説明

建物のコーナー部構造

【課題】外観性を向上できるとともに、コストを低減させることが可能な建物のコーナー部構造を提供することを目的とする。
【解決手段】平板状を呈する一方の外装材本体2と、平板状を呈する他方の外装材本体3とが、一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとコーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込むようにして接合されていることを特徴とする建物のコーナー部構造。これにより、例えば平面視略L字型のコーナー用外装材本体を用いずとも、コーナー部を確実に形成することができる。また、一方の外装材本体の表面に貼り付けられる複数のタイルと、他方の外装材本体の表面に貼り付けられる複数のタイルとが、コーナー部を介して連続しているように見せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物のコーナー部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の外観に変化を与え、見映えがよいこと等から、タイルを貼り付けた外壁が好んで用いられている。このタイルの貼り付けは、例えば下階部分の全面に行うこともあり、一般のサイディングと隣り合わせて、下階、あるいは上階の一部に行うこともある。そして、タイルの貼り付けは、既に取り付けられたタイル用下地材に、モルタル等を用いて現場で接着、取り付けすることが一般的である。
しかし、この場合、現場作業が多くなるという課題があることから、その課題を解決し、より効率的にタイル貼りを行おうと、予め、工場等において製作されたタイル外壁を用いることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の技術は、建物のコーナー部を除く壁面全体に、幅方向一端に下サネを他端に上サネを備えた外装材が貼り付けられ、コーナー部に、両端に上サネを備えたコーナー用外装材が取り付けられる建物のコーナー部構造に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−169882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、建物のコーナー部を施工するに際し、特許文献1に記載のコーナー用外装材のように、タイルを貼り付ける下地となる平面視略L字型の外装材本体を用いる場合のコストは、平板状を呈する一方および他方の外装材本体同士を接合して建物のコーナー部を施工する場合に比して、平面視略L字型の外装材本体を用いる分、コストが高くなるという問題がある。
そこで、このような平面視略L字型の外装材本体を用いずに、平板状を呈する一方の外装材本体のコーナー側端部と、平板状を呈する他方の外装材本体のコーナー側端部とを接合して建物のコーナー部を形成したいという要望がある。
しかしながら、例えば、一方の外装材本体のコーナー側端部と、他方の外装材本体のコーナー側端部とを接合してコーナー部を形成する場合、一方の外装材本体の表面に貼り付けられるタイルのコーナー側端部と、他方の外装材本体の表面に貼り付けられるタイルのコーナー側端部との間隔が、一方または他方の外装材本体の厚み分、空いてしまうことになり、外観上、好ましくない。
このため、このように一方の外装材本体のコーナー側端部と、他方の外装材本体のコーナー側端部とを接合してコーナー部を形成する際に、コーナー部の外観性を向上できる技術の開発が望まれていた。
【0005】
本発明の課題は、外観性を向上できるとともに、コストを低減させることが可能な建物のコーナー部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図7に示すように、平板状を呈する一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと、平板状を呈する他方の外装材本体3のコーナー側端部3aとを接合してなる建物のコーナー部構造において、
前記一方および他方の外装材本体2,3の表面に複数のタイル4…,5…が貼り付けられており、
これら複数のタイル4…,5…のうち、長寸部4aと短寸部4bとを有することによって平面視略L字型に形成されるコーナー用タイル4が、前記一方の外装材本体2に対して、前記長寸部4aを該外装材本体2の表面に当接させるとともに、前記短寸部4bを該外装材本体2のコーナー側端面2bに当接させるようにして貼り付けられ、さらに、前記他方の外装材本体3に対して、前記長寸部4aを該外装材本体3の表面に当接させるとともに、前記短寸部4bを該外装材本体3のコーナー側端面3bから所定間隔離間させるようにして貼り付けられており、
これら一方の外装材本体2に貼り付けられるコーナー用タイル4と、他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4とは、これら一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との接合部分の高さ方向に沿って交互に並列するようにして配置されており、
前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とは、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込むようにして接合されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記一方の外装材本体2に貼り付けられるコーナー用タイル4と、他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4とは、これら一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との接合部分の高さ方向に沿って交互に並列するようにして配置されており、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とは、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込むようにして接合されているので、例えば平面視略L字型のコーナー用外装材本体を用いずとも、コーナー部1を確実に形成することができる。これによって、例えば平面視略L字型のコーナー用外装材本体を用いてコーナー部を形成する場合に比して、コストを低減させることができる。
また、コーナー用タイル4が、前記一方の外装材本体2に対して、前記長寸部4aを該外装材本体2の表面に当接させるとともに、前記短寸部4bを該外装材本体2のコーナー側端面2bに当接させるようにして貼り付けられ、さらに、前記他方の外装材本体3に対して、前記長寸部4aを該外装材本体3の表面に当接させるとともに、前記短寸部4bを該外装材本体3のコーナー側端面3bから所定間隔離間させるようにして貼り付けられているので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込んだ際に、前記一方の外装材本体2の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…と、他方の外装材本体3の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…とが、コーナー部1を介して連続しているように見せることができる。
