説明

建設機械の操縦装置

【課題】 建設機械の操縦装置において、操作レバーボックスの跳ね上げ方向の回動角度を調整できるようにする。
【解決手段】 建設機械の運転席1の側方に固定されている回動支持ブラケット4に、操作レバーボックス3を回転軸29を中心に回動可能に支持させる。操作レバーボックス3を使用位置と跳ね上げ位置との間で回動させるときのガイドとなるガイドバー25の下端部に、ストッパボルト34を取り付ける。ストッパボルト34の先端位置を調整することにより操作レバーボックス3を跳ね上げ方向へ回動するときのストッパボルト34がガイドピン26に当るまでの角度を調整できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーショベル等の建設機械の操縦装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パワーショベル等の建設機械の操縦装置においては、図4に示すように、運転席1の側方に操作レバー2を支持する操作レバーボックス3が設けられておりオペレータが左右の操作レバーを操作して建設機械の操縦を行うようにしてある。又、上記操作レバーボックス3は、使用位置と跳ね上げ位置との間を回動可能としてあり、運転時には、操作レバーボックス3を使用位置に回動させるようにし、一方、建設機械の停止時には、オペレータが乗降しやすいように操作レバーボックスを跳ね上げ位置に回動させることにより運転席1への乗降口を広く確保できるようにしている。
【0003】
図5及び図6は従来の建設機械の操縦装置の一例の概略図を示すもので、操作レバー2を支持する操作レバーボックス3を運転席1の側方に配置されて固定されている回動支持ブラケット4に回転軸5を中心に回動ができるように支持し、該操作レバーボックス3が回転軸5を中心として図5の跳ね上げ位置と図6の使用位置との間で回動できるようにしてある。上記操作レバーボックス3には、上記回転軸5と平行に延びる支持筒(図示せず)が固定されて、該支持筒に回転自在に挿通されて支持されている支持軸6の一端に、切換操作部材としてのガイドバー7の基部側を固定すると共に、上記支持筒6の他端に、ロックレバー8の基部に設けたボス部9を固定して、ロックレバー8の回動操作でガイドバー7が回動できるようにしてある。
【0004】
上記ガイドバー7は、ガイド溝10が基部側から先端に向かって形成されて、先端側でガイド溝10が開放されている。ガイド溝10は、基部側に形成した第1ガイド溝10aと、該第1ガイド溝10aから先端側に延びる第2ガイド溝10bとから形成され、第2ガイド溝10bは回転軸5を中心とする円弧状となるようにしてある。
【0005】
更に、上記回動支持ブラケット4には、上記ガイドバー7のガイド溝10に係合するガイドピン11が側方へ突出するように固定してあり、操作レバーボックス3を図5の跳ね上げ位置から図6の使用位置まで回転軸5を中心に回動させるとき、ガイドバー7のガイド溝10とガイドピン11とが相対変位して、ガイドバー7の基端側の第1ガイド溝10aにガイドピン11が位置するようにしてある。
【0006】
12と13は操作レバーボックス3を使用位置と跳ね上げ位置に回動したときに保持するためのローラと戻しばねであり、ローラ12と戻しばね13はガイドバー7と操作レバーボックス3との間に備えてある。14はストッパ15を介して設けられたリミットスイッチ(切換スイッチ)、16はロックレバー8のボス部9に取り付けた作動部材で、リミットスイッチ14の接触子に作動部材16が接当している状態でアンロードオフ、離れるとアンロードオンとなるようにしてある。
【0007】
上記構成としてあることにより、操作レバーボックス3が使用位置では、図6に示すように、ガイドピン11はガイドバー7の基部側に位置しており、ロックレバー8の反時計方向の回動規制がなされており、ガイドピン11によって操作レバーボックス3の回転軸5回りの回動が規制されるようにしてある。
【0008】
一方、上記使用位置から、図6に二点鎖線で示す位置までロックレバー8を引き上げると、ガイドバー7が図6において時計方向に回動し、ガイドピン11が相対的に第1ガイド溝10aと第2ガイド溝10bとの交差部分に位置し、この状態において、回転軸5を中心に操作レバーボックス3が回動することにより、操作レバーボックス3は上側へ回動させられる。このとき、作動部材16がリミットスイッチ14の接触子から離れることにより、操作レバー2を操作しても作動不能となるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
