説明

廃熱回生システム

【課題】エンジン10の停止後において、高温ボイラ34及び作動流体の温度上昇及び膨張機36の回転数の暴走を防止しつつ、ランキンサイクル回路30を早期に停止させることができる廃熱回生システム100を提供することを課題とする。
【解決手段】廃熱回生システム100は、ポンプ32、高温ボイラ34、膨張機36、およびコンデンサ38を有するランキンサイクル回路30と、膨張機36をバイパスし、開閉弁33を有する膨張機バイパス流路31と、エンジン10の作動停止時において、開閉弁33を開状態にして冷媒を膨張機バイパス流路31に流通させるとともに、ポンプ32にアイドリング状態時よりも多い流量の冷媒を圧送させる制御手段60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃熱回生システムに係り、特にランキンサイクルを利用した車両用の廃熱回生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの廃熱から機械的エネルギー(動力)を回収するランキンサイクルを利用した車両用の廃熱回生システムが開発されている。一般的なランキンサイクル回路は、作動流体を圧送するポンプと、作動流体をエンジンの廃熱と熱交換させて加熱するボイラと、加熱された作動流体を膨張させて機械的エネルギーを回収する膨張機と、膨張後の作動流体を冷却凝縮させるコンデンサとから構成され、これらが順次接続されて閉回路を形成している。
【0003】
通常、車両に搭載される廃熱回生システムでは、エンジンが停止した時は、ランキンサイクルの作動を停止し、膨張機での機械的エネルギーの回収は行わない。しかし、ボイラの内部に残存する高温・高圧蒸気により膨張機を無負荷で自由回転(フリーラン)させると膨張機の回転数が急上昇して、膨張機にダメージを与える可能性がある。また、エンジン停止直後にランキンサイクルの作動を停止すると、作動流体がランキンサイクル回路を循環しなくなるのでボイラに滞留する。そのため、ボイラに残る余熱によって作動流体や作動流体に含まれるオイルが過熱され、熱分解したり炭化したりする可能性がある。
【0004】
特許文献1のランキンサイクル装置では、エンジンが停止した後もランキンサイクル装置の運転を継続し、機械的エネルギーを回収するために膨張機に負荷をかけ続けるため、膨張機の回転数が暴走することを防ぐことができる。すなわち、ボイラへの作動流体としての水を供給し続けることで蒸気の発生を継続し、膨張機に蒸気を流入させ続ける。このときの給水量はボイラの内部エネルギーの減少に応じて減少させる。そして作動流体の蒸気温度及び蒸気圧力が、膨張機が出力を発生しないような温度及び圧力になった場合に、ランキンサイクル装置の運転を停止する。
【0005】
特許文献2の排熱回生システムでは、コンデンサをボイラの鉛直上方に設けるとともに、エンジン停止時にバイパス流路を開通させ、コンデンサとボイラとの間でヒートポンプサイクルをつくる。すなわち、コンデンサで液化した作動流体が重力によってバイパス流路を経由してボイラへ移動し、ボイラで気化した作動流体がバイパス流路を経由して再びコンデンサへ戻る閉回路を形成する。従って、エンジン停止後もヒートポンプサイクルによってボイラに作動流体が循環し続け、ボイラにおける作動流体の高温化が防止されるため、ポンプへの電力供給を早期に停止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−250075号公報
【特許文献2】特開2011−12625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のランキンサイクル装置では、膨張機に機械的エネルギーを回収するための負荷を与え続けることで暴走は防止されるが、作動流体の温度・圧力が、膨張機が出力を発生しない程度の値になるまで運転を継続する必要がある。また、作動流体の流量をボイラの内部エネルギーに応じて徐々に減少させるため、作動流体の温度を低下させるのに、更に時間がかかる。そのため、ランキンサイクル装置を早期に停止することができない。また、エンジン停止後にランキンサイクル装置が長時間作動することに対しユーザーが違和感を感じる。
【0008】
一方、特許文献2では、エンジン停止直後にランキンサイクル回路の動作を停止させることができるが、エンジン停止時のボイラは高温でかつ熱容量も大きいため、ヒートパイプサイクルで循環できる流量では、作動流体とオイルの高温化を防ぐには不十分である。
【0009】
