説明

廃トナーカートリッジ処理装置

【課題】 連続的な破砕作業を可能にして処理効率の向上を図ると共に、分別された素材をそのまま再利用できる廃トナーカートリッジ処理装置を提供する。
【解決手段】 廃トナーカートリッジ(101)を破砕して、この廃トナーカートリッジを構成する様々な素材(106〜108)を取り出す破砕手段(303)を備えた廃トナーカートリッジ処理装置(100)において、前記破砕手段(303)は、水(104)を散布しながら前記の破砕を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃トナーカートリッジから様々な資源を回収して再利用することができる廃トナーカートリッジ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
静電潜像方式の印刷機や複写機あるいは画像伝送装置のインクに用いられるトナーは、粉末状の着色プラスチックを主材料としているが、「粉末」であるがゆえに、インク補充時に周囲に飛散しやすく、取り扱いに慎重さが求められる。このため、トナーは通常、容器に収められた形態(トナーカートリッジと呼ばれる)でユーザの手元に届けられ、このトナーカートリッジのまま交換できるようになっている。
【0003】
さて、使用済みのトナーカートリッジ(廃トナーカートリッジという)は、そのまま不燃物として捨てられるか、または、容器(カートリッジ)のみ再利用される運命を辿っていた。しかし、資源再利用の点で後者が望ましいものの、カートリッジの再利用回数にも限界があるので、いずれ、不燃物として廃棄される運命には変わりなかった。
【0004】
そこで、廃トナーカートリッジを細かく破砕して、トナーの成分を分離回収すると共に、さらに、カートリッジを構成している様々な素材も分離回収することができる処理技術が求められている。
【0005】
この種の処理技術としては、たとえば、下記の特許文献1に記載されたものが知られている。以下、この技術を従来技術ということにすると、この従来技術では、「手作業によることなく、且つ解体することなく、使用済みトナーカートリッジをそのまゝ装置に投入しても、安全で、しかも良好な環境で破砕し、素材毎に分別処理することができる使用済みトナーカートリッジの処理装置及び処理方法を提供する。」という課題を達成するために、「使用済みトナーカートリッジを密閉された破砕室の中で爆発限界以下の雰囲気を保持しながら破砕する破砕装置と、この破砕装置から排出された破砕物を素材毎に分別する選別装置とからなる。」という解決手段を開示するものであり、この解決手段によって、「コピー機等のトナーを含む使用済みトナーカートリッジを前処理として解体に近い状態に手作業を全く加える必要がなく、そのまゝ一括して破砕装置に投入するだけで、残存のトナー、鉄や非鉄等の金属、ガラス、プラスチック等を爆発の危険もなく安全に且つ自動的に分別して回収することができる。このため処理作業が非常に簡単・清潔・安全で、効率は格段に高く、装置もシンプルで、全体としてコスト安に処理できる。」という効果を奏することができるとされている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−79125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術にあっては、以下の問題点がある。
(1)“密閉された破砕室”は、同文献の段落〔0021〕の記載から、全体として気密(密閉)状態に構成されているシュレッダー4のことであり、また、“爆発限界以下の雰囲気”は、同記載中の窒素ガスの雰囲気(酸素ガス濃度7%以下が望ましい)のことであるが、シュレッダー4(破砕室)は常に密閉されているのではなく、廃トナーカートリッジを投入する度に、その密閉状態が破られ、その都度、窒素ガスが外部に逃げ出す構造になっている。
【0008】
このことは、同文献の段落〔0022〕に「バンカー3は、・・・・下端に観音開きに構成された開閉装置7が設けてある。その開閉により、使用済みのトナーカートリッジ1をシュレッダー4内へ適正量に調整して安定供給することができる。」と記載されていることからも明らかである。開閉装置7の「開」により、シュレッダー4(破砕室)が外界に開放する。
【0009】
してみると、従来技術は、廃トナーカートリッジの投入後、シュレッダー4に窒素ガスを再充填する必要があり、窒素ガスの消費コストが嵩むうえ、この充填にはシュレッダー4の室容積に応じた相応の時間がかかるので、その間、破砕作業を中断せざるを得ず、破砕作業の処理効率が悪いという第一の問題点がある。
