説明

建築用軽量ボードの製造方法および製造装置

【課題】 建築用多層軽量ボードを特に簡単で且つ安価な手段で製造することができる方法および装置の提供。
【解決手段】 この課題は、コア層(2)および該コア層(2)の少なくとも1つの主要面に配置された被覆層(3a;3b)を有するセメントベースの建築用多層軽量ボードの連続的製造方法において、以下の方法段階:
− 生コンクリートのコア層を連続的に移動する第一の支持体の上に生コンク リートを適用して製造し、
− 被覆層(3b)を連続的に移動する第二の支持体の上に製造しそして予め形成された被覆層(3b)をコア層(2)の上に載せ、
− この層帯状物を個々のボードに切断し、
− 該ボードを凝固させ、
− 場合によってはそのボードを乾燥させる
ことを特徴とする、上記方法によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア層および少なくとも1つの被覆層よりなるセメントベースの建築用多層軽量ボードを製造する方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
湿った環境条件の下でセメント含有建築用軽量ボードを用いる場合の一般的な問題は、水理的硬化法の間に生じる毛細管状溝および硬化したセメントペーストマトリックス中の毛細管開口に基づく高い毛管吸水性である。この水吸収はボードの膨張およびセメント含有材料の膨張ひび割れをもたらし、それ故に強度喪失、および建築用軽量ボードの上に塗布された被覆物、例えば適用されたタイル被覆物の崩壊に至るまでの剥落も同時に生じる。更にかゝるセメント含有建築用軽量ボードは耐凍結性も非常に小さい。
【0003】
更にセメント含有建築用軽量ボードを製造する場合の問題は硬化したセメントペーストマトリックス中に収縮ひび割れが生じることである。これは取り込まれる水の一部がマトリックス中に吸収されるが化学的に結合されていないことに起因する。既に硬化した製品からこの未結合の毛細管水が蒸発した場合に、その結果として生じる応力が、収縮応力がセメントマトリックスの抗張力より大きい時に、ひび割れ(収縮ひび割れ)を生じさせ得る。この収縮ひび割れによって硬化したセメントペーストマトリックスの毛細管水吸収量が更に増加され得る。
それでもなおセメント含有建築用軽量ボードを湿った環境で使用できるための沢山の解決法が知られている。
【0004】
ドイツ特許第19704961−C2明細書から公知の建築用軽量ボードは色々の長さで耐アルカリ性のガラス繊維織物が埋め込まれている被覆層で両側を被覆されている軽量コンクリート製のコア層よりなる。このコア層中に軽量骨材として焼成された膨張粘土粒状物よりなる膨張した粘土パール状物が使用されそして補強材として耐アルカリ性繊維、例えばガラス繊維および/または合成繊維が使用されており、それによって被覆層とコア層との間の結合が改善されている。コア層中の粘土パール状物はそれの独立孔構造のために建築用軽量ボードの水吸収性を低減する。
【0005】
米国特許第3,284,980号明細書からは、特に湿った環境において使用するための建築用多層軽量ボードおよびその製造方法が公知である。このボードは、水和化セメントおよび骨材よりなるコンクリート、好ましくは軽量コンクリートよりなるコア層、および該コア層の両側の主要面に、該コア層に比較して実質的に薄い2つの被覆層よりなり、該被覆層はコア層と同様にセメントベースであり且つ組み入れたそしてコア層の水吸収性を低減する補強用織物、例えば耐アルカリ性被覆がなされたガラス繊維織物を有している。比較的に軽量で且つ多孔質のコア層のための骨材としては例えばパーライト、バーミキュライト、膨張スラグ(Blaehschlacke)または膨張スレート(Blaehschiefer)が使用され、特にセメント成分の容積に対して2:1の比で使用される。被覆層は微細添加物、例えば砂または微細膨張スラグを僅かな程度で含有していてもよい。それの耐候性のために米国特許3,284,980号明細書に従う建築用軽量ボードは壁および水泳用プールの建設の際に使用される。この種の建築用軽量ボードの約10重量%の水吸収性は依然として比較的にまだ高い。
【0006】
米国特許3,284,980号明細書に従う建築用軽量ボードは、有利にはポリエチレンで被覆された型中に織物被覆物を入れ、そしてその上に、織物に浸透させるのに適するコンシステンシーを持つ被覆層材料の混合物を導入して製造される。その上にコア材料の混合物を載せ、その表面を平らにしそしてその上に別の織物被覆物をそしてその上にセメントスラッジおよび添加物を載せる。次いで硬化させる際に湿分を保有するために、最後の層の上に更にポリエチレン層またはその類似の層を載せるかまたはボードを蒸発硬化させる。その後に硬化したボードを型から外す。
【0007】
ドイツ特許第19804325−C2明細書にはセメントをベースとする多層の建築用軽量ボードおよびその製造方法が開示されており、このボードも同様に水和化セメントおよび軽量骨材よりなるコア層と該コア層の両側の主要面に配置された、組み入れ補強織物含有の比較に薄いセメントベースの2つの被覆層で構成されており、その際にコア層の少なくともセメント成分は適当な疎水性化剤の添加によって疎水性化されており、その結果建築用軽量ボードの毛細管水吸収性は24時間で1kg/m以下にある。疎水性化剤としてはドイツ特許第19804325−C2明細書によればステアリン酸金属塩、特にステアリン酸亜鉛、−カルシウムおよび/または−アルミニウム、およびオレイン酸塩、特にオレイン酸ナトリウムが特に適していることが判っている。何故ならばこれらはセメント成分と化学的相互作用を生じそして例えば金属セッケンを形成するからである。この場合、コア層の疎水性化すべき固体成分を基準とする疎水性化剤の割合は1重量%より少ない。更にセメントマトリックス中の疎水性化剤の特に有利な分布は、ドイツ特許第19804325−C2明細書に基づいてコア層中の水分割合が比較的に僅かな場合に達成される。骨材としては、建築用軽量ボードの水吸収性を更に低減するために、軽量骨材、例えばパーライト、バーミキュライト、特に膨張スレートの様な膨張した状態のもの、泡ガラスまたは同様に水和化されていてもよい破砕された膨張粘土が使用される。更に、建築用軽量ボードのコア層の両側の主要面に配置された被覆層のセメント成分も同様に水和化されていてもよい。被覆層の補強織物は例えば、アルカリ安定性の被覆物、例えば合成樹脂で処理されているガラス繊維織物である。