これによって、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと、前記他方の外装材本体3のコーナー側端部3aとを接合してコーナー部1を形成する際に、コーナー部1の外観性を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図2〜図7に示すように、請求項1に記載の建物のコーナー部構造において、
前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法は、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法以上となるように設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法は、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法以上となるように設定されているので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に、確実に差し込むことができる。
すなわち、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法と、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法とが等しくなるように設定されることによって、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に確実に差し込むことができる。さらに、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法が、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法を超過するように設定されることによっても、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に確実に差し込むことができ、かつ差し込みやすくなる。
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法が、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法を超過するように設定されていれば、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとの間や、前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に隙間を形成できるので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの差し込み時に、コーナー用タイル4の前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bよりも突出する部分が割れてしまうことを防ぐことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図2および図3に示すように、請求項2に記載の建物のコーナー部構造において、
前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bは、この他方の外装材本体3bの正面および背面に対して所定の角度に傾いており、
この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法が、前記他方の外装材本体3の正面側から背面側に向かうにつれて徐々に広くなるように設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法が、前記他方の外装材本体3の正面側から背面側に向かうにつれて徐々に広くなるように設定されているので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込む際には、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、徐々に狭くなる前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の隙間に沿ってガイドしながら差し込むことができる。
これによって、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に、より確実かつ差し込みやすくすることが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図2〜図7に示すように、請求項2または3に記載の建物のコーナー部構造において、
前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に防水手段6,7,8が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に防水手段6,7,8が設けられているので、防水性を向上させることができ、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との間からの雨水等の浸入を確実に防ぐことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図6および図7に示すように、請求項2〜4のいずれか一項に記載の建物のコーナー部構造において、
前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に、これら一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとを係合させるための係合手段9,10が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に、これら一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとを係合させるための係合手段9,10が設けられているので、この係合手段9,10によって、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとを係合させることができ、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とを確実かつ強固に接合することができる。
これによって、例えば、前記一方および他方の外装材本体2,3が、経年変化等によって万が一、前記一方および他方の外装材本体2,3が収縮しようとしても、前記一方の外装材2と他方の外装材本体3との接合部分に隙間が生じにくくなるので、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間の防水性の低下を抑制することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば図1〜図7に示すように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物のコーナー部構造において、
