説明

建設機械の排気構造

【課題】排ガスと排風をダクトを通して外部に排出する構成を前提として、ダクト内での排ガスと排風の混合効率と減音効果を高める。
【解決手段】エンジンルーム6の排気口側にダクト16を上下方向に設け、消音器12に接続された排ガス管15の先端側部分15aを、このダクト16内にダクト16とほぼ直交して挿入する。この排ガス管15のダクト内への挿入部分15aにおける排風の風下側の半周部分に排出穴を周方向及び長さ方向の複数個所に設け、排ガスをダクト内の排風方向と異なる方向に、かつ、分散して噴射するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧ショベル等の建設機械において、エンジンの排ガス及び冷却空気をエンジンルーム外に排出するための排気構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルを例にとって背景技術を説明する。
【0003】
油圧ショベルは、図8に示すよう下部走行体1上に上部旋回体2を旋回自在に搭載し、この上部旋回体2に作業アタッチメント(掘削アタッチメント)3を取付けて構成される。4はキャビンである。
【0004】
上部旋回体2には、後部にエンジンカバー5によってエンジンルーム6が形成され、このエンジンルーム6にエンジン7及びその関連機器が収容される。
【0005】
エンジン7からの排ガス、及び熱交換器冷却済みの空気をエンジンルーム6外に排出するための排気構造として、特許文献1に示されたものが公知である。
【0006】
この公知技術を図9によって説明する。
【0007】
図9はエンジンルーム6を背面側から見た概略図である。
【0008】
エンジンルーム6には、エンジン7の一端側に、エンジン7で駆動される冷却用のファン8とラジエータ等の熱交換器9が設けられるとともに、同じ側のエンジンカバー上面壁に吸気口10、反対側の上面壁に排気口11がそれぞれ設けられ、ファン8の回転により、吸気口10から外気を導入して熱交換器9に通し、冷却済み空気(以下、排風という)を排気口11から排出するように構成されている。
【0009】
一方、エンジン7の他端側には消音器(マフラー)12が設けられ、エンジン7から出る排ガスが、この消音器12、及びこれに接続された排ガス管(尾管)13を通って外部に排出される。
【0010】
ここで、排ガスは高温(たとえば500℃)であるため、排ガス管13によって直接外部に排出すると周囲の温度環境を悪化させる。
【0011】
また、排ガス及び排風をそのまま排出する構成では、エンジン音、排気音、排風音等の運転騒音の外部への漏れが大きくなる。
【0012】
そこで、公知技術においては、エンジンルーム6内における排気口11の下部に筒状のダクト14を、上端が排気口11に、下端がエンジンルーム6内にそれぞれ開口する状態で上下方向に設けるととともに、排ガス管13の先端部13aをダクト下方から上向きに折り曲げてダクト14内に挿入している。
【0013】
こうすることにより、排風及び排ガスをダクト14内に導き、このダクト14内で両者を混合させることによって排ガス温度を低下させた上で外部に排出し、同時にダクト内で運転騒音を減音させることとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平3−229907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、排ガスと排風は圧力と流速が大きく異なる(排ガスの方がどちらも高い)ことから、元々混合しにくい上に、公知技術によると、図示のように排ガス管先端部13aをダクト14内に上向きに挿入し、排ガスをその先端開口、つまり一点から集中的に、かつ、ダクト14内の排風と同じ方向に噴射する構成をとっているため、排ガスと排風の混合効率が益々悪くなる。
【0016】
このため、排ガス温度を低下させる点の効果が低いものとなる。
【0017】
また、排ガスが排ガス管先端開口から排気口11に向かってストレートに放出されるため、ダクト14内での排気音の減音効果も低くなる。
【0018】
そこで本発明は、排ガスと排風をダクトを通して外部に排出する構成を前提として、ダクト内での排ガスと排風の混合効率と減音効果を高めることができる建設機械の排気構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決する手段として、本発明においては、吸気口と排気口を備えたエンジンルーム内に、ダクトが上記排気口と連通して設けられ、ファンによって上記吸気口から吸い込んだ冷却用空気を上記ダクトを通じて外部に排出する一方、上記エンジンの排ガスを排ガス管を通じて外部に排出するように構成された建設機械の排気構造において、上記排ガス管の先端側部分を、上記ダクト内に挿入し、このダクト内への排ガス管の挿入部分に、排ガスを上記ダクト内の排風方向と異なる方向に排出する排出穴を設けたものである(請求項1)。
