説明

廃水処理装置

【課題】廃水、特に油分を含有する廃水から生じる磁性フロックから従来よりも高純度の磁性粒子を従来よりも小さなエネルギーで分離処理することができる磁性粒子回収装置を備えた廃水処理装置を提供する。
【解決手段】廃水から磁性フロックを取り除いた処理水を得る磁性フロック除去装置10と、回収した磁性フロックから磁性粒子を分離する磁性粒子回収装置15とを備えた廃水処理装置100において、磁性粒子回収装置15は、回収した磁性フロックを水熱処理する水熱処理機11と、水熱処理した水熱分解物中の成分を比重差によって比重の重い重比重成分と比重の軽い軽比重成分とに分離処理する比重差分離槽20と、比重差分離処理により分離された重比重成分の中から磁力によって前記磁性粒子を分離する磁性粒子分離機26と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃水処理装置に係り、特に廃水に凝集剤や磁性粒子を投入し、凝集磁気分離によって磁性フロックを除去することにより廃水を処理する廃水処理装置における前記磁性フロック中の磁性粒子回収技術に関する。
【背景技術】
【0002】
凝集磁気分離方式による水処理法とは、被処理対象である廃水に凝集剤と磁性粒子を投入し、攪拌することにより生成させた凝集フロック(以下、磁性フロックと称する)を磁気分離装置によって磁力で回収することにより処理水を得る方式である。
【0003】
この方式では磁性粒子を含む磁性フロックが回収されるが、回収した磁性フロックは産業廃棄物として廃棄される必要があり、磁性粒子供給コストと産業廃棄物としての回収フロック処分費用がランニングコストの上昇をまねいている。
【0004】
この課題を解決するための技術として、特許文献1及び2に開示されているように、磁性粒子を含有する汚泥を水熱反応により分解し、汚泥を減容化する技術が知られている。
【0005】
特許文献1、2に開示された廃水処理装置は、磁気分離装置による凝集磁気分離により汚水を浄化し、その際に発生する汚泥を高温高圧で水熱処理し、高温高圧ラインのなかで磁性粒子を磁気分離により回収する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−123399号公報
【特許文献2】特開平11−207399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2の廃水処理装置は、油分特に鉱物油を含む廃水の処理、例えば石油生産現場で産出される産出水や、オイルサンドのプロセス水を処理する場合、磁性フロックから回収された磁性粒子のまわりには依然として除去すべき油分が付着している。これにより、回収された磁性粒子の純度が上がらないという問題がある。
【0008】
水熱処理により磁性粒子の純度を上げようとすると、水熱処理における高温条件や高圧条件を更に大きくしなくてはならず、多大なエネルギーを必要とするという新たな問題が生じる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、廃水、特に油分を含有する廃水から生じる磁性フロックから従来よりも高純度の磁性粒子を従来よりも小さなエネルギーで分離処理することができる磁性粒子回収装置を備えた廃水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、槽内に溜められた廃水に凝集剤及び磁性粒子を添加することにより凝集した磁性フロックを生成し、該磁性フロックを磁力によって回収することにより、前記廃水から磁性フロックを取り除いた処理水を得る磁性フロック除去装置と、前記回収した磁性フロックから磁性粒子を分離する磁性粒子回収装置とを備えた廃水処理装置において、前記磁性粒子回収装置は、前記回収した磁性フロックを水熱処理する水熱処理手段と、前記水熱処理した水熱分解物中の成分を比重差によって比重の重い重比重成分と比重の軽い軽比重成分とに分離処理する比重差分離手段と、前記比重差分離処理により分離された重比重成分の中から磁力によって前記磁性粒子を分離する磁性粒子分離手段と、を備えたことを特徴とする廃水処理装置を提供する。
【0011】
本発明者は、廃水、特に油分を含有する廃水に凝集剤及び磁性粒子を添加して得られる磁性フロックから磁性粒子を分離して磁性フロック除去装置で再利用しようとしても、磁性粒子の純度が悪いために十分な効果が得られないという問題を鋭意検討した結果、磁性フロックの水熱処理に比重差分離処理を組み合わせることで、磁性粒子の純度を顕著に向上できるとの知見を得た。
【0012】
本発明によれば、回収した磁性フロックを先ず水熱処理によって高温(例えば100〜300℃)、高圧(1〜5MPa)で所定時間(例えば10〜30分)保持し水熱反応を進行させる。これにより、磁性フロックが分解する。
【0013】
