説明

建材を製造する方法と装置

本発明は、天候の影響に曝される建材、例えば金属製の建材、特にセクショナルドア・パネルまたは巻き上げドア・スラット等を製造する方法に関わり、しかも、この方法では、必要な場合には既にベースコーティングが施されている建材が印刷される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天候の影響に曝される建材、例えば金属製の建材、特にセクショナルドア・パネル、巻き上げドア・スラット等の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、金属建材は、建物の正面区域で使用される。特に閉じた状態で外側の仕切り面が天候の影響に曝されるドア、特にセクショナルドアの製造に使用される。好ましい外観を得るには、建材が天候の影響に曝されても見た目に好ましい性質を保持するように配慮せねばならない。この目的のために、現在、用いられている金属板製の建材は、建材として必要な形態を付与する前にラッカー塗装と焼き付け処理を施される。ラッカーは金属基材上に焼き付けられることで、所望の耐候性が得られる。そのように準備処理を施された金属板は、例えばセクショナルドア・パネル等の建材を得るためには、例えばロール成形等の成形工程を施され、その工程では、ラッカー塗装された金属板が保管品(巻き体)から引き出され、連続的に成形用ロールにかけられる。その後で、成形金属板は、必要とあれば、更に発泡断熱材を付加され、例えば特許文献1に記載のように、既述のセクショナルドア・パネルを得るために他の金属板と継ぎ合わされる。
【0003】
その場合、ラッカー塗装は、成形工程の間に、ラッカー表面が損傷されないように行わねばならない。場合によって、ラッカー塗装済みの金属板は、成形工程前に行われるエンボス加工、例えば「木目加工」を損傷なしに切り抜ける必要がある。
【0004】
建材は、通常、さまざまな色や装飾を有するように製造される。したがって、相応に前処理された金属板の保管品を種々用意しておく必要がある。幾つかの構成上の希望に対しては、前処理済み金属板にフォイルを被着させ、事情によっては、それらのフォイルに更に、所望の耐候性を与えるために保護フォイルを被着させることも要求される。例えば、それは、金属建材に木材状の装飾を施そうとする場合である。その場合には、木材状装飾フォイルを金属基材上に被着させた後、装飾フォイル上にアクリルフォイルが重ねられる。アクリルフォイルは、この場合、約50μmの厚さでよい。その場合にも、各装飾に対して、相応に用意された金属板の保管品(巻き体)を用意しておかねばならない。このため、在庫維持という大きな問題がともなう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ヨーロッパ特許公開第370376号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術のこの問題に対して、本発明の根底をなす課題は、天候の影響に曝される建材、特にセクショナルドア・パネル、それも所望の外観を有する建材を、在庫維持のための過大な出費なしに用意できる方法を提供し、該当する建材を提示し、前記方法を実施する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は、公知の方法の改良形式により解決され、該改良形式は、事実上、既に成形された、場合により既にベースコーティングが施された建材を印刷することを特徴としている。
本発明は、所望の外観を得るには、出発材料に例えば成形またはエンボス等の加工前に、所望の装飾を施す必要はないという認識に基づいている。むしろ、所望の装飾は、成形加工の終了後に施しても十分である。したがって、任意の外観を有する複数建材を同一の出発材料を用いて製造でき、それによって在庫管理が全体として簡単化される。
【0008】
印刷工程は、コンピュータ制御のデジタル式の画像データに基づいて行われる。したがって、本発明の方法によれば、任意の外観や特定顧客用の外観をも建材に与えることができる。また顧客が用意した画像データ、例えばJPGデータを利用することもできる。このため、本発明による方法を使用することで、在庫管理が簡単化するだけでなく、製造過程の可変性も増大する。しかも、印刷は、建材の連続的な生産の製造ラインの終わりに、建材を成形した後に、場合により断熱発泡材付加処理した後に、但し所望長さへの建材切断前に、行うことができる。
【0009】