【0020】
この構成によれば、公知技術のように排ガスが排風方向に噴射されるのではなく、ダクト内で排風方向と異なる方向に排出される。
【0021】
ここで、排ガスは前記のように圧力と流速が高いため、ダクト内で排風方向と異なる方向に噴射されることによって、この排ガスと排風がダクト断面の広い面積範囲で混合する。このため、混合効率が良くなり、排ガス温度低減効果を高めることができる。
【0022】
また、排ガスが排風方向と異なる方向に噴射してダクト内で拡散するため、ダクト内面での反射による音の減衰を含めてダクト内での減音効果を改善し、騒音低減効果をも高めることができる。
【0023】
一方、本発明においては、吸気口と排気口を備えたエンジンルーム内に、ダクトが上記排気口と連通して設けられ、ファンによって上記吸気口から吸い込んだ冷却用空気を上記ダクトを通じて外部に排出する一方、上記エンジンの排ガスを排ガス管を通じて外部に排出するように構成された建設機械の排気構造において、上記排ガス管の先端側部分を上記ダクト内に挿入し、このダクト内への排ガス管の挿入部分に、排ガスを排ガス管の長さ方向に分散して排出する排出穴を設けたものである(請求項2)。
【0024】
この構成によれば、ダクト内で排ガスを排ガス長さ方向に分散して排出するため、請求項1の発明と同様に、排ガスと排風の混合効率と減音効果を高め、排ガス温度低減効果及び騒音低減効果を高めることができる。
【0025】
さらに本発明においては、吸気口と排気口を備えたエンジンルーム内に、ダクトが上記排気口と連通して設けられ、ファンによって上記吸気口から吸い込んだ冷却用空気を上記ダクトを通じて外部に排出する一方、上記エンジンの排ガスを排ガス管を通じて外部に排出するように構成された建設機械の排気構造において、上記排ガス管の先端側部分を上記ダクト内に挿入し、このダクト内への排ガス管の挿入部分に、排ガスを上記ダクト内の排風方向と異なる方向に、かつ、排ガス管の長さ方向に分散して排出する排出穴を設けたものである(請求項3)。
【0026】
この構成によれば、請求項1,2の発明の相乗効果として、排ガスと排風の混合効率とダクト内での減音効果をさらに良くし、排ガス温度低減効果及び騒音低減効果を一層高めることができる。
【0027】
この場合、上記排ガス管の先端側部分を上記ダクトと交差して挿入するのが望ましい(請求項4)。
【0028】
こうすれば、排ガス管の挿入部分を、ダクト内を横断する状態でダクト断面の広い範囲に亘って位置させることができるため、請求項1,3のように排ガスを排風方向と異なる方向に排出する構成をとる場合、及び請求項2,3のように排ガスを排ガス管の長さ方向に分散して排出する構成をとる場合のいずれにおいても、排ガスをダクト内の広い範囲に噴射させることが容易となる。
【0029】
この請求項4の構成をとる場合に、上記排出穴を、上記排ガス管の挿入部分における上記ダクト内の排風の風下側の半周部分に設けるのが望ましい(請求項5)。
【0030】
こうすれば、ダクト内で排風と排ガスが衝突することによる音の発生を抑制できるとともに、排ガスによって通風が阻害されるおそれがない。
【0031】
ところで、本発明において、排ガスをダクト内の広い範囲に排出するための具体的構成として、上記排出穴を、上記排ガス管の挿入部分における周方向の複数個所に設けてもよいし(請求項6)、長さ方向の複数個所に設けてもよい(請求項7)。
【0032】
あるいは、これらを組み合わせ、排出穴を排ガス管の周方向の複数個所に、かつ、長さ方向の複数個所に設けてもよい。
【0033】
また、請求項7の変形形態として、排出穴を、排ガス管挿入部分の一定長さ範囲(たとえばほぼ全長部分)に亘る溝穴として設けてもよい。
【0034】
請求項7、あるいはその変形形態(排出穴を溝穴として設ける)の構成をとる場合、排出穴から排出される排ガス量が上記挿入部分の長さ方向にほぼ均等となるように、上記排出穴を、その開口面積が上記排ガス管の挿入部分の先端に向かって漸減する状態で設けるのが望ましい(請求項8)。
【0035】
こうすれば、排ガスの流速が最も高い挿入部分の先端側は相対的に小開口面積となり、低速の反対側に向かって開口面積が漸増することで排ガスの排出量が排ガス管長さ方向で均等となるため、混合効率及び減音効果の点で有利となる。
【0036】
また本発明において、上記ダクトに少なくとも一つの曲げ部を設け、上記排ガス管の挿入部分を上記曲げ部よりも排風の上流側に配置するのが望ましい(請求項9)。
【0037】
