説明

延長プラグコールドプレート

【課題】所望の冷却を達成するために比較的少ない流量を使用し、軽くて安価な構造用導管及びプレナムを使用した冷却システムを提供する。
【解決手段】熱交換のためのシステム、デバイス、及び方法が提示される。熱交換デバイス100は、入口112と出口114とを有するハウジングを含んでいる。本熱交換デバイス110は、ハウジングの内部に少なくとも一つの発泡セラミック部材106も含んでいる。少なくとも一つの発泡セラミック部材106には複数の孔が画定されている。本熱交換デバイス100は、ハウジングの第1の側面102から少なくとも一つの発泡セラミック部材106を通ってハウジングの第2の側面104まで延びる複数の延長プラグ108も含んでいる。ハウジングの第1の側面102は、複数の延長プラグ108の第1端部により、少なくとも一つの発泡セラミック部材106から離間して位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、熱交換のためのデバイス、システム、及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷却板のような熱交換デバイスは、様々な用途において、熱負荷を低減又は管理するために使用される。例えば、航空機、宇宙船、自動車及びその他の陸上用車両と、船舶及びその他の水上用車両は、熱負荷を管理するために熱交換デバイスを使用しうる。熱負荷は、搭載設備、環境、その他のソース、又は複数のソースの組み合わせにより発生しうる。具体的には、航空機は、冷却板を使用して、アビオニックス及びプリント回路板、航空機エンジン等に付随する熱負荷を管理することができる。加えて、航空機は、流体抵抗(例えば空気摩擦)に起因して生じる破壊的な熱流束又は高温排気ガスを受ける機体部分により生じる破壊的な熱流束に曝されることから、下部の機体構造を保護する耐熱構造に、冷却板を使用することができる。説明を目的とする別の例では、タンク又はその他の陸上用車両は、環境暴露、エンジン、又はその他の熱源からの熱負荷を管理するために熱交換デバイスを使用することができる。
【0003】
熱負荷の管理は、設備費用、運転費用、重量、空間的制約などの観点から費用がかかる。設備費用、運転費用、重量、及び空間的制約は、通常、熱交換デバイスが、航空機、陸上用船舶、水上用船舶、宇宙船、又は場合によっては建造物のような固定構造のいずれに使用されるかに関連する。例えば、特定の熱交換デバイスは、比較的高価な設備費用を伴いうる。例えば、ろう付けしたアルミ箔及び金属製フィンを使用する熱交換デバイスは、これらのデバイスに付随する製造の困難性(例えば高温でのはんだ付け)により、製造費が高い場合がある。したがって、このようなデバイスの設備費用には比較的費用がかかりうる。
【0004】
運転費用を説明する一実施例では、熱交換デバイスは、車両に使用される場合、冷却剤を循環させるプレナム、及び熱交換デバイスに付随するその他の設備、例えば冷却剤を加圧するために使用される設備を提供するために車両の重量を増加させるので、運転上不利益となりうる。このような車両は、他にも運転上の不利益を引き起こしうる。例えば、特定の航空機は、冷却剤としてラム空気を使用する場合がある。ラム空気を冷却剤として使用するとき、ラム空気は航空機のエンジンから流用される場合がある。ラム空気冷却剤として使用するために航空機のエンジンから流用される空気は、航空機エンジンの運転効率を低下させて、運転費用を上昇させる及び/又は最適な動作を下回る結果を招きうる。一般に、流用される空気の量が多いほど、航空機に追加される運転費用が増大する。他の車両でも、熱交換デバイスによる運転費用が生じうる。
【0005】
特定の車両は、車両の構造的冷却を行う耐熱構造のために熱交換デバイスを使用することができる。耐熱構造の例として、背面冷却システム、薄膜冷却システム、及び蒸散冷却システムが挙げられる。背面冷却システムは、熱流束を受ける側面から離れたところから、冷却対象の構造の背面に、ダクトを通して冷却剤を吹き付ける。薄膜冷却システムは、プレナムから、構造自体に高い密度で設けられた複数の穴を通して構造の背面に冷却剤を吹き付ける。冷却剤は、構造の加熱される側面に、構造を保護し且つ境界面温度を制御する薄膜を形成することができる。蒸散冷却システムは、背面プレナムから多孔質構造を通して直接冷却用の空気を流すことにより、多孔質構造を近位から冷却する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
背面冷却システム、薄膜冷却システム、及び蒸散冷却システムは、所望の冷却を達成するために比較的高い流量を使用しうる。更に、これらのシステムの各々は、冷却対象エリアに冷却剤を送達するために、重くて高価な構造用導管及びプレナムシステムを使用しうる。例えば、プレナムは、冷却が必要な各エリアのすぐ背後に提供されうる。更に、薄膜冷却システムは、冷却対象表面に多数の小さな穴を設けるための費用により高価になりうる。蒸散システムは、冷却対象表面に使用されるセラミック及び焼結金属の多孔質材料により制限されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
熱交換のためのシステム、デバイス、及び方法が開示される。特定の熱交換デバイスは、入口と出口とを画定するハウジングを含んでいる。熱交換デバイスは、ハウジング内部に少なくとも一つの発泡セラミック部材も含んでいる。この少なくとも一つの発泡セラミック部材は、その中に複数の孔を有している。熱交換デバイスは、ハウジングの第1の側面から発泡セラミック部材を通ってハウジングの第2の側面に延びる複数の延長プラグも含んでいる。ハウジングの第1の側面は、複数の延長プラグの第1端部によって、少なくとも一つの発泡セラミック部材から離間して位置している。
【0008】
特定の一実施形態による方法は、冷却対象表面に隣接する熱交換デバイスの入口に冷却剤を導くことにより、冷却対象表面から熱を抽出することを含む。この熱交換デバイスは、入口と出口とを含んでいる。熱交換デバイスは、冷却対象表面から離間して位置する発泡セラミック部材も含んでいる。この発泡セラミック部材は複数の孔を画定している。熱交換デバイスは、発泡セラミック部材の、入口に隣接する第1の側面から、発泡セラミック部材を通って冷却対象表面まで延びる複数の延長プラグも含んでいる。入口に誘導された冷却剤は、発泡セラミック部材の孔を通って発泡セラミック部材と冷却対象表面との間の空間に進む。冷却剤は、更にこの空間から熱交換システムの出口へと流れる。
【0009】
特定の一実施形態によるシステムは、熱に曝される表面と、熱に曝される表面に隣接する冷却板とを含んでいる。この冷却板は入口と出口とを含んでいる。冷却板は、冷却板の内部に少なくとも一つの発泡セラミック部材も含んでいる。この少なくとも一つの発泡セラミック部材は複数の孔を画定している。冷却板は、熱に曝される表面から離間している方の側面である冷却板の第1の側面から、発泡セラミック部材を通って、熱に曝される表面に近い方の側面である冷却板の第2の側面まで延びる複数の延長プラグも含んでいる。熱に曝される表面の第2の側面は、複数の延長プラグの第1端部によって、少なくとも一つの発泡セラミック部材から離間して位置している。
【0010】
特定の一実施形態による方法は、発泡セラミック部材の第1の側面に第1の鋳造層を付加することと、発泡セラミック部材の第2の側面に第2の鋳造層を付加することとを含む。この方法は、第1の鋳造層、発泡セラミック部材、及び第2の鋳造層に、複数の開口を形成することも含んでいる。本方法は、更に、複数の開口に鋳物材料を注ぎ込むこと、及び鋳物材料を硬化させて、発泡セラミック部材を通る複数の延長プラグを形成することを含む。本方法は、発泡セラミック部材から第1及び第2の鋳造層を除去することも含んでいる。