本発明の一好適実施例の場合、建材表面の印刷は、インキ・ジェット式印刷機形式の印刷装置で行われるが、そのさい、建材の被印刷表面と印刷ヘッドとの相対運動が生じせしめられ、その相対運動中に、建材表面へインキを吹き付けるように構成された少なくとも1つのインキ・ノズルが、被印刷表面を通過する。このような形式で、例えば簡単な印刷ヘッドを使用して、出発材料として通常の白色焼き付けラッカー塗装された金属板を用いて、任意の白黒のモチーフを建材表面に作成することができる。その場合には、黒色のインキのみが使用される。建材表面にカラー表現を与えるには、相対運動中に、印刷ヘッドの、2つまたは3つ以上のインキ・ノズルを、場合により順次に被印刷表面を通過させるのが有利であることが分かった。インキ・ノズルを相応に調節し、場合によりコンピュータ制御することによって、任意の形式およびカラーのモチーフを建材表面に作成できる。そのさい、従来式のインキ・ジェット印刷機のように、藍、赤紫、黄の三原色と、場合によっては、淡色の赤紫と淡色の藍が、減色混合により任意のカラーを得るために使用できる。
【0010】
建材と単数または複数の印刷ヘッドとを相対運動させるには、印刷ヘッドを固定フレームに対して往復運動させると同時に、建材を、往復運動に対し直角方向に印刷ヘッドとフレームに対して移動させることができる。本発明の特に好ましい一実施形式の場合、単数または複数の印刷ヘッドがフレームに対して固定配置され、相対運動が、もっぱらインキ・ノズルに対する建材の運動によって行われる。その場合、インキ・ノズルは、建材の送り運動に応じて制御され、建材に混合モチーフが印刷される。そのために、コンピュータ制御式印刷装置を用いることができる。
【0011】
印刷用のインキとしては、特にUV硬化型インキを使用できる。このインキは、吹き付けまたは塗布直後に放射線硬化工程で紫外線照射により硬化される。この化学的な硬化の場合、始めは流動的な、または低粘度のインキが、架橋または重合により不可逆的な状態に固定される。この硬化工程は、十分に集中的なUV照射により瞬時に終了できる。このために、印刷ヘッドにUV照射装置を備えておくのが好ましく、それによって、吹き付け直後にインキを硬化させることができる。硬化が迅速に行われることで、建材の印刷速度、ひいては通過速度を高めることができる。更に、インキの乾燥を長時間待つ必要はないので、印刷工程に直ぐ続けて別のコーティングを実施できる。
【0012】
UV硬化型インキは、耐候性があまり高くないので、通常、外側区域には使用できない。しかし、印刷により得られた外観は天候の影響にも確実に耐えられねばならない。このため、建材の印刷表面には、耐候性のコーティングを付加するのが好ましい。本発明の特に好適な一実施例では、インキの早期硬化後に耐候性のコーティングが被着される。その場合、印刷により得られた外観は、耐候性コーティングの被着により著しい影響を受けることはなく、たとえ僅かな影響があったとしても、印刷工程で相応に修正することで補償可能なことが判明した。
耐候性コーティングは、例えば耐候性の、好ましくは透明な特殊インキの形式、または塗布可能な液状の実質的に透明なラッカー形式でよい。
【0013】
印刷工程後、印刷で得られた建材外観は、耐候性コーティングが、好ましくは50μm以下、特に好ましくは35μm以下のノズル口径を有するコーティング・ノズルを介して印刷表面に吹き付けられることで、長持ちさせることができる。この耐候性コーティングの吹き付けの場合にも、印刷表面とコーティング・ノズルとの相対運動を利用できる。この相対運動も、印刷装置の固定フレームに対し建材を移動させることで行うのが好ましく、しかも、フレームに対しコーティング・ノズルを固定配置しておく。その場合、多数のコーティング・ノズルを建材の移動方向に対し直角方向に延びるようにし、建材の単なる送り運動により建材の全面に耐候性コーティングを被着できるようにするのが好ましい。
【0014】
本発明の特に好適な一実施例の場合、建材表面に対する印刷ヘッドとコーティング・ノズル間の相対運動が、特に建材の送り運動によって生み出され、送り運動の経過中にインキ・ノズルの後から、コーティング・ノズルが、印刷済みの表面区域を通過しコーティングする。この作業は、例えば、印刷ヘッドに付加的にコーティング・ノズルを配置し、該ノズルにコーティング材料の溜めを配属しておくことで実施できる。インキ・ノズルとコーティング・ノズルとは、その場合、一緒に移動できる。固定印刷ヘッドを有するこの好適実施例では、単数または複数のコーティング・ノズルが独立の部材として構成される。
【0015】
印刷工程中に、被コーティング表面に対してインキ・ノズルを往復運動させることもでき、その場合には、被コーティング表面は、インキ・ノズルの運動方向と直角の方向にインキ・ノズルに対して移動する。その場合、特に好都合と判明したのは、少なくとも1コーティング・ノズルをインキ・ノズルの各側に備えることである。その場合、印刷工程およびそれに続くコーティング工程を各運動方向で行い、先ずインキで印刷し、直ぐに続けて印刷済み表面をコーティング材料で被覆することが可能になる。これにより、製造工程が明らかに迅速化できる。
【0016】
