説明

建物の外壁出隅部構造

【課題】大地震時におけるように建物が変形した際にも外壁出隅部が破損しないようにする。
【解決手段】コンクリート製の壁パネル1,1’からなる外壁Aを有する鉄骨ラーメン造の建物の外壁出隅部構造は、出隅側端面1iを平面視45度の角度となるように加工されて出隅部が平面視直角となるように出隅側端面1iが対向した一対の壁パネル1’と、対向した一対の出隅側端面1i間に充填されたシール材11と、からなる。壁パネル1’は、地震時に建物の層間変形に対応してロッキングするロッキング機構により躯体2に取り付けられ、対向した一対の出隅側端面1i間の離間寸法tは、建物に想定される最大の層間変形量に基づいて設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁出隅部構造に関する。さらに詳述すると、本発明は、コンクリート系材料からなる壁パネルを取り付けて外壁を構成する鉄骨造建物における外壁出隅部の構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、躯体にALC(Autoclaved Light-weight Concrete;軽量気泡コンクリート)等のコンクリート系材料からなる壁パネルを取り付けて外壁を構成する鉄骨造建物においては、地震時の躯体の層間変形に応じて壁パネルが傾く、いわゆるロッキング機構を備えた壁パネルが利用されている(例えば特許文献1,2参照)。このような構成にすると、建物が変形しても壁パネルの固定部分に有害な力が作用して固定部分が破壊され、壁パネルが脱落することがない。
【0003】
このような建物の出隅部の構成としては、断面略L字状の出隅部専用の壁パネルを用いる構成(例えば特許文献3参照)や、出隅部を構成する一方の壁パネルの裏面に他方の壁パネルの端面を突き付ける構成(例えば特許文献4参照)が一般的である。また、コンクリートパネルの小口端面を長手方向に傾斜切断して傾斜部を形成したコーナーパネルによって建物の出隅部の外壁を構成する例も開示されている(例えば特許文献5参照)。
【特許文献1】実開昭61−95807号公報
【特許文献2】特開平1−158144号公報
【特許文献3】特開2000−314195号公報
【特許文献4】特開2001−248249号公報
【特許文献5】特開平11−36495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献3の出隅部構造において、出隅部専用の壁パネルは出隅部の柱に固定される。鉄骨ラーメン造構造の躯体の場合、大地震時に柱は略S字状に変形するので、当該柱に固定された出隅部専用の壁パネルは柱の変形に追従できず破損するおそれがある。また、柱の変形に追従できたとしても、これに隣接する平部の壁パネルは長方形を保ったままロッキングするので、平部の壁パネルと出隅部の壁パネルどうしが接触して壁パネルが破損するおそれがある。
【0005】
また、特許文献4の出隅部構造においては、一方の壁パネルの裏面に他方の壁パネルの端面を突き付けるように構成するので、大地震時、裏面に突き付けられたパネルに対し面外方向に押し出すような力が作用して壁パネルが破損するおそれがある。
【0006】
さらに、特許文献5の出隅部構造においては、コーナーパネルどうしを可動連結部材にて連結させる構成が記載されているが、大地震時に躯体が変形した場合、コーナーパネルの破損から免れるとは限らない。
【0007】
そこで、本発明は、大地震時におけるように建物が変形した際にも外壁出隅部が破損しないようにした建物の外壁出隅部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。従来の出隅部が断面略L字状の専用壁パネルを用いるものであったり、一方の壁パネルの裏面に他方の壁パネルの端面を突き付けるものであったりしたのは、その部分の外観を重視していたためであり、この観点からは多くの技術が提案されている。しかし、外観と強度を両立させうるような躯体へのパネル取付手法については開示がない。このような状況下、外観を損なうことなく壁パネルの破損を回避することについて検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
【0009】
本発明はかかる知見に基づくものであり、コンクリート製の壁パネルからなる外壁を有する鉄骨ラーメン造の建物の外壁出隅部構造であって、出隅側端面を平面視45度の角度となるように留め加工されて平面視直角となるように出隅側端面が対向した2枚の壁パネルと、対向した一対の出隅側端面間に充填されたシール材と、からなり、壁パネルは、地震時に建物の層間変形に対応してロッキングするロッキング機構により躯体に取り付けられ、対向した一対の出隅側端面間の離間寸法は、建物に想定される最大の層間変形量に基づいて設定されているというものである。
