説明

建具枠組込用壁体および建具枠組込用壁体の接合方法

【課題】柱部の下端部前面と半土台の前面との位置合せを容易にでき、かつ、柱部の前面に、他の壁を建具枠組込用壁体と直角に接合することができる建具枠組込用壁体を提供する。
【解決手段】柱部2,2と、柱部2,2の上端部に接合された壁パネル3とを備え、柱部2,2の下端面に半土台4の両端部が接合され、半土台4の両端部前面に、位置合せ板6,6がその上部を半土台4の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられ、位置合せ板6,6の上部裏面に、柱部2,2の下端部前面が当接されているので、柱部2,2の下端部前面と半土台4の前面とを面一にして、半土台4を柱部2,2に容易に接合できる。
また、位置合せ板6,6を、半土台4の両端部前面から取り外すことによって、柱部2,2の前面2cに、他の壁17を建具枠組込用壁体1と直角に接合することができる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右一対の柱部と、これら柱部の上端部間に配置されて該柱部の上端部に接合された壁パネルとを備えた建具枠組込用壁体および建具枠組込用壁体の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サッシ枠組込壁パネルの一例として、特許文献1に記載のものが知られている。このサッシ枠組込壁パネルは、矩形状の袖パネルとこれらの上端側側端面間に配設された矩形状の小壁パネルとからなるコ字状の連結パネルと、この連結パネルの前面側でかつ両袖パネルと小壁パネルとの内側に取付けられた掃き出し窓用サッシ枠と、前記両袖パネルの下端面に取付けられた半土台とからなり、前記掃き出し窓用サッシ枠の下枠が袖パネルの下端面より下側に突出し、かつ前記半土台あるいは胴差しの上端面に凹部が形成され、前記下枠が半土台あるいは胴差しの凹部に嵌入されてなることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−189367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記サッシ枠組込壁パネルにおいて、袖パネルに代えて柱状部材を使用する場合もある。
つまり、左右一対の柱部と、これら柱部の上端部間に配置されて該柱部の上端部に接合された壁パネルとを備え、前記壁パネルの下側でかつ前記柱部間が建具枠を組み込むための開口部とされた建具枠組込用壁体を使用する場合もある。
このような建具枠組込用壁体では、柱部の左右の幅が、袖パネルの左右の幅に比して非常に狭いので、柱部の下端部前面と、半土台の前面との位置合せ、つまり、柱部の下端部前面と半土台の前面とを面一にして、半土台を柱部に接合するのが容易ではない。
そこで、柱部の下端部前面と、半土台の前面とを面一とするような位置合せ部材を、柱部の下端部前面と半土台の前面とに亙って固定することも考えられるが、例えば、柱部の前面に、他の壁を建具枠組込用壁体と直角に接合するときに、位置合せ部材が邪魔になってしまうという問題が生じる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、柱部の下端部前面と半土台の前面との位置合せを容易にでき、かつ、柱部の前面に、他の壁を建具枠組込用壁体と直角に接合することができる建具枠組込用壁体および建具枠組込用壁体の接合方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、左右一対の柱部2,2と、これら柱部2,2の上端部間に配置されて該柱部2,2の上端部に接合された壁パネル3とを備え、前記壁パネル3の下側でかつ前記柱部2,2間が建具枠11を組み込むための開口部10とされた建具枠組込用壁体1において、
前記左右一対の柱部2,2の下端部間に半土台4が配置されるとともに、この半土台4の両端部が前記一対の柱部2,2の下端面に接合されており、
前記半土台4の両端部前面に、位置合せ板6,6がその上部を半土台4の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、
前記位置合せ板6,6の上部裏面に、前記柱部2,2の下端部前面が当接されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記半土台4の両端部前面に、位置合せ板6,6がその上部を半土台4の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、前記位置合せ板6,6の上部裏面に、前記柱部2,2の下端部前面が当接されているので、柱部2,2の下端部前面と半土台4の前面とを面一にして、半土台4を柱部2,2に容易に接合できる。
