説明

建築用板

【課題】吸湿や乾燥による寸法変化率の小さい建築用板を提供する。
【解決手段】木質繊維と木質薄片との混合物を接着剤を介して一体成形して基板1とする。木質薄片の繊維方向に対する寸法変化率は木質繊維の寸法変化率に比べて小さいので、基板全体としての寸法変化率を小さくすることができる。さらに、その表面に防水層2を介して凹凸層3を設けた建築用板4(図2)、あるいはその表面に防水層2および凹凸層3を介して主として無機物からなる軽量セメント層5を設けた建築用板6(図3)を提供する。凹凸層や無機質層は基板にくらべ寸法変化率が小さいので、基板自体の寸法変化率を小さくすることにより、凹凸層や無機質層の剥離や割れの発生が実質的に防止された建築用板が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として建築物の外装下地材などに用いられる建築用板に関する。
【背景技術】
【0002】
このような建築用板として、従来は、たとえば下記特許文献1に開示されるように、合板、MDF、パーティクルボードなどが広く用いられている
【特許文献1】特開2000−313088号公報(段落番号0012)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
合板は、吸湿や乾燥による長さ方向の寸法変化率が凡そ0.22〜0.27%と比較的小さいが、木材資源の枯渇化により良質の単板を得ることが困難になってきている。
【0004】
MDFやパーティクルボードは、吸湿や乾燥による寸法変化率が合板の凡そ2.5〜3.5倍と大きい。MDFやパーティクルボードを無機系外装板の基板として使用する場合、基板の上に設けるセメント層に対して寸法変化率が大きいため、セメント層の剥離や割れなどに対する配慮が必要となる。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、吸湿や乾燥による寸法変化率の小さい建築用板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる本発明は、木質繊維と木質薄片との混合物を接着剤を介して一体成形してなる基板の表面に、防水層を介して設けた凹凸層を設けたことを特徴とする建築用板である。
【0007】
請求項2にかかる本発明は、木質繊維と木質薄片との混合物を接着剤を介して一体成形してなる基板の表面に、防水層を介して凹凸層を設け、さらにこの凹凸層の上に主として無機物からなる無機質層を設けたことを特徴とする建築用板である。
【0008】
木質繊維は、針葉樹材と広葉樹材のうちの一種または複数種よりなる木材チップを高温高圧蒸気で蒸煮して脱脂軟化処理した後、解繊することによって得られる。これを風送乾燥して所定含水率に調整する。
【0009】
木質薄片(フレーク)は、たとえばスギ、ヒノキ、アカマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツなどから形成され、厚さ0.03〜1.0mm、幅0.5〜30mm前後、長さ略15〜50mmを有する。
【0010】
木質繊維と木質薄片との混合割合は、木質繊維50〜90重量部に対して木質薄片10〜50重量部を混合して合計100重量部となるようにする。
【0011】
木質繊維同士、木質薄片同士および木質繊維と木質薄片とを接着する接着剤としてはホルムアルデヒドの発散が少ないものを用いることが好ましく、たとえばユリア樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂またはそれらの変性樹脂接着剤、イソシアネート系接着剤などの熱硬化性接着剤から任意選択される一種または複数種を使用することが好ましい。
【0012】
木質繊維の表面に付着させる接着剤の量は、木質繊維100重量部に対して接着剤5〜35重量部の割合で添加する。木質繊維への接着剤の付着は、解繊と同時に行っても良く、あるいは解繊後の風送時に行っても良い。
【0013】
木質薄片の表面に付着させる接着剤の量は、木質薄片100重量部に対して接着剤5〜35重量部の割合で添加する。木質薄片への接着剤の付着は、木質薄片を風送乾燥させつつ搬送し、この過程において木質薄片に接着剤を付着させると良い。