【0008】
ドイツ特許第19804325−C2明細書に従って建築用軽量ボードを製造する場合には、セメントスラッジ中に入れたガラス繊維織物よりなる第一の被覆層の上にセラミック材料の混合物を載せそしてこれをセメントスラッジ中に入れたガラス繊維織物よりなる第二の被覆層で覆う。次いでこのボードを所望の寸法に切断する。
【0009】
更にAestuver社の説明書“AESTUVER Die universelle Brandschtzplatte”、1994年11月によると、骨材として微小ガラス中空球状物の状態の膨張ガラスおよびガラス繊維をマトリックス組織中に有する軽量コンクリート製の耐燃性多層ボードが公知である。このボードは水吸収性が僅かである層である。
【0010】
建築用多層軽量ボード、特に米国特許3,284,980号明細書に従う建築用軽量ボードを製造する別の方法がドイツ特許第19804325−C2明細書に記載されている。この方法によると、最初に第一の連続織物、例えばガラス繊維織物をセメント含有モルタル用浴中を通過させそしてストリッピング用薄板またはナイフエッジによって織物上のモルタルの調合熟成が実現される。その後に織物をホイルストリップ上に互いに並んで隣接し合っている沢山の運搬用薄板の上に載せ、その際にモルタルが牽引棒によって織物の中間域に、織物の上側に一
定量がまだ残る程度で押し込まれる。次いでセメントおよび軽量骨材よりなる軽量コンクリートよりなるコア材料を含浸済み織物の上に載せそして場合によっては1つ以上の互いに相前後して配置された分配器によって圧縮しそして第一の織物と結合させる。次にモルタルを含浸した第二の織物層を第一の織物層と同様にコア層の上に載せそして押し付ける。こうして形成された帯状物を切断装置で、並んで隣接し合っている運搬用薄板の間で運搬方向を横切って個々のプレートに切断し、このプレートを更に圧縮しそして各層を結合させるために積み重ねそして硬化させる。
【0011】
組み込まれた補強用マットを有するセメントベースの建築用多層軽量ボードを製造する別の方法がドイツ特許出願公開第3840377−A1号明細書に記載されている。この方法によれば、連続的に動く支持台の上に、例えば硬化促進剤および/またはフライアッシュを含有するペースト状セメント混合物よりなる第一の被覆層およびロールによって連続的に引っ張られている補強用マットを載せ、その際にセメント混合物が適度なコンシステンシーであるために補強用マットが該セメント混合物中に組み入れられる。生じる第一の被覆層は例えばローラーによって平らにされそして条溝が付けられる。支持台を連続して更に動かす際に、第一の被覆層上に、少なくとも1種類の骨材、例えば砂および/またはフライアッシュおよび/またはパーライトおよび/またはバーミキュライトおよび/または発泡スチロール(Styropor)またはこれらの類似物および場合によっては同様に硬化促進剤および液化剤を含有するペースト状のじめじめしたセメント混合物よりなる中間層を載せ、これを平らにしそして条溝を付けそしてその上に第一の補強用マットと類似の別の補強用メットを圧力を負荷しながら載せそして再び平らにしそして条溝を付ける。次いで別のペースト状セメント混合物を塗布し、平らにしそして条溝を付して、第二の被覆層と第二の補強用マットとを結合させる。得られる板紐状物を予備硬化させるために硬化用チャンネルに通しそして次に個々のボードに分割しそして積み上げ状態で状態調整所に保存する。
【0012】
上述の建築用多層軽量ボードの場合には、確かに水の吸収量がセメントベースの慣用の建築用軽量ボードに比較して僅かであるが、毛細管水吸収量が特に熱い層では依然として比較的に多く、水が被覆層を通ってコア層に染み込み得る。
【0013】
ドイツ特許第19804325−C2明細書で提案された、コア層の少なくともセメント含有成分の疎水性化によって確かにコア層の水吸収性は著しく低減され得るが、この方法は、比較的に多量の疎水性化剤を必要とするために、比較的に多大な費用を必要とする。
【0014】
更に被覆層中のセメントペーストの割合が多いために、被覆層において収縮ひび割れが発生し、これが水の吸収量を増加させそして更に硬化したセメントペーストと補強織物との結合に悪い影響を及ぼし、補強織物と硬化したセメントペーストマトリックスとの結合に害を及ぼしそして建築用軽量ボードの強度を低下させ得る。被覆層に適用される被覆物も収縮ひび割れのために剥落し得る。
【0015】
特にコア層と被覆層との異なるマトリックス構成が異なる物理的および化学的性質、特に異なるヤング率(E−Moduli) および強度特性のために、両方の層の結合が中でも負荷、特に温度変動があった際に、および湿分の影響があった際に両層の間で生じる応力によって悪化され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、建築用多層軽量ボードの吸水性が該ボードのセメント成分を疎水性化することなしでも明らかに低減され、更に、建築用軽量ボードの重量をできるだけ少なくするのと同時に被覆層中の補強織物の繋留およびコア層と被覆層との結合を改善しそして剥落を減少されている建築用多層軽量ボード、特にセメントベースの建築用多層軽量ボードの製造方法およびそれに用いる装置に関する。
【0017】
本発明の課題は、建築用多層軽量ボードを特に簡単で且つ安価な手段で製造することができる方法および装置を解決することであった。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題は、請求項1の特徴部分によっておよび装置に関しても各請求項の特徴部分によって解決される。本発明の有利な別の態様は従属形式の各請求項に示してある。