また、位置合せ板6,6を、半土台4の両端部前面から取り外すことによって、柱部2,2の下端部前面に位置合せ板6,6がない状態となるので、柱部2,2の前面に、他の壁17(図7参照)を建具枠組込用壁体1と直角に接合することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建具枠組込用壁体1において、
前記位置合せ板6,6の側部が前記半土台4の端部から横方向に突出していることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、位置合せ板6,6の側部が半土台4の端部から横方向に突出しているので、この突出している部分を裏側から金槌等で叩くことによって、位置合せ板6,6を半土台4の両端部前面から容易に取り外すことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の建具枠組込用壁体1において、
前記左右一対の柱部2,2の間に間柱部8が配置されるとともに、この間柱部8の上端面と下端面とがそれぞれ前記壁パネル3の下面と前記半土台4の上面とに接合されており、
前記半土台4の中間部前面に、位置合せ板9がその上部を半土台4の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、
前記位置合せ板9の上部裏面に、前記間柱部8の下端部前面が当接されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、左右一対の柱部2,2の間に配設される間柱部8の上端面と下端面とがそれぞれ前記壁パネル3の下面と前記半土台4の上面とに接合されているので、柱部2,2間の幅が大きくなっても、間柱部8によって建具枠組込用壁体1を補強でき、また、位置合せ板9がその上部を半土台4の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、前記位置合せ板9の上部裏面に、間柱部8の下端部前面が当接されているので、間柱部8の下端部前面と半土台4の前面とを面一にして、半土台4を間柱部8に容易に接合できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図4〜図7に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建具枠組込用壁体1において、
前記壁パネル3、前記左右一対の柱部2,2、前記半土台4によって囲まれた開口部、または、前記壁パネル3、前記柱部2、前記間柱部8、前記半土台4によって囲まれた開口部10に、予め建具枠11が組み込まれていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、建具枠組込用壁体1の開口部10に予め建具枠11が組み込まれているので、この建具枠11が組み込まれた建具枠組込用壁体1を建築現場まで搬送し、この建築現場で躯体(壁パネル16,17)に接合することによって、建築現場での建具枠11の組み込み作業を省略できる。
また、建築現場で建具枠組込用壁体1を躯体(壁パネル16,17)に接合した後、この建具枠組込用壁体1に組み込まれている建具枠11に建具を嵌め込んで、内側から鍵をすることによって、建築中の建物の防犯になる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図7に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建具枠組込用壁体1を、建築現場で施工される他の壁(壁パネル)17に接合する方法であって、
前記建築現場で前記建具枠組込用壁体1から前記位置合せ板6を取り外した後、前記柱部2の前面2cに他の壁(壁パネル)17を接合することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、建築現場で建具枠組込用壁体1から位置合せ板6を取り外した後、柱部2の前面2cに他の壁17を接合するので、他の壁17を建具枠組込用壁体1に隙間なく確実に接合できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、左右一対の柱部と、これら柱部の上端部間に配置されて該柱部の上端部に接合された壁パネルとを備えた建具枠組込用壁体において、前記左右一対の柱部の下端部間に半土台が配置されるとともに、この半土台の両端部が前記一対の柱部の下端面に接合されており、前記半土台の両端部前面に、位置合せ板がその上部を半土台の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、前記位置合せ板の上部裏面に、前記柱部の下端部前面が当接されているので、柱部の下端部前面と半土台の前面とを面一にして、半土台を柱部に容易に接合できる。