次に水熱分解物(分解した磁性フロック)を比重差分離手段に送り、水熱分解物中の磁性粒子を含む重比重成分とその他の軽比重成分とを比重差によって分離する。これにより、磁性粒子にまとわりついていた軽比重成分、特に油分が磁性粒子から分離される。油分の中でも石油生産現場で産出される産出水や、オイルサンドのプロセス水に含有される鉱物油は、動物脂や植物油とは異なり水熱処理により分解しにくいので、本発明は特に有効である。
【0014】
比重差分離手段としては、攪拌機又は超音波振動器を有し、水熱分解物を比重差で分離する比重差分離槽、あるいは遠心分離機を好ましく使用することができる。
【0015】
次に、重比重成分を磁性粒子分離手段に送って重比重成分の中から磁力によって磁性粒子を分離する。これにより、従来のように磁性フロック中の磁性粒子を水熱処理のみで分離処理しようとする場合に比べて、分離された磁性粒子の純度を顕著に向上させることができる。
【0016】
本発明においては、比重差分離手段と磁性粒子分離手段とは、同じハウジング内に一体的に設けられ、比重差分離処理と磁性粒子分離処理とを同時進行させることが好ましい。これにより、比重差分離処理において磁性粒子から一旦分離した油分等の軽比重分が再び磁性粒子に付着する前に磁性粒子を磁性粒子分離手段で分離回収することができる。また、比重差分離手段と磁性粒子分離手段とを、同じハウジング内に一体的に設けることで装置的にもコンパクト化することができる。
【0017】
また、本発明においては、前記水熱処理手段の前段には、前記回収した磁性フロックの水分を蒸発させて磁性フロック中の水分を低減する蒸発手段を備えることが好ましい。これにより、磁性フロックを減容化することができるので、後段の水熱処理手段や磁性粒子分離手段の容量を小さくできる。したがって、装置のコンパクト化に寄与する。更には、磁性フロックから蒸発した水分は不純物を殆ど含まないので、例えば水熱処理手段における加熱用の蒸気源として再利用することができるので省エネになる。
【0018】
また、蒸発手段で発生した水蒸気を圧縮して高温高圧蒸気を生成する高温高圧蒸気生成手段と、該高温高圧蒸気を前記回収した磁性フロックと熱交換する熱交換器とを設ければ、更に省エネになる。
【0019】
また、本発明においては、前記磁性粒子分離手段で分離した磁性粒子を前記磁性フロック除去手段に送って再利用する再利用ラインが設けられていることが好ましい。これにより、磁性粒子の再利用を行って廃水処理のランニングコストを大幅に低減できる。本発明の場合には、分離回収した磁性粒子の純度が高くなるので、再利用しても磁性フロック除去装置での磁性フロック除去性能が殆ど低下することがない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、廃水、特に油分を含有する廃水から生じる磁性フロックから従来よりも高純度の磁性粒子を従来よりも小さなエネルギーで分離処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の廃水処理装置の第1の実施の形態を示す全体構成図
【図2】水熱分解物が配管を流れる様子を示した説明図
【図3】比重差分離手段の一態様である比重差分離槽を説明する説明図
【図4】第1の実施の形態の変形例を示す全体構成図
【図5】本発明の廃水処理装置の第2の実施の形態を示す全体構成図
【図6】第2の実施の形態の変形例を示す全体構成図
【図7】本発明の廃水処理装置の第3の実施の形態を示す全体構成図
【図8】本発明の廃水処理装置の第4の実施の形態を示す全体構成図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面に従って本発明に係る廃水処理装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0023】
[廃水処理装置の第1の実施の形態]
図1は、本発明の廃水処理装置100の第1の実施の形態の全体構成図である。
【0024】
本発明の廃水処理装置100は大別すると、槽内に溜められた廃水に凝集剤及び磁性粒子を添加することにより凝集した磁性フロックを生成し、該磁性フロックを磁力によって回収することにより廃水から磁性フロックを取り除いた処理水を得る磁性フロック除去装置10と、回収した磁性フロックから磁性粒子を分離回収する磁性粒子回収装置15とに分けられる。
【0025】
まず、磁性フロック除去装置10の構成について説明する。なお、以下に説明する各機器類は配管によって接続されるが、符号を付した方が図を説明し易い場合を除いて符号を付していない。
【0026】
被処理水である廃水(小さな浮遊物質やエマルジョン化した油粒子を含む廃水)は、原水タンク1から原水ポンプ2によって配管を流れて急速攪拌槽6に送られる。急速攪拌槽6では、無機の凝集剤が、無機凝集剤注入ポンプ(図示せず)よって無機凝集剤槽3から添加されると共に、磁性粒子注入ポンプ(図示せず)によって攪拌翼4Aを備えた磁性粒子タンク4から磁性粒子が添加される。無機凝集剤としては、例えばPAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム等を使用することができ、磁性粒子としては例えば四三酸化鉄(マグネタイト)等を使用することができる。