【0019】
本発明に従って製造できる建築用多層軽量ボードはコア層および少なくとも1つの、好ましくは2つの被覆層を有し、該被覆層はコア層の一つあるいは両方の主要面に配置されておりそしてコア層を覆っている。更にコア層に比較して被覆層は著しく薄く形成されている。
【0020】
建築用軽量ボードの核心的技術思想は、被覆層が機械的/物理的手段によって、コア層よりも物理的に耐久性のある様に変更することに本質がある。これは、被覆層が硬化したセメントペーストと特に独立気泡状態におよび/または独立孔状態に形成された少なくとも1種類の軽量骨材とよりなる固形モルタル−マトリックスで実質的に構成されており、該被覆層中には例えば水不透過性の繊維よりなる少なくとも1種類の補強材、例えば補強織物が埋め込まれていることによって達成される。
【0021】
独立気泡状態のものとは封じられた外部表面を有する膨張した物体を意味する。独立孔状態のものとは、閉じられた膨張孔を有する物体である。
【0022】
独立気泡状態に形成された軽量骨材とは、特に微小ガラス中空球状体または膨張ガラスパール状物の状態の破砕されていない膨張ガラス顆粒を意味する。独立孔状態の軽量骨材は、例えば焼成された粘土粒状物よりなる膨張粘土パール状物または膨張粘土粒状物の状態の破砕されたまたは破砕されていない膨張粘土顆粒である。
【0023】
この場合使用される軽量骨材は0〜5mm、特に0.5〜2mmの粒度を有するのが有利である。
【0024】
固形モルタル−マトリックス中に組み入れられた強化材あるいは補強材は好ましくはガラス繊維織物、特にE−ガラスおよび/またはAR−ガラスよりなるもの、有利には耐アルカリ性化したコーティングを有するもの、または合成樹脂よりなる織物であり、好ましくは2〜8mm、特に好ましくは4〜6.5mmのメッシュ幅を有し、および好ましくは0.5〜1.5mm、特に好ましくは0.6〜0.7mmの幅および好ましくは0.1〜0.5mm、特に好ましくは0.15〜0.3mmの厚さを有するマルチフィラメントまたは好ましくは0.1〜0.5mm、特に好ましくは0.15〜0.3mmの直径を有するモノフィラメントよりなる織物である。この場合、本発明における補強材は一般に格子様のおよび/または格子類似の開口を有するテキスタイルファブリック、例えばフリース、紡糸フリースおよび/または一般に例えばネット、組紐、ニットまたはニットファブリックである。
【0025】
しかしながら強化材は例えば繊維、わら、フリース、マット、紙、金属格子、穿孔を開けたシート等も用いることができる。
【0026】
特に加工性を改善するためには、被覆層の生モルタルには更に別の添加物、例えばポゾラン、例えばフライアッシュ、特に石炭フライアッシュおよび/または高炉アッシュおよび/または微細シリカおよび/または通例の添加剤、例えば気泡形成剤および/または流動剤、例えばポリカルボキシレートエーテルおよび/または安定性、例えばメチルセルロースおよび/または分散剤、例えばエチレン、ビニルラウレートおよび塩化ビニルの三元共重合体を含有する。セメントとしてはポルトランドセメントを用いるのが有利である。
【0027】
以下に本発明の被覆層の生モルタルの特に有利な組成を示す:
【0028】
【表1】

【0029】
0.35〜0.6、特に0.4〜0.5の水/固体値(w/f)に調整すると、被覆層を塗布するための生モルタルが易流動性でそして噴霧可能でありそしてDINによれば好ましくは21〜24cm、特に好ましくは21.5〜23cmのフロー性を有している。
【0030】
更に以下に、硬化した被覆層の特に有利な組成を示す:
【0031】
【表2】

【0032】
硬化した被覆層中の独立気泡のおよび/または独立孔の軽量骨材、特に膨張ガラス顆粒の割合と織物の割合との合計は好ましくは8〜20重量%、特に好ましくは10〜15重量%である。
【0033】
気泡形成剤の利用で生じる硬化した被覆層中の空隙率の割合は好ましくは5〜30容量%、特に好ましくは8〜15容量%である。
【0034】
本発明に従って製造できる建築用軽量ボードのコア層は、硬化したセメントペースト、好ましくは硬化したポルトランドセメントペーストおよび特に独立気泡のおよび/または独立孔の少なくとも1種類の軽量骨材より実質的に構成されており、その際にコア層のために、好ましくは0〜5mm、特に好ましくは0〜2mmの粒度および以下の粒度分布を有する破砕されていない膨張粘土パール状物および/または膨張粘土粒子を使用するのが特に有利である:
【0035】
【表3】

【0036】
更にコア層の生コンクリートのための別の原料として、好ましくは通例の添加物、例えばポゾラン、例えばフライアッシュ、特に石炭フライアッシュおよび/または高炉アッシュおよび/または微細シリカ、および/または例えば気泡形成剤および/または分散剤、例えばエチレン、ビニルラウレートおよび塩化ビニルよりなる三元共重合体および/または流動剤、例えばポリカルボキシレートエーテルを用いる。
【0037】
以下に本発明に従って製造される建築用軽量ボードのコア層の生コンクリートの特に有利な組成を示す:
【0038】
【表4】

【0039】
0.15〜0.3、特に0.2〜0.25の水/固体値(w/f)に調整すると、コア層のための生モルタルが湿ったコンシステンシーを有しそしてDINによれば例えば16〜18cmの小さいフロー性を有しているように調整するのが有利である。
【0040】
更に、本発明に従って製造できる建築用軽量ボードの硬化したコア層の特に有利な組成を以下に示す。
【0041】
【表5】

【0042】
硬化したコア層中の独立気泡のおよび/または独立孔の軽量骨材、特に膨張粘土顆粒の割合は好ましくは40〜60重量%、特に好ましくは45〜55重量%である。
【0043】
気泡形成剤の使用によって生じる硬化したコア層中の気泡の割合は10〜50容量%、好ましくは15〜25容量%の範囲内である。
【0044】
