延反装置
【課題】延反により重ね合わせた定寸生地からカーテンを縫製するため、原反から一方向に繰出生地を繰り出して生地目の方向を揃えながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて切断して作る定寸生地を重ね合わせる。
【解決手段】原反4を保持させた装置フレーム1の下段にあり、切断された定寸生地を中折りにして架け渡す生地重ね部2と、前記装置フレーム1の上段にあり、原反4から繰り出した繰出生地41を下段に向けて垂らして定寸毎に切断して定寸生地を作る生地繰出部3とから構成される延反装置であり、中折れした定寸生地を支持する生地掛けバー211を有し、装置フレーム1の上段から垂れる繰出生地41の水平位置を挟んで前記繰出生地41の繰出方向に往復動させ、かつ水平旋回させる生地掛けハンガー21を生地重ね部2に設けたことを特徴とする。
【解決手段】原反4を保持させた装置フレーム1の下段にあり、切断された定寸生地を中折りにして架け渡す生地重ね部2と、前記装置フレーム1の上段にあり、原反4から繰り出した繰出生地41を下段に向けて垂らして定寸毎に切断して定寸生地を作る生地繰出部3とから構成される延反装置であり、中折れした定寸生地を支持する生地掛けバー211を有し、装置フレーム1の上段から垂れる繰出生地41の水平位置を挟んで前記繰出生地41の繰出方向に往復動させ、かつ水平旋回させる生地掛けハンガー21を生地重ね部2に設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原反から繰り出した繰出生地を定寸に裁断して作る定寸生地を、生地目の方向を揃え、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させて重ね合わせる延反装置に関する。
【背景技術】
【0002】
延反装置は、原反から繰り出した生地(以下、「繰出生地」と呼ぶ)を定寸に切断して重ね合わせる装置であり、原反から一方向に繰出生地を繰り出し、生地目の方向を揃えながら、表面と裏面とを対向させて切断する構成(一方向延反構成)と、原反から繰出生地を折り返しながら引きだし、生地目の方向を互い違いにしながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて切断する構成(往復延反構成)とに分類される。いずれも、繰出生地を定寸だけ繰り出した後に切断することから、重ね合わされた切断後の生地は定寸である(これから、以下、切断後の生地を「定寸生地」と呼ぶ)。延反装置は、更に定寸生地の耳(切断端縁に直交する原反の縁部)や切断端縁を揃える機能を有する場合が多い。
【0003】
特許文献1が開示する延反装置は一方向延反構成であり、繰出生地(布生地)を延反する本体装置と、延反した繰出生地を導出端付近で切断する切断装置とから構成される。まず、本体装置の延反機がレールに沿って移動することにより繰出生地を定寸だけ繰り出して延反する。次に、前記延反機を停止させた後、繰出生地の導出端付近で切断装置の切断ユニットを走行させることにより前記繰出生地を切断し、定寸生地を作る。こうして繰出生地の切断が完了すると、延反機及び切断ユニットはいずれも元の位置に戻る。このような延反及び切断を繰り返し、一方方向延反の自動化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-212657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生地目の方向が問題にならなければ、生地面の方向は互い違いになるものの、延反に要する時間が少なくて済むように、各部が原位置に復帰する時間を要しない往復延反構成が好ましい。この場合、重ね合わせた定寸生地は表面同士(又は裏面同士)を対向させている。これに対し、生地目の方向が問題になる場合、生地目の方向が揃う一方向延反が利用される。この場合、重ね合わせた定寸生地は表面と裏面とを対向させるが、型取りされた前身等が定寸生地から切り離されて個別に利用されるため、表面と裏面とを対向させて重ね合わされてもあまり問題がなく、型取りされる前身等が各定寸生地から均質に切り離されるように、重ね合わせた定寸生地の耳や切断端縁が綺麗に揃っていることが望まれる。
【0006】
これに対して、重ね合わせた定寸生地からカーテンを縫製する場合、定寸生地の耳を揃えて縫着し、前記縫着部分を軸に拡げて1枚のカーテンを構成する。この1枚のカーテンは、全体として生地目の方向を揃え、かつ連続した表面を形成しなければならない。このため、縫着した耳を挟んで隣り合う定寸生地は、生地目の方向が揃い、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させておく必要がある。定寸生地の耳は、後工程における縫着装置で改めて揃えることができるため、あくまで生地目の方向が揃い、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させる要求さえ満足できればよい。しかし、既述したところから理解されるように、従来の一方向延反構成では定寸生地の表面と裏面とが対向し、また往復延反構成では定寸生地の生地目の方向が互い違いになり、いずれも前記要求を満足しない。
【0007】
こうした事情から、重ね合わせた定寸生地からカーテンを縫製する場合、従来は一方向延反構成の延反装置を利用してとりあえず定寸生地を作って重ね合わせ、それから後工程における縫着装置で定寸生地の耳を縫着する際、改めて人手により表面同士(又は裏面同士)を対向させるように定寸生地の重ね合せを直していた。これでは、延反装置を利用して定寸生地を作る作業を自動化しながら、結局人手による労力及び時間が必要となり、カーテンの製造コストの低減が進まなくなっていた。そこで、延反により重ね合わせた定寸生地からカーテンを縫製するため、原反から一方向に繰出生地を繰り出して生地目の方向を揃えながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて切断して作る定寸生地を重ね合わせる延反装置を検討した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
検討の結果開発したものが、原反を保持させた装置フレームの下段にあり、切断された定寸生地を中折りにして架け渡す生地重ね部と、前記装置フレームの上段にあり、原反から繰り出した繰出生地を下段に向けて垂らして定寸毎に切断して定寸生地を作る生地繰出部とから構成される延反装置であり、中折れした定寸生地を支持する生地掛け上縁を有し、装置フレームの上段から垂れる繰出生地の水平位置を挟んで前記繰出生地の繰出方向に往復動させ、かつ水平旋回させる生地掛けハンガーを生地重ね部に設けたことを特徴とする。本発明の延反装置は、装置フレームの上段から垂らす繰出生地を挟んで生地掛けハンガー(少なくとも生地掛け上縁)を往復動かつ水平旋回させて、生地掛けハンガーに架け渡して重ねられる定寸生地の生地目の方向を揃えながら、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させる。
【0009】
生地掛けハンガーは、中折れした定寸生地を生地掛け上縁に支持させるため、前記生地掛け上縁を少なくとも繰出生地の繰出方向に交差させる、好ましくは繰出生地の繰出方向に直交させる。具体的な生地掛けハンガーは、正面視門外形のフレームからなり、繰出生地の繰出方向に直交する生地掛けバーを生地掛け上縁とし、前記生地掛けバーを左右の生地掛け支柱で支持した「着物掛け」様のフレーム構成を例示できる。前記フレーム構成の生地掛けハンガーにおいて、生地掛けバー及び生地掛け支柱に囲まれた内側が開口しても、塞がれてもよいことから、例えば上縁部が繰出生地の繰出方向に直交する面材からなり、前記上縁部を生地掛け上縁とする面構成の生地掛けハンガーでもよい。
【0010】
以下、説明の便宜上、装置フレームの上段から垂らす繰出生地に対し、前記繰出生地の繰出方向上流側を「奥側」、同繰出方向下流側を「手前側」、生地掛けハンガーが前記奥側で停止する位置を「前掛け位置」、同手前側で停止する位置を「後掛け位置」とし、生地掛けハンガーが手前側から奥側、すなわち後掛け位置から前掛け位置に移動することを「往動」、逆に奥側から手前側、すなわち前掛け位置から後掛け位置に移動することを「復動」と呼ぶ。また、生地掛けハンガーの奥側に面する側を前面側、手前側に面する側を背面側とする。生地掛けハンガーは水平旋回するから、前面側及び背面側に面する側は前記水平旋回の度に入れ替わる。
【0011】
延反工程A〜延反工程Dの順に定寸生地a〜定寸生地dが作られる場合を考える。生地繰出部は、表面を上、裏面を下にして、繰出生地を繰り出すものとする。これから、装置フレームの上段から垂らされた繰出生地は、表面を手前側、裏面を奥側に向けている。最初の延反工程Aにおいて、まず生地掛けハンガーを繰出生地の繰出方向に直交する方向に生地掛け上縁を揃えた姿勢で往動させ、前掛け位置に移動させる。この状態で生地繰出部が繰出生地を繰り出し始めると、生地掛けハンガーの背面側に繰出生地が垂らされる。繰出生地が所定長(例えば定寸の半分)垂らされた段階に至ると、生地掛けハンガーを復動させ、後掛け位置に移動させる。生地掛けハンガーは、生地繰出部による繰出生地の繰り出しを一旦停止させてから、復動させてもよい。このとき、繰出生地は表面を上に向け、裏面を生地掛け上縁に宛てる。
【0012】
生地掛けハンガーを後掛け位置に移動させた後、生地繰出部が繰出生地を繰り出し続ける(又は、一旦停止させた繰出生地の繰り出しを再開させる)と、今度は生地掛けハンガーの前面側に繰出生地が垂らされる。そして、繰出生地が定寸の残り(最初に繰り出される所定長が定寸の半分であれば残り半分)が垂らされた(正確には、まだ繰出生地は切断されていないので、生地繰出部の終端と生地掛けハンガーの生地掛け上縁との間に繰出生地が架け渡された)段階に至ると、生地繰出部が繰り出された繰出生地を切断して定寸生地aを作り、延反工程Aを終える。こうして生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地aは、生地目の方向を奥側から手前側にし、表面を上に向け、生地掛け上縁に裏面を宛てて支持されている。