この発明はこのような問題を解決するため、エンジン停止後において、ボイラ及び作動流体の温度上昇及び膨張機の回転数の暴走を防止しつつ、ランキンサイクル回路の動作を早期に停止させることができる廃熱回生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明に係る廃熱回生システムは、車両のエンジンの廃熱を利用するものであって、作動流体を圧送するポンプ、廃熱によって作動流体を加熱するボイラ、ボイラによって加熱された作動流体を膨張させて機械的エネルギーを回収する膨張機、および膨張後の作動流体を冷却凝縮させるコンデンサが順次連結されて構成されるランキンサイクル回路と、ボイラの下流側かつ膨張機の上流側に設けられ、膨張機の入口における作動流体の状態を検出する作動流体検出手段と、作動流体検出手段の下流側かつ膨張機の上流側に設けられた第1分岐点と膨張機の下流側かつコンデンサの上流側に設けられた第2分岐点とを接続する膨張機バイパス流路と、膨張機バイパス流路への作動流体の流入の有無を制御する膨張機バイパス流路制御手段と、エンジンの作動停止時において、膨張機バイパス流路制御手段に作動流体を膨張機バイパス流路に流通させる制御手段とを備える。これによって、膨張機をバイパスして、アイドリング状態時よりも多い流量の作動流体を圧送することができる。
【0011】
この発明に係る廃熱回生システムは、ボイラの下流側かつコンデンサの上流側に設けられた作動流体検出手段を備え、作動流体検出手段はボイラの出口における作動流体の状態を検出し、制御手段は、作動流体の状態に基づいて、ポンプに作動流体の圧送を停止させることもできる。
【0012】
作動流体検出手段が検出する前記作動流体の状態は温度であってもよい。
【0013】
この発明に係る廃熱回生システムはさらに、ボイラは、ポンプの下流側に設けられた高温ボイラと、ポンプと高温ボイラとの間に設けられ、高温ボイラよりも低温の熱媒体と作動流体との間で熱交換する低温ボイラからなり、ポンプの下流側かつ低温ボイラの上流側に設けられた第1分岐点と、低温ボイラの下流側かつ高温ボイラの上流側に設けられた第2分岐点とを接続する低温ボイラバイパス流路と、低温ボイラバイパス流路への作動流体の流入の有無を制御する低温ボイラバイパス流路制御手段とを備え、低温ボイラバイパス流路制御手段はエンジンの作動停止時に低温ボイラバイパス流路制御手段に作動流体を低温ボイラバイパス流路に流通させることもできる。
【0014】
コンデンサはコンデンサファンを有し、制御手段は、エンジンの作動停止時にコンデンサファンを作動させてもよい。
【発明の効果】
【0015】
この発明による廃熱回生システムによれば、エンジン停止後において、ボイラ及び作動流体の温度上昇及び膨張機の回転数の暴走を防止しつつ、ランキンサイクル回路を早期に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施形態1に係る廃熱回生システムの構成を示す図である。
【図2】図1のランキンサイクル回路の制御を示すフローチャートである。
【図3】図1のランキンサイクル回路における冷媒流量の変化を示すグラフである。
【図4】この発明の実施形態2に係る廃熱回生システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る廃熱回生システム100の構成を図1に示す。
廃熱回生システム100は、ポンプ32と、ボイラとしての高温ボイラ34と、膨張機36と、コンデンサ38とを有し、これらは順次連結して閉回路であるランキンサイクル回路30を構成する。ポンプ32はモータ35と接続している。高温ボイラ34の下流側かつ膨張機36の上流側には温度センサ37が設けられている。温度センサ37の下流側かつ膨張機36の上流側の第1分岐点31aには、膨張機バイパス流路31の一端が接続されており、膨張機バイパス流路31の他端は、膨張機36の下流側かつコンデンサ38の上流側の第2分岐点31bに接続されている。膨張機バイパス流路31の途中には膨張機側開閉弁33が設けられている。
【0018】
ポンプ32はモータ35によって駆動され、廃熱回生システム100におけるランキンサイクル回路30内の作動流体としての冷媒を圧送する。モータ35はECU60と電気的に接続されており、ECU60の指示に応じて回転数を変化させることにより、ポンプ32が圧送する冷媒流量を適宜増減させることができる。高温ボイラ34にはエンジン10からの排気ガスが供給されており、排気ガスと冷媒とを熱交換させて冷媒を加熱する。膨張機36は、高温ボイラ34において加熱されて気化した冷媒を膨張させて機械的エネルギーを発生させる。コンデンサ38は、気化した状態の冷媒を外気と熱交換させて冷却凝縮させる。
