説明

建造物健全性判定システム

【課題】GPSを利用して被測定建造物の健全性を判定することができる建造物健全性判定システムを提供する。
【解決手段】この建造物健全性判定システム10は、ビルの屋上に設置されたGPSアンテナ12A〜12DおよびGPS受信機13と、GPS受信機13がGPS衛星から受信した観測データに基づいてGPSアンテナ12A〜12D間の基線ベクトル15A〜15Eを算出するコンピュータ14とを備えている。コンピュータ14は、基線ベクトル15A〜15Eによって画成された基準三角形と実測三角形との比較要素の相違点を用いてビルの残留変形を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPSを利用して建造物の健全性を判定する建造物健全性判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPSを利用してビルや家屋が林立する市街地で国土調査および用地測量を行うことができるGPS測量機がある(特許文献1参照)。測量機は、GPS衛生からの衛星電波を受信するGPSアンテナと、衛星電波を受信処理するGPS受信機と、GPSアンテナの三次元座標を算出するコンピュータとから形成されている。測量機では、ビルの屋上からGPSアンテナを張り出し、鉛直器で地上におけるアンテナの位置決めをして衛星電波の受信を行う。この測量機は、アンテナの周辺に障害物がなくなるから、GPS衛星が地上のどの位置に存在しても、アンテナが衛星電波を受信することができる。
【特許文献1】特開平9−203636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
地震や台風、地殻変動等の自然災害または火災や土地の掘削による陥没等の人的災害が起こった後、それら災害に襲われた建造物を引き続き使用することができるかを判定することは、被災地における救援活動や復旧活動を進める上で極めて重要である。また、耐用年数が経過した建造物の使用可能性を判定することは、その建造物の建て替えを検討するために必要である。しかし、前記公報に開示のGPS測量機では、それら災害が起こった後における建造物の健全性を判定することや耐用年数が経過した建造物の使用可能性を判定することはできない。
【0004】
本発明の目的は、GPSを利用して建造物の健全性を判定することができる建造物健全性判定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明は、建造物の屋上の複数の測定ポイントに設置された複数のGPSアンテナ・受信機と、GPSアンテナ・受信機がGPS衛星から受信した観測データに基づいてGPSアンテナ間の基線ベクトルを算出する計算機とを備え、基線ベクトルに囲繞された区域が三角形を形成するように各GPSアンテナが屋上に配置された建造物健全性判定システムである。このシステムの計算機は、基線ベクトルによって画成された初期の基準三角形を記憶する形状記憶手段と、基準三角形の記憶時から所定時間経過後に算出した基線ベクトルによって画成される実測三角形を基準三角形と比較する比較手段と、比較手段によって比較した基準三角形と実測三角形との比較要素の相違点を用いて建造物の残留変形を測定する測定手段とを有する。
【0006】
本発明の一例として、建造物健全性判定システムでは、建造物近傍における地上の座標確定ポイントに基準局が設置され、基準局が誤差推定値を測定し、GPSアンテナ・受信機が誤差推定値を用いて擬似距離を補正しつつ測位計算を実行する。
【0007】
本発明の他の一例としては、基準三角形と実測三角形との比較要素が基線ベクトルによって画成された基準三角形と実測三角形との各辺の長さ寸法である。
【0008】
本発明の他の一例としては、基準三角形と実測三角形との比較要素が基線ベクトルによって画成された基準三角形と実測三角形との各内角である。内角とは、基準三角形と実測三角形との各辺がなす角度である。
【0009】
本発明の他の一例としては、基準三角形と実測三角形との比較要素が基線ベクトルによって画成された基準三角形と実測三角形との比高である。比高とは、基準三角形と実測三角形との垂直方向の高さ寸法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる建造物健全性判定システムによれば、建造物の残留変形の測定手段として、実測三角形を基準三角形と比較したときの比較要素の相違点を用いるから、自然災害や人的災害が起こった後の建造物の傾きや捻れ、座屈等の変形を見落とすことなく調査することができ、それら災害が起こった後の建造物の健全性を確実に判定することができる。また、耐用年数が経過した後の建造物の傾きや捻れ、座屈等の変形を調査することができ、その建造物の今後の使用可能性を判定することができる。システムは、GPSを利用して基準三角形と実測三角形とを形象し、それら三角形の相違点を抽出するから、目視では不可能なわずかな残留変形を確実に検出することができる。このシステムは、基線ベクトルに囲繞された区域が三角形を形成するように各GPSアンテナ・受信機を建造物の屋上に配置するだけなので、システムの設定に手間がかからず、さらに、システムを容易に移設することができる。
