説明

建設機械の冷却装置

【課題】 すべての熱交換器を一つのフィルタで一括して濾過する方式によってメンテナンス性を改善し、しかも低コストですむとともに、各熱交換器に対する濾過機能を確保する。
【解決手段】 熱交換器としてのラジエータ24とオイルクーラ25とインタークーラ26を並列配置するとともに、その上流側にコンデンサ27を配置する。このコンデンサ27の前面側に、すべての熱交換器24〜27に共通の防護ネット30を配置し、この防護ネット30とすべての熱交換器24〜27との間で外周側の隙間をシール枠33と取付枠32で塞いだ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧ショベル等の建設機械において、熱交換器の前面(空気流の上流)側に防塵、防虫等のためのフィルタが配置される冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の好適例である油圧ショベルを例にとって従来の技術を説明する。
【0003】
たとえば油圧ショベルにおいては、図9,10に示すように、下部走行体上に垂直軸まわりに旋回自在に搭載された上部旋回体1の後部にエンジンルーム2が設けられ、このエンジンルーム2内にエンジン3と、このエンジン3によって駆動される油圧ポンプ4が設けられる。
【0004】
また、この油圧ポンプ4と反対側に、熱交換器としてエンジン冷却用のラジエータ5と、作動油冷却用のオイルクーラ6と、ターボチャージャー用のインタークーラ7と、エアコン用のコンデンサ8が並んで配置される。以下、これらを一括して『熱交換器』という場合がある。
【0005】
また、ラジエータ5とエンジン3との間に冷却ファン9が設けられ、この冷却ファン9の回転により、エンジンルーム2を形成する外装体10(通常、ガードと呼ばれる)に設けられた吸い込み口(ガラリ)11から外気が吸い込まれ、冷却空気として各熱交換器5〜8を通過する。
【0006】
この場合、冷却空気中に含まれた塵埃や虫等の異物によって各熱交換器5〜8が目詰まりを起こさないように、空気流の上流側にフィルタを設ける必要がある。
【0007】
ここで、一般的には、図示のように各熱交換器5〜8ごとにその前面側(空気流の上流側。以下にいう前後の方向性について同じ)にそれぞれフィルタとしての防護ネット12〜15が吸い込み空気流に対向して設けられている(たとえば特許文献1参照)。
【0008】
16は吸い込み空気をラジエータ5と冷却ファン9との間でガイドするためのシュラウドである。
【特許文献1】特開2000−177403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上記のように熱交換器5〜8ごとに個別に防護ネット12〜15を設ける個別ネット方式によると、防護ネット12〜15の清掃、交換のための着脱作業も個別に行わなければならない。
【0010】
しかも、最上流側の防護ネット15以外の各防護ネット12〜14は、機械の上に乗ってエンジンルーム2の上面側から着脱しなければならない。
【0011】
このため、このネット着脱作業が面倒でメンテナンス性が悪かった。
【0012】
一方、特開2000−177403号公報に記載された公知技術では、少しでもネット着脱の手間を減らす工夫として、コンデンサ8の前面側に配置される防護ネット15の周縁部を後方(下流側)に延ばしてインタークーラ7をも一体に覆う構成としている。
【0013】
しかし、この構成では、ラジエータ5及びオイルクーラ6については旧態依然として個別ネット方式をとっているため、これらの着脱は作業として厄介なエンジンルーム上面側から行わなければならず、メンテナンス性の改善の点で根本的な解決とはなっていない。
【0014】
また、縁付きネットによってネット形状が複雑化し、製作が面倒でコスト高となる問題もあり、これらの点で実用に不向きとなっていた。
【0015】
なお、メンテナンス性の改善のために、ネットの縁をラジエータ部分まで延ばしてすべての熱交換器12〜15を囲い込む構成、つまり一つの防護ネットをすべての熱交換器12〜15に共用する構成をとることも考えられるが、こうするとネット形状の複雑化、コストアップが益々顕著となるだけでなく、ネット形状の複雑化に伴ってその着脱がかえって面倒となるため、現実的でない。
【0016】