【0014】
木質繊維および木質薄片は、予めアセチル化して耐湿性を持たせても良い。木質繊維および木質薄片をアセチル化する方法は公知であり、たとえば特開平6−312411号公報記載の方法によってアセチル化処理することができる。
【0015】
接着剤を付着させた木質繊維と接着剤を付着させた木質薄片とを風送しながら混合し、この混合物をダクト出口から散布することによりマットを形成し、このマットを所定の厚さの板に一体成形、たとえば熱圧成形することにより、本発明の基板が形成される。
【0016】
木質繊維と木質薄片との混合物をダクト出口から散布することにより木質薄片の繊維方向を任意方向にランダムに配列させることができる。また、ダクト出口に配向用円盤などを設け、木質薄片の繊維方向を一方向に配列させたり、木質薄片の繊維方向を直交する二方向に配列させたりすることもできる。
【0017】
熱圧は、たとえば熱圧プレスで行う。熱圧条件は、圧力1〜2.5MPa、温度145〜220°C、時間1〜20分の各範囲において、樹種、マット厚さ、使用接着剤などを考慮して選定する。
【0018】
本発明の建築用板は、この基板の表面に防水層を介して凹凸層を設けることによって、あるいはさらにこの凹凸層の上に主として無機物からなる無機質層を設けることによって得られる。
【0019】
防水層は、基板の表面に、合成樹脂、ラテックス、瀝青質物質またはそれらのエマルジョンをロールコーターやフローコーター等の塗布装置にて均一に塗布し、乾燥させることにより形成する。ここで合成樹脂としては酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができ、ラテックスとしてはニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を用いることができ、瀝青質物質としてはタール、アスファルト等を用いることができる。防水層を形成するための塗料にはクレー、タルク、炭酸カルシウム等の増量剤や分散剤等の助剤を添加混合してもよい。
【0020】
そして、防水層の表面に、セメントと合成樹脂、ラテックスまたは瀝青質物質、骨材、成形助剤および水の混合物をロールコータ等の塗布装置にて層状に塗布し、乾燥させてセメント混合物よりなる凹凸層を形成する。この凹凸層に混合される合成樹脂、ラテックスまたは瀝青質物質は、上記防水層に用いたものと同系のものを用いることが好ましい。これにより、防水層中の物質と凹凸層中の物質との間で分子間引力が働き、それらの密着強度を増大させることができる。セメント、骨材および成形助剤については後述の無機質層を形成するために用いられるものと同様のものであってよい。
【0021】
以上により、基板表面に防水層を介して凹凸層が形成された建築用板が得られる。このような建築用板は、予め工場にて大量生産が可能であるため、その用途に応じた構成のものを均一な品質で低コストにて提供することができる。
【0022】
さらに、この凹凸層の上に無機質層を設けた建築用板とすることができる。無機質層は主として無機物からなる層であり、軽量セメント層や漆喰層などとして形成することができる。
【0023】
軽量セメント層は、セメント、合成樹脂発泡粒、骨材、補強繊維、成形助剤および混練水を主体とする軽量セメント混合物により形成され、硬化後の密度が0.55〜0.75g/cm3、好ましくは0.6〜0.7g/cm3である。ここでセメントとしては普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、天然セメント、アルミナセメント等の任意のセメントを用いることができる。セメント硬化時の収縮を抑制して建築用板の反りを防止するため、セメントの配合量は上記軽量セメント混合物から水を除いた全体重量の35重量%以下とすることが好ましい。また、同全体重量の20重量%以上のセメント配合量としないと硬化が不十分となり必要な強度が得られない。
【0024】
