説明

弁装置用の弁本体構造及びその製造方法

【課題】樹脂同士の超音波溶着を利用することで、金属部品である内機部品と樹脂製の弁本体を簡単で且つ安価な工程で一体化させることができる弁装置用の弁本体構造とその製造方法を提供する。
【解決手段】弁座部材5は、環状の弁座5aを提供する金属製の環状の弁シート30の外側にインサート成形する等して樹脂層31を予め形成することで構成されている。樹脂層31は、弁本体2と同じ樹脂製とするのが好ましい。超音波ホーンで発生された超音波振動を弁シート30に与えながら、弁座部材5を弁本体2の配管接続部3内に押し込むことで、樹脂層31と弁本体2との寸法上重なる樹脂部分が摩擦熱によって溶融し溶け合って、冷却時に一体化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属部品と樹脂部品とを結合させてなる複合部品としての弁装置用の弁本体構造、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品同士を一体化する結合として、金属部品同士の結合の場合には、一方の部品を他方の部品内に圧入する手法がよく用いられている。金属部品と樹脂部品との一体的な結合の場合には、型の中に金属を置いて周囲に樹脂を流し込み樹脂が硬化したときに金属部品が樹脂と一体化されるインサート成形という手法が用いられている。
【0003】
内包する部品を組み付けた後からインサートするという手法がある。この手法では、樹脂部品の内径に対して金属部品の外形を大きくしておき、金属部品に振動を与えて、金属部品が径の重なった部分の樹脂を溶かしながら金属部品を樹脂部品内に入れて結合する。この手法も、広義のインサート成形と称されている。この手法には、溶けた樹脂をどこかに収容しなくてはならないとう難点が存在する。また、この手法では位置精度を治工具に頼らなければならない、という問題がある。こうした製造手法を、例えば弁の製造に適用した場合、溶融した樹脂がバリとして周囲に飛び出る現象が生じ、弁漏れや、シール不良の原因になることがある。また、位置精度(横方向)を得にくいという問題もある。
【0004】
温度式膨張弁として、弁本体と、オリフィス、弁体及び該弁体を作動させる作動棒からなる絞り機構と、蒸発器から圧縮機に向かって送り出される冷媒の温度に応じて絞り機構を制御する制御機構とを備えており、金属部材にて形成されたオリフィスを樹脂で形成されている弁本体にインサート成形によって固定したものが提案されている(特許文献1参照)。
また、金属製の弁座部材に弁孔を画定し且つ外周面に雄ねじを形成された円筒部を設け、円筒部を合成樹脂製のハウジング本体に形成された弁孔下穴にねじ込むことにより、ハウジング本体の成形型構造を複雑にすることなく、弁座部材を成形完了後のハウジング本体に配置位置をインサート成形による場合よりも高精度に固定することを図った温度膨張弁が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平09−089154号公報
【特許文献2】特開平11−325308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、流量制御弁のように弁体が接離する弁シート(弁座)を持つ弁については、弁シートを樹脂製シートとした場合、扱う流体によってはエロージョン、コロージョンを受け易くなり、また樹脂製であると軟らかいために、弁体が繰り返して接離することに起因して摩耗をする。したがって、弁シートについては金属製とすることが求められる。また、弁体を駆動する手段として送りねじ機構が用いられるが、ねじ部品を樹脂にすると、摩耗することに起因して動作不良や流量の制御性が悪化するおそれがあるので、金属製とすることが望まれている。金属ねじを先に金型に入れて樹脂成形すると、弁棒やコイルのような内機部品の外径がねじ部内径よりも大きい場合には、ねじ移動機構を構成する雄ねじやばね等の部品を後から組み込むことが困難になる。
【0006】
そこで、弁装置用の弁本体構造とその製造において、金属部品である内機部品と樹脂部品である弁本体とを結合させて、一体化した複合部品としての弁装置用の弁本体構造を得るために、内機部品と弁本体とを直接に一体化させるのではなく、樹脂同士の超音波溶着を利用することができる手法を案出する点で解決すべき課題がある。
【0007】
