説明

建設機械

【課題】 エンジンカバーを開閉するときの負担を軽減してメンテナンス作業性を向上すると共に、作業時の後方視界を広くして作業性、安全性等を向上する。
【解決手段】 エンジンカバー18を開閉カバー部19と固定カバー部21とに分割し、動力源12のうちメンテナンスを必要とする部位を覆う開閉カバー部19は、建屋カバー17の上面板17Bに開閉可能に取付ける構成としている。従って、動力源12のメンテナンス作業を行なう場合には、軽量な開閉カバー部19を開,閉するでけでよいから、作業者の負担を軽減することができる。また、動力源12のうちメンテナンスを必要としない部位を覆う固定カバー部21は、建屋カバー17の上面板17Bに簡単に取付けことができる。さらに、固定カバー部21の高さ寸法H2を開閉カバー部19の高さ寸法H1よりも低く形成することにより、キャブ10からの後方視界を広くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械に関し、特に、エンジンを含む動力源を収容する建屋カバーを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。
【0003】
また、上部旋回体を構成する旋回フレームの前側には、オペレータが搭乗するキャブが搭載され、前記旋回フレームの後側には、駆動軸に沿って長手方向に配置されたエンジンを含む動力源が搭載されている。また、上部旋回体には、旋回フレーム上に位置して前記動力源等を収容するための建屋カバーが設けられ、該建屋カバーの後側にはカウンタウエイトが取付けられている。
【0004】
ここで、建屋カバーは、旋回フレームの左,右の端縁部に沿って立設された左,右の側面部と、該各側面部間に設けられた上面部とにより大略構成されている。また、建屋カバーの上面部には開口部が設けられ、該開口部は、動力源のメンテナンス作業を行なうと共に、建屋カバー内に収まりきらない動力源の上部を突出させている。このため、建屋カバーの上面部には、開口部から突出した動力源の上部を覆い隠すためのエンジンカバーが設けられている。
【0005】
また、動力源は、エンジンと、該エンジンの長手方向の一側に取付けられた油圧ポンプと、前記エンジンの長手方向の他側に設けられたラジエータ等の熱交換器とにより大略構成されている。そして、動力源は、熱交換器、該熱交換器とエンジンとの間の冷却水ホース、ベルトを介して駆動される各種機器類等が設けられた熱交換器側が建屋カバーの開口部から比較的に大きく突出している。一方、機器類が設けられていないエンジンの油圧ポンプ側は、熱交換器側に比較して突出量が小さくなっている。
【0006】
これにより、エンジンカバーは、建屋カバーの開口部から大きく突出した熱交換器、冷却水ホース等に合わせて高さ寸法が設定されている。そして、エンジンカバーは、例えば左,右方向の一端側がヒンジ等によって建屋カバーの上面部に取付けられ、このヒンジを支点として左,右方向の他側を上,下方向に回動させることにより開,閉することができる。
【0007】
従って、油圧ショベルが大型化し、建屋カバーの開口部から動力源が大きく突出するとエンジンカバーが大型化してしまう。この場合、エンジンカバーの重量が増大するため、エンジンカバーを開,閉するときの作業者の負担が大きくなるという問題がある。
【0008】
そこで、エンジンカバーを開,閉するときの作業者の負担を軽減するために、エンジンカバーを動力源の長手方向で2つのカバー部に分割したものがある。この場合、建屋カバーに対するエンジンカバーの取付構造は、分割した一方のカバー部を建屋カバーの上面部にヒンジを介して開閉可能に取付け、他方のカバー部を一方のカバー部にヒンジを介して取付けている(例えば、特許文献1参照)。また、その他のエンジンカバーには、分割した2つのカバー部を、ローラとガイドレールを用いてそれぞれ水平方向に移動して開閉する構成としたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】特開2000−104281号公報
【特許文献2】特開2000−186343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述した特許文献1,2によるものでは、2つに分割したカバー部がほぼ対称形状をなしているから、両方のカバー部が熱交換器、冷却水ホース等に合わせて高く形成されている。このため、キャブに搭乗したオペレータが後方をみたときには、エンジンカバーの全体が視界に入ってしまうから、後方視界が狭くなって作業性が低下するという問題がある。
【0011】
また、特許文献1によるものでは、分割した一方のカバー部を建屋カバーの上面部にヒンジを介して取付け、他方のカバー部を一方のカバー部にヒンジを介して取付ける構成としている。また、特許文献2によるものでは、分割した2つのカバー部をローラとガイドレールを用いてそれぞれ水平方向に移動する構成としている。
【0012】