【0011】
上述の特徴、機能、及び利点は、種々の実施形態において単独で達成することができるか、又は他の実施形態において組み合わせることができる。これらの実施形態の更なる詳細は、以下の説明及び添付図面に開示する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】熱交換デバイスの第1の実施形態の略図である。
【図2】熱交換デバイスの第2の実施形態の略図である。
【図3】熱交換デバイス用の発泡セラミックコアの特定の一実施形態を示している。
【図4】熱交換コアを製造する方法の特定の一実施形態の、一工程を示している。
【図5】熱交換コアを製造する方法の特定の一実施形態の、次の工程を示している。
【図6】熱交換コアを製造する方法の特定の一実施形態の、次の工程を示している。
【図7】熱交換コアを製造する方法の特定の一実施形態の、次の工程を示している。
【図8】熱交換コアを製造する方法の特定の一実施形態の、次の工程を示している。
【図9】熱交換コアを製造する方法の特定の一実施形態の、次の工程を示している。
【図10】熱交換コアを製造する方法の特定の一実施形態のフローチャートである。
【図11】熱交換方法の特定の一実施形態のフローチャートである。
【図12】一又は複数の熱交換デバイスを含む航空機の特定の一実施形態の略図である。
【図13】特定の実施形態による熱交換デバイスの試験から得られた性能特性を示す図表である。
【図14】特定の実施形態による熱交換デバイスの試験から得られた性能特性を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
高流量源からの冷却剤の圧力低下を最小に抑えて極めて効率的に熱を伝達する熱交換デバイスが開示される。本熱交換デバイスは、熱伝導率の高い延長プラグを使用して、大きな内部表面積を持つ発泡セラミックに熱を伝達する。この延長プラグは、発泡セラミックの両側から突出又は延長する熱伝導性部材である。発泡セラミックは、入口側から出口側へと発泡セラミックを通って移動する冷却剤に、対流により熱を運ぶ。冷却剤はまた、延長プラグの部分を直接濡らすことによって、熱伝達効率を更に上昇させる。延長プラグは発泡セラミックを通って延びているので、この熱交換デバイスは延長プラグ熱交換器、又は延長プラグ冷却板と呼ばれることもある。
【0014】
本明細書に開示される熱交換デバイスは、冷却剤の流量が低い場合の熱交換を改善する。本熱交換デバイスは、アビオニックスの冷却板による冷却及び熱に曝される表面の耐熱構造に使用することができる。本熱交換デバイスは、比較的単純で安価な工程及び材料を用いて製造することができる。特に、本熱交換デバイスは、ろう付けしたアルミ箔と金属製フィンとを使用する他の特定の熱交換デバイスより安価に製造することができる。したがって、本熱交換デバイスを使用することにより、構造用プレナムと、鋳造又は焼結される高温部品とを減らすことができるので、コストを削減することができる。このように、本熱交換デバイスは、熱損失の大きなエレクトロニクスを冷却するために、低コストで熱効率の高いシステムを提供することができる。本熱交換デバイスは、金属箔の冷却板と比較したとき、所定の冷却剤圧力の低下で所定量の熱を吸収するために必要な冷却剤が少なくて済むので、航空ビークルシステムに関する不利益が小さい。本熱交換デバイスでは、使用可能な特定の背面対流システムよりアビオニックスの冷却が効率的に行われる。例えば、所定の熱負荷に必要な冷却剤流が少ない。本発明の熱交換デバイスの発泡セラミックコアは、冷却空気のプレナムとして機能することができる。したがって、本熱交換デバイスは、重量の大きな冷却剤供給プレナムを使用せずに、熱い方の側面の境界面温度を制御することができる。更に、本発明の熱交換デバイスの効率が高いということは、熱交換デバイスの下部構造が低温材料から構成できるということを意味し、これによりビークルの費用及び重量が更に削減される。特定の航空機について、重量の大きな冷却剤プレナムを排除し、高分子複合構造のような軽量の低温材料を使用することにより、50%を上回る航空機の構造重量を削減できることが推定されている。
【0015】
種々の実施形態において開示される熱交換のためのデバイス、システム、及び方法は、本延長プラグの高い熱伝導性を使用して、内部表面積の大きな発泡セラミックシートにエネルギーを伝達することにより、高流量源からの冷却剤圧力の低下を減らして効率的な熱伝達を行う。発泡セラミックシートは、入口側から出口側へ発泡セラミックシートを通って移動する冷却剤へと対流によりエネルギーを運ぶと同時に、延長プラグを直接湿らせる。
【0016】
種々の実施形態は、航空宇宙産業の用途において熱管理に有用である。例えば、本熱交換デバイスは、高電力プリント回路基板(PCB)を冷却するため、又はPCBの冷却の効率化のための冷却板として使用することができる。別の実施例では、本熱交換デバイスは、高速飛行の間にモールド線及び推進流の道筋の外側においてビークル上に発生する高熱流束による損傷から下部機体構造を保護するための、耐熱構造(TPS)として使用することができる。冷却板及びTPSの場合、熱交換デバイスと入射する熱流束との間の境界面は限界温度を有しうる。この限界温度は、耐えることができる最高接合部温度とすることができる。例えば、アビオニックスのPCBの場合、限界温度は160°F〜180°Fでありうる。TPSでは、TPSの材料の限界温度は約2500°Fでありうる。いずれの場合も、必要な冷却剤の流量は、航空ビークルにとって動作の不利益となるので、可能な限り低減されるべきである。
【0017】
航空機のアビオニックスの冷却は、チップから離れたPBCの背面から、冷却して調節した空気を吹き付けることにより行うことができる。この冷却空気は、航空機上の環境制御システム(ECS)により供給することができる。冷却剤の流路は、熱伝達を強化するために、内蔵式の金属板フィンのような延長表面を有することができる。孔の大きな金属製発泡剤の冷却板を用いてアビオニックスを冷却することもできる。
【0018】
高速飛行用の耐熱構造は、背面構造冷却、薄膜冷却、又は蒸散冷却を使用することができる。背面冷却では、熱流束を受ける側面から離れて位置する、冷却対象となる構造の背面上のダクトを通して冷却剤を吹き付ける。薄膜冷却では、構造の背面に位置するプレナムから、構造自体に密に配置された穴を通して冷却剤を吹き付ける。すると冷却剤は、構造の加熱される方の側面に、構造を保護して境界面の温度を制御する薄膜を形成する。蒸散冷却は、背面プレナムから、多孔質構造を通して冷却空気を直接吹き付けることにより、近くから多孔質構造を冷却する。
【0019】
背面冷却システム、薄膜冷却システム、及び蒸散冷却システムは、本発明による熱交換デバイスと比較して大きな欠点を有している。例えば、各システムは、同じ冷却を行うのに高い冷却剤流量を使用する。更に、各システムは、冷却対象エリアに冷却剤を送達するために、重量が大きく高価な構造配管及びプレナムシステムを使用している。プレナムは、冷却が必要な各エリアの背後に直接接するように提供することができる。薄膜冷却システムの更なる欠点は、冷却対象表面に多数の小さな穴を穿孔することに関連する費用であろう。薄膜冷却はまた、加熱表面全体を流れる自由流れが冷却フィルムを擦り取ってしまうため、制御が困難である。蒸散システムは、冷却対象表面に使用されるセラミック及び焼結金属の多孔質材料により制限される場合がある。セラミックは、脆い場合があり、基板によって支持されていないと構造的強度を欠くことがある。焼結金属は重くて高価となりうる。
【0020】
