Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
建設機械の制御装置
説明

建設機械の制御装置

【課題】オートストップ機能を備えた建設機械において、エンジン自動停止後の蓄電器の電力低下を防止する。
【解決手段】予め設定されたオートストップ条件が成立したときにエンジン1を自動停止させるオートストップ制御を行うエンジン制御部5と、エンジン制御部5を含む電気・電子設備の電源としての蓄電器6と、蓄電器6から電気・電子設備への電力供給/遮断を制御する電源制御部7を備え、電源制御部7は、オートストップ制御によるエンジン1の自動停止後に、蓄電器6から電気・電子設備への電力供給を自動停止させる電源遮断制御を行うように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はショベル等の建設機械において、非作業時に燃料節約や排ガス及び騒音の低減等のためにエンジンを自動的に停止(オートストップ)させる制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術として、特許文献1,2に示されているように、予め設定されたオートストップ条件(たとえばキャビンの乗降口を開閉するゲートレバーが開かれたこと)が成立したときに、非作業時としてエンジンを自動停止させる技術が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−240676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、公知技術では、エンジンの自動停止後の電源処理については一切考慮されておらず、電源(蓄電器)と、制御部を含む電気・電子設備とが接続されたままの状態となる。
【0005】
この場合、オートストップ制御は、オペレータの意思とは無関係にエンジンを停止させるものであるため、電源ONのままエンジン停止していることをオペレータが認識しないことが多い。
【0006】
このため、長時間に亘り蓄電器の放電が進んで電力低下する(所謂バッテリ上がりとなる)おそれがあった。
【0007】
そこで本発明は、オートストップ機能を備えた建設機械において、エンジン自動停止後の蓄電器の電力低下を防止することができる制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する手段として、本発明においては、エンジンスイッチの操作に基づいて始動/停止する動力源としてのエンジンと、予め設定されたオートストップ条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させるオートストップ制御を行うエンジン制御手段と、上記エンジン制御手段を含む電気・電子設備の電源としての蓄電器と、上記蓄電器から上記電気・電子設備への電力供給/遮断を制御する電源制御手段を備え、上記電源制御手段は、上記オートストップ制御による上記エンジンの自動停止後に、上記蓄電器から上記電気・電子設備への電力供給を自動停止させる電源遮断制御を行うように構成したものである。
【0009】
この構成によれば、オートストップ制御によるエンジンの自動停止後、エンジン制御部を含む電気・電子設備に対して電源を自動的に遮断するため、エンジン停止中、電源接続状態のまま放置されることによる蓄電器の電力低下を防止することができる。
【0010】
本発明においては、上記エンジンスイッチとは別経路で上記エンジン制御手段にエンジン再始動の指令を送る再始動指令手段を備えた機械にあっては、上記電源制御手段は、上記オートストップ制御によるエンジンの自動停止後、予め設定された猶予時間内に上記エンジン制御手段に対する上記再始動指令手段からのエンジン再始動指令が無いときにのみ上記電源遮断制御を実行するように構成するのが望ましい(請求項2,3)。
【0011】
この構成によれば、自動停止直後に作業再開のためにオペレータが再始動操作(請求項3ではゲートレバー閉じ操作)する場合があるため、それに備えて一定時間内は電源が遮断されない。これにより、エンジンスイッチを操作するまでもなく作業再開を可能とし、作業能率を高めることができる。
【0012】
また本発明において、電源遮断警告手段を備え、上記エンジン制御手段は、上記電源遮断制御の実行前に、上記電源遮断警告手段に電源遮断を警告させるように構成するのが望ましい(請求項4)。
【0013】
こうすれば、オペレータに電源遮断を警告し、認識させることができる。
【0014】
この場合、請求項2,3と請求項4を組み合わせた発明においては、猶予時間内に再始動指令が無いときに、警告後、電源遮断することになるため、オペレータに、再始動操作によってはエンジンが再始動できないこと、すなわち、再始動はエンジンスイッチの操作のみによって可能であることを併せて認識させることができる。
【0015】
さらに本発明において、電源遮断表示手段を備え、上記制御手段は、上記電源遮断制御の実行後、上記エンジンスイッチによってエンジン始動操作が行われたときに、上記電源遮断表示手段に前回稼動時に電源を自動遮断したことを表示させるように構成するのが望ましい(請求項5)。
【0016】
こうすれば、とくにオペレータが電源自動遮断を認識していない場合に、電源が遮断されたのは故障ではなく、自動制御によって行われたことをオペレータにアピールすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、オートストップ機能を備えた建設機械において、エンジン自動停止後の蓄電器の電力低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る制御装置のブロック構成図である。