【0027】
そして、攪拌翼6Aによって急速攪拌が行われる。これにより、廃水中に浮遊していた浮遊物質や油等のエマルジョンなどは凝集剤により磁性粒子とともに凝集する。この凝集作用において、急速攪拌によって衝突頻度が高まることにより、マイクロフロック(以下、磁性フロックという)と呼ばれる多数の小さな塊が形成される。なお、磁性粒子の添加位置は急速攪拌槽6内に限らず急速攪拌槽6出口でもよい。
【0028】
次に、磁性フロックを含む被処理水は、急速攪拌槽6を出た後、配管を流れて攪拌翼7Aを備えた緩速攪拌槽7に送られる。ここで、高分子ポリマーポンプ(図示せず)によって高分子ポリマータンク5から高分子ポリマー(高分子凝集剤)が注入され、緩速攪拌槽7内でゆっくり攪拌される。この緩速攪拌によって、凝集した磁性フロックが成長する。この場合の高分子ポリマー(高分子凝集剤)はアニオン系が望ましく、例えばポリアクリルアミドが適している。ポリアクリルアミドの場合は粉末で保管しておき、フィーダで定量高分子ポリマータンク5に注入して攪拌する構造が考えられる。また、上記例は、無機凝集剤とアニオン系高分子ポリマー(高分子凝集剤)を使用する例を示したが、無機凝集剤を使用せずにカチオン系の高分子ポリマー(高分子凝集剤)のみを使用する場合でも以下の効果は同様となる。
【0029】
次に、成長した磁性フロックは、配管を流れて磁気分離機8に送られる。
【0030】
磁気分離機8には、例えばネオジウム磁石等の永久磁石を内蔵する磁気ドラム8aが設置されている。そして、磁気ドラム8aの近傍を、磁性フロックを有する凝集水が通過する際に、磁性粒子を含む磁性フロックが永久磁石の磁力によって吸引され、磁気ドラム8aの表面に吸着される。吸着された磁性フロックは磁気ドラム8aの回転とともに水中から空中に上げられ、スクレーパ14によって掻き取られて回収される。回収された磁性フロック(以下、回収磁性フロックと称する)は、磁性粒子回収装置15へ送られる。また、磁性フロックが取り除かれた水は処理水として図示しないトラフに越流し、磁気分離機8から外部に排出される。
【0031】
次に、磁性粒子回収装置15の構成について説明する。
【0032】
磁気分離機8で回収された回収磁性フロックは、配管を流れて回収フロック槽9に送られ、ここで一旦貯められる。回収フロック槽9には攪拌機9Aが設けられており、この攪拌機9Aによって槽9内を攪拌することによって回収フロックの沈殿が防止されている。回収フロック槽9内の回収磁性フロックはそのまま用いてもよいが、ヒータ52を用いて温度を40〜100℃に加熱すると、後段の水熱処理機11A,11Bによる回収磁性フロックの分解効率を高めることができるので好ましい。また、図示しないが、回収フロック槽9に例えばpH計とNaOH等のアルカリタンク、及びその注入ポンプを有するpH調整手段を設け、回収フロックのpHを8〜14にすると、後段の水熱処理機11A,11Bによる回収磁性フロックの分解効率を高めることができる。これは、通常中性であるpH=7付近でもっとも凝集効果が高くなるように凝集剤が存在しているからであり、pH領域を凝集効果の高い領域から外すことによって凝集効果が悪くなるからである。したがって、加熱とpH調整との両方を行うことが最も好ましい。
【0033】
次に、回収フロック槽9の回収磁性フロックは、高圧ポンプ12によって高圧・高温条件下で回収磁性フロックを分解する水熱処理機11A,11Bに送られる。水熱処理機11A,11Bは単独(1基)でもよいが、省エネを達成するには複数を並列配置することが好ましい。図1では、第1の水熱処理機11Aと第2の水熱処理機11Bの2基を並列配置して交互に使用する例で示してある。
【0034】
回収磁性フロックが回収フロック槽9から第1の水熱処理機11Aの反応容器13a(耐圧容器)に所定量送られたら、投入弁14aを閉成する。そして、蒸気弁15aを開成し、ボイラー17で作られた例えば2MPa、300℃の高温高圧の蒸気を反応容器13a内に注入する。そして、反応容器13a内を約2MPaの高圧に保つ。これにより、蒸気の内部エネルギーにより反応容器13a内の回収磁性フロックの温度が上昇し、圧力約2MPaでの飽和水状態が形成される。この状態で、所定時間例えば10〜30分間水熱反応を行い磁性回収フロックの分解を進行させる。この場合、反応容器13a内に攪拌機19aを設置して回収磁性フロックを攪拌することが好ましい。これにより、反応容器13a内で回収磁性フロックが偏在しないようにすることができるので、回収磁性フロックの突沸現象を防止することができる。
【0035】
