説明

廃プラスチックの選別システム、および、廃プラスチックの選別方法

【課題】選別効率や選別精度を向上させることができ、作業員の負担の軽減や、人件費の削減を図ることができる廃プラスチックの選別システム、および、廃プラスチックの選別方法を提供する。
【解決手段】プラスチック資源ごみを含む廃棄物1から、廃プラスチックを選別する廃プラスチックの選別システム100であって、廃棄物1を、硬質物からなる難変形物と、軟質物からなる易変形物と、に分別する破袋装置20と、破袋装置20で分別した難変形物から、残渣を除去する難変形物用回転篩装置30、または、難変形物用搬送選別装置40と、難変形物用回転篩装置30、または、難変形物用搬送選別装置40で残渣が除去された難変形物から、廃プラスチックを選別する難変形物用光学式選別装置50と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック資源ごみを含む廃棄物から、リサイクル用の廃プラスチックを選別する廃プラスチックの選別システム、および、廃プラスチックの選別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省資源の観点から、また、容器リサイクル法の施行に伴い、数々の廃プラスチックのリサイクル処理に関する技術が提案されている。リサイクルのために収集された廃プラスチックには、ゴミ袋、ペットボトル、トレイ等が雑多に混ざっていることが多く、また、紙、金属、砂等の異物が混入している。ここで、廃棄物に含まれる廃プラスチックを利用して、新たな商品へ再生する場合には、プラスチックの材質毎に分別して粒状、またはフレーク状として、成形可能なリサイクル製品としてから行われる。そのため、リサイクル処理の技術においては、廃プラスチックから異物を除去すると共に、材質毎に分別することが必要であり、そのような分別技術の提案が数多くなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、生活廃棄物、産業廃棄物等として収集された廃プラスチックを分別し、再利用しやすく処理するための廃プラスチックのリサイクル処理方法が開示されている。この処理方法では、生活廃棄物、産業廃棄物として収集された多種混合の廃プラスチックは、破砕機においてごみ袋等を破ったり、圧縮状態のものをほぐしたりした後に、ドラムスクリーンで異物や小破砕片を除去し、手選別工程に供給する。
【0004】
そして、手選別工程では、コンベア上に載せられた廃プラスチックを手作業により選び出すことによりバンカーに移し変えるが、この移し変える廃プラスチックは、材質が明瞭な各プラスチック材、例えば、ごみ袋、ペットボトル、トレイ等であって、材質が不明な雑多廃プラスチックは、手選別以外として別の処理経路を経ることになる。なお、紙・異物は、回収外品として、廃棄のために搬出される。
【0005】
この従来技術においては、手作業による高い識別精度に頼り、雑多な廃棄物から、材質が明瞭な各プラスチック材と、回収外品と、を選別している。また、手選別以外のものは、自動選別設備に供給され、そこでは、まず、渦電量選別工程により金属を除去し、次いで、風力選別工程により、硬質物である容器系(難変形物(重材料))と、軟質物である包装系(易変形物(軽材料))との材料に分けられる。
【特許文献1】特開2004−255572号公報(段落0021〜0023、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のリサイクル処理の技術においては、以下に示す問題がある。
従来の廃プラスチックの選別では、廃棄物は、種類や形状が多彩な物質が混合しているため、手作業により選別する物質の種類が多く、廃棄物から廃プラスチックを選別する作業や、廃プラスチックをプラスチックの材質毎に分別する作業が煩雑である。そのため、作業員の負担が大きく、また、多くの手選別作業員を必要とし、人件費が多くかかるという問題がある。そして、手選別による作業が多いため、選別効率や選別精度が悪いという問題もある。
【0007】
さらに、自動選別設備で渦電量選別と風力選別を行う際に、手作業で選別できなかったごみ袋やフィルム等のシート状物質が自動選別設備に混入してしまうと、このシート状物質が選別品を覆ったり、選別品の下敷きになったりすることで、渦電流選別工程や風力選別工程での選別に支障をきたし、選別効率や選別精度が悪化するおそれがある。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、選別効率や選別精度を向上させることができ、作業員の負担の軽減や、人件費の削減を図ることができる廃プラスチックの選別システム、および、廃プラスチックの選別方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記したとおり、従来のリサイクル処理の技術においては、破砕機や、ドラムスクリーン等の装置を用いるものの、高い識別精度を維持するために、手選別工程による作業を主体とするものであった。そして、従来においては、様々な装置を組み合わせてリサイクル処理を行っても、選別効率や選別精度を向上できるとは考えられていなかった。しかしながら、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、破袋装置、回転篩装置、搬送選別装置、光学式選別装置等を組み合わせて用いることで、従来のリサイクル処理の技術と比較して、選別効率や選別精度を向上させることができることを見出した。これにより、従来技術では成すことのできなかった、高い選別効率や選別精度を維持すると共に、手選別工程を減らすことで、作業員の負担の軽減や、人件費の削減を図ることができる廃プラスチックの選別システム、および、廃プラスチックの選別方法を発明するに至った。
【0010】
請求項1に係る廃プラスチックの選別システムは、プラスチック資源ごみを含む廃棄物から、廃プラスチックを選別する廃プラスチックの選別システムであって、破袋装置と、難変形物用回転篩装置、または、難変形物用搬送選別装置と、難変形物用光学式選別装置と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