【図2】同装置による制御内容を示すフローチャートである。
【図3】同装置による次回エンジン始動時の表示作用を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態はショベルを適用対象としている。
【0020】
実施形態に係る制御装置のブロック構成を図1に示す。図1において、ブロック間の信号のやりとりを行う信号ラインを矢印付きの線で、電力の授受を行う電力ラインを矢印の無い線でそれぞれ示している。
【0021】
動力源としてのエンジン1は、セルモータによって始動され、ガバナ制御部(いずれも図示省略)によって回転数と停止が制御される。
【0022】
エンジン1には油圧ポンプ2が接続され、この油圧ポンプ2から吐出された油が、図示しないリモコン弁で操作される油圧パイロット切換式のコントロールバルブを介してアクチュエータ回路3に送られる。
【0023】
コントローラ4は、エンジン1(セルモータ及びガバナ制御部)を制御するエンジン制御手段としてのエンジン制御部5と、電源としての蓄電器6からエンジン制御部5を含む電気・電子設備に対する電力供給を制御する電源制御手段としての電源制御部7とを備えている。
【0024】
エンジン制御部5には、エンジンスイッチ(キースイッチ)8からの始動信号と、キャビンの乗降口を開閉するゲートレバー9の開閉を検出するリミットスイッチ9からのゲートレバー開閉信号が入力される。
【0025】
エンジン制御部5は、上記始動信号に基づいてエンジン1を始動させる一方、ゲートレバー開き信号(オペレータが退出した旨の信号=オートストップ条件信号)に基づいてエンジン1を自動停止させる。
【0026】
いいかえれば、ゲートレバー9が開かれたときに、オートストップ条件が成立したとしてエンジン1を自動停止させる。
【0027】
また、エンジン制御部5は、エンジン自動停止後、ゲートレバー閉じ信号が入力されたときに、これをエンジン再始動指令としてエンジン1を再始動させる。
【0028】
すなわち、この実施形態においてリミットスイッチ10は、エンジン制御部5に向けてオートストップ条件信号を出力する手段と、エンジンスイッチ8とは別経路でエンジン制御部5に再始動指令を送る再始動指令手段とを兼ねている。
【0029】
一方、電源制御部7は、エンジン1の自動停止後、蓄電器6から電気・電子設備への電力供給を遮断する電源遮断制御を行う。
【0030】
具体的には、たとえば電源回路にリレーとリレー接点を接続し、オートストップ条件の成立時にリレー接点をOFFとして電源を遮断する。
【0031】
エンジンスイッチ8は、「OFF」、「ON」、「START」の三つの位置を有し、「OFF」位置で電源OFF、「ON」位置で電源ONとなり、「START」位置でエンジン1が始動する。
【0032】
また、キャビン内に、電源遮断警告手段と電源遮断表示手段を兼ねる表示器11が設けられ、この表示器11により、電源制御部7からの信号に基づき、電源遮断制御の実行前に『電源を遮断する』旨の警告を音声及び文字表示の一方または双方で発する一方、エンジン自動停止後のエンジンスイッチ8によるエンジン始動操作が行われたときに『前回稼動時に電源を自動で遮断した』旨の表示を文字及び音声の一方または双方で行う。
【0033】
上記制御の詳しい内容を図2,3によって説明する。
【0034】
エンジン稼動とともに制御が開始され、ステップS1でオートストップ条件が成立したか否か(ゲートレバー9が開き操作されたか否か)が判別される。
【0035】
ここでNOの場合は次のステップに移行せず、YESの場合にステップS2でエンジン1が自動停止する。
【0036】
このエンジン自動停止後、ステップS3でタイマカウントリセット、ステップS4でタイマカウントアップ(計時開始)動作が行われる。
【0037】
続くステップS5ではエンジン再始動指令があったか否かが判別され、YES(再始動指令有り)の場合は、ステップS6でエンジン1を再始動させてステップS1に戻る。
【0038】
一方、NO(再始動指令無し)の場合は、ステップS7で、予め設定された猶予時間が経過したか否かが判別され、NOの場合はステップS5に戻る。
【0039】
YESの場合は、ステップS8で電源OFFしたことをメモリした後、ステップS9で表示器11によって警告を発した上で電源を遮断し、制御が終了する。
【0040】
図3は、電源遮断後、オペレータによるエンジンスイッチ8のエンジン始動操作によってエンジン1が始動したときの処理内容を示し、ステップS11で前回、電源が自動OFFされたか否かが判別され、YESの場合に、表示器11により、図1中に示すように『電源を自動でOFFしました』等のメッセージで表示する(ステップS12)。
【0041】
なお、エンジン始動は、エンジンスイッチ8をまず『OFF』位置まで戻した後、『ON』位置→『スタート』位置に操作することによって行われ、『ON』位置で電源ONとなり、かつ、上記ステップS12の表示が行われる。
【0042】
このように、オートストップ制御によるエンジン1の自動停止後、エンジン制御部5を含む電気・電子設備に対して電源(蓄電器6)を自動的に遮断するため、エンジン自動停止後、電源接続状態のまま放置されることによる蓄電器6の電力低下(所謂バッテリ上がり)を防止することができる。
【0043】
また、エンジン自動停止後、猶予時間内は電源遮断しないため、いいかえれば猶予時間内にオペレータが再始動操作すれば電源が遮断されないため、エンジンスイッチ8を操作するまでもなく作業再開を可能とし、作業能率を高めることができる。