従って、いずれの場合でも、エンジンカバーを建屋カバーの上面部に取付けるために多くの部品を組付ける必要があり、組立作業性の低下、製造コストの上昇等を招いてしまうという問題がある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、エンジンカバーを開閉するときの負担を軽減して、メンテナンス作業等の作業性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、作業時の後方視界を広くすることにより、作業性、安全性等を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明による建設機械は、車体を構成するフレームと、該フレーム上に駆動軸に沿って長手方向に配置されたエンジンを含む動力源と、該動力源を収容するために前記フレーム上に設けられ上面部のうち該動力源が配置される部位に開口部が形成された建屋カバーと、該建屋カバーの上面部に前記開口部を閉塞するために設けられたエンジンカバーとを備えている。
【0016】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記エンジンカバーは、前記エンジンの長手方向で2つのカバー部に分割し、前記動力源のうちメンテナンスを必要とする部位を覆う一方のカバー部は前記建屋カバーの上面部に開閉可能に設け、前記動力源のうちメンテナンスを必要としない部位を覆う他方のカバー部は前記建屋カバーの上面部に固定する構成としたことにある。
【0017】
請求項2の発明によると、前記エンジンカバーを構成する2つのカバー部は、それぞれの高さ寸法を前記エンジンを含む動力源の配置状態に応じて異ならしめる構成としたことにある。
【0018】
請求項3の発明によると、前記エンジンカバーを構成する2つのカバー部は、前記エンジンの長手方向と直交する幅方向の寸法をそれぞれ異ならしめる構成としたことにある。
【0019】
請求項4の発明によると、前記エンジンカバーを構成する2つのカバー部のうち、開閉可能な一方のカバー部は、前記車体の左,右方向の一側を支点として左,右方向に開閉可能に設け、他方のカバー部は前記建屋カバーの上面部に固定する構成としたことにある。
【0020】
請求項5の発明によると、前記エンジンカバーを構成する2つのカバー部のうち、開閉可能な一方のカバー部は、前記車体の前,後方向の一側を支点として前,後方向に開閉可能に設け、他方のカバー部は前記建屋カバーの上面部に固定する構成としたことにある。
【0021】
請求項6の発明によると、前記動力源は、前記エンジンと、該エンジンの長手方向の一側に取付けられた油圧ポンプと、前記エンジンの長手方向の他側に設けられた熱交換器とにより構成し、前記動力源のうちメンテナンスを必要とする部位は、前記エンジンの熱交換器側の部位であり、前記動力源のうちメンテナンスを必要としない部位は、前記エンジンの油圧ポンプ側の部位である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、エンジンカバーを2つのカバー部に分割し、動力源のうちメンテナンスを必要とする部位を覆う一方のカバー部を、建屋カバーの上面部に開閉可能に設ける構成としているから、動力源のメンテナンス、例えばエンジン冷却水の補充、エンジンオイルの点検、エンジンオイルの補充等を行なう場合には、作業者は軽い力で一方のカバー部を開くことができ、メンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0023】
また、動力源のうちメンテナンスを必要としない部位を覆う他方のカバー部は、建屋カバーの上面部に、例えばボルト等を用いて簡単に取付けることができるから、組立作業性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、エンジンカバーを分割した2つのカバー部は、動力源の配置状態に応じて高さ寸法を別個に設定することができる。これにより、動力源の配置状態によっては片方のカバー部だけを低く形成することができる。これにより、低く形成したカバー部によって作業時の後方視界を広くすることができるから、作業性、安全性等を向上することができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、2つのカバー部は、エンジンの長手方向と直交する幅方向の寸法を異ならせることができるから、動力源の配置状態によっては片方のカバー部の幅方向寸法を小さく形成することができ、エンジンカバーを小型化することができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、開閉可能な一方のカバー部は、車体の左,右方向の一側を支点としているから、左,右方向の他側を上,下に移動することにより左,右方向に開,閉することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、開閉可能な一方のカバー部は、車体の前,後方向の一側を支点としているから、前,後方向の他側を上,下に移動することにより前,後方向に開,閉することができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、エンジンの熱交換器側の部位には、大きな熱交換器、該熱交換器とエンジンとの間の冷却水ホース等が配設される。また、熱交換器にはエンジン冷却水の充填口等が設けられ、エンジンの熱交換器側にはエンジンオイル等の点検部、充填口等が設けられている。そこで、エンジン冷却水の補充、エンジンオイルの点検、補充等のメンテナンス作業を行なう場合には、エンジンカバーの一方のカバー部だけを開くことにより各種メンテナンス作業を行なうことができる。