第1の水熱処理機11Aによって回収磁性フロックの分解を行っている間、もう一方の第2の水熱処理機11Bの投入弁14bを開いて回収フロック槽9の回収磁性フロックを投入しておく。そして、第1の水熱処理機11Aにおける所定時間の分解反応が終了したら、蒸気弁15aを開成すると共に、第2の水熱処理機11Bの蒸気弁15bを開成して、第1の水熱処理機11Aの蒸気の一部を第2の水熱処理機11Bに送り込む。この場合、ポンプ(図示せず)を用いてもよいが第1の水熱処理機11Aの反応容器13a(高圧)と第2の水熱処理機11B(大気圧)の反応容器13bとの圧力差を利用すればポンプを用いなくても移送できる。この蒸気移送により第1の水熱処理機11Aの反応容器13aと第2の水熱処理機11Bの反応容器13bの圧力は均等化し、ともに1MPaになるので、第2の水熱処理機11Bの蒸気弁15bは閉成する。なお、符号13b及び19bはそれぞれ第2の水熱処理機11Bの反応容器と硫黄機攪拌機とである。
【0036】
次に、第1の水熱処理機11Aについては、蒸気排出弁18を開成して反応容器13a内に残った蒸気を大気中に放出した後、分解物排出弁16aを開成して分解処理後の回収磁性フロック(以下、水熱分解物という)をポンプ(図示せず)により配管を介して比重差分離手段に送る。図1では、比重差分離手段として、重力を利用して水熱分解物の各成分を比重差分離する比重差分離槽20の例で示した。なお、符号16bは第2の水熱処理機11Bの分解物排出弁である。
【0037】
この場合、蒸気排出弁18から排出された蒸気は不純物を含まないため大気中に放出しても環境汚染の心配はない。しかし、蒸気排出弁18から排出した蒸気を回収フロック槽9のヒータ52に送って回収磁性フロックを加熱する加熱源として使用すると省エネになる。図1では、蒸気排出弁18からの蒸気51と、ヒータ52に使用される蒸気51を同符号で記載することで、蒸気排出弁18からの蒸気51をヒータ52に送ることを示してある。
【0038】
また、回収磁性フロックとの熱交換により蒸気が凝縮した凝縮水をボイラー17の供給水として戻すことにより省エネになると共に、ヒータ52での熱交換で液化した水53をボイラー17の供給水として使用すると更に省エネになる。
【0039】
一方、第2の水熱処理機11Bの反応容器13bには、ボイラー17から例えば2MPa、300℃の高温高圧の蒸気が注入され、第1の水熱処理機11Aと同様に回収磁性フロックの水熱反応処理が行われる。
【0040】
このように、複数系列の水熱処理機11A,11Bを設けることにより、バッチ式の水熱処理機でも連続運転が可能となる。これにより、単位時間当たりの処理量を向上でき、その結果省エネにもなる。
【0041】
次に、水熱処理機11A,11Bで処理された水熱分解物は配管を流れて比重差分離槽20に送られる。このとき、図2に示すように、水熱分解物の各成分が油分層61と水分層62とに分かれて配管63内を流れる。この場合、水熱分解物中の磁性粒子64は親油性が高いために水分層62側よりも油分層61側に多く含まれることになる。したがって、このまま次の磁性粒子分離機26で磁性粒子64を分離回収すると、磁性粒子64に油がまとわりついた状態で回収されるため、純度の悪い磁性粒子64しか回収できない。
【0042】
そこで、本発明の第1の実施の形態では、水熱処理機11A,11Bと磁性粒子分離機26との間に比重差分離手段の一態様である比重差分離槽20を設けた。
【0043】
図3は、比重差分離槽20の一例を示したものである。図3に示すように、槽20は下部がコーン形状に形成されると共に、上部にトラフ65が設けられる。また、槽内の水熱分解物に対して攪拌機66による攪拌エネルギーあるいは超音波発生手段(図示せず)による超音波エネルギーを付与できるようになっている。図3では、攪拌機66の例で示してある。
【0044】
そして、比重差分離槽20に投入された水熱分解物は、攪拌機66により急速攪拌されてエネルギーが付与される。その後、攪拌機66を停止して静置する。この急速攪拌により水熱分解物を構成する各成分が分散され、水熱分解物中の磁性粒子を含む固形物である重比重成分が槽底部(水分層62側)に沈降する。一方、磁性粒子にまとわりついていた油等の軽比重成分が磁性粒子から分離されて油分層61となって槽上部に集まる。これにより、磁性粒子から油等の軽比重成分を比重差によって効果的に分離することができる。
【0045】
この比重差分離槽20は、廃水が石油生産現場から発生する産生水や、オイルサンドのプロセス水、更には石油タンクの洗浄水等のように石油等の鉱物油を含む廃水の場合に特に有効である。これは、鉱物油は水熱反応処理だけでは分解されにくく、磁性粒子にまとわりついた鉱物油が磁性粒子に付着したまま次の磁性粒子分離機26に送られてしまい、純度の高い磁性粒子が得られないためである。また、比重差分離槽20を設けることで、トラフ65に回収した油を生産油の一部として利用することができるので、例えば石油生産のロス削減にも寄与できる。