また、位置合せ板を、半土台の両端部前面から取り外すことによって、柱部の下端部前面に位置合せ板がない状態となるので、柱部の前面に、他の壁を建具枠組込用壁体と直角に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る建具枠組込用壁体の一例を示すもので、その正面図である。
【図2】同、側面図である。
【図3】同、半土台の一例を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図4】同、建具枠を取り付けた状態を示す正面図である。
【図5】同、図4に示すA−A線断面図である。
【図6】本発明に係る建具枠組込用壁体を基礎に設置した状態を示す正面図である。
【図7】本発明に係る建具枠組込用壁体を建築現場で施工される他の壁に接合する方法を説明する図であって、(a)は建具枠組込用壁体から位置合せ板を取り外した状態を示す要部の側面図、(b)は建具枠組込用壁体に他の壁を直角に接合した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る建具枠組込用壁体1の正面図、図2は同側面図である。これら図に示すように、建具枠組込用壁体1は、左右一対の柱部2,2と、これら柱部2,2の上端部間に配置されて該柱部2,2の上端部に接合された壁パネル3と、左右一対の柱部2,2の下端部間に配置されて、両端部が一対の柱部2,2の下端面に接合された半土台4とを備えている。
【0019】
柱部2は、柱部本体2aと、この柱部本体2aの側面に固定された方立2bとを備えている。柱部本体2aおよび方立2bは、それぞれ木質の角材で形成されており、柱部本体2aは方立2bより長くなっている。柱部本体2aの下端面と方立2bとの下端面は面一となっており、柱部本体2aの上端部は方立2bより上方に突出している。そして、この突出した柱部本体2a,2aの上端部間に、壁パネル3が配置されて該柱部本体2a,2aの側面に接合されている。なお、壁パネル3は複数枚の壁パネルを接合することによって構成してもよい。
【0020】
壁パネル3は、框材を矩形枠状に組み立てるとともに、その矩形枠内に必要に応じて補強桟材を組み付け、さらに、矩形枠の両面に合板等からなる面材を貼り付けてなるものである。このような壁パネル3の側端面が柱部本体2aの側面に接合されている。
この接合は、壁パネル3の側端面と柱部本体2aの側面とを接着剤によって接着するとともに、釘を壁パネル3の面材から框材を通して柱部本体2aまで斜め打ちするとともに、釘を柱部本体2aの正面から壁パネル3の框材に斜め打ちすることによって行われている。
また、壁パネル3の上端面と柱部本体2aの上端面とは面一になっている。また、壁パネル3の上縁部には、建具枠組込用壁体1をクレーン等によって吊り下げる際の吊穴5,5が形成されている。
【0021】
前記半土台4は、基礎の上面の外側半分に設置されるものであり、木質の角材によって形成されている。半土台4は、図2および図3に示すように、半土台本体4aと、この半土台本体4aの両端部上面に固定された調整材4b,4bと、半土台本体4aの中央部上面に固定された調整材4cとで構成されている。調整材4b,4cの上面は、半土台4を基礎の上面に設置した際に、床(床パネル)の上面と面一になるようになっている。つまり、半土台4を基礎の上面に設置した際に、半土台本体4aの上面は床の上面より低くなり、これによって、建具枠(サッシ枠)の下枠が床面とほぼ等しい高さか若干低く設置できるようになっている。
また、図1に示すように、半土台4の両端部の調整材4b,4bが柱部2,2の下端面に接合されている。すなわち、柱部2を構成する方立2bの下端面全体に調整材4bの上面の一部が接合されており、柱部2を構成する柱部本体2aの下端面の内側半分に調整材4bの上面の他部が接合されている。この接合は、2本釘を半土台本体4aの端部下面から調整材4bを通して方立2bおよび柱部本体2aに打ち込むとともに、接合面を接着剤によって接合することによって行われている。
【0022】
前記半土台4の両端部前面にはそれぞれ矩形板状の位置合せ板6が、その上部を半土台4の調整材4bの上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられている。また、位置合せ板6の側部は半土台4の端部から横方向に突出している。
位置合せ板6は、釘をその下部表面から半土台本体4aまたは調整材4bに打ち込んで仮留めすることによって、取り付けられており、接着剤等によっては接合されていない。したがって、位置合せ板6は、半土台4の端部から横方向に突出している側部の裏面を金槌等で叩いて釘を引き抜くことによって、半土台4から容易に取り外せるようになっている。