【0029】
一方、エンジンの油圧ポンプ側の部位には点検すべき機器類が少ないから、エンジンの油圧ポンプ側を覆う他方のカバー部は、低く形成することができる。また、エンジンの油圧ポンプ側の部位は、メンテナンスを必要としないから、このエンジンの油圧ポンプ側を覆う他方のカバー部は、例えばボルト等を用いて建屋カバーの上面部に簡単に取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として、クローラ式の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0031】
まず、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は建設機械としてのクローラ式の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4とにより大略構成されている。
【0032】
5は上部旋回体3を構成する旋回フレームで、該旋回フレーム5は支持構造体として形成されている。そして、旋回フレーム5は、図4に示す如く、後述のセンタフレーム6、サイドフレーム7,8、張出しビーム9により大略構成されている。
【0033】
6は旋回フレーム5の中央部を構成するセンタフレームで、該センタフレーム6は、前,後方向に延びる厚肉な鋼板等により形成された底板6Aと、該底板6A上に立設され、左,右方向で対向しつつ前,後方向に延びた左,右のセンタビーム6B,6Bとにより大略構成されている。そして、各センタビーム6Bの前側には作業装置4が俯仰動可能に取付けられている。
【0034】
また、7はセンタフレーム6の左側に間隔をもって配置され、前,後方向に延びた左サイドフレーム、8はセンタフレーム6の右側に間隔をもって配置され、前,後方向に延びた右サイドフレームをそれぞれ示している。これら各サイドフレーム7,8は、センタフレーム6から左,右方向に張出す複数本の張出しビーム9の先端に取付けられている。
【0035】
10は旋回フレーム5の左前側に搭載されたキャブ(図1〜図3参照)で、該キャブ10は、オペレータが搭乗するもので、その内部にはオペレータが着座する運転席、各種操作レバー等(いずれも図示せず)が配設されている。また、11は旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト11は、作業装置4との重量バランスをとるものである。
【0036】
12はカウンタウエイト11の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられた動力源(図4等参照)で、該動力源12は、油圧ショベル1を動作させるためのものである。そして、動力源12は、後述のエンジン13、油圧ポンプ14、熱交換器15等により大略構成されている。
【0037】
13は動力源12の本体部分を構成するエンジンで、該エンジン13は、軸線O−O上に駆動軸13Aが配置され、該駆動軸13Aに沿って長手方向に配置されている。これにより、エンジン13は、旋回フレーム5上に軸線O−Oが左,右方向に延在する横置き状態に搭載されている。ここで、エンジン13の左側には、後述する熱交換器15に対面して冷却ファン13Bが設けられ、該冷却ファン13Bは、ベルト13C等を介して駆動軸13Aに接続されている。また、エンジン13の熱交換器15側となる左側には、図6に示すように、エンジンオイルの量と劣化状態を点検するためのオイルレベルゲージ13Dと、エンジンオイルを補充するためのオイル充填口13Eとが設けられている。一方、エンジン13の油圧ポンプ14側となる右側には、排気管13Fが右側に延びて設けられ、該排気管13Fの先端には消音器13Gが取付けられている。
【0038】
そして、エンジン13は、熱交換器15側と油圧ポンプ14側とを比較すると、熱交換器15側となる左側部分が高く、かつエンジン13の長手方向と直交する前,後方向に広幅に形成され、油圧ポンプ14側となる右側部分が低くかつ前,後方向に狭幅に形成されている。
【0039】
このように、エンジン13には、熱交換器15側となる左側にメンテナンスを必要とする部位が集中している。即ち、張り具合の点検、調整が必要なベルト13C、エンジンオイルの量と劣化状態の点検を行なうオイルレベルゲージ13D、エンジンオイルの補充を行なうオイル充填口13Eがエンジン13の左側に配置されている。一方、エンジン13の油圧ポンプ14側となる右側に設けられた排気管13F、消音器13G等は、メンテナンスを必要としないものである。
【0040】
14はエンジン13の右側に取付けられた油圧ポンプで、該油圧ポンプ14は、エンジン13の駆動軸13Aによって駆動されることにより、下部走行体2、作業装置4等のアクチュエータに向け圧油を吐出するものである。
【0041】