【0046】
次に、比重差分離槽20において沈降した磁性粒子等の重比重成分は、磁性粒子分離機26に送られ、油分等の軽比重成分は排出管21から外部に排出される。一方、水分等の重比重成分は配管23を流れて原水タンク1に戻る。
【0047】
この磁性粒子分離機26は磁性フロック除去装置10の磁気分離機8と同様に磁気ドラム29及びスクレーパ30で構成されるが、より小型のものを使用することができる。磁性粒子分離機26では、重比重成分が磁気ドラム29の近傍を通過する際に、重比重成分に含まれた磁性粒子が永久磁石の磁力によって吸引され、磁気ドラム29の表面に吸着される。吸着された磁性粒子は磁気ドラム29の回転とともに水中から空中に上げられ、スクレーパ30によって掻き取られて磁性粒子タンク31に回収される。
【0048】
そして、分離回収された磁性粒子は、ポンプ27により回収配管28を流れて再び磁性粒子タンク4に送られて再利用される。
【0049】
このように本発明における磁性粒子回収装置15によれば、水熱処理機11A、11Bと磁性粒子分離機26との間に、比重差分離槽20を設けて、磁性粒子にまとわりついている油分を分離するようにしたので、回収磁性フロックの中から磁性粒子を高い純度で分離回収することができる。
【0050】
[第1の実施の形態の変形例]
図4は、第1の実施の形態の廃水処理装置100の変形例を示したものである。この変形例は、第1の実施の形態と同様にバッチ式の磁性粒子回収装置15の例で示してあるが、高圧ポンプ12の前段に回収磁性フロックの水分を蒸発させる蒸発器82と、蒸発器82に至る回収磁性フロックを予備加熱する熱交換器22を設けた点で図1と異なる。
【0051】
即ち、図4に示すように、回収フロック槽9に貯められた回収磁性フロックはポンプ59によって配管を流れて熱交換器22に運ばれ、比重差分離槽20から排出される熱水と熱交換される。熱交換によって加熱された回収磁性フロックは配管を流れて蒸発器82に移送され、蒸発器82において回収磁性フロックの水分の一部が蒸発して除去される。蒸発によって得られた熱水は塩分やその他の不純物を殆ど含まないので、配管80(点線で表示)を介してボイラー17に送られる。これにより、ボイラー供給水を節約できると同時にボイラー17での熱エネルギー節約にもなる。
【0052】
また、第1及び第2の水熱処理機11A,11Bの反応容器13a、13bは水熱時間を確保するために必要な滞留時間を確保するため、容積を大きくする必要がある。しかし、本変形例のように水熱処理機11A,11Bの前段に蒸発器82を設けて回収磁性フロックの水分の一部を蒸発させて減容化することで、反応容器13a、13bのコンパクト化を図ることができる。
【0053】
なお、この変形例では、比重差分離槽20から熱交換器22に供給された熱水は熱交換器22で熱交換に使用された後、配管23を流れて原水タンク1に戻る。
【0054】
[廃水処理装置の第2の実施の形態]
図5は、第2の実施の形態に係る廃水処理装置200であり、磁性フロック除去装置10の構成は第1の実施の形態と同様であるので説明は省略し、磁性粒子回収装置15の構成のみを説明する。
【0055】
第2の実施の形態は磁性粒子回収装置15全体を連続式に構成したものである。
【0056】
図5に示すように、連続式の磁性粒子回収装置15は、主として、回収フロック槽9、高圧ポンプ12、熱交換器35、水熱反応器36、遠心分離機32(比重差分離手段の別態様)、磁性粒子分離機26を配管でつなぎ、各機器において回収磁性フロックが連続処理されるように構成したものである。
【0057】
即ち、回収フロック槽9に貯められた回収磁性フロックは、高圧ポンプ12によって配管内を高圧状態(例えば1〜5MPa)となって熱交換器35に送られて加熱される。熱交換器35は、次の水熱反応器36に至る往路コイル35Aと水熱反応器36から戻る復路コイル35Bとの間で熱交換される構造となっており、往路コイル35Aを流れる低温の回収磁性フロックと復路コイル35Bを流れる高温の水熱分解物(水熱反応により分解した回収磁性フロック)とが熱交換する。これにより、往路コイル35Aを流れる回収磁性フロックが加熱される。
【0058】
加熱された回収磁性フロックは、配管内を流れて水熱反応器36に送られると共に水熱反応器36のヒータ41で水熱反応を行うに足る温度(例えば100〜300℃)まで更に高められる。これにより、水熱反応器36内のコイル36Aを流れる回収磁性フロックは高温高圧下におかれて水熱反応が進行し、分解される。この場合、水熱反応時間を十分に確保(例えば10〜30分)できるように、水熱反応器36内に収納されたコイル36Aをスパイラル状にしてコイル長を長く確保することが好ましい。
【0059】