【0011】
建造物近傍における地上の座標確定ポイントに設置された基準局が誤差推定値を測定し、GPSアンテナ・受信機が誤差推定値を用いて擬似距離を補正しつつ測位計算を実行する建造物健全性判定システムは、擬似距離の誤差を補正することによって測定精度を向上させることができ、自然災害や人的災害が起こった後または耐用年数が経過した後の建造物のわずかな残留変形を確実に検出することができる。
【0012】
基準三角形と実測三角形との比較要素が基線ベクトルによって画成されたそれら三角形の各辺の長さ寸法である建造物健全性判定システムは、実測三角形の各辺の長さ寸法が基準三角形のそれと相違する場合、自然災害または人的災害が起こった後の建造物や耐用年数が経過した建造物に傾きや捻れ、座屈等の残留変形が生じたことが判り、基準三角形と実測三角形との各辺の長さ寸法を比較することによって建造物の健全性を確実に判定することができる。
【0013】
基準三角形と実測三角形との比較要素が基線ベクトルによって画成されたそれら三角形の各内角である建造物健全性判定システムは、実測三角形の各内角の角度が基準三角形のそれと相違する場合、自然災害または人的災害が起こった後の建造物や耐用年数が経過した建造物に傾きや捻れ、座屈等の残留変形が生じたことが判り、基準三角形と実測三角形との各内角の角度を比較することによって建造物の健全性を確実に判定することができる。
【0014】
基準三角形と実測三角形との比較要素が基線ベクトルによって画成されたそれら三角形の比高である建造物健全性判定システムは、実測三角形の垂直方向の高さ寸法が基準三角形のそれと相違する場合、自然災害または人的災害が起こった後の建造物や耐用年数が経過した建造物に傾きや捻れ、座屈等の残留変形が生じたことが判り、基準三角形と実測三角形との比高を比較することによって建造物の健全性を確実に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
添付の図面を参照し、本発明に係る建造物健全性判定システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。図1,2は、一例として示す建造物健全性判定システム10が設置されたビルディング17(以下、ビルという)の概略図と、GPS衛星11とGPSアンテナ12A〜12Dとの相関関係の一例を示す図とであり、図3は、アンテナ12A〜12Dどうしの間に延びる基線ベクトル15A〜15Eのイメージ図である。図1では、GPS受信機13とコンピュータ14との図示を省略している。
【0016】
このシステム10は、GPS衛星11(図2参照)が発信した衛星電波を受信するGPSアンテナ12A〜12Dと、GPSアンテナ12A〜12Dに接続されたGPS受信機13と、GPS受信機13に接続されたコンピュータ14(計算機)(図3参照)とから構成されている。図1のシステム10におけるGPS測位法は、スタティック測位(干渉測位)を採用している。このシステム10では、4台のアンテナ12A〜12Dと受信機13とを使用して同時時間帯に観測することにより、多数の基線ベクトル15A〜15Eを同時に求めることができる。測定される基線ベクトル15A〜15Eの数は、図3に示すように、4本である。基線ベクトル15A〜15Eに囲繞された区域は三角形を呈する。
【0017】
GPS衛星11は、地上約20200kmの上空を周期約11時間58分2秒で周回している。衛星11は、6つの軌道面に4機ずつ計24機配備され、地球上のどの位置からでも常時4機以上の衛星11が幾何学的配置のもとで観測できるように運用されている。衛星11は、衛星電波(搬送波、PRNコード、航法メッセージ)を生成し、生成した衛星電波を3つのブロックに分割して発信している。
【0018】
GPSアンテナ12A〜12Dは、ビル16(被測定建造物)の屋上17に設置され、各アンテナ12A〜12Dを結ぶ線分(基線ベクトル15A〜15E)が正四角形を形成するように屋上17に配置、固定されている。線分によって形成された四角形は斜線によって二等分され、同一形状の2つの三角形18A,18Bが形成されている。なお、それらアンテナ12A〜12Dを結ぶ線分が正四角形を形成するようにアンテナ12A〜12Dを配置する必要はなく、線分が菱形や台形を形成するようにアンテナ12A〜12Dが配置されてもよい。アンテナ12A〜12Dは、GPS衛星11で生成された衛星電波を受信し、受信した衛星電波をGPS受信機13に出力する。
【0019】