そして、この位置合せ板6の上部裏面に柱部2を構成する柱部本体2aの下端部前面が当接されている。つまり、半土台4を柱部2に接合する際に、位置合せ板6の上部裏面に柱部本体2aの前面を当接することによって、半土台4の前面と柱部2の下端部前面とが面一になるように位置合せを行うようになっている。
【0023】
また、前記左右一対の柱部2,2の間には間柱部8が柱部2と平行に配置されており、この間柱部8の上端面と下端面とがそれぞれ前記壁パネル3の下面と前記半土台4の調整材4cの上面とに接合されている。
間柱部8の上端面と壁パネル3の下面との接合は、壁パネル3の下面と間柱部8の上端面とを接着剤によって接着するとともに、釘を壁パネル3の面材から框材を通して間柱部8まで斜め打ちするとともに、釘を間柱部8の正面から壁パネル3の框材に斜め打ちすることによって行われている。
また、間柱部8の下端面と調整材4cの上面との接合は、2本釘を半土台本体4aの中央部下面から調整材4cを通して間柱部8に打ち込むとともに、接合面を接着剤によって接合することによって行われている。
【0024】
前記半土台4の中央部前面には矩形板状の位置合せ板9が、その上部を半土台4の調整材4cの上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられている。
位置合せ板9は、釘をその下部表面から半土台本体4aまたは調整材4cに打ち込んで仮留めすることによって、取り付けられており、接着剤等によっては接合されていない。したがって、位置合せ板9は、釘を引き抜くことによって、半土台4から容易に取り外せるようになっている。
そして、この位置合せ板9の上部裏面に間柱部8の下端部前面が当接されている。つまり、半土台4を間柱部8に接合する際に、位置合せ板9の上部裏面に間柱部8の前面を当接することによって、半土台4の前面と間柱部8の下端部前面とが面一になるように位置合せを行うようになっている。
【0025】
上記構成の建具枠組込用壁体1の開口部10,10には、図4および図5に示すように、工場等において予め建具枠11,11が組み込まれている。
前記開口部10は、壁パネル3、柱部2、間柱部8、半土台4によって囲まれた開口部であり、建具枠11は開口部10に嵌め込める矩形枠状のサッシ枠である。
建具枠(サッシ枠)11の下枠は、半土台4の上面とほぼ等しい高さか若干低く配置されている。
建具枠11を開口部10に嵌め込む場合、半土台4の中央部上面に取り付けられている位置合せ板9を取り外した後行うが、位置合せ板9を取り外さなくても、建具枠11の縦枠を間柱部8に取り付けることが可能であれば、位置合せ板9は取り外すことなく、そのまま残しておいてもよい。
【0026】
また、建具枠組込用壁体1の開口部10,10に建具枠11を組み込む際には、建具枠組込用壁体1の表面に、開口部10,10を除いて、図示しない透湿防水シートを貼着するとともに、建具枠11の周囲の防水施工も行う。
【0027】
そして、上記のようにして建具枠11が組み込まれた建具枠組込用壁体1は、工場から建築現場に搬送され、図5および図6に示すように、基礎15の上面に設置される。この場合、吊穴5,5によって建具枠組込用壁体1をクレーン等で吊り下げ、基礎15の上面に建具枠組込用壁体1の半土台4を図示しない台輪を介して設置する。なお、図5において符号14は床を構成する床パネルである。
また、基礎15上に設置される他の壁パネル16を建具枠組込用壁体1に接合する。接合する壁パネル16を建具枠組込用壁体1と平面視において一直線上に配置する場合、建具枠組込用壁体1の柱部2の側面と壁パネル16の側端面とを接合する。この場合、前記位置合せ板6,6は壁パネル16と干渉しないので、建具枠組込用壁体1に取り付けたままでもよい。
【0028】
一方、図7に示すように、建具枠11が組み込まれた建具枠組込用壁体1に、直角に他の壁パネル17を接合する場合には、建築現場で、建具枠組込用壁体1から位置合せ板6を取り外した後、建具枠組込用壁体1の柱部2の前面2cに、他の壁パネル17を接合する。位置合せ板6を取り外す場合、半土台4の端部から横方向に突出している側部の裏面を金槌等で叩いて釘を引き抜くことによって容易に取り外せる。
このように、建具枠組込用壁体1から位置合せ板6を取り外すことによって、他の壁パネル17を建具枠組込用壁体1に隙間なく確実に接合できる。
【0029】
本実施の形態によれば、半土台4の両端部前面に、位置合せ板6,6がその上部を半土台4の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、位置合せ板6,6の上部裏面に、柱部2,2の下端部前面が当接されているので、柱部2,2の下端部前面と半土台4の前面とを面一にして、半土台4を柱部2,2に容易に接合できる。