更にコア層並びに被覆層は追加的に好ましくはシリコーン油をベースとするおよび/またはシラン−/シロキサンをベースとする疎水性化剤で疎水性化されていてもよい。この場合、それぞれの層の骨材は中でも独立気泡のおよび/または独立孔の骨材、例えば膨張ガラス顆粒および/または膨張粘土顆粒をセメント成分および場合によっては添加剤および添加物と混合する前に疎水性化するのが好ましい。被覆層のための生モルタル中の疎水性化剤の割合は0.1〜0.5重量%、好ましくは0.2〜0.3重量%でありそしてコア層のための生コンクリー中のそれは0.1〜0.5重量%、好ましくは0.2〜0.3重量%であるのが有利である。
【0045】
硬化した各層中の疎水性化剤の割合は被覆層においては0.1〜0.7重量%、特に0.3〜0.5重量%でそしてコア層においては0.1〜0.6重量%、特に0.3〜0.4重量%であるのが有利である。
【0046】
以下で図面によって本発明を例示的に詳細に説明する。
【0047】
図1は本発明に従って製造できる建築用軽量ボードの一部の断面図である。
【0048】
図2は建築用多層軽量ボードの被覆層およびコア層を製造するための本発明に従う装置の一部の概略的縦断面図である。
【0049】
図3は第二の被覆層を製造する領域の本発明の装置の概略的縦断面図である。
【0050】
図1に従う本発明に従って製造できる建築用軽量ボード1は実質的に、好ましくは両側をそれぞれ被覆層3a;3bで被覆されているコア層2で構成されている。被覆層3a;3bはそれぞれ硬化したセメントペースト5と破砕されていない膨張ガラス顆粒6およびマトリックス中に組み入れられた、縦糸4と図示していない緯糸を有する補強織物7を有している。コア層2は実質的に、硬化したセメントペースト8と該セメントペースト8中に埋め込まれた破砕されていない膨張粘土顆粒9とで構成されているマトリックスよりなる。更に被覆層3a;3b並びにコア層2は空隙10;11を有している。
【0051】
被覆層3a;3bは1〜3mm、好ましくは1.3〜2mmの厚みを有しそしてコア層は5〜100mm、好ましくは8〜60mmの厚みを有しているのが有利である。
【0052】
本発明の建築用軽量ボードの嵩密度は好ましくは500〜1200kg/m、特に好ましくは600〜1050kg/mである。
【0053】
図2および3に示した、建築用多層軽量ボードを本発明に従って製造するための本発明の装置100は実質的に搬送用の主要運搬路、例えば主要送り速度V
を有する主送り方向で可動する主要コンベアベルト114およびコンベアベルト114上にあるU型断面の型115並びに主要搬送通路101の上部でそして好ましくはこれに平行に配置された副搬送通路102を有し、該副搬送通路102は主要コンベアベルト114に平行に送られる搬送用副コンベアベルト、例えば主送り方向Aと反対の副送り方向および主要送り速度Vに量的に相応する副送り速度Vで適当な駆動手段にて牽引運搬される副コンベアベルト、特に合成樹脂シート路127を有している。フィルム路127はそれの下側で適当な手段、例えばロールおよび/または他のコンベアベルトおよび/または薄板によって支持されおよび/または運転されている。合成樹脂シート路127の厚さは好ましくは0.1〜0.3mmであり、その幅は型115の幅に相応しているのが好ましい。
【0054】
コンベアベルト114上に位置しそして該コンベアベルトによって搬送される型115は好ましくは2つの側壁116a、底壁116b並びに2つの前縁(Stirnkanten)117を有しそして前方および後方で開口しており、その際にこれらはその前縁117で互いに突き当たるように相前後してベルト路101のベルトコンベア114上に配置されている。側壁116aは、例えば底壁116bの所の棒によって装着できることによって交換可能であるのが有利である。それによって、型115は製造すべき建築用軽量ボードの相応する厚さに合わせることができる。型115は金属、好ましくはスチール、特にステンレスよりなりそして3〜5mmの有利な壁厚を有している。更に型115は好ましくは2000〜3000mm、特に2500〜2700mmの長さおよび例えば1000〜1500mm、特に1200〜1300mmの幅を有している。
【0055】
コンベアベルト114の上方には、型底部116b上の建築用軽量ボードの第一の被覆層3aを製造および塗布するための第一の被覆層製造装置103が配置されている。同様に主要コンベアベルト114の上方に配置されそして主送り方向Aに第一の被覆層製造装置103が後続して配置され、コア層製造装置104がコア層2の製造および塗装のために第一の被覆層3aの上に装備されている。
【0056】
主送り方向Aにおいてコア層製造装置104の後に副ベルト路102が主要ベルト路の上方に配置されている。これは副送り方向Bにおいて最初にフィルム路127の上方に、第二の被覆層3bを製造および被覆するための第二の被覆層製造装置105が補強網線入り合成樹脂シート路127の上方に有しそして第二の被覆層3bをコア層2の上に塗布するための方向転換−および上載せ装置106を有し、その際に被覆層方向転換−および上載せ装置106はコア層製造装置104の送り方向Aで後配置されそして主要コンベアベルト114の上方に配置されている。従って副ベルト路102は主要ベルト路101に結びつけられている。
【0057】
第一の被覆層製造装置103は実質的に、被覆層3aのための予備混合生モルタルが容易されている予備貯蔵容器111を有する噴射装置103aよりなりそしてこれに例えばポンプ用導管112を介して底壁116bの上方でそして型115の全幅にわたりそして主送り方向Aを横切る振動式噴射ノズル113が接続されている。
【0058】