【0010】
(2)従来技術における破砕物は、高速回転するチェーン10(同文献の段落〔0023〕参照)によって得られたものであり、要するに、爆発限界以下の雰囲気中で機械的に破砕されたものに過ぎない。したがって、その破砕物はトナーにまみれた汚損状態にあるから、仮に、その破砕物を「分別装置によって素材毎に分別」したとしても、汚れたままの素材をそのまま再利用できないという第二の問題点がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、連続的な破砕作業を可能にして処理効率の向上を図ると共に、分別された素材をそのまま再利用できる廃トナーカートリッジ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、廃トナーカートリッジを破砕して、この廃トナーカートリッジを構成する様々な素材を取り出す破砕手段を備えた廃トナーカートリッジ処理装置において、前記破砕手段は、水を散布しながら前記の破砕を行うことを特徴とする廃トナーカートリッジ処理装置である。
請求項2記載の発明は、さらに、前記破砕手段からの汚水を脱水処理した廃トナーに溶剤を加えてゲル化した後、ゲル分離してトナーの主成分である着色プラスチックを取り出すトナー分離手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の廃トナーカートリッジ処理装置である。
請求項3記載の発明は、さらに、前記破砕手段からの汚水に凝集剤を添加する添加手段と、凝集剤を添加した汚水から比重の軽い浮遊物を取り出して脱水する脱水手段とを備え、前記トナー分離手段は、脱水後の浮遊物に溶剤を加えてゲル化した後、ゲル分離してトナーの主成分である着色プラスチックを取り出すことを特徴とする請求項2記載の廃トナーカートリッジ処理装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、連続的な破砕作業を可能にして処理効率の向上を図ると共に、分別された素材をそのまま再利用できる廃トナーカートリッジ処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態における廃トナーカートリッジ処理装置の全体構成図である。この図において、廃トナーカートリッジ処理装置100は、概略的に、集塵部200、破砕部300、汚水処理部400、選別部500及びトナー分離部600に分けることができる。
【0015】
各部の詳細を説明すると、まず、集塵部200は、回収された廃トナーカートリッジ101を搬入するためのコンベア201と、このコンベア201で運ばれた廃トナーカートリッジ101に付着しているトナー等の汚損物102を集塵機204の働きにより集塵して清掃する集塵室202と、この集塵室202から、清掃済みの廃トナーカートリッジ103を運び出すコンベア203、204、205と、集塵機204によって集塵された汚損物102を汚水処理部400に排出する排出管205とを備える。
【0016】
破砕部300は、開閉バルブ301を介して外部の水源(不図示)に繋がる給水管302から供給される清水104(水道水、地下水または後述の再生水などの綺麗な水)を散布しながら、コンベア203、204、205を介して運ばれてきた廃トナーカートリッジ103を機械的手段(たとえば、回転刃や無端チェーンまたは噛み合い刃などによるもの)で細かく破砕する洗浄式破砕機303と、この洗浄式破砕機303からの汚水105を汚水処理部400に排出する排出管304と、この洗浄式破砕機303から取り出される様々な破砕物106〜108を選別部500に搬送するコンベア305とを備える。
【0017】
汚水処理部400は、排出管304を介して破砕部300から排出された汚水105を貯留する第一汚水ピット401と、集塵部200からの汚損物102が排出管205を介して投入される第二汚水ピット402とを備える。第一汚水ピット401と第二汚水ピット402は、互いに管路403で繋がっており、第一汚水ピット401の内部の汚水105は、この管路403を介して第二汚水ピット402にも流れ込むようになっている。したがって、第二汚水ピット402に投入された汚損物102は元々粉塵状であるが、第一汚水ピット401から流れ込んだ汚水105と混じり合って同様の汚水109になる。
