説明

弁調整組立体

【課題】 弁調整組立体を提供する。
【解決手段】 本発明は、入口ポート、出口ポートおよびバイパスポートを備えた1つの弁ハウジングを有するバイパス弁組立体であって、これらのポートすべてがその弁ハウジングの内部に形成されるバイパス弁組立体に関する。弁体部材は、弁ハウジングに操作可能に連結され、互いにほぼ反対方向に向かい合う第1弁プレートおよび第2弁プレートを含む。第1弁プレートは、弁体部材が第1位置にある時に、出口ポートについて緊密な遮蔽を形成するように関節動作し、第2弁プレートは、弁体部材が第2位置にある時に、バイパスポートについて緊密な遮蔽を形成するように関節動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2005年5月10日に出願された米国特許出願第11/125,959号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、自動車用の制御弁に関し、さらに具体的には、流体媒体の流れを選択的に導くバイパス弁組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
2段ターボチャージャは一般に公知であり、あらゆる種類のエンジンに用いられている。2段ターボチャージャは高圧(HP)タービンおよび低圧(LP)タービンから構成され、各タービンは固有のコンプレッサを有する。HPタービンは、通常、LPタービンより小型でありかつ高速で回転する。正常な運転状態の間にエンジンがさらに低速で作動する(例えば制動灯時)時は、使用されるタービンはHPタービンのみである。エンジンが低速で作動する時は、排気ガスエネルギーの生成量も少ない。この少ない量の排気ガスエネルギーは、大きいLPタービンを駆動するには十分でないが、小さい方のHPタービンを駆動するには十分である。運転において、エンジンの速度が増大し始めると、低エネルギーの排気ガスによってHPタービンが運転されるが、エンジンが一定の速度に達した後は、HPタービンは、エンジン性能になんらかの効果を及ぼす十分な過給圧を供給しなくなる。この状態が生じると、LPタービンが運転開始して、HPタービンが発生し得ない高いレベルの過給圧を発生する。エンジン速度の増大によってLPタービンの運転に必要な排気ガスエネルギーも増大する。
【0004】
この方式のターボ過給法に伴う1つの一般的な問題点は、「ターボラグ」と呼ばれる現象である。ターボラグは、HPタービンがエンジン性能に効果を及ぼすことを停止し、LPタービンがエンジン性能に効果を及ぼし始める運転の瞬間のことを言う。通常、排気ガスを1つのタービンから次のタービンに導く方法は弁によって制御される。HPタービンが最大過給圧で運転していてエンジン出力をもはや増大しない時に、その弁は開くであろう。運転のこの瞬間においては、LPタービンを運転するに十分な排気ガスエネルギーはまだ存在しない。エンジン速度が加速によって増大し続けると共に、排気ガスエネルギーが増大して、LPタービンがエンジン性能に効果を及ぼすことを可能にし始める。弁が開く時点からLPタービンがエンジン出力に効果を及ぼし始める時点までの時間枠が、ターボラグが発生する時間間隔である。この時間間隔の間は、車両の運転者は、LPタービンが運転開始しているのに、エンジン出力の低下を経験するであろう。この状態は好ましくないものと考えられ、HPタービンからLPタービンへの円滑な移行をもたらすために、いくつかの形態の先行技術が開発され、それによって、エンジンに円滑な出力増大が提供されている。
【0005】
2段ターボチャージャに伴うもう1つの一般的な問題点は、HPタービンが排気ガスの空気流れから切り離されていない場合に、エンジンの高速度において生じる。時に「過回転数(overspeed)」と呼称されるこの状態においては、増大した排気ガスエネルギーが、HPタービンを、損傷が生じる可能性があるような速度で回転させることがある。LPタービンに流入する排気ガス圧力の量を調整するために、2段直列ターボチャージャシステムの制御弁が用いられてきた。この弁は、通常、LPタービンへの排気ガス流れを閉止するために用いられてきたもので、それによって、HPタービンが有効でなくなるまでHPタービンのみに排気ガスが流れるのを可能にするだけである。HPタービンが有効でなくなった時点で、弁が、LPタービンへの空気の流れを可能にする流路を開く。これは、エンジンの低速度において過給圧を供給するには有利であるが、HPタービンの過回転数を防止する助けにならない。
【0006】
以上の状況から、2段ターボチャージャシステムの場合のHPタービンからLPタービンへの移行における改善と、HPタービンの過回転数の防止における改善とが必要とされている。
【0007】
連邦および州双方の規制によって、自動車の運転中に放出可能な排出物質は現在制限されている。車両が排出する排出物質を制御する1つの方法は、バイパス弁および排気ガス再循環ユニット(EGR)を含む空気管理装置を装備することである。一般的に、EGRバイパス弁は、排気ガスをエンジンの吸気マニホールドに再循環して戻すために用いられる。加速によってエンジン速度が増大する時のように排気ガスの温度および圧力が高い期間には、バイパス弁は、排気ガスを、1つの出口ポートからEGR冷却器のチャンバに導くことができる。排気温度および圧力が低い期間には、バイパス弁は、排気ガスを、バイパスポートから、EGR冷却器チャンバをバイパスして排気システムの残りの構成要素に流入するように導くことができる。
【0008】