このような廃プラスチックの選別システムによれば、破袋装置により、フックを備えたフックロータを回転させて、このフックに軟質物からなる易変形物を絡ませることで、プラスチック資源ごみを含む廃棄物が、硬質物からなる難変形物と、軟質物からなる易変形物と、に分別される。また、難変形物用回転篩装置により、破袋装置で分別した難変形物を回転篩に投入して回転させ、回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣が除去される。あるいは、難変形物用搬送選別装置により、破袋装置で分別した難変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、ローラの間隔における隙間から残渣を落下させることで残渣が除去さる。そして、難変形物用光学式選別装置により、難変形物用回転篩装置、または、難変形物用搬送選別装置で残渣が除去された難変形物の波長の吸収度の違いにより、廃プラスチックが選別され、また、廃プラスチックが、材質毎に分別される。
【0012】
請求項2に係る廃プラスチックの選別システムは、請求項1に記載の廃プラスチックの選別システムにおいて、前記破袋装置で分別した易変形物を回転篩に投入して回転させ、前記回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣を除去し、易変形物の廃プラスチックとして排出する易変形物用回転篩装置を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る廃プラスチックの選別システムは、請求項1に記載の廃プラスチックの選別システムにおいて、前記破袋装置で分別した易変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、前記ローラの間隔における隙間から残渣を落下させ、易変形物の廃プラスチックとして排出する易変形物用搬送選別装置を備えたことを特徴とする。
【0014】
これらのような廃プラスチックの選別システムによれば、破袋装置で分別した易変形物中に混入している残渣が除去され、リサイクルに利用する、プラスチックを材質とするシート、フィルム、袋等(以下、フィルム類や袋類という)の易変形物の品質(純度)が向上する。
【0015】
請求項4に係る廃プラスチックの選別システムは、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の廃プラスチックの選別システムにおいて、前記難変形物用光学式選別装置で廃プラスチックを選別した後の残留物の波長の吸収度の違いにより、残留物中に含まれる廃プラスチックを選別する残留物用光学式選別装置を備えたことを特徴とする。
【0016】
このような廃プラスチックの選別システムによれば、選別された残留物を、残留物用光学式選別装置に供給することで、残留物中に含まれる廃プラスチックが選別され、回収効率が向上すると共に、残留物から生じる残渣の量が低減する。また、廃プラスチックが、材質毎に分別される。
【0017】
請求項5に係る廃プラスチックの選別方法は、プラスチック資源ごみを含む廃棄物から、廃プラスチックを選別する廃プラスチックの選別方法であって、分別工程と、残渣除去工程と、廃プラスチック選別工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
このような廃プラスチックの選別方法によれば、分別工程により、フックを備えたフックロータを回転させて、このフックに軟質物からなる易変形物を絡ませることで、プラスチック資源ごみを含む廃棄物が、硬質物からなる難変形物と、軟質物からなる易変形物と、に分別される。また、残渣除去工程により、分別工程で分別した難変形物を回転篩に投入して回転させ、回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣が除去されるか、または、分別工程で分別した難変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、ローラの間隔における隙間から残渣を落下させることで残渣が除去される。そして、廃プラスチック選別工程により、残渣除去工程で残渣が除去された難変形物の波長の吸収度の違いにより、廃プラスチックが選別され、また、廃プラスチックが、材質毎に分別される。
【0019】
請求項6に係る廃プラスチックの選別方法は、請求項5に記載の廃プラスチックの選別方法において、前記残渣除去工程において、難変形物から残渣を除去することに加え、前記分別工程で分別した易変形物を回転篩に投入して回転させ、前記回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣を除去し、易変形物の廃プラスチックとして排出することを特徴とする。
【0020】
請求項7に係る廃プラスチックの選別方法は、請求項5に記載の廃プラスチックの選別方法において、前記残渣除去工程において、難変形物から残渣を除去することに加え、前記分別工程で分別した易変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、前記ローラの間隔における隙間から残渣を落下させ、易変形物の廃プラスチックとして排出することを特徴とする。
【0021】
これらのような廃プラスチックの選別方法によれば、分別工程で分別した易変形物中に混入している残渣が除去され、リサイクルに利用するフィルム類や袋類の易変形物の品質(純度)が向上する。
【0022】
請求項8に係る廃プラスチックの選別方法は、請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の廃プラスチックの選別方法において、前記廃プラスチック選別工程において、難変形物から廃プラスチックを選別することに加え、廃プラスチックを選別した後の残留物の波長の吸収度の違いにより、残留物中に含まれる廃プラスチックを選別することを特徴とする。
【0023】