そこで本発明は、すべての熱交換器について一つのフィルタを共用する方式によってメンテナンス性を改善し、しかも低コストですむとともに、各熱交換器に対する濾過機能を確保することができる建設機械の冷却装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の発明は、冷却ファンによって吸い込まれる空気流により複数の熱交換器を冷却する建設機械の冷却装置において、上記空気流の最も上流側に、すべての熱交換器に共通のフィルタが設けられ、かつ、このフィルタとすべての熱交換器との間で外周側の隙間を塞ぐシール手段が設けられたものである。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、熱交換器及びフィルタが収容される外装体におけるフィルタに対面する部分にメンテナンス開口が設けられ、フィルタがこのメンテナンス開口側から取付け、メンテナンス開口側に取り外し可能な状態で設けられたものである。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、熱交換器が空気流に対して上流側と下流側とに分けて配置され、シール手段が、フィルタと最下流側の熱交換器との間に跨ってこれらの外周側に設けられたものである。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、シール手段として、外周側の隙間を通る空気の流れを遮断するシール部材が設けられたものである。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、シール手段として、外周側の隙間を通る空気を濾過する濾材が設けられたものである。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、複数の熱交換器が空気流と直交する方向に並列配置されるとともに、この並列配置された熱交換器間の隙間を塞ぐ補助シール手段が設けられたものである。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの構成において、端部に配管部を備えた熱交換器について、上記配管部がシール範囲外に突出するように配置され、配管部以外の平坦な部分でシール手段によって隙間が塞がれるように構成されたものである。
【0024】
請求項8の発明は、冷却ファンによって吸い込まれる空気流が通過する額縁状の取付枠と、この取付枠内に並列に取付けられる複数の下流側熱交換器と、この下流側熱交換器の上流側に設けられる上流側熱交換器と、この上流側熱交換器のさらに上流側に配置されてすべての熱交換器に対し一括して濾過作用を行うフィルタと、このフィルタと上記取付枠との間の外周隙間を塞ぐ状態でフィルタの外周に取付けられるシール枠とを備え、かつ、上記上流側熱交換器は端部に配管部を有し、この配管部が上記シール枠の一辺から外部に突出する状態で配置される一方、上記シール枠に切欠が設けられ、上記上流側熱交換器における配管部に隣接するタンク部がこの切欠に嵌まり込んで、シール枠とタンク部との間、及びシール枠と取付枠との間がほぼ気密状態に保たれるように構成されたものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、第1に、一つのフィルタをすべての熱交換器に共用する一括濾過方式をとっているため、フィルタの着脱は一つのみについて行えばよい。
【0026】
第2に、複数の熱交換器を一括して囲い込む構造と比較してフィルタそのものは単純な形状でよい。
【0027】
第3に、フィルタが最上流側、つまりメンテナンス開口に最も近い側に位置するため、このメンテナンス開口を地上からの操作が可能な位置に設けておくことにより、地上からのメンテナンスが可能となる。
【0028】
この三点により、フィルタの清掃や交換のための着脱作業がきわめて容易となり、メンテナンス性を著しく改善することができる。
【0029】
とくに請求項2の発明によると、フィルタに対面する部分にメンテナンス開口を設け、フィルタをこのメンテナンス開口側から取付け、メンテナンス開口側に取り外し可能に構成したから、フィルタの着脱がさらに簡単となる。
【0030】
また、一つのフィルタで複数の熱交換器を囲い込む構造とした場合のような特殊形状への加工が不要で、フィルタの製作コストが安くてすむ。
【0031】
しかも、一括濾過方式でありながら、フィルタとすべての熱交換器との間で外周の隙間をシール手段(請求項8では取付枠とシール枠)によって覆うため、外周側の隙間から異物が流入するおそれがなく、濾過機能を確保することができる。
【0032】
ここで、本発明は、請求項3のように複数の熱交換器が前後に重ねて配置される場合、及び請求項6のように空気流と直交する方向(通常は左右)に並んで配置される場合のいずれにも適用することができる。
【0033】
請求項6の発明によると、すべての熱交換器を空気の流れ方向に一つずつ並べる場合と比較して、シール個所が少なくてすむ。この場合、補助シール手段によって熱交換器間をもシールすることで、熱交換器を通過しない空気の流れ(ショートパスを)防止することができる。
【0034】