前記一方および他方の外装材本体2,3の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…は、上下に隣り合うタイル4,5間の横目地11が、前記外装材本体2,3の高さ方向に、略等しい間隔となるように配置されるとともに、左右に隣り合うタイル4,5間の縦目地12が前記外装材本体2,3の高さ方向に沿って不連続となるように配置されており、
前記一方の外装材本体2の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…のうち、前記コーナー用タイル4…を除くコーナー側端部2a近傍に位置するタイル5…は、コーナー側端部2aから、前記他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4の短寸部4bの長さよりも長い間隔をあけるようにして配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、前記一方および他方の外装材本体2,3の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…は、上下に隣り合うタイル4,5間の横目地11が、前記外装材本体2,3の高さ方向に、略等しい間隔となるように配置されるとともに、左右に隣り合うタイル4,5間の縦目地12が前記外装材本体2,3の高さ方向に沿って不連続となるように配置されているので、前記一方の外装材本体2に貼り付けられるコーナー用タイル4と、前記他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4とを、確実に、これら一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との接合部分の高さ方向に沿って交互に並列するようにして配置することができる。
また、前記一方の外装材本体2の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…のうち、前記コーナー用タイル4…を除くコーナー側端部2a近傍に位置するタイル5…は、コーナー側端部2aから、前記他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4の短寸部4bの長さよりも長い間隔をあけるようにして配置されているので、前記一方の外装材本体2と前記他方の外装材本体3とを、前記他方の外装材本体3のコーナー用タイル4の短寸部4bが、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2a近傍に位置するタイル5…に接触しないように確実に接合させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一方の外装材本体に貼り付けられるコーナー用タイルと、他方の外装材本体に貼り付けられるコーナー用タイルとは、これら一方の外装材本体と他方の外装材本体との接合部分の高さ方向に沿って交互に並列するようにして配置されており、一方の外装材本体と他方の外装材本体とは、一方の外装材本体のコーナー側端部を、他方の外装材本体のコーナー側端面とコーナー用タイルの短寸部との間に差し込むようにして接合されているので、例えば平面視略L字型のコーナー用外装材本体を用いずとも、コーナー部を確実に形成することができる。これによって、例えば平面視略L字型のコーナー用外装材本体を用いてコーナー部を形成する場合に比して、コストを低減させることができる。
また、コーナー用タイルが、一方の外装材本体に対して、長寸部を該外装材本体の表面に当接させるとともに、短寸部を該外装材本体のコーナー側端面に当接させるようにして貼り付けられ、さらに、他方の外装材本体に対して、長寸部を該外装材本体の表面に当接させるとともに、短寸部を該外装材本体のコーナー側端面から所定間隔離間させるようにして貼り付けられているので、一方の外装材本体のコーナー側端部を、他方の外装材本体のコーナー側端面とコーナー用タイルの短寸部との間に差し込んだ際に、一方の外装材本体の表面に貼り付けられる複数のタイルと、他方の外装材本体の表面に貼り付けられる複数のタイルとが、コーナー部を介して連続しているように見せることができる。
これによって、一方の外装材本体のコーナー側端部と、他方の外装材本体のコーナー側端部とを接合してコーナー部を形成する際に、コーナー部の外観性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の建物のコーナー部構造を示しており、(a)は一方の外装材本体を正面視した状態であり、(b)は他方の外装材本体を正面視した状態である。
【図2】本発明の建物のコーナー部構造の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】同、平面図である。
【図4】本発明の建物のコーナー部構造の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】同、平面図であり、(a)は一方の外装材本体のコーナー側端部の差し込み前の状態を示しており、(b)は差し込み後の状態を示している。
【図6】本発明の建物のコーナー部構造の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図7】同、平面図であり、(a)は一方の外装材本体のコーナー側端部の差し込み前の状態を示しており、(b)は差し込み後の状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1において符号1は、コーナー部を示す。このコーナー部1は、平板状を呈する一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと、平板状を呈する他方の外装材本体3のコーナー側端部3aとを接合することによって形成される。
なお、図示はしないが、これら一方および他方の外装材本体2,3は、例えば、コーナー部1に立設される断面四角形状の柱や、一方の壁パネルと他方の壁パネルとを接合することによって所定角度のコーナー部分を備える外壁等のコーナー下地に取り付けられている。
【0022】
また、前記一方および他方の外装材本体2,3としては、例えば軽量気泡コンクリートやケイ酸カルシウム板等の無機材料系のものが用いられており、所定の厚さ寸法に設定された矩形状のものである。
このような一方および他方の外装材本体2,3を、コーナー下地に固定する際は、例えば釘等の止着材によって固定してもよいし、専用の固定金具を用いて固定してもよい。
また、これら一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とは、例えば、一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの正面側から、他方の外装材本体3のコーナー側端面3bに向かって釘打ち等を行うことによって接合固定されている。
【0023】
また、これら一方および他方の外装材本体2,3の表面には、複数のタイル4…,5…が貼り付けられている。
これら複数のタイル4…,5…は、上下に隣り合うタイル4,5間の横目地11が、前記外装材本体2,3の高さ方向に、略等しい間隔となるように配置されるとともに、左右に隣り合うタイル4,5間の縦目地12が前記外装材本体2,3の高さ方向に沿って不連続となるように配置されている。