【0019】
ECU60は、エンジン作動状態検出器61、膨張機側開閉弁33、モータ35及び温度センサ37に電気的に接続されている。ECU60は、エンジン作動状態検出器61及び温度センサ37から取得される情報に基づいて、膨張機側開閉弁33の開閉及びモータ35の回転を制御する。エンジン作動状態検出器61は、エンジン10に取り付けられ、エンジンの作動状態(エンジン10が作動しているか否か)を検出する。ここで、エンジン作動状態検出器61は、エンジン10の回転数を検出する回転センサである。
【0020】
また、エンジン10は駆動軸42を有し、膨張機36は駆動軸43を有する。ベルト41はエンジン10の駆動軸42と、膨張機36の駆動軸43とを接続し、膨張機36が発生させた機械的エネルギー(膨張機出力)を駆動軸42に伝達する。
【0021】
エンジン10には排気管11が連結され、エンジン10から発生した排気ガスは排気管11を通って車外へ排気される。排気管11の途中には高温ボイラ34が設けられる。高温ボイラ34において、排気管11を流通する排気ガスとランキンサイクル回路30内を流通する冷媒とが熱交換される。即ち、ランキンサイクル回路30内の冷媒が排気ガスの廃熱によって加熱される。
【0022】
この実施の形態1に係る廃熱回生システム100の動作について、図1及び2を参照して説明する。
この発明の実施の形態1に係るECU60のフローチャートを図2に示す。
まず、ステップS1にてECU60は、エンジン作動状態検出器61からの情報に基づいて、エンジン10が作動しているか否かについて判定する。なお、「エンジンの作動時」とは、エンジン回転数がアイドル状態時の回転数と同程度又はそれ以上の回転数の時をいう。
【0023】
エンジン10が作動している場合は、ステップS6にすすみ、車両がアイドリング状態か否かについて判定し、アイドリング状態の場合は膨張機側開閉弁33を開状態とする(ステップS7)。すなわち、アイドリング状態の場合は、膨張機出力の発生が不要なため、膨張機36をバイパスして冷媒を膨張機バイパス流路31に流通させる。この際、膨張機36の上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との差圧が0になるため、膨張機36による膨張機出力は発生しない。次にステップS8において、高温ボイラ34において冷媒が過熱されないように、ポンプ32が圧送する冷媒流量(Q)をECU60によって調整する。
【0024】
また、通常の走行時においては膨張機側開閉弁33を閉状態とする(ステップS9)。次に、ステップS10において、膨張機36において必要な膨張機出力が発生するように、ポンプ32が圧送する冷媒流量(Q)を調整する。膨張機出力は、膨張機36の駆動軸43及びベルト41を介して、エンジン10の駆動軸42に伝達される。
【0025】
一方、エンジン10を止めた時、すなわちエンジン10の作動停止時は、ステップS7と同様に、膨張機バイパス流路31上の膨張機側開閉弁33を開状態にし、膨張機バイパス流路31へ冷媒を流入させる(ステップS2)。この際、膨張機36の上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との差圧が0になるため、膨張機36による膨張機出力は発生していない状態となる。
【0026】
次に、ステップS3においてECU60はモータ35の回転数を増加させることにより、ポンプ32が圧送する冷媒流量を増加させ、アイドリング時の冷媒流量Qより多い流量Qを維持する(図3参照)。冷媒流量を増加させることによって高温ボイラ34をより早く冷却することができる。
【0027】
次に、ステップS4においてECU60は高温ボイラ34の出口における冷媒温度Tを判定する。ここで、冷媒温度Tが所定温度t以下の場合、ECU60はポンプ32の作動を停止させる。所定温度tは、高温ボイラ34において滞留する冷媒を高温化させることなく、ランキンサイクル回路30の動作を停止することができると判断される温度の上限値である。
【0028】
次に、この発明の実施形態1に係る廃熱回生システム100における冷媒流量の変化について図3を参照して説明する。図3は、この発明の実施形態1に係るランキンサイクル回路内の冷媒の流量の変化を表したグラフである。