このような廃プラスチックの選別方法によれば、難変形物から廃プラスチックを選別した後の残留物から、この残留物中に含まれる廃プラスチックが選別され、回収効率が向上すると共に、残留物から生じる残渣の量が低減する。また、廃プラスチックが、材質毎に分別される。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る廃プラスチックの選別システムによれば、廃プラスチックの選別作業の負担を軽減させることができるため、手選別作業を行う作業員の労力の軽減や、人件費の削減を図ることができる。また、廃プラスチックの選別作業を効率的に行うことができると共に、選別精度を向上させることができる。さらに、廃プラスチックの材質毎の分別を効率的に行うことができる。そして、廃プラスチック中に混入している異物を減らすことができ、リサイクルに利用する廃プラスチックの品質(純度)を向上させることができる。また、今までは残渣として処分していたものから、廃プラスチックを回収できると共に、残渣量の削減が可能となる。
【0025】
本発明に係る廃プラスチックの選別方法によれば、廃プラスチックの選別作業の負担が軽減し、手選別作業を行う作業員の労力が軽減すると共に、人件費を削減することができる。また、廃プラスチックを効率的かつ、高精度に選別することができる。さらに、廃プラスチックを材質毎に分別する効率が向上する。そして、廃プラスチック中に混入している異物を減らすことができ、リサイクルに利用する廃プラスチックの品質(純度)を向上させることができる。また、今までは残渣として処分していたものから、廃プラスチックを回収できると共に、残渣量の削減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明に係る廃プラスチックの選別システム、および、廃プラスチックの選別方法について、詳細に説明する。
参照する図面において、図1は、廃プラスチックの選別システムの構成を示す模式図、図2は、解砕装置の概略を示す模式図、図3は、破袋装置の概略を示す模式図、図4は、難変形物用回転篩装置、または、易変形物用回転篩装置の概略を示す模式図、図5は、難変形物用搬送選別装置、または、易変形物用搬送選別装置の概略を示す模式図、図6は、難変形物用光学式選別装置、または、残留物用光学式選別装置の概略を示す模式図、図7は、廃プラスチックの選別方法を示すフローチャートである。
【0027】
まず、廃プラスチックの選別システムについて説明する。
本発明に係る廃プラスチックの選別システムは、プラスチック資源ごみを含む廃棄物から、廃プラスチックを選別するものである。
なお、本発明でいう廃プラスチックには、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビニール)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、EPS(発砲スチロール)等の他、様々なプラスチックが含まれる。
【0028】
≪廃プラスチックの選別システム≫
図1に示すように、廃プラスチックの選別システム(以下、適宜、選別システムともいう)100は、破袋装置20と、難変形物用回転篩装置30と、難変形物用搬送選別装置40と、難変形物用光学式選別装置50と、を主に備える。また、解砕装置10や、易変形物用回転篩装置60や、易変形物用搬送選別装置70を備えてもよく、難変形物用光学式選別装置50の下流に、さらに残留物用光学式選別装置80を備えてもよい。
以下、各構成について説明する。
【0029】
<解砕装置>
解砕装置10は、ベール品やバラ品等の廃棄物1を解砕する装置である。解砕装置10は、必要に応じて設ければよく、廃棄物1を、解砕装置10を介さずに、破袋装置20に供給してもよい。
使用する解砕装置10としては、特に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような解砕装置10を使用することができる。
【0030】
図2に示すように、解砕装置10は、投入口11と、スクリューオーガ12と、排出口13と、駆動減速機14と、を主に備えている。
解砕装置10による解砕においては、まず、プラスチック資源ごみを含む廃棄物1(図1参照)が投入口11から投入される。投入された廃棄物1は、回転するスクリューオーガ12により解砕された後、排出口13から排出される。そして、この排出された廃棄物1は、コンベア5a(図1参照)を介して、破袋装置20に供給される。なお、スクリューオーガ12の回転速度は、駆動減速機14により調節する。
【0031】
解砕装置10により、廃棄物1の解砕を機械化することで、作業員の労力を軽減しつつ、かつ、定量的に破袋装置20に廃棄物1を供給する事ができる。また、破袋装置20の性能を十分に発揮させることができる。
【0032】
<破袋装置>
図1、3に示すように、破袋装置20は、解砕装置10を設ける場合は解砕装置10の下流に設けられており、フック25を備えたフックロータ26を回転させて、このフック25に軟質物からなる易変形物3を絡ませることで、プラスチック資源ごみを含む廃棄物1を、硬質物からなる難変形物2と、軟質物からなる易変形物3と、に分別する装置である。
【0033】
ここで、難変形物2とは、ペットボトル、缶、ビン、プラスチックトレイ、電池等、一般的にごみとして廃棄される、硬質物からなるものをいう。
また、易変形物3とは、シート、フィルム、袋、紐、縄、ゴムチューブ、細い針金等、一般的にごみとして廃棄される、軟質物からなるものをいう。
【0034】
使用する破袋装置20としては、特に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような破袋装置20を使用することができる。
【0035】
図3に示すように、破袋装置20は、投入口21と、固定刃22および軸刃23を備えた破袋ロータ24と、フック25を備えたフックロータ26と、難変形物排出口27と、易変形物排出口28と、を主に備えている。
【0036】
破袋装置20による分別においては、まず、プラスチック資源ごみを含む廃棄物1が投入口21から投入される。投入された廃棄物1は、ごみ袋に収容されている場合は、破袋ロータ24が回転することで、固定刃22および軸刃23によりごみ袋が破かれる。