GPS受信機13は、入力された衛星電波を増幅かつ周波数変換し、十分なレベルの電波とした後、コード同期回路でコードの同期(電波伝搬時間の検出)を行う。受信機13は、受信しようとする衛星と同一のC/Aコードパターン基準搬送波(レプリカ)を発生させ、そのタイミングを調整して衛星電波と同期をとる。受信機13では、生成したコードと受信した衛星コードとの相関がもっとも高くなるように時刻を移動させる。相関がもっとも高くなったときにレプリカと衛星電波とが同期し、受信機13が航法メッセージを復調する。次に、受信機13は、測位に用いる搬送波位相を再生する。受信機13は、衛星電波からコードと航法メッセージとを除去し、フィルタリングをかけた後、再生搬送波(サイン波)を得る。再生搬送波は位相同期回路に出力され、受信機13が発生させた搬送波レプリカと比較して2つの波間の位相差(衛星からの搬送波の位相と受信機内搬送波レプリカの位相との差)が測定される。位相差は、位相カウンタに入力され、位相カウンタで積算される。位相差の測定は、受信機時計の秒信号に合わせてあらかじめ設定された時刻間隔(エポック間隔)で行われる。
【0020】
スタティック測位(干渉測位)では、図1に示すように、ビル16の屋上17の複数の測定ポイントPにGPSアンテナ12A〜12DとGPS受信機13とを設置して観測を行い、GPS衛星11が天空を移動する位置変化を利用して整数値バイアスを決定する。整数値バイアスによる基線ベクトル15A〜15Eの多重解は、図2に示すように、3組の二重位相差をとる4個の衛星11の位置によって決まる。なお、衛星11の移動によって多重解も移動するが、真の解だけは不動点となる。これを利用し、一定時間連続して観測することで不動点を見つけ出し、基線ベクトル15A〜15Eと整数値バイアスとを同時に確定する。スタティック側位は、位相差積算値を観測量として側位計算を行う。しかし、整数倍の不確定性があるため、衛星11と受信機13との時計誤差を完全に除去しなければならない。そこで、スタティック測位では、位相差積算値を衛星11どうしで差をとるとともに、位相差積算値を受信機13どうしで差をとることによって、衛星11と受信機13とに起因する誤差を解消している。
【0021】
コンピュータ14は、中央処理装置(CPU)とキャッシュメモリとを有する。コンピュータ14は、インターフェイス(有線19)または無線19によってGPS受信機13に接続されている(図3参照)。コンピュータ14には、キーボード20やディスプレイ21が設置され、大容量ハードディスクが内蔵されている。コンピュータ14には、図示はしていないが、プリンタがインターフェイスを介して接続されている。キャッシュメモリの内部アドレスファイルには、このシステムを実行するためのプログラムと、GPS受信機13が観測した観測データを使用して基線解析計算を実行する基線解析アプリケーションとが格納されている。中央処理装置は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、内部アドレスファイルに格納されたプログラムを起動し、プログラムに従ってこのシステムの形状記憶手段や比較手段、測定手段、判定手段、出力手段を実行する。
【0022】
コンピュータ14では、キーボード20を介して内部アドレスファイルに格納された各データを随時変更することができる。なお、コンピュータ14は、携帯用のそれを測定時に持ち込んで、GPS受信機13に接続することもでき、GPS受信機13に接続した状態でビル16の一室に設置することもできる。基線解析アプリケーションは、GPS受信機13が記録した搬送波位相や擬似距離等のデータを解析して基線ベクトルを計算する機能の他に、観測計算を作成するための衛星観測条件計算機能や三次元網平均計算機能を有し、各種測量用ツールを保有している。
【0023】
コンピュータ14による基線ベクトル15A〜15Eの解析の一例を説明すると、以下のとおりである。コンピュータ14は、GPS受信機13から観測ポイントP毎の観測データ(位相データや擬似距離、航法メッセージ)を読み込んだ後、観測時刻(エポック)毎に2つの観測ポイントPにおける同じ衛星毎の位相差を計算する(受信機間一重位相差)。次に、2つの衛星11に関する一重位相差の差をとり、二重位相差を計算する。さらに、エポック間での二重位相差の差をとり、三重位相差(あるエポックの二重位相差とその1つ前のエポックの二重位相差との差)を計算する(位相差の計算)。GPS受信機13から読み込んだ航法メッセージの軌道情報からエポック毎の衛星位置を計算する(衛星位置の計算)。三重位相差と衛星11の位置データとから最小二乗法によって概略の基線ベクトルを計算する(概略の基線ベクトル計算)。そして、三重位相差によって求めた基線ベクトルを近似値として、二重位相差による整数値バイアスの推定と基線ベクトルの計算とを最小二乗法によって行う(整数値バイアス推定と基線ベクトル計算)。整数値バイアスの推定を行った後、整数値バイアスを整数値に固定して最小二乗法によって基線ベクトルを再び計算する(バイアスの整数化)。最終的に計算された基線ベクトルと衛星位置とをもとに理論的な観測値(二重位相差)を作る(統計量の計算)。最終的に計算された基線ベクトルの結果に対して標準偏差等の統計量の評価を行い、基線ベクトル15A〜15Eを決定する。
【0024】