【0018】
また、汚水処理部400は、第一汚水ピット401をオーバフローした汚水105を排出する排出管404と、第二汚水ピット402をオーバフローした汚水109を排出する排出管405と、これらの排出管404、405から流れ込んだ汚水105、109を攪拌する攪拌機406と、この攪拌機406の中に配管407を介して所定の凝集剤408を供給する凝集剤供給機409とを備える。凝集剤408は、汚水105、109に含まれる、マイナス帯電した粒子をプラスの電荷で中和して凝集させる添加剤であり、たとえば、アイサン工業株式会社製の「エコマックTW−20」(同社の登録商標)を使用することができる。エコマックTW−20の場合、プラス電荷を持つ硫酸アルミニウムや複合アルミナ・珪酸を含み、そのプラス電荷の働きで、汚水105、109に含まれる粒子(マイナス帯電)の表面電位を中和することができ、再溶出しないフロック(凝集剤408を核にして結合した粒子の塊)を形成することができる。
【0019】
さらに、汚水処理部400は、攪拌機406に隣接して、この攪拌機406をオーバフローした汚水110(汚水105、109に凝縮剤408が添加されたもの)が流れ込む沈殿槽410と、攪拌機406及び沈殿槽410の底部の沈殿物111を配管411、412を介して取り込み蓄積する沈殿物蓄積部413と、沈殿槽410の上部付近の澄んだ水を再生水112として給水管302に戻す配管414と、沈殿槽410の中間部付近の浮遊物113を水と一緒に配管415を介して取り込み、脱水してその浮遊物113を分離抽出する高速回転脱水槽416aを具備する脱水機416とを備える。この脱水機416からは、脱水によって分離された水が再生水114として配管417を介して給水管302に戻され、さらに、脱水後の浮遊物113が配管418を介してドラム缶状の搬送容器115に投入される。
【0020】
ここで、沈殿槽410の内部においては、時間の経過に伴い、汚水110の中の比重の重い物質(主としてトナーに含まれる磁性体(酸化鉄))が底部に沈んで沈殿物111となる一方、比重の軽い物質(主としてトナーに含まれる着色プラスチック)が中間部付近に浮かんで浮遊物113となり、さらに、上部付近が澄んだ水(再生水112)となる。つまり、この汚水処理部400においては、比重分離によって、主としてトナーに含まれる磁性体(酸化鉄)と、主としてトナーに含まれる着色プラスチックとをそれぞれ沈殿物111と浮遊物113とに分け、比重の重い沈殿物111(酸化鉄)を沈殿物蓄積部413に送る一方、比重の軽い浮遊物113(着色プラスチック)を脱水機416に送るようにしている。さらに、これらの沈殿物111と浮遊物113を含まない澄んだ水を再生水112として再利用するようにしている。
【0021】
搬送容器115には、配管418を介して脱水後の浮遊物113が投入されるが、さらに、この搬送容器115には、予め所定の特殊溶剤116が入れられている。この特殊溶剤116は、脱水によって汚泥状になった浮遊物113をゲル化(ゲル化とは流動性のない低粘着性固体に変化させることをいう。)させるためのものであり、たとえば、株式会社アトロス製の「ATROS溶剤」(同社の登録商標)を使用することができる。ちなみに、このATROS溶剤は、「芳香族と脂肪族の炭化水素油を含むトナー粉塵抑制ゲル化処理剤であって、前記脂肪族炭化水素油は、常圧時において沸点が150〜200度であるパラフィン系油留分であることを特徴とするトナー粉塵抑制ゲル化処理剤」である。
【0022】
なお、搬送容器115に特殊溶剤116を入れる作業は最初の1回だけでよい。後述するように、トナー分離部600において、ゲル化された浮遊物113からトナー成分と特殊溶剤116を分離し、この分離後の特殊溶剤116を搬送容器115に入れて、再びトナー分離部600に戻す仕組みになっているからである。
【0023】
選別部500は、コンベア305を介して破砕部300から送られてきた様々な破砕物106〜108を、たとえば、質量の違いや磁気的特性の違いなどに応じて種類ごとに選別する選別機501を備える。ちなみに、破砕物106は「鉄」、破砕物107は「プラスチック」、破砕物108は「アルミニウム」である。これらの鉄やプラスチック及びアルミニウムは、主にカートリッジの構成素材であるが、これら以外にも、たとえば、ゴム等のシール素材などが含まれていてもよい。
【0024】