製造方向に対し横方向に400mm以上の幅を有する従来のセクショナルドア・パネルの製造方法では、印刷されコーティングされる建材が、少なくとも1印刷ヘッドと少なくとも1コーティング・ノズルとを有するコーティング装置を、相応の通過速度で通過する場合、毎分10m以上、好ましくは毎分15m以上、特に好ましくは毎分20m以上の製造速度が可能なことが判明している。製造速度を高めるには、移動方向に対し横方向の印刷方向に2つまたは3つ以上の相応のコーティング・ノズルを備えた印刷ヘッドをコーティング装置に並置し、それにより各印刷ヘッドが狭い表面区域をコーティングするだけでよいようにする。その場合、コーティング処理は固定印刷ヘッドによって行うことができる。
【0017】
本発明の方法は、この方法によって達せられる材料節減に関しても有利であることが判明している。なぜなら、印刷によるインキの全厚が、僅か15μm以下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下で十分だからであり、しかも、耐候性コーティングの全厚も、僅か15μm以下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下で、所望の耐候性を得ることができる。インキとコーティング材料との全厚は30μm以下にすることができる。
【0018】
以上の説明から分かるように、本発明による方法は、金属建材を製造する連続的な方法に統合でき、この方法の場合、場合によりベースコーティングされた帯状金属が、連続的な加工工程で保管体(巻き体)から引き出され、例えば成形や断熱発泡材付加処理等の加工を施され、印刷され、コーティングされ、場合によっては所定長さに切断される。
本発明の方法で得られた建材は、事実上、耐候性コーティングを付加できる印刷済み表面区域を有することを特徴としている。
【0019】
特に、2つの金属板の間に断熱芯を挟み込んだいわゆるサンドイッチ型建材の場合、建材の黒っぽく色着けされた外側仕切り面が日光に曝されて温度上昇した時には、問題が生じる。なぜなら、外側と内側の仕切り面の温度差が建材に熱応力を生じさせ、そのために、建材が反り返る恐れがあるからである。この悪い効果は、ベースコーティングおよび/またはインキおよび/または耐候性コーティングが、750nmを超える波長域で特に高い反射度を有する顔料を含有することで低減できる。なぜなら、該顔料を含有しない場合には、太陽スペクトルの熱放射の大部分は、吸収されて建材温度を上昇させるが、該顔料を含有する場合には、吸収されることなく反射され、温度上昇効果を生じさせないからである。相応の遮熱性顔料を使用した場合、特に好都合と判明したのは、建材のコーティング表面の平均反射度(入射波に対する反射波の強度比)が、波長域750nm‐2500nmの電磁波の場合、入射角45°で0.1以上、好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.25以上の場合である。
【0020】
前述の説明から分かるように、前記遮熱性顔料の使用が特に有利なのは、建材が、印刷済み表面と、印刷済み表面とは反対側の仕切り面との間にポリウレタンフォーム等の低熱伝導率材料が間挿されている場合である。本発明による建材で作られたセクショナルドア・パネルは、所与のヒンジ軸を介して互いにヒンジ結合された複数建材を有し、しかも、ヒンジ軸に対し直角に延びる切断平面での建材の形態は、EP370376Aに記載のセクショナルドア・パネルの形態に合致するようにすることができる。
【0021】
本発明によるセクショナルドアの場合、ほぼ垂直平面に整合する閉じ位置と、ほぼ水平面に整合する開位置との間を移動可能である。このために、セクショナルドアは、ドア・パネルに加えて案内レールを有しており、該案内レールが、閉じ位置を規定するための、ほぼ重力方向に直線的に延びる第1部分と、開位置を規定するための、ほぼ水平方向に直線的に延びる第2部分と、水平に延びる部分と垂直に延びる部分とを結合する円弧状部分とを有している。加えて、セクショナルドアは、更に、閉じ位置でドア・パネル囲むサッシを有することができ、その場合には、ドア・パネルに、場合によっては、パス・ドアすなわちくぐり戸を組み込むこともできる。
【0022】
本発明による方法を実施する本発明によるコーティング設備は、場合により既にベースコーティングを被着済みの金属建材の表面に印刷するように構成された少なくとも1つの印刷ヘッドと、好ましくは、これに加えて印刷済み表面に耐候性コーティングを被覆するように構成されたコーティング装置、特にコーティング・ノズルとを有している。この場合、該コーティング装置のコーティング・ノズルにはコーティング材料入れる溜めを配属しておくことができる。所望の加工特性を得るために、コーティング材料の粘度は、例えばメトキシプロパノールまたはイソプロピルアルコール等の溶剤を用いて目標粘度に調整できる。この溶剤は、空気に触れると蒸発するので、コーティング工程終了後に、コーティング特性に影響することはない。
【0023】