又、図7は従来の他の例を示すもので、操作レバーを支持している操作レバーボックス3を、図5及び図6の場合と同様に回動支持ブラケット4の中央板部に立設固定されている支持筒17を中心に回動できるように支持させ、該回動支持ブラケット4の前端部に設けられた支持片18に支持軸19を固定している。この支持軸19は、上記回動支持ブラケット4に固定したガイドピン20に近接して配置されており、この支持軸19には、ガイドバー22の上端部が回動自在に支持させてある。上記支持軸19に回動自在に支持されているガイドバー22は、支持軸19より下側の部分に、ガイド溝23が形成されている。このガイド溝23は、上方から下方へ向かって斜め後方に延びる曲面形状としてあり、その内部には、上記ガイドピン20に回転自在に支持されたローラ21が挿入されており、ガイド溝23は、上端部がローラ21に突き当たったときに操作レバーボックス3が使用位置に位置し、ガイド溝23の下端部がローラ21に突き当たったときに、操作レバーボックス3が跳ね上げ位置に位置するようにしてある。そのために、ガイド溝23は、上端部と下端部の位置が予め決められており、上端部には、前方側へ延びる係止溝23aが形成され、下端部には、後方側へ延びる係止溝23bが形成されて、ローラ21を各係止溝23a又は23bに入り込むようにしてある。24はロックレバーで、下端部がガイドバー22の上端部に溶接等により一体に固定されている。
【0010】
したがって、上記ロックレバー24を操作して操作レバーボックス3を、図7に示す使用位置から時計方向へ回動させると、操作レバーボックス3は、ガイドバー22のガイド溝23がガイドピン20のローラ21にガイドされることにより支持筒17を中心に回動でき、ローラ21がガイド溝23の下端部に達し、係止溝23bに入り込むことにより跳ね上げ位置に位置させられるようにしてある(たとえば、特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】特開平2001−20324号公報
【特許文献2】特開平10−140614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、図5及び図6や図7に示す従来の建設機械の操縦装置の場合には、いずれも操作レバーボックスを使用位置と跳ね上げ位置との間で回動させて、使用位置に位置させたり、跳ね上げ位置に位置させるときの回動角度が、ガイドバーのガイド溝とガイドピンとの係合で規制されるようにしてある。そのため、従来の操作レバーボックスの使用位置から跳ね上げ位置までの回動角度は変更できないものとなっている。
【0013】
一方、建設機械の機種、仕様によっては、運転席スペースが異なるため、上記従来の如き使用位置から跳ね上げ位置までの回動角度が一定となっている操作レバーボックスを採用して、操作レバーボックスを跳ね上げ位置に跳ね上げたときに、操作レバーボックスと建設機械本体とが干渉してしまうという問題がある。かかる問題を解消するためには、各機種・仕様毎に操作レバーボックスの回動できる範囲を変更する必要があり、例えば、図5、図6に示すガイドバーや図7に示すガイドバーを各機種・仕様ごとに設定する必要がある。各機種ごとに設定したのでは、その機種専用のものになってしまい、機種ごとの共通化が図れないという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、機種・仕様が異なる建設機械において、操作レバーボックスを跳ね上げ位置に跳ね上げたときでも、操作レバーボックスと建設機械本体との干渉を防止できるようにすると共に、建設機械の操縦装置の部品の共通化の問題を解消するようにした建設機械の操縦装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明に対応して、操作レバーを支持する操作レバーボックスを、運転席の側方に配置されて固定された回動支持ブラケットに、使用位置と跳ね上げ位置との間で回動可能に支持するようにしてある建設機械の操縦装置において、上記操作レバーボックスと回動支持ブラケットとの間に、該操作レバーボックスを使用位置から跳ね上げ位置まで回動する角度を自在に調整できるようにする調整装置を備えた構成とする。