そして、ごみ袋中の難変形物2が難変形物排出口27から排出される。また、ごみ袋に収容されていない場合は、難変形物2は、そのまま難変形物排出口27から排出される。排出された難変形物2は、コンベア5b(図1参照)を介して、難変形物用回転篩装置30、または、難変形物用搬送選別装置40に供給される。
【0037】
一方、ごみ袋中の易変形物3や、ごみ袋に収容されていない廃棄物1中に含まれる易変形物3や、破袋物(易変形物3)は、フックロータ26が回転することで、フック25に絡まり、これらの易変形物3が易変形物排出口28から排出される。排出された易変形物3は、必要に応じて、異物を除去したり、材質毎に分別したりした後、プラスチックのリサイクルを行う再生工程に供給される。あるいは、コンベア5c(図1参照)を介して、易変形物用回転篩装置60、または、易変形物用搬送選別装置70に供給される。
【0038】
破袋装置20により、廃棄物1中に含まれる袋類の破袋作業や、難変形物用光学式選別装置50の選別を妨げる易変形物3を自動的に分離する分離作業を行うことで、これまで手選別のみで行っていた作業を大幅に軽減することができ、大幅な人件費の削減が可能となる。また、難変形物用光学式選別装置50の選別精度を向上させることができ、回収される廃プラスチックの品質(純度)を向上させることができる。
【0039】
<難変形物用回転篩装置>
図1、4に示すように、難変形物用回転篩装置30は、破袋装置20の下流に設けられており、破袋装置20で分別した難変形物2を回転篩32に投入して回転させ、回転篩32の篩目34から残渣4を篩い落とすことで残渣4を除去する装置である。
ここで、残渣4とは、土砂、ガラス破片、王冠、小径の金属物等、プラスチックのリサイクルに利用できない異物である小径の物質をいう。
【0040】
使用する難変形物用回転篩装置30としては、特に限定されるものではなく、回転篩装置(トロンメル)を使用すればよい。例えば、以下に説明するような難変形物用回転篩装置30を使用することができる。
【0041】
図4に示すように、難変形物用回転篩装置30は、投入口31と、回転篩32と、篩目34と、排出口35と、を主に備えている。
難変形物用回転篩装置30による残渣4の除去においては、まず、破袋装置20で分別した難変形物2(図3参照)が投入口31から投入される。投入された難変形物2は、回転篩32が回転することにより、回転篩32中を回転し、難変形物2中に含まれる残渣4が篩目34から篩い落とされて排出される。そして、残渣4が除去された難変形物2は、排出口35から排出され、この排出された難変形物2は、難変形物用光学式選別装置50に供給される。残渣4は、残留する廃プラスチックを手選別により回収してもよい。
【0042】
なお、排出された難変形物2は、難変形物用光学式選別装置50に供給する前に、必要に応じて、手選別部とされたコンベア5dで搬送しながら、手選別により、プラスチックのリサイクルに利用できない異物である不適物(例えば、紙、ビン、缶、紐、縄等)を除去してもよい。また、難変形物用光学式選別装置50の選別に適さない粗大な廃プラスチックにおいても、コンベア5dで搬送しながら、手選別により、選別してもよい。さらに、難変形物用光学式選別装置50の上流に、難変形物2を定量的に、また、分散(重なりがないように)させて投入させるための振動コンベア5Aを設けてもよい。
【0043】
難変形物用回転篩装置30により、易変形物3が除去された難変形物2から、残渣4を除去することで、これまで手選別のみで行っていた作業を大幅に軽減することができ、大幅な人件費の削減が可能となる。また、難変形物用光学式選別装置50の選別精度を向上させることができ、回収される廃プラスチックの品質(純度)を向上させることができる。
【0044】
<難変形物用搬送選別装置>
図1、5に示すように、難変形物用搬送選別装置40は、破袋装置20の下流に設けられており、破袋装置20で分別した難変形物2を、複数のローラ42を所定の間隔で設けることで形成された搬送路上を搬送させ、ローラ42の間隔における隙間から残渣4を落下させることで残渣4を除去しながら難変形物2を搬送する装置である。
【0045】
使用する難変形物用搬送選別装置40としては、特に限定されるものではなく、搬送選別装置(振動篩)を使用すればよい。例えば、以下に説明するような難変形物用搬送選別装置40を使用することができる。
【0046】
図5に示すように、難変形物用搬送選別装置40は、投入口41と、ローラ(多角形ディスク)42と、排出口43と、を主に備えている。
難変形物用搬送選別装置40による残渣4の除去では、まず、破袋装置20で分別した難変形物2(図3参照)が投入口41から投入される。投入された難変形物2は、回転するローラ(多角形ディスク)42上をバウンドしながら排出口43の方向に搬送される。そしてこのバウンドにより、難変形物2中の含まれる残渣4が分離され、難変形物用搬送選別装置40の下方から排出される。そして、残渣4が除去された難変形物2は、排出口43から排出され、この排出された難変形物2は、難変形物用光学式選別装置50に供給される。残渣4は、残留する廃プラスチックを手選別により回収してもよい。
【0047】
なお、排出された難変形物2は、難変形物用光学式選別装置50に供給する前に、必要に応じて、手選別部とされたコンベア5dで搬送しながら、手選別により、プラスチックのリサイクルに利用できない異物である不適物(例えば、紙、ビン、缶、紐、縄等)を除去してもよい。また、難変形物用光学式選別装置50の選別に適さない粗大な廃プラスチックにおいても、コンベア5dで搬送しながら、手選別により、選別してもよい。さらに、難変形物用光学式選別装置50の上流に、難変形物2を定量的に、また、分散(重なりがないように)させて投入させるための振動コンベア5Aを設けてもよい。
【0048】
難変形物用搬送選別装置40により、易変形物3が除去された難変形物2から、残渣4を除去することで、これまで手選別のみで行っていた作業を大幅に軽減することができ、大幅な人件費の削減が可能となる。また、難変形物用光学式選別装置50の選別精度を向上させることができ、回収される廃プラスチックの品質(純度)を向上させることができる。
【0049】
<難変形物用光学式選別装置>