この発明の目的は、樹脂同士の超音波溶着を利用することで、簡単で且つ安価な工程で金属部品である内機部品と樹脂部品である弁本体とを一体化させることができる弁装置用の弁本体構造及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明による弁装置用の弁本体構造の製造方法は、前記内機部品の前記弁本体との結合予定部位に予め樹脂層を形成し、前記樹脂層と前記弁本体とを超音波溶着によって結合することを特徴としている。
【0009】
また、この発明による弁装置用の弁本体構造は、前記内機部品と前記弁本体とを、前記内機部品に形成されている樹脂層が前記弁本体に超音波溶着することで結合されていることを特徴としている。
【0010】
この弁装置用の弁本体構造とその製造方法によれば、金属部品である内機部品にインサート成形等の手法によって予め樹脂層を成形しておく。そうして製作された樹脂層を持つ内機部品を樹脂部品である弁本体に対して、従来の樹脂と樹脂との結合方法である超音波溶着をそのまま利用して樹脂部品と樹脂層とを結合することにより、弁本体と内機部品とが結合される。
【発明の効果】
【0011】
この発明による弁装置用の弁本体構造及びその製造方法は、上記のように構成されているので、樹脂同士に対して施し得る従来の超音波溶着の技術をそのまま利用して、金属部品である内機部品に設けられた樹脂層と樹脂部品である弁本体とを溶着して一体化することができ、その結果、内機部品を弁本体に対して結合した弁装置用の弁本体構造を得ることができる。製造方法としては、そのような弁本体構造を樹脂同士の溶着という簡単な工程で且つ低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による弁装置用の弁本体構造及びその製造方法の実施例を説明する。図1は、本発明による弁本体構造が適用されている流量調整弁の一例を示す縦断面図である。
【0013】
図1に示す流量調整弁1は、暖房機器等の温水の配管系統の途中に介在されて流量調整を行う温水弁であって、駆動軸8等を含む駆動機構を収容するホルダ部2bを備える弁本体2と、弁本体2に互いに略略直角をなすように備えられる配管接続部3,4と、弁本体2の上部のフランジ11を介して載置固定されたパルスモータ等の電動機14とを備えている。なお、流量調整弁1は、フランジ11においてリベット13等を用いることで上面視矩形状の取付け部12に対して固定される。
【0014】
弁本体2の内部には、配管接続部3の入口側流路3aと配管接続部4の入口側流路4aとに連通するように弁室6が形成されている。流量調整弁1は更に、弁本体2内においてその上部開口部に摺動可能に支持されており電動機14によって駆動される弁棒15と、弁棒15の下端部に固定された弁体19と、弁本体2の配管接続部3側の開口部に固定されており環状の弁座5aを含む弁座部材5とを備えている。弁室6の上部は、Oリング16及びリング18によって閉鎖されている。リング18は樹脂製であって、超音波溶着によって弁本体2に固定されている。
【0015】
弁棒15の中間部は、Oリング16及びリング18を介して弁本体2に摺動可能に軸支され、弁棒15の上端は拡径されて環状突起部15aを形成している。弁棒15の天井部には、凹状部15bが形成され、凹状部15b内には、剛球体20を介して駆動軸8の下端部が接触し、駆動軸8の上端部は、電動機14の回転軸9に係合している。また、駆動軸8には、雄ねじ部8aが螺設され、弁本体2の上部空間に固定された駆動軸案内部材10の雌ねじ部10aに螺合している。弁棒15の環状突起部15aと、弁本体2の上部空間の底面との間にはコイルばね17が圧縮状態に装着されており、弁棒15を常時上方に付勢している。
【0016】
弁棒15は、下部に弁体19を固定する軸端部15cを備え、弁体19は、ゴム材、フッ素樹脂等の合成樹脂又はSUS等の金属でリング状に形成されており、弁座5aに接触したときに弁を閉鎖可能な弁部材19aを有する。
【0017】
次に、上記流量調整弁1の動作について説明する。暖房機器の供給源からの水又は温水等の流体は、入口側通路3aから供給され、環状の弁座5aと弁体19の弁部材19aとの間の間隙を通過した後、弁室6を介して出口側流路4aを通って暖房器等の機器に送出される。この時、パルスモータ等の電動機14をパルス信号等の回転制御信号に基づいて適宜回動させると、電動機14の回転軸が回転し、回転軸9と螺合している駆動軸8が回転する。駆動軸8は、その回転によって自身が上下方向に移動し、剛球体20を介して弁棒15を上下動させる。弁棒15は、前記回転制御信号の制御量に比例した量だけ上下方向に移動し、弁座15aと弁部材19aとの間の間隙幅を調整し、この間隙を流れる流体の流量を調整する。
【0018】