延長プラグと超多孔質性の内部表面積が大きな発泡セラミックを熱交換デバイスとして組み合わせることにより、背面冷却されるプレートフィンアビオニックス冷却板が利用可能な対流表面積よりも遥かに大きな対流表面積を提供することができる。本発明の熱交換デバイスに見られるこのような構成及び冷却剤の流路は、従来の高速飛行TPS構成に見られるものとは異なっている。例えば、本発明の熱交換デバイスは、冷却剤を供給するために、重量が大きく高価な構造プレナムを必要としない。加えて、薄膜冷却よりも、境界面の冷却の均一度を高めることができる。これは、冷却剤を、自由流れに吹き込むのではなく、熱交換デバイス内部に封じ込めておけることによる。
【0021】
効率の上昇は、これまでより高い熱流束のPCBを特定の接合部温度に制御できること、或いは従来のPCBの特定の接合部温度を達成するために必要な冷却剤の量を低減できることを意味している。冷却剤がラム空気であるとき、使用する冷却剤が少なくて済むと、冷却剤として使用するためにエンジンから流用するラム空気を減らすことができるので、ECSによる推力への不利益を低減することができる。加えて、従来のTPSと比較して、本発明の熱交換デバイスは、軽量であり、且つ構成費用が少なくて済み、更には少ない冷却剤で同じ耐熱性を提供することができる。
【実施例】
【0022】
図1は、全体を参照番号100で示す熱交換デバイスの第1の実施形態の略図である。この熱交換デバイス100は、第1の側面102と第2の側面104とを含むハウジング(一部のみを示す)を含んでいる。このハウジングは、入口112及び出口114も含んでいる。一又は複数の発泡セラミック部材106が、ハウジング内部(例えば、第1の側面102と第2の側面104との間)に配置されている。一又は複数の発泡セラミック部材106は、冷却剤120を通過させることができる複数の孔を画定している。例えば、一又は複数の発泡セラミック部材106は、複数の不規則な方向に向くセラミック繊維を含むことができ、これらのセラミック繊維の間に冷却剤120が流通できる開口があることにより、熱伝達のための表面積が大きい。例えば、一又は複数の発泡セラミック部材106は、図3に示す一又は複数の発泡セラミックを含むことができる。
【0023】
本熱交換デバイス100は、ハウジングの第1の側面102から一又は複数の発泡セラミック部材106を通ってハウジングの第2の側面104まで延びる複数の延長プラグ108も含むことができる。特定の一実施形態では、ハウジングの第1の側面102は、複数の延長プラグ108の第1端部によって、一又は複数の発泡セラミック部材106から離間して位置している。この実施形態では、一又は複数の発泡セラミック部材106とハウジングの第1の側面102とが、冷却剤120が一又は複数の延長プラグ108に接触しながら通過する第1の流路160を画定している。加えて、ハウジングの第2の側面104は、複数の延長プラグ108の第2端部によって、一又は複数の発泡セラミック部材106から離間して位置していてよい。したがって、ハウジングの第2の側面104と一又は複数の発泡セラミック部材106とは、冷却剤120が複数の延長プラグ108に接触しながら流通する第2の流路162を画定することができる。特定の一実施形態では、一又は複数の発泡セラミック部材106及び複数の延長プラグ108は、まとめて熱交換コア又は冷却板と呼ばれる。
【0024】
特定の実施形態では、ハウジングの一又は複数の側面を熱伝導性とすることにより、ハウジングの外側から冷却剤120へ熱を容易に伝達させることができる。例えば、ハウジングの第1の側面102は、熱伝導性であることにより熱源(図示しない)から熱を受け取ってその熱を複数の延長プラグ108に伝達することができる。特定の一実施形態では、ハウジングの一又は複数の側面を断熱性とすることにより、冷却剤120からハウジングの外側への熱伝達を低減することができる。例えば、熱交換デバイス100が、下部構造を熱への暴露から保護する耐熱構造に使用されるとき、ハウジングの第2の側面104を断熱して冷却剤120から下部構造への熱伝達を低減することができる。このような実施形態では、第2の側面104は発泡セラミックから形成することができる。例えば、第2の側面104は、一又は複数の発泡セラミック部材106と同じ材料から形成することができる。
【0025】
特定の一実施形態では、ハウジングの一又は複数の側面は耐エロージョン性とすることができる。具体的には、熱交換デバイス100が、航空機の下部複合構造(例えば、ガラス繊維強化プラスチック)を保護するための耐熱構造に使用されるとき、第1の側面102が耐エロージョン層を含むことにより、熱交換装置100は、航空機の過酷な外部環境において動作することができる。例えば、ハウジングの第1の側面102は、熱伝導性且つ耐エロージョン性の層を形成するために、窒化アルミニウム材が埋め込まれた複数のアルミナシリカファイバを含むことができる。このような熱伝導性且つ耐エロージョン性の層は、アルミナ−シリカの布、シート、又はマット(例えば、株式会社ニチビ(日本国東京)から市販されているNitivy ALF(登録商標)ファイバ)に、キャスタブル窒化アルミニウム材(例えば、Aremco Products, Inc.(Valley Cottage, NY )から市販されているAremco Ceramacast(登録商標)675N(「Ceramacast 675N」)を含浸させて、キャスタブル窒化アルミニウム材を硬化させることにより形成できる。
【0026】
特定の一実施形態では、複数の延長プラグ108は低い導電性を有している。例えば、複数の延長プラグ108は、ハウジングの第1の側面102から、一又は複数の発泡セラミック部材106を通ってハウジングの第2の側面104まで延びる窒化アルミニウムロッドを含むことができる。窒化アルミニウムに近い熱伝導特性及び導電特性を有するその他の材料も使用可能である。図4〜10を参照して更に説明するように、複数の延長プラグ108は、キャスタブル窒化アルミニウム材を使用して形成することができる。
【0027】
特定の一実施形態では、延長プラグ108は、熱伝導性の接着剤110を介してハウジングの第1の側面102と第2の側面104とに連結される。例えば、熱伝導性の接着剤110は、室温加硫(RTV)接着剤を含むことができる。別の実施例では、ハウジングの第1の側面102と第2の側面104とは、キャスタブル窒化アルミニウム材を使用して延長プラグ108に結合することができる。
【0028】
熱交換デバイス100は、熱交換デバイス100の入口側に、冷却剤に対して不浸透性のダム124も含むことができる。熱交換デバイスの入口側とは、熱交換デバイス100の、第2の流路162を含む側を指す。冷却剤に不浸透性のダム124は、入口112から受け取った冷却剤120が直接出口114へと流れることを防止することができ、冷却剤120を強制的に一又は複数の発泡セラミック部材106を通って第1の流路160に流す。図1では、入口112は熱交換デバイスの一端に位置している(即ち、入口112の平面はハウジングの第2の側面104の平面に垂直である)。しかしながら、他の実施形態では、入口112は、別の位置にあってもよく、例えばハウジングの第2の側面104に設けられていてもよい(即ち、入口112の平面はハウジングの第2の側面104の平面に平行であってもよい)。加えて、図1の出口114は、ハウジングの第2の側面104上に位置している(即ち、出口114の平面はハウジング第2の側面104の平面に平行である)。しかしながら、他の実施形態では、出口114は、別の位置にあってもよく、例えばハウジングの一端に設けられていてもよい(即ち、出口114の平面は第2の側面104の平面に垂直であってもよい)。
【0029】
使用時には、冷却剤120は入口112から熱交換デバイス100の第2の流路162内に受け取られる。冷却剤に対して不浸透性のダム124によって、冷却剤120が入口112から直接出口114へと流れることが妨げられるため、第2の流路162と第1の流路160との間の圧力差によって、冷却剤120は、冷却剤の流れ122が示すように、一又は複数の発泡セラミック部材106の厚みを通過して第1の流路160へと流れる。冷却剤120は、冷却剤の流れ126が示すように第1の流路160へ、冷却剤の流れ128が示すように出口114へ、それぞれ流れ込むことができる。