水熱反応により回収磁性フロックが分解した水熱分解物は、配管を流れて熱交換器35に戻り、熱交換することにより熱エネルギーを放出して冷却される。必要であれば熱交換器35の後に冷却器38を設けて強制的に冷却することが好ましい。冷却器38後の配管に背圧弁37が設けられ、配管内の圧力を大気圧まで低下させる。これにより、背圧弁37を通過した水熱分解物は大気圧条件下で遠心分離機32(比重差分離手段)に送られる。そして、遠心分離機32によって磁性粒子を含む固形物等の重比重成分と、その他の油分を含む軽比重成分との分離が連続的に行われる。分離された油は排出管21から外部に排出される。
【0060】
次に、重比重成分が磁性粒子分離機26に送られて第1の実施の形態と同様に、重比重成分から磁性粒子が分離回収され、ポンプ27により回収配管28を流れて再び磁性粒子タンク4に送られて再利用される。
【0061】
このように本発明における第2の実施の形態の磁性粒子回収装置15によれば、水熱反応器36と磁性粒子分離機26との間に、遠心分離機32を設けて、磁性粒子にまとわりついている油分を分離するようにしたので、回収磁性フロックの中から磁性粒子を高い純度で連続的に分離回収することができる。
【0062】
[第2の実施の形態の変形例]
図6は、第2の実施の形態の廃水処理装置200の変形例を示したものである。この変形例は、第2の実施の形態と同様に連続式の磁性粒子回収装置15の例で示してあるが、高圧ポンプ12の前段に回収磁性フロックの水分を蒸発させる蒸発器82と、蒸発器82に至る回収磁性フロックを予備加熱する熱交換器22を設けた点で図5と異なる。
【0063】
図6に示すように、回収フロック槽9に貯められた回収磁性フロックはポンプ59によって配管を流れて熱交換器22に運ばれ、遠心分離機32から排出される熱水と熱交換される。熱交換によって加熱された回収磁性フロックは配管を流れて蒸発器82に移送され、蒸発器82において回収磁性フロックの水分の一部が蒸発して除去される。
【0064】
蒸発した蒸気の全部又は一部が配管34を介して圧縮器33に送られ、ここで高温高圧の蒸気となって水熱反応器36のヒータ41に送られ加熱源として使用される。これにより省エネを図ることができる。また、蒸発した蒸気は塩分や不純物を殆ど含まないので、配管24を介して一般のボイラーに戻せばボイラー供給水の節約になる。更には、圧縮器33で得られた高温高圧の蒸気を蒸発器82の加熱源としても使用すれば更なる省エネになる。
【0065】
また、水熱処理を行う水熱反応器36は水熱時間を確保するために水熱反応器36内に収納するコイル36Aの長さを長くする必要があり、水熱反応器36自体の容積が大きくなる傾向にある。しかし、本変形例のように水熱処理の前段に蒸発器82を設けて回収磁性フロックの水分の一部を蒸発させて減容化することで、水熱反応器36をコンパクト化することができる。
【0066】
[廃水処理装置の第3の実施の形態]
図7は、第3の実施の形態に係る廃水処理装置300であり、磁性フロック除去装置10の構成は第1の実施の形態と同様であるので説明は省略し、磁性粒子回収装置15の構成のみを説明する。
【0067】
第3の実施の形態における磁性粒子回収装置15は、第2の実施の形態と同様に連続式のものであるが、水熱処理と比重差分離処理とを縦長な槽形状に形成された1つの密閉可能な耐圧反応容器60で一緒に行うようにしたものである。
【0068】
図7に示すように、回収フロック槽9に貯められた回収磁性フロックは、高圧ポンプ12によって配管内を高圧状態(例えば1〜5MPa)となって熱交換器35に送られて加熱される。熱交換器35の配管構造は第2の実施の形態で説明したと同様に耐圧反応容器60に送る往路コイル35Aと耐圧反応容器60から戻る復路コイル35Bとの間で熱交換するように構成される。
【0069】
加熱された回収磁性フロックは、配管内を流れて耐圧反応容器60に供給される。耐圧反応容器60に供給された回収磁性フロックは、耐圧反応容器60に設けられたヒータ41により更に加熱されて水熱反応を行うに足る温度(例えば100〜300℃)まで高められる。これにより、耐圧反応容器60内が高温高圧下におかれて水熱反応が進行し、回収磁性フロックが分解される。図示しなかったが、耐圧反応容器60内には、攪拌機による攪拌エネルギーあるいは超音波機による超音波エネルギーを回収磁性フロックに付与できるものを設けることが好ましい。これにより、水熱反応により分解した水熱分解物を構成する各成分は再度凝集することなく分散された状態で比重差により分離される。そして、分解された水熱分解物のうち、磁性粒子を含む固形分等の比重の重い重比重成分は耐圧反応容器60の底部に沈降する。一方、油分等の比重の軽い軽比重成分は耐圧反応容器60の上部に浮き上がり、復路配管35Bを流れて熱交換器35に戻る。そして、冷却器38で冷却されると共に背圧弁37で圧力が低下された後、配管23を流れて再び原水タンク1に戻る。
【0070】