【0013】
延反工程Bは、前掛け位置にある生地掛けハンガーを水平旋回させ、架け渡された定寸生地aの生地目の方向を手前側から奥側に変更してから、生地繰出部より繰出生地を繰り出して、生地掛けハンガーの前面側に前記繰出生地を垂らす。繰出生地が所定長(例えば定寸の半分)垂らされた段階に至ると、今度は生地掛けハンガーを往動させ、前掛け位置に移動させる。生地掛けハンガーは、上述同様、生地繰出部による繰出生地の繰り出しを一旦停止させてから、往動させてもよい。これにより、新たに繰り出された繰出生地は表面を内に向け、定寸生地aに表面同士を対向させて接する。しかも、定寸生地aの生地目の方向は変更して手前側から奥側にしているから、新たに垂らされた繰出生地の生地目の方向は前記定寸生地aの生地目の方向と一致する。
【0014】
生地掛けハンガーを前掛け位置に移動させた後、生地繰出部が繰出生地を繰り出し続ける(又は、一旦停止させた繰出生地の繰り出しを再開させる)と、今度は生地掛けハンガーの背面側に繰出生地が垂らされる(正確には、まだ繰出生地は切断されていないので、生地繰出部の終端と生地掛けハンガーの生地掛け上縁との間に繰出生地が架け渡される。)。そして、繰出生地が定寸の残り(最初に繰り出される所定長が定寸の半分であれば残り半分)が垂らされた段階に至ると、生地繰出部が繰り出された繰出生地を切断して定寸生地bを作り、延反工程Bを終える。定寸生地bは、生地目の方向を手前側から奥側にして先に架け渡された定寸生地aと揃え、かつ定寸生地aと表面同士を対向させて、生地掛けハンガーに架け渡される。
【0015】
続く延反工程Cは、上記延反工程B同様、後掛け位置で生地掛けハンガーを水平旋回させた後、最初の延反工程Aのように繰出生地を繰り出して定寸生地cを作り、定寸生地bに対して重ねていく。延反工程C最初に実行される生地掛けハンガーの水平旋回により、先に生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地bの生地目の方向は、奥側から手前側に変更される。このため、延反工程Cにおいて、前掛け位置に移動した生地掛けハンガーに対して新たに架け渡される定寸生地cは、先の延反工程Bで生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地bと同じく生地目の方向を奥側から手前側にして揃え、かつ定寸生地bと裏面同士を対向させ、表面を上に向ける。
【0016】
更に続く延反工程Dは、上記延反工程C同様、前掛け位置で生地掛けハンガーを水平旋回させた後、先の延反工程Bのように繰出生地を繰り出して定寸生地dを作り、定寸生地cに対して重ねていく。延反工程Dの最初に実行される生地掛けハンガーの水平旋回により、先に生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地cの生地目の方向は、手前側から奥側に変更される。このため、延反工程Dにおいて、後掛け位置に移動した生地掛けハンガーに対して新たに架け渡される定寸生地dは、先の延反工程Cで生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地cと同じく生地目の方向を手前側から奥側にして揃え、かつ定寸生地cと表面同士を対向させ、裏面を上に向ける。このように、本発明の延反装置は、生地目の方向を揃えながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて定寸生地を重ね合わせる。
【0017】
本発明の延反装置は、重ね合わせる定寸生地の生地目の方向を揃え、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させることを目的としているから、定寸生地の耳が揃わなくてもよいし、生地掛けハンガーに対して各定寸生地がきっちり定寸の半分で中折れして架け渡されなくてもよい。続く後工程における縫着装置で改めて定寸生地の耳や切断端縁を揃えて前記耳が縫着されるからである。しかし、生地掛けハンガーを水平旋回させることから、架け渡した定寸生地が前記水平旋回に際してずり落ちないように、定寸の半分で中折れした定寸生地を生地掛けハンガーに架け渡すようにするとよい。
【0018】
本発明は、往復動及び水平旋回させる生地掛けハンガー自体に往復動手段及び水平旋回手段を設けることもできる。しかし、ハンガーを設ける部位に往復動手段又は水平旋回手段のいずれか一方を設け、更に前記部位を支持する部位に往復動手段又は水平旋回手段の残る他方を設ける方が、生地掛け上縁の往復動及び水平旋回を実現しやすい。これから、生地重ね部は、繰出生地の繰出方向に往復移動する移動ベースと、前記移動ベースに対して水平旋回自在に設けられた旋回ベースと、前記旋回ベースに立設された生地掛けハンガーとから構成するとよい。移動ベースの具体的な往復動手段は、従来公知の各種手段、例えばボールネジ機構やラックピニオン機構ほかが利用できる。また、旋回ベースの水平旋回手段も同様に、従来公知の各種手段、電動モータによるダイレクトドライブ機構やギヤドライブ機構ほかが利用できる。
【0019】
ここで、定寸生地が生地掛けハンガーの高さ(正確には生地掛け上縁の高さ)の2倍より長いと、中折れにして生地掛けハンガーに架け渡した定寸生地の切断端縁が、生地掛けハンガーの往復動及び水平旋回に伴って延反装置のいずれかの部分に擦れてしまう虞がある。そこで、生地重ね部は、生地掛けハンガーと一体に往復動及び水平旋回し、生地掛け上縁より低位にあるガイド上縁を有するガイドハンガーを前記生地掛けハンガー周囲に付設するとよい。ガイドハンガーは、生地掛けハンガー同様、フレーム構成又は面構成として生地掛けハンガーに支持させてもよいし、旋回ベースに支持させてもよい。既述したように、通常、生地掛け上縁は繰出生地の繰出方向に直交させるので、定寸生地の切断端縁は前記繰出方向に位置する。これから、ガイドハンガーは、生地掛けハンガーを挟んだ前面側及び背面側(=奥側及び手前側)に設けるとよい。
【0020】
本発明における生地繰出部は、装置フレームに保持させた原反から繰出生地を繰り出させ、装置フレームの上段から下段の生地重ね部に向けて前記繰出生地を垂らすことのできる構成であればよく、従来の延反装置に見られる原反から繰出生地を繰り出す機構を利用できる。具体的には、生地繰出部は、装置フレームに保持させた原反から繰出生地を取り込む取込部と、取込部から受け渡された繰出生地を繰り出して下段の生地重ね部に向けて垂らす送出部と、繰出生地を垂らす送出部の終端に設けられる切断部とから構成される。定寸生地における定寸は、前記切断部から繰出された繰出生地の長さによる。
【0021】
取込部は、送出部が円滑かつ安定して繰出生地を繰り出せるように、原反から送出部に至る長さ以上の繰出生地を原反から引っ張り出して弛ませ、貯留する部分である。具体的な取込部は、後述する送出部を構成する始端ローラに対して、繰出生地を強制的に原反から繰出生地を引っ張り出す(例えば繰出生地の摩擦を利用して引っ張り出す)取込ローラを、繰出生地の繰出方向上流側に少し離して対向させて配置し、始端ローラと取込ローラとの間で繰出生地を弛ませる構成を例示できる。このとき、始端ローラと取込ローラとの間で弛ませた繰出生地の長さが一定長さだけ確保できるように、繰出生地の弛みを監視する弛み監視センサを設けるとよい。
【0022】
送出部は、取込部に貯留された繰出生地を繰り出し、終端から下段の生地重ね部に向けて垂らす部分である。具体的な送出部は、繰出生地の繰出方向上流側に位置する始端ローラと、同じく繰出方向下流側に位置する終端ローラとからなり、始端ローラ又は終端ローラを駆動ローラとして、始端ローラ及び終端ローラに架け渡した繰出生地を前記終端ローラにより繰り出す構成を例示できる。繰出生地の長さを稼ぐため、始端ローラ及び終端ローラの距離は長くなるため、繰出生地が中弛みする虞があることから、始端ローラ及び終端ローラに無端ベルトを架け渡しておくとよい。繰出生地は、取込部で弛ませて原反から引っ張りを受けない状態になっているので、駆動ローラからなる始端ローラ又は終端ローラや始端ローラ及び終端ローラに架け渡した無端ベルトとの摩擦により、無理なく繰り出されていく。
【0023】
切断部は、繰出生地の繰出方向に直交して往復する直線刃又は回転刃から構成される。具体的な切断部は、通常、送出部の終端ローラが繰出生地の繰出方向に直交するので、前記終端ローラに沿った軌道に従って直線刃又は回転刃を往復させる構成を例示できる。このとき、往路において直線刃又は回転刃が繰出生地を切断する場合、復路において直線刃又は回転刃を上方に持ち上げて原点に復帰させると、繰出生地を繰り出していく際に直線刃又は回転刃が邪魔にならない。
【発明の効果】
【0024】
本発明の延反装置により、原反から一方向に繰出生地を繰り出して生地目の方向を揃えながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて切断して作る定寸生地を重ね合わせることができるようになる。重ね合わされた定寸生地は、生地目の方向が揃っており、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させているので、後工程における縫着装置に重ね合わせた定寸生地を2枚ずつ取り出し、両者の耳を揃えて縫着して拡げるだけで、1枚のカーテンを容易に構成できるようになる。これにより、カーテン製造に掛かる労力及び時間を大きく低減できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に基づく延反装置の一例を表す側面図である。
【図2】本例の延反装置の平面図である。
【図3】本例の延反装置の背面図である。
【図4】延反工程Aにおいて、往動させて前掛け位置にある生地掛けハンガーの背面側に繰出生地を繰り出している状態を表す図1相当側面図である。