また、外周側の隙間は、請求項4のように空気を通さないシール部材でシールしてもよいし、請求項5のように濾材でシールしてもよい。
【0035】
請求項7,8の発明によると、端部に配管部を備えた熱交換器について、シール性の悪い配管部をシール範囲外に突出させ、配管部以外の平坦な部分でシール手段によって隙間を塞ぐ(請求項8ではシール枠の切欠にタンク部を嵌め込んでほぼ気密状態に保つ)構成としたから、良好なシール性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施形態を図1〜図8によって説明する。
【0037】
第1実施形態(図1〜図4参照)
図1はエンジンルーム22内でのエンジン23と冷却装置の各熱交換器の配置を背面側から見た図、図2はその一部の拡大平面図、図3は分解斜視図である。
【0038】
エンジンルーム22内におけるエンジン23の片側に、エンジン冷却用のラジエータ24と、作動油冷却用のオイルクーラ25と、ターボチャージャー用のインタークーラ26と、エアコン用のコンデンサ27が配置される(以下、これらを一括して『熱交換器』という場合がある)。
【0039】
図1中、28は冷却ファン、29はシュラウド、30は外装体、31はこの外装体30に設けられた吸い込み口である。
【0040】
この実施形態では、ラジエータ24とオイルクーラ25とインタークーラ26の三つの熱交換器について、ラジエータ24を真ん中にして左右(冷却空気流の方向を前後とした場合の左右。以下にいう左右及び前後の方向性について同じ)にオイルクーラ25及びインタークーラ26が配置された所謂サイドバイサイド形式で並設され、これらの前面(上流)側にコンデンサ27が配置されている。
【0041】
後側三つの熱交換器24〜26は、合計の幅寸法が過大とならないように縦長に形成され、額縁状に形成された共通の取付枠32にそれぞれ図示しないブラケットを介して取付けられている。
【0042】
取付枠32にはまた、前面側に額縁状のシール枠33が取付けられ、このシール枠33にフィルタとしての防護ネット34が着脱自在に取付けられている。
【0043】
こうして、防護ネット34が、コンデンサ27の前面側、つまり最上流側においてすべての熱交換器24〜27への異物の侵入を防止する共通の濾過材として設けられている。
【0044】
防護ネット34は外周にネット枠35を備え、このネット枠35がシール枠33に対し空気流の上流側から取付け、上流側に取外し可能な状態で着脱自在に取付けられる。
【0045】
なお、図例ではこの防護ネット34を一枚物で形成した場合を示しているが、複数枚のネット体を上下または左右に組み合わせて一つの防護ネット34を構成してもよい。
【0046】
一方、この共通の防護ネット34とコンデンサ27との間でその外周側に形成される隙間はシール枠33によって、また、サイドバイサイド形式で並べられた三つの熱交換器24〜26の外周側に形成される隙間は取付枠32によっていずれも閉塞され、これら隙間からの異物の侵入が防止される。
【0047】
さらに、並設された三つの熱交換器24〜26と取付枠32との間、及び各熱交換器間にも隙間が形成されるが、この隙間も別途、補助シール手段としての補助シール材36により閉塞されて熱交換器24〜26を通過しない空気の流れ(ショートパスを)が防止される。
【0048】
このように、一つの防護ネット34をすべての熱交換器24〜27に共用する一括濾過方式をとっているため、清掃、交換等のメンテナンスはこの一つの防護ネット34についてのみ行えばよい。
【0049】
しかも、この防護ネット34は最上流側に位置するため、メンテナンスを吸い込み口31側のメンテナンス開口37を通して簡単に行うことができる。
【0050】
ここで、メンテナンス開口37は、外装体30の側面部における吸い込み口31を含む範囲に、防護ネット34を出し入れし得る開口として同ネット34と対面して形成され、開閉(または着脱)自在なメンテナンスカバー38によって開閉される。
【0051】
従って、防護ネット34の着脱を地上からより簡単かつ安全に行うことができる。
【0052】
この場合、防護ネット34そのものは図示のように普通の単純な形状でよいこと、及び前記のように上流側(メンテナンス開口側)から取付け、上流側に取外しできることにより、着脱作業そのものも容易となる。
【0053】
以上の点により、フィルタの清掃や交換のための着脱作業がきわめて容易となり、メンテナンス性を著しく改善することができる。
【0054】
また、一つの防護ネットですべての熱交換器を囲い込む構造とした場合のような特殊形状への加工が不要で、防護ネット34の製作コストが安くてすむ。
【0055】