15はエンジン13の左側に冷却ファン13Bに対面して設けられた熱交換器で、該熱交換器15は、例えばエンジン13の駆動軸13Aの軸線O−Oに対して直交する前,後方向に互いに重ならないように並べて横列に配置されたラジエータ、オイルクーラ、インタクーラ(いずれも図示せず)により構成されている。そして、熱交換器15を構成するラジエータは、エンジン13のウォータジャケット(図示せず)と連結された冷却水ホース15Aを介して循環するエンジン冷却水を冷却するものである。また、熱交換器15(ラジエータ)の上部には、エンジン冷却水を充填するための冷却水充填口15Bが設けられている。一方、オイルクーラは、作業装置4のアクチュエータ等から戻される作動油を冷却するものである。さらに、インタクーラは、エンジン13に設けられたターボ過給器によって圧縮された空気を冷却し、この冷却空気をエンジン13のインテイクマニホールド(いずれも図示せず)に供給するものである。
【0042】
ここで、油圧ショベル1は、ほぼ停車した状態で作業を行なうものであるから、冷却ファン13Bが発生する冷却風だけでエンジン13の冷却水を十分に冷却する必要がある。このため、熱交換器15は、大きな放熱面積を得るためにエンジン13を越えて高くかつ前,後方向に広幅に形成されている。
【0043】
これにより、動力源12は、図4に示す如く、エンジン13の左側部分と熱交換器15とが後述の建屋カバー17内に収まりきらず、熱交換器15は建屋カバー17の開口部17Cから上側に突出寸法P1をもって突出している。一方、エンジン13の右側部分は、熱交換器15に比較して低く形成され、この右側部分に配設された消音器13G等は、建屋カバー17の開口部17Cから上側に小さな突出寸法P2をもって突出している。
【0044】
なお、16は熱交換器15の左側に重ねるように取付けられたコンデンサで、該コンデンサ16は、キャブ10内に冷風、温風等の調和空気を供給する空調装置の一部を構成するものである。
【0045】
17はキャブ10とカウンタウエイト11との間に位置して旋回フレーム5上に設けられた建屋カバーを示している。この建屋カバー17は、旋回フレーム5の左,右両側に位置して前,後方向に延びた左,右の側面板17A,17Aと、該各側面板17Aの上端部間を水平方向に延びた上面部としての上面板17Bとにより大略構成され、上面板17Bには開口部17Cが形成されている。そして、建屋カバー17の後部側はカウンタウエイト11によって閉塞され、建屋カバー17内には動力源12等が収容されている。
【0046】
ここで、建屋カバー17の開口部17Cは、動力源12が配置される部位に、例えば左,右方向に長尺な長方形状の開口として形成されている。そして、開口部17Cからは、建屋カバー17内に収容しきれない動力源12の上側部分が突出している。
【0047】
また、開口部17Cは、動力源12のメンテナンス作業を行なうための開口であり、例えばエンジン13に設けられたベルト13Cの張り具合の点検と調整、エンジン13の内部部品を潤滑するためのエンジンオイルの量(液面レベル)と劣化状態の点検、エンジンオイルの補充、エンジン冷却水の補充等のメンテナンス作業を行うことができる。さらに、開口部17Cは、各種メンテナンス作業を行なう左側部分が後述するエンジンカバー18の開閉カバー部19によって開閉可能に閉塞され、右側部分が固定カバー部21によって固定的に閉塞されている。
【0048】
18は建屋カバー17の上面板17B上に設けられたエンジンカバーで、該エンジンカバー18は、開口部17Cを閉塞するものである。また、エンジンカバー18は、動力源12の長手方向となる左,右方向で、後述する開閉カバー部19と固定カバー部21とに分割されている。さらに、エンジンカバー18は、動力源12の配置状態、即ち、熱交換器15が左側に配置され、油圧ポンプ14が右側に配置されたことにより、エンジン13の左側に位置する開閉カバー部19よりも右側に位置する固定カバー部21が低く形成されている。これにより、エンジンカバー18は、全体として段付状のカバー部材として構成されている。
【0049】
19はエンジンカバー18の左側部分を構成する開閉カバー部を示している。この開閉カバー部19は、動力源12のうちメンテナンス作業を必要とする部位、即ち、エンジン13の左側部分と熱交換器15とを上側から覆うものである。このため、開閉カバー部19は、建屋カバー17の上面板17Bに、後述のヒンジ20を介して開閉可能に取付けられている。
【0050】
開閉カバー部19について詳しく述べると、この開閉カバー部19は、枠状に配設された前板部19A、後板部19B、左側板部19C、右側板部19Dと、これらの上部を閉塞する上板部19Eとにより、下側が開口した箱状体として形成されている。また、右側板部19Dには、右側に位置する固定カバー部21に上側から嵌合するほぼコ字状の切欠部19Fが形成されている。さらに、開閉カバー部19は、左側板部19Cが建屋カバー17の上面板17Bに後述のヒンジ20を介して左,右方向に開閉可能に取付けられている。
【0051】
ここで、開閉カバー部19は、エンジン13の長手方向(軸線O−O)と直交する前,後方向の長さ寸法L1、左,右方向の長さ寸法L2、上,下方向の高さ寸法H1をもって形成されている。そして、開閉カバー部19の前,後方向の長さ寸法L1は、広幅な熱交換器15等を覆うことができる寸法に設定され、左,右方向の長さ寸法L2は、動力源12のうちメンテナンス作業を必要とする部位を開閉できる程度の長さ寸法、例えばエンジンカバー18全体のほぼ半分程度の長さ寸法に設定されている。また、開閉カバー部19の高さ寸法H1は、図4に示す如く、建屋カバー17の開口部17Cから上側に突出寸法P1をもって突出した熱交換器15等を覆うことができるような寸法に設定されている。