【0030】
種々の実施形態では、冷却剤120はラム空気を含むことができる。冷却剤120は、熱交換デバイス100に導入される前に処理することができる。例えば、冷却剤120の温度又は圧力は、冷却剤120を熱交換デバイス100に導入する前に調節することができる。
【0031】
特定の一実施形態では、ハウジングの第1の側面120から受け取られた熱は、熱伝導性の接着剤110を介して複数の延長プラグ108に伝達可能である。入口112で受け取られた冷却剤120は、複数の延長プラグ108に接触しながら第2の流路162内を流れることができる。冷却剤120は、(冷却剤の流れ122に示すように)一又は複数の発泡セラミック部材106の孔を通過することができる。冷却剤120は、(冷却剤の流れ126及び128に示すように)複数の延長プラグ108に接触しながら第1の流路160内を出口114に向かって流れることもできる。熱は、複数の延長プラグ108により、ハウジングの側面102、104と、一又は複数の発泡セラミック部材106と接触することで冷却剤120に伝達されうる。したがって、高い熱伝導率と、第1の側面102の表面温度の大幅な低下とが、比較的低い冷却剤の圧力低下で達成される。このように、熱を抽出するために冷却剤120が発泡セラミック部材106の比較的大きな表面積に接触できるように、複数の延長プラグ108を使用して熱を一又は複数の発泡セラミック部材106に伝達させることにより、高流量の熱源の存在下における耐熱性及び表面温度の制御を達成することができる。
【0032】
特定の一実施形態では、熱源(図示しない)はハウジングの第1の側面102上にあってよい。例えば、このような熱源には、プリント回路基板又はアビオニックスコンポーネントのようなその他の電子デバイスが含まれる。別の実施例では、熱源は、高い熱負荷を受ける前縁又はその他の表面といった航空機の外表面、或いは推進流の経路(例えばエンジンの排気ノズル)の表面を含むことができる。加えて、冷却剤120が入口112から流路160及び162を通って出口114へと流れることで、(例えば背面冷却システム又は薄膜冷却システムのために)これまでプレナムを使用して行われていた冷却剤の経路付けが流路160及び162によって行われるので、プレナムに必要な材料の全体の容積及び重量を低減することができる。
【0033】
図2は、全体を参照番号200で示す熱交換デバイスの第2の実施形態の略図である。熱交換デバイス200は、第1の側面202と第2の側面204とを含むハウジング(一部のみを示す)を含んでいる。このハウジングは、入口212及び出口214も含んでいる。一又は複数の発泡セラミック部材206がハウジング内部(例えば、第1の側面202と第2の側面204との間)に配置されている。一又は複数の発泡セラミック部材206は、冷却剤220を通過させることができる複数の孔を画定している。例えば、一又は複数の発泡セラミック部材206は、複数の不規則な方向に向くセラミック繊維を含むことができ、これらのセラミック繊維の間に冷却剤220が流通できる開口があることにより、熱伝達のための表面積が大きい。特定の一実施形態では、一又は複数の発泡セラミック部材206は、図3に示す一又は複数の発泡セラミックを含む。
【0034】
本熱交換デバイス200は、ハウジングの第1の側面202から一又は複数の発泡セラミック部材206を通ってハウジングの第2の側面204まで延びる複数の延長プラグ208も含むことができる。特定の一実施形態では、ハウジングの第1の側面202は、複数の延長プラグ208の第1端部によって、一又は複数の発泡セラミック部材206から離間して位置している。この実施形態では、一又は複数の発泡セラミック部材206とハウジングの第1の側面202とが、冷却剤220が一又は複数の延長プラグ208に接触しながら通過する第1の流路260を画定している。加えて、ハウジングの第2の側面204は、複数の延長プラグ208の第2端部によって、一又は複数の発泡セラミック部材206から離間して位置することができる。したがって、ハウジングの第2の側面204と一又は複数の発泡セラミック部材206とは、冷却剤220が複数の延長プラグ208に接触しながら流通する第2の流路262を画定することができる。
【0035】
特定の実施形態では、ハウジングの一又は複数の側面を熱伝導性とすることにより、ハウジングの外側の熱源から冷却剤220へ熱を容易に伝達させることができる。例えば、ハウジングの第1の側面202は、熱伝導性であることにより熱源から熱を受け取ってその熱を複数の延長プラグ208に伝達することができる。特定の一実施形態では、ハウジングの一又は複数の側面を断熱性とすることにより、冷却剤220からハウジング外部への熱伝達を低減することができる。例えば、熱交換デバイス200が、下部構造を熱への暴露から保護する耐熱構造に使用されるとき、ハウジングの第2の側面204を断熱して冷却剤220から下部構造への熱伝達を低減することができる。このような実施形態では、第2の側面204は発泡セラミックから形成することができる。例えば、第2の側面204は、一又は複数の発泡セラミック部材206と同じ材料から形成することができる。
【0036】
特定の一実施形態では、ハウジングの一又は複数の側面は耐エロージョン性とすることができる。具体的には、熱交換デバイス200が、航空機の下部複合構造(例えば、ガラス繊維強化プラスチック)を保護するための耐熱構造に使用されるとき、第1の側面202が耐エロージョン層を含むことにより、熱交換装置200は、航空機の過酷な外部環境において動作することができる。例えば、ハウジングの第1の側面202は、熱伝導性且つ耐エロージョン性の層を形成するために、窒化アルミニウム材が埋め込まれた複数のアルミナシリカファイバを含むことができる。このような熱伝導性且つ耐エロージョン性の層は、アルミナ−シリカの繊維、布、シート、又はマット(例えば、株式会社ニチビ(日本国東京)から市販されているNitivy ALF(登録商標)ファイバ)に、キャスタブル窒化アルミニウム材(例えば、Ceramacast 675N)を含浸させて、キャスタブル窒化アルミニウム材を硬化させることにより形成できる。
【0037】
特定の一実施形態では、複数の延長プラグ208は低い導電性を有している。例えば、複数の延長プラグ208は、ハウジングの第1の側面202から、一又は複数の発泡セラミック部材206を通ってハウジングの第2の側面204まで延びる窒化アルミニウムロッドを含むことができる。窒化アルミニウムに近い熱伝導特性及び導電特性を有するその他の材料も使用可能である。図4〜10を参照して更に説明するように、複数の延長プラグ208は、キャスタブル窒化アルミニウム材を使用して形成することができる。
【0038】
特定の一実施形態では、複数の延長プラグ208は、熱伝導性の接着剤210を介してハウジングの第1の側面202と第2の側面204とに連結される。例えば、熱伝導性の接着剤210は、室温加硫(RTV)接着剤を含むことができる。別の実施例では、ハウジングの第1の側面202と第2の側面204とは、キャスタブル窒化アルミニウム材を使用して延長プラグ208に結合させることができる。
【0039】