しかも、一括濾過方式でありながら、防護ネット34とすべての熱交換器24〜27との間で外周の隙間をシール枠33及び取付枠32によって覆うため、外周側の隙間から異物が流入するおそれがなく、濾過機能を確保することができる。
【0056】
ところで、コンデンサ27には、一端側に外部ホースが接続される配管部39が設けられるため、この凹凸付きの配管部39を直接、シール枠33でシールするとなると、シール構造が複雑となるとともに、シールが不確実になるおそれがある。
【0057】
この実施形態では、この点の対策として、配管部39を避け、これに隣接する平坦な部分であるタンク部40でシールする構成がとられている。
【0058】
すなわち、シール枠33の一側部に切欠41が設けられ、タンク部40がこの切欠41に嵌まり込み、かつ、配管部39が切欠41を通して外部に突出する状態でコンデンサ27がシール枠33内に配置されている。
【0059】
また、切欠41の開口縁部には、タンク部40に密着してその外周面を漏れなくシールするシール材42(図4に示す)が設けられている。
【0060】
こうして、シール枠33とタンク部40(コンデンサ27)との間、及びシール枠33と取付枠32との間がほぼ気密状態(完全気密またはそれに近い気密状態)に保たれる。
【0061】
他の実施形態
以下の各実施形態においては、第1実施形態との相違点のみを説明する。
【0062】
(1) 図5に示す第2実施形態においては、コンデンサ外周側の他のシール構造例として、配管部39にこれの外形にフィットするクランプ43を取付け、このクランプ43の平坦面でシールする構成をとっている。
【0063】
こうすれば、コンデンサ27の配管部39を除くほぼ全体をシール枠33内に設置することができる。
【0064】
(2) 図6,7に示す第3実施形態においては、シール枠33に対する防護ネット34の取付構造例として、シール枠33の上縁部内側、及びネット枠35の上縁部にそれぞれ同じ向きに傾斜したバネ性を有する係合片44,45を設け、この係合片44,45同士を係合させることにより、防護ネット34をシール枠33に着脱自在に取付けている。
【0065】
また、シール枠33の周縁部内側に図示のように間隔を置いてネット受け46…を設け、防護ネット34(ネット枠35)をこのネット受け46…で内側から受け止めるように構成されている。
【0066】
(3) 上記各実施形態では、コンデンサ27の外周隙間をシール枠33により閉塞して空気の流通を阻止する構成をとったのに対し、図8に示す第4実施形態においては、シール枠47をネットで形成し、外周隙間部分での空気の流通を許容する(異物の侵入は阻止する)構成をとっている。
【0067】
こうすれば、上記各実施形態の場合よりも装置全体としての冷却空気量を増やすことができるため、冷却効率を上げることができる。
【0068】
(4) 第1〜第3各実施形態におけるシール枠33、及び第4実施形態におけるシール枠47を防護ネット34と一体に形成し、このシール枠33,47を取付枠32に対して着脱する構成をとってもよい。
【0069】
この場合でも、一つの熱交換器(コンデンサ27)のみを囲う形式となるため、複数の熱交換器を囲い込む場合と比較してネット形状は単純でよく、製作コストも安くてすむ。
【0070】
また、他の構成として、第1〜第3各実施形態のように防護ネット34をシール枠33,47に対して着脱自在に取付ける一方、シール枠33,47を取付枠32に対して着脱自在に取付けてもよい。
【0071】
(5) コンデンサ27、または図5に示す第2実施形態におけるクランプ43を、防護ネット34を取付けるためのブラケットの一部として利用する構成をとってもよい。
【0072】
(6) 上記各実施形態では、最上流側にコンデンサ27を配置し、その下流側に三つの熱交換器24〜26を並列配置する構成をとったが、コンデンサ27以外の熱交換器を最上流側に配置してもよい。
【0073】
また、四つの熱交換器24〜27を二つずつ並列配置して前後に並べてもよいし、すべての熱交換器24〜27を一つずつ前後に並べて配置してもよい。
【0074】
(7) 熱交換器群の最上流側に設置するフィルタは、上記各実施形態で例示した防護ネット34に限らず、他の濾材を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる冷却装置の機器配置を背面側から見た図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】同装置の分解斜視図である。
【図4】同装置におけるコンデンサのシール部分を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる冷却装置におけるコンデンサのシール部分を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態にかかる冷却装置における防護ネットとシール枠の分解斜視図である。
