説明

建設機械の油圧ポンプ制御装置

【課題】必要なときにだけポンプ入力馬力を上昇させ、不必要なときにはポンプ入力馬力を抑えてエンジンの燃料消費量を低減できるようにする。
【解決手段】エンジン1により駆動される可変容量型油圧ポンプ2の吐出圧に基づいて前記油圧ポンプ2の吐出量をレギュレータ3により調整し、異なる作業モード毎にポンプ入力馬力が一定となるように制御するための馬力一定曲線(H,S,L)群を有するコントローラ10を備えた建設機械の油圧ポンプ制御装置において、アクチュエータを操作する操作レバー6aが所定の基準速度以下で操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線よりも低いポンプ入力馬力の作業モードの馬力一定曲線に変更し、前記操作レバー6aが所定の基準速度を超えて操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線を保持するように、前記コントローラ10を設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧ショベル等の建設機械の油圧ポンプ制御装置に関するものであり、特に、油圧ポンプの吐出量および吐出圧を制御しながら、複数の作業モードに切り換えて作業を実施する建設機械の油圧ポンプ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、作業状態に応じてエンジンの回転数を可変し、油圧ポンプの吐出圧や吐出量を制御することにより、さまざまな作業モードに切り換えてアクチュエータを動作させるようにした油圧ショベル等の建設機械が知られている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。特許文献1及び特許文献2では、作業状態に応じてエンジンの回転数を変化させて、図3に示すようなポンプ特性を実現させている。
【0003】
図3は、油圧ショベルに装備した可変容量型油圧ポンプの圧力−流量曲線図であり、横軸が油圧ポンプ吐出圧(P)、縦軸が油圧ポンプ吐出量(Q)を示す。また、曲線「H」は重負荷のかかる重掘削モード(以下、Hモードと称する)で使用する馬力一定曲線、曲線「S」は標準的負荷のかかる標準掘削モード(以下、Sモードと称する)で使用する馬力一定曲線、曲線「L」は仕上げ掘削モード(以下、Lモードと称する)で使用する馬力一定曲線を示す。
【0004】
また、図4は、各モード時における、それぞれエンジンの回転数(N)とトルク(T)との関係を示すもので、図4中の曲線「H」は前記Hモードのときに必要とされるエンジン回転数、曲線「S」は前記Sモードのときに必要とされるエンジン回転数、曲線「L」は前記Lモードのときに必要とされるエンジン回転数を示す。図4に示すように、エンジンの回転数は、LモードからSモード、SモードからHモードへ変更される毎に上昇する。したがって、HモードからSモード、またSモードからLモードに切り換えられるとエンジンの回転数も下降し、理論的には燃料消費量及び騒音も低減する。
【0005】
そして、従来では建設機械の作業時には、その作業の負荷の大小に応じて、運転者が上記モードのうち、いずれかを選択して作業を行っている。
【特許文献1】特開平2−104992号公報
【特許文献2】特開平11−125187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、実作業において、エンジンの回転数、すなわちポンプ入力馬力を一番必要とするのは、アクチュエータの起動時と高負荷時である。すなわち、アクチュエータの起動を経て実作業に入った後は、各モードでの作業では、さほど大きなポンプ入力馬力は必要としない。すなわち、エンジン回転数を低くできる一段階下の作業モードで作業を行っても十分であるような場合も少なくないが、従来ではこのような要素は考慮されず、アクチュエータの起動時に必要されるポンプ入力馬力を基準として設計を行っていた。このため、ポンプ入力馬力は各モード共、大きく、エンジンの回転数も高くなっている。このため燃料消費量も大きく、無駄が多かった。
【0007】
そこで、必要なときにだけポンプ入力馬力を上昇させ、不必要なときにはポンプ入力馬力を抑えてエンジンの燃料消費量を低減できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、エンジンにより駆動される可変容量型油圧ポンプの吐出圧に基づいて前記油圧ポンプの吐出量をレギュレータにより調整し、異なる作業モード毎にポンプ入力馬力が一定となるように制御するための馬力一定曲線群を有する流量制御手段を備えた建設機械の油圧ポンプ制御装置において、アクチュエータを操作する操作レバーの操作速度に応じた信号を前記流量制御手段に出力する操作状況検出手段を備えるとともに、前記操作レバーが所定の速度以下で操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線よりも低いポンプ入力馬力の作業モードの馬力一定曲線に変更し、前記操作レバーが所定の速度を超えて操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線を保持するように、前記流量制御手段を設定してなることを特徴する建設機械の油圧ポンプ制御装置を提供する。