更に第一の被覆層製造装置103は、噴霧装置103aの主送り方向Aに関して後に配置された第一の補強材供給装置、例えば実質的に、第一の補強材、例えば第一のベルト状織物119が巻き付けられている第一の織物用ロール118aよりなる第一の織物敷設装置103b、および織物ロール118aの斜め下方でそして有利には底壁116bからの第一の被覆層3aの厚みに相応して離れて配置される敷設ロール118bよりなり、敷設ロール上には第一のベルト状織物119が引っ張られながら送られる。回転方向並びに両方のロール118aおよび118bの回転速度は好ましくは主送り方向Aあるいは主要送り速度Vに相応している。
【0059】
織物敷設装置103bには第一の押し込み装置103cが後に配置されており、この装置は上下可動可能な押し込み棒120を有し、この押し込み棒120は好ましくは底壁116bから第一の被覆層3aの厚みの半分まで離れて上下可動可能に配置されている。
【0060】
主送り方向Aにおいて配置された押し込み装置103cは後ろにコア層製造装置104を配備しており、この装置104が同様に予備混合されたコア層2の生コンクリート121を第一の被覆層3aの上に塗布するための多孔ホイール型桶門(Zellradschleuse)122および例えば主送り方向Aを横切り型155の幅をわたって振動し且つ多孔ホイール型桶門の後ろに配置された、第一の被覆層3aの上に生のコンクリート121を均等に分配するためのドクターブレード123を有している。第一の被覆層3aの上方のドクターブレード123はコア層2の所望の厚さだけ被覆層から離れて配置されているのが有利である。
【0061】
供給ロール128によって引っ張られている合成樹脂シート製ベルト127の上方に配置された第二の被覆層製造装置105は、実質的に、同様に二つの送り方向AおよびBを横切り且つ合成樹脂シート製ベルト127の幅にわたって振動する噴射ノズルによって合成樹脂シート製ベルト127の上に第二の被覆層3bの生モルタルを噴霧被覆するための第二の噴霧装置105aを有しており、該噴射ノズルには例えば貯蔵容器から再び生モルタルがポンプ用導管を通して供給される(図示してない)。更に、被覆層製造装置105は第二の噴霧装置105aの副送り方向Bで下流に配置された補強材供給装置、例えば第二の織物敷設装置105aを有しており、該装置は実質的に巻き付けられたベルト状織物131および第二の織物用ロール130aの斜め下方におよび合成樹脂シート製ベルト127の上方に配置された敷設ロール130bを有しており、該ロールを通して補強材として第二のベルト状織物131が同様に予備張力下に送られる。更に被覆層製造装置105は第二の押し込み装置105c上に、特に第二の上下可動可能な押し込み棒132の状態のものを被覆層3b中にベルト状織物131を組み入れるために挿入されており、該押し込み棒は好ましくは第一の被覆層(3a)の半分の厚さまで合成樹脂製シートベルト(127)から離れて上下可動に配置されている。
【0062】
副送り方向Bで後方に配置される押し込み装置105Cには、引っ張り状態で存在する、好ましくは方向転換ロール133によって駆動される押し付けベルト135を主方向送り速度Vで回転するために、実質的に駆動される方向転換ロール133および押し付けロール134よりなる方向転換−および上載せ装置106が存在している。
【0063】
本発明に従って方向転換ロール133は、コア層2の上側から間隔を置いて第二の被覆層3bの厚さに略一致するかまたは殆ど僅かであるようにコンベアベルト114の上方にある。方向転換ロール133の所に主送り方向Aにある後続の押し付けロール134は好ましくは方向転換ロール133よりコア層表面からより僅かしか離れずに配置されている。
【0064】
本発明に従う装置100を用いて建築用軽量ボードの本発明に従う連続製造方は以下の通り行う:
ポンプ搬送でき、噴射できそして流動可能である予備混合された、有利には貯蔵容器111に既に保たれた、第一の被覆層3a製造用の生モルタル110を、ポンプ用導管112を通して、主送り方向Aを横切って振動する第一の噴射ノズル113に供給しそして薄い層状態の圧縮空気噴出物で主送り方向A中を可動する型115中に噴射され、その際に層厚は振動速度、ベルトの送り速度および/または噴射ノズル113を通るモルタルの流量によって調整することができる。
【0065】
次いで織物用ロール118からエンドレスのベルト状織物状物119は、第一の被覆層のために引き出されそして僅かな予備張力のもとで、型115中に存在するモルタル層の上に載せられる。埋め込むために上下可動可能な押し付け棒120でベルト状織物119が生モルタル110中に押し込まれる。
【0066】
多孔ホイール型桶門を通してコア層のための予備混合された、好ましくはじめじめした生コンクリート121が、型115中に存在する最初の被覆層3aの上に適用されそして好ましくは主送り方向Aを横切って振動するドクターブレード123で均一に分配される。
【0067】
第二の被覆層3bを製造するために、ポンプ搬送でき、噴射できそして流動可能である生モルタル110を例えば場合によっては貯蔵容器中で予備混合され既に保管されておりそしてポンプ導管を通して副送り方向Bを横切って振動する第二の噴射ノズル125中にポンプ反応層しそして副送り方向Bを移動し且つ適当な手段で予備的に引っ張られている合成樹脂シート製ベルト127の上に噴射する。合成樹脂シート製ベルト127は供給ロール128によって引っ張られる。
【0068】
第二の被覆層3bのためのモルタル層中に、第一の被覆層3aの場合の方法と同様に第二の織物用ロール130aから第二の織物用ベルト131を予備的な緊張下に引っ張り、好ましくは駆動する敷設ロール130aを通して送られ、最初にモルタル層の上に載せられ、次いで好ましくは押し付け棒132によって該モルタル層中に埋め込まれそして組み入れられる。
【0069】
その結果として、第二の被覆層3bが、それにて形成し得る建築用軽量ボード外側面を最も下で且つ特に合成樹脂シート製ベルト127の上に配置されるように、コア層2に対して鏡面逆転あるいは逆位にそして好ましくは平行にあるいは同時に製造される。
【0070】