上記の流量制御弁1において、弁本体2とそれに対して固定される弁座部材5、及び弁本体2とそれに対して結合された駆動軸案内部材10とが、本発明による弁本体構造に該当する。弁座部材5及び駆動軸案内部材10が流量制御弁1における内機部品である。弁本体2とそれに結合された弁座部材5、或いは弁本体2とそれに結合された駆動軸案内部材10が、それぞれ金属部品と樹脂部品とを一体化した複合部品として構成されている。
【0019】
図2及び図3は、図1に示した流量制御弁1の金属部品である弁座部材5を樹脂製の弁本体2に結合させる製造方法の一実施形態を説明する図である。図3(a)は結合前の状態を示す要部の拡大断面図、図2(b)は結合後の状態を示す拡大断面図である。図2に示すように、弁座部材5は、弁本体2への組立前においては、環状の弁座を提供している金属製の環状の弁シート30の外側にインサート成形する等して樹脂層31を予め形成することで構成されている。樹脂層31は、弁本体2と同じ樹脂製とするのが好ましい。この実施形態では、弁本体2の配管接続部3には、外側に対して内径が拡大する二段の段部32,33が形成されており、これに対応して、弁座部材5も弁室6から遠い側の端部の外径が広げられた構造とされている。この二段の段部については、必須の構造ではなく、後述するように、図4に示すような一段の突き当たりを持つ段部に形成してもよい。
【0020】
弁本体2や樹脂層31を構成する樹脂材としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)や、SPS(シンジオタクチックポリスチレン樹脂)からなる部品とすることができる。また、弁シート30を構成する金属部品としては、ステンレスや、真鍮にメッキを施したものとすることができる。金属部品に施される樹脂層としては、そうした金属に上記のPPSやSPS樹脂をコーティングしたものとすることができる。
【0021】
図3に示すように、樹脂層31を被覆した弁シート30の外側形状については、段差構造による小径部分5bにおける樹脂層31の円筒面状の側面31bの径が、弁本体2における段部32よりも奥側の弁室6に連なる円筒面状の内周面32bの径に等しく設定されている。また、当該段差構造による大径部分5cにおける樹脂層31の円筒面状の側面31cの径が、弁本体2における段部32と段差33との間に形成されている円筒面状の内周面32cの径に等しく設定されている。したがって、当該側面31b,31cは、内周面32b,32cと協働して弁本体2に対する弁シート30のガイド面となっている。弁座部材5を配管接続部3の下に向いた開口端側から挿入して弁本体2に押し込む際には、弁座部材5は押し込み方向に距離を置いた2つの領域における当該ガイド面によってガイドされる。このガイドは、後の超音波溶着の前後においても確保され、弁座部材5の弁本体2に対する径方向の振れが極めて少なくなり、位置決めを正確に行うことができる。
【0022】
弁本体2の段部32においては、内周面32bと直角に交差して径方向に環状に広がる段差面32aと、段差面32aから内周面32cに接続するテーパ面32dとが形成されている。一方、弁座部材5において、樹脂層31は小径部分5bと大径部分5cとに対して直角に交差した端面31aとなっており、テーパ面32dに対応して予め後退した部分は形成されていない。したがって、弁座部材5を弁本体2に対して押し込んで所定の結合位置に置いたとしたときには、樹脂層31の角部と段部32の角部とにおいて、重なり部分31e,32eが生じる。
【0023】
弁座部材5を配管接続部3の開口側から挿入し、ガイド面である側面31b,31cを弁本体2の内周面32b,32cに案内させながら押し込むと、樹脂層31の角部である重なり部分31aで段部32のテーパ面部分32dに突き当たる。超音波ホーンを弁座部材5に(図に示す状態では下方から)当てて、その状態で超音波ホーンで発生された超音波振動を弁シート30に与えながら、弁座部材5を更に弁本体2内に押し込む。このとき、樹脂層31と弁本体2との重なり部分31e,32eが摩擦熱によって溶融し溶け合う。余剰の溶融樹脂は、弁座部材5と弁本体2との間に僅かに形成される隙間に流れる。弁座部材5の配管接続部3内への押し込みは、弁座部材5の端面31aが弁本体2の段差面32aでの突き当たりによって限界され、その押し込み位置が弁座部材5の配管接続部3内での結合位置とされ、弁座部材5と弁本体2とは樹脂の冷却時に一体化される。このように、側面31b,31cと内周面32b,32cとによるガイドと、端面31aと段差面32aとの突き当たりによって、弁座部材5は弁本体2に対して径方向にも押込み方向にも高い精度で位置決めがなされる。
【0024】