こうすれば、ダクトに曲げ部を設けることで騒音全般が外部に漏れ難くなる上に、排ガス管挿入部分を曲げ部よりも上流側に配置することで排ガスの排出音も外部に漏れ難くなる。
【0038】
この場合、上記排ガス管の挿入部分が上記ダクトの出口側開口を通して外部から直視できない状態で設けるのが望ましい(請求項10)。
【0039】
こうすれば、エンジンルーム内の騒音、及び排ガスの排出音がダクトから直接外部に出る「直接音」を防止できるため、騒音防止低減の点でとくに有利となる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によると、ダクト内での排ガスと排風の混合効率と減音効果を高め、排ガス温度低減効果及び騒音低減効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略断面図である。
【図2】図1の一部を拡大した図である。
【図3】図2のIII−III線拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す部分概略断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す部分概略断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態を示す部分概略断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態を示す部分概略断面図である。
【図8】本発明の適用対象となる油圧ショベルの全体概略側面図である。
【図9】公知技術を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の実施形態を図1〜図7によって説明する。
【0043】
第1〜第5各実施形態において、次の点は図6に示す公知技術と同じである。
【0044】
(A) 上部旋回体の後部にエンジンカバー5によってエンジンルーム6が形成され、このエンジンルーム6にエンジン7及びその関連機器が収容される点。
【0045】
(B) エンジンルーム6には、エンジン7の一端側に、エンジン7で駆動される冷却用のファン8とラジエータ等の熱交換器9(いずれも図1のみに示す)が設けられるとともに、同じ側のエンジンカバー上面壁に吸気口10(図1のみに示す)、反対側の上面壁に排気口11がそれぞれ設けられ、ファン8の回転により、吸気口10から外気を導入して熱交換器9に通し、冷却済み空気(以下、排風という)を排気口11から排出するように構成されている点。
【0046】
(C) エンジン7の他端側には消音器(マフラー)12が設けられ、エンジン7から出る排ガスが、この消音器12、及びこれに接続された排ガス管(尾管)15を通って外部に排出される点。
【0047】
(D) エンジンルーム6内における排気口11の下部に筒状のダクト16が、ダクト上端が排気口11に、下端がエンジンルーム6内にそれぞれ開口する状態で上下方向に設けられ、排風及び排ガスをこのダクト14内に導いて混合させることにより排ガス温度を低下させた上で外部に排出するとともに、運転騒音をダクト14内で減音させるように構成されている点。
【0048】
第1実施形態(図1〜図3参照)
第1実施形態において、排ガス管15は、中間部でダクト16側に折り曲げられ、その先端側部分(挿入部分)15aがダクト側壁を貫いてダクト16内に挿入されている。
【0049】
すなわち、排ガス管15の先端側部分15aは、ダクト16と交差(望ましくは図示のように直交)してダクト16内をほぼ横断する状態で挿入されている。
【0050】
この排ガス管挿入部分15aには、図2,3に示すようにダクト16内を通る排風の風下側の半周部分(排風と直交する線より上側の半周部分)に、排ガスをダクト16内に噴射する複数の排出穴17が設けられている。
【0051】
この排出穴17は、図示のように挿入部分15aの半周部分における周方向の複数個所に、かつ、挿入部分15aの長さ方向の複数個所にそれぞれ間隔を置いて設けられている。
【0052】
また、この排出穴17…は、ここから排出される排ガス量が挿入部分15aの長さ方向にほぼ均等となるように、その開口面積が挿入部分15aの先端に向かって漸減する状態で設けられている。
【0053】
具体的には、図2に示すように、排出穴17…の挿入部分長さ方向の間隔(密度)が挿入部分15aの先端に向かって漸次大きくなる(密度が疎らになる)状態で設けられている。
【0054】
あるいは、排出穴17の大きさを先端に向かって漸次小さくしてもよい。
【0055】
なお、排出穴17は、図示の丸穴でもよいし、角穴でもよい。あるいは、挿入部分15aの長さ方向に長い溝穴としてもよい。溝穴とする場合は、その幅寸法を、先端に向かって漸次小さくすればよい。
