要があり、粉粒体の製造装置が大型化するきらいがあった。
【0004】
そこで本発明者は、先に「廃タイヤを低温液化ガス等の冷媒を用いて凍結する凍結工程と、この凍結した廃タイヤを破砕すると共に、ゴム部分からカーカス、ベルト及びビードワイヤー等の非ゴム部分を分離する破砕分離工程と、この破砕した廃タイヤを、ゴム部分と、カーカス、ベルト及びビードワイヤー等の非ゴム部分を分別する分別工程と、この分別したゴム部分を所定の粒径に細かく粉砕する粉砕工程とを備えた廃タイヤの凍結粉砕方法及びその凍結粉砕装置」の発明を行った(特開2002−219378号公報)。
この「廃タイヤの凍結粉砕方法及びその凍結粉砕装置」では、凍結工程から破砕分離工程へ凍結された廃棄タイヤを、破砕分離工程から分別工程へ破砕された廃タイヤの破砕片を、また分別工程から粉砕工程へ非ゴム素材の破砕片と分離されたゴムの破砕片をそれぞれ搬送する手段が必要なことから、装置全体の規模のコンパクト化には至らなかった。
そこでさらに、本発明者は装置のコンパクト化を図るべく鋭意研究を重ね、「周壁に多数の一定口径の貫通孔を有する有底回転体内に投入された固形物を、同円筒体内で粉砕するとともに、同円筒体の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の多数の一定口径の貫通孔から粉砕物を外部に放出して、一定粒径以下の粉粒体を収集する粉粒体の製造方法及び製造装置」の発明を行い、併せて前記「粉粒体の製造方法及び製造装置」を用いた「廃タイヤのゴム再資源化方法及び再資源化装置」の発明を行った(特願2009−169325)。
しかし、この「廃タイヤのゴム再資源化方法」においても、凍結してゴムの弾性を失なわせた廃タイヤを物理的手段によって破砕することからゴムと他の素材との分別が確実に行える保証はなく、分別する篩の目より大きな他の素材の破砕片に付着したゴムは再資源化されず、逆に篩の目より小さい他の素材の破砕片は、前記円筒体内に投入され粉砕されて外部に放出され、再資源化ゴムの品質に影響を与える懸念が多少残っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−219378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記背景技術に鑑み、廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹き付け、高温でゴムを溶融して他の素材と分別することにより、他の素材が混じり込むことのない廃タイヤのゴム再資源化方法、及び再資源化システムを提供し、再資源化ゴムを使用して製品の品質向上に寄与しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を下記の手段によって解決した。
(1)廃タイヤを真空雰囲気中で低温液化ガスなどの冷媒によって瞬間凍結して弾性を失わせる凍結工程と、凍結され弾性を失った廃タイヤを破砕する破砕工程と、破砕された廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを溶融させることにより、前記廃タイヤの破砕片から該タイヤのカーカス、ベルト、ヒートワイヤに使用されたゴム以外の素材とゴムとを分別する溶融・分別工程と、溶融したゴムを低温液化ガスなどの冷媒によって再凍結する再凍結工程と、再凍結したゴム塊を周壁に多数の一定口径の貫通孔を有する回転円筒体内に投入し、同円筒体内に設けた多数の回転刃等の粉砕手段によって前記ゴム塊を粉砕するとともに、前記円筒体の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の一定口径の貫通孔からゴム粉砕粒体を円筒体外に放出して、一定粒径以下のゴム粒状体を収集する粉砕・整粒工程とからなることを特徴とする廃タイヤのゴム再資源化方法。
【0008】
(2)前記過熱水蒸気含有燃焼ガスが、第1バーナーにより燃料を噴霧燃焼させて燃焼室内を700℃以上の高温に加熱するとともに前記高温の燃焼室内に第2バーナーから燃料と水を混合してなるエマルジョンの噴射燃焼によって得られるものであることを特徴とする前項(1)に記載の廃タイヤのゴム再資源化方法。
(3)前記過熱水蒸気が、バーナーにより燃料を噴霧燃焼させて燃焼室内を700℃以上の高温に加熱するとともに、前記高温の燃焼室内に配設されたループ状水管の一端から注入された水が前記水管内で加熱されて他端から噴出して得られるものであることを特徴とする前項(1)に記載の廃タイヤのゴム再資源化方法。