熱交換デバイス200は、熱交換デバイス200の入口側252と出口側254との間の第2の流路262内に、冷却剤に対して不浸透性のダム224も含むことができる。熱交換デバイス200の入口側252は、熱交換デバイス100の、入口212と第2の流路262の第1部分とを含む側を指す。熱交換デバイス200の出口側254は、熱交換デバイスの、出口214と第2流路262の第2部分とを含む側を指す。図2に示す一実施形態では、熱交換デバイス200の入口側252は、第2の流路262の、入口212、一又は複数の発泡セラミック部材206、ハウジングの第2の側面204、及び冷却剤に対して不浸透性のダム224の間のエリアを含む部分を含んでいる。熱交換デバイス200の出口側254は、第2の流路262の、出口214、一又は複数の発泡セラミック部材206、ハウジングの第2の側面204、及び冷却剤に対して不浸透性のダム224の間のエリアを含む部分を含んでいる。冷却剤に不浸透性のダム224は、入口212から受け取られた冷却剤220を、強制的に、一又は複数の発泡セラミック部材206を通って第1の方向(ハウジングの第1の側面202に向かって)へ、一又は複数の発泡セラミック部材206を通って第2の方向(ハウジングの第2の側面204に向かって)へ、出口214まで流すことができる。冷却剤220は、一又は複数の発泡セラミック部材206の孔を二度通過するので、図2に示す実施形態を、熱交換デバイス200の二回通過式構成と呼ぶことができる。冷却剤220が一又は複数の発泡セラミック部材206の孔を一度しか通過しない一回通過式構成と比較した場合、二回通過式構成は熱効率を上昇させることができる。
【0040】
図2では、入口212は熱交換デバイス200の一端に位置している(即ち、入口212の平面はハウジングの第2の側面204の平面に垂直である)。しかしながら、他の実施形態では、入口212は、別の位置にあってもよく、例えばハウジングの第2の側面204に設けられていてもよい(即ち、入口212の平面はハウジングの第2の側面204の平面に平行であってもよい)。加えて、図2の出口214は、ハウジングの第2の側面204上に位置している(即ち、出口214の平面はハウジング第2の側面204の平面に平行である)。しかしながら、他の実施形態では、出口214は、別の位置にあってもよく、例えばハウジングの一端に設けられていてもよい(即ち、出口214の平面は第2の側面204の平面に垂直であってもよい)。
【0041】
使用時には、冷却剤220は入口212から第2の流路262中に受け取られる。冷却剤に対して不浸透性のダム224によって、冷却剤220が入口212から直接出口214へと流れることが妨げられるため、第2の流路262と第1の流路260との間の圧力差によって、冷却剤220は、冷却剤の流れ222が示すように、必然的に一又は複数の発泡セラミック部材206の厚みを通過して流れる。冷却剤220は、冷却剤の流れ226が示すように、第1の流路260内を流れることができる。第1の流路260と第2の流路262の出口側254との間の圧力差によって、冷却剤220は、冷却剤の流れ230が示すように、必然的に一又は複数の発泡セラミック部材206の厚みを通過して第2の方向に出口側254へと流れる。冷却剤220は、出口側254を出口214まで流れ、冷却剤の流れ228が示すように、出口214を通って熱交換デバイス200を出ることができる。
【0042】
特定の一実施形態では、冷却剤220はラム空気を含むことができる。他の実施形態では、冷却剤220は、液体又は気体である別の冷却流体を含むことができる。冷却剤220は、熱交換デバイス200に導入される前に処理することができる。例えば、冷却剤220の温度又は圧力を、冷却剤220が熱交換デバイス200に導入される前に調節することができる。
【0043】
特定の一実施形態では、ハウジングの第1の側面202から受け取られた熱は、熱伝導性の接着剤210を介して複数の延長プラグ208に伝達される。入口212で受け取られた冷却剤220は、第2の流路262の入口側252に位置する複数の延長プラグ208に接触しながら流れることができる。冷却剤220は、冷却剤の流れ222によって示すように、第1の方向に、一又は複数の発泡セラミック部材206の孔を通過することができる。冷却剤220はまた、冷却剤の流れ230によって示されるように、第2の方向に、一又は複数の発泡セラミック部材206の孔を通過することができる。冷却剤は、冷却剤の流れ232によって示されるように複数の延長プラグ208に接触しながら流れて、冷却剤の流れ228によって示されるように出口214から熱交換デバイス200の外へ流れることができる。熱は、冷却剤220が一又は複数の発泡セラミック部材206の孔を双方向に通過して流れるときに、複数の延長プラグ208と接触し、ハウジングの側面202、204と接触し、且つ一又は複数の発泡セラミック部材206と接触することにより、冷却剤220に伝達される。したがって、高い熱伝導率と、第1の側面202の表面温度の大幅な低下が、比較的低い冷却剤の圧力低下で達成される。このように、冷却剤220が発泡セラミック部材206の比較的大きな表面積に接触して熱を抽出できるように、複数の延長プラグ208を使用して熱を一又は複数の発泡セラミック部材206に伝達させることにより、高流量の熱源の存在下における耐熱性及び表面温度の制御を達成することができる。
【0044】
特定の一実施形態では、熱源(図示しない)はハウジングの第1の側面202上にあってよい。例えば、このような熱源には、プリント回路基板又はアビオニックスコンポーネントのようなその他の電子デバイスが含まれる。別の実施例では、熱源は、高い熱負荷を受ける前縁又はその他の表面といった航空機の外表面、或いは推進流の経路(例えばエンジンの排気ノズル)の表面を含むことができる。加えて、冷却剤220は入口212から流路260及び262を通って出口214へと流れるので、プレナムに必要な材料の全体の容積及び重量を低減することができる。
【0045】
図3は、熱交換デバイスの発泡セラミックの特定の一実施形態を示している。図3に示す発泡セラミックは、図1の一又は複数の発泡セラミック部材106又は図2の一又は複数の発泡セラミック部材206のような発泡セラミック部材を形成するために使用することができる。特に、図3は、本出願人(Huntington Beach, Calif.)により作製されたアルミナ強化熱バリヤー(AETB)の繊維302の電子顕微鏡写真である。図3は、発泡セラミックの孔304の平均孔サイズを約35マイクロメートルとすることができることも示している。使用可能な別の発泡セラミック材は、やはり本出願人(Huntington Beach, Calif.)により市販されているボーイング剛性絶縁発泡材(Boeing Rigid Insulation foam:BRI)である。
【0046】
発泡セラミックは、平均孔サイズが小さく且つ空隙率の高い材料を含むことができる。一実施例では、非制限的な実施形態として、発泡セラミックは、約68%以下のシリカ、約20%のアルミナ、及び約12%のアルミナホウ珪酸塩繊維を有するアルミナシリカ発泡セラミックを含む。発泡セラミックは、1立方フィート当たり約16ポンドの密度を有する軽量の発泡アルミナシリカを含むことができる。発泡セラミックの空隙率は80%を上回ってもよい。特定の一実施形態では、空隙率は90%以上とすることができる。発泡セラミックの孔は、全体で5〜50ミクロンとすることができ、平均孔サイズは約35ミクロンとすることができる。高い空隙率と極めて小さい孔との組み合わせは、発泡セラミックの孔を通過して流れる冷却剤に熱を伝達するための内表面積を大きくする。例えば、発泡セラミックの内表面積は約31,350ft/ftとなりうる。
【0047】