【0010】
この外壁出隅部構造においては、出隅部を構成する一対の壁パネルを出隅側端面が平面視45度の角度となるように加工し、出隅側端面どうしを対向させた状態でロッキング機構により躯体に取り付けられる。この際、一対の出隅側端面間の離間寸法は、建物において想定される最大の層間変形量に基づいて設定されているので、想定される最大の地震が発生した場合でも出隅部において壁パネルどうしが接触して破損することがない。
【0011】
また、上述の出隅構造において、上下梁の外側フランジ先端位置と出隅部に位置する柱の外側表面とは略面一であり、ロッキング機構は、建物の平面モジュールに基づく幅を有する壁パネルと、建物の外壁に沿った位置に配置された上下梁と、上下梁の外壁寄り位置に起立した起立片と、壁パネルの下端付近の裏面略中央に取り付けられ、且つ下梁の起立片に掛止されて、壁パネルの揺動を可能に当該壁パネルの下部を支持する支持金物と、壁パネルの上端付近の裏面略中央に回動可能に取り付けられ、且つ上梁の起立片に掛止されて壁パネルの上部を吊り支持する掛止部材と、からなり、上下梁の起立片には、建物の平面モジュールに基づくピッチで掛止溝が形成され、掛止部材は、当該壁パネルに連続して取り付けられる上階の壁パネルを支持する支持金物との干渉を避ける位置から突出し起立片の掛止溝に対応した形状を有する掛止片を備え、該掛止片を介して起立片に位置決めされた状態で掛止されることも好ましい。
【0012】
このようなロッキング機構によって外壁を構成した場合、起立片の掛止溝に掛止部材の掛止片を掛止するだけで壁パネルを正確な位置に配置して、一対の出隅側端面間の離間寸法を当初の設計に極めて近い数値とすることができ、壁パネルどうしの接触を確実に回避することができる。
【0013】
また、このような建物の外壁出隅部構造において、壁パネル裏面と柱との間には、外壁の平部を構成する壁パネルの裏面に配置された断熱材と略同一厚さの断熱材が連続的に配置されていることも好ましい。出隅部を構成する一対の壁パネルの出隅側端面が離間している場合、当該出隅部において熱橋(ヒートブリッジ)が生じやすいことがある。この場合の外壁出隅部において、出隅に配置された柱の裏側に断熱材を配置することにより、熱橋による結露の発生を抑止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、大地震時におけるように建物が変形した際にも外壁出隅部が破損しないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1〜図6に本発明にかかる建物の外壁出隅部構造の実施形態を示す。この外壁出隅部構造は、例えばコンクリート系材料からなる壁パネル1を取り付けて外壁Aを構成する鉄骨造建物などに適用されるものである。本実施形態の外壁出隅部構造は、出隅側端面が対向した一対の壁パネル1と、対向した一対の出隅側端面間に充填されたシール材と、からなる。壁パネル1は、地震時に建物の層間変形に対応してロッキングするロッキング機構により躯体2に取り付けられる。対向した一対の出隅側端面間の離間寸法tは、建物に想定される最大の層間変形量に基づいて設定されている。
【0017】
なお、本発明が適用される建物は、コンクリート製の壁パネル1からなる外壁を有する鉄骨ラーメン造のものであれば特に限定されることはないが、具体例を例示すれば以下のとおりである。すなわち、305mmの平面モジュールを有する3層の鉄骨ラーメン造の工業化住宅であり、各階の階高(梁上端から上層の梁上端までの寸法)は2860mmに統一されている。また、角形鋼管からなる柱14、継手13、H形鋼からなる鉄骨梁2aを高力ボルト接合してラーメン構造の架構が構成されている。床はモジュールに基づく幅(610mm、305mm)と長さ(610〜1830mm)を有するALC(Autoclaved Light-weight Concrete)の床パネルにて構成されており、この床パネルは、短辺2辺を梁(または梁に支持された小梁)で支持されている。外壁Aはモジュールに基づく幅(610mm、305mm)を有するALCの壁パネル1にて構成されている。梁のフランジ部分やウェブ部分にはモジュールに基づくピッチで小梁、外壁パネル取付用のアングル等をボルトで固定するための孔が穿たれている。
【0018】
以下では、まず、位置決めの基準点を明確にして位置決め作業に要する手間と時間を低減させるようにした壁パネル1の取付構造を、平部(出隅部以外の部分)に適用した場合を例示しつつ説明する(図1〜図4参照)。その後、この壁パネル1の取付構造が適用され、尚かつ地震時に壁パネル1が破損するのを回避するようにした外壁出隅部構造の好適な一例を説明する(図5等参照)。