図4,5は、コンピュータ14のディスプレイ21に表示された基準三角形22と実測三角形23とを示す図である。図5では、それら三角形22,23が三次元座標に表示されている。このシステム10では、ビル16の屋上にGPSアンテナ12A〜12DとGPS受信機13とを設置した直後、受信機13から入力された観測データを使用してコンピュータ14が基線ベクトル15A〜15Eを決定する。コンピュータ14は、基線ベクトル15A〜15Eを使用して、ベクトル15A〜15Eによって画成される二次元または三次元空間上の初期基準三角形22(2つの三角形)を形象する。コンピュータ14は、基準三角形22を形象すると、それをメモリに格納する(形状記憶手段)。コンピュータ14は、基準三角形22を格納してから所定期間経過後に再び基線ベクトル15A〜15Eを決定し、再度決定した基線ベクトル15A〜15Eを使用して、ベクトル15A〜15Eによって画成される二次元または三次元空間上の実測三角形23(2つの三角形)を形象する。コンピュータ14は、実測三角形23を形象すると、それをメモリに格納する(形状記憶手段)。実測三角形23を形象するための所定期間に特に限定はなく、期間を自由に決めることができる。たとえば、期間を週単位や月単位、年単位で定めることができるのみならず、地震や台風、地殻変動等の自然災害または火災や土地の掘削による陥没等の人的災害が起こった直後とすることもできる。
【0025】
コンピュータ14は、基準三角形22と実測三角形23とを比較する(比較手段)。比較手段によってそれら三角形22,23を比較したコンピュータ14は、基準三角形22と実測三角形23との比較要素の相違点を抽出し、抽出した相違点によってビル16の残留変形を測定し(測定手段)、さらに、残留変形の値によってビル16の健全性を判定する(判定手段)。なお、健全性とは、ビル16が継続して使用可能か、今後何年の使用に耐えられるか、どの部分の補強が必要か、建て替える必要があるか等を意味する。また、基準三角形22と実測三角形23との比較要素は、基準三角形22と実測三角形23との各辺の長さ寸法、基準三角形22と実測三角形23との各内角の角度、基準三角形22と実測三角形23との比高(垂直方向の高さ寸法)、基準三角形22に対する実測三角形23の水平方向の移動寸法である。
【0026】
コンピュータ14は、図4に示すように、基準三角形22と実測三角形23とを平面画像としてディスプレイ21に表示する。ディスプレイ21には、図示はしていないが、基準三角形22の各辺(A−B辺,A−D辺,B−D辺,B−C辺,C−D辺)の長さ寸法が表示され、実測三角形23の各辺(A−B辺,A−D辺,B−D辺,B−C辺,C−D辺)の長さ寸法が表示され、さらに、基準三角形22の各辺の長さ寸法と実測三角形23の各辺の長さ寸法との差(基準三角形22のA−B辺の長さ寸法と実測三角形23のA−B辺の長さ寸法との差,基準三角形22のA−D辺の長さ寸法と実測三角形23のA−D辺の長さ寸法との差,基準三角形22のB−D辺の長さ寸法と実測三角形23のB−D辺の長さ寸法との差,基準三角形22のB−C辺の長さ寸法と実測三角形23のB−C辺の長さ寸法との差,基準三角形22のC−D辺の長さ寸法と実測三角形23のC−D辺の長さ寸法との差)が表示される(出力手段)。
【0027】
また、ディスプレイ21には、図示はしていないが、基準三角形22の内角の角度(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)が表示され、実測三角形23の内角の角度(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)が表示され、さらに、基準三角形22の内角の角度と実測三角形23の内角の角度との差(基準三角形22の角度θ1と実測三角形23の角度θ1との差,基準三角形22の角度θ2と実測三角形23の角度θ2との差,基準三角形22の角度θ3と実測三角形23の角度θ3との差,基準三角形22の角度θ4と実測三角形23の角度θ4との差,基準三角形22の角度θ5と実測三角形23の角度θ5との差,基準三角形22の角度θ6と実測三角形23の角度θ6との差)が表示される(出力手段)。コンピュータ14は、図4の画像をメモリに格納するとともに、基準三角形22と実測三角形23との各辺の長さ寸法、それら三角形22,23の各辺の長さ寸法の差、基準三角形22と実測三角形23との内角の角度、それら三角形22,23の内角の角度の差をメモリに格納する。
【0028】
コンピュータ14は、図5に示すように、三次元座標を用いて基準三角形22と実測三角形23とを立体画像としてディスプレイ21に表示する。ディスプレイ21には、図示はしていないが、基準三角形22の各点(A点,B点,C点,D点)のX,Y,Z軸における座標が表示され、実測三角形23の各点(A点,B点,C点,D点)のX,Y,Z軸における座標が表示される。