特定の一実施形態では、発泡セラミックの孔の平均径は50ミクロン未満であるので、発泡セラミックを通って流れる空気は希薄化される。ここに開示される実施形態に特徴的な圧力レベルにおける発泡セラミック内の気流は、滑り流れの形態の流れとなる。流路の大きさ、この場合は孔の有効径が、冷却剤の流れの中の個々の分子の平均自由行程に接近すると、冷却剤の流れの希薄化(即ち、滑り流れの形態内の流れ)が起こる。希薄化した流れ内では、流れはもはや連続体として考慮することができず、正確には流路を通過する個々の粒子の経路という観点で考慮される。境界層は形成されていないので、冷却剤は、流路の壁において非ゼロの「滑り」速度を有している。試験により、孔内の希薄化した流れ(即ち、流路の壁において非ゼロの滑り速度を有する流れ)により、滑りの無い境界層が形成される連続流に予測される圧力低下と比較して、流れの圧力低下が低減されることが示されている。このように、発泡セラミックに見られる小さな孔は、連続流に予測される圧力低下と比較して、発泡セラミックを通る流れの希薄化を引き起こすことにより発泡セラミックを通って流れる冷却剤の圧力低下を低減することができる。試験は、BRI内における希薄化により生じる滑り流れが、連続流の場合に予測される圧力低下と比較して、圧力低下を20%〜50%低減できることを示している。
【0048】
図4〜9は、延長プラグ冷却板を製造する方法の特定の一実施形態を示している。例えば、図4〜9に示す方法は、図1に示す熱交換デバイス100又は図2に示す熱交換デバイス200を製造するために使用することができる。図4には、発泡セラミック部材406が提示されている。この発泡セラミック部材406は、例えば図3に示す発泡セラミックであり、セラミック繊維の間の空間により画定される複数の孔を含むことができる。図5では、第1の鋳造層434が発泡セラミック部材406の第1の側面に付加されており、第2の鋳造層436が発泡セラミック部材406の第2の側面に付加されている。第1の鋳造層434及び第2の鋳造層436は、ワックス層、シリコン層、又は発泡セラミック部材406中に形成される延長プラグ(例えば図1の延長プラグ108、又は図2の延長プラグ208)に損傷を与えることなく発泡セラミック部材406に付加し、そして発泡セラミック部材から除去することができる別の材料の層を含むことができる。鋳造層434及び436はまた、延長プラグを鋳造するための開口を提供するために修正可能でなければならない。
【0049】
図6では、第1の鋳造層434、発泡セラミック部材406、及び第2の鋳造層436を貫通する複数の開口432が設けられている。例えば、開口432は、削孔、又はその他の機械加工により、第1鋳造層434、発泡セラミック部材406、及び第2の鋳造層436を貫通するように設けることができる。
【0050】
図7では、鋳造材料440が開口432の中に注入又は噴射されている。鋳造材料440は、熱伝導性材料を形成するために硬化させることができる。例えば、鋳造材料440は、Ceramacast 675Nのようなキャスタブル窒化アルミニウムを含むことができる。
【0051】
図8では、鋳造材料440が硬化されて、発泡セラミック部材406を貫通する複数の熱伝導性延長プラグ408が形成されている。鋳造部材440を硬化させた後、第1の鋳造層434及び第2の鋳造層436を除去して、発泡セラミック部材406と硬化させた複数の熱伝導性延長プラグ408を冷却板コアとして残すことができる。
【0052】
図9では、熱伝導性接着剤410を使用して、ハウジングの第1の側面402を複数の熱伝導性延長プラグ408の第1端部に付加することができる。加えて、熱伝導性接着剤410を使用して、ハウジングの第2の側面404を複数の熱伝導性延長プラグ408の第2端部に付加することができる。例えば、熱伝導性接着剤は、熱伝導性室温加硫(RTV)接着剤を含むことができる。別の実施例では、熱伝導性接着剤は鋳造材料440を含むことができる。製造されている熱変換デバイスが冷却板であるとき、第1の側面402、第2の側面404、又はそれら両側面を熱伝導性とすることができる。製造されている熱交換デバイスが耐熱構造であるとき、第1の側面402と第2の側面4040のいずれかを断熱性とすることができる。加えて、第1の側面402、第2の側面404、又は両側面は低い導電率を有することができる(例えば、約8.8の誘電率)。更に、耐エロージョン層を、第1の側面402、第2の側面404、又は両側面に付加することができる。
【0053】
図10は、熱交換コアを製造する方法の特定の一実施形態のフローチャートである。本方法の全体を参照番号1000で示す。方法1000を使用して、図1の熱交換デバイス100又は図2の熱交換デバイス200を製造することができる。
【0054】
方法1000は、1002において、発泡セラミック部材の第1の側面に第1の鋳造層を付加することを含む。方法1000はまた、1004において、発泡セラミック部材の第2の側面に第2の鋳造層を付加することを含む。特定の一実施形態では、発泡セラミック部材は、例えば図3を参照して記載した発泡セラミックのような、約90%の空隙率及び約35ミクロンの平均孔サイズを有する空隙率の高い発泡体とすることができる。第1及び第2の鋳造層は、発泡セラミックに付加し、発泡セラミックから除去することができる材料を含むことができ、この材料には鋳造用の開口を形成することができる。鋳造用の開口は、鋳造材料を硬化する間に鋳造材料を保持することができる。例えば、第1及び第2の鋳造層はワックス又はシリコンを含むことができる。
【0055】
方法1000は、1006において、第1の鋳造層、発泡セラミック部材、及び第2の鋳造層を貫通する複数の開口を形成することも含む。例えば、開口は、削孔又はその他の機械加工により、第1の鋳造層、発泡セラミック部材、及び第2の鋳造層を貫通する開口を設けることにより形成することができる。方法1000は、更に、1008において、複数の開口に鋳造材料を導入することを含む。例えば、鋳造材料は、硬化可能な窒化アルミニウム材料、又は硬化可能なその他の熱伝導性材料を含むことができる。
【0056】
方法1000はまた、1010において、鋳造材料を硬化させて、発泡セラミック部材を貫通する複数の熱伝導性延長プラグを形成することを含む。方法1000はまた、1012において、発泡セラミック部材から第1及び第2鋳造層を除去することを含む。複数の熱伝導性延長プラグ及び発泡セラミック部材は、熱交換コアを形成する。特定の一実施形態では、1014において、熱伝導性接着剤を使用して一又は複数の側面を延長プラグの端部に連結してハウジングを形成することにより、冷却板又は耐熱構造といった熱交換デバイスを形成することができる。
【0057】
図11は、熱交換方法の特定の一実施形態のフローチャートである。本方法の全体を参照番号1100で示す。種々の実施形態において、方法1100は、図1の熱交換デバイス100、図2の熱交換デバイス200、図4〜9に示す方法を使用して製造された熱交換デバイス、又は図10の方法1000を使用して製造された熱交換デバイスのような熱交換デバイスを使用して実行することができる。
【0058】
方法1100は、1102において、航空機の外部からラム空気を受け取ることを含む。例えば、ラム空気は、一又は複数の吸入口又はエンジンの入口から流用された気流を介して受け取られる。特定の実施形態では、1104において、ラム空気は、更に加圧されるか、又は他の方法で処理され、例えば冷却剤として使用するために導入される前に事前に冷却される。他の実施形態では、ラム空気以外の冷却剤を使用することができる。例えば、液体冷却剤を使用するか、ラム空気以外の気体冷却剤を使用することができる。別の実施例では、相が変化する冷媒材料を冷却剤として使用することができる。
【0059】
方法1100はまた、1106において、ラム空気を冷却剤として熱交換デバイス(例えば冷却板)の入口に導くことを含む。1108では、冷却対象表面から、熱交換デバイスの入口に導入された冷却剤中に熱を抽出することができる。熱交換デバイスは、冷却対象表面に隣接して配置することができる。例えば、熱交換デバイスは、エンジンの排気ノズル又は航空機の前縁といった熱に曝される表面に隣接して配置することができる。別の実施例では、熱交換デバイスは、プリント回路基板又はアビオニックスデバイスのようなその他の電子デバイスといった熱を発生させるデバイスに隣接して配置することができる。