図1、6に示すように、難変形物用光学式選別装置50は、難変形物用回転篩装置30、または、難変形物用搬送選別装置40の下流に設けられており、難変形物用回転篩装置30、または、難変形物用搬送選別装置40で残渣4が除去された難変形物2の波長の吸収度の違いにより、廃プラスチックを選別する装置である。
【0050】
使用する難変形物用光学式選別装置50としては、材料選別ができれば特に限定されるものではなく、光学式選別装置を使用すればよい。例えば、以下に説明するような、処理物に近赤外線を照射した場合に、処理物の材質により波長の吸収度が異なるという性質を利用して、材料選別を行う難変形物用光学式選別装置50を使用することができる。
【0051】
図6に示すように、難変形物用光学式選別装置50は、投入口51と、搬送コンベア52と、光源ランプ53と、検出器54と、制御盤55と、エアタンク56と、選別品コンベア57と、残留物コンベア58と、を主に備えている。
【0052】
難変形物用光学式選別装置50による廃プラスチックの選別においては、まず、難変形物用回転篩装置30、または、難変形物用搬送選別装置40により排出された難変形物2が、投入口51から投入され、搬送コンベア52に載置される。次に、この搬送コンベア52上の難変形物2に、光源ランプ53から放出された近赤外線が照射され、難変形物2から反射した光の波長によるデータが検出器54に入力される。その際、光源ランプ53は、搬送コンベア52の幅方向を高速走査して、搬送コンベア52上に拡散された廃プラスチックである選別品6(難変形物2)を検出する。
【0053】
そして、検出器54に入力されたデータは、制御盤55で演算処理され、選別すべき材質である廃プラスチック(選別品6)の位置を検出する。そして、この位置検出情報により、廃プラスチック(選別品6)を識別し、エアタンク56を作動させ、搬送コンベア52の先端に取り付けられたエアノズルからエアを放出することで、このエアにより、廃プラスチック(選別品6)が、選別品コンベア57に載置される。また、選別品6以外の残留物7(難変形物2)は、残留物コンベア58に載置される。
なお、残留物7とは、選別品6以外の複数の材質(例えば、PE、PP、PS、PVC、PET、EPS等)の廃プラスチックと、異物とが混合しているものである。
【0054】
また、この難変形物用光学式選別装置50により、廃プラスチックを、材質毎(例えば、PE、PP、PS、PVC、PET、EPS等)に分別することもできる。
材質毎に分別するには、例えば、選別品6である選別対象物(廃プラスチックの材質)を制御盤55にセットし、検出器54が搬送コンベア52を通過する材質を検知した際に、セットした材質があった場合には、制御盤55からエアタンク56に指令を出し、選別対象物(選別品6)をエアにより選別品コンベア57へ飛ばして選別する。この際、エアタンク56と選別品コンベア57を複数用意し、制御盤55により、検知した材質毎にそれぞれエアタンク56を設定し、材質毎にそれぞれのエアタンク56により、選別品コンベア57へ選別対象物を飛ばすようにしてもよい。
なお、難変形物用光学式選別装置50では、ペットボトル、プラスチックトレイ、その他のプラスチックも材質毎に分別することができる。
【0055】
このようにして分別された廃プラスチックは、コンベア5e、5f(図1参照)を介して、再生工程へ搬送され、リサイクル用プラスチックとなる。一方、残留物7は、残渣4として廃棄される。あるいは、後記するように、残留物用光学式選別装置80に供給してもよい。
【0056】
また、分別された廃プラスチック(選別品6)や残留物7は、再生工程へ搬送する前や、残留物用光学式選別装置80に供給する前に、必要に応じて、手選別部とされたコンベア5e、5g(図1参照)で搬送しながら、手選別により、プラスチックのリサイクルに利用できない異物である不適物を除去したり、廃プラスチックを、材質毎に分別したりしてもよい。
【0057】
ここで、コンベア5gを手選別部として、残留物7を、コンベア5gで搬送しながら手選別により分別し、難変形物用光学式選別装置50で回収し損ねた廃プラスチックをコンベア5eへ戻し、設備全体での回収率の向上を図ってもよい(図1の矢印(B))。
【0058】
難変形物用光学式選別装置50により、廃プラスチックの分別において、大量かつ連続処理が可能となる。また、手選別等に比べ、これまで手選別のみで行っていた作業を大幅に軽減することができ、大幅な人件費の削減が可能となる。さらに、回収される廃プラスチックの品質(純度)を向上させることができる。そして、廃プラスチックを、材質毎に分別することもできる。
【0059】
本発明に係る選別システムにおいては、さらに、残留物用光学式選別装置80を設けてもよい。
<残留物用光学式選別装置>
図1、6に示すように、残留物用光学式選別装置80は、難変形物用光学式選別装置50の下流に設けられており、難変形物用光学式選別装置50で廃プラスチックを選別した後の残留物7の波長の吸収度の違いにより、残留物7中に含まれる廃プラスチックを選別する装置である。
【0060】
これにより、残留物7中に残留した廃プラスチック(選別品6)を回収することができる。そのため、回収効率が向上し、また、残留物7から生じる残渣4の量を低減することができる。この際、前記したように、残留物7中の廃プラスチックを、材質毎(PS、PET等)に分別することもできる。なお、この残留物用光学式選別装置80の構成および動作は、難変形物用光学式選別装置50と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0061】
残留物用光学式選別装置80により、廃プラスチックの分別において、大量かつ連続処理が可能となる。また、手選別等に比べ、これまで手選別のみで行っていた作業を大幅に軽減することができ、大幅な人件費の削減が可能となる。さらに、回収される廃プラスチックの品質(純度)を向上させることができる。そして、廃プラスチックを、材質毎に分別することもできる。
なお、残留物用光学式選別装置80の上流に、残留物7を定量的に、また、分散(重なりがないように)させて投入させるための振動コンベア5Bを設けてもよい。
【0062】