合成樹脂発泡粒としては、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・エチレン共重合体等の共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル樹脂等の合成樹脂を発泡させて球形または略球形のビーズ状に形成したもの、あるいはこれら合成樹脂発泡体廃材を粉砕したものを用いることができる。中でもポリスチレンの発泡粒が強度が大きく安価であることから好ましい。合成樹脂発泡粒の平均粒径は0.1〜2.0mm、平均密度は0.03〜0.2g/cm3、発泡倍率は5〜30倍であることが好ましく、このような合成樹脂発泡粒をセメント重量に対して6〜21重量%混合することが好ましい。
【0025】
補強繊維としてはワラストナイト、セピオライト、セラミック繊維等の無機繊維、パルプ、ポリプロピレン繊維等の有機繊維を単独または併用して用いることができる。軽量セメント中に補強繊維を混合することは該繊維同士の結合力を介して強度を増大させるが、反面、補強繊維の混入量が多くなりすぎるとセメント硬化時の収縮力が過大となって建築用板として製造したときに反りを生じやすくなることから、補強繊維はセメント重量に対して2〜9重量%混合することが好ましい。
【0026】
骨材としては珪石粉、フライアッシュ、スラグ、再生粉等を用いることができ、セメント重量に対して150〜250重量%を混合させる。このように軽量セメント層における骨材の配合割合を高めることにより、軽量セメント層の硬化時の収縮を減少させて反りを防止することができる。
【0027】
成形助剤としてはメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース誘導体を用いることができ、セメント、合成樹脂発泡粒、骨材および補強繊維の合計重量に対して0.1〜10重量%添加する。
【0028】
これらの材料にさらに混練水を加えて十分に混練して軽量セメント混合物を得る。混練水量はセメント重量に対して140〜210重量%とすることが好ましい。この混練水量は、水を除いた軽量セメント混合物の全体重量に対して20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%である。
【0029】
得られた軽量セメント混合物を押し出し成形機に投入して、前記建築用板と略同一の平面寸法を有する軽量セメント成形板とした後、直ちにこの成形板を建築用板の凹凸層の上に載置し、ロールプレス等によりその表面を加圧した後、ドライヤーにより加熱乾燥硬化させる軽量セメント成形板は押し出し直後であって未硬化状態にあり、これを凹凸層の上に積層した状態で加圧することで表面平滑な建築用板が得られる。凹凸層の凹凸表面上に未硬化状態の軽量セメント成形板を載置してプレスされるので、軽量セメント成形板の裏面部分は凹凸層の凹凸表面に投錨的に入り込み、大きな密着強度が得られると共に、プレス時に建築用板と軽量セメント成形板との間に位置ずれが生ずることを防止する。
【0030】
あるいは、凹凸層が表面に形成された前記建築用板を施工した後、現場で前記軽量セメント混合物を凹凸層の上に塗布することによって、軽量セメント層を形成しても良い。この場合にも、塗布した軽量セメント混合物が凹凸層の凹凸表面に投錨的に入り込み、大きな密着強度が得られる。
【発明の効果】
【0031】
本発明による建築用板は、木質繊維と木質薄片とから形成された基板を有する。木質繊維は吸湿や乾燥による寸法変化率は等方性であるが大きい。木質薄片は、その繊維方向に対しては吸湿や乾燥による寸法変化率は木質繊維の寸法変化率に比べおよそ2分の1ないし3分の1で小さい。このため基板全体としての寸法変化率は木質繊維のみで形成されるものに比べ小さくなる。
【0032】
また、基板の上に設ける凹凸層や無機質層は基板にくらべ寸法変化率が小さいので、基板自体の寸法変化率を小さくすることにより、凹凸層や無機質層の剥離や割れの発生を実質的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は本発明の一実施形態による建築用板の基板1を示す断面図である。この基板1は、木質繊維aと木質薄片b(フレーク)との混合物を接着剤により熱圧一体成形して得たものである。木質繊維aと木質薄片bとが混合されていることにより、吸湿時や乾燥時の寸法変化率が木質繊維のみで形成されるものに比べて小さくなっている。基板の厚さはたとえば7〜30mmである。なお、図1において木質繊維および木質薄片はそれぞれ散発的に示されているが、実際にはこれらが混合された状態で密集している。