このように、耐圧反応容器60内で水熱処理と比重差分離処理とを一緒に行いつつ、耐圧反応容器60の底部と次の磁性粒子分離機26とを繋ぐ配管に設けられた開閉バルブ44を定期的に開成する。これにより、耐圧反応容器60の底部に沈降した重比重成分を磁性粒子分離機26に送ることができる。また、定期的に開閉バルブ44を開成することで、耐圧反応容器60の底部に溜まった磁性粒子以外の固形物も復路配管35B側に行くことを防止できる。これにより、熱交換器35、背圧弁37等が固形分によって閉塞したり、磨耗したりすることを防止できる。また、熱交換器35の往路配管35Aと復路配管35Bのうち、往路配管35Aに回収磁性フロックの固形分が存在するが、二重管構造にして往路配管35Aを円筒構造の内側管にすれば、ピグ(掃除用の玉)等によって簡単に洗浄できる。
【0071】
この場合、往路コイル35Aと耐圧反応容器60とを繋ぐ配管は、耐圧反応容器60の上端部に接続し、復路コイル35Bと耐圧反応容器60とを繋ぐ配管は、耐圧反応容器60の下から1/3程度の高さ位置に接続されることが好ましい。これにより、耐圧反応容器60の底部に沈降した重比重成分が復路コイル35Bに吸い込まれないようにできると共に、耐圧反応容器60内での回収磁性フロックの滞留時間を長くできるので、水熱反応時間を十分に確保(例えば10〜30分)することができる。耐圧反応容器60の高さは、滞留時間との関係で設定することが好ましい。また、耐圧反応容器60の容積との関係から耐圧反応容器60に供給する回収磁性フロックの供給量を調整するとよい。
【0072】
次に、重比重成分が磁性粒子分離機26に送られて第1の実施の形態と同様に、重比重成分から磁性粒子が分離回収される。
【0073】
このように本発明における第3の実施の形態の磁性粒子回収装置15によれば、回収磁性フロックの中から磁性粒子を高い純度で連続的に分離回収することができるだけでなく、水熱処理と比重差分離処理とを1つの耐圧反応容器60で一緒に行うようにしたので、装置構成をシンプル化することができる。
【0074】
なお、第3の実施の形態では、第1及び第2で示した変形例の図は示さなかったが、同様な構成をとることができる。
【0075】
[廃水処理装置の第4の実施の形態]
図8は、比重差分離機能と磁性粒子分離機能とを同じハウジング内に一体的に設けることで、比重差分離処理と磁性分離処置の2つ分離処理を一緒に行う一体型分離機70として構成したものである。
【0076】
図8に示すように、一体型分離機70は、下部がコーン形状に形成された槽形状のハウジング72内に、上下2段に攪拌翼55A、55Bを有する攪拌機55が設けられる。また、ハウジング72の上部にはバルブ73を有する排出管21が設けられる。そして、ハウジング72外の高さ方向中央部には磁石が巻回される。磁石は永久磁石を使用することもできるが、電磁石54を用いることが好ましい。また、ハウジング72内の高さ方向中央部には磁性を帯びることが可能な細線で形成された磁性金網が層状に設けられる(以下、磁性金網層と58いう)。これにより、電磁石54がONのときに磁性金網層58が磁化を帯びるので、水熱分解物中の成分のうち磁性粒子が磁性金網層58に吸着される。そして、電磁石54をOFFにすると、磁性金網層58の磁化が消失するので、磁性金網層58に吸着した磁性粒子は剥離可能となる。なお、攪拌機55に設けた2段構造の攪拌翼55A,55Bは、磁性金網層58を挟んで上下に一つずつ設けることが好ましい。
【0077】
また、ハウジング72の磁性金網層58よりも下側に回収磁性フロックを供給する配管63が接続される。更にハウジング72の底部には沈降物を排出する配管が設けられる。配管は、磁性粒子を排出する第1の排出管76と磁性粒子以外の沈降物を排出する第2の排出管77とに分かれる。第1及び第2の排出管にはそれぞれ開閉バルブ56、57が設けられる。
【0078】
上記の如く構成された一体型分離機70は、図1、図4のように比重差分離手段として比重差分離槽20を用いた構成に適用することができる。
【0079】
上記の如く構成された一体型分離機70によれば、水熱処理機11A,11Bで分解された水熱分解物は、図2で示したごとく油分層61と水分層62とに分かれて配管63内を流れ、ハウジング72内に供給される。この場合、水熱分解物の磁性粒子は親油性が高いために油分層61側に多く含まれることになる。
【0080】
ハウジング72内に供給された水熱分解物のうち軽い比重の油分層61は磁性金網層58を通ってハウジング72の上部に浮上すると共に、比重の重い水分層62はハウジング72の底部に滞留する。この際、攪拌機55を回転しハウジング72内の流れを乱すことにより、油分層61中及び水分層62中の磁性粒子が油分層61の油あるいは水分層62の磁性粒子以外の固形物から分離され易い状態が形成されるので、その後、攪拌機55を停止して静置状態にする。これにより、油分層61が磁性金網層58を上昇するときに磁性粒子のみが磁力を有する磁性金網層50に吸着し、油は磁性金網層58を通過してハウジング72の上部に溜まり、排出管21から排出される。