【0060】
熱交換デバイスは、入口、出口、及び冷却対象表面から離間して配置された発泡セラミック部材を含むことができる。発泡セラミック部材は、図3を参照して記載した発泡セラミックのような、空隙率の高い発泡体を含むことができる。複数の熱伝導性延長プラグは、入口に隣接する発泡セラミック部材の第1の側から発泡セラミック部材を通って冷却対象表面まで延びることができる。入口に導かれる冷却剤は、入口から、発泡セラミック部材の孔を通って発泡セラミック部材と冷却対象表面との間の空間(又は流路)へ進むことができる。冷却剤は、発泡セラミック部材と冷却対象表面との間の空間を通って熱交換デバイスの出口へと進むことができる。特定の一実施形態では、冷却剤は、出口に到達する前に、発泡セラミック部材の孔を二回通過することができる。
【0061】
図12は、一又は複数の熱交換デバイスを含む航空機1200の特定の一実施形態の略図である。例えば、熱交換デバイスは、図1の熱交換デバイス100、図2の熱交換デバイス200、又はそれらの組み合わせを含むことができる。航空機1200は、少なくとも一つのエンジン1206、胴体1220、及び複数の翼又はその他の揚力生成表面1222も含むことができる。
【0062】
航空機1200は、高温の熱流束に曝される一又は複数の表面を含んでいる。特定の一実施形態では、加熱される表面は、航空機の外表面を含むことができる。例えば、熱に曝される表面は、特に高速飛行の間に、周囲の空気と摩擦接触することにより加熱されうる表面1202を含むことができる。別の特定の実施形態では、熱に曝される表面は、少なくとも一つのエンジン1206のエンジン排気ノズル1208の表面を含むことができる。排気ノズル1208は、排気ノズル1208の内表面のような、一又は複数の熱に曝される表面(図示しない)を含むことができる。
【0063】
航空機1200の熱交換デバイスは、熱に曝される表面に隣接する一又は複数の冷却板を含むことができる。例えば、第1の冷却板1204は、第1の熱に曝される表面1202に隣接して位置することができる。第1の冷却板1204は、第1の熱に曝される表面1202から熱を除去することができる。加えて、第2の冷却板1210は、一又は複数のエンジン1206の排気ノズル1208に又は排気ノズル1208の近くに配置することができる。特定の一実施形態では、冷却板1204及び1210は、冷却剤を受け取る入口と、その冷却剤を冷却板1204及び1210から離れる方へと導く出口とを含んでいる。冷却板1204及び1210は、冷却板1204及び1210の内側に一又は複数の発泡セラミック部材も含むことができる。このような一又は複数の発泡セラミック部材は、複数の孔を画定している。例えば、一又は複数の発泡セラミック部材は、図3を参照して記載したような発泡セラミックを含むことができる。冷却板1204及び1210は、熱に曝される表面から離れている側である冷却板の第1の側面から、発泡セラミック部材を経由して、熱に曝される表面に隣接する側である冷却板の第2の側面まで延びる複数の熱伝導性延長プラグも含むことができる。熱に曝される表面の第2の側は、熱伝導性の延長プラグの端部により発泡セラミック部材から離間させることができる。特定の一実施形態では、熱に曝される表面は、複数の熱伝導性延長プラグの第1端部に熱的に連結された熱伝導性且つ耐エロージョン性の層を含むことができる。
【0064】
図13及び14は、特定の実施形態による熱交換デバイスの性能特性のシミュレーション結果を示す図表である。図13は、図13に「一回通過式」構成として示される図1の熱交換デバイス100の性能特性のシミュレーション結果と、図13に「二回通過式」構成として示される図2の熱交換デバイス200の性能特性のシミュレーション結果との、二つのグラフを含んでいる。冷却剤としてラム空気を使用する熱交換デバイスの性能特性をシミュレーションした。このとき、ラム空気は、高度30,000フィート及び速度マッハ0.8という飛行条件下で導入された。ラム空気の温度は5°Fと推定された。このような飛行条件下でのラム空気に基づく許容可能な圧力低下は、1平方インチ当たり0.94ポンド(psid)に設定された。加えて、航空機の高温の熱流束表面の熱伝導率(hsurf)は、20BTU/時間−ft−°Fに設定した。
【0065】
一回通過式設計及び二回通過式設計の両方について、分析により長さ12インチに延長された長さ6インチの冷却板に基づく熱交換デバイスの性能特性をシミュレーションした。シミュレーションした熱交換デバイスは、約0.245インチ間隔の列に配置した延長プラグを含んでおり、各列中の延長プラグは中央で約0.49インチに設定された。各熱伝導性延長プラグは約0.14インチの直径(プラグ径)を有し、発泡セラミック部材を超えて約0.125インチだけ延長していた(プラグ延長部)。発泡セラミック部材は約0.15インチの厚さ(発泡体厚)を有し、冷却デバイスの全長(冷却板の長さ)は12インチであった。
【0066】
図13に示すように、予測される冷却剤の流量は、一回通過式については1秒間に1平方フィート当たり約0.038ポンド(Lb/秒−ft)であり、二回通過式については同約0.034ポンドである。このように、二回通過式は低い冷却剤流量で所望の冷却を行うことができる。
【0067】
図13は、熱交換デバイスの各構成に等価な攪拌空気薄膜冷却効果も示している。等価な攪拌空気薄膜冷却効果は、延長プラグ冷却板と高温ガスとの間の境界面において達成される温度を、対応する薄膜冷却効果に関連付けたものである。一回通過式構成の場合、等価攪拌空気薄膜冷却効果は約0.73であり、二回通過意識の場合、等価攪拌空気薄膜冷却効果は約0.77である。このように、二回通過式の冷却板は、一回通過式の冷却板の場合より、少ない流量の冷却剤で大きな冷却効果を生む。これらの値はまた、一回通過式構成及び二回通過式構成の両方が、積極的な薄膜冷却による冷却に匹敵しうること、しかも低い流量の冷却剤でそれが可能であることを示すものである。
【0068】
図14は、図2の二回通過式冷却板200の性能特性のシミュレーション結果を示す二つの図表を含んでいる。図14は、ラム空気供給圧を増大させることによりラム空気を強化したときに、二回通過式構成を用いて達成可能な追加的改善を示す。ラム空気の強化は、冷却剤の流量を顕著に増大させ、表面温度を低下させることにより、二回通過式構成の熱交換デバイスの等価攪拌空気薄膜冷却効果を更に向上させることができる。
【0069】
図14に示す性能シミュレーションのデータは、冷却剤流量及び等価攪拌空気薄膜冷却効果の両方について、流れを強化していない場合と流れを強化した場合とを比較したものである。このような比較は、二回通過式冷却板構成と、図13を参照して定義したビークル飛行条件とを使用して行った。ラム空気冷却剤を加圧して流れを強化することにより、1.94psidの冷却剤流の圧力低下に対して1.0psiの供給圧力の増大が生じ、供給温度が15°Fに上昇した。流れを強化した場合、流れを強化していない場合に0.034lbs/秒−ftであった冷却剤流が0.055lbs/秒−ftに増大した。冷却剤流のこのような増大は、等価攪拌空気薄膜冷却効果を、流れを強化していない場合の0.77から0.84に上昇させた。これにより、冷却剤の供給圧力の増大によって測定する限り、比較的低レベルの流れの強化で表面温度を大幅に低下させることが可能であることが示された。
【0070】