【0009】
(4)廃タイヤを真空雰囲気中で低温液化ガスなどの冷媒によって瞬間凍結して弾性を失わせる凍結装置と、凍結され弾性を失った廃タイヤを破砕する破砕装置と、破砕された廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを溶融させることにより、前記廃タイヤの破砕片から該タイヤのカーカス、ベルト、ヒートワイヤに使用されたゴム以外の素材とゴムとを分別する溶融・分別装置と、溶融したゴムを低温液化ガスなどの冷媒によって再凍結する再凍結装置と、再凍結したゴム塊を周壁に多数の一定口径の貫通孔を有する有底回転円筒体内に投入し、同円筒体内に設けた多数の回転刃によって前記ゴム塊を切断・粉砕するとともに、前記円筒体の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の一定口径の貫通孔からゴム粉砕粒体を円筒体外に放出して、一定粒径以下のゴム粒状体を収集する固形塊状物の粒状化装置とから構成されてなることを特徴とする廃タイヤのゴム再資源化システム。
(5)前記固形塊状物の粒状化装置が、垂設した回転軸に沿って多数の回転刃を上下に固設してなる回転刃体を備え、かつ前記回転刃体が昇降自在に前記有底回転円筒体内に配設されてなることを特徴とする前項(4)に記載の廃タイヤのゴム再資源化システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の「廃タイヤのゴム再資源化方法、及び再資源化システム」によって下記の効果が発揮される。
〈1〉廃タイヤを真空雰囲気中で低温液化ガスなどの冷媒によって瞬間凍結し、ゴムとしての弾性を失わせて破砕がしやすくし、また破砕した廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを溶融させているので、カーカス、ベルト及びビートワイヤ等の非ゴム素材とゴムとを効率よくほぼ完全に分離でき、さらに、溶融したゴムを低温液化ガスなどの冷媒によって再凍結し、再凍結したゴム塊を、周壁に多数の一定口径の貫通孔を有する回転円筒体内に投入して同円筒体内に設けた多数の回転刃でなる粉砕手段によって粉砕するとともに、前記円筒体の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の一定口径の貫通孔から粉砕されたゴムの粒状体を円筒体外に放出して一定粒径以下のゴム粒状体を収集するので、ゴム以外の素材の混入のない粒径の揃ったゴム粒状体が容易に得られ、再資源したゴムで造られた製品の品質向上に寄与でき、また廃タイヤの野積みや不法投棄による環境汚染の防止にも貢献できる。
【0011】
〈2〉廃タイヤを真空雰囲気中で低温液化ガスなどの冷媒によって瞬間凍結して弾性を失わせる凍結装置と、凍結され弾性を失った廃タイヤを破砕する破砕装置と、破砕された廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを溶融させることにより、前記廃タイヤの破砕片から該タイヤのカーカス、ベルト、ヒートワイヤに使用されたゴム以外の素材とゴムとを分別する溶融・分別装置と、溶融したゴムを低温液化ガスなどの冷媒によって再凍結する再凍結装置と、再凍結したゴム塊を周壁に多数の一定口径の貫通孔を有する有底回転円筒体内に投入し、同円筒体内に設けた多数の回転刃によって前記ゴム塊を切断・粉砕するとともに、前記円筒体の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の一定口径の貫通孔からゴム粉砕粒体を円筒体外に放出して、一定粒径以下のゴム粒状体を収集する固形塊状物の粒状化装置とから構成されているので、廃タイヤのゴムは溶融によってカーカス、ベルト、ヒートワイヤ等と完全に分別され、他の素材の混じらない再資源化ゴムが得られる。
また、前記固形塊状物の粒状化装置が、垂設した回転軸に沿って多数の回転刃を上下に固設してなる回転刃体を備え、かつ前記回転刃体が昇降自在に前記有底回転円筒体内に配設されているので、再凍結されたゴム塊を効率よく切断・粉砕できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】廃タイヤのゴム再資源化方法の工程を示すブロック図