【0024】
前記複数のタイル4…,5…としては、前記一方および他方の外装材本体2,3のコーナー側端部2a,3aに設けられるコーナー用タイル4と、前記一方および他方の外装材本体2,3のうち、前記コーナー用タイル4が設けられない部分に設けられるタイル5とが挙げられる。
【0025】
前記コーナ用タイル4は、長寸部4aと短寸部4bとを有することによって、平面視略L字型に形成されている。
また、前記タイル5は、矩形板状に形成されている。
また、これらコーナー用タイル4の長寸部4aおよび短寸部4bの厚さ寸法と、前記タイル5の厚さ寸法とは略等しくなるように設定されている。さらに、これらコーナー用タイル4の長寸部4aおよび短寸部4bの高さ寸法と、前記タイル5の高さ寸法とは略等しくなるように設定されている。
【0026】
また、前記コーナー用タイル4は、前記一方の外装材本体2に対して、前記長寸部4aを該外装材本体2の表面に当接させるとともに、前記短寸部4bを該外装材本体2のコーナー側端面2bに当接させるようにして貼り付けられている。
さらに、前記コーナー用タイル4は、前記他方の外装材本体3に対して、前記長寸部4aを該外装材本体3の表面に当接させるとともに、前記短寸部4bを該外装材本体3のコーナー側端面3bから所定間隔離間させるようにして貼り付けられている。
【0027】
また、前記一方の外装材本体2に貼り付けられるコーナー用タイル4と、前記他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4とは、これら一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との接合部分の高さ方向に沿って交互に並列するようにして配置されている。
【0028】
そして、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とは、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込むようにして接合されている。
【0029】
なお、前記一方の外装材本体2の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…のうち、前記コーナー用タイル4…を除くコーナー側端部2a近傍に位置するタイル5…は、コーナー側端部2aから、前記他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4の短寸部4bの長さよりも長い間隔をあけるようにして配置されている。
また、前記一方および他方の外装材本体2,3にそれぞれ貼り付けられるコーナー用タイル4の短寸部4bの寸法は、この短寸部4bの突出方向側端面と、前記一方および他方の外装材本体2,3の背面とが面一となる位置までの長さに設定されている。したがって、本実施の形態において、前記コーナー用タイル4…を除くコーナー側端部2a近傍に位置するタイル5…は、コーナー側端部2aから、少なくとも前記他方の外装材本体3の厚さ寸法分よりも大きな間隔をあけて配置されている。
なお、これに限られず、前記短寸部4bの寸法は、さらに長尺に設定してもよいものとする。前記コーナー用タイル4…を除くコーナー側端部2a近傍に位置するタイル5…のコーナー側端部2aからの配置間隔は、前記短寸部4bの寸法によって適宜変更する。
【0030】
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法は、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法以上となるように設定されている。
より詳細には、図2および図3に示すように、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bは、この他方の外装材本体3bの正面および背面に対して所定の角度に傾いており、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法が、前記他方の外装材本体3の正面側から背面側に向かうにつれて徐々に広くなるように設定されている。
【0031】
すなわち、前記他方の外装材本体3の正面側のコーナー側縁部から、この他方の外装材本体3の表面に貼り付けられたコーナー用タイル4の短寸部4bまでの寸法が、前記一方の外装材本体2のコーナー側端面2bの短手方向の長さ(すなわち、外装材本体2の厚さ寸法)と略等しくなるように形成されている。
また、前記他方の外装材本体3の背面側のコーナー側縁部から、この他方の外装材本体3の表面に貼り付けられたコーナー用タイル4の短寸部4bまでの寸法は、前記一方の外装材本体2のコーナー側端面2bの短手方向の長さ(すなわち、外装材本体2の厚さ寸法)よりも長くなるように形成されている。
【0032】
したがって、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込む際には、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、徐々に狭くなる前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の隙間に沿ってガイドしながら差し込むことができる。
そして、前記一方の外装材本体2のコーナー側端面2bが前記他方の外装材本体3に貼り付けられたコーナー用タイル4に当接する位置まで差し込まれた際に、これら一方の外装材本体2のコーナー側端面2bと、この一方の外装材本体2のコーナー側端面2bが前記他方の外装材本体3に貼り付けられたコーナー用タイル4に当接する部分とが、ぴったりと当接し合うことになるので、前記一方の外装材本体2と前記他方の外装材本体3との接合状態を向上させることができる。
【0033】
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間には防水手段6が設けられている。
この防水手段6は、本実施の形態ではコーキング剤が用いられている。
すなわち、前記一方の外装材本体2のコーナー側端面2bを前記他方の外装材本体3に貼り付けられたコーナー用タイル4に当接する位置まで差し込んだ際には、図3に示すように、差し込まれた一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとの間には隙間S1が形成されることになる。この隙間S1に前記コーキング剤6が充填されている。
【0034】
本実施の形態によれば、前記一方の外装材本体2に貼り付けられるコーナー用タイル4と、他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4とは、これら一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との接合部分の高さ方向に沿って交互に並列するようにして配置されており、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とは、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込むようにして接合されているので、例えば平面視略L字型のコーナー用外装材本体を用いずとも、コーナー部1を確実に形成することができる。