このようにして、残留物用光学式選別装置80で選別された廃プラスチック(選別品6)や残留物7は、必要に応じて、手選別部とされたコンベア5h、5iで搬送しながら、手選別により、プラスチックのリサイクルに利用できない異物である不適物を除去したり、廃プラスチックを、材質毎に分別(図1では、PS、PET)したりしてもよい。なお、図示しないが、難変形物用光学式選別装置50で選別された廃プラスチック(選別品6)や残留物7についても、同様にしてもよい。
【0063】
本発明に係る選別システムにおいては、さらに、易変形物用回転篩装置60、または、易変形物用搬送選別装置70を設けてもよい。
<易変形物用回転篩装置>
図1、4に示すように、易変形物用回転篩装置60は、破袋装置20の下流に設けられており、破袋装置20で分別した易変形物3を回転篩32に投入して回転させ、回転篩32の篩目34から残渣4を篩い落とすことで残渣4を除去し、易変形物3の廃プラスチックとして排出する装置である。
【0064】
使用する易変形物用回転篩装置60としては、特に限定されるものではなく、回転篩装置(トロンメル)を使用すればよい。例えば、前記説明した難変形物用回転篩装置30の回転篩32の篩目34を、この難変形物用回転篩装置30の篩目34よりも大きくしたものを易変形物用回転篩装置60として使用することができる。
【0065】
この易変形物用回転篩装置60の構成および動作は、篩目34が難変形物用回転篩装置30よりも大きいものにすること以外は、難変形物用回転篩装置30と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0066】
<易変形物用搬送選別装置>
図1、5に示すように、易変形物用搬送選別装置70は、破袋装置20の下流に設けられており、破袋装置20で分別した易変形物3を、複数のローラ42を所定の間隔で設けることで形成された搬送路上を搬送させ、ローラ42の間隔における隙間から残渣4を落下させることで残渣4を除去し、易変形物3の廃プラスチックとして排出する装置である。
【0067】
使用する易変形物用搬送選別装置70としては、特に限定されるものではなく、搬送選別装置(振動篩)を使用すればよい。例えば、前記説明した難変形物用搬送選別装置40のローラ42の間隔を、この難変形物用搬送選別装置40のローラ42の間隔よりも大きくしたものを易変形物用搬送選別装置70として使用することができる。
【0068】
この易変形物用搬送選別装置70の構成および動作は、ローラ42の間隔が難変形物用搬送選別装置40よりも大きいものにすること以外は、難変形物用搬送選別装置40と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0069】
前記のとおり、破袋装置20において、易変形物3は、易変形物排出口28から排出されるが、易変形物用回転篩装置60、または、易変形物用搬送選別装置70により、この排出された易変形物3中に混入している土砂、ガラス破片、王冠、小径の金属物等の残渣4を除去する。なお、ここでの残渣4には、廃プラスチックであるフラフ状のフィルム類や袋類等の小径の難変形物2も含まれる。
【0070】
この易変形物用回転篩装置60、または、易変形物用搬送選別装置70から排出された易変形物3は、コンベア5fを介して、再生工程へ搬送されるか(図1の矢印(C))、あるいは、コンベア5gを介して、残留物用光学式選別装置80に供給された後、再生工程へ搬送され、リサイクル用プラスチックとなる(図1の矢印(D))。
一方、残渣4は、そのまま廃棄されるか、あるいは、コンベア5bを介して、難変形物用回転篩装置30、または、難変形物用搬送選別装置40に供給され、残渣4中に残留する難変形物2を分別してもよい(図1の矢印(A))。
【0071】
なお、排出された易変形物3は、再生工程や残留物用光学式選別装置80に供給する前に、必要に応じて、手選別部とされたコンベア5jで搬送しながら、手選別により、プラスチックのリサイクルに利用できない異物である不適物(例えば、紙、ビン、缶、紐、縄等)を除去してもよい。
【0072】
易変形物用回転篩装置60、または、易変形物用搬送選別装置70により、易変形物3から、残渣4を除去することで、これまで手選別のみで行っていた作業を大幅に軽減することができ、大幅な人件費の削減が可能となる。また、回収されるフィルム類や袋類の廃プラスチックの品質(純度)を向上させることができる。そして、廃プラスチック(フィルム類や袋類)を、材質毎に分別することもできる。
【0073】
次に、廃プラスチックの選別方法について説明する。
本発明に係る廃プラスチックの選別方法は、プラスチック資源ごみを含む廃棄物から、リサイクル用の廃プラスチックを選別するものである。
なお、本発明でいう廃プラスチックについては、前記選別システムにおける廃プラスチックと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0074】
≪廃プラスチックの選別方法≫
図7に示すように、廃プラスチックの選別方法(以下、適宜、選別方法ともいう)は、分別工程S1と、残渣除去工程S2と、廃プラスチック選別工程S3と、を含む。
以下、各工程について説明する。
【0075】
<分別工程>
分別工程S1は、フックを備えたフックロータを回転させて、このフックに軟質物からなる易変形物を絡ませることで、プラスチック資源ごみを含む廃棄物を、硬質物からなる難変形物と、軟質物からなる易変形物と、に分別する工程である。
【0076】
分別工程S1における分別方法は、例えば、前記した破袋装置20(図1、3参照)を使用することができる。
なお、難変形物、易変形物、および、破袋装置20については、前記した選別システム100の破袋装置20で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0077】
分別工程S1で分別した難変形物は、残渣除去工程S2に供給される。一方、分別した易変形物は、そのまま廃棄されるか、あるいは、残渣除去工程S2に供給される。
なお、分別工程S1の前に、廃棄物を解砕する廃棄物解砕工程を含めてもよい。廃棄物の解砕には、例えば、前記した解砕装置10(図1、2参照)を使用することができる。
【0078】
<残渣除去工程>