【0034】
図2は本発明の一実施形態による建築用板4を示す断面図である。この建築用板4は、図1の基板1の表面に、防水層2および凹凸層3を順次に設けたものである。防水層2および凹凸層3の組成や形成方法などは既述した通りである。
【0035】
図3は本発明の別の実施形態による建築用板6を示す断面図である。この建築用板6は、図1の基板1の表面に、防水層2および凹凸層3を順次に設け、さらに凹凸層3の表面に軽量セメント層5を設けたものである。軽量セメント層5の厚さは10mm前後であるが、既述したように、軽量セメント層5を予め軽量セメント板として成板したものを凹凸層3の上に積層してプレス成形することにより図3の構成の建築用板6として工場生産する場合と、図2の構成の建築用板を施工した後に現場で軽量セメント混合物を塗布・乾燥することにより軽量セメント層5を形成する場合と、いずれを採用しても良い。防水層2、凹凸層3および軽量セメント層5の組成や形成方法などは既述した通りである。
【0036】
図4は図1に示す基板1の製造方法を示す説明図である。接着剤を付着させた木質繊維11をダクト12から風送すると共に、接着剤を付着させた木質薄片13をダクト14から風送する。ダクト12,14は風送方向下流で合流して単一のダクト15となるので、各ダクト12,14で風送された木質繊維11と木質薄片13はダクト15で混合されてさらに風送され、吹出口16からコンベヤー17上に均一に散布されてマット18を形成する。
【0037】
吹出口16に設けられる配向用円盤19は、散布される混合物に含まれる木質薄片の繊維方向を略同一方向(ここではコンベヤー17の移動方向)に一致させるためのものであり、一定のピッチで平行に同軸状に複数の円盤を並べて同速で回転させている。円盤の軸方向はコンベヤー17の移動方向に直交する。なお、配向用円盤19は必ずしも必須ではなく、割愛することができる。この場合は、木質薄片の繊維方向がランダムになるので、縦横方向の曲げ強度が略同一のマット18が得られる。
【0038】
マット18はコンベヤー17上で移送されるが、この間に、マット18の厚みを均一にするために、ロール20でマット18の凹凸部分を削り取って平坦にする。
【0039】
次に、平坦にされたマット18を厚さ方向に任意の圧縮率(たとえば50%程度)で圧縮した後、この圧縮されたマット21を図示のように回転刃22により略所定の長さLに切断して定尺マット23とし、コンベヤー24にて次工程に送る。
【0040】
図5は図4に続く製造工程を示し、(a)は熱圧プレスの上下熱圧盤の間に定尺マット23を載置した状態の断面図、(b)は熱圧成形直後の断面図である。図4に示す工程により得た定尺マット23を、熱圧プレス25の下側熱圧盤27の上に載置した(a)後、上側熱圧盤26を下降させ、これら上下熱圧盤26,27間で加熱圧締する(b)。熱圧条件は、たとえば圧力1〜2.5MPa、温度140〜220°C、時間1〜20分の各範囲において、樹種、厚さ、使用接着剤などを考慮して選定する。これにより図1の基板1が得られる。
【0041】
図6は、図5で得た基板1を用いて図3に示す建築用板6を製造する方法を示す説明図である。まず、無機質原料に水を加えて混練した混練物28を押出機29に投入する。混練物28は、たとえばセメントにフライアッシュなどの混和剤と珪石粉、再生粉、発泡ポリスチレン(EPS)などの骨材を加え、さらにメチルセルロースなどの押出助剤とポリプロピレン繊維、パルプなどの補強繊維を加え、これに適量の水を加えて混練したものである。
【0042】
押出機29に投入された混練物28は、押出機29内のスクリュー30により移送され、その吐出口から、搬送コンベヤー31上に載置された基板1上に押し出される。搬送コンベヤー31は押出機29からの押出成形物吐出速度と略同速に駆動される。このようにして基板1上に軽量セメントモルタル層32が載置された状態となったものを、位置pでカットし、押さえロール33で押さえながら密着させる。そして、搬送コンベヤー31による搬送中に位置qおよび位置rで規定長さに切断されて建築用板素板34となり、搬送コンベヤー35で所定場所へと搬送され、その後乾燥・養生されることにより、軽量セメント層5を有する図3の建築用板6が製造される。