【図5a】延反工程Aにおいて、生地掛けハンガーを後掛け位置に復動させた状態を表す図1相当側面図である。
【図5b】図5a中X矢視部拡大図である。
【図6】延反工程Aにおいて、後掛け位置にある生地掛けハンガーの前面側に繰出生地を繰り出している状態を表す図1相当側面図である。
【図7a】延反工程Aにおいて、繰出生地を定寸に切断して作り出した定寸生地aを生地掛けハンガーに架け渡した状態を表す図1相当側面図である。
【図7b】図7a中X矢視部拡大図である。
【図8a】延反工程Bにおいて、生地掛けハンガーを180度水平旋回させた状態を表す図1相当側面図である。
【図8b】図8a中X矢視部拡大図である。
【図9】延反工程Bにおいて、後掛け位置にある生地掛けハンガーの前面側に繰出生地を繰り出している状態を表す図1相当側面図である。
【図10a】延反工程Bにおいて、生地掛けハンガーを前掛け位置に往動させた状態を表す図1相当側面図である。
【図10b】図10a中X矢視部拡大図である。
【図11a】延反工程Bにおいて、繰出生地を定寸に切断して作り出した定寸生地bを定寸生地aの上に架け渡した状態を表す図1相当側面図である。
【図11b】図11a中X矢視部拡大図である。
【図12a】延反工程Cにおいて、生地掛けハンガーを180度水平旋回させた状態を表す図1相当側面図である。
【図12b】図12a中X矢視部拡大図である。
【図13a】延反工程Cにおいて、繰出生地を定寸に切断して作り出した定寸生地cを定寸生地bの上に架け渡した状態を表す図1相当側面図である。
【図13b】図13a中X矢視部拡大図である。
【図14a】延反工程Dにおいて、生地掛けハンガーを180度水平旋回させた状態を表す図1相当側面図である。
【図14b】図14a中X矢視部拡大図である。
【図15a】延反工程Dにおいて、繰出生地を定寸に切断して作り出した定寸生地dを定寸生地cの上に架け渡した状態を表す図1相当側面図である。
【図15b】図15a中X矢視部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明を適用した延反装置は、例えば図1〜図3に見られるように、下段フレーム12に立設した柱フレーム13に上段フレーム11を支持させて構成される装置フレーム1と、前記下段フレーム12に配した生地重ね部2と、そして前記上段フレーム11に配した生地繰出部3とから構成される。本発明の延反装置は、装置フレーム1の上段に切断部を備えた生地繰出部3を配し、装置フレーム1の下段に生地掛けハンガー21を備えた生地重ね部2を配してあればよく、装置フレーム1の構成は本例に限定されない。
【0027】
下段フレーム12は、前後方向に延在する角パイプを平行に左右一対に配した構成で、前面側(図1及び図2中右側)に原反4を回転自在に保持する原反支持台14(延反装置を背面方向から見た図3中は図示略)を設けている。原反支持台14は、左右方向に延在する原反支持ローラ141を、前後方向に下向きに凸となる円弧状配列で並べ、その上に原反4を載せている。これにより、原反4から繰出生地41が繰り出されて外径が小さくなっても、原反支持ローラ141の範囲で原反4が安定して支持される。また、本例の下段フレーム12は、左右それぞれの角パイプを、生地重ね部2を構成する移動ベース22の軌道として利用している。
【0028】
上段フレーム11は、下段フレーム12の角パイプと平行に左右一対配された板材から構成され、生地繰出部3を構成する始端ローラ32及び終端ローラ33を架設している。また、終端ローラ33近傍の前記各板材から切断部支持フレーム111を立設し、切断部を構成する軌道37(図示された部位は軌道37を内蔵したケースであるが、説明の便宜上軌道37として符号を付している)を架設している。柱フレーム13は、下段フレーム12に対して上段フレーム11を支持するほか、原反支持台14上方に、側面視L字状の板材である取込ローラ支持フレーム15を突出させ、取込ローラ31、圧接ローラ151及び補助ローラ152を架設している。
【0029】
生地繰出部3は、原反支持台14に保持させた原反4から繰出生地41を取り込む取込部と、取込部から受け渡された繰出生地41を繰り出して下段の生地重ね部2に向けて垂らす送出部と、繰出生地41を垂らす送出部の終端に設けられる切断部とから構成される。取込部、送出部及び切断部は、それぞれ従来公知の延反装置にも見られるところであり、本発明にも利用しうる。本例の生地繰出部3は、下段フレーム12に設けた原反支持台14に保持させた原反4から上段フレーム11まで繰出生地41を引っ張り上げ、その後送出部の終端から前記繰出生地41を垂らす関係から、取込部、送出部及び切断部を次のように構成している。
【0030】
本例の取込部は、取込ローラ31、圧接ローラ151及び補助ローラ152から構成される。取込ローラ31は、モータ(図示せず)を駆動源とする駆動ローラで、始端ローラ32に対して繰出生地41の繰出方向上流側に少し離して対向させて配置され、摩擦を利用して掛け回す繰出生地41を原反4から引っ張り出すと共に、始端ローラ32と取込ローラ31との間で繰出生地41を弛ませる。本例は、取込ローラ支持フレーム15に架け渡した補強フレームに監視センサ311を設けている。本例の監視センサ311は、弛んだ繰出生地41を挟んで対向させた光学センサと反射板との組み合わせで、前記光学センサから照射された反射光が反射板により反射してくれば、繰出生地41に一定長さの弛みが発生していないとして、取込ローラ31を駆動して原反4から繰出生地41を強制的に取り込むようにしている。
【0031】
圧接ローラ151は、駆動源を持たない従動ローラで、取込ローラ31の上方から宛てがわれ、繰出生地41を取込ローラ31と共に挟持して、繰出生地41が取込ローラ31に密着し、前記摩擦による繰出生地41の引っ張り出しを安定させる。このとき、圧接ローラ151をあまり強く繰出生地41に押し付けると、かえって繰出生地41がよれてしまう虞があることから、本例の圧接ローラ151は取込ローラ支持フレーム15に設けた上下方向の溝に回転軸を上方から嵌め込んだだけで、重力だけで取込ローラ31に宛てがうようにしている。補助ローラ152は、取込ローラ31から繰出生地41の繰出方向上流側に少し離して配置され、原反4による繰出生地41の引き戻しを取込ローラ31に代わって受け、前記引き戻しの影響が取込ローラ31に伝達しないようにしている。
【0032】
本例の送出部は、始端ローラ32と終端ローラ33とに無端ベルト34を掛け回して構成される。始端ローラ32は、モータを駆動源とする駆動ローラで、終端ローラ33に対して繰出生地41の繰出方向上流側(図1及び図2右側)に配されている。これに対し、終端ローラ33は、自由に回転する従動ローラで、始端ローラ32に対して繰出生地41の繰出方向下流側(図1及び図2左側)に配されている。繰出生地41は、始端ローラ32と終端ローラ33とに掛け回された無端ベルト34の上面側に載せられ、摩擦を利用して無端ベルト34の周回に従って繰り出されていき、終端ローラ33から外れた地点から下方に垂らされる。無端ベルト34に対する繰出生地41の摩擦は小さいが、取込ローラ31と始端ローラ32との間に繰出生地41が弛まされて余剰が発生しているため、特段の抵抗を受けることなく、安定して繰出生地41を繰り出していくことができる。
【0033】
本例切断部は、軌道37に沿って左右方向に往復動する回転刃支持ブロック36に回転刃35を昇降自在に支持させて構成される。軌道37は、終端ローラ33より繰出生地41の上流側に奥まった位置で左右に横断している。回転刃35は、送出部の無端ベルト34に慴接しながら繰出生地41をすくい上げるガイド板を備えている。繰出生地41を切断する回転刃35は、回転刃支持ブロック36に対して下降した状態で、前記軌道37に沿って回転刃支持ブロック36が右方向(図1中紙面手前、図2中図面下、図3中図面右)に移動することにより、繰出生地41をすくいあげながら切断する。繰出生地41の切断を終えた回転刃35は、回転刃支持ブロック36に対して上昇した状態で、前記軌道37に沿って回転刃支持ブロック36が左方向(図1中紙面奥、図2中図面上、図3中図面左)に移動することにより、繰出生地41の切断端縁に触れることなく原点に復帰する。
【0034】
生地重ね部2は、繰出生地41の繰出方向に往復移動する移動ベース22と、前記移動ベース22に対して水平旋回自在に設けられた旋回ベース23と、前記旋回ベース23に立設された生地掛けハンガー21及びガイドハンガー24とから構成する。本発明の延反装置は、上段フレーム11に設けられた生地繰出部3の終端ローラ33から垂らされる繰出生地41を挟んで生地掛けハンガー21を繰出生地41の繰出方向(図1及び中左右方向、図3中紙面直交方向)に往復動させ、かつ水平旋回(図2中紙面内の回転)させて、生地掛けハンガー21に架け渡して重ねられる定寸生地a〜定寸生地dの生地目の方向を揃えながら、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させる。本例は、前記往復動を移動ベース22に、また水平旋回を旋回ベース23にそれぞれ担わせることにより、簡素な構成で、制御の容易な往復動及び水平旋回を実現する。
【0035】
移動ベース22は、下段フレーム12を構成する角パイプを軌道とし、四隅に設けた車輪により前記角パイプを挟む込むように支持させ、従来公知の各種駆動手段を利用して、繰出生地41の繰出方向(本例は、下段フレーム12を構成する角パイプが延在する前後方向)に往復動する。移動ベース22は、生地掛けハンガー21を前掛け位置(例えば後掲図4参照)及び後掛け位置(例えば後掲図5a参照)の間で往復動できればよく、前記各位置の中間で停止させる必要がない。移動ベース22を往動又は復動させるタイミングは、後述する制御装置による。
【0036】