また、位置合せ板6を、半土台4の両端部前面から取り外すことによって、柱部2の下端部前面に位置合せ板がない状態となるので、柱部2の前面に、他の壁17を建具枠組込用壁体1と直角に接合することができる。
また、位置合せ板6の側部が半土台4の端部から横方向に突出しているので、この突出している部分を裏側から金槌等で叩くことによって、位置合せ板6を半土台4の両端部前面から容易に取り外すことができる。
【0030】
さらに、左右一対の柱部2,2の間に配設される間柱部8の上端面と下端面とがそれぞれ壁パネル3の下面と半土台4の調整材4cの上面とに接合されているので、柱部2,2間の幅が大きくなっても、間柱部8によって建具枠組込用壁体1を補強でき、また、位置合せ板9がその上部を半土台4の調整材4cの上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、位置合せ板9の上部裏面に、間柱部8の下端部前面が当接されているので、間柱部8の下端部前面と半土台4の前面とを面一にして、半土台4を間柱部8に容易に接合できる。
【0031】
加えて、建具枠組込用壁体1の開口部10に予め建具枠11が組み込まれているので、この建具枠11が組み込まれた建具枠組込用壁体1を建築現場まで搬送し、この建築現場で躯体(壁パネル16,17)に接合することによって、建築現場での建具枠11の組み込み作業を省略できる。
また、建築現場で建具枠組込用壁体1を躯体(壁パネル16,17)に接合した後、この建具枠組込用壁体1に組み込まれている建具枠11に建具を嵌め込んで、内側から鍵をすることによって、建築中の建物の防犯になる。
また、建築現場で建具枠組込用壁体1から位置合せ板6を取り外した後、柱部2の前面2cに他の壁(壁パネル)17を接合するので、他の壁(壁パネル)17を建具枠組込用壁体1に隙間なく確実に接合できる。
【符号の説明】
【0032】
1 建具枠組込用壁体
2 柱部
3 壁パネル
4 半土台
・ 位置合せ板
8 間柱部
10 開口部
11 建具枠
17 他の壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の柱部と、これら柱部の上端部間に配置されて該柱部の上端部に接合された壁パネルとを備え、前記壁パネルの下側でかつ前記柱部間が建具枠を組み込むための開口部とされた建具枠組込用壁体において、
前記左右一対の柱部の下端部間に半土台が配置されるとともに、この半土台の両端部が前記一対の柱部の下端面に接合されており、
前記半土台の両端部前面に、位置合せ板がその上部を半土台の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、
前記位置合せ板の上部裏面に、前記柱部の下端部前面が当接されていることを特徴とする建具枠組込用壁体。
【請求項2】
請求項1に記載の建具枠組込用壁体において、
前記位置合せ板の側部が前記半土台の端部から横方向に突出していることを特徴とする建具枠組込用壁体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建具枠組込用壁体において、
前記左右一対の柱部の間に間柱部が配置されるとともに、この間柱部の上端面と下端面とがそれぞれ前記壁パネルの下面と前記半土台の上面とに接合されており、
前記半土台の中間部前面に、位置合せ板がその上部を半土台の上面から突出するようにして取り外し可能に取り付けられており、
前記位置合せ板の上部裏面に、前記間柱部の下端部前面が当接されていることを特徴とする建具枠組込用壁体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の建具枠組込用壁体において、
前記壁パネル、前記左右一対の柱部、前記半土台によって囲まれた開口部、または、前記壁パネル、前記柱部、前記間柱部、前記半土台によって囲まれた開口部に、予め建具枠が組み込まれていることを特徴とする建具枠組込用壁体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の建具枠組込用壁体を、建築現場で施工される他の壁に接合する方法であって、
前記建築現場で前記建具枠組込壁体から前記位置合せ板を取り外した後、前記柱部の前面に他の壁を接合することを特徴とする建具枠組込用壁体の接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−248813(P2010−248813A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100438(P2009−100438)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】