図4には、図2の弁座部分と同様の部分についてのものであるが本発明による弁本体構造の別の実施形態が示されている。即ち、図2及び図3に示す実施形態では配管接続部3に二段の段部32,33が形成されていたが、図4に示す実施形態では、弁本体2には一段の段部36が形成されており、それに対応して弁座部材35もストレートな筒状形状に形成されている。弁本体2の内周面の径を弁座部材35の樹脂層37の外径と同じにすることで、弁座部材35は弁本体2(配管接続部3)内への押し込みの際にガイドされる。また、結合を得る構造については、図3に示す構造と同様であるので詳細は省略するが、弁本体2側の段部36の角部と弁座部材35の角部とに突き当たりの際に重なる部分が設けられており、弁本体2と弁座部材35とをその重なり部分における溶着で結合させることができる。
【0025】
図5及び図6は、図1に示した流量制御弁1の金属部品である駆動軸案内部材10を樹脂製の弁本体2に結合させる製造方法の別の実施形態を説明する図である。図6(a)は結合前の状態を示す要部の拡大断面図、図6(b)は結合後の状態を示す拡大断面図である。図5に示すように、駆動軸案内部材10は、弁本体2への組立前においては、金属製の雌ねじ体40に、その外周側にインサート成形する等して樹脂層41を予め形成して構成されている。樹脂層41は、弁本体2と同じ樹脂製とするのが好ましい。弁本体2のホルダ部2bには、外側に対して内径が拡大する段部42,43が形成されている。結合に際して利用されるのは段部42である。駆動軸案内部材10を弁本体2に結合の後、雌ねじ体40に雄ねじ部8aを有する駆動軸8が螺合される。
【0026】
樹脂層41が施された雌ねじ体40の外径寸法は、弁体2の段部42,43間の内周面42bの径と同じ大きさに形成されているので、雌ねじ体40の側面41bは、当該内周面42bと同様に、雌ねじ体40を弁本体2に押し込むときのガイド面となっている。弁本体2の段部42における角部には段差面42aとテーパ面42dが形成されている。一方、雌ねじ体40の樹脂層41はストレートな形状であって、テーパ面42dに対応した予めの逃げが形成されてはいない。そのため、駆動軸案内部材10をホルダ2bの上に向いた開口端側から挿入するとき、樹脂層41の角部が段部42の角部に突き当たる。
【0027】
また、結合を得る手順については、図3又は図4に示す構造と同様である。即ち、弁本体2側の段42の角部と駆動軸案内部材10の角部とに突き当たりの際に重なることになる重なり部分41e,42eが設けられている。超音波ホーンを金属製の雌ねじ体40に当てて(図に示す状態では上方から)、超音波ホーンで発生された超音波振動を雌ねじ体40に与えながら、駆動軸案内部材10を弁本体2のホルダ2b内に押し込むと、樹脂層41と弁本体2との寸法上重なる重なり部分41e,42eの樹脂が摩擦熱によって溶融し溶け合う。駆動軸案内部材10の弁本体2への押し込みは、端面41aと段差面42aとが突き当たるまで押し込むことによって限界付けられ、その押し込み位置が駆動軸案内部材10のホルダ2b内での固定位置とされる。溶融樹脂が冷却によって固化するとき、駆動軸案内部材10は重なり部分41e,42eにおける溶着で弁本体2に対して結合される。
【0028】
このように、側面41bと内周面42bとによるガイドと、端面41aと段差面42aとの突き当たりによって、駆動軸案内部材10は弁本体2に対して径方向にも押込み方向にも高い精度で位置決めがなされる。また、金属製の駆動軸案内部材に予め樹脂層を形成しておき、その樹脂層と樹脂製の弁本体とを樹脂の溶融固化による超音波溶着で結合するので、簡単で且つ安価な工程で弁装置用の弁本体構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による弁装置用の弁本体構造が適用されている流量調整弁の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した流量制御弁の金属部品である弁座部材を樹脂製の弁本体に結合させる製造方法の一実施形態を説明する図である。
【図3】図2に示す流量制御弁の弁座部材の弁本体への結合前後をそれぞれ示す要部の拡大断面図である。
【図4】本発明による弁本体構造の別の実施形態を示す縦断面図である。
【図5】図1に示されている流量調整弁の金属部品である駆動軸案内部材を樹脂製の弁本体に結合させる製造方法の一実施形態を説明する図である。
【図6】図5示す流量制御弁の駆動軸案内部材の弁本体への結合前後をそれぞれ示す要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 流量制御弁 2 弁本体