【0009】
この構成によれば、流量制御手段は、操作レバーが所定の速度以下で操作されると、その時点で使用されている作業モードの馬力一定曲線によりも低いポンプ入力馬力の作業モードの馬力一定曲線に変更し、操作レバーが所定の速度を超えて操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線を保持する。したがって、必要なときにだけエンジン回転数を上げてポンプ入力馬力を上昇させ、不必要時にはエンジン回転数を低く抑えて、トータルでの消費馬力を低下させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記操作レバーが所定の速度以下で操作されて別の作業モードの馬力一定曲線に変更され、その後、油圧ポンプの吐出圧が所定の圧力に復帰したときには、変更以前の作業モードの馬力一定曲線に戻すように、上記流量制御手段を設定してなることを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧ポンプ制御装置を提供する。
【0011】
この構成によれば、油圧ポンプの吐出圧が所定の圧力に復帰したときには、変更以前の作業モードの馬力一定曲線に戻すことにより、油圧ポンプの細かい制御が可能になる。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記変更以前の作業モードの馬力一定曲線への復帰は、油圧ポンプの吐出圧が所定の圧力に復帰した状態を一定時間継続してから行うように、上記流量制御手段を設定してなることを特徴とする請求項2記載の建設機械の油圧ポンプ制御装置を提供する。
【0013】
この構成によれば、変更以前の作業モードへの復帰は、瞬間的な圧力変化では復帰させず、油圧ポンプの吐出圧の圧力復帰状態が一定時間継続してから行うようにしたので、馬力一定曲線の安定した切り換えが可能になる。
【0014】
請求項4記載の発明は、上記馬力一定曲線は、重掘削モードの馬力一定曲線と、標準掘削モードの馬力一定曲線と、仕上げ掘削モードの馬力一定曲線とを有することを特徴とする請求項1,2または3記載の建設機械の油圧ポンプ制御装置を提供する。
【0015】
この構成によれば、重掘削モードと標準掘削モードとの間、及び標準掘削モードと仕上げ掘削モードと間における切り換えにおいて適用することができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明は、必要なときにだけポンプ入力馬力を上昇させ、不必要なときにはポンプ入力馬力を抑えて、トータルでの消費馬力を低下させることができるので、エンジンの燃料消費量を低減させて省エネ化を可能にする。
【0017】
請求項2記載の発明は、ポンプ入力馬力の細かい制御が可能になるので、請求項1記載の発明の効果におけるエンジンの燃料消費量よりも、さらに燃料消費量を低減させることが可能で、省エネ化を推進することができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、変更以前の作業モードへの復帰は、油圧ポンプの吐出圧が瞬間的な変化では復帰させず、吐出圧の圧力復帰が一定時間継続してから行うので、請求項2記載の発明の効果に加えて、安定した制御が可能になる。
【0019】
請求項4記載の発明は、重掘削モードと標準掘削モードとの間、および標準掘削モードと仕上げ掘削モードと間における切り換えにおいて適用することができるので、請求項1,2または3記載の発明の効果に加えて、重掘削モードと標準掘削モードと仕上げ掘削モードを備えた建設機械において効果を発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
必要なときにだけポンプ入力馬力を上昇させ、不必要なときにはポンプ入力馬力を抑えてエンジンの燃料消費量を低減できるようにするという目的を達成するために、アクチュエータを操作する操作レバーの操作速度に応じた信号を前記流量制御手段に出力する操作状況検出手段を備えるとともに、前記操作レバーが所定の速度以下で操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線よりも低いポンプ入力馬力の作業モードの馬力一定曲線に変更し、前記操作レバーが所定の速度を超えて操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線を保持するように前記流量制御手段を設定したことにより実現した。
【実施例】
【0021】
以下、本発明における建設機械の油圧ポンプ制御装置の一実施例を説明する。図1は、本発明を適用した建設機械の一例として示す油圧ショベルの制御回路である。
【0022】
図1において、エンジン1によって駆動される油圧ポンプ2は、レギュレータ3により傾斜板9を変化させて作動油の吐出量を調節可能な可変容量型油圧ポンプであり、高圧の作動油をセンタ油路4に供給する。センタ油路4の下流にはアクチュエータ(図示せず)を制御する一群の方向切換弁5が接続されている。方向切換弁5は、操作レバー6aの操作に連動するリモコン弁6のパイロット圧により遠隔操作される。
【0023】