次いで合成樹脂シート製ベルト127は、それの上に適用された、生モルタル110およびベルト状織物131よりなる第二の被覆層3bと一緒に、ベルト路101の主要送り速度Vと一緒に回転する方向変換ロール133を経て例えば180°だけ下方に方向転換されて、合成樹脂シート製ベルトの運動方向および速度が方向転換ロール133の後の被覆層3bと一緒に主送り方向Aあるいは主要送り速度Vに一致しそして合成樹脂シート製ベルト127は第二の被覆層の上に存在しそして建築用軽量ボードの外側面の第二の被覆層3bは最も上側に位置している。
【0071】
従って方向転換ロール133の上方には合成樹脂シート製ベルト127が被覆層3bと一緒に、型中に存在するコア層2の上に載せられそして有利には押し付けロール134および押し付けベルト135によってコア層2に押し付けられる。
【0072】
例えば方向転換ロール133および/または副ベルト路102に主送り方向Aにおいて後ろに配置された切断装置入り口(図示してない)の所で、製造されたエンドレスのボード帯状物は型115の前縁117に沿って例えば切断用歯車によって個々のボードに分割される。
【0073】
次の時にはベルト路の個々の型を取り外し、互いに重ね合わせて積み上げそして凝固用溝に送り、そこで個々の型を例えば5〜15時間例えば40〜50℃で凝固するまで滞留させる(図示してない)。その後に合成樹脂シート製ベルトを第二の被覆層から剥がし取りそして型から建築用軽量ボードを取り出す。合成樹脂シート製ベルトは中でも凝固工程の際に第二の被覆層の表面を被覆することによって、水和化に必要な水を建築用軽量ボード中に保持しあるいは建築用ボードのスラッジを時期尚早に乾燥するのを防止するのに役立つ。
【0074】
次いで建築用軽量ボードは乾燥器において例えば50〜60℃で乾燥させる。型は浄化しそして新たにベルト通路に送る。
【0075】
被覆層に、例えば水不透過性の繊維よりなる高い割合の織物、特に高い割合のガラス繊維織物、および独立気泡の膨張ガラス顆粒を有する本発明の建築用軽量ボードを形成することによって、特に該織物並びに独立気泡の該膨張ガラス顆粒が水を吸収しないので、水吸収性あるいは水吸収能力が、疎水性化剤を添加せずとも十分に低い建築用軽量ボードが得られる。
【0076】
従って、水が被覆層を通ってコア層に浸透することが物理的に十分に阻止され、その結果建築用軽量ボードの膨潤および該膨潤に伴う膨張ひび割れおよび被覆物の剥落が阻止できる。
【0077】
更に、被覆層中のガラス繊維織物および膨張ガラス顆粒の割合が多いことが、製造の際に低い水/固体−値(w/f)を許容し、このことから特に被覆層における収縮ひび割れを殆ど完全に回避し得るという結果が得られる。
【0078】
被覆層中のセメントおよび膨張ガラス顆粒は、補強織物を確り且つ良好に埋め込みそして係留する固形モルタル−マトリックスを形成し、その結果、負荷および湿気の影響のもとにあっても確りした結合が形成される。
【0079】
本発明に従って製造される建築用軽量ボードは、比較的に均一で殆どモノリスであり且つそれ故に均一で小さいヤング率のマトリックス構造を有し、それによって負荷および湿気の影響のもとにコア層と被覆層との間に生じる組織中の応力が、ひび割れを生じさせることなく排除できる。
【0080】
更に建築用軽量ボードの水吸収性は、特に通例の開放孔の軽量骨材に比較して殆ど水を吸収しないコア層に追加的に独立気泡および/または独立孔の膨張粘土顆粒を使用することによって、低減され得る。
【0081】
更に被覆層の両方の表面は特に独立気泡の軽量骨材のためにおよび金属製型でおよび合成樹脂シート製ベルト上で製造することによって視認できる孔を殆ど有しておらず、比較的に平面である。これは、独立気泡の軽量骨材が比較的に滑らかな表面であるためにセメント接着剤が側を容易に流れることができそして重力のために表面にセメント接着剤の薄い層を形成することによるものである。
【0082】
これらの表面はそれによって更に比較的に耐摩耗性である。薄い漆喰もこれらの表面に問題なく且つ起伏なしに塗布することができる。
【0083】
その都度のボードの厚さに適合する型によって、型中に未だ存在するボードを積み重ねる際にボードの厚さによって決められる程度しか場所を必要としない。
【0084】
本発明の方法での建築用軽量ボードの製造は従って非常に簡単でそして経済的である。特に、反対の送り方向を用いて二つの被覆層を平行状態で同時に製造することによって非常に沢山の時間およびベルト長さが節約される。
【0085】
本発明の方法は特別な層構造を有する建築用軽量ボードの手法を説明している。しかしながらこの層構造は重要ではない。むしろ本発明の方法によって、一つの被覆層しか有していない建築用多層軽量ボードも、最初にコア層を適用しそしてその上に被覆層を適用することによって製造することができる。更に補強材の導入も省くことができるしまたは被覆層中に上述の補強材と異なるものを導入することもできる。これに本発明の装置の構造も適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】は本発明に従って製造できる建築用軽量ボードの一部の断面図である。
【図2】は建築用多層軽量ボードの被覆層およびコア層を製造するための本発明に従う装置の一部の概略的縦断面図である。
【図3】は第二の被覆層を製造する領域の本発明の装置の概略的縦断面図である。
【符号の説明】
【0087】
2・・・コア層
3a;3b・・・被覆層
100・・・建築用軽量ボードを製造するための装置
101・・・主搬送路
102・・・副搬送路
103・・・第一の被覆層製造装置
105・・・第二の被覆層製造装置
106・・・被覆層の方向転換−および転位装置
111・・・貯蔵容器
114・・・主要搬送手段
115・・・型
116b・・・底壁
118a・・・第一の補強材ベルト用ロール
119;131・・・ベルト状織物
120・・・押し込み棒
122・・・多孔ホイール型桶門
135・・・押し付けベルト
127・・・合成樹脂シート製ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア層(2)および該コア層(2)の少なくとも1つの主要面に配置された被覆層(3a;3b)を有するセメントベースの建築用多層軽量ボードの連続的製造方法において、以下の方法段階:
− 生コンクリートのコア層を連続的に移動する第一の支持体の上に生コンクリートを適用して製造し、
− 被覆層(3b)を連続的に移動する第二の支持体の上に製造しそして予め形成された被覆層(3b)をコア層(2)の上に載せ、
− この層帯状物を個々のボードに裁断し、
− 該ボードを凝固させ、
− 場合によってはそのボードを乾燥させる
ことを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
最初に第一の被覆層(3a)を、第一の連続的に移動する支持体の上に生モルタルを適用することによって製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
被覆層(3a)の生モルタルに補強材、好ましくはベルト状織物を導入する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第二の被覆層(3b)中に補強材、特にベルト状織物を導入する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
第二の被覆層(3b)をそれで形成すべき建築用軽量ボード外側面を最も下で且つ特に連続的に移動する支持体の上に配置されるように、鏡面逆転位置あるいは逆の位置に製造し、そのために例えばコア層(2)または第一の被覆層(3a)およびコア層(2)を主送り方向Aを移動する支持体の上に載せそして第二の被覆層(3b)を主送り方向Aと対峙して副送り方向Bを移動する支持体の上に製造しそして被覆層と一緒に支持体を好ましくは180°方向転換してコア層(2)の上に載せる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
第一および第二の被覆層(3a;3b)の補強材、例えばベルト状織物(119;131)を各被覆層(3a;3b)中に押し込む、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
生モルタルを被覆層(3a;3b)のために使用し、骨材、例えばポゾラン、例えばフライアッシュ、特に石炭フライアッシュおよび/または高炉アッシュおよび/または微細シリカ、および好ましくは通例の添加剤、例えば気泡形成剤および/または流動剤、例えばポリカルボキシレートエーテルおよび/または安定剤、例えばメチルセルロースおよび/または分散剤、例えばエチレン、ビニルラウレートおよび塩化ビニルの三元共重合体を含有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
被覆層(3a;3b)のための生モルタルの特に有利な以下の組成を用いる請求項7に記載の方法:
【表1】

【請求項9】
被覆層(3a;3b)のためのDINに従う生モルタルの水/固体−値(w/f)を0.35〜0.6、特に0.4〜0.5に調整する、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
被覆層(3a;3b)のための生モルタルのために21〜24cm、特に好ましくは21.5〜23cmのフロー性に調整する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
コア層(2)のために、通例の添加物、例えばポゾラン、例えばフライアッシュ、特に石炭フライアッシュおよび/または高炉アッシュおよび/または微細シリカ、および好ましくは通例の添加剤、例えば気泡形成剤および/または分散剤、例えばエチレン、ビニルラウレートおよび塩化ビニルよりなる三元共重合体および/または流動剤、例えばポリカルボキシレートエーテルを含有する生コンクリートを使用する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
コア層(2)のための生コンクリートの特に有利な以下の組成物を用いる請求項11に記載の方法:
【表2】

【請求項13】
コア層(2)のための生コンクリートの水/固体−値(w/f)を0.15〜0.3、特に0.2〜0.25に調整する、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
コア層(2)のための生コンクリートのためにDINに従うフロー性を16〜18cmに調整する、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
1〜3mm、好ましくは1.3〜2mmの厚みの被覆層3a;3bおよび5〜100mm、好ましくは8〜60mmの厚みのコア層(2)を製造する、請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
第二の被覆層(3b)を方向転換しそしてコア層(2)の上に載せた後に、特に平らに、例えば可動する押し付けベルト(135)を用いてコア層(2)に押し付ける、請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
被覆層(3a;3b)のための生モルタルをその都度移動する支持体の上に、特に主送り方向Aあるいは副送り方向Bを横切りそして型(115)あるいは合成樹脂シート製ベルト(127)の全幅にわたって振動する噴霧ノズル(113,125)によって噴霧する、請求項1〜16のいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
コア層(2)のための生コンクリートを主送り方向Aを横切り振動するドクターブレード装置によって均一に分配する、請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
コア層(2)、およびコア層(2)の主要表面に配置され且つ好ましくは補強材、例えばベルト状織物(119;131)が埋め込まれた被覆層(3b)を有するセメントベースの建築用多層軽量ボード、特に請求項1〜18のいずれか一つに記載の建築用軽量ボードを製造するための装置(100)において、