旋回ベース23は、移動ベース22に支持され、従来公知の各種駆動手段を利用して、互い違いに180度ずつ反転させる。旋回ベース23は、中間角度で停止させる必要がなく、互い違いに180度ずつ反転させることができればよいが、水平旋回するとき以外は位置固定されていることが好ましい。これから、本例の旋回ベース23は、移動ベース22に接して転がる補助輪を介装して(図示せず)水平旋回時の姿勢を安定させる。また、旋回軸を挟んで点対称位置に位置決めピン(図示略)を移動ベース22に立設し、前記位置決めピンに掛合するフック(図示略)を旋回ベース23に設けて、180度の水平旋回の度にフックを位置決めピンに掛合させることにより、位置固定させる。旋回ベース23を水平旋回させるタイミングは、後述する制御装置による。
【0037】
本例の旋回ベース23は、1基の生地掛けハンガー21と2基のガイドハンガー24,24とを立設している。生地掛けハンガー21は、繰出生地41の繰出方向に直交する棒材の生地掛けバー211を、2本の棒材である生地掛け支柱212,212で支持する正面視門外形のフレーム構成である。生地掛けバー211の上縁が生地掛け上縁となる。ガイドハンガー24は、前記生地掛けバー211に平行かつ生地掛けバー211より低い棒材のガイドバー241を、1枚の面材であるガイド面242で支持する面構成で、生地掛けハンガー21を挟んだ前面側及び背面側(=奥側及び手前側)に設けている。ガイドバー241の上縁がガイド上縁となる。定寸生地a〜定寸生地dは、ガイドハンガー24,24に挟まれた範囲で、生地掛けハンガー21に架け渡される。
【0038】
図4〜図15bにより、延反工程A〜延反工程Dの順に定寸生地a〜定寸生地dが作られる場合を説明する。生地繰出部3は、無端ベルト34に対して表面を上、裏面を下にして、繰出生地41を繰り出すものとする。これから、装置フレーム1の上段から垂らされた繰出生地41は、表面を手前側、裏面を奥側に向ける。本発明の延反装置は、繰出生地41から作られる定寸生地a〜定寸生地dを2枚ずつ組にして、表面同士又は裏面同士を対向させるので、繰出生地41の表面及び裏面をどのようにするかは関係がなく、あくまで利用者が自由に決定できる。
【0039】
最初の延反工程Aにおいて、図4に見られるように、左右方向(繰出生地41の繰出方向に直交する方向)に生地掛けバー211を揃えた姿勢で、移動ベース22を往動させて生地掛けハンガー21を前掛け位置に移動させる。そして、この状態から、生地繰出部3の取込ローラ31、始端ローラ32を同期させて回転させることにより、繰出生地41を繰り出し始める。こうして、最初の繰出生地41は、生地掛けハンガー21の背面側に垂らされる。本例の延反装置は、垂らされる繰出生地41より手前側にガイドハンガー24のガイドバー241が位置するるので、垂れ下がった繰出生地41の端縁は必ず旋回ベース23上に乗り、復動する移動ベース22に繰出生地41が巻き込まれない。
【0040】
繰出生地41が所定長(定寸の約半分)だけ垂らされた段階に至ると、図5aに見られるように、繰出生地41の繰り出しを続けながら、移動ベース22を復動させて生地掛けハンガー21を後掛け位置に移動させる。繰出生地41が繰り出された長さは、例えば始端ローラ32又は終端ローラ33に付設したロータリーエンコーダにより計測する。移動ベースは、前記計測値から繰出生地41が所定長だけ繰り出されたことを制御装置(図示略が判断して、自動的に往動又は復動させる。こうして、繰出生地41は表面を上に向け、裏面を生地掛け上縁に宛てる。そして、生地目は上方から下方に向いている(図5b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【0041】
生地掛けハンガー21を後掛け位置に移動させた後も繰出生地41を繰り出し続けると、図6に見られるように、今度は生地掛けハンガー21の前面側に繰出生地41が垂らされることになる。そして、繰出生地41が定寸の残りが垂らされた段階に至ると、図7aに見られるように、切断部の回転刃35により繰出生地41を切断して定寸生地aを作り、延反工程Aを終える。こうして生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地aは、表面を上に向け、生地掛けバー211に裏面を宛てて支持されている(図7b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。この定寸生地aの生地目は、生地掛けハンガー21の背面側で上方から下方に、生地掛けハンガー21の前面側で下方から上方に、すなわち奥側から手前側に向いている。
【0042】
延反工程Bは、図8aに見られるように、定寸生地aを作り出す回転刃35の移動を制御装置が検知することにより、移動ベース22を位置固定したまま、旋回ベース23のみを水平旋回させることにより、前掛け位置にある生地掛けハンガー21を180度反転させ、架け渡された定寸生地aの生地目の方向を手前側から奥側に変更する(図7b及び図8bを比較対照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。そして、図9に見られるように、再び繰り出す繰出生地41を生地掛けハンガー21の前面側に垂らす。このとき、上述同様、垂らされる繰出生地41より奥側にガイドハンガー24のガイドバー241が位置するので、垂れ下がった繰出生地41の端縁は必ず旋回ベース23上に乗り、往動する移動ベース22に繰出生地41が巻き込まれない。
【0043】
繰出生地41が所定長だけ垂らされた段階に至ると、繰出生地41の繰り出しを続けながら、図10aに見られるように、移動ベース22を往動させて生地掛けハンガー21を前掛け位置に移動させる。これにより、新たに繰り出された繰出生地41は表面を内に向け、既に生地掛けハンガー21に架け渡されている定寸生地aに表面同士を対向させて接する。しかも、定寸生地aの生地目の方向と垂らされた繰出生地41とは、いずれも生地目の方向を手前側から奥側にして、一致させている(図10b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【0044】
生地掛けハンガー21を前掛け位置に移動させた後、生地繰出部3が繰出生地41を繰り出し続けると、今度は生地掛けハンガー21の背面側に繰出生地41が垂らされ、繰出生地41が定寸の残りが垂らされた段階に至ると、図11aに見られるように、生地繰出部3が繰り出された繰出生地41を切断して定寸生地bを作り、延反工程Bを終える。定寸生地bは、生地目の方向を手前側から奥側にして先に架け渡された定寸生地aと揃え、かつ定寸生地aと表面同士を対向させて、生地掛けハンガー21に架け渡される(図11b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【0045】
続く延反工程Cは、図12aに見られるように、まず後掛け位置で生地掛けハンガー21を水平旋回させた後、図13aに見られるように、最初の延反工程Aのように繰出生地41を繰り出して定寸生地cを作り、定寸生地bに対して重ねていく。延反工程C最初に実行される生地掛けハンガー21の水平旋回により、先に生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地bの生地目の方向は、奥側から手前側に変更される(図11b及び図12bを比較対照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)ため、定寸生地cは、先の延反工程Bで生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地bと同じく生地目の方向を奥側から手前側にして揃え、かつ定寸生地bと裏面同士を対向させ、表面を上に向ける(図13b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【0046】
更に続く延反工程Dは、図14aに見られるように、まず前掛け位置で生地掛けハンガー21を水平旋回させた後、図15aに見られるように、先の延反工程Bのように繰出生地41を繰り出して定寸生地dを作り、定寸生地cに対して重ねていく。延反工程Dの最初に実行される生地掛けハンガー21の水平旋回により、先に生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地cの生地目の方向は、手前側から奥側に変更される(図13b及び図14bを比較対照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)ため、定寸生地dは、先の延反工程Cで生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地cと同じく生地目の方向を手前側から奥側にして揃え、かつ定寸生地cと表面同士を対向させ、裏面を上に向ける(図15b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【符号の説明】
【0047】
1 装置フレーム
11 上段フレーム
12 下段フレーム
13 柱フレーム
14 原反支持台
15 取込ローラ支持フレーム
2 生地重ね部
21 生地掛けハンガー
22 移動ベース
23 旋回ベース
24 ガイドハンガー
3 生地繰出部
31 取込ローラ
32 始端ローラ
33 終端ローラ
34 無端ベルト
35 回転刃
36 回転刃支持ブロック
37 軌道
4 原反
41 繰出生地
a〜d 定寸生地
【技術分野】
【0001】
本発明は、原反から繰り出した繰出生地を定寸に裁断して作る定寸生地を、生地目の方向を揃え、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させて重ね合わせる延反装置に関する。
【背景技術】
【0002】
延反装置は、原反から繰り出した生地(以下、「繰出生地」と呼ぶ)を定寸に切断して重ね合わせる装置であり、原反から一方向に繰出生地を繰り出し、生地目の方向を揃えながら、表面と裏面とを対向させて切断する構成(一方向延反構成)と、原反から繰出生地を折り返しながら引きだし、生地目の方向を互い違いにしながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて切断する構成(往復延反構成)とに分類される。いずれも、繰出生地を定寸だけ繰り出した後に切断することから、重ね合わされた切断後の生地は定寸である(これから、以下、切断後の生地を「定寸生地」と呼ぶ)。延反装置は、更に定寸生地の耳(切断端縁に直交する原反の縁部)や切断端縁を揃える機能を有する場合が多い。