【0043】
本発明の効果を確認するため、本発明による建築用板の基板とMDF単体からなる基板とについて寸法変化率の比較試験を行った。
【0044】
試験体としては、厚さ9mmの本発明基板から採取した試験体を実施例1、厚さ12mmの本発明基板から採取した試験体を実施例2とし、厚さ9mmのMDFから採取した試験体を比較例1、厚さ12mmのMDFから採取した試験体を比較例2とした。
【0045】
表1に本発明による基板(実施例1,2)およびMDF基板(比較例1,2)の寸法変化率試験結果を示す。この試験は、ASTM D 1037に準じた測定方法を20℃の温度で行ったものである。また、表1における長さ変化量δは0〜95%RHの長さ方向寸法変化率LEから算出した初期寸法1800mm当たりの数値であり、厚さ変化量θは0〜95%RHの厚さ方向寸法変化率TEから算出した同行の厚さ9mmまたは12mm当たりの数値である。
【0046】
【表1】

【0047】
すなわち、厚さ9mmの試験体(実施例1,比較例1)について見ると、実施例1の長さ方向寸法変化率LE=0.43(%)は比較例1の長さ方向寸法変化率LE=0.63(%)に比べ32%小さい。このことから、実施例1の長さ変化量δ=7.7(mm)は比較例1の長さ変化量δ=11(mm)より小さくなっている。また、実施例1の厚さ方向寸法変化率TE=0.30(%)は比較例1の厚さ方向寸法変化率TE=0.63(%)に比べ52%小さく、このことから実施例1の厚さ変化量θ=0.027(mm)は比較例1の厚さ変化量θ=0.057(mm)より小さくなっている。これらの比較から、本発明の効果が確認することができた。
【0048】
また、厚さ12mmの試験体(実施例2,比較例2)について見ると、実施例2の長さ方向寸法変化率LE=0.44(%)は比較例2の長さ方向寸法変化率LE=0.65(%)に比べ32%小さく、このことから実施例2の長さ変化量δ=7.9(mm)は比較例2の長さ変化量δ=12(mm)より小さくなっており、また、実施例2の厚さ方向寸法変化率TE=0.31(%)は比較例2の厚さ方向寸法変化率TE=0.65(%)に比べ52%小さく、このことから実施例2の厚さ変化量θ=0.037(mm)は比較例2の厚さ変化量θ=0.078(mm)より小さくなっている。これらの比較から、同様に本発明による効果を確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明による建築用板の基板構成を示す断面図である。
【図2】図1の基板を用いた建築用板の一実施形態の構成を示す断面図である。
【図3】図1の基板を用いた建築用板の他の実施形態の構成を示す断面図である。
【図4】図1の基板の製造方法を説明する説明図である。
【図5】図4に続く熱圧工程で図1の基板を製造する方法の説明図である。
【図6】図5で得た基板を用いて図3の建築用板を製造する方法の説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 基板
2 防水層
3 凹凸層
4 建築用板
5 軽量セメント層(無機質層)
6 建築用板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質繊維と木質薄片との混合物を接着剤を介して一体成形してなる基板の表面に、防水層を介して凹凸層を設けたことを特徴とする建築用板。
【請求項2】
木質繊維と木質薄片との混合物を接着剤を介して一体成形してなる基板の表面に、防水層を介して凹凸層を設け、さらにこの凹凸層の上に主として無機物からなる無機質層を設けたことを特徴とする建築用板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−177453(P2007−177453A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375430(P2005−375430)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(390030340)株式会社ノダ (146)
【Fターム(参考)】