前記レギュレータ3には、2つの油室3a、3bが設けられており、油室3aはセンタ油路4に接続された分岐油路7から吐出圧がネガティブ・フィードバックされて、油圧ポンプ2の出力トルクが一定になるように負帰還されている。これによって、ポンプ吐出圧が変化しても出力トルクがエンジントルクを超えないように馬力一定制御が行われる。油室3bには、吐出量制御手段としての電磁比例弁8の2次側圧Pfが作用し、図3に示した圧力−流量曲線における各馬力一定曲線(H,S,L)を設定および変更できるように構成されている。
【0024】
電磁比例弁8のソレノイドは、コントローラ10の出力側に接続されている。このほか、コントローラ10には、作業モード(ポンプ入力馬力)の選択スイッチ11と、油圧ポンプ2の吐出圧を検出するメイン圧力センサ12と、リモコン弁6のパイロット圧を検出するパイロット圧力センサ13が接続されている。パイロット圧力センサ13は、リモコン弁6のパイロット圧をシャトル弁14を介して検出し、操作レバー6aの速さ、すなわち操作状況検出手段として、操作レバー6aの操作状況に応じた信号をコントローラ10に出力する。
【0025】
コントローラ10は、マイクロコンピュータを主体として構成された流量制御手段である。該コントローラ10には、油圧ショベルの動作を前記Hモード(重掘削モード)、前記Sモード(標準掘削モード)、前記Lモード(仕上げ掘削モード)の各作業モードに切り換え、その作業モードに最適な油圧ポンプ2の吐出量・吐出圧力を設定する機能等が装備されており、これらの機能はコントローラ10に予め組み込まれているプログラムの手順に従って実行される。
【0026】
また、コントローラ10には、運転者が選択スイッチ11を直接操作して作業モードを切り換える手動操作態様での制御機能と、運転者が操作した操作レバー6aの操作状況からコントローラ10側で作業環境を推測して、その作業環境に適した作業モード(H,S,L)へ自動的に変更して燃料消費量を節約する省エネ操作態様での制御機能とを有する。なお、手動操作態様と省エネ操作態様との間の切り換えは、運転者が図示せぬスイッチを操作して指示する。
【0027】
(手動操作)
まず、手動操作について説明する。手動操作では、図1に示すように、選択スイッチ11の位置「H」を選択すると前記Hモードになり、また位置「S」を選択すると前記Sモード、位置「L」を選択すると前記Lモードになる。また、コントローラ10からレギュレータ3に制御指令が出され、各モードに応じた油圧ポンプ2の吐出圧と流量の制御が該レギュレータ3を介してなされ、油圧ポンプ2は、図3に示した油圧ポンプの吐出圧と吐出量の関係、および重掘削モードと標準掘削モードと仕上げ掘削モード時における馬力一定曲線群(H,S,L)を用いて、各モード時のポンプ入力馬力が各々一定となるように調整される。すなわち、Hモード時には図3に符号「H」で示す馬力一定曲線、Sモード時には図3に符号「S」で示す馬力一定曲線、Lモード時には図3に符号「L」で示す馬力一定曲線となるようにして調整される。
【0028】
(省エネ操作)
次に、省エネ操作について説明する。図2は省エネ操作時におけるコントローラの制御手順の一例を示すフローチャートである。本実施例では、省エネ操作の場合、Hモードのポンプ入力馬力またはSモードのポンプ入力馬力のいずれかによって作業をスタートするように設定してある。
【0029】
省エネ操作が選択されたとき、初期モード設定(ステップST1)において、Hモードの馬力一定曲線Hによるポンプ入力馬力で作業を行う選択がされているときには、ステップST2に移行し、コントローラ10は操作レバー6aの操作速度σをパイロット圧力センサ13からの信号で検出する。
【0030】
そして、操作レバー6aの操作速度σが予め決められている所定の基準速度σHSよりも速く操作されて、パイロット圧力センサ13が検出した圧力上昇の傾きが所定の値を超えているとき(σ>σHS)は、Hモードのポンプ入力馬力のままとし、コントローラ10からレギュレータ3にHモードの信号を送り続ける(ステップST3)。
【0031】
他方、操作レバー6aの操作速度σが基準速度σHS以下の遅い速度で操作され、パイロット圧力センサ13が検出した圧力上昇の傾きが所定の値以下のとき(σ≦σHS)は、Sモードのポンプ入力馬力に変更する(ステップST4)。
【0032】
ステップST3またはステップST4からはステップST5へ移行する。ステップST3またはステップST4での処理から一定時間tが経過(ステップST5)したら、メイン圧力センサ12からの信号で油圧ポンプ2のポンプ吐出圧PH1を検出する(ステップST6)。
【0033】
ポンプ吐出圧PH1が基準圧力PHSを超え、油圧ポンプ2の負荷が重いとき(PH1>PHS)は、Hモードのポンプ入力馬力のままとする(ステップST7)。他方、ポンプ吐出圧PH1が基準圧力PHS以下で、油圧ポンプ2の負荷が軽いとき(PH1≦PHS)は、Sモードの馬力一定曲線Sによるポンプ入力馬力に変更する(ステップST8)。なお、ステップST7及びステップST8からはそれぞれステップST2へ戻り、同じ動作を繰り返す。
【0034】
省エネ操作が選択され、かつ初期モード設定(ステップST1)においてSモードの馬力一定曲線Sによるポンプ入力馬力で作業を行う選択がされているときには、ステップST12に移行し、コントローラ10は操作レバー6aの操作速度σをパイロット圧力センサ13からの信号で検出する。