【0056】
また、第1実施形態、及び後述する第2〜第5各実施形態において、排ガス管15の先端開口は閉塞され、または小開口面積に絞られる。
【0057】
この第1実施形態によると、排ガスが、図3に示すように挿入部分15aの風下側半周部分であってほぼ全長部分からダクト16内に、挿入部分15aの中心に対して放射状に噴射される。
【0058】
すなわち、排ガスが、
(i) ダクト16内の排風方向と異なる方向に、
(ii) 挿入部分15aの周方向及び長さ方向に分散して
噴射される。
【0059】
この構成によると、第1に、上記(i)の異方向噴射作用により、圧力と流速が排風よりも高い排ガスがダクト断面の広い面積範囲に長くとどまるため、低圧、低速の排風と混ざり易くなる。
【0060】
第2に、上記(ii)の排ガスの周方向及び長さ方向拡散作用により、排ガスがダクト16内のさらに広い範囲で排風と混ざり合う。
【0061】
この二点の相乗効果により、排ガスと排風の混合効率を高め、排ガス温度を好ましい温度(たとえば500℃から100℃)まで確実に低下させた上でダクト16及び排気口11から外部に排出することができる。
【0062】
また、上記(i)(ii)の排ガス噴射作用によって排ガスの排出音(排気音)がダクト16の内面に接触し易くなること、及びエンジン7及び消音器12から発し排風に乗って外部に出ようとする音が排ガスとともにダクト16内で拡散・反射し易くなることにより、外部に排出される運転騒音を低減させることができる。
【0063】
すなわち、排ガス温度低減効果及び騒音低減効果を公知技術よりも格段に高めることができる。
【0064】
第2〜第5実施形態(図4〜図7参照)
以下の実施形態については、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して示し、第1実施形態との相違点のみを説明する。
【0065】
図4に示す第2実施形態においては、ダクト16の上部がエンジン7と反対向きに折り曲げられ、排ガス管15の挿入部分15aが、この曲げ部16aよりも上流側(ダクト下部)で、かつ、ダクト16の出口開口16bを通して外部から直視できない状態でダクト16内に挿入されている。
【0066】
また、曲げ部16a全域とその下部の内面にグラスウール等の吸音材18が設けられている。
【0067】
他の構成は第1実施形態と同じである。
【0068】
この第2実施形態によると、第1実施形態と同じ基本的な作用効果に加えて、ダクト16に曲げ部16aを設けることで騒音全般が外部に漏れ難くなる上に、排ガス管挿入部分15aを曲げ部16aよりも上流側に配置することで排ガスの排出音も外部に漏れ難くなる。
【0069】
しかも、排ガス管挿入部分15aがダクト16の出口側開口16bを通して外部から直視できない状態で設けられているため、騒音がダクト16から直接外部に出る「直接音」を防止することができる。
【0070】
さらに、前記のようにダクト16内に拡散した排気音を含む運転騒音が吸音材18によって効率良く吸収される。
【0071】
このため、騒音防止低減の点でさらに有利となる。
【0072】
この第2実施形態においては、ダクト16の出口側開口16bが排気口を兼ねることとなる。
【0073】
なお、この第2実施形態のバリエーションとして、排ガス管挿入部分15aを、ダクト16の出口開口16bを通して外部から一部のみが直視できる状態で設けてもよい。
【0074】
第3及び第4実施形態(図5,6参照)
両実施形態においては、排ガス管15の先端側部分15aが背面から見てL字形(第3実施形態)、または逆L字形(第4実施形態)に折り曲げられてダクト16内に挿入されている。
【0075】
この場合、排出穴(図5,6では図示省略)は、L字または逆L字の横辺部のみに設けてもよいし、縦辺部のみに設けてもよい。あるいは、横、縦両辺部に設けてもよい。
【0076】
また、排出穴は、第1実施形態と同様に排ガスが長さ方向及び周方向に分散して噴射する状態で設けるのが望ましい。
【0077】
この第3及び第4両実施形態によると、排ガス管挿入部分15aの全長を長くとることができるため、排ガスをダクト16内でより広く拡散させることができる。
【0078】
なお、図5,6には、ダクト16を上下方向の直管状とした第1実施形態のダクト構成を前提として示しているが、この第3、第4両実施形態の構成は、図4の、ダクト16に曲げ部16aを設けるダクト構成をとる場合にも適用することができる。
【0079】
図7に示す第5実施形態においては、公知技術と同様に排ガス管15の挿入部分15aがダクト入口側開口16cからダクト16内に上向きに挿入され、この挿入部分15aから排ガスを、ダクト16内の排風方向と異なる方向(横向き)に、かつ、挿入部分15aの周方向及び長さ方向(その一方のみでもよい)に分散して噴射するように構成されている。