これによって、例えば平面視略L字型のコーナー用外装材本体を用いてコーナー部を形成する場合に比して、コストを低減させることができる。
【0035】
また、コーナー用タイル4が、前記一方の外装材本体2に対して、前記長寸部4aを該外装材本体2の表面に当接させるとともに、前記短寸部4bを該外装材本体2のコーナー側端面2bに当接させるようにして貼り付けられ、さらに、前記他方の外装材本体3に対して、前記長寸部4aを該外装材本体3の表面に当接させるとともに、前記短寸部4bを該外装材本体3のコーナー側端面3bから所定間隔離間させるようにして貼り付けられているので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込んだ際に、前記一方の外装材本体2の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…と、他方の外装材本体3の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…とが、コーナー部1を介して連続しているように見せることができる。
これによって、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと、前記他方の外装材本体3のコーナー側端部3aとを接合してコーナー部1を形成する際に、コーナー部1の外観性を向上させることができる。
【0036】
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法は、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法以上となるように設定されているので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に、確実に差し込むことができる。
【0037】
すなわち、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法と、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法とが等しくなるように設定されることによって、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に確実に差し込むことができる。
さらに、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法が、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法を超過するように設定されることによっても、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に確実に差し込むことができ、かつ差し込みやすくなる。
【0038】
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法が、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法を超過するように設定されていれば、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとの間や、前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に隙間を形成できるので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの差し込み時に、コーナー用タイル4の前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bよりも突出する部分が割れてしまうことを防ぐことができる。
【0039】
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法が、前記他方の外装材本体3の正面側から背面側に向かうにつれて徐々に広くなるように設定されているので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込む際には、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、徐々に狭くなる前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の隙間に沿ってガイドしながら差し込むことができる。
これによって、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に、より確実かつ差し込みやすくすることが可能となる。
【0040】
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に防水手段6が設けられているので、防水性を向上させることができ、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との間からの雨水等の浸入を確実に防ぐことができる。
【0041】
また、前記一方および他方の外装材本体2,3の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…は、上下に隣り合うタイル4,5間の横目地11が、前記外装材本体2,3の高さ方向に、略等しい間隔となるように配置されるとともに、左右に隣り合うタイル4,5間の縦目地12が前記外装材本体2,3の高さ方向に沿って不連続となるように配置されているので、前記一方の外装材本体2に貼り付けられるコーナー用タイル4と、前記他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4とを、確実に、これら一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との接合部分の高さ方向に沿って交互に並列するようにして配置することができる。
【0042】
また、前記一方の外装材本体2の表面に貼り付けられる複数のタイル4…,5…のうち、前記コーナー用タイル4…を除くコーナー側端部2a近傍に位置するタイル5…は、コーナー側端部2aから、前記他方の外装材本体3に貼り付けられるコーナー用タイル4の短寸部4bの長さよりも長い間隔をあけるようにして配置されているので、前記一方の外装材本体2と前記他方の外装材本体3とを、前記他方の外装材本体3のコーナー用タイル4の短寸部4bが、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2a近傍に位置するタイル5…に接触しないように確実に接合させることができる。
【0043】
(第2の実施の形態)
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
【0044】
本実施の形態の建物のコーナ部構造は、図4および図5に示すように、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法は、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法以上となるように設定されており、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に防水手段7が設けられている。