【0019】
<平部における壁パネル1の取付構造>
躯体2は、各階に水平に設置された鉄骨梁(上下梁)2a等を含む。例えば本実施形態における各階の上下梁は、H形鋼からなる鉄骨梁2aにより構成されている(図2等参照)。また、H形鋼からなる鉄骨梁2aの例えば上面には、ボルト10aおよびナット10bあるいは工場溶接によって定規アングル3が固着されている(図1参照)。
【0020】
定規アングル3は、引っ掛けプレート6および自重受け金具8が取り付けられるものであり、当該鉄骨造建物における外壁Aを構成する壁パネル1の厚さ方向及び幅方向の位置を規定する機能を有する。定規アングル3の、当該定規アングル3に取り付けられる壁パネル1の幅方向中央に対応する位置には、外壁Aを構成する壁パネル1と同数の引っ掛けプレート6および自重受け金具8が配置される。さらに、定規アングル3の起立片3aが鉄骨梁2aよりも外壁A寄りの位置に起立した状態となるように当該定規アングル3は鉄骨梁2aに固着されている。また、建物の平面モジュールに基づく幅に設定されている壁パネル1に対応し、起立片3aには複数の掛止溝3bが平面モジュールに基づくピッチ(本実施例では平面モジュールの2分の1である152.5mm)で形成されている(図1、図3参照)。また、鉄骨梁2aと柱14との接合部で鉄骨梁2aが分割されるのに対応して定規アングル3も分割されるが、起立片3aは柱14の外側にも延伸させてほぼ隙間なく連続するように構成され、掛止溝3bも等ピッチで連続するように構成されている。(図2参照)。なお、掛止溝3bは、各長ボルト6aの左右方向の位置合わせを行いやすくするという点では、図に示すようにV字形状など上側が広がった形に形成されていることが好ましい。
【0021】
壁パネル1は、建物の平面モジュールに基づく幅に設定されているもので、下端付近の中央で躯体2に取り付けられ、尚かつ上端付近の中央で躯体2に対して回動可能に支持される。また、隣接する壁パネル1の間に形成された縦目地11に充填されるシール材を介して隣接する壁パネル1を連結することにより、外壁Aが構成されている。隣接する壁パネル1どうしで互いに幅を変えることもできる(図2参照)。
【0022】
壁パネル1としては特に限定するものではなく、建物の外壁Aを構成し得る壁パネル、例えば押出成形版,ALC板等の壁パネルを選択的に用いることが可能である。なお、本実施形態では壁パネル1としてALC板を用いている。
【0023】
この壁パネル1の側面1aは、その隅部が長手方向の全長に亘って面取りされ、更に表面側にはシール材を充填する為の欠き込み部(シーリングポケット)が形成された構成となっている(図3参照)。壁パネル1を躯体2に取り付ける際には、隣接する壁パネル1の側面1aどうしを対向させて縦目地11を構成する。
【0024】
壁パネル1の下端側の小口面1cから予め設定された距離離隔した位置には、幅方向に貫通した下アンカー孔1e、および当該壁パネル1の裏面からこの下アンカー孔1eへと連通するように厚さ方向に延びる下アンカーナット孔1gが形成されている。また、壁パネル1の上端側の小口面1dから予め設定された距離離隔した位置には、幅方向に貫通した上アンカー孔1f、および当該壁パネル1の裏面からこの上アンカー孔1fへと連通するように厚さ方向に延びる上アンカーナット孔1hが形成されている(図1等参照)。
【0025】
下アンカー孔1e、上アンカー孔1fにはアンカー鋼棒5a,5bが挿通される。また、壁パネル1の厚さ方向に形成された下アンカーナット孔1g、上アンカーナット孔1hには、当該壁パネル1の裏面からアンカーナット4a,4bが挿通される(図1等参照)。これらアンカーナット4a,4bは、該アンカーナット4a,4bのリング部にアンカー鋼棒5a,5bが挿通されることで壁パネル1内に埋設された状態となっている。なお、アンカーナットとは、円筒状をなし、内面側に雌ねじが切られ、一端側の側面にはアンカー鋼棒を挿通する為の貫通孔が穿設されたものである。
【0026】
引っ掛けプレート6は、壁パネル1の上端側の小口面1d付近の裏面且つ幅方向中央に回動可能に取り付けられ、且つ定規アングル3の起立片3aに掛止されて壁パネル1の上部を吊り支持する板状の部材である。本実施形態の引っ掛けプレート6は、自重受け金具(支持金物)8との干渉を避ける位置から突出する長ボルト6aを備え、該長ボルト6aを介して、定規アングル3の掛止溝3bに位置決めされた状態で掛止される。本実施形態では、引っ掛けプレート6の上方左右の対称位置にそれぞれ1本ずつ計2本の長ボルト6aを設けている。これら長ボルト6aは、上述した定規アングル3の掛止溝3bにがたつくことなく収まる径を有するものであり、プレート面に直交する状態で溶接されており、例えば座金9bを介してナット9aが締結されることにより当該引っ掛けプレート6に固定される(図1、図3参照)。左右対称に配置された2本の長ボルト6aは、起立片3aの掛止溝3bのピッチに対応した間隔(本実施例では152.5mm)を有して形成されている。