さらに、基準三角形22の各点に対する実測三角形23の各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法±(基準三角形22のA点に対する実測三角形23のA点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形22のB点に対する実測三角形23のB点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形22のC点に対する実測三角形23のC点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形22のD点に対する実測三角形23のD点のX,Y,Z軸方向への移動寸法)が表示される。コンピュータ14は、図5の画像をメモリに格納するとともに、基準三角形22と実測三角形23との各点の座標、それら三角形22,23の各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法をメモリに格納する。コンピュータ14は、図4,5の画像をプリンタを介して印刷し、各辺の長さ寸法の差や内角の角度の差、各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法をプリンタを介して印刷する(出力手段)。
【0029】
コンピュータ14は、基準三角形22の各辺の長さ寸法と実測三角形23のそれとの差、基準三角形22の内角の角度と実測三角形23のそれとの差、基準三角形22の比高と実測三角形23のそれとの差(A点,B点,C点,D点のY軸方向の移動量)から、ビル16の健全性を判定し、判定結果(健全性あり、または、健全性なし)を出力する。健全性を判断するそれら差の基準値はあらかじめコンピュータ14に設定されている。その具体例を例示すると、以下のとおりである。たとえば、基準三角形22の各辺の長さ寸法と実測三角形23のそれとの差が±10mmを超過し、かつ、基準三角形22の内角の角度と実測三角形23のそれとの差が±2度を超過した場合、ビル16が水平方向へ捻転してねじれ、垂直方向へ座屈を起こし、残留変形が大きく、健全性なしと判定する。また、基準三角形22の比高と実測三角形23のそれとの差が±3cmを超過した場合、ビル16が垂直方向へ座屈を起こし、残留変形が大きく、健全性なしと判定する。さらに、基準三角形22の各点に対する実測三角形23の各点のX,Z軸方向への移動寸法が±3cmを超過した場合、ビル16が水平方向へ変形し、残留変形が大きく、健全性なしと判定する。コンピュータ14は、判定結果をメモリに格納する。なお、それらの基準値は、測定する建造物の大きさや種類、アンテナ12A〜12Dの設置位置、災害の大小、建造物に築年数等の各要素によって異なり、例示の基準値に限定されず、自由に設定することができる。コンピュータ14では、それら基準値をキーボード20を使って設定、変更する。
【0030】
図1に示す建造物健全性判定システム10は、実測三角形22と基準三角形23とを比較したときの比較要素の相違点を用いてビル16の残留変形を測定し、残留変形の値からビル16の健全性を判定するから、自然災害や人的災害が起こった後のビル16の傾きや捻れ、座屈等の変形を見落とすことなく調査することができ、それら災害が起こった後のビル16の健全性を確実に判定することができる。また、耐用年数が経過した後のビル16の傾きや捻れ、座屈等の変形を調査することができ、ビル16の今後の使用可能性を判定することができる。このシステム10は、GPSを利用して基準三角形22と実測三角形23とを形象し、それら三角形22,23の相違点を抽出するから、目視では不可能なわずかな残留変形を確実に検出することができる。また、基線ベクトル15A〜15Eに囲繞された区域が三角形22,23を形成するように各GPSアンテナ12A〜12Dをビル16の屋上17に配置するだけなので、システム10の設定に手間がかからず、さらに、システム10を容易に移設することができる。
【0031】
このシステム10は、実測三角形23の各辺の長さ寸法が基準三角形22のそれと相違する場合、実測三角形23の各内角の角度が基準三角形22のそれと相違する場合、実測三角形23の垂直方向の高さ寸法が基準三角形22のそれと相違する場合、実測三角形23の各点が基準三角形22の各点に対して水平方向へ移動する場合、自然災害または人的災害が起こった後のビル16や耐用年数が経過したビル16に傾きや捻れ、座屈等の残留変形が生じたことが判るから、基準三角形22と実測三角形23とを比較することによってビル16の健全性を確実に判定することができる。
【0032】
図6,7は、他の一例として示す建造物健全性判定システム30が設置されたビル16の概略図と、ディファレンシャル測位の説明図とであり、図8は、アンテナ12A〜12Cどうしの間に延びる基線ベクトル15A〜15Cのイメージ図である。図6では、GPS受信機13とコンピュータ14との図示を省略している。このシステム30は、図1のそれと同様に、衛星11から発信された衛星電波を受信するGPSアンテナ12A〜12Cと、GPSアンテナ12A〜12Cに接続されたGPS受信機13と、GPS受信機13にインターフェイス(有線19)または無線19を介して接続されたコンピュータ14(計算機)(図8参照)とから構成されている。
【0033】