コーティング材料は、従来式インキジェット・プリンタのインキ・ノズル形式のコーティング・ノズルで被着させることができる。その場合、コーティング材料の粘度は、50mPas以下、好ましくは10mPas以下、特に好ましくは5mPasに調整される。コーティング材料としては、特に、耐候性の、好ましくは透明の特殊インキまたは透明ラッカーを使用する。透明ラッカーは、特に優れた耐候性に加えて、更に高い耐引掻き性を有し、極めて高い耐紫外線性を有するように配慮する。透明ラッカーは、また6‐7μmの厚さにコーティングでき、コーティング後に紫外線により硬化させる。その場合、被コーティング建材は、印刷済み表面が重力方向に延びるように配置され、透明ラッカーまたはインキが、相応に整合された建材の上縁部からノズルにより被着されるのがよいことが判明した。重力の影響により、透明ラッカーまたはインキが、建材の印刷済み表面に分配され、場合により、引き続いてUV硬化処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるコーティング設備の略示斜視図。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下で、本発明を、本発明にとって重要な、既述の説明では詳細には明らかにされなかった細部について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0026】
図示のコーティング設備には、成形工程で得られた建材10が、未だ所定長さに裁断されていない状態で略示されている。建材は、全体を符号20で示された印刷ヘッドの下方を矢印Pで示された方向に連続的に送られる。その場合、印刷ヘッドは、送り方向の矢印Pに対し直角方向の両方向矢印DPの方向に往復動可能である。印刷ヘッド20は、2つのコーティング・ノズル22,24を含み、その各々が、建材10の表面に耐候性コーティングを吹き付けるように構成されている。印刷ヘッド20は、また合計3つのインキ・ノズル25,26,27を含み、その各々が、各1つのカラーのインキで建材を印刷するように構成されている。コーティング・ノズル22,24は、そのうちの1つだけを用いて、インキ・ノズル25および/または26および/または27により印刷された建材区域を、印刷後にコーティングするように制御される。インキ・ノズルとコーティング・ノズルとの間には、UV発生装置を配置できる。インキ・ノズルは、建材10の表面が所望の、例えば特定顧客向けの画像データによる所定のモチーフで印刷されるように、カラーの印刷に応じてコンピュータを介して制御される。こうして建材表面に任意のモチーフを作成できる。
【0027】
本発明は、図示の実施例に限定されるものではない。むしろ、2つまたは3つ以上の印刷ヘッドを、送り方向Pと直角の方向に並置して、個々の印刷ヘッドの印刷幅を狭めることで生産速度を全体として高めることができる。更に、本発明による方法は、金属建材の印刷にだけではなく、例えばプラスチック等の他の材料製の建材の印刷にも使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天候の影響に曝される建材、例えば金属建材、特にセクショナルドア・パネルまたは巻き上げドア・リーフ等を製造する方法において、
場合により既にベースコーティングを施された建材を印刷することを特徴とする、天候の影響に曝される建材を製造する方法。
【請求項2】
印刷時に建材の被印刷表面と印刷ヘッドとが相対運動を行うようにし、その運動の過程で、建材表面にインキを吹き付けるように構成された、印刷ヘッドの少なくとも1つのインキ・ノズルが、被印刷建材表面上方を移動することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記相対運動の過程で印刷ヘッドの2つまたは3つ以上のインキ・ノズルが、場合により順次に被印刷建材表面上方を移動することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記インキが、印刷工程後に特にUV照射により硬化されることを特徴とする、請求項2または請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記印刷ヘッドが紫外線を発生させる装置を含み、それにより、インキの硬化がインキ吹き付け直後に行われることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの印刷済み建材表面区域が、特にインキ硬化後に、耐候性コーティングで、例えば耐候性の特殊インキで、または実質的に透明で流動的に被着可能なラッカーで被覆されることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記耐候性コーティングが、好ましくは50μm以下の、特に好ましくは35μmのノズル口径を有するコーティング・ノズルを介して、印刷済みの建材表面に吹き付けられることを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