【0003】
特許文献1が開示する延反装置は一方向延反構成であり、繰出生地(布生地)を延反する本体装置と、延反した繰出生地を導出端付近で切断する切断装置とから構成される。まず、本体装置の延反機がレールに沿って移動することにより繰出生地を定寸だけ繰り出して延反する。次に、前記延反機を停止させた後、繰出生地の導出端付近で切断装置の切断ユニットを走行させることにより前記繰出生地を切断し、定寸生地を作る。こうして繰出生地の切断が完了すると、延反機及び切断ユニットはいずれも元の位置に戻る。このような延反及び切断を繰り返し、一方方向延反の自動化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-212657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生地目の方向が問題にならなければ、生地面の方向は互い違いになるものの、延反に要する時間が少なくて済むように、各部が原位置に復帰する時間を要しない往復延反構成が好ましい。この場合、重ね合わせた定寸生地は表面同士(又は裏面同士)を対向させている。これに対し、生地目の方向が問題になる場合、生地目の方向が揃う一方向延反が利用される。この場合、重ね合わせた定寸生地は表面と裏面とを対向させるが、型取りされた前身等が定寸生地から切り離されて個別に利用されるため、表面と裏面とを対向させて重ね合わされてもあまり問題がなく、型取りされる前身等が各定寸生地から均質に切り離されるように、重ね合わせた定寸生地の耳や切断端縁が綺麗に揃っていることが望まれる。
【0006】
これに対して、重ね合わせた定寸生地からカーテンを縫製する場合、定寸生地の耳を揃えて縫着し、前記縫着部分を軸に拡げて1枚のカーテンを構成する。この1枚のカーテンは、全体として生地目の方向を揃え、かつ連続した表面を形成しなければならない。このため、縫着した耳を挟んで隣り合う定寸生地は、生地目の方向が揃い、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させておく必要がある。定寸生地の耳は、後工程における縫着装置で改めて揃えることができるため、あくまで生地目の方向が揃い、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させる要求さえ満足できればよい。しかし、既述したところから理解されるように、従来の一方向延反構成では定寸生地の表面と裏面とが対向し、また往復延反構成では定寸生地の生地目の方向が互い違いになり、いずれも前記要求を満足しない。
【0007】
こうした事情から、重ね合わせた定寸生地からカーテンを縫製する場合、従来は一方向延反構成の延反装置を利用してとりあえず定寸生地を作って重ね合わせ、それから後工程における縫着装置で定寸生地の耳を縫着する際、改めて人手により表面同士(又は裏面同士)を対向させるように定寸生地の重ね合せを直していた。これでは、延反装置を利用して定寸生地を作る作業を自動化しながら、結局人手による労力及び時間が必要となり、カーテンの製造コストの低減が進まなくなっていた。そこで、延反により重ね合わせた定寸生地からカーテンを縫製するため、原反から一方向に繰出生地を繰り出して生地目の方向を揃えながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて切断して作る定寸生地を重ね合わせる延反装置を検討した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
検討の結果開発したものが、原反を保持させた装置フレームの下段にあり、切断された定寸生地を中折りにして架け渡す生地重ね部と、前記装置フレームの上段にあり、原反から繰り出した繰出生地を下段に向けて垂らして定寸毎に切断して定寸生地を作る生地繰出部とから構成される延反装置であり、中折れした定寸生地を支持する生地掛け上縁を有し、装置フレームの上段から垂れる繰出生地の水平位置を挟んで前記繰出生地の繰出方向に往復動させ、かつ水平旋回させる生地掛けハンガーを生地重ね部に設けたことを特徴とする。本発明の延反装置は、装置フレームの上段から垂らす繰出生地を挟んで生地掛けハンガー(少なくとも生地掛け上縁)を往復動かつ水平旋回させて、生地掛けハンガーに架け渡して重ねられる定寸生地の生地目の方向を揃えながら、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させる。
【0009】
生地掛けハンガーは、中折れした定寸生地を生地掛け上縁に支持させるため、前記生地掛け上縁を少なくとも繰出生地の繰出方向に交差させる、好ましくは繰出生地の繰出方向に直交させる。具体的な生地掛けハンガーは、正面視門外形のフレームからなり、繰出生地の繰出方向に直交する生地掛けバーを生地掛け上縁とし、前記生地掛けバーを左右の生地掛け支柱で支持した「着物掛け」様のフレーム構成を例示できる。前記フレーム構成の生地掛けハンガーにおいて、生地掛けバー及び生地掛け支柱に囲まれた内側が開口しても、塞がれてもよいことから、例えば上縁部が繰出生地の繰出方向に直交する面材からなり、前記上縁部を生地掛け上縁とする面構成の生地掛けハンガーでもよい。
【0010】
以下、説明の便宜上、装置フレームの上段から垂らす繰出生地に対し、前記繰出生地の繰出方向上流側を「奥側」、同繰出方向下流側を「手前側」、生地掛けハンガーが前記奥側で停止する位置を「前掛け位置」、同手前側で停止する位置を「後掛け位置」とし、生地掛けハンガーが手前側から奥側、すなわち後掛け位置から前掛け位置に移動することを「往動」、逆に奥側から手前側、すなわち前掛け位置から後掛け位置に移動することを「復動」と呼ぶ。また、生地掛けハンガーの奥側に面する側を前面側、手前側に面する側を背面側とする。生地掛けハンガーは水平旋回するから、前面側及び背面側に面する側は前記水平旋回の度に入れ替わる。
【0011】
延反工程A〜延反工程Dの順に定寸生地a〜定寸生地dが作られる場合を考える。生地繰出部は、表面を上、裏面を下にして、繰出生地を繰り出すものとする。これから、装置フレームの上段から垂らされた繰出生地は、表面を手前側、裏面を奥側に向けている。最初の延反工程Aにおいて、まず生地掛けハンガーを繰出生地の繰出方向に直交する方向に生地掛け上縁を揃えた姿勢で往動させ、前掛け位置に移動させる。この状態で生地繰出部が繰出生地を繰り出し始めると、生地掛けハンガーの背面側に繰出生地が垂らされる。繰出生地が所定長(例えば定寸の半分)垂らされた段階に至ると、生地掛けハンガーを復動させ、後掛け位置に移動させる。生地掛けハンガーは、生地繰出部による繰出生地の繰り出しを一旦停止させてから、復動させてもよい。このとき、繰出生地は表面を上に向け、裏面を生地掛け上縁に宛てる。
【0012】
生地掛けハンガーを後掛け位置に移動させた後、生地繰出部が繰出生地を繰り出し続ける(又は、一旦停止させた繰出生地の繰り出しを再開させる)と、今度は生地掛けハンガーの前面側に繰出生地が垂らされる。そして、繰出生地が定寸の残り(最初に繰り出される所定長が定寸の半分であれば残り半分)が垂らされた(正確には、まだ繰出生地は切断されていないので、生地繰出部の終端と生地掛けハンガーの生地掛け上縁との間に繰出生地が架け渡された)段階に至ると、生地繰出部が繰り出された繰出生地を切断して定寸生地aを作り、延反工程Aを終える。こうして生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地aは、生地目の方向を奥側から手前側にし、表面を上に向け、生地掛け上縁に裏面を宛てて支持されている。
【0013】
延反工程Bは、前掛け位置にある生地掛けハンガーを水平旋回させ、架け渡された定寸生地aの生地目の方向を手前側から奥側に変更してから、生地繰出部より繰出生地を繰り出して、生地掛けハンガーの前面側に前記繰出生地を垂らす。繰出生地が所定長(例えば定寸の半分)垂らされた段階に至ると、今度は生地掛けハンガーを往動させ、前掛け位置に移動させる。生地掛けハンガーは、上述同様、生地繰出部による繰出生地の繰り出しを一旦停止させてから、往動させてもよい。これにより、新たに繰り出された繰出生地は表面を内に向け、定寸生地aに表面同士を対向させて接する。しかも、定寸生地aの生地目の方向は変更して手前側から奥側にしているから、新たに垂らされた繰出生地の生地目の方向は前記定寸生地aの生地目の方向と一致する。
【0014】
生地掛けハンガーを前掛け位置に移動させた後、生地繰出部が繰出生地を繰り出し続ける(又は、一旦停止させた繰出生地の繰り出しを再開させる)と、今度は生地掛けハンガーの背面側に繰出生地が垂らされる(正確には、まだ繰出生地は切断されていないので、生地繰出部の終端と生地掛けハンガーの生地掛け上縁との間に繰出生地が架け渡される。)。そして、繰出生地が定寸の残り(最初に繰り出される所定長が定寸の半分であれば残り半分)が垂らされた段階に至ると、生地繰出部が繰り出された繰出生地を切断して定寸生地bを作り、延反工程Bを終える。定寸生地bは、生地目の方向を手前側から奥側にして先に架け渡された定寸生地aと揃え、かつ定寸生地aと表面同士を対向させて、生地掛けハンガーに架け渡される。
【0015】
続く延反工程Cは、上記延反工程B同様、後掛け位置で生地掛けハンガーを水平旋回させた後、最初の延反工程Aのように繰出生地を繰り出して定寸生地cを作り、定寸生地bに対して重ねていく。延反工程C最初に実行される生地掛けハンガーの水平旋回により、先に生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地bの生地目の方向は、奥側から手前側に変更される。このため、延反工程Cにおいて、前掛け位置に移動した生地掛けハンガーに対して新たに架け渡される定寸生地cは、先の延反工程Bで生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地bと同じく生地目の方向を奥側から手前側にして揃え、かつ定寸生地bと裏面同士を対向させ、表面を上に向ける。