【0027】
また、本実施形態の引っ掛けプレート6は、両長ボルト6aの間が下方に凹んだいわば逆二股形状に形成されている(図1等参照)。この凹部6cの幅は後述する自重受け金具8の挟持片8cの幅に合わせて規定されており、挟持片8cが起立片3aに設けられた際、当該凹部6cの両壁がいわばストッパとして機能し、当該自重受け金具8の横方向(幅方向)の位置を規定する。これによれば、上階の壁パネル1が、例えば地震の際に横ずれするのが防止される。
【0028】
さらに、本実施形態の引っ掛けプレート6の下部は下向きに窄まる先細り形状であり、当該下部付近に透孔6bが設けられている。この透孔6bには、先端ねじ部がアンカーナット4bに螺合するボルト7bが緩み止めプレート7dを介して挿通される(図1参照)。これにより、引っ掛けプレート6は、壁パネル1に対して回動可能な状態で支持される。このように回動可能に支持された状態で、この引っ掛けプレート6は、壁パネル1の上端側の小口面1dから少なくとも長ボルト6aを含む所定部位が突出しうる程度の大きさと形状に形成されている(図3等参照)。
【0029】
緩み止めプレート7dは、引っ掛けプレート6とボルト7bの頭部との間に介装される板状の部材であり、引っ掛けプレート6とボルト7bの頭部とが直接当接しないようにすることで、壁パネル1に対して引っ掛けプレート6が回動可能な状態で取り付けられうるようにしている。この緩み止めプレート7dは、下側片が曲折しており、当該曲折片が壁パネル1に若干めり込んだ状態となる(図1、図4参照)。このため、例えば地震時に躯体2が層間変形してロッキング機構の作用により壁パネル1が傾いた場合、緩み止めプレート7dは、当該壁パネル1の動きに追従し、引っ掛けプレート6の相対的な回動動作には追従しない。このように、壁パネル1との摩擦力を得た形状である本実施形態の緩み止めプレート7dは、ボルト7bの緩みを抑止し、当該ボルト7bとアンカーナット4bとの相対位置を保つように作用する。
【0030】
自重受け金具(支持金物)8は、壁パネル1の下端付近の裏面中央に取り付けられ、定規アングル3に掛止されて壁パネル1の下端部を支持する部材である。本実施形態の自重受け金具8は、壁パネル1の底面(小口面1c)を支持する載置片8aと、壁パネル1の裏面に沿った平板状の本体8bとから略L字状に形成されている。また、本体8bにはフラップ状の挟持片8cが形成されている(図1等参照)。さらに、自重受け金具8の上端部付近には透孔8dが設けられている。この透孔8dには、先端ねじ部がアンカーナット4aに螺合するボルト7aが座金7cを介して挿通される(図1参照)。
【0031】
自重受け金具8の本体8bと挟持片8cは、引っ掛けプレート6の凹部6cにおいて、定規アングル3の起立片3aを挟み込み、当該自重受け金具8を当該定規アングル3に掛止させるように形成されている。このように定規アングル3の起立片3aを本体8bと挟持片8cによって挟み込む本実施形態の取付構造においては、現場溶接せずとも、当該引っ掛けプレート6を定規アングル3に掛止させた状態とすることが可能となっている。しかも、本実施形態の場合には、壁パネル1を上から下へとスライドさせ、定規アングル3の起立片3aを本体8bと挟持片8cで上から挟み込むようにすれば取付動作が完了する。かかる取付動作においては挟持片8cひいては自重受け金具8の横方向(壁パネル1の幅方向)の位置決めの基準点が明確であるうえ、位置決め作業に要する手間と時間が少なくて済む。また、上述したように本実施形態の挟持片8cは引っ掛けプレート6の凹部6cに引っ掛かるから、自重受け金具8の横方向(幅方向)の位置が規定される。なお、地震時等に躯体2が層間変形した場合、横方向の力を受けた自重受け金具8は、起立片3aに引っ掛かっている部分を中心として左右に傾くように、換言すれば起立片3aに掛止している挟持片3aの両側が壁パネル1ともに交互に持ち上がるように揺れる動きをすることができる。このように、本実施形態の自重受け金具8は、起立片3aに掛止されて壁パネル1を揺動可能に支持した状態となっている。
【0032】
次に、壁パネル1の躯体2に対する取付手順について説明する。なお、便宜的に下階の壁面を構成する壁パネル1は既に躯体2に固定されているものとして、該壁パネル1の上端側および上階の壁パネル1の下端側を躯体2に取り付ける場合について説明する(図2、図4等参照)。ちなみに、下階に配置された壁パネル1の上端側裏面中央には、上述したように引っ掛けプレート6がアンカーナット4bやボルト7bによって回動可能な状態で取り付けられている。