【図2】廃タイヤのゴム再資源化システムの構成を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の廃タイヤのゴム再資源化方法、及び再資源化システムを実施するための形態を、実施例の図に基づいて説明する。
本発明の廃タイヤのゴム再資源化方法は、図1に示すように、使用済みの廃タイヤから金属製のリムを取り外すとともに、タイヤに付着した泥や汚れを洗浄除去する前処理工程S1を行った後、廃タイヤを真空雰囲気中で低温液化ガスなどの冷媒によって瞬間凍結して弾性を失わせる凍結工程S2と、凍結され弾性を失った廃タイヤを破砕する破砕工程S3と、破砕された廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを400〜500℃の雰囲気中で溶融させ、前記廃タイヤの破砕片から該タイヤのカーカス、ベルト、ヒートワイヤに使用されたゴム以外の素材とゴムとを分別する溶融・分別工程S4と、溶融したゴムを低温液化ガスなどの冷媒によって再凍結する再凍結工程S5と、再凍結したゴム塊を周壁に多数の一定口径の貫通孔を有する有底回転円筒体内に投入し、同円筒体内に設けた多数の回転刃でなる粉砕手段によって前記ゴム塊を粉砕するとともに、前記円筒体の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の一定口径の貫通孔からゴム粉砕粒体を円筒体外に放出して、一定粒径以下のゴム粒状体を収集する粉砕・整粒工程S6を経てゴム以外の素材の混入のない粒径の揃ったゴム粒状体を得ようとするものである。
【0014】
本発明の廃タイヤのゴム再資源化方法を実現するシステムの一例を図2に示す。図において11は凍結装置、12は破砕装置、13は溶融・分別装置、14は再凍結装置、15は過熱水蒸気発生炉、16は固形塊状物の粒状化装置であり、2は粉砕・整粒装置の回転円筒体、2aは貫通孔、3は回転刃体、3aは回転刃、4は粒状体収集部、4aは粒状体取り出し口である。
本発明の廃タイヤのゴム再資源化システムは、図2に示すように、廃タイヤを真空雰囲気中で低温液化ガスなどの冷媒によって瞬間凍結して弾性を失わせる凍結装置11と、凍結され弾性を失って破壊されやすくなった廃タイヤを例えばスイングハンマーなどの打撃や衝撃によって破砕する破砕装置12と、破砕された廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気発生炉15で発生させた過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを400〜500℃の雰囲気内で溶融させることにより、前記廃タイヤの破砕片を該タイヤのカーカス、ベルト、ヒートワイヤに使用されたゴム以外の素材とゴムとを分別する溶融・分別装置13と、溶融されたゴムを低温液化ガスなどの冷媒によって再凍結してゴム塊とする再凍結装置14と、再凍結したゴム塊を周壁に多数の一定口径の貫通孔2aを有する有底回転円筒体2内に投入し、同円筒体2内に設けた多数の回転刃3aによって前記ゴム塊を切断・粉砕するとともに、前記円筒体2の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の一定口径の貫通孔2aから粉砕された一定粒径以下のゴム粒状体を円筒体2外に放出して、非ゴム素材の混じっていない粒径の揃ったゴム粒状体を粒状体収集部に集める固形塊状物の粒状化装置16とで構成され、先に廃タイヤのゴム再資源化方法で説明した図1に示す工程に従って、それぞれの装置を連携稼働させ、ゴム粒状体を製造するものである。
そして溶融・分別装置で溶融された溶融ゴムは、パイプ等の流路を介して再凍結装置に送ることができるので、ベルトコンベアやバケットなどの搬送装置を必要せず、システムのコンパクト化と、作業時間の短縮が図られる。
【0015】
また、前記過熱水蒸気発生炉15は、過熱水蒸気又は過熱水蒸気含有燃焼ガスを発生するもので、過熱水蒸気含有燃焼ガスの発生炉は、第1バーナーから燃料を噴霧燃焼させて燃焼室内を700℃以上の高温に加熱するとともに前記高温の燃焼室内に第2バーナーから燃料と水を混合してなるエマルジョンを噴射燃焼させて過熱水蒸気含有燃焼ガスを得流ものであり、過熱水蒸気の発生炉は、バーナーから燃料を噴霧燃焼させて燃焼室内を700℃以上の高温に加熱するとともに、前記高温の燃焼室内に配設されたループ状水管の一端から水を注入し、注入された水が前記水管内で加熱されて他端から過熱水蒸気として噴出させるものである。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の廃タイヤのゴム再資源化システムに使用した、固形塊状物の粒状化装置は、ゴム塊のみならず、プラスチック、金属、セラミックス、ガラス、スラグ、アスファルト、石材、木材、食品、医薬、飼料、肥料における塊状物の粒状化装置としても使用できる。