【0052】
これにより、開閉カバー部19は、エンジンカバー18全体の重量のほぼ半分程度まで軽くすることができるから、メンテナンス作業等を行なうために開閉カバー部19を開,閉するときには、作業者の負担を軽減することができる。
【0053】
20は建屋カバー17の上面板17Bと開閉カバー部19の左側板部19Cとの間に設けられた複数個のヒンジで、該各ヒンジ20は、図3に示すように前,後方向に離間して例えば2個設けられている。また、各ヒンジ20は、左,右方向の左側を支点として開閉カバー部19を支持することにより、該開閉カバー部19を左,右方向に開閉するものである。
【0054】
21はエンジンカバー18の右側部分を構成する固定カバー部を示している。この固定カバー部21は、動力源12のうちメンテナンス作業を必要としない部位、即ち、エンジン13の右側部分と油圧ポンプ14を覆うものである。このため、固定カバー部21は、建屋カバー17の上面板17Bに固定して取付けられ、また、開口部17Cからの突出寸法P2が小さなエンジン13の右側部分に対応して低く形成されている。
【0055】
固定カバー部21について詳しく述べると、この固定カバー部21は、コ字状に配設された前板部21A、後板部21B、右側板部21Cと上板部21Dとにより、左側と下側に開口して形成されている。また、固定カバー部21は、前板部21A、後板部21B、右側板部21Cの下端部が建屋カバー17の上面板17Bにボルト・ナットによるボルト止め、溶接等の手段を用いて固定的に取付けられている。これにより、固定カバー部21は、建屋カバー17に対し簡単に取付けることができる。
【0056】
なお、固定カバー部21の取付方法は、建屋カバー17に対して物理的に固定される必要はないものである。即ち、固定カバー部21は、開閉カバー部19のようにヒンジ20を用いて簡便に開閉する構成になっていなくても、開閉操作が必要になった場合には、例えばボルト・ナットを緩めることによって取外すことができる構成であってもよいものである。
【0057】
ここで、固定カバー部21は、エンジン13の長手方向(軸線O−O)と直交する前,後方向の長さ寸法L3、左,右方向の長さ寸法L4、上,下方向の高さ寸法H2をもって形成されている。そして、固定カバー部21の前,後方向の長さ寸法L3は、狭幅なエンジン13の右側部分に対応し、開閉カバー部19の前,後方向の長さ寸法L1よりも小さな寸法に設定されている。また、左,右方向の長さ寸法L4は、開閉カバー部19を閉じたときに、左端部が開閉カバー部19と重なるような寸法に設定されている。
【0058】
さらに、固定カバー部21の高さ寸法H2は、図4に示す如く、建屋カバー17の開口部17Cから上側に小さな突出寸法P2をもって突出したエンジン13の右側部分等を覆うことができる程度の小さな寸法に設定されている。これにより、固定カバー部21は、エンジン13の右側部分に対応して低く形成することができるから、該固定カバー部21は、キャブ10内のオペレータに広い後方視界を提供することができる。
【0059】
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、建屋カバー17内に収容した動力源12のエンジン13、熱交換器15等のメンテナンス作業を行なう場合について説明する。
【0060】
まず、エンジンカバー18の開閉カバー部19を固定カバー部21または建屋カバー17の上面板17Bに固定しているロック機構(図示せず)を解除する。次に、開閉カバー部19の右側部分を持上げることにより、図6に示す如く、左側のヒンジ20を支点にして開閉カバー部19を開くことができる。このときには、開閉カバー部19は、従来のほぼ半分程度の重量となっているから、作業者は開閉カバー部19を簡単かつ安全に開閉することができる。
【0061】
そして、開閉カバー部19を開いた状態では、エンジン13のベルト13C、オイルレベルゲージ13D、オイル充填口13Eと熱交換器15を構成するラジエータの冷却水充填口15Bとが露出するから、ベルト13Cの張り具合の点検と調整、エンジン13を潤滑するためのエンジンオイルの量(液面レベル)と劣化状態の点検、エンジンオイルの補充、エンジン冷却水の補充等のメンテナンス作業を行うことができる。
【0062】
次に、第1の実施の形態による油圧ショベル1を操作して掘削作業等を行なうときの動作について説明する。
【0063】
まず、オペレータは、キャブ10に搭乗して運転席に着座する。この状態で走行用の操作レバーを操作することにより、下部走行体2のクローラを駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、運転席に着座したオペレータは、作業用の操作レバーを操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0064】