エンジン10の作動時かつ膨張機出力が必要な時AONにおいて、ポンプ32は通常制御流量Qの冷媒を圧送する。ここで、通常制御流量Q1とは、エンジン10の作動時かつ膨張機出力が必要な時AONにおいて膨張機36が吸入する冷媒を狙いの状態、すなわち必要な膨張機出力が得られる状態(温度)に維持するために必要な冷媒流量である。また、エンジン10が作動しておりかつ膨張機出力が不要な時A(アイドリング時)は、ポンプ32はアイドリング時流量Qの冷媒を圧送する。アイドリング時流量Qは、エンジン10の作動時かつ膨張機出力不要時Aにおいて高温ボイラ34及び冷媒が過熱されないようにするために必要な冷媒流量である。アイドリング時流量Qは通常制御流量Qよりも小さくなる。なお、アイドリング時Aとは、車両が信号待ち等の時にアイドリング状態となった時である。次に、エンジン10の停止時AOFF以降においては、ポンプ32はエンジン停止後流量Qの冷媒を圧送する。エンジン10はアイドリング時Aを経てエンジン10の作動を停止するが、冷媒流量はエンジン10の停止と同時に増加する。すなわち、エンジン停止後流量Qはアイドリング時流量Qよりも大きくなる。
【0029】
以上説明したように、この実施の形態1に係る廃熱回生システム100では、エンジン10の停止後に膨張機バイパス流路31に冷媒を流通させることで、ランキンサイクル回路30内の冷媒の循環をしばらく止めずにいることができる。そのため、高温ボイラ34の余熱で冷媒や冷媒中のオイルが高温になることを防ぐことができる。また、膨張機バイパス流路31を開通させることで、膨張機36の前後の差圧が0になるため、膨張機36の出力が発生せず、膨張機36の回転数が暴走することを防ぐこともできる。さらに、エンジン10の停止後、冷媒流量を増加させることで高温ボイラ34の冷却を早め、早期にランキンサイクル回路30の動作を停止させることができる。
【0030】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る廃熱回生システム200の構成を図4に示す。
実施の形態2に係る廃熱回生システム200は、実施の形態1に係る廃熱回生システム100において、ボイラとして低温ボイラ74を追加した上で、更に低温ボイラバイパス流路71、低温ボイラ側開閉弁73、冷却水回路17及びコンデンサファン39を追加したものである。ランキンサイクル回路30上において、低温ボイラ74は、ポンプ32の下流側かつ高温ボイラ34の上流側に設けられている。低温ボイラ74は、エンジン10の冷却水回路17を流通するエンジン冷却用の冷却水と冷媒とを流通させて互いに熱交換させ、エンジン10からの廃熱によって冷媒を加熱することができる。なお、低温ボイラ74におけるエンジン冷却用の冷却水の温度は、高温ボイラ34における排気ガスの温度よりも低温である。また、ポンプ32の下流側かつ低温ボイラ74の上流側の第1分岐点71aには、低温ボイラバイパス流路71の一端が接続されており、低温ボイラバイパス流路71の他端は、低温ボイラ74の下流側かつ高温ボイラ34の上流側の第2分岐点71bに接続されている。低温ボイラバイパス流路71の途中には低温ボイラ側開閉弁73が設けられ、ECU60と電気的に接続している。
またさらに、ランキンサイクル回路30上のコンデンサ38に隣接して、コンデンサ38に外気を送り込むためのコンデンサファン39が設けられる。
なお、以降の説明において、図1の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
【0031】
廃熱回生システム200の動作については、ECU60の制御は、実施形態1におけるECU60の制御とほぼ同じである。但し、廃熱回生システム200では、ステップS2に該当する制御において、膨張機側開閉弁33とともに低温ボイラ側開閉弁73を開状態にし、かつコンデンサファン39を作動状態にする。
また、廃熱回生システム200における冷媒流量の変化についても、図3と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0032】
廃熱回生システム200によれば、エンジン10の停止後に冷媒を低温ボイラバイパス流路71に流入させ、低温ボイラ74で冷媒が冷却水と熱交換しないようにすることにより、より効率よく高温ボイラ34を冷却することができる。また、コンデンサファン39により、ランキンサイクル回路30内を循環する冷媒温度を低く維持できるため、より早期に高温ボイラの冷却をすることができる。
【0033】
実施の形態1及び2において、温度センサ37の替わりに圧力センサを用いて検出された冷媒の圧力に基づいて冷媒の流量を調整してもよい。また、温度センサと圧力センサを組み合わせて、冷媒の温度及び圧力の両方を検出し、検出された温度及び圧力に基づいて冷媒の流量を調整することができる。