【0080】
この構成によっても、公知技術と比較して排ガスと排風の混合効率及び騒音低減効果を高めることができる。
【0081】
ところで、上記各実施形態ではダクト16を上下方向に設けた場合のみについて説明したが、本発明はダクト16を横向き(水平または先上がり傾斜)に設ける場合にも適用することができる。
【0082】
また、本発明は油圧ショベルに限らず、エンジンルームを備え、冷却用空気と排ガスをこのエンジンルームから外部に排出する構成をとる他の建設機械にも上記同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0083】
6 エンジンルーム
7 エンジン
8 ファン
10 吸気口
11 排気口
12 消音器
15 排ガス管
15a 排ガス管の先端側部分(挿入部分)
16 ダクト
16a ダクトの曲げ部
17 排出穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口を備えたエンジンルーム内に、ダクトが上記排気口と連通して設けられ、ファンによって上記吸気口から吸い込んだ冷却用空気を上記ダクトを通じて外部に排出する一方、上記エンジンの排ガスを排ガス管を通じて外部に排出するように構成された建設機械の排気構造において、上記排ガス管の先端側部分を上記ダクト内に挿入し、このダクト内への排ガス管の挿入部分に、排ガスを上記ダクト内の排風方向と異なる方向に排出する排出穴を設けたことを特徴とする建設機械の排気構造。
【請求項2】
吸気口と排気口を備えたエンジンルーム内に、ダクトが上記排気口と連通して設けられ、ファンによって上記吸気口から吸い込んだ冷却用空気を上記ダクトを通じて排気口から外部に排出する一方、上記エンジンの排ガスを排ガス管を通じて外部に排出するように構成された建設機械の排気構造において、上記排ガス管の先端側部分を上記ダクト内に挿入し、このダクト内への排ガス管の挿入部分に、排ガスを排ガス管の長さ方向に分散して排出する排出穴を設けたことを特徴とする建設機械の排気構造。
【請求項3】
吸気口と排気口を備えたエンジンルーム内に、ダクトが上記排気口と連通して設けられ、ファンによって上記吸気口から吸い込んだ冷却用空気を上記ダクトを通じて外部に排出する一方、上記エンジンの排ガスを排ガス管を通じて外部に排出するように構成された建設機械の排気構造において、上記排ガス管の先端側部分を上記ダクト内に挿入し、このダクト内への排ガス管の挿入部分に、排ガスを上記ダクト内の排風方向と異なる方向に、かつ、排ガス管の長さ方向に分散して排出する排出穴を設けたことを特徴とする建設機械の排気構造。
【請求項4】
上記排ガス管の先端側部分を上記ダクトと交差して挿入したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設機械の排気構造。
【請求項5】
上記排出穴を、上記排ガス管の挿入部分における上記ダクト内の排風の風下側の半周部分に設けたことを特徴とする請求項4記載の建設機械の排気構造。
【請求項6】
上記排出穴を、上記排ガス管の挿入部分における周方向の複数個所に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建設機械の排気構造。
【請求項7】
上記排出穴を、上記排ガス管の挿入部分における長さ方向の複数個所に設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の建設機械の排気構造。
【請求項8】
上記複数個所の排出穴から排出される排ガス量が上記挿入部分の長さ方向にほぼ均等となるように、上記排出穴を、その開口面積が上記排ガス管の挿入部分の先端に向かって漸減する状態で設けたことを特徴とする請求項7記載の建設機械の排気構造。
【請求項9】
上記ダクトに少なくとも一つの曲げ部を設け、上記排ガス管の挿入部分を上記曲げ部よりも排風の上流側に配置したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の建設機械の排気構造。
【請求項10】
上記排ガス管の挿入部分が上記ダクトの出口側開口を通して外部から直視できない状態で設けた請求項9記載の建設機械の排気構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−24077(P2013−24077A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157829(P2011−157829)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】