3,4 配管接続部
5 弁座部材 5a 弁座
5b 小径部分 5c 大径部分
6 弁室
8 駆動軸 8a 雄ねじ部
9 回転軸
10 駆動軸案内部材 10a 雌ねじ部
14 電動機 15 弁棒
19 弁体 19a 弁部材
30 弁シート 31 樹脂層
31a 端面 31b,31c 側面
31e 重なり部分 32,33 段部
32a 段差面 32b 内周面
32c 内周面 32d テーパ面
32e 重なり部分
36 段部 37 樹脂層
40 雌ねじ体 41 樹脂層
41b 側面 42,43 段部
42a 段差面42a 42b 内周面
42d テーパ面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部品である内機部品と樹脂製の弁本体とを結合させてなる弁装置用の弁本体構造において、
前記内機部品と前記弁本体とは、前記内機部品に形成されている樹脂層が前記弁本体に超音波溶着されることで結合されていることを特徴とする弁装置用の弁本体構造。
【請求項2】
前記樹脂層と前記弁本体とは同じ樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1記載の弁装置用の弁本体構造。
【請求項3】
前記内機部品と前記弁本体とを結合する前記超音波溶着は、前記弁本体への前記内機部品の押し込み先端部に形成されている前記樹脂層と前記弁本体との間に生じる重なり部分においてされていることを特徴とする請求項1又は2記載の弁装置用の弁本体構造。
【請求項4】
前記内機部品は前記押込み先端部が前記弁本体に突き当たることにより前記弁本体に対して押し込み方向に規制されており、前記超音波溶着が行われている前記内機部品と前記弁本体との前記重なり部分は前記内機部品の前記押し込み先端部の隅部に形成されていることを特徴とする請求項3記載の弁装置用の弁本体構造。
【請求項5】
前記内機部品の側面は、前記内機部品の前記弁本体への押し込み方向に対してのガイド面となっていることを特徴とする請求項3又は4記載の弁装置用の弁本体構造。
【請求項6】
前記弁装置は流量調整弁であり、前記内機部品は、前記流量調整弁の弁本体内に装着されるとともに流量の制御をするため弁体が接離する相手となる弁シートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の弁装置用の弁本体構造。
【請求項7】
前記弁装置は流量調整弁であり、前記内機部品は、前記流量調整弁の弁本体内に装着されるとともに弁体を駆動するための移動ねじとなる雄ねじと螺合する雌ねじであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の弁装置用の弁本体構造。
【請求項8】
金属部品である内機部品と樹脂製の弁本体とを結合させてなる弁装置用の弁本体構造の製造方法において、
前記内機部品の前記弁本体との結合予定部位に予め樹脂層を形成し、前記樹脂層と前記弁本体とを超音波溶着によって結合することを特徴とする弁装置用の弁本体構造の製造方法。
【請求項9】
前記樹脂層と前記弁本体とは同じ樹脂から形成されていることを特徴とする請求項8記載の弁装置用の弁本体構造の製造方法。
【請求項10】
前記弁本体への前記内機部品の押し込み先端部に形成されている前記樹脂層と前記弁本体との間に生じる重なり部分において前記超音波溶着を行うことにより、前記内機部品と前記弁本体とが結合されることを特徴とする請求項8又は9記載の弁装置用の弁本体構造の製造方法。
【請求項11】
前記内機部品と前記弁本体との前記重なり部分は前記内機部品の押し込み先端部の隅部に形成され、前記内機部品は当該押込み先端部が前記弁本体に突き当たることにより前記弁本体に対して押し込み方向に規制されることを特徴とする請求項10記載の弁装置用の弁本体構造の製造方法。
【請求項12】
前記内機部品は、前記弁本体に対して前記内機部品の側面においてガイドされながら前記弁本体に押し込まれることを特徴とする請求項10又は11記載の弁装置用の弁本体構造の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−174690(P2009−174690A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16664(P2008−16664)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(391002166)株式会社不二工機 (451)
【Fターム(参考)】