【図7】同組立状態の断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態にかかる冷却装置における防護ネットとシール枠の分解斜視図である。
【図9】本発明が適用される油圧ショベルにおける従来の冷却装置の機器配置を示す平面図である。
【図10】同装置の機器配置を背面側から見た拡大図である。
【符号の説明】
【0076】
24 熱交換器としてのラジエータ
25 同オイルクーラ
26 同インタークーラ
27 同コンデンサ
28 冷却ファン
31 吸い込み口
32 シール手段を兼ねる取付枠
33 シール手段としての空気の流れを遮断するシール枠
34 フィルタとしての防護ネット
36 補助シール手段としての補助シール材
37 メンテナンス開口
38 メンテナンスカバー
39 コンデンサの配管部
40 配管部に隣接するタンク部
41 コンデンサをシール範囲外に突出させるための切欠
47 ネットで形成されたシール手段としての空気を濾過するシール枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ファンによって吸い込まれる空気流により複数の熱交換器を冷却する建設機械の冷却装置において、上記空気流の最も上流側に、すべての熱交換器に共通のフィルタが設けられ、かつ、このフィルタとすべての熱交換器との間で外周側の隙間を塞ぐシール手段が設けられたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
【請求項2】
請求項1記載の建設機械の冷却装置において、熱交換器及びフィルタが収容される外装体におけるフィルタに対面する部分にメンテナンス開口が設けられ、フィルタがこのメンテナンス開口側から取付け、メンテナンス開口側に取り外し可能な状態で設けられたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の建設機械の冷却装置において、熱交換器が空気流に対して上流側と下流側とに分けて配置され、シール手段が、フィルタと最下流側の熱交換器との間に跨ってこれらの外周側に設けられたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建設機械の冷却装置において、シール手段として、外周側の隙間を通る空気の流れを遮断するシール部材が設けられたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建設機械の冷却装置において、シール手段として、外周側の隙間を通る空気を濾過する濾材が設けられたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建設機械の冷却装置において、複数の熱交換器が空気流と直交する方向に並列配置されるとともに、この並列配置された熱交換器間の隙間を塞ぐ補助シール手段が設けられたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建設機械の冷却装置において、端部に配管部を備えた熱交換器について、上記配管部がシール範囲外に突出するように配置され、配管部以外の平坦な部分でシール手段によって隙間が塞がれるように構成されたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
【請求項8】
冷却ファンによって吸い込まれる空気流が通過する額縁状の取付枠と、この取付枠内に並列に取付けられる複数の下流側熱交換器と、この下流側熱交換器の上流側に設けられる上流側熱交換器と、この上流側熱交換器のさらに上流側に配置されてすべての熱交換器に対し一括して濾過作用を行うフィルタと、このフィルタと上記取付枠との間の外周隙間を塞ぐ状態でフィルタの外周に取付けられるシール枠とを備え、かつ、上記上流側熱交換器は端部に配管部を有し、この配管部が上記シール枠の一辺から外部に突出する状態で配置される一方、上記シール枠に切欠が設けられ、上記上流側熱交換器における配管部に隣接するタンク部がこの切欠に嵌まり込んで、シール枠とタンク部との間、及びシール枠と取付枠との間がほぼ気密状態に保たれるように構成されたことを特徴とする建設機械の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−52689(P2006−52689A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−235359(P2004−235359)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】