ここで、油圧ショベル1を操作するときには、キャブ10内から周囲を目視で確認しながら作業を行なう。この場合、図2に示すように、後方視界の障害となるエンジンカバー18のほぼ半分に相当する固定カバー部21は、開閉カバー部19に比較して低く形成しているから、固定カバー部21を低くした分だけキャブ10からの後方視界を広くすることができる。
【0065】
かくして、第1の実施の形態によれば、エンジンカバー18を左,右方向で開閉カバー部19と固定カバー部21とに分割し、動力源12のうちメンテナンスを必要とする左側部分(熱交換器15側)を覆う開閉カバー部19は、建屋カバー17の上面板17Bに開閉可能に取付ける構成としている。従って、動力源12のメンテナンス作業を行なう場合には、エンジンカバー18のほぼ半分に相当する開閉カバー部19だけを開閉するだけでよいから、開閉カバー部19を開,閉するときの作業者の負担を軽減することができ、メンテナンス作業を簡単に、かつ安全に行なうことができる。
【0066】
また、動力源12のうちメンテナンスを必要としない右側部分(油圧ポンプ14側)を覆う固定カバー部21は、建屋カバー17の上面板17Bに固定して取付けている。これにより、固定カバー部21を建屋カバー17に取付ける場合に、例えばボルト・ナット等を用いて簡単に取付けることができ、組立作業性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
【0067】
しかも、開閉カバー部19と固定カバー部21とは、動力源12の配置状態に応じて固定カバー部21の高さ寸法H2を開閉カバー部19の高さ寸法H1よりも低く形成する構成としている。この結果、固定カバー部21を低く形成した分だけキャブ10からの後方視界を広くすることができるから、作業性、安全性等を向上することができる。
【0068】
また、固定カバー部21は、狭幅なエンジン13の右側部分に対応して前,後方向の長さ寸法L3を、開閉カバー部19の前,後方向の長さ寸法L1に比較して小さく形成しているから、固定カバー部21を小型化することができる。
【0069】
さらに、開閉カバー部19は、左,右方向の左側をヒンジ20を介して建屋カバー17に取付けているから、このヒンジ20を支点として開閉カバー部19を左,右方向に開,閉することができる。
【0070】
次に、図7ないし図9は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、エンジンカバーを構成する2つのカバー部をほぼ同じ高さ寸法に形成したことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0071】
図7、図8において、31は第2の実施の形態によるエンジンカバーで、該エンジンカバー31は、建屋カバー17の上面板17B上に設けられ、開口部17Cを閉塞することにより、該開口部17Cから突出した動力源12の上部を覆うものである。また、エンジンカバー31は、左,右方向のほぼ中間位置で、後述する開閉カバー部32と固定カバー部34とに分割されている。さらに、開閉カバー部32と固定カバー部34とは、左,右方向でほぼ対称形状に形成されている。
【0072】
32はエンジンカバー31の左側部分を構成する開閉カバー部で、該開閉カバー部32は、メンテナンス作業を必要とする動力源12の左側部分(熱交換器15側)を覆うものである。このため、開閉カバー部32は、建屋カバー17の上面板17Bに、後述のヒンジ33を介して開閉可能に取付けられている。
【0073】
開閉カバー部32について詳しく述べると、この開閉カバー部32は、コ字状に配設された前板部32A、後板部32B、左側板部32Cと上板部32Dとにより、右側と下側に開口して形成されている。また、開閉カバー部32は、左側板部32Cが建屋カバー17の上面板17Bに第1の実施の形態によるヒンジ20とほぼ同様のヒンジ33を介して左,右方向に開閉可能に取付けられている。
【0074】
ここで、開閉カバー部32は、エンジンカバー31のほぼ半分程度の長さ寸法に設定されているから、その重量をエンジンカバー31全体のほぼ半分程度にすることができ、図9に示すように、開閉カバー部32を開,閉するときの作業者の負担を軽減することができる。
【0075】
34はエンジンカバー31の右側部分を構成する固定カバー部で、該固定カバー部34は、メンテナンス作業を必要としない動力源12の右側部分(油圧ポンプ14側)を覆うものである。このため、固定カバー部34は、建屋カバー17の上面板17Bに固定して取付けられている。また、固定カバー部34は、開閉カバー部32と左,右方向でほぼ対称形状に形成されている。
【0076】
固定カバー部34について詳しく述べると、この固定カバー部34は、コ字状に配設された前板部34A、後板部34B、右側板部34Cと上板部34Dとにより、左側と下側に開口して形成されている。また、固定カバー部34は、その下端部が建屋カバー17の上面板17Bにボルト止め、溶接等の手段を用いて簡単に取付けることができる。
【0077】
このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、エンジンカバー31を構成する開閉カバー部32と固定カバー部34とはほぼ対称形状としている。これにより、固定カバー部34内にも動力源12を構成する部品等を収容することができる。また、開閉カバー部32を閉じた状態ではエンジンカバー31全体形状に一体感をもたせることができ、見栄えを良好にすることができる。
【0078】
次に、図10および図11は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、エンジンカバーの開閉可能な一方のカバー部は、車体の前,後方向の一側を支点として前,後方向に開閉可能に設ける構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0079】
図10において、41は第3の実施の形態によるエンジンカバー、42は該エンジンカバー41の左側部分を構成する開閉カバー部を示している。この開閉カバー部42は、メンテナンス作業を必要とするエンジン13の左側部分を覆うもので、第1の実施の形態による開閉カバー部32とほぼ同様に、前板部42A、後板部42B、左側板部42C、右側板部42D、上板部42Eから下側に開口して形成され、右側板部42Dには切欠部42Fが設けられている。しかし、第3の実施の形態による開閉カバー部42は、後述のヒンジ43によって前,後方向に開閉可能に設けられている点で、第1の実施の形態による開閉カバー部19と相違している。
【0080】
43は建屋カバー17の上面板17Bと開閉カバー部42の前板部42Aとの間に設けられた例えば2個のヒンジで、該各ヒンジ43は、前,後方向の前側を支点として開閉カバー部42を支持することにより、図11に示すように開閉カバー部42を前,後方向に開閉するものである。
【0081】
このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、前,後方向の前側のヒンジ43を支点として開閉カバー部42の後側を開閉する構成としているから、開閉カバー部42を開いた状態では、左側と後側の2方向からメンテナンス作業等を行なうことができ、作業性を向上することができる。
【0082】
なお、各実施の形態では、動力源12は、エンジン13を左,右方向に延在する横置き状態とし、メンテナンスが必要なエンジン13のベルト13C、オイルレベルゲージ13D、熱交換器15等を左側に配設した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば動力源12のうちメンテナンスが必要な部位を左,右方向の右側に配置してもよい。この場合には、エンジンカバー18の開閉カバー部19を右側に配設し、固定カバー部21を左側に配設する構成とすればよい。
【0083】
また、動力源12は、特開平10−46625号公報のように、前,後方向に延在する縦置き状態としてもよく、この場合には、前側または後側に配設されるメンテナンスが必要なエンジン13のベルト13C、オイルレベルゲージ13D、熱交換器15等に応じて、開閉カバー部19を前側または後側に配設する構成とすればよい。
【0084】
また、第1の実施の形態では、熱交換器15を構成するラジエータ、オイルクーラ、インタクーラは、例えばエンジン13の駆動軸13Aの軸線O−Oに対して直交する前,後方向に並べて横列に配置した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば熱交換器15を構成するラジエータ、オイルクーラ、インタクーラを、駆動軸13Aの軸線O−Oの方向となる左,右方向に重ねて縦列に配置する構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0085】
一方、第1の実施の形態では、エンジンカバー18の開閉カバー部19は、左,右方向の左側に設けたヒンジ20を支点として右側を開閉する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、開閉カバー部19の右側にヒンジ20を設けることにより、開閉カバー部19は右側のヒンジ20を支点として左側を開閉する構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0086】
また、第3の実施の形態では、エンジンカバー41の開閉カバー部42は、前,後方向の前側に設けたヒンジ43を支点として後側を開閉する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、開閉カバー部42の後側にヒンジ43を設けることにより、開閉カバー部42は後側のヒンジ43を支点として前側を開閉する構成としてもよい。
【0087】
また、第1の実施の形態では、動力源12を建屋カバー17の開口部17Cから上側に突出させる構成とした場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば動力源12を建屋カバー17の上面板17Bよりも僅かに低い位置に設け、該動力源12との間にスペースを形成するためにエンジンカバー18を高さ寸法をもって形成する構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0088】