トナー分離部600は、汚水処理部400から運ばれてきた搬送容器115に入れられている浮遊物113と特殊溶剤116とを攪拌混合してゲル化する攪拌機601と、ゲル化された浮遊物113と特殊溶剤116とを分離するゲル分離部602と、開閉バルブ603を介して外部の水源(不図示)に繋がる給水管604から供給される清水117(水道水等の綺麗な水)を用いて、分離された浮遊物113を冷却する循環式の冷却部605と、冷却部605からの冷却水118を給水管302に戻す配管606と、冷却後の浮遊物113を細かく破砕する破砕機607と、この破砕機607から取り出された破砕物119を搬送するコンベア608とを備える。ちなみに、ゲル分離の仕組みは、熱媒油によって間接加温した乾留分離タンクにゲル(ここでは特殊溶剤116を混入した浮遊物113)を投入して攪拌混練りを行うと、蒸気気体はコンデンスして液化され、残りの高温固体成分はタンク底部より圧送・冷却された後、固形樹脂分として抽出される、というものである。また、ゲル分離の際に冷却を行う理由は、タンク底部より圧送された高温固体成分(固形樹脂)を扱いやすい物質にするためである。つまり、タンク底部より圧送された高温固体成分は、そのままでは凝固しないが、冷却を行って固化させることにより、扱いやすい物質になるからである。また、冷却水は、単純に冷やすためのものであり、循環式とは、冷却排水を循環水として再使用することを意味する。
【0025】
本実施形態における廃トナーカートリッジ処理装置100の全体構成は、以上のとおりであるが、次に、その処理動作について、概念図を用いながら説明する。
【0026】
図2は、本実施形態における廃トナーカートリッジ処理装置100の処理動作の概念図である。
(1)集塵工程(ステップS1)・・・・集塵部200:
この工程では、トナー等の汚損物102にまみれた廃トナーカートリッジ101を清掃して汚損物102を取り除く。汚損物102が取り除かれて概ね綺麗になった廃トナーカートリッジ103は破砕工程(ステップS2)に投入され、また、集塵された汚損物102は汚水処理工程(ステップS3)に投入される。
【0027】
(2)破砕工程(ステップS2)・・・・破砕部300及び選別部500:
この工程では、洗浄式破砕機303を用いて廃トナーカートリッジ103を細かく破砕する。“洗浄式破砕”とは、清水104を散布しながら所要の手段(たとえば、回転刃や無端チェーンまたは噛み合い刃などの機械的手段)により対象物(ここでは、廃トナーカートリッジ103)を細かく破砕することをいう。この洗浄式破砕は、破砕に伴う粉塵の発生がなく、周囲の環境を悪化しない、人体にも優しい、という利点がある上、さらに、粉塵が発生しないので、いわゆる粉塵爆発の危険がまったくないという安全上の利点がある。
【0028】
この破砕工程からは、廃トナーカートリッジ103の構成素材である様々な破砕物106〜108が取り出される。これらの破砕物106〜108は、選別機501により、たとえば、質量の違いや磁性体と非磁性体の違いなどに応じて種類ごとに選別され、種類ごとに箱詰めするなどして市場に出荷される。たとえば、破砕物106は「鉄」、破砕物107は「プラスチック」、破砕物108は「アルミニウム」である。これらの素材(鉄、プラスチック、アルミニウム)は、清水104を散布しながら、すなわち、水洗浄しながら破砕されたものであるから、トナー等による汚損がなく、綺麗な状態である。したがって、自然乾燥や強制乾燥を行うことにより、すぐにでも出荷することができる。
【0029】
この破砕工程からは、破砕洗浄の際の汚水105も排出され、この汚水105は、汚水処理工程(ステップS3)に投入される。
【0030】
(3)汚水処理工程(ステップS3)・・・・汚水処理部400:
この工程では、破砕工程(ステップS2)からの汚水105と、集塵工程(ステップS1)からの汚損物102とを処理するが、その処理に際して、汚損物102を含む汚水105、109に所定の凝集剤408を混入して攪拌することにより、その汚水105、109(汚水110)に含まれるトナー成分(酸化鉄とプラスチック素材)を凝集させる。
【0031】
汚水110の中の凝集粒子(凝集剤408によって凝集した粒子)は、比重の違いに応じて沈殿物111と浮遊物113に分かれる。沈殿物111は比重が重い主としてトナーに含まれる磁性体(酸化鉄)であり、この沈殿物111は集積され、定期的に回収される。一方、浮遊物113は比重の軽い主にトナーに含まれる着色プラスチックであり、この浮遊物113は水と一緒に取り出され、脱水機416で脱水される。脱水後の浮遊物113は、まだ若干水分を含んだ汚泥状であるが、その汚泥状の浮遊物113に特殊溶剤116を混入してトナー分離工程(ステップS4)に運ばれる。