この引っ掛けプレート6は、長ボルト6aを定規アングル3の起立片3aの掛止溝3bに引っ掛け、各長ボルト6aにナット9aをねじ込むことにより起立片3aに固定されている(図1等参照)。
【0033】
ここで、前出の壁パネル1の上階に別の壁パネル1を取り付ける。上階に配置される壁パネル1の下端側中央には、予め、自重受け金具8がアンカーナット4aやボルト7aによって取り付けられている。壁パネル1の下端側の小口面1cは、自重受け金具8の載置片8a上に載置された状態となっている。このように載置片8aで壁パネル1を支持することにより、自重受け金具8は壁パネル1をより安定した状態で支持することができる。なお、図示省略した上端側裏面中央には、下階の外壁パネル1と同様に予め引っ掛けプレートが回動可能な状態で取り付けられている。
【0034】
このような自重受け金具8及び引っ掛けプレートを取り付けた状態の壁パネル1を、クレーン等の揚重装置で吊り上げ取付位置上方まで移動させる。そして、作業者が自重受け金具8の挟持片8cの位置を上述した下階の壁パネル1の引っ掛けプレート6の凹部6cの位置に一致するように微調整しながら、壁パネル1を徐々に降下させ、本体8bと挟持片8cによって定規アングル3の起立片3aを挟み込む(図1等参照)。本体8bと当該本体8bにフラップ状に形成されている挟持片8cは、当該起立片3aを挟み込んだ状態で定規アングル3に掛止した状態となる。
【0035】
そして、当該パネル1の上端側の引っ掛けプレート(図1等で図示省略)を躯体2に取り付けることによって、当該パネル1は躯体2に対し上下方向に移動しない状態となり、自重受け金具8は起立片3aから外れなくなる。
【0036】
また、上述したように、引っ掛けプレート6の凹部6cの幅は自重受け金具8の挟持片8cの幅に合わせて規定されている。このため、この凹部6cにおいて起立片3aを挟み込むことによって自重受け金具8の位置決めがなされ、壁パネル1が横方向(壁パネル1の面に沿った水平方向)にずれることがない。
【0037】
上記の如くして、複数の壁パネル1を左右方向に隣接させて躯体2に取り付け、更にその上階において同様の手順を繰り返すことで、建物の壁面を構成することが可能である。
【0038】
そして、隣接する壁パネル1どうしの接する目地11が、左右方向に配置された壁パネル1の間には縦目地として、上下方向に配置された壁パネル1の間には横目地としてそれぞれ形成されている(図4参照)。目地11には適宜バックアップ材を挿入した上で湿式のシール材が充填され、更に目地11を含む壁面に吹付け塗装を施して壁面の防水層が形成される。なお、目地11には乾式のガスケットを充填して防水性を確保してもよい。また、目地11に隙間が形成されている場合、該目地11は耐火性能上の弱点となりうるので、耐火目地によって耐火補強されていることが好ましい。
【0039】
以上の手順により躯体2に取り付けられた壁パネル1は、その上端付近の中央を引っ掛けプレート6やボルト7bにより回動可能に支持されている。また、壁パネル1は、その下端付近の中央を、起立片3aに対して掛止される自重受け金具8により揺動可能に支持されている。これにより、躯体2の層間変形に応じて壁パネル1が傾くことが可能なロッキング機構が構成されている。このため、地震時等に躯体2が層間変形した場合には、その層間変形に応じて壁パネル1が傾くことによって、当該壁パネル1の固定部分に有害な力が作用して固定部分が破壊されたり壁パネル1自体が脱落したりすることが抑えられる。
【0040】
また、一般に、壁パネル1の内面に沿ってフェノールフォーム等の板状に成形された断熱材12を配置する場合、建物の室内側への突出部位が多いほど、また大きいほど断熱工事が施工し難くなり、当該断熱材12の表裏いずれかで実施する気密工事も困難になるという事情がある。この点、本実施形態の取付構造の場合には、溶接を行うことなく引っ掛けプレート6を起立片3aに取り付けられる構造、および、引っ掛けプレート6の凹部6cに挟持片8cを位置させるようにして自重受け金具8の本体8bと引っ掛けプレート6との重なりを回避しうる構造を実現していることもあり、起立片3a、引っ掛けプレート6、自重受け金具8の重なりを従来よりも薄くし、室内側への突出量を抑えることが可能である(図4等参照)。
【0041】