【0016】
又、請求項2に係る発明に対応して、上記請求項1に係る発明における、調整装置を、ストッパボルトとして、操作レバーボックス側のガイドバーの一端部に取り付け、該ストッパボルトの先端位置の調整で回動支持ブラケット側に固定のガイドピンに当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした構成とする。
【0017】
更に、請求項3に係る発明に対応して、上記請求項1に係る発明における、調整装置を、ストッパプレートとして、回動支持ブラケット側に固定したブラケット上に取り付け、該ストッパプレートの先端位置の調整で操作レバーブラケット側のフレーム下端が当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした構成とする。
【0018】
更に又、請求項4に係る発明に対応して、上記請求項3に係る発明における、調整装置を、ストッパボルトとして、回動支持ブラケット側に固定したブラケットに取り付け、該ストッパボルトの先端位置の調整で操作レバーブラケット側のフレーム下端が当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操作レバーを支持する操作レバーボックスを、運転席の側方に配置されて固定された回動支持ブラケットに、使用位置と跳ね上げ位置との間で回動可能に支持するようにしてある建設機械の操縦装置において、上記操作レバーボックスと回動支持ブラケットとの間に、該操作レバーボックスを使用位置から跳ね上げ位置まで回動する角度を自在に調整できるようにする調整装置を備えた構成とし、該調整装置を、ストッパボルトとして、操作レバーボックス側のガイドバーの一端部に取り付け、該ストッパボルトの先端位置の調整で回動支持ブラケット側に固定のガイドピンに当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした構成としたり、上記調整装置を、ストッパプレートとして、回動支持ブラケット側に固定したブラケット上に取り付け、該ストッパプレートの先端位置の調整で操作レバーブラケット側のフレーム下端が当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした構成としたり、上記調整装置を、ストッパボルトとして、回動支持ブラケット側に固定したブラケットに取り付け、該ストッパボルトの先端位置の調整で操作レバーブラケット側のフレーム下端が当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした構成としているので、使用する機種に合わせて調整装置を調整して使用位置から跳ね上げ位置まで回動させる操作レバーボックスの跳ね上げ角度を調整することができ、部品の共通化を図り、他機種にわたり使用可能な建設機械の操縦装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1(イ)(ロ)(ハ)は本発明の建設機械の操縦装置の実施の一形態を示すもので、図5及び図6、図7に示した従来のものと同様に、建設機械の運転席1の側方に配置されて固定されている回動支持ブラケット4に操作レバー2を支持する操作レバーボックス3を回動可能に支持するようにしてあり、この回動角度を、操作レバーボックス3に支持させたガイドバー25と、回動支持ブラケット4に固定したガイドピン26との係合により規制するようにしてある構成において、上記ガイドバー25の下端部に、ガイドバー25に形成されるガイド溝27の下端部とガイドピン26との係合位置を任意に調整できるようにする。
【0022】
詳述すると、上記操作レバーボックス3は、外側をカバー28で覆うようにしてあり、後部側の下部位置を、回動支持ブラケット4に一端側を支持させて水平方向に突出させた回転軸29に挿通させて支持させるようにすると共に、該回転軸29の先端側に支持させた支持板30を、回動支持ブラケット4から張り出させたブラケット31に固定して、回転軸29の先端側を支持させるようにし、該回転軸29を中心に操作レバーボックス3が回動できるようにする。