【0032】
(4)トナー分離工程(ステップS4)・・・・トナー分離部600:
この工程では、まず、特殊溶剤116と浮遊物113とを混合攪拌して浮遊物113をゲル化し、次いで、ゲル分離を行い、分離された浮遊物113(トナーに含まれる着色プラスチック)を細かく破砕して、その破砕物119を回収すると共に、分離された特殊溶剤116を再びトナー分離工程(ステップS4)に戻す。
【0033】
このように、本実施形態では、(1)集塵工程(ステップS1)、(2)破砕工程(ステップS2)、(3)汚水処理工程(ステップS3)、及び、(4)トナー分離工程(ステップS4)を逐次に実行することにより、連続的な破砕作業を可能にして処理効率の向上を図ると共に、分別された素材をそのまま再利用できる、優れた廃トナーカートリッジ処理装置100を実現することができる。
【0034】
すなわち、本実施形態の廃トナーカートリッジ処理装置100は、従来技術のように窒素ガスの雰囲気中で破砕を行うのではなく、水を散布しながら破砕を行うようにしたので、廃トナーカートリッジ投入の度に窒素ガスを再充填する必要がない。つまり、廃トナーカートリッジを連続投入しつつ破砕作業を続けることができるから、連続的な破砕作業を可能にして処理効率の向上を図ることができるという第一の利点が得られる。
【0035】
また、廃トナーカートリッジ103の構成素材である様々な破砕物106〜108を選別して取り出すことができるが、それらの破砕物106〜108は、水を散布しながら(洗浄しながら)破砕されたものであるから、汚損がなく、綺麗な状態になっているので、そのまま乾燥させて出荷できるという第二の利点も得られる。
【0036】
さらに、洗浄式破砕を行うことによって粉塵の発生を抑えることができるので、環境や人体に優しいばかりか、「粉塵爆発」という危険を確実に防止できる。また、洗浄水等を回収して再利用するので、洗浄コストを軽減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施形態における廃トナーカートリッジ処理装置の全体構成図である。
【図2】本実施形態における廃トナーカートリッジ処理装置100の処理動作の概念図である。
【符号の説明】
【0038】
100 廃トナーカートリッジ処理装置
101 廃トナーカートリッジ
105 汚水
106 破砕物(素材)
107 破砕物(素材)
108 破砕物(素材)
113 浮遊物
116 特殊溶剤(溶剤)
303 洗浄式破砕機(破砕手段)
408 凝集剤
409 凝集剤供給機(添加手段)
416 脱水機(脱水手段)
600 トナー分離部(トナー分離手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃トナーカートリッジを破砕して、この廃トナーカートリッジを構成する様々な素材を取り出す破砕手段を備えた廃トナーカートリッジ処理装置において、
前記破砕手段は、水を散布しながら前記の破砕を行うことを特徴とする廃トナーカートリッジ処理装置。
【請求項2】
さらに、前記破砕手段からの汚水を脱水処理した廃トナーに溶剤を加えてゲル化した後、ゲル分離してトナーの主成分である着色プラスチックを取り出すトナー分離手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の廃トナーカートリッジ処理装置。
【請求項3】
さらに、前記破砕手段からの汚水に凝集剤を添加する添加手段と、
凝集剤を添加した汚水から比重の軽い浮遊物を取り出して脱水する脱水手段とを備え、
前記トナー分離手段は、脱水後の浮遊物に溶剤を加えてゲル化した後、ゲル分離してトナーの主成分である着色プラスチックを取り出すことを特徴とする請求項2記載の廃トナーカートリッジ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−89006(P2010−89006A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261296(P2008−261296)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(508152984)株式会社アトロス (1)
【Fターム(参考)】