本明細書では、航空機に関連させて特定の実施形態について説明したが、ここに開示された熱交換デバイスは航空機での使用に限定されるものではない。そうではなく、耐熱、構成要素の冷却、又はその他の目的のために熱交換デバイスを使用するあらゆるビークルは、本発明の熱交換デバイスがもたらす設備及び運転費用の低減の恩恵を受けることができる。具体的には、宇宙船、陸上用ビークル、及び水上用ビークルは、耐熱及び熱管理を行うために、本発明の熱交換デバイスを使用することにより恩恵を受けることができる。加えて、本発明の熱交換デバイスは、建造物又はその他構造の熱管理など、移動手段以外の用途においても設備費用及び運営費用を低減させることができる。更に、冷却対象のシステムの運転上の制約に応じて、異なる冷却剤を使用することができる。具体的には、固定システム又は低速度で移動するシステムの場合、空冷では不十分な場合がある。したがって、液体又は相変化する冷却剤を使用することができる。加えて、ここに開示された実施形態は、冷却に関連して熱管理を説明しているが、本発明の熱交換デバイスは、同様に加熱にも使用することができる。即ち、比較的低温の材料(例えば、冷却剤)を使用して熱交換デバイスの表面を介して熱源から熱を除去する代わりに、本熱交換デバイスは、比較的高温の材料から熱を受け取って、その熱を、熱交換デバイスの表面を介してヒートシンクに供給することができる。
【0071】
本明細書に開示された実施形態の説明は、それら種々の実施形態の構造の全般的な理解を促すことを目的としている。説明は、本明細書に開示される構造又は方法を利用する装置及びシステムの要素及び特徴の全てを完全に説明することを目的としていない。本開示内容を読めば、当業者には他の多くの実施形態が自明であろう。本開示内容からは他の実施形態を利用及び獲得することができ、例えば本発明の範囲から逸脱することなく、構造的及び理論的置換と変更とを行うことができる。例えば、方法のステップを、図面に示す順序とは異なる順序で実行することができ、或いは一又は複数の方法ステップを省略することができる。したがって、本明細書及び添付図面は、制限的なものではなく、例示的なものである。
【0072】
更に、ここでは特定の実施形態を例示して説明したが、開示した特定の実施形態を、同じ又は類似の結果を達成するために後で設計されるあらゆる構成で置き換えることができる。本明細書は、種々の実施形態に後で行われる全ての変更又は変形例を含むことを意図している。本開示内容を読めば、当業者には、上述の実施形態の組み合わせ、及び本明細書には具体的には記載していないその他の実施形態が自明であろう。
【0073】
本出願の要約書は、特許請求の範囲又は意味を文字通りに解釈するものではなく、また制限するものでもない。加えて、上述の詳細な説明、種々の特徴は、本開示内容を合理化する目的で、一つにまとめる、或いは単一の実施形態として説明することができる。本開示内容は、特許請求される実施形態が、各請求項に明記されている特徴の他に更なる特徴を必要としていることを意味するものではない。そうではなく、特許請求の範囲に記載するように、特許請求の主題は、開示された任意の実施形態の全ての特徴のうちの一部を目的とするものである。
【符号の説明】
【0074】
100、200 熱交換デバイス
102、202 熱交換デバイスの第1の側面
104、204 熱交換デバイスの第2の側面
106、206、406 発泡セラミック部材
108、208 延長プラグ
110、210、410 熱伝導性接着剤
112、212 入口
114、214 出口
120、220 冷却剤
124、224 ダム
160、260 第1の流路
162、262 第2の流路
302 繊維
304 発泡セラミックの孔
434、436 鋳造層
432 開口
440 鋳造材料
1200 航空機
1202 加熱される表面
1204、1210 冷却板
1206 エンジン
1208 排気ノズル
1220 胴体
1222 揚力生成表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口を有するハウジングと、
前記ハウジング内部の、複数の孔を有する少なくとも一つの発泡セラミック部材と、
前記ハウジングの第1の側面から前記発泡セラミック部材を通って前記ハウジングの第2の側面まで延びる複数の延長プラグであって、前記ハウジングの第1の側面が、当該延長プラグの第1端部により前記少なくとも一つの発泡セラミック部材から離間して位置している複数の延長プラグと
を備えている熱交換デバイス。
【請求項2】
前記複数の延長プラグが窒化アルミニウムプラグを含む、請求項1に記載の熱交換デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも一つの発泡セラミック部材が、不規則な方向に向き且つ複数の孔を有する複数のセラミックファイバを含む、請求項1に記載の熱交換デバイス。
【請求項4】
前記入口に強制的に導入された冷却剤は、
前記複数の孔を介して前記少なくとも一つの発泡セラミック部材の厚みを通過し、そして
前記ハウジングの第1の側面と前記少なくとも一つの発泡セラミック部材との間の空間を通過して
出口まで流れる、請求項1に記載の熱交換デバイス。
【請求項5】
前記入口に強制的に導入された冷却剤は、
前記複数の孔を介して第1の方向に前記少なくとも一つの発泡セラミック部材の厚みを通過し、
前記ハウジングの第1の側面と前記少なくとも一つの発泡セラミック部材との間の空間を通過し、そして
前記複数の孔を介して第2の方向に前記少なくとも一つの発泡セラミック部材の厚みを通過して
出口まで流れる、請求項1に記載の熱交換デバイス。
【請求項6】
前記ハウジングの第1の側面が熱伝導性の層を含んでいる、請求項1に記載の熱伝導デバイス。
【請求項7】
前記ハウジングの第1の側面が窒化アルミニウムを含んでおり、更には複数のアルミナ−シリカ繊維を含んでいる、請求項1に記載の熱交換デバイス。
【請求項8】
前記ハウジングの第1の側面が熱伝導性接着剤により前記複数の延長プラグの第1端部に連結されており、且つ前記熱伝導性接着剤が室温加硫(RTV)接着剤を含む、請求項1に記載の熱交換デバイス。
【請求項9】
前記ハウジングの第2の側面が、前記複数の延長プラグの第2端部により前記少なくとも一つの発泡セラミック部材から離間して位置している、請求項1に記載の熱交換デバイス。
【請求項10】
前記ハウジングの第2の側面と前記少なくとも一つの発泡セラミック部材との間の出口に向かう冷却剤の流れを妨げる、冷却剤に対して不浸透性のダムを更に備える、請求項9に記載の熱交換デバイス。
【請求項11】
発泡セラミック部材の第1の側面に第1の鋳造層を付加すること、
発泡セラミック部材の第2の側面に第2の鋳造層を付加すること、
前記第1の鋳造層、前記発泡セラミック部材、及び前記第2の鋳造層を貫通する複数の開口を形成すること、
前記複数の開口に鋳造材料を導入すること、
前記鋳造材料を硬化させて、前記発泡セラミック部材を貫通する複数の延長プラグを形成すること、及び
前記発泡セラミック部材から前記第1及び第2の鋳造層を除去すること
を含む方法。
【請求項12】
前記鋳造材料がキャスタブル窒化アルミニウム材を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2の鋳造層の少なくとも一方がワックス層及びシリコン層の少なくとも一方からなる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記発泡セラミック部材の一又は複数の側面を、熱伝導性接着剤を用いて前記延長プラグの端部に連結することを更に含む、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−122815(P2011−122815A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−269044(P2010−269044)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】