さらに、本実施形態の取付構造では、上述のように溶接を行わずとも引っ掛けプレート6を起立片3aに取り付けられるようにした構造を実現しているため、鉄骨梁2aから起立片3aまでの離間距離(突出量)を抑えやすいという利点もある。すなわち、一般的な壁パネル1の取付構造において、壁パネル1の取り付け工事に先行して、H形鋼からなる鉄骨梁2aの外側にフェノールフォーム等の断熱材12を配置して断熱気密層を構成する場合(図1参照)、または、断熱材12の上面をその上側に位置する金物(例えば定規アングル3)に両面テープで留め付ける場合(図3参照)、さらには、気密性を保持するため断熱材12どうしを気密テープで接着する場合などにおいて、断熱材12の配置との関係上、火気が制限される状況(例えば火気使用部位近傍の断熱材12が焼損するような状況)が起こりうる。この場合、焼損を免れようとして、鉄骨梁2aから起立片3aまでの離間距離(突出量)を増やせば建物にデッドスペースが生じることになり得策でない。この点、本実施形態では溶接を不要としているので、鉄骨梁2aから起立片3aまでの離間距離(突出量)を抑えてデッドスペースを極力排除することができるという利点もある。
【0042】
加えて、本実施形態では、起立片3aに所定ピッチで形成されている掛止溝3bに引っ掛けプレート6の長ボルト6aを掛止するだけで壁パネル1をその幅方向において正確に位置決めした状態で配置することができるから、躯体2の施工精度を向上させることができる。また、ナット9aをねじ込むことによって引っ掛けプレート6を起立片3aに固定できる構造としているため、プレートを起立片に溶接するために従来行っていた作業は上述したように不要である。しかも、掛止溝3bに長ボルト6aを引っ掛けるだけで引っ掛けプレート6ひいては壁パネル1を位置決めすることができるから、溶接時に要求されるような位置決め作業に伴う手間と時間を低減することができる。
【0043】
なお、本実施形態の引っ掛けプレート6はいわば逆二股形状に形成され、2つのナット9aと長ボルト6aにより2点で締め付けられて固定されるようになっている。この場合、同じトルクであっても、引っ掛けプレート6を起立片3aに固定するためナット(9a)を締める場合のほうが、引っ掛けプレート6とアンカー鋼棒(5a,5b)を締結するボルト(またはナット)を締める場合よりも締め付け強度が上回ることがある。
【0044】
<外壁出隅部構造>
続いて、上述した壁パネル1の取付構造が利用され、尚かつ地震時に壁パネル1が破損するのを回避するようにした外壁出隅部構造の好適例を以下に説明する(図5、図6参照)。
【0045】
コンクリート製の壁パネル1からなる外壁Aを有する鉄骨ラーメン造の建物の外壁出隅部構造は、出隅部が平面視直角となるように、出隅側端面1iどうしを「留め」が形成されるように加工して対向させた一対の壁パネル(図5および図6において、出隅部に配置される壁パネルを符号1’で示す)と、対向した一対の出隅側端面1i間に充填されたシール材と、からなる。また、本実施形態において、壁パネル1’は、地震時に建物の層間変形に対応してロッキングするロッキング機構により躯体2に取り付けられ、対向した一対の出隅側端面1i間の離間寸法tは、建物に想定される最大の層間変形量に基づいて設定されている。
【0046】
出隅部に配置される壁パネル1’の出隅側端面1iは、2枚の壁パネル1’が「留め」を形成するために平面視45度となるように加工されている(図6参照)。一方、壁パネル1’のうち、出隅側端面1iとは反対側の側面すなわち隣接する平部の壁パネル1に対向する側面は、他の平部の壁パネル1と同様に平面視90度に形成されている。
【0047】
これら2枚の壁パネル1’は、上述した平部における壁パネル1の取付構造と同様のロッキング機構、すなわち、起立片3a、自重受け金具(支持金物)8、引っ掛けプレート(掛止部材)6、掛止溝3b等からなり、長ボルト(掛止片)6aを介して引っ掛けプレート6を起立片3aに位置決め状態で掛止させるようにしたロッキング機構によって躯体2に取り付けられている。したがって、平部と同様、出隅部の壁パネル1’も、その上端付近の中央を引っ掛けプレート6やボルト7bにより回動可能に支持され、下端付近の中央を、起立片3aに対し掛止される自重受け金具8により壁パネル1’が揺動可能となるように支持されている。このため、地震時等に躯体2が層間変形した場合に、平部と同様これら壁パネル1’も傾くことによって、当該壁パネル1’の固定部分に有害な力が作用して破損したり壁パネル1自体が脱落したりすることが抑えられている。
【0048】
また、上述したように2枚の壁パネル1’は、対向した一対の出隅側端面1i間の離間寸法tが、建物に想定される最大の層間変形量に基づいた数値となるように設定されている。具体的には、離間寸法tは、それぞれの鉄骨造建物において地震時における最大層間変形量を算出し、想定される最大の地震が発生した場合でも出隅部において壁パネル1’(の出隅側端面1i)どうしが接触しない寸法であることが好ましい。これによれば、地震により壁パネル1,1’がロッキングしたとしても、層間変形が想定範囲内である限りは壁パネル1’どうしが接触して破損するという事態を回避することができる。