残渣除去工程S2は、分別工程S1で分別した難変形物を回転篩に投入して回転させ、回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣を除去する工程である(難変形物用残渣除去工程)。
または、分別工程S1で分別した難変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、ローラの間隔における隙間から残渣を落下させることで残渣を除去する工程である(難変形物用残渣除去工程)。
【0079】
残渣除去工程S2における難変形物から残渣を除去する方法は、例えば、前記した難変形物用回転篩装置30、または、難変形物用搬送選別装置40(図1、4、5参照)を使用することができる。
なお、残渣、難変形物用回転篩装置、および、30や難変形物用搬送選別装置40については、前記した選別システム100の難変形物用回転篩装置30、難変形物用搬送選別装置40で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
残渣除去工程S2で残渣が除去された難変形物は、廃プラスチック選別工程S3に供給される。残渣は、残留する廃プラスチックを手選別により回収してもよい。
【0080】
ここで、残渣除去工程S2において、難変形物から残渣を除去することに加え、分別工程S1で分別した易変形物を回転篩に投入して回転させ、前記回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣を除去し、易変形物の廃プラスチックとして排出してもよい(易変形物用残渣除去工程)。
または、残渣除去工程S2において、難変形物から残渣を除去することに加え、分別工程S1で分別した易変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、前記ローラの間隔における隙間から残渣を落下させ、易変形物の廃プラスチックとして排出してもよい(易変形物用残渣除去工程)。
【0081】
残渣除去工程S2における易変形物から残渣を除去する方法は、例えば、前記した易変形物用回転篩装置60、または、易変形物用搬送選別装置70(図1、4、5参照)を使用することができる。
なお、易変形物用回転篩装置60、易変形物用搬送選別装置70については、前記した選別システム100の易変形物用回転篩装置60、易変形物用搬送選別装置70で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0082】
残渣除去工程S2で残渣が除去された易変形物は、プラスチックをリサイクルする再生工程へ搬送され、フィルム類や袋類のリサイクル用プラスチックとなる。あるいは、廃プラスチック選別工程S3に供給してもよい(図1の(C)、(D)参照)。一方、易変形物から除去された残渣は、そのまま廃棄されるか、あるいは、残渣除去工程S2(難変形物用残渣除去工程)において、残渣中に残留する難変形物を分別してもよい(図1の(A)参照)。
【0083】
<廃プラスチック選別工程>
廃プラスチック選別工程S3は、残渣除去工程S2で残渣が除去された難変形物の波長の吸収度の違いにより、廃プラスチックを選別する工程である。
【0084】
廃プラスチック選別工程S3における選別方法は、例えば、前記した難変形物用光学式選別装置50(図1、6参照)を使用することができる。
なお、難変形物用光学式選別装置50については、前記した選別システム100の難変形物用光学式選別装置50で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0085】
ここで、廃プラスチック選別工程S3において、難変形物から廃プラスチックを選別することに加え、前記廃プラスチックを選別した後の残留物の波長の吸収度の違いにより、この残留物中に含まれる廃プラスチックを選別してもよい(残留物用廃プラスチック選別工程)。
廃プラスチック選別工程S3における残留物から廃プラスチックを選別する方法は、例えば、前記した残留物用光学式選別装置80(図1、6参照)を使用することができる。
なお、残留物用光学式選別装置80については、前記した選別システム100の残留物用光学式選別装置80で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
廃プラスチック選別工程S3で選別された廃プラスチックや残留物は、必要に応じて、材質毎に分別され、プラスチックをリサイクルする再生工程に供給される。
【0086】
以上、本発明に係る廃プラスチックの選別システム、および、廃プラスチックの選別方法について、最良の実施の形態を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて広く改変・変更等することができることはいうまでもない。
【0087】
例えば、本発明に係る選別システムにおいて、回転篩装置として、ロール式スクリーンを用いてもよい。また、光学式選別装置の代わりに、風力式選別装置や、風力および振動により選別する複合式選別装置や、X線選別装置を用いてもよい。
【0088】
また、本発明に係る選別方法において、例えば、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、例えば、プラスチックのリサイクルに利用できない異物や不適物を手選別により除去する手選別工程や、廃棄物、難変形物、易変形物、廃プラスチック等を乾燥させる乾燥工程や、これらを消毒する消毒工程や、得られた廃プラスチックを粉砕する廃プラスチック粉砕工程や、廃プラスチックを洗浄する洗浄工程等、他の工程を含めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る廃プラスチックの選別システムの構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る廃プラスチックの選別システムで使用することができる解砕装置の概略を示す模式図である。
【図3】本発明に係る廃プラスチックの選別システムにおける破袋装置の概略を示す模式図である。
【図4】本発明に係る廃プラスチックの選別システムにおける難変形物用回転篩装置、または、易変形物用回転篩装置の概略を示す模式図である。