a) 主要送り速度Vで主送り方向Aに移動する主要運搬手段、例えばコンベアベルト(114)および好ましくは主要運搬手段(114)の上に載せられた型(115)を有する主要運搬路、例えば主要ベルト路(101)
b) 主要運搬路(101)の上方でそして好ましくはこれに平行に配置された、副ベルト通路(102)への副搬送路;この副ベルト通路(102)は主要送り速度Vに速度的に一致する副送り速度Vで主送り方向Aと反対の副送り方向Bに運転できる緊張運搬される、主要搬送手段(114)に平行に送られる副搬送手段、特に合成樹脂シート路(127)の形でのものを有する、
その際に主搬送路(101)が
c)好ましくは主搬送手段(114)の上方に配置される第一の被覆層製造装置(103)、
d)同様に好ましくは搬送用ベルト(114)の上方に配置されそして場合によっては主送り方向Aにおいて被覆層製造装置(103)の後に配置されるコア層製造装置(104)、
e)製造されたボード帯状物を個々のボードに分割するための裁断装置、
f)硬化装置あるいは−区間および
g)好ましくは乾燥装置
を有し、
そして副搬送路(102)が副送り方向Bにおいて好ましくは相前後して配置されており、
h)第二の被覆層製造装置(105)および
i)被覆層の方向転換−および転位装置(106)
を有し、その際に好ましくは被覆層方向転換−および上載せ装置(106)がコア層製造装置(104)の主送り方向Aにおいて後に配置されそして裁断装置の前で主搬送ベルト(114)の上部に配置されており、その結果副搬送ベルト(102)が主搬送ベルト(101)と相互に作用することを特徴とする、上記装置。
【請求項20】
第一の被覆層製造装置(103)は主送り方向Aにおいて第一の噴射装置(103a)の後ろに、第一の補強材敷設装置(103b)および好ましくは第一の押し込み装置(103c)を有している、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
第一の噴射装置(103a)が貯蔵容器(111)および型(115)の底壁(116b)の上方に配置されそして型(115)の全幅にわたって並びに主送り方向(A)を横切って振動する、ポンプ用導管(112)を介して貯蔵容器(111)に連結されている噴射ノズル(113)を有している、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
第一の敷設装置(103b)が、第一の補強材ベルト、例えば織物ベルト(119)が巻かれている第一の補強材ベルト用ロール(118a)および好ましくはロール(118a)の斜め下方でそして有利には第一の被覆層3aの厚みに相応して底壁(116b)から離れて配置される敷設ロール(118b)を有し、敷設ロール上には第一の補強材ベルト(119)が特に緊張状態で送られる、請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
第一の押し込み装置(103c)が上下可動可能な押し込み棒(120)を有し、この押し込み棒(120)は好ましくは底壁(116b)から第一の被覆層(3a)の半分の厚みまで離れて上下可動可能に配置されている、請求項20〜22のいずれか一つに記載の装置。
【請求項24】
コア層製造装置(104)が多孔ホイール型桶門(Zellradschleuse)(122)および,主送り方向Aを横切り型(155)の幅をわたって振動し且つ主送り方向Aにおいて多孔ホイール型桶門(122)の後ろに配置された、好ましくは第一の被覆層(3a)の上にコア層2の所望の厚さだけ被覆層(3a)から離れて配置されているドクターブレード(123)を有している、請求項19〜23のいずれか一つに記載の装置。
【請求項25】
第二の被覆層製造装置(105)が副送り方向Bにおいて第二の噴射装置(105a)の後ろに、第二の織物敷設装置(105b)並びに第二の押し込み装置(105c)を配備する、請求項19〜24のいずれか一つに記載の装置。
【請求項26】
第二の噴霧装置(105a)が副送り方向Bを横切りそして合成樹脂シート製ベルト(127)の幅にわたって振動する噴射ノズル(125)並びに好ましくは貯蔵容器およびポンプ用導管を有する、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
第二の敷設装置(105b)が、例えば巻き付けられたベルト状織物(131)を有する第二ベルト用ロールおよび有利には第二のロール(130a)の斜め下方におよび合成樹脂シート製ベルト(127)の上方に配置された敷設ロール(130b)を有しており、該ロールを通して第二のベルト状織物(131)が送られる、請求項25または26に記載の装置。
【請求項28】
第二の押し込み装置(105c)が第二の上下可動性の押し込み棒(132)を有し、これが好ましくは第一の被覆層(3a)の半分の厚さまで合成樹脂製シートベルト(127)から離れて上下可動に配置されている、請求項25〜27のいずれか一つに記載の装置。
【請求項29】
被覆層の方向転換−および上載せ装置(106)が、方向転換ロール(133)および押し付けロール(134)を有し、その周りを緊張状態にある押し付けベルト(135)が特に主送り速度Vで周回運転可能である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−205734(P2006−205734A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21267(P2006−21267)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(506029299)クセラ・トロッケンバウ−ジステーメ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (2)
【Fターム(参考)】