又、上記操作レバーボックス3には、ガイドバー25の上端部とゲートロックレバー32の基端部とが支持軸33を介して回動できるように支持されており、上記ガイドバー25の上端側と下端側の間に回転軸29を中心とする円弧形状に形成されているガイド溝27を、回動支持ブラケット4の前端側に固定したガイドピン26に係合させ、ゲートロックレバー32を操作して操作レバーボックス3を回動させるとき、ガイドバー25のガイド溝27がガイドピン26にガイドされることにより、操作レバーボックス3が回転軸29を中心に回動するようにしてある。更に、上記操作レバーボックス3が回動して図1(イ)の使用位置に位置するときは、ガイドピン26がガイドバー25のガイド溝27の上端部前側へ屈曲する係止溝27aに入り込むようにし、又、操作レバーボックス3が図1(ロ)の跳ね上げ位置に位置するときは、ガイドピン26がガイドバー25のガイド溝27の下端部に係止するようにしてある。
【0023】
かかる構成において、操作レバーボックス3を使用位置から跳ね上げ位置へ回動させる角度を調整するための装置として、ストッパボルト34をガイドバー25の下端部に取り付けて、ガイドバー25がガイドピン26に係止する位置を、ストッパボルト34の先端位置により調整して、操作レバーボックス3の回動角度を変更できるようにする。すなわち、図1(ロ)のA−A矢視拡大図として図1(ハ)に示す如く、上記ガイドバー25の下端部の折曲げ水平部材35に、下端からガイド溝27方向に貫通するボルト孔36を設け、該ボルト孔36にストッパボルト34を上向きに螺合させて、ストッパボルト34の先端(上端)をガイドバー25のガイド溝27内に突出させるようにする。該ストッパボルト34の先端位置をガイドバー25に対して上下方向に変位させるように調整させることにより、操作レバーボックス3を跳ね上げるときに上記ガイド溝27とガイドピン26との係止位置が変更されるようにする。
【0024】
なお、図中、37はストッパボルト34の先端側に螺合してガイドバー25の水平部材35の上面に押し付けるようにしてストッパボルト34を強固に水平部材35に固定することにより、緩み止めを図るようにするナット37であり、水平部材35のボルト孔36との間でダブルナットとなるようにしてある。38はゲートロックスイッチ、39はスイッチストライカー、40はガスダンパー、41は操作レバーボックス3の後端側を覆うように設けられているフレームであり、操作レバーボックス3を跳ね上げ位置に位置させるとき、フレーム41の下端がブラケット31の後端部に接近するようにしてある。
【0025】
本発明の建設機械の操縦装置は、上記構成としてあるので、ガイドバー25の下端部に取り付けたストッパボルト34の先端(上端)位置を、ストッパボルト34のねじ込み具合によって調整すると、操作レバーボックス3を使用位置から跳ね上げるときの操作レバーボックス3の回動角度を任意に変更することができる。これにより本発明の建設機械の操縦装置を適用しようとする機種、仕様に対応して操作レバーボックス3の回動角度を常に最大の角度として設定することができる。したがって、操作レバーボックス3の回動角度を調整後、対応する機種に使用することにより、操作レバーボックス3を使用位置から跳ね上げ位置まで跳ね上げたときに、操作レバーボックス3が機体側と干渉するようなことはなく、最大の角度まで回動できることになる。
【0026】
なお、図1(ハ)では、ガイドバー25の下端部の水平部材35に設けてあるボルト孔36に上向きに螺合させたストッパボルト34の先端側にナット37を螺合させ、ナット37を締め付けて該ナット37をガイドバー25の水平部材35の上面に押し付けるようにすることにより、ストッパボルト34の緩み止めを行うようにした例を示したが、図1(ニ)に示すように、ナット37をストッパボルト34の頭部側に螺合させてから、該ストッパボルト34をガイドバー25の水平部材35のボルト孔36に螺合させるようにしても同様の作用効果が得られる。図1(ニ)に示す構成としたものでは、ナット37を予めストッパボルト34の所定位置まで螺着させておき、該ストッパボルト34を上記水平部材35のボルト孔36に螺合させて先端側を所要長さ水平部材35の上方へ突出させた後、ナット37を緩める方向に回転させながら水平部材35の下面に押し付けるようにすることにより、ストッパボルト34をより強固に水平部材35に固定することができ、緩み止めをすることができる。
【0027】