【0045】
ここで、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれた一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとの間には隙間S2が形成されている。
そして、この隙間S2に、前記防水手段7が設けられている。また、この防水手段7としては、図5(a)に示すような防水目地材が用いられている。
【0046】
この防水目地材7は、弾力性を備えるとともに平面視において略平行四辺形状に、かつコーナー部1の高さ方向に沿って長尺に形成されており、一側面が前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bに固定されている。また、他側面は、前記隙間S2の奥行き方向に沿って凹凸状に形成されている。
また、この防水目地材7は上述のように平行四辺形状に形成されているため、この防水目地材7の他側面は、前記一側面の固定位置よりも横方向に位置している。すなわち、この防水目地材7の他側面は、前記他方の外装材本体3の背面側に突出するようにして設けられている。
また、この防水目地材7の厚さ寸法Lは、前記隙間S2の幅寸法lよりも大きくなるように設定されている。すなわち、この防水目地材7は上述のように弾力性を備えているので、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと短寸部4bとの間に差し込む際に、前記防水目地材7は撓んで平行四辺形の状態から変形し、さらに、この防水目地材7の他側面の凹凸も差し込み方向に向かって靡くようにして撓むことになる。これによって、前記防水目地材7は、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aに密接することになる。
【0047】
なお、この防水目地材7は、例えばゴム等の樹脂を押出成形によって成形したものが用いられているが、これに限られるものではなく、弾力性を備え、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とは、例えば、一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの正面側から、他方の外装材本体3のコーナー側端面3bに向かって釘打ち等を行うことによって接合固定されているものとする。
【0048】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じ効果を得ることができるとともに、前記隙間S2を構成することで、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に確実に差し込むことができ、かつ差し込みやすくなる。
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に防水手段7が設けられているので、防水性を向上させることができ、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との間からの雨水等の浸入を確実に防ぐことができる。
【0049】
(第3の実施の形態)
次に、図面を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1および第2の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
【0050】
本実施の形態の建物のコーナー部構造は、図6および図7に示すように、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法は、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法以上となるように設定されており、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に防水手段8が設けられている。
さらに、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に、これら一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとを係合させるための係合手段9,10が設けられている。
【0051】
ここで、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれた一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとの間には隙間S3が形成されている。
そして、この隙間S3に、前記防水手段8である防水材と、前記係合手段10である被係合金物が設けられている。
【0052】
すなわち、前記防水材8は、コーナー部1の高さ方向に沿って長尺に形成されており、一側面が前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bに固定されている。なお、この防水材材8はコーキング剤等の湿式材料でもよいし、ゴム等の乾式材料でもよい。本実施の形態においては、ゴム等の樹脂を押出成形によって成形したものが用いられている。
また、前記被係合金物10は、図7に示すように平面視において略コ字型に形成されている。さらに、この被係合金物10の厚さ寸法は、前記隙間S3の幅寸法よりも薄くなるように形成されている。また、この被係合金物10は、コーナー部1の高さ方向に沿って所定の間隔をあけて点在するようにして配置されている。
【0053】
また、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの背面側には、前記被係合金物10に係合する係合手段である係合金物9が取り付けられている。また、この係合金物9は、前記コーナー側端部2aの背面側に、前記コーナー側端面2bから前記防水材8の分のスペースを空けて取り付けられている。
また、この係合金物9は、図7に示すように平面視において略逆コ字型に形成されており、前記被係合金物10と略等しい厚さ寸法に設定されている。
【0054】
そして、前記係合金物9は図7に示すように平面視において略逆コ字型とされ、前記被係合金物10は図7に示すように平面視において略コ字型とされているので、これら係合金物9と被係合金物10とは、互いにかみ合うように構成されていることになる。
したがって、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと短寸部4bとの間に差し込む際に、これら係合金物9と被係合金物10とがかみ合うことになる。これによって、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとを係合させることができる。
なお、図7(b)に示すように、これら係合金物9と被係合金物10とを互いにかみ合わせた状態の厚さ寸法が、前記隙間S3の幅寸法と略等しくなるように設定されている。
【0055】
また、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とは、前記係合手段9,10の係合によって接合されるとともに、一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの正面側から、他方の外装材本体3のコーナー側端面3bに向かって釘打ち等を行うことによって固定されていてもよいものとする。