耐候性コーティングの吹き付けのために、印刷済み建材表面とコーティング・ノズルとの相対運動を生じさせることを特徴とする。請求項7記載の方法。
【請求項9】
印刷ヘッドとコーティング・ノズルの両方が一緒に、建材表面に対して相対運動を行い、その相対運動の過程で、コーティング・ノズルが、印刷済みの建材表面区域をインキ・ノズルの後で通過することを特徴とする、請求項7または請求項8記載の方法。
【請求項10】
印刷時、インキが、層全厚15μm以下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下に被着されることを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記耐候性コーティングが、合計層厚15μm以下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下に被着されることを特徴とする、請求項6から請求項10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記建材が、印刷時およびコーティング時に、少なくとも1つの印刷ヘッドと少なくとも1つのコーティング・ノズルとを有するコーティング設備を、好ましくは毎分10m以上、より好ましくは毎分15m以上、最も好ましくは毎分20m以上の通過速度で通過することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
帯状金属が、連続的な過程で保管品(巻き体)から引き出され、例えば成形等の加工を受けた後、印刷され、コーティングされ、場合により所定長さに裁断されることを特徴とする、請求項1から請求項12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
建材において、
請求項1から請求項13までのいずれか1項記載の方法を用いて製造された建材。
【請求項15】
前記ベースコーティングおよび/またはインキおよび/または耐候性コーティングが、750nmを超える波長域で特に高い反射度を有する顔料を含有することを特徴とする、請求項14記載の建材。
【請求項16】
コーティング済みの建材表面の平均反射度が、750nm‐2500nmの波長域の電磁波の場合、45°の入射角で0.1以上、好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.25以上であることを特徴とする、請求項14または請求項15記載の建材。
【請求項17】
コーティング済みの建材表面と該表面と反対側の仕切り面との間に熱伝導率の低い材料、例えばポリウレタンフォーム等が配置されていることを特徴とする、請求項14から請求項16までのいずれか1項記載の建材。
【請求項18】
セクショナルドア・パネルにおいて、
請求項14から請求項17までのいずれか1項記載の建材を有するセクショナルドア・パネル。
【請求項19】
セクショナルドアにおいて、
請求項18記載のセクショナルドア・パネルを有するセクショナルドア。
【請求項20】
請求項1から請求項13までのいずれか1項記載の方法を実施するコーティング設備において、
場合により既にベースコーティングを施された金属建材表面を印刷するように構成された少なくとも1つの印刷ヘッドを有しているコーティング設備。
【請求項21】
前記コーティング設備が、印刷済み建材表面を耐候性コーティングで被覆するように構成されたコーティング装置、特にコーティング・ノズルを有することを特徴とする、請求項20記載のコーティング設備。
【請求項22】
前記コーティング装置がコーティング材料を入れた溜め容器を有することを特徴とする、請求項21記載のコーティング設備。
【請求項23】
前記コーティング材料が、コーティング材料の粘度を目標値に調節するための溶剤、例えばメトキシプロパノールまたはイソプロピルアルコール等を含有することを特徴とする、請求項22記載のコーティング設備。
【請求項24】
コーティング材料の前記粘度が50mPas以下、好ましくは10mPas以下、特に好ましくは5mPas以下であることを特徴とする請求項22または請求項23記載のコーティング設備。

【図1】
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【公表番号】特表2012−531543(P2012−531543A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516590(P2012−516590)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004018
【国際公開番号】WO2011/000576
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511312377)
【Fターム(参考)】