図2(イ)(ロ)は本発明の建設機械の操縦装置の実施の他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示した操作レバーボックス3と同様な構成としてある操作レバーボックス3を使用位置と跳ね上げ位置との間で回動させる角度を調整する装置として、ガイドバー25の下端部にストッパボルト34を取り付け、該ストッパボルト34の先端高さ位置の調整でガイドバー25とガイドピン26との係止位置を変更して、操作レバーボックス3の回動角度を変更するようにしてある構成に代えて、あるいは、これに加えて、操作レバーボックス3の後端側のフレーム41の下端の係止位置を調整するようにして操作レバーボックス3の回動位置を変更できるようにしたものである。
【0028】
すなわち、操作レバーボックス3の回動中心となる回転軸29の近傍位置における回動支持ブラケット4に設けられているブラケット31の上面に、図2(ロ)に拡大して示す如く、後端側を厚肉としたストッパプレート42を、たとえば、前後方向にのみ位置が変えられるように固定支持できるようにするか、あるいは、厚み寸法の量の異なるストッパプレート42を替えて用いるようにし、操作レバーボックス3の後端側のフレーム41の下端がストッパプレート42の後端部に当接して操作レバーボックス3の跳ね上げ方向の回動を規制するようにしたものである。
【0029】
その他の構成は、図1(イ)(ロ)に示すものと同じであり、同一のものには同一符号が付してある。
【0030】
この実施の形態によれば、操作レバーボックス3を使用位置から図2(イ)に示す跳ね上げ位置へ回動させる場合に、ガイドバー25のガイド溝27の下端部とガイドピン26が係止するより前に、操作レバーボックス3のフレーム41下端が回動支持ブラケット4側のストッパプレート42に当るようにすることにより、操作レバーボックス3の回動角度を自在に調整することができ、前記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0031】
上記において、ストッパプレート42の取り付け位置を調整したり、あるいは、ストッパプレート42として厚み寸法の異なるストッパプレートを取り付けて用いるようにすることにより、操作レバーボックス3のフレーム41下端の位置を任意の位置で規制することができて、操作レバーボックス3の跳ね上げ位置への回動角度を任意に変更することが可能となる。
【0032】
又、図3(イ)は本発明の建設機械の操縦装置の実施の更に他の形態として、図2(イ)(ロ)に示したストッパプレート42に代えて、ブラケット31の後端側に、図1(ハ)に示すものと同様にボルト孔36を設け、且つ該ボルト孔36にストッパボルト34を下から上向きに螺合して上方へ突出させ、該ストッパボルト34の上端の高さ位置調整で操作レバーボックス3のフレーム41下端が当る位置を変え、操作レバーボックス3の回動角度を変更できるようにしたものである。上記ストッパボルト34の先端側には、図1(ハ)に示した場合と同様にナット37が螺着してあり、ブラケット31のボルト孔36に螺合させてあるストッパボルト34を該ブラケット31に固定させて緩み止めを図るようにしてある。その他の構成は図2(イ)(ロ)に示すものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0033】
この実施の形態によれば、ブラケット31に対するストッパボルト34の先端(上端)の高さ位置を変えることにより、操作レバーボックス3を跳ね上げたときの該操作レバーボックス3のフレーム41の下端がストッパボルト34に当るまでの回動角度が調整されることになる。これにより、ブラケット41の上方へ突出するストッパボルト34の先端位置を任意に調整すれば、操作レバーボックス3の回動角度を、前記実施の形態の場合と同様に機種、仕様に対応させて最大にとることができるように設定させることが可能となる。
【0034】
更に、図3(ロ)は、図3(イ)の変形例を示すもので、図1(ニ)に示したものと同じように、ナット37をストッパボルト34に螺合させてからブラケット31のボルト孔36に螺合させるようにして、ストッパボルト34の先端をブラケット31の上方へ突出位置させるようにしたものである。図中、図3(イ)と同一のものには同一符号が付してある。
【0035】
この形態によれば、図3(イ)に示す形態の場合と同様な作用効果を有するほかに、ナット37が下側となるため、ストッパボルト34をブラケット31に強固に固定させるためのナット37の回転操作が容易であるという利点を有する。
【0036】