【0035】
そして、操作レバー6aの操作速度σが予め決められている所定の基準速度σSSよりも速く操作されて、パイロット圧力センサ13が検出した圧力上昇の傾きが所定の値を超えたとき(σ>σSS)は、Sモードのポンプ入力馬力のままとし、コントローラ10からレギュレータ3にSモードの信号を送り続ける(ステップST13)。
【0036】
他方、操作レバー6aの操作速度σが基準速度σSS以下の遅い速度で操作され、パイロット圧力センサ13が検出した圧力上昇の傾きが所定の値以下のとき(σ≦σSS)は、Lモードのポンプ入力馬力に変更する(ステップST14)。
【0037】
ステップST13またはステップST14からはステップST15へ移行する。ステップST13またはステップST14での処理から一定時間tが経過(ステップST15)したら、メイン圧力センサ12からの信号で油圧ポンプ2のポンプ吐出圧PS1を検出する(ステップST16)。
【0038】
ポンプ吐出圧PS1が基準圧力PSSを超え、油圧ポンプ2の負荷が重いとき(PS1>PSS)は、Sモードのポンプ入力馬力のままとする(ステップST17)。他方、ポンプ吐出圧PS1が基準圧力PSS以下で、油圧ポンプ2の負荷が軽いとき(PS1≦PSS)は、Lモードの馬力一定曲線Lによるポンプ入力馬力に変更する(ステップST18)。なお、ステップST17及びステップST18からはそれぞれステップST2へ戻り、同じ動作を繰り返す。
【0039】
このように、上記省エネ操作の制御では、必要なときにだけエンジンの回転数を上げてポンプ入力馬力を上昇させ、不必要なときにはエンジンの回転数を低く抑えてポンプ入力馬力を低くし、トータルでの消費馬力を低下することができるため、エンジンの燃料消費量を低減できる。
【0040】
なお、上記実施例では、操作状況を把握して、パイロット圧力センサ13により直接パイロット圧を検出するようにしたが、例えばネガコン圧の変動を検出して、操作状況の把握をするようにしてもよい。
【0041】
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に適用される油圧ショベルの制御回路図。
【図2】本発明における制御手順の一例を示すフローチャート。
【図3】一般的な油圧ポンプの圧力−流量特性を示し、重掘削モードと標準掘削モードと仕上げ掘削モードの馬力一定曲線図。
【図4】一般的な油圧ショベルにおけるエンジンの回転数とトルクの関係を示す図。
【符号の説明】
【0043】
1 エンジン
2 可変容量型油圧ポンプ
3 レギュレータ
4 センタ油路
5 方向切換弁
6 リモコン弁
6a 操作レバー
7 分岐油路
8 電磁比例弁(流量制御手段)
9 傾斜板
10 コントローラ(流量制御手段)
11 選択スイッチ
12 メイン圧力センサ
13 パイロット圧力センサ(操作状況検出手段)
14 シャトル弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンにより駆動される可変容量型油圧ポンプの吐出圧に基づいて前記油圧ポンプの吐出量をレギュレータにより調整し、異なる作業モード毎にポンプ入力馬力が一定となるように制御するための馬力一定曲線群を有する流量制御手段を備えた建設機械の油圧ポンプ制御装置において、
アクチュエータを操作する操作レバーの操作速度に応じた信号を前記流量制御手段に出力する操作状況検出手段を備えるとともに、前記操作レバーが所定の速度以下で操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線よりも低いポンプ入力馬力の作業モードの馬力一定曲線に変更し、前記操作レバーが所定の速度を超えて操作されたときは、その時点で使用している作業モードの馬力一定曲線を保持するように、前記流量制御手段を設定してなることを特徴する建設機械の油圧ポンプ制御装置。
【請求項2】
上記操作レバーが所定の速度以下で操作されて別の作業モードの馬力一定曲線に変更され、その後、油圧ポンプの吐出圧が所定の圧力に復帰したときには、変更以前の作業モードの馬力一定曲線に戻すように、上記流量制御手段を設定してなることを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧ポンプ制御装置。
【請求項3】
上記変更以前の作業モードの馬力一定曲線への復帰は、油圧ポンプの吐出圧が所定の圧力に復帰した状態を一定時間継続してから行うように、上記流量制御手段を設定してなることを特徴とする請求項2記載の建設機械の油圧ポンプ制御装置。
【請求項4】
上記馬力一定曲線は、重掘削モードの馬力一定曲線と、標準掘削モードの馬力一定曲線と、仕上げ掘削モードの馬力一定曲線とを有することを特徴とする請求項1,2または3記載の建設機械の油圧ポンプ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−150877(P2008−150877A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340477(P2006−340477)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(501132804)住友建機製造株式会社 (271)
【Fターム(参考)】