図6のシステム30では、ビル16(被測定建造物)の近傍における地上31の座標確定ポイントQに基準局32(GPSアンテナおよびGPS受信機)が設置されている。このシステム30におけるGPS測位法は、ディファレンシャル測位を採用している。このシステム30では、3台のGPSアンテナ12A〜12CとGPS受信機13とを使用して同時時間帯に観測することにより、多数の基線ベクトル15A〜15Cを同時に求めることができる。測定される基線ベクトル15A〜15Cの数は、図3に示すように、3本である。基線ベクトル15A〜15Cに囲繞された区域は三角形18を呈する。アンテナ12A〜12Cは、ビル16の屋上17に設置され、各アンテナ12A〜12Cを結ぶ線分(基線ベクトル15A〜15C)が三角形18を形成するように屋上17に配置、固定されている。それらアンテナ12A〜12Cを結ぶ線分が形成する三角形18は、正三角形や二等辺三角形、直角三角形等のいずれの形状であってもよい。なお、このシステム30におけるGPS衛星11やGPSアンテナ12A〜12C、GPS受信機13、コンピュータ14は、図1のそれらと同一であるから、それらの説明は省略する。
【0034】
GPS受信機13は、入力された衛星電波を増幅かつ周波数変換し、十分なレベルの電波とした後、コード同期回路でコードの同期(電波伝搬時間の検出)を行う。受信機13は、受信しようとする衛星11と同一のC/Aコードパターン基準搬送波(レプリカ)を発生させ、そのタイミングを調整して衛星電波と同期をとる。受信機13では、生成したコードと受信した衛星コードとの相関がもっとも高くなるように時刻を移動させる。相関がもっとも高くなったときにレプリカと衛星電波とが同期し、受信機13が航法メッセージを復調する。このとき、受信機13内で発生したC/Aコード時刻が衛星電波の到達時間となり、それによって受信機13が電波伝搬時間を算出する。受信機13は、電波伝搬時間に光速をかけて擬似距離を算出する。しかし、前記擬似距離には、受信機時計の誤差が残る。
【0035】
ディファレンシャル測位では、擬似距離の前記誤差を補正することによって測位精度を向上させる。最初に擬似距離の誤差を推定するため、測地座標が正確に求められた座標確定ポイントQに基準局32を設置し、基準局32が各衛星11からの衛星電波を観測して観測距離(生の擬似距離L1)を求める。一方、基準局32の測地座標は正確にわかっており、航法メッセージで送られる軌道情報から計算した衛星位置座標に基づいて、衛星11と基準局32のアンテナ(観測ポイントQ)との間の幾何学的距離L2が算出される。したがって、擬似距離L1から幾何学的距離L2を引くことにより、擬似距離誤差の誤差推定値L3(補正量)を求めることができる。ディファレンシャル測位では、観測している各衛星11についての誤差推定値L3を、衛星11を介して各観測ポイントPのGPS受信機13に送信する。受信機13は、この誤差推定値L3を使用してそれが受信した擬似距離L4を補正し、測位計算を行う。なお、基準局32は、各衛星11についての誤差推定値L3を直接受信機13に送信することもでき、誤差推定値L3をコンピュータ14を介して受信機13に送信することもできる。
【0036】
図9,10は、コンピュータ14のディスプレイ21に表示された基準三角形22と実測三角形23とを示すである。図10では、それら三角形22,23が三次元座標に表示されている。このシステム30では、ビル16の屋上17にGPSアンテナ12A〜12CとGPS受信機13とを設置し、さらに基準局32を設置した直後、受信機13から入力された観測データを使用してコンピュータ14が基線ベクトル15A〜15Cを決定する。コンピュータ14のキャッシュメモリに格納された基線解析アプリケーションは、GPS受信機13が記録した擬似距離L4のデータを解析して基線ベクトル15A〜15Cを計算する。コンピュータ14は、基線ベクトル15A〜15Cを使用して、ベクトル15A〜15Cによって画成される二次元または三次元空間上の初期基準三角形22を形象する。コンピュータ14は、基準三角形22を形象すると、それをメモリに格納する(形状記憶手段)。コンピュータ14は、基準三角形22を格納してから所定期間経過後に再び基線ベクトル15A〜15Cを決定し、再度決定した基線ベクトル15A〜15Cを使用して、ベクトル15A〜15Cによって画成される二次元または三次元空間上の実測三角形23を形象する。コンピュータ14は、実測三角形23を形象すると、それをメモリに格納する(形状記憶手段)。
【0037】
コンピュータ14は、基準三角形22と実測三角形23とを比較する(比較手段)。それら三角形22,23を比較したコンピュータ14は、基準三角形22と実測三角形23との比較要素の相違点を抽出し、抽出した相違点によってビル16の残留変形を測定し(測定手段)、さらに、残留変形の値によってビル16の健全性を判定する(判定手段)。基準三角形22と実測三角形23との比較要素は、基準三角形22と実測三角形23との各辺の長さ寸法、基準三角形22と実測三角形23との各内角の角度、基準三角形22と実測三角形23との比高(垂直方向の高さ寸法)、基準三角形22に対する実測三角形23の水平方向の移動寸法である。