【図5】本発明に係る廃プラスチックの選別システムにおける難変形物用搬送選別装置、または、易変形物用搬送選別装置の概略を示す模式図である。
【図6】本発明に係る廃プラスチックの選別システムにおける難変形物用光学式選別装置、または、残留物用光学式選別装置の概略を示す模式図である。
【図7】本発明に係る廃プラスチックの選別方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 廃棄物
2 難変形物
3 易変形物
4 残渣
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h、5i、5j コンベア
5A、5B 振動コンベア
6 選別品
7 残留物
10 解砕装置
20 破袋装置
30 難変形物用回転篩装置
40 難変形物用搬送選別装置
50 難変形物用光学式選別装置
60 易変形物用回転篩装置
70 易変形物用搬送選別装置
80 残留物用光学式選別装置
100 廃プラスチック選別システム
S1 分別工程
S2 残渣除去工程
S3 廃プラスチック選別工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック資源ごみを含む廃棄物から、廃プラスチックを選別する廃プラスチックの選別システムであって、
フックを備えたフックロータを回転させて、このフックに軟質物からなる易変形物を絡ませることで、前記廃棄物を、硬質物からなる難変形物と、軟質物からなる易変形物と、に分別する破袋装置と、
前記破袋装置で分別した難変形物を回転篩に投入して回転させ、前記回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣を除去する難変形物用回転篩装置、または、前記破袋装置で分別した難変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、前記ローラの間隔における隙間から残渣を落下させることで残渣を除去する難変形物用搬送選別装置と、
前記難変形物用回転篩装置、または、前記難変形物用搬送選別装置で残渣が除去された難変形物の波長の吸収度の違いにより、廃プラスチックを選別する難変形物用光学式選別装置と、
を備えたことを特徴とする廃プラスチックの選別システム。
【請求項2】
前記破袋装置で分別した易変形物を回転篩に投入して回転させ、前記回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣を除去し、易変形物の廃プラスチックとして排出する易変形物用回転篩装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの選別システム。
【請求項3】
前記破袋装置で分別した易変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、前記ローラの間隔における隙間から残渣を落下させ、易変形物の廃プラスチックとして排出する易変形物用搬送選別装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの選別システム。
【請求項4】
前記難変形物用光学式選別装置で廃プラスチックを選別した後の残留物の波長の吸収度の違いにより、残留物中に含まれる廃プラスチックを選別する残留物用光学式選別装置を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の廃プラスチックの選別システム。
【請求項5】
プラスチック資源ごみを含む廃棄物から、廃プラスチックを選別する廃プラスチックの選別方法であって、
フックを備えたフックロータを回転させて、このフックに軟質物からなる易変形物を絡ませることで、前記廃棄物を、硬質物からなる難変形物と、軟質物からなる易変形物と、に分別する分別工程と、
前記分別工程で分別した難変形物を回転篩に投入して回転させ、前記回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣を除去するか、または、前記分別工程で分別した難変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、前記ローラの間隔における隙間から残渣を落下させることで残渣を除去する残渣除去工程と、
前記残渣除去工程で残渣が除去された難変形物の波長の吸収度の違いにより、廃プラスチックを選別する廃プラスチック選別工程と、
を含むことを特徴とする廃プラスチックの選別方法。
【請求項6】
前記残渣除去工程において、難変形物から残渣を除去することに加え、前記分別工程で分別した易変形物を回転篩に投入して回転させ、前記回転篩の篩目から残渣を篩い落とすことで残渣を除去し、易変形物の廃プラスチックとして排出することを特徴とする請求項5に記載の廃プラスチックの選別方法。
【請求項7】
前記残渣除去工程において、難変形物から残渣を除去することに加え、前記分別工程で分別した易変形物を、複数のローラを所定の間隔で設けることで形成した搬送路上を搬送させ、前記ローラの間隔における隙間から残渣を落下させ、易変形物の廃プラスチックとして排出することを特徴とする請求項5に記載の廃プラスチックの選別方法。
【請求項8】
前記廃プラスチック選別工程において、難変形物から廃プラスチックを選別することに加え、廃プラスチックを選別した後の残留物の波長の吸収度の違いにより、残留物中に含まれる廃プラスチックを選別することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の廃プラスチックの選別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−208331(P2009−208331A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53224(P2008−53224)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(503245465)株式会社アーステクニカ (54)
【Fターム(参考)】