さらに、各実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。さらに、例えば油圧クレーン、ホイールローダ、トラクタ等の他の建設機械にも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】油圧ショベルを拡大して示す図1の左側面図である。
【図3】油圧ショベルを拡大して示す平面図である。
【図4】建屋カバー内を図3中の矢示IV−IV方向から拡大して示す断面図である。
【図5】カウンタウエイト、建屋カバー、エンジンカバー等を示す要部拡大の外観斜視図である。
【図6】エンジンカバーの開閉カバー部を開いて動力源を露出させた状態を図5と同様位置からみた要部拡大の外観斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるエンジンカバーを備えた油圧ショベルを示す平面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態によるエンジンカバーを示す要部拡大の外観斜視図である。
【図9】エンジンカバーの開閉カバー部を開いて動力源を露出させた状態を図8と同様位置からみた要部拡大の外観斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態によるエンジンカバーを備えた油圧ショベルを示す平面図である。
【図11】エンジンカバーの開閉カバー部を開いて動力源を露出させた状態を示す要部拡大の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
5 旋回フレーム
12 動力源
13 エンジン
14 油圧ポンプ
15 熱交換器
17 建屋カバー
17A 側面板
17B 上面板(上面部)
17C 開口部
18,31,41 エンジンカバー
19,32,42 開閉カバー部
20,33,43 ヒンジ(支点)
21,34 固定カバー部
P1 熱交換器等の突出寸法
P2 エンジンの右側部分の突出寸法
L1 開閉カバー部の前,後方向の長さ寸法
L2 開閉カバー部の左,右方向の長さ寸法
L3 固定カバー部の前,後方向の長さ寸法
L4 固定カバー部の左,右方向の長さ寸法
H1 開閉カバー部の高さ寸法
H2 固定カバー部の高さ寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体を構成するフレームと、該フレーム上に駆動軸に沿って長手方向に配置されたエンジンを含む動力源と、該動力源を収容するために前記フレーム上に設けられ上面部のうち該動力源が配置される部位に開口部が形成された建屋カバーと、該建屋カバーの上面部に前記開口部を閉塞するために設けられたエンジンカバーとを備えてなる建設機械において、
前記エンジンカバーは、前記エンジンの長手方向で2つのカバー部に分割し、前記動力源のうちメンテナンスを必要とする部位を覆う一方のカバー部は前記建屋カバーの上面部に開閉可能に設け、前記動力源のうちメンテナンスを必要としない部位を覆う他方のカバー部は前記建屋カバーの上面部に固定する構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記エンジンカバーを構成する2つのカバー部は、それぞれの高さ寸法を前記エンジンを含む動力源の配置状態に応じて異ならしめる構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記エンジンカバーを構成する2つのカバー部は、前記エンジンの長手方向と直交する幅方向の寸法をそれぞれ異ならしめる構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記エンジンカバーを構成する2つのカバー部のうち、開閉可能な一方のカバー部は、前記車体の左,右方向の一側を支点として左,右方向に開閉可能に設け、他方のカバー部は前記建屋カバーの上面部に固定する構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記エンジンカバーを構成する2つのカバー部のうち、開閉可能な一方のカバー部は、前記車体の前,後方向の一側を支点として前,後方向に開閉可能に設け、他方のカバー部は前記建屋カバーの上面部に固定する構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
【請求項6】
前記動力源は、前記エンジンと、該エンジンの長手方向の一側に取付けられた油圧ポンプと、前記エンジンの長手方向の他側に設けられた熱交換器とにより構成し、前記動力源のうちメンテナンスを必要とする部位は、前記エンジンの熱交換器側の部位であり、前記動力源のうちメンテナンスを必要としない部位は、前記エンジンの油圧ポンプ側の部位である請求項1,2,3,4または5に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−56326(P2006−56326A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238638(P2004−238638)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】