【0044】
さらに、電源遮断制御の実行前に、表示器11によって電源遮断を警告するため、オペレータに自動で電源を遮断する旨を認識させることができる。
【0045】
この場合、実施形態では、猶予時間内に再始動指令が無いときに、警告後、電源遮断することになるため、オペレータに、再始動操作(ゲートレバー閉じ操作)によってはエンジン1が再始動できないこと、すなわち、再始動はエンジンスイッチ8の操作のみによって可能であることを併せて認識させることができる。
【0046】
さらに、電源遮断制御の実行後、エンジンスイッチ8によってエンジン始動操作が行われたときに、表示器10に前回稼動時に電源を自動遮断したことを表示するため、とくにオペレータが電源自動遮断を認識していない場合に、電源が遮断されたのは故障ではなく、自動制御によって行われたことをオペレータにアピールすることができる。
【0047】
他の実施形態
(1) 上記実施形態ではゲートレバー9が開かれたことをオートストップ条件とする構成をとったが、これに代えて、またはこれに加えてアクチュエータの作動を制御する操作レバーの無操作、または無操作が一定時間継続したことをオートストップ条件とする構成をとってもよい。
【0048】
(2) 再始動指令手段として、複数の操作レバーが握られたことや、操作レバーが予め設定されたパターンで操作されたこと(たとえば中立から作動位置に操作されたこと)を検知するセンサやスイッチを用いてもよい。
【0049】
あるいは、手動式の再始動スイッチ(たとえば押しボタンスイッチ)を設け、この再始動スイッチのオン信号を再始動指令としてエンジン制御部5及び電源制御部7に送る構成をとってもよい。
【0050】
(3) エンジン1の自動停止/再始動に合わせて油圧アクチュエータの作動をロック/ロック解除する手段を設けてもよい。
【0051】
具体的には、コントロールバルブにパイロット圧を送る油圧パイロットラインに油圧ロック弁を設け、この油圧ロック弁を、オートストップ条件信号に基づいて作動させ、再始動指令に基づいてロック解除する構成をとってもよい。
【0052】
(4) 上記実施形態では、電源OFF前に警告を発する電源警告表示手段と、電源遮断制御実行後のエンジン始動時に前回稼動時に電源を自動遮断したことを表示する電源遮断表示手段として一つの表示器11を兼用する構成をとったが、両表示手段を別々に設けてもよい。
【0053】
(5) 本発明はショベルに限らず、オートストップ制御を行う建設機械に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 エンジン
4 コントローラ
5 エンジン制御部(エンジン制御手段)
6 蓄電器
7 電源制御部(電源制御手段)
8 エンジンスイッチ
9 ゲートレバー
10 リミットスイッチ
11 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンスイッチの操作に基づいて始動/停止する動力源としてのエンジンと、予め設定されたオートストップ条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させるオートストップ制御を行うエンジン制御手段と、上記エンジン制御手段を含む電気・電子設備の電源としての蓄電器と、上記蓄電器から上記電気・電子設備への電力供給/遮断を制御する電源制御手段を備え、上記電源制御手段は、上記オートストップ制御による上記エンジンの自動停止後に、上記蓄電器から上記電気・電子設備への電力供給を自動停止させる電源遮断制御を行うように構成したことを特徴とする建設機械の制御装置。
【請求項2】
上記エンジンスイッチとは別経路で上記エンジン制御手段にエンジン再始動の指令を送る再始動指令手段を備え、上記電源制御手段は、上記オートストップ制御によるエンジンの自動停止後、予め設定された猶予時間内に上記エンジン制御手段に対する上記再始動指令手段からのエンジン再始動指令が無いときにのみ上記電源遮断制御を実行するように構成したことを特徴とする請求項1記載の建設機械の制御装置。
【請求項3】
オペレータの乗降口を開閉するゲートレバーと、このゲートレバーの開閉を検出する上記再始動指令手段としてのゲートレバー開閉検出手段を備え、上記電源制御手段は、上記ゲートレバー開閉検出手段からの上記ゲートレバーが閉じられた信号をエンジン再始動指令とするように構成したことを特徴とする請求項2記載の建設機械の制御装置。
【請求項4】
電源遮断警告手段を備え、上記エンジン制御手段は、上記電源遮断制御の実行前に、上記電源遮断警告手段に電源遮断を警告させるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設機械の制御装置。
【請求項5】
電源遮断表示手段を備え、上記制御手段は、上記電源遮断制御の実行後、上記エンジンスイッチによってエンジン始動操作が行われたときに、上記電源遮断表示手段に前回稼動時に電源を自動遮断したことを表示させるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建設機械の制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−113077(P2013−113077A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263450(P2011−263450)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】