【0016】
更に続く延反工程Dは、上記延反工程C同様、前掛け位置で生地掛けハンガーを水平旋回させた後、先の延反工程Bのように繰出生地を繰り出して定寸生地dを作り、定寸生地cに対して重ねていく。延反工程Dの最初に実行される生地掛けハンガーの水平旋回により、先に生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地cの生地目の方向は、手前側から奥側に変更される。このため、延反工程Dにおいて、後掛け位置に移動した生地掛けハンガーに対して新たに架け渡される定寸生地dは、先の延反工程Cで生地掛けハンガーに架け渡された定寸生地cと同じく生地目の方向を手前側から奥側にして揃え、かつ定寸生地cと表面同士を対向させ、裏面を上に向ける。このように、本発明の延反装置は、生地目の方向を揃えながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて定寸生地を重ね合わせる。
【0017】
本発明の延反装置は、重ね合わせる定寸生地の生地目の方向を揃え、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させることを目的としているから、定寸生地の耳が揃わなくてもよいし、生地掛けハンガーに対して各定寸生地がきっちり定寸の半分で中折れして架け渡されなくてもよい。続く後工程における縫着装置で改めて定寸生地の耳や切断端縁を揃えて前記耳が縫着されるからである。しかし、生地掛けハンガーを水平旋回させることから、架け渡した定寸生地が前記水平旋回に際してずり落ちないように、定寸の半分で中折れした定寸生地を生地掛けハンガーに架け渡すようにするとよい。
【0018】
本発明は、往復動及び水平旋回させる生地掛けハンガー自体に往復動手段及び水平旋回手段を設けることもできる。しかし、ハンガーを設ける部位に往復動手段又は水平旋回手段のいずれか一方を設け、更に前記部位を支持する部位に往復動手段又は水平旋回手段の残る他方を設ける方が、生地掛け上縁の往復動及び水平旋回を実現しやすい。これから、生地重ね部は、繰出生地の繰出方向に往復移動する移動ベースと、前記移動ベースに対して水平旋回自在に設けられた旋回ベースと、前記旋回ベースに立設された生地掛けハンガーとから構成するとよい。移動ベースの具体的な往復動手段は、従来公知の各種手段、例えばボールネジ機構やラックピニオン機構ほかが利用できる。また、旋回ベースの水平旋回手段も同様に、従来公知の各種手段、電動モータによるダイレクトドライブ機構やギヤドライブ機構ほかが利用できる。
【0019】
ここで、定寸生地が生地掛けハンガーの高さ(正確には生地掛け上縁の高さ)の2倍より長いと、中折れにして生地掛けハンガーに架け渡した定寸生地の切断端縁が、生地掛けハンガーの往復動及び水平旋回に伴って延反装置のいずれかの部分に擦れてしまう虞がある。そこで、生地重ね部は、生地掛けハンガーと一体に往復動及び水平旋回し、生地掛け上縁より低位にあるガイド上縁を有するガイドハンガーを前記生地掛けハンガー周囲に付設するとよい。ガイドハンガーは、生地掛けハンガー同様、フレーム構成又は面構成として生地掛けハンガーに支持させてもよいし、旋回ベースに支持させてもよい。既述したように、通常、生地掛け上縁は繰出生地の繰出方向に直交させるので、定寸生地の切断端縁は前記繰出方向に位置する。これから、ガイドハンガーは、生地掛けハンガーを挟んだ前面側及び背面側(=奥側及び手前側)に設けるとよい。
【0020】
本発明における生地繰出部は、装置フレームに保持させた原反から繰出生地を繰り出させ、装置フレームの上段から下段の生地重ね部に向けて前記繰出生地を垂らすことのできる構成であればよく、従来の延反装置に見られる原反から繰出生地を繰り出す機構を利用できる。具体的には、生地繰出部は、装置フレームに保持させた原反から繰出生地を取り込む取込部と、取込部から受け渡された繰出生地を繰り出して下段の生地重ね部に向けて垂らす送出部と、繰出生地を垂らす送出部の終端に設けられる切断部とから構成される。定寸生地における定寸は、前記切断部から繰出された繰出生地の長さによる。
【0021】
取込部は、送出部が円滑かつ安定して繰出生地を繰り出せるように、原反から送出部に至る長さ以上の繰出生地を原反から引っ張り出して弛ませ、貯留する部分である。具体的な取込部は、後述する送出部を構成する始端ローラに対して、繰出生地を強制的に原反から繰出生地を引っ張り出す(例えば繰出生地の摩擦を利用して引っ張り出す)取込ローラを、繰出生地の繰出方向上流側に少し離して対向させて配置し、始端ローラと取込ローラとの間で繰出生地を弛ませる構成を例示できる。このとき、始端ローラと取込ローラとの間で弛ませた繰出生地の長さが一定長さだけ確保できるように、繰出生地の弛みを監視する弛み監視センサを設けるとよい。
【0022】
送出部は、取込部に貯留された繰出生地を繰り出し、終端から下段の生地重ね部に向けて垂らす部分である。具体的な送出部は、繰出生地の繰出方向上流側に位置する始端ローラと、同じく繰出方向下流側に位置する終端ローラとからなり、始端ローラ又は終端ローラを駆動ローラとして、始端ローラ及び終端ローラに架け渡した繰出生地を前記終端ローラにより繰り出す構成を例示できる。繰出生地の長さを稼ぐため、始端ローラ及び終端ローラの距離は長くなるため、繰出生地が中弛みする虞があることから、始端ローラ及び終端ローラに無端ベルトを架け渡しておくとよい。繰出生地は、取込部で弛ませて原反から引っ張りを受けない状態になっているので、駆動ローラからなる始端ローラ又は終端ローラや始端ローラ及び終端ローラに架け渡した無端ベルトとの摩擦により、無理なく繰り出されていく。
【0023】
切断部は、繰出生地の繰出方向に直交して往復する直線刃又は回転刃から構成される。具体的な切断部は、通常、送出部の終端ローラが繰出生地の繰出方向に直交するので、前記終端ローラに沿った軌道に従って直線刃又は回転刃を往復させる構成を例示できる。このとき、往路において直線刃又は回転刃が繰出生地を切断する場合、復路において直線刃又は回転刃を上方に持ち上げて原点に復帰させると、繰出生地を繰り出していく際に直線刃又は回転刃が邪魔にならない。
【発明の効果】
【0024】
本発明の延反装置により、原反から一方向に繰出生地を繰り出して生地目の方向を揃えながら、表面同士(又は裏面同士)を対向させて切断して作る定寸生地を重ね合わせることができるようになる。重ね合わされた定寸生地は、生地目の方向が揃っており、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させているので、後工程における縫着装置に重ね合わせた定寸生地を2枚ずつ取り出し、両者の耳を揃えて縫着して拡げるだけで、1枚のカーテンを容易に構成できるようになる。これにより、カーテン製造に掛かる労力及び時間を大きく低減できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に基づく延反装置の一例を表す側面図である。
【図2】本例の延反装置の平面図である。
【図3】本例の延反装置の背面図である。
【図4】延反工程Aにおいて、往動させて前掛け位置にある生地掛けハンガーの背面側に繰出生地を繰り出している状態を表す図1相当側面図である。
【図5a】延反工程Aにおいて、生地掛けハンガーを後掛け位置に復動させた状態を表す図1相当側面図である。
【図5b】図5a中X矢視部拡大図である。
【図6】延反工程Aにおいて、後掛け位置にある生地掛けハンガーの前面側に繰出生地を繰り出している状態を表す図1相当側面図である。
【図7a】延反工程Aにおいて、繰出生地を定寸に切断して作り出した定寸生地aを生地掛けハンガーに架け渡した状態を表す図1相当側面図である。
【図7b】図7a中X矢視部拡大図である。
【図8a】延反工程Bにおいて、生地掛けハンガーを180度水平旋回させた状態を表す図1相当側面図である。
【図8b】図8a中X矢視部拡大図である。
【図9】延反工程Bにおいて、後掛け位置にある生地掛けハンガーの前面側に繰出生地を繰り出している状態を表す図1相当側面図である。
【図10a】延反工程Bにおいて、生地掛けハンガーを前掛け位置に往動させた状態を表す図1相当側面図である。
【図10b】図10a中X矢視部拡大図である。
【図11a】延反工程Bにおいて、繰出生地を定寸に切断して作り出した定寸生地bを定寸生地aの上に架け渡した状態を表す図1相当側面図である。
【図11b】図11a中X矢視部拡大図である。
【図12a】延反工程Cにおいて、生地掛けハンガーを180度水平旋回させた状態を表す図1相当側面図である。
【図12b】図12a中X矢視部拡大図である。
【図13a】延反工程Cにおいて、繰出生地を定寸に切断して作り出した定寸生地cを定寸生地bの上に架け渡した状態を表す図1相当側面図である。
【図13b】図13a中X矢視部拡大図である。
【図14a】延反工程Dにおいて、生地掛けハンガーを180度水平旋回させた状態を表す図1相当側面図である。
【図14b】図14a中X矢視部拡大図である。
【図15a】延反工程Dにおいて、繰出生地を定寸に切断して作り出した定寸生地dを定寸生地cの上に架け渡した状態を表す図1相当側面図である。
【図15b】図15a中X矢視部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明を適用した延反装置は、例えば図1〜図3に見られるように、下段フレーム12に立設した柱フレーム13に上段フレーム11を支持させて構成される装置フレーム1と、前記下段フレーム12に配した生地重ね部2と、そして前記上段フレーム11に配した生地繰出部3とから構成される。本発明の延反装置は、装置フレーム1の上段に切断部を備えた生地繰出部3を配し、装置フレーム1の下段に生地掛けハンガー21を備えた生地重ね部2を配してあればよく、装置フレーム1の構成は本例に限定されない。