【0056】
本実施の形態によれば、第1および第2の実施の形態と同じ効果を得ることができるとともに、前記隙間S3を構成することで、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に確実に差し込むことができ、かつ差し込みやすくなる。
また、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に防水手段8が設けられているので、防水性を向上させることができ、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3との間からの雨水等の浸入を確実に防ぐことができる。
【0057】
さらに、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に、これら一方の外装材本体2のコーナー側端部2aと他方の外装材本体3のコーナー側端面3bとを係合させるための係合手段9,10が設けられているので、この係合手段9,10によって、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとを係合させることができ、前記一方の外装材本体2と他方の外装材本体3とを確実かつ強固に接合することができる。
これによって、例えば、前記一方および他方の外装材本体2,3が、経年変化等によって万が一、前記一方および他方の外装材本体2,3が収縮しようとしても、前記一方の外装材2と他方の外装材本体3との接合部分に隙間が生じにくくなるので、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間の防水性の低下を抑制することができる。
【0058】
なお、上述のように、第1〜第3の実施の形態においては、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと、この他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間に差し込まれる一方の外装材本体2のコーナー側端部2aとの間に、前記隙間S1,S2,S3を形成する構成としたが、これに限られるものではなく、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間の寸法を、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aの厚さ寸法と略等しくなるように設定して、前記一方の外装材本体2のコーナー側端部2aを、前記他方の外装材本体3のコーナー側端面3bと前記コーナー用タイル4の短寸部4bとの間にぴったりと納める構成としてもよいものとする。
【符号の説明】
【0059】
1 コーナー部
2 一方の外装材本体
2a コーナー側端部
2b コーナー側端面
3 他方の外装材本体
3a コーナー側端部
3b コーナー側端面
4 コーナー用タイル
4a 長寸部
4b 短寸部
5 タイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状を呈する一方の外装材本体のコーナー側端部と、平板状を呈する他方の外装材本体のコーナー側端部とを接合してなる建物のコーナー部構造において、
前記一方および他方の外装材本体の表面に複数のタイルが貼り付けられており、
これら複数のタイルのうち、長寸部と短寸部とを有することによって平面視略L字型に形成されるコーナー用タイルが、前記一方の外装材本体に対して、前記長寸部を該外装材本体の表面に当接させるとともに、前記短寸部を該外装材本体のコーナー側端面に当接させるようにして貼り付けられ、さらに、前記他方の外装材本体に対して、前記長寸部を該外装材本体の表面に当接させるとともに、前記短寸部を該外装材本体のコーナー側端面から所定間隔離間させるようにして貼り付けられており、
これら一方の外装材本体に貼り付けられるコーナー用タイルと、他方の外装材本体に貼り付けられるコーナー用タイルとは、これら一方の外装材本体と他方の外装材本体との接合部分の高さ方向に沿って交互に並列するようにして配置されており、
前記一方の外装材本体と他方の外装材本体とは、前記一方の外装材本体のコーナー側端部を、前記他方の外装材本体のコーナー側端面と前記コーナー用タイルの短寸部との間に差し込むようにして接合されていることを特徴とする建物のコーナー部構造。
【請求項2】
請求項1に記載の建物のコーナー部構造において、
前記他方の外装材本体のコーナー側端面と前記コーナー用タイルの短寸部との間の寸法は、前記一方の外装材本体のコーナー側端部の厚さ寸法以上となるように設定されていることを特徴とする建物のコーナー部構造。
【請求項3】
請求項2に記載の建物のコーナー部構造において、
前記他方の外装材本体のコーナー側端面は、この他方の外装材本体の正面および背面に対して所定の角度に傾いており、
この他方の外装材本体のコーナー側端面と前記コーナー用タイルの短寸部との間の寸法が、前記他方の外装材本体の正面側から背面側に向かうにつれて徐々に広くなるように設定されていることを特徴とする建物のコーナー部構造。
【請求項4】
請求項2または3に記載の建物のコーナー部構造において、
前記他方の外装材本体のコーナー側端面と、この他方の外装材本体のコーナー側端面と前記コーナー用タイルの短寸部との間に差し込まれる前記一方の外装材本体のコーナー側端部との間に防水手段が設けられていることを特徴とする建物のコーナー部構造。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の建物のコーナー部構造において、
前記他方の外装材本体のコーナー側端面と、この他方の外装材本体のコーナー側端面と前記コーナー用タイルの短寸部との間に差し込まれる前記一方の外装材本体のコーナー側端部との間に、これら一方の外装材本体のコーナー側端部と他方の外装材本体のコーナー側端面とを係合させるための係合手段が設けられていることを特徴とする建物のコーナー部構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物のコーナー部構造において、
前記一方および他方の外装材本体の表面に貼り付けられる複数のタイルは、上下に隣り合うタイル間の横目地が、前記外装材本体の高さ方向に、略等しい間隔となるように配置されるとともに、左右に隣り合うタイル間の縦目地が前記外装材本体の高さ方向に沿って不連続となるように配置されており、
前記一方の外装材本体の表面に貼り付けられる複数のタイルのうち、前記コーナー用タイルを除くコーナー側端部近傍に位置するタイルは、コーナー側端部から、前記他方の外装材本体に貼り付けられるコーナー用タイルの短寸部の長さよりも長い間隔をあけるようにして配置されていることを特徴とする建物のコーナー部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−38332(P2011−38332A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187096(P2009−187096)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】