【0049】
これら2枚の壁パネル1’の対向する出隅側端面1i間(出隅部の目地11’)には所定の温度に達した際に発泡・膨張して所定の耐火性能を発揮する発泡耐火材を充填した上で湿式シール材が装填されている。
【0050】
このようにシール材を壁パネル1’間に装填する場合、かかるシール材の密度、硬さ、反発力なども考慮にいれて離間寸法tを算出してもよい。層間変形により離間寸法tが変化する場合、壁パネル1’どうしに斥力を接触するかどうかに関係するシール材の影響が大きい場合には、かかるシール材の影響を加味して離間寸法tを算出すればより正確な値を得ることも可能である。特に、シール材が、弾力性があっても完全に潰れることはなく当該シール材を介して直交する壁パネル1’を面外方向に押す力を作用させるものであるような場合、かかるシール材の影響を十分に考慮することが好ましい。
【0051】
また、本実施形態では、鉄骨梁2aの外側フランジ先端位置(フランジの外側縁の位置)と、出隅部に位置する柱の外側表面とを略面一としている。さらに、出隅部においては、起立片3のみが出隅部側に延びる形状の定規アングル3を採用し、当該柱14の外側面にも起立片3aおよび掛止溝3bを平部から連続するように形成している。これら柱14の外側面に位置する起立片3aおよび掛止溝3bは、壁パネル1’を取り付ける際に利用される(図5、図6参照)。
【0052】
さらに、本実施形態では、壁パネル1’の裏面と柱14との間に、外壁Aの平部を構成する壁パネル1の裏面に配置された断熱材12と略同一厚さの断熱材12’を連続的に配置している(図6参照)。このように壁パネル1’と柱14との間に断熱材12’を配置することにより、出隅部を構成する一対の壁パネル1’の出隅側端面1iどうしが離間しており熱橋となりやすい外壁出隅部において、熱橋により結露が発生するのを抑止することができる。なお、出隅部においては、先に柱14に断熱材12’を貼り付けておき、その後、壁パネル1’を躯体2に取り付けるという工程を採用することができる。この工程は、平部において柱が存在する部分に断熱材12を設ける場合にも採用することができる。
【0053】
ここまで説明したように、本実施形態の外壁出隅部構造によれば、大地震時におけるように建物が変形した際に外壁出隅部にて破損が生じることを回避することができる。しかも本実施形態では、平部における壁パネル1のロッキング機構をこの出隅部にも適用し、起立片3aの掛止溝3bに引っ掛けプレート6の長ボルト(掛止片)6aを掛止することで壁パネル1’を位置決め状態で取り付けることを可能としている。このため、想定される最大層間変形量に基づいて設定された出隅側端面1i間の離間寸法tを実現しやすく、壁パネル1’どうしの接触を想定どおり回避することが可能となっている。
【0054】
また、本実施形態の外壁出隅部構造によれば外観が損なわれることもない。すなわち、例えば断面略L字状の壁パネルを出隅部に採用した場合、平部の壁パネル1の回動(ロッキング)動作を妨げないよう、出隅部の壁パネル1’と平部の壁パネル1との間の目地幅を他よりも大きくする必要があり、これが外観上の欠点となることがあった。この点、本実施形態の場合には、出隅部の壁パネル1’どうしの離間寸法tを所定値に設定した結果、出隅部の目地11’の幅が平部の目地11の幅と異なるものになったとしても、目地が形成される面が異なるので幅の違いが建物の外観意匠上問題となることがない。
【0055】
また、出隅部の壁パネル1’をその幅方向及び厚さ方向において精度よく取り付けることが容易であるので、「留め」おさまりの場合に発生しがちな平面的なズレ(先端部が一致せず一方の先端部が突出した状態となること)が生じにくく、建物の出隅部を美しく仕上げることができる。
【0056】
また、出隅部の壁パネル1’は平部の壁パネル1の一方の端部を加工するだけで形成可能であり、断面略L字状の出隅部専用の壁パネルを用意しなくて済むという利点もある。
【0057】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した各実施形態では、引っ掛けプレート6や自重受け金具8が取り付けられる起立片を、定規アングル3の一部によって形成したが、もちろんこれに限られることはなく、鉄骨梁(上下梁)2aの一部を起立させたものであってもよい。要は、本発明における起立片は、自重受け金具(支持金物)8や引っ掛けプレート(掛止部材)6を利用して壁パネル1を鉄骨梁(上下梁)2aに取り付けるためのものであればよく、当該起立片が鉄骨梁2aの一部であるか否かを問わない。
【0058】