なお、本発明は、上記した実施の形態にのみ限定されるものではなく、たとえば、図1(ハ)(ニ)、図3(イ)(ロ)において、ストッパボルト34をガイドバー25の水平部材35、ブラケット31に設けたボルト孔36に螺合させナット37で締め付けてストッパボルト34の緩み止めを行うようにした場合を示したが、ガイドバー25の水平部材35やブラケット31にはストッパボルト34を挿通させる孔を設けて、この孔にストッパボルト34を通し、水平部材35やブラケット31の上下にナットを配置して、ストッパボルト34を固定するようにしてもよいこと、ストッパボルト34は、ガイドバー25の水平部材35やブラケット31に複数備えるようにしてもよいこと、図1及び図2に示す操作レバーボックス3は、一例を示すもので、これに限定されるものではないこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の建設機械の操縦装置の実施の一形態を示すもので、(イ)は操作レバーボックスを使用位置にした状態の概略切断側面図、(ロ)は跳ね上げ位置にした状態の概略切断側面図、(ハ)は(ロ)のA−A方向矢視拡大図、(ニ)は(ハ)の変形例を示す図である。
【図2】本発明の建設機械の操縦装置の実施の他の形態を示すもので、(イ)は操作レバーボックスを跳ね上げ位置にした状態の概略切断側面図、(ロ)は(イ)のB部の拡大図である。
【図3】本発明の建設機械の操縦装置の更に他の実施の一形態を示すもので、(イ)は図2(ロ)に対応する図、(ロ)は(イ)の変形例を示す図である。
【図4】建設機械の運転席の一例を示す正面図である。
【図5】従来提案されている建設機械の操縦装置における操作レバーボックスを跳ね上げ位置にした状態の概略切断側面図である。
【図6】図5に示す操作レバーボックスを使用位置にした状態の概略切断側面図である。
【図7】従来提案されている他の建設機械の操縦装置の概略切断側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 運転席
2 操作レバー
3 操作レバーボックス
4 回動支持ブラケット
25 ガイドバー
26 ガイドピン
31 ブラケット
34 ストッパボルト
41 フレーム
42 ストッパプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作レバーを支持する操作レバーボックスを、運転席の側方に配置されて固定された回動支持ブラケットに、使用位置と跳ね上げ位置との間で回動可能に支持するようにしてある建設機械の操縦装置において、上記操作レバーボックスと回動支持ブラケットとの間に、該操作レバーボックスを使用位置から跳ね上げ位置まで回動する角度を自在に調整できるようにする調整装置を備えた構成を有することを特徴とする建設機械の操縦装置。
【請求項2】
調整装置を、ストッパボルトとして、操作レバーボックス側のガイドバーの一端部に取り付け、該ストッパボルトの先端位置の調整で回動支持ブラケット側に固定のガイドピンに当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした請求項1記載の建設機械の操縦装置。
【請求項3】
調整装置を、ストッパプレートとして、回動支持ブラケット側に固定したブラケット上に取り付け、該ストッパプレートの先端位置の調整で操作レバーブラケット側のフレーム下端が当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした請求項1記載の建設機械の操縦装置。
【請求項4】
調整装置を、ストッパボルトとして、回動支持ブラケット側に固定したブラケットに取り付け、該ストッパボルトの先端位置の調整で操作レバーブラケット側のフレーム下端が当って止まる操作レバーボックスの回動角度が変えられるようにした請求項3記載の建設機械の操縦装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−299287(P2009−299287A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152066(P2008−152066)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000198293)IHI建機株式会社 (96)
【Fターム(参考)】