【0027】
下段フレーム12は、前後方向に延在する角パイプを平行に左右一対に配した構成で、前面側(図1及び図2中右側)に原反4を回転自在に保持する原反支持台14(延反装置を背面方向から見た図3中は図示略)を設けている。原反支持台14は、左右方向に延在する原反支持ローラ141を、前後方向に下向きに凸となる円弧状配列で並べ、その上に原反4を載せている。これにより、原反4から繰出生地41が繰り出されて外径が小さくなっても、原反支持ローラ141の範囲で原反4が安定して支持される。また、本例の下段フレーム12は、左右それぞれの角パイプを、生地重ね部2を構成する移動ベース22の軌道として利用している。
【0028】
上段フレーム11は、下段フレーム12の角パイプと平行に左右一対配された板材から構成され、生地繰出部3を構成する始端ローラ32及び終端ローラ33を架設している。また、終端ローラ33近傍の前記各板材から切断部支持フレーム111を立設し、切断部を構成する軌道37(図示された部位は軌道37を内蔵したケースであるが、説明の便宜上軌道37として符号を付している)を架設している。柱フレーム13は、下段フレーム12に対して上段フレーム11を支持するほか、原反支持台14上方に、側面視L字状の板材である取込ローラ支持フレーム15を突出させ、取込ローラ31、圧接ローラ151及び補助ローラ152を架設している。
【0029】
生地繰出部3は、原反支持台14に保持させた原反4から繰出生地41を取り込む取込部と、取込部から受け渡された繰出生地41を繰り出して下段の生地重ね部2に向けて垂らす送出部と、繰出生地41を垂らす送出部の終端に設けられる切断部とから構成される。取込部、送出部及び切断部は、それぞれ従来公知の延反装置にも見られるところであり、本発明にも利用しうる。本例の生地繰出部3は、下段フレーム12に設けた原反支持台14に保持させた原反4から上段フレーム11まで繰出生地41を引っ張り上げ、その後送出部の終端から前記繰出生地41を垂らす関係から、取込部、送出部及び切断部を次のように構成している。
【0030】
本例の取込部は、取込ローラ31、圧接ローラ151及び補助ローラ152から構成される。取込ローラ31は、モータ(図示せず)を駆動源とする駆動ローラで、始端ローラ32に対して繰出生地41の繰出方向上流側に少し離して対向させて配置され、摩擦を利用して掛け回す繰出生地41を原反4から引っ張り出すと共に、始端ローラ32と取込ローラ31との間で繰出生地41を弛ませる。本例は、取込ローラ支持フレーム15に架け渡した補強フレームに監視センサ311を設けている。本例の監視センサ311は、弛んだ繰出生地41を挟んで対向させた光学センサと反射板との組み合わせで、前記光学センサから照射された反射光が反射板により反射してくれば、繰出生地41に一定長さの弛みが発生していないとして、取込ローラ31を駆動して原反4から繰出生地41を強制的に取り込むようにしている。
【0031】
圧接ローラ151は、駆動源を持たない従動ローラで、取込ローラ31の上方から宛てがわれ、繰出生地41を取込ローラ31と共に挟持して、繰出生地41が取込ローラ31に密着し、前記摩擦による繰出生地41の引っ張り出しを安定させる。このとき、圧接ローラ151をあまり強く繰出生地41に押し付けると、かえって繰出生地41がよれてしまう虞があることから、本例の圧接ローラ151は取込ローラ支持フレーム15に設けた上下方向の溝に回転軸を上方から嵌め込んだだけで、重力だけで取込ローラ31に宛てがうようにしている。補助ローラ152は、取込ローラ31から繰出生地41の繰出方向上流側に少し離して配置され、原反4による繰出生地41の引き戻しを取込ローラ31に代わって受け、前記引き戻しの影響が取込ローラ31に伝達しないようにしている。
【0032】
本例の送出部は、始端ローラ32と終端ローラ33とに無端ベルト34を掛け回して構成される。始端ローラ32は、モータを駆動源とする駆動ローラで、終端ローラ33に対して繰出生地41の繰出方向上流側(図1及び図2右側)に配されている。これに対し、終端ローラ33は、自由に回転する従動ローラで、始端ローラ32に対して繰出生地41の繰出方向下流側(図1及び図2左側)に配されている。繰出生地41は、始端ローラ32と終端ローラ33とに掛け回された無端ベルト34の上面側に載せられ、摩擦を利用して無端ベルト34の周回に従って繰り出されていき、終端ローラ33から外れた地点から下方に垂らされる。無端ベルト34に対する繰出生地41の摩擦は小さいが、取込ローラ31と始端ローラ32との間に繰出生地41が弛まされて余剰が発生しているため、特段の抵抗を受けることなく、安定して繰出生地41を繰り出していくことができる。
【0033】
本例切断部は、軌道37に沿って左右方向に往復動する回転刃支持ブロック36に回転刃35を昇降自在に支持させて構成される。軌道37は、終端ローラ33より繰出生地41の上流側に奥まった位置で左右に横断している。回転刃35は、送出部の無端ベルト34に慴接しながら繰出生地41をすくい上げるガイド板を備えている。繰出生地41を切断する回転刃35は、回転刃支持ブロック36に対して下降した状態で、前記軌道37に沿って回転刃支持ブロック36が右方向(図1中紙面手前、図2中図面下、図3中図面右)に移動することにより、繰出生地41をすくいあげながら切断する。繰出生地41の切断を終えた回転刃35は、回転刃支持ブロック36に対して上昇した状態で、前記軌道37に沿って回転刃支持ブロック36が左方向(図1中紙面奥、図2中図面上、図3中図面左)に移動することにより、繰出生地41の切断端縁に触れることなく原点に復帰する。
【0034】
生地重ね部2は、繰出生地41の繰出方向に往復移動する移動ベース22と、前記移動ベース22に対して水平旋回自在に設けられた旋回ベース23と、前記旋回ベース23に立設された生地掛けハンガー21及びガイドハンガー24とから構成する。本発明の延反装置は、上段フレーム11に設けられた生地繰出部3の終端ローラ33から垂らされる繰出生地41を挟んで生地掛けハンガー21を繰出生地41の繰出方向(図1及び中左右方向、図3中紙面直交方向)に往復動させ、かつ水平旋回(図2中紙面内の回転)させて、生地掛けハンガー21に架け渡して重ねられる定寸生地a〜定寸生地dの生地目の方向を揃えながら、かつ表面同士(又は裏面同士)を対向させる。本例は、前記往復動を移動ベース22に、また水平旋回を旋回ベース23にそれぞれ担わせることにより、簡素な構成で、制御の容易な往復動及び水平旋回を実現する。
【0035】
移動ベース22は、下段フレーム12を構成する角パイプを軌道とし、四隅に設けた車輪により前記角パイプを挟む込むように支持させ、従来公知の各種駆動手段を利用して、繰出生地41の繰出方向(本例は、下段フレーム12を構成する角パイプが延在する前後方向)に往復動する。移動ベース22は、生地掛けハンガー21を前掛け位置(例えば後掲図4参照)及び後掛け位置(例えば後掲図5a参照)の間で往復動できればよく、前記各位置の中間で停止させる必要がない。移動ベース22を往動又は復動させるタイミングは、後述する制御装置による。
【0036】
旋回ベース23は、移動ベース22に支持され、従来公知の各種駆動手段を利用して、互い違いに180度ずつ反転させる。旋回ベース23は、中間角度で停止させる必要がなく、互い違いに180度ずつ反転させることができればよいが、水平旋回するとき以外は位置固定されていることが好ましい。これから、本例の旋回ベース23は、移動ベース22に接して転がる補助輪を介装して(図示せず)水平旋回時の姿勢を安定させる。また、旋回軸を挟んで点対称位置に位置決めピン(図示略)を移動ベース22に立設し、前記位置決めピンに掛合するフック(図示略)を旋回ベース23に設けて、180度の水平旋回の度にフックを位置決めピンに掛合させることにより、位置固定させる。旋回ベース23を水平旋回させるタイミングは、後述する制御装置による。
【0037】
本例の旋回ベース23は、1基の生地掛けハンガー21と2基のガイドハンガー24,24とを立設している。生地掛けハンガー21は、繰出生地41の繰出方向に直交する棒材の生地掛けバー211を、2本の棒材である生地掛け支柱212,212で支持する正面視門外形のフレーム構成である。生地掛けバー211の上縁が生地掛け上縁となる。ガイドハンガー24は、前記生地掛けバー211に平行かつ生地掛けバー211より低い棒材のガイドバー241を、1枚の面材であるガイド面242で支持する面構成で、生地掛けハンガー21を挟んだ前面側及び背面側(=奥側及び手前側)に設けている。ガイドバー241の上縁がガイド上縁となる。定寸生地a〜定寸生地dは、ガイドハンガー24,24に挟まれた範囲で、生地掛けハンガー21に架け渡される。
【0038】
図4〜図15bにより、延反工程A〜延反工程Dの順に定寸生地a〜定寸生地dが作られる場合を説明する。生地繰出部3は、無端ベルト34に対して表面を上、裏面を下にして、繰出生地41を繰り出すものとする。これから、装置フレーム1の上段から垂らされた繰出生地41は、表面を手前側、裏面を奥側に向ける。本発明の延反装置は、繰出生地41から作られる定寸生地a〜定寸生地dを2枚ずつ組にして、表面同士又は裏面同士を対向させるので、繰出生地41の表面及び裏面をどのようにするかは関係がなく、あくまで利用者が自由に決定できる。
【0039】
最初の延反工程Aにおいて、図4に見られるように、左右方向(繰出生地41の繰出方向に直交する方向)に生地掛けバー211を揃えた姿勢で、移動ベース22を往動させて生地掛けハンガー21を前掛け位置に移動させる。そして、この状態から、生地繰出部3の取込ローラ31、始端ローラ32を同期させて回転させることにより、繰出生地41を繰り出し始める。こうして、最初の繰出生地41は、生地掛けハンガー21の背面側に垂らされる。本例の延反装置は、垂らされる繰出生地41より手前側にガイドハンガー24のガイドバー241が位置するるので、垂れ下がった繰出生地41の端縁は必ず旋回ベース23上に乗り、復動する移動ベース22に繰出生地41が巻き込まれない。