また、上述の実施形態においては建物が変形した際にも破損から免れうる外壁出隅部構造を説明したが、この構造は入隅部においても適用可能なものである。すなわち、入隅部において、入隅側端面が平面視45度の角度となるように2枚の壁パネル1が留め加工されて平面視直角に形成されている場合に、上述した構造を適用することにより、建物が変形した際に外壁入隅部が破損しないようにすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、特に、外観を損なうことなく、大地震時におけるように建物が変形した際にも外壁出隅部を破損させないことが望まれる建物に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態における壁パネルの取付構造を拡大して示す斜視図である。
【図2】壁パネルの全体およびこれが取り付けられる鉄骨梁(上下梁)を示す斜視図である。
【図3】図2における壁パネルの取付構造を拡大して示す斜視図である。
【図4】壁パネルの取付構造を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる外壁出隅部構造の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】外壁出隅部構造を示す平面図である。
【符号の説明】
【0061】
1…壁パネル、1’…出隅部に配置される壁パネル、1a…側面、1c…小口面(底面)、1d…小口面、1e…下アンカー孔、1f…上アンカー孔、1g…下アンカーナット孔、1h…上アンカーナット孔、1i…(壁パネル1の)出隅側端面、2…躯体、2a…鉄骨梁(上下梁)、3…定規アングル(アングル)、3a…(定規アングルの)起立片、3b…掛止溝、4a,4b…アンカーナット、5a,5b…アンカー鋼棒、6…引っ掛けプレート(掛止部材)、6a…(引っ掛けプレートの)長ボルト(掛止片)、6b…透孔、6c…(引っ掛けプレート6の)凹部、7a,7b…ボルト、7c…座金,7d…緩み止めプレート、8…自重受け金具(支持金物)、8a…載置片、8b…本体、8c…挟持片、8d…透孔、9a…ナット、9b…座金、10a…ボルト、10b…ナット、11,11’…目地(シール材)、12,12’…断熱材、13…継手、14…柱、A…外壁、t…(一対の出隅側端面1i間の)離間寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製の壁パネルからなる外壁を有する鉄骨ラーメン造の建物の外壁出隅部構造であって、
出隅側端面を平面視45度の角度となるように加工されて出隅部が平面視直角となるように前記出隅側端面が対向した一対の壁パネルと、
前記対向した一対の出隅側端面間に充填されたシール材と、からなり、
前記壁パネルは、地震時に建物の層間変形に対応してロッキングするロッキング機構により躯体に取り付けられ、
前記対向した一対の出隅側端面間の離間寸法は、前記建物に想定される最大の層間変形量に基づいて設定されたことを特徴とする建物の外壁出隅部構造。
【請求項2】
前記上下梁の外側フランジ先端位置と出隅部に位置する柱の外側表面とは略面一であり、
前記ロッキング機構は、
前記建物の平面モジュールに基づく幅を有する壁パネルと、
前記建物の外壁に沿った位置に配置された上下梁と、
前記上下梁の前記外壁寄り位置に起立した起立片と、
前記壁パネルの下端付近の裏面略中央に取り付けられ、且つ前記下梁の起立片に掛止されて、前記壁パネルの揺動を可能に当該壁パネルの下部を支持する支持金物と、
前記壁パネルの上端付近の裏面略中央に回動可能に取り付けられ、且つ前記上梁の起立片に掛止されて前記壁パネルの上部を吊り支持する掛止部材と、からなり、
前記上下梁の起立片には、前記建物の平面モジュールに基づくピッチで掛止溝が形成され、
前記掛止部材は、当該壁パネルに連続して取り付けられる上階の壁パネルを支持する支持金物との干渉を避ける位置から突出し前記起立片の掛止溝に対応した形状を有する掛止片を備え、該掛止片を介して前記起立片に位置決めされた状態で掛止されることを特徴とする請求項1に記載の建物の外壁出隅部構造。
【請求項3】
前記壁パネル裏面と柱との間には、外壁の平部を構成する壁パネルの裏面に配置された断熱材と略同一厚さの断熱材が連続的に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の建物の外壁出隅部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−156119(P2010−156119A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333946(P2008−333946)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【Fターム(参考)】