【0081】
一方、水分層62中に含まれる磁性粒子も攪拌機55の回転により他の固形物から分離され易い状態になる。これにより、水分層62中の磁性粒子が磁性金網層58の磁力に吸いよせられて吸着する。そして、水分層62中の磁性粒子以外の固形物はハウジング72の底部に沈降する。したがって、第2の排出管77のバルブ57を開成して外部に排出する。
【0082】
次に、電磁石54をOFFにして磁性金網層58の磁力を切り、逆洗水配管78からハウジング72内に逆洗水を流して磁性金網層58に吸着された磁性粒子を洗う。これにより、磁性粒子は磁性金網層58から分離して水相に移行し、ハウジング72の底部に沈降する。したがって、第1の排出管76のバルブ56を開成して、磁性粒子をハウジング72から排出する。そして、分離回収された磁性粒子は、ポンプ27により回収配管28を流れて再び磁性粒子タンク4に送られて再利用される。
【符号の説明】
【0083】
100、200、300…廃水処理装置、1…原水タンク、2…原水ポンプ、3…凝集剤タンク、4…磁性粒子タンク、5…高分子ポリマータンク、6…急速攪拌槽、7…緩速攪拌槽、8…磁気分離機、9…回収フロック槽、10…磁性フロック除去装置、11…水熱処理機、12…高圧ポンプ、13…反応容器、17…ボイラー、20…比重差分離槽、26…磁性粒子分離機、28…回収配管、32…遠心分離機、35…熱交換器、36…水熱反応容器、37…背圧弁、38…冷却器、54…電磁石、55…攪拌機、58…磁性金属層、60…耐圧反応容器、70…一体型分離機、72…ハウジング、76、77…排出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽内に溜められた廃水に凝集剤及び磁性粒子を添加することにより凝集した磁性フロックを生成し、該磁性フロックを磁力によって回収することにより、前記廃水から磁性フロックを取り除いた処理水を得る磁性フロック除去装置と、前記回収した磁性フロックから磁性粒子を分離する磁性粒子回収装置とを備えた廃水処理装置において、
前記磁性粒子回収装置は、
前記回収した磁性フロックを水熱処理する水熱処理手段と、
前記水熱処理した水熱分解物中の成分を比重差によって比重の重い重比重成分と比重の軽い軽比重成分とに分離処理する比重差分離手段と、
前記比重差分離処理により分離された重比重成分の中から磁力によって前記磁性粒子を分離する磁性粒子分離手段と、を備えたことを特徴とする廃水処理装置。
【請求項2】
前記比重差分離手段は、攪拌機又は超音波振動器を有し、重力を利用して前記水熱分解物を比重差分離する比重差分離槽であることを特徴とする請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項3】
前記比重差分離手段は、遠心力を利用して比重差分離する遠心分離機であることを特徴とする請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項4】
前記比重差分離手段と前記磁性粒子分離手段とは、同じハウジング内に一体的に設けられ、比重差分離処理と磁性粒子分離処理とを同時進行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃水処理装置。
【請求項5】
前記水熱処理手段の前段には、前記回収した磁性フロックの水分を蒸発させて磁性フロック中の水分を低減する蒸発手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載の廃水処理装置。
【請求項6】
前記蒸発手段で発生した水蒸気を圧縮器で圧縮して高温高圧蒸気を生成する高温高圧蒸気生成手段と、該高温高圧蒸気を前記回収した磁性フロックと熱交換する熱交換器とを設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1に記載の廃水処理装置。
【請求項7】
前記廃水には油分を含有していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1に記載の廃水処理装置。
【請求項8】
前記油分は鉱物油であることを特徴とする請求項7に記載の廃水処理装置。
【請求項9】
前記磁性粒子分離手段で分離した磁性粒子を前記磁性フロック除去手段に送って再利用する再利用ラインが設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1に記載の廃水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−136289(P2011−136289A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297976(P2009−297976)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】