【符号の説明】
【0017】
2:回転円筒体
2a:貫通孔
3:回転刃体
3a:回転刃
4:粒状体収集部
11:凍結装置
12:破砕装置
13:溶融・分別装置
14:再凍結装置
15:過熱水蒸気発生炉
16:固形塊状物の粒状化装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃タイヤを真空雰囲気中で低温液化ガスなどの冷媒によって瞬間凍結して弾性を失わせる凍結工程と、凍結され弾性を失った廃タイヤを破砕する破砕工程と、破砕された廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを溶融させることにより、前記廃タイヤの破砕片から該タイヤのカーカス、ベルト、ヒートワイヤに使用されたゴム以外の素材とゴムとを分別する溶融・分別工程と、溶融したゴムを低温液化ガスなどの冷媒によって再凍結する再凍結工程と、再凍結したゴム塊を周壁に多数の一定口径の貫通孔を有する有底回転円筒体内に投入し、同円筒体内に設けた多数の回転刃によって前記ゴム塊を切断・粉砕するとともに、前記円筒体の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の一定口径の貫通孔からゴム粉砕粒体を円筒体外に放出して、一定粒径以下のゴム粒状体を収集する粉砕・整粒工程とからなることを特徴とする廃タイヤのゴム再資源化方法。
【請求項2】
破砕された廃タイヤの破砕片に吹き付けてゴムを溶融する過熱水蒸気含有燃焼ガスが、第1バーナーにより燃料を噴霧燃焼させて燃焼室内を700℃以上の高温に加熱するとともに前記高温の燃焼室内に第2バーナーから燃料と水を混合してなるエマルジョンの噴射燃焼によって得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の廃タイヤのゴム再資源化方法。
【請求項3】
破砕された廃タイヤの破砕片に吹き付けてゴムを溶融する過熱水蒸気が、バーナーにより燃料を噴霧燃焼させて燃焼室内を700℃以上の高温に加熱するとともに、前記高温の燃焼室内に配設されたループ状水管の一端から注入された水が前記水管内で加熱されて他端から噴出して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の廃タイヤのゴム再資源化方法。
【請求項4】
廃タイヤを真空雰囲気中で低温液化ガスなどの冷媒によって瞬間凍結して弾性を失わせる凍結装置と、凍結され弾性を失った廃タイヤを破砕する破砕装置と、破砕された廃タイヤの破砕片に過熱水蒸気含有燃焼ガス又は過熱水蒸気を吹きつけてゴムを溶融させることにより、前記廃タイヤの破砕片から該タイヤのカーカス、ベルト、ヒートワイヤに使用されたゴム以外の素材とゴムとを分別する溶融・分別装置と、溶融したゴムを低温液化ガスなどの冷媒によって再凍結する再凍結装置と、再凍結したゴム塊を周壁に多数の一定口径の貫通孔を有する有底回転円筒体内に投入し、同円筒体内に設けた多数の回転刃によって前記ゴム塊を切断・粉砕するとともに、前記円筒体の回転に伴う遠心力により円筒体周壁の一定口径の貫通孔からゴム粉砕粒体を円筒体外に放出して、一定粒径以下のゴム粒状体を収集する固形塊状物の粒状化装置とから構成されてなることを特徴とする廃タイヤのゴム再資源化システム。
【請求項5】
前記固形塊状物の粒状化装置が、垂設した回転軸に沿って多数の回転刃を上下に固設してなる回転刃体を備え、かつ前記回転刃体が昇降自在に前記有底回転円筒体内に配設されてなることを特徴とする請求項4に記載の廃タイヤのゴム再資源化システム。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−20501(P2012−20501A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160460(P2010−160460)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(508158687)
【出願人】(510195423)
【Fターム(参考)】