【0038】
コンピュータ14は、図9に示すように、基準三角形22と実測三角形23とを平面画像としてディスプレイ21に表示する。ディスプレイ21には、図示はしていないが、基準三角形22の各辺(A−B辺,B−C辺,A−C辺)の長さ寸法が表示され、実測三角形23の各辺(A−B辺,B−C辺,A−C辺)の長さ寸法が表示され、さらに、基準三角形22の各辺の長さ寸法と実測三角形23の各辺の長さ寸法との差(基準三角形22のA−B辺の長さ寸法と実測三角形23のA−B辺の長さ寸法との差,基準三角形22のB−C辺の長さ寸法と実測三角形23のB−C辺の長さ寸法との差,基準三角形22のA−C辺の長さ寸法と実測三角形23のA−C辺の長さ寸法との差)が表示される(出力手段)。
【0039】
また、ディスプレイ21には、図示はしていないが、基準三角形22の内角の角度(θ1,θ2,θ3)が表示され、実測三角形23の内角の角度(θ1,θ2,θ3)が表示され、さらに、基準三角形22の内角の角度と実測三角形23の内角の角度との差(基準三角形22の角度θ1と実測三角形23の角度θ1との差,基準三角形22の角度θ2と実測三角形23の角度θ2との差,基準三角形22の角度θ3と実測三角形23の角度θ3との差)が表示される(出力手段)。コンピュータ14は、図9の画像をメモリに格納するとともに、基準三角形22と実測三角形23との各辺の長さ寸法、それら三角形22,23の各辺の長さ寸法の差、基準三角形22と実測三角形23との内角の角度、それら三角形22,23の内角の角度の差をメモリに格納する。
【0040】
コンピュータ14は、図10に示すように、三次元座標を用いて基準三角形22と実測三角形23とを立体画像としてディスプレイ21に表示する。ディスプレイ21には、図示はしていないが、基準三角形22の各点(A点,B点,C点)のX,Y,Z軸における座標が表示され、実測三角形23の各点(A点,B点,C点)のX,Y,Z軸における座標が表示される。さらに、基準三角形の各点に対する実測三角形の各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法±(基準三角形22のA点に対する実測三角形23のA点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形22のB点に対する実測三角形23のB点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形22のC点に対する実測三角形23のC点のX,Y,Z軸方向への移動寸法)が表示される。コンピュータ14は、図10の画像をメモリに格納するとともに、基準三角形22と実測三角形23との各点の座標、それら三角形22,23の各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法メモリに格納する。コンピュータ14は、図9,10の画像をプリンタを介して印刷し、各辺の長さ寸法の差や内角の角度の差、各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法をプリンタを介して印刷する(出力手段)。
【0041】
コンピュータ14は、基準三角形22の各辺の長さ寸法と実測三角形23のそれとの差、基準三角形22の内角の角度と実測三角形23のそれとの差、基準三角形22の比高と実測三角形23のそれとの差(A点,B点,C点のY軸方向の移動寸法)、基準三角形22の各点に対する実測三角形23の各点のX,Z軸方向への移動寸法から、ビル16の健全性を判定し、判定結果(健全性あり、または、健全性なし)を出力する。コンピュータ14は、判定結果をメモリに格納する。健全性を判断するためのそれら差の基準値は、図1のシステム10と同様に、あらかじめコンピュータ14に設定されている。基準値は、測定する建造物の大きさや種類、アンテナ12A〜12Cの設置位置、災害の大小、建造物に築年数等の各要素を考慮して自由に設定することができる。
【0042】
図6に示す建造物健全性判定システム30は、実測三角形22と基準三角形23とを比較したときの比較要素の相違点を用いてビル16の健全性の残留変形を測定し、残留変形の値からビル16の健全性を判定するから、自然災害や人的災害が起こった後のビル16の傾きや捻れ、座屈等の変形を見落とすことなく調査することができ、それら災害が起こった後のビル16の健全性を確実に判定することができる。また、耐用年数が経過した後のビル16の傾きや捻れ、座屈等の変形を調査することができ、ビル16の今後の使用可能性を判定することができる。このシステム30は、GPSを利用して基準三角形22と実測三角形23とを形象し、それら三角形22,23の相違点を抽出するから、目視では不可能なわずかな残留変形を確実に検出することができる。また、基線ベクトル15A〜15Cに囲繞された区域が三角形18を形成するように各GPSアンテナ12A〜12Cをビル16の屋上17に配置するだけなので、システム30の設定に手間がかからず、さらに、システム30を容易に移設することができる。
【0043】