また、実施形態1及び2では冷媒温度Tに基づいてポンプ32の動作を停止させるが、これに限られず、エンジン10の停止後一定の時間が経過した時にポンプ32の動作を停止させてもよい。
さらにまた、膨張機バイパス流路31及び低温ボイラバイパス流路71への冷媒の流入を制御する弁は、開閉弁33、73に限られず、第1分岐点31a、71aにおいて三方弁を設けてもよい。
実施の形態1及び2において、エンジン10がアイドリング状態にあるときに、ステップ7において膨張機側開閉弁33を開いて膨張機36の出力を発生させないようにしているが、膨張機側開閉弁33を閉じて膨張機36の出力を発生させるようにしてもよい。
作動流体検出手段としての温度センサや圧力センサは、高温ボイラ34の出口からコンデンサ38の入口までの間の適宜の箇所に設けてもよい。
ECU60がエンジン作動状態検出器61によりエンジン10の回転数を検出するのに代えて、ECU60はエンジンECUからエンジン回転数情報を得るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
100,200 廃熱回生システム、10 エンジン、30 ランキンサイクル回路、31 膨張機バイパス流路、32 ポンプ、33 膨張機側開閉弁(膨張機バイパス流路制御手段)、34 高温ボイラ(ボイラ)、36 膨張機、37 温度センサ(作動流体検出手段)、38 コンデンサ、39 コンデンサファン、60 ECU(制御手段)、71 低温ボイラバイパス流路、73 低温ボイラ側開閉弁(低温ボイラバイパス流路制御手段)、74 低温ボイラ(ボイラ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンの廃熱を利用する廃熱回生システムであって、
作動流体を圧送するポンプ、前記廃熱によって前記作動流体を加熱するボイラ、前記ボイラによって加熱された前記作動流体を膨張させて機械的エネルギーを回収する膨張機、および膨張後の前記作動流体を冷却凝縮させるコンデンサが順次連結されて構成されるランキンサイクル回路と、
前記ボイラの下流側かつ前記膨張機の上流側に設けられた第1分岐点と、前記膨張機の下流側かつ前記コンデンサの上流側に設けられた第2分岐点とを接続する膨張機バイパス流路と、
前記膨張機バイパス流路への前記作動流体の流入の有無を制御する膨張機バイパス流路制御手段と、
前記エンジンの作動停止時において、前記膨張機バイパス流路制御手段に前記作動流体を前記膨張機バイパス流路に流通させるとともに、前記ポンプに前記エンジンのアイドリング状態時よりも多い流量の前記作動流体を圧送させる制御手段とを備える廃熱回生システム。
【請求項2】
前記ボイラの下流側かつ前記コンデンサの上流側に設けられた作動流体検出手段を備え、
該作動流体検出手段は前記ボイラの出口における前記作動流体の状態を検出し、
前記制御手段は、前記作動流体の状態に基づいて、前記ポンプに前記作動流体の圧送を停止させる請求項1に記載の廃熱回生システム。
【請求項3】
前記作動流体検出手段が検出する前記作動流体の状態は温度である請求項2に記載の廃熱回生システム。
【請求項4】
前記ボイラは、前記ポンプの下流側に設けられた高温ボイラと、前記ポンプと前記高温ボイラとの間に設けられ、前記高温ボイラよりも低温の熱媒体と作動流体との間で熱交換する低温ボイラとからなり、
前記ポンプの下流側かつ前記低温ボイラの上流側に設けられた第1分岐点と、前記低温ボイラの下流側かつ前記高温ボイラの上流側に設けられた第2分岐点とを接続する低温ボイラバイパス流路と、
前記低温ボイラバイパス流路への前記作動流体の流入の有無を制御する低温ボイラバイパス流路制御手段と備え、
前記低温ボイラバイパス流路制御手段は前記エンジンの作動停止時に前記低温ボイラバイパス流路制御手段に前記作動流体を前記低温ボイラバイパス流路に流通させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃熱回生システム。
【請求項5】
前記コンデンサはコンデンサファンを有し、
前記制御手段は、前記エンジンの作動停止時に該コンデンサファンを作動させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の廃熱回生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−113192(P2013−113192A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259323(P2011−259323)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】