【0040】
繰出生地41が所定長(定寸の約半分)だけ垂らされた段階に至ると、図5aに見られるように、繰出生地41の繰り出しを続けながら、移動ベース22を復動させて生地掛けハンガー21を後掛け位置に移動させる。繰出生地41が繰り出された長さは、例えば始端ローラ32又は終端ローラ33に付設したロータリーエンコーダにより計測する。移動ベースは、前記計測値から繰出生地41が所定長だけ繰り出されたことを制御装置(図示略が判断して、自動的に往動又は復動させる。こうして、繰出生地41は表面を上に向け、裏面を生地掛け上縁に宛てる。そして、生地目は上方から下方に向いている(図5b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【0041】
生地掛けハンガー21を後掛け位置に移動させた後も繰出生地41を繰り出し続けると、図6に見られるように、今度は生地掛けハンガー21の前面側に繰出生地41が垂らされることになる。そして、繰出生地41が定寸の残りが垂らされた段階に至ると、図7aに見られるように、切断部の回転刃35により繰出生地41を切断して定寸生地aを作り、延反工程Aを終える。こうして生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地aは、表面を上に向け、生地掛けバー211に裏面を宛てて支持されている(図7b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。この定寸生地aの生地目は、生地掛けハンガー21の背面側で上方から下方に、生地掛けハンガー21の前面側で下方から上方に、すなわち奥側から手前側に向いている。
【0042】
延反工程Bは、図8aに見られるように、定寸生地aを作り出す回転刃35の移動を制御装置が検知することにより、移動ベース22を位置固定したまま、旋回ベース23のみを水平旋回させることにより、前掛け位置にある生地掛けハンガー21を180度反転させ、架け渡された定寸生地aの生地目の方向を手前側から奥側に変更する(図7b及び図8bを比較対照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。そして、図9に見られるように、再び繰り出す繰出生地41を生地掛けハンガー21の前面側に垂らす。このとき、上述同様、垂らされる繰出生地41より奥側にガイドハンガー24のガイドバー241が位置するので、垂れ下がった繰出生地41の端縁は必ず旋回ベース23上に乗り、往動する移動ベース22に繰出生地41が巻き込まれない。
【0043】
繰出生地41が所定長だけ垂らされた段階に至ると、繰出生地41の繰り出しを続けながら、図10aに見られるように、移動ベース22を往動させて生地掛けハンガー21を前掛け位置に移動させる。これにより、新たに繰り出された繰出生地41は表面を内に向け、既に生地掛けハンガー21に架け渡されている定寸生地aに表面同士を対向させて接する。しかも、定寸生地aの生地目の方向と垂らされた繰出生地41とは、いずれも生地目の方向を手前側から奥側にして、一致させている(図10b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【0044】
生地掛けハンガー21を前掛け位置に移動させた後、生地繰出部3が繰出生地41を繰り出し続けると、今度は生地掛けハンガー21の背面側に繰出生地41が垂らされ、繰出生地41が定寸の残りが垂らされた段階に至ると、図11aに見られるように、生地繰出部3が繰り出された繰出生地41を切断して定寸生地bを作り、延反工程Bを終える。定寸生地bは、生地目の方向を手前側から奥側にして先に架け渡された定寸生地aと揃え、かつ定寸生地aと表面同士を対向させて、生地掛けハンガー21に架け渡される(図11b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【0045】
続く延反工程Cは、図12aに見られるように、まず後掛け位置で生地掛けハンガー21を水平旋回させた後、図13aに見られるように、最初の延反工程Aのように繰出生地41を繰り出して定寸生地cを作り、定寸生地bに対して重ねていく。延反工程C最初に実行される生地掛けハンガー21の水平旋回により、先に生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地bの生地目の方向は、奥側から手前側に変更される(図11b及び図12bを比較対照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)ため、定寸生地cは、先の延反工程Bで生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地bと同じく生地目の方向を奥側から手前側にして揃え、かつ定寸生地bと裏面同士を対向させ、表面を上に向ける(図13b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【0046】
更に続く延反工程Dは、図14aに見られるように、まず前掛け位置で生地掛けハンガー21を水平旋回させた後、図15aに見られるように、先の延反工程Bのように繰出生地41を繰り出して定寸生地dを作り、定寸生地cに対して重ねていく。延反工程Dの最初に実行される生地掛けハンガー21の水平旋回により、先に生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地cの生地目の方向は、手前側から奥側に変更される(図13b及び図14bを比較対照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)ため、定寸生地dは、先の延反工程Cで生地掛けハンガー21に架け渡された定寸生地cと同じく生地目の方向を手前側から奥側にして揃え、かつ定寸生地cと表面同士を対向させ、裏面を上に向ける(図15b参照。生地目は表面に並べた斜線で方向を図示)。
【符号の説明】
【0047】
1 装置フレーム
11 上段フレーム
12 下段フレーム
13 柱フレーム
14 原反支持台
15 取込ローラ支持フレーム
2 生地重ね部
21 生地掛けハンガー
22 移動ベース
23 旋回ベース
24 ガイドハンガー
3 生地繰出部
31 取込ローラ
32 始端ローラ
33 終端ローラ
34 無端ベルト
35 回転刃
36 回転刃支持ブロック
37 軌道
4 原反
41 繰出生地
a〜d 定寸生地
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反を保持させた装置フレームの下段にあり、切断された定寸生地を中折りにして架け渡す生地重ね部と、前記装置フレームの上段にあり、原反から繰り出した繰出生地を下段に向けて垂らして定寸毎に切断して定寸生地を作る生地繰出部とから構成され、
生地重ね部は、中折れした定寸生地を支持する生地掛け上縁を有し、装置フレームの上段から垂れる繰出生地の水平位置を挟んで前記繰出生地の繰出方向に往復動させ、かつ水平旋回させる生地掛けハンガーを設けたことを特徴とする延反装置。
【請求項2】
生地重ね部は、繰出生地の繰出方向に往復移動する移動ベースと、前記移動ベースに対して水平旋回自在に設けられた旋回ベースと、前記旋回ベースに立設された生地掛けハンガーとから構成される請求項1記載の延反装置。
【請求項3】
生地重ね部は、生地掛けハンガーと一体に往復動及び水平旋回し、生地掛け上縁より低位にあるガイド上縁を有するガイドハンガーを前記生地掛けハンガー周囲に付設する請求項1又は2いずれか記載の延反措置。
【請求項4】
生地繰出部は、置フレームに保持させた原反から繰出生地を取り込む取込部と、取込部から受け渡された繰出生地を繰り出して下段の生地重ね部に向けて垂らす送出部と、繰出生地を垂らす送出部の終端に設けられる切断部とから構成される請求項1〜3いずれか記載の延反装置。
【請求項1】
原反を保持させた装置フレームの下段にあり、切断された定寸生地を中折りにして架け渡す生地重ね部と、前記装置フレームの上段にあり、原反から繰り出した繰出生地を下段に向けて垂らして定寸毎に切断して定寸生地を作る生地繰出部とから構成され、
生地重ね部は、中折れした定寸生地を支持する生地掛け上縁を有し、装置フレームの上段から垂れる繰出生地の水平位置を挟んで前記繰出生地の繰出方向に往復動させ、かつ水平旋回させる生地掛けハンガーを設けたことを特徴とする延反装置。
【請求項2】
生地重ね部は、繰出生地の繰出方向に往復移動する移動ベースと、前記移動ベースに対して水平旋回自在に設けられた旋回ベースと、前記旋回ベースに立設された生地掛けハンガーとから構成される請求項1記載の延反装置。
【請求項3】
生地重ね部は、生地掛けハンガーと一体に往復動及び水平旋回し、生地掛け上縁より低位にあるガイド上縁を有するガイドハンガーを前記生地掛けハンガー周囲に付設する請求項1又は2いずれか記載の延反措置。
【請求項4】
生地繰出部は、置フレームに保持させた原反から繰出生地を取り込む取込部と、取込部から受け渡された繰出生地を繰り出して下段の生地重ね部に向けて垂らす送出部と、繰出生地を垂らす送出部の終端に設けられる切断部とから構成される請求項1〜3いずれか記載の延反装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【公開番号】特開2011−99188(P2011−99188A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256303(P2009−256303)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000148106)株式会社川上製作所 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000148106)株式会社川上製作所 (1)
【Fターム(参考)】
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