このシステム30は、ビル16の近傍における地上31の座標確定ポイントQに設置された基準局32が誤差推定値L3を測定し、各測定ポイントPに設置されたGPS受信機13が誤差推定値L3を用いて擬似距離L4を補正しつつ測位計算を実行するから、擬似距離L4の誤差を補正することによって測定精度を向上させることができ、ビル16のわずかな残留変形を確実に検出することができる。
【0044】
このシステム30は、実測三角形23の各辺の長さ寸法が基準三角形22のそれと相違する場合、実測三角形23の各内角の角度が基準三角形22のそれと相違する場合、実測三角形23の垂直方向の高さ寸法が基準三角形22のそれと相違する場合、実測三角形23の各点が基準三角形22の各点に対して水平方向へ移動する場合、自然災害または人的災害が起こった後のビル16や耐用年数が経過したビル16に傾きや捻れ、座屈等の変形が生じたことが判るから、基準三角形22と実測三角形23とを比較することによってビル16の健全性を確実に判定することができる。
【0045】
図1および図6に示すシステム10,39では、GPSアンテナ12A〜12Dがビル16の屋上17に設置されているが、ビル16の屋上17のみならず、学校や病院の屋上、発電所の屋上、一般家屋の屋根等のあらゆる建造物に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一例として示す建造物健全性判定システムが設置されたビルディングの概略図。
【図2】GPS衛星とGPSアンテナとの相関関係の一例を示す図。
【図3】アンテナどうしの間に延びる基線ベクトルのイメージ図。
【図4】ディスプレイに表示された基準三角形と実測三角形とを示す図。
【図5】ディスプレイに表示された基準三角形と実測三角形とを示す図。
【図6】他の一例として示す建造物健全性判定システムが設置されたビルの概略図。
【図7】ディファレンシャル側位の説明図。
【図8】アンテナどうしの間に延びる基線ベクトルのイメージ図。
【図9】ディスプレイに表示された基準三角形と実測三角形とを示す図。
【図10】ディスプレイに表示された基準三角形と実測三角形とを示す図。
【符号の説明】
【0047】
10 建造物健全性判定システム
11 GPS衛星
12A〜12D GPSアンテナ
13 GPS受信機
14 コンピュータ(計算機)
15 基線ベクトル
16 ビルディング(建造物)
17 屋上
22 基準三角形
23 実測三角形
30 建造物健全性判定システム
31 地上
32 基準局
P 測定ポイント
Q 座標確定ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の屋上の複数の測定ポイントに設置された複数のGPSアンテナ・受信機と、前記GPSアンテナ・受信機がGPS衛星から受信した観測データに基づいてGPSアンテナ間の基線ベクトルを算出する計算機とを備え、前記基線ベクトルに囲繞された区域が三角形を形成するように各GPSアンテナが前記屋上に配置され、
前記計算機が、前記基線ベクトルによって画成された初期の基準三角形を記憶する形状記憶手段と、前記基準三角形の記憶時から所定時間経過後に算出した前記基線ベクトルによって画成される実測三角形を前記基準三角形と比較する比較手段と、前記比較手段によって比較した前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素の相違点を用いて前記建造物の残留変形を測定する測定手段とを有する建造物健全性判定システム。
【請求項2】
前記建造物健全性判定システムでは、前記建造物近傍における地上の座標確定ポイントに基準局が設置され、前記基準局が誤差推定値を測定し、前記GPSアンテナ・受信機が前記誤差推定値を用いて擬似距離を補正しつつ測位計算を実行する請求項1記載の建造物健全性判定システム。
【請求項3】
前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との各辺の長さ寸法である請求項1または請求項2に記載の建造物健全性判定システム。
【請求項4】
前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との各内角である請求項1ないし請求項3いずれかに記載の建造物健全性判定システム。
【請求項5】
前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との比高である請求項1ないし請求項3いずれかに記載の建造物健全性判定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−256036(P2007−256036A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79980(P2006−79980)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【出願人】(500206663)株式会社モダンエンジニアリングアンドデザイン (3)
【Fターム(参考)】