バイパス弁についての一般的な問題点は、バイパス弁が、熱膨張と、油、不純物、汚れなどの堆積とによって変化し得るシール表面のあらゆる形状に応じて関節動作することがないので、バイパス弁が2つの出口ポートについて緊密なシールまたは遮蔽を提供しない点にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
また、上記から、排気ガスの流れを、選択された冷却器ポートまたは選択されたバイパスポートを通過しないように完全に制限するように弁ユニットが用いられる改善された排気バイパスユニットが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、入口ポート、出口ポートおよびバイパスポートを備えた1つの弁ハウジングを有するバイパス弁組立体であって、これらのポートすべてがその弁ハウジングの内部に形成されるバイパス弁組立体に関する。弁体部材は、弁ハウジングに操作可能に連結され、互いにほぼ反対方向に向かい合う第1弁プレートおよび第2弁プレートを含む。第1弁プレートは、弁体部材が第1位置にある時に、出口ポートについて緊密な遮蔽を形成するように関節動作し、第2弁プレートは、弁体部材が第2位置にある時に、バイパスポートについて緊密な遮蔽を形成するように関節動作する。
【0011】
本発明のさらに別の適用分野は、以下に提示する詳細説明から明らかになるであろう。以下の詳細説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、単に例示目的のためのみのものであり、本発明の範囲を限定する意図を有するものではない。
【0012】
本発明は以下の説明および添付の図面からさらに完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明が1つの排気バンクを備えたエンジンに用いられる2段ターボチャージャユニットの概略図を示す。
【図2】本発明が2つの排気バンクを備えたエンジンに用いられる2段ターボチャージャユニットの概略図を示す。
【図3】本発明の弁組立体部分を上から見た平面図である。
【図4】本発明の弁組立体部分を底面から見た図である。
【図5】本発明の弁組立体部分の側面図である。
【図6】弁が排気ガス入口ポートを遮断する位置にある本発明の弁組立体部分の側断面図である。
【図7】弁がHPタービン入口ポートを遮断する位置にある本発明の弁組立体部分の側断面図である。
【図8】弁が中間位置にある本発明の弁組立体部分の側断面図である。
【図9】本発明の別の実施形態による弁組立体の斜視図であり、アクチュエータを示している。
【図10】本発明の上記別の実施形態による弁組立体の側面図であり、弁プレートがバイパスポートを遮断する位置にある本発明の弁体部材部分を示し、かつ、弁体部材の回転を仮想線で示している。
【図11】本発明の上記別の実施形態による弁組立体の分解斜視図である。
【図12a】本発明の上記別の実施形態による弁体部材部分の側面図である。
【図12b】本発明のさらに別の実施形態による弁体部材部分の側面図である。
【図13a】本発明による、第2座面に関連する第1平面に接触する第2弁プレートを示す弁体部材の側面図である。
【図13b】本発明による、第2座面に関連する第2平面に応じて関節動作する第2弁プレートを示す弁体部材の側面図である。
【図14】本発明の1つの実施形態による、ピンフランジを有する弁体部材部分の別の実施形態の分解図である。
【図15】本発明の1つの実施形態による、下流側流路とバイパス流路とに流体連通する弁組立体を示す概略図である。
【図16】本発明による第1および第2弁プレートの関節動作を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい実施形態についての以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本発明、その適用および使用を限定しようとするものでは全くない。
【0015】
図1を参照すると、高圧(HP)ターボチャージャユニット12および低圧(LP)ターボチャージャユニット14から構成される2段の排気ガスターボチャージャユニットが全体として符号10で示される。HPターボチャージャユニット12は、HPタービン16と、出口ポート20を有するHPコンプレッサ18とを含む。同様に、LPターボチャージャユニット14は、LPタービン22と、出口ポート26を有するLPコンプレッサ24とを含む。LPタービン22は排気マニホールド28の上に取り付けられる。LPコンプレッサ24は吸気ライン30に連結されるが、その吸気ライン30はLPコンプレッサ24の中心に接続される。吸気導管32は、第1端末において出口ポート26に接続され、第2端末においてHPコンプレッサ18の中心に接続される。
【0016】
HPタービン16およびLPタービン22は、図1および図3〜8に示す、弁36を有する弁組立体34によって連結される。弁組立体34は、排気マニホールド28に取り付けられ、第2排気マニホールド出口40またはHPタービン出口42のいずれかから排気ガスを受け入れる。弁組立体34は、また、レバー44と、第1接触面48と連繋して作用する第1弁プレート46と、第2接触面52と連繋して作用する第2弁プレート50とから構成される。第1弁プレート46および第2弁プレート50は、互いの反対方向に向いており、ピン54によって連結され、旋回アーム56に装着される。旋回アーム56はヒンジ装置58上に回転するように固定される。弁組立体34は、また、排気ガス入口ポート60と、HPタービン入口ポート62と、LPタービン出口ポート64と、回転可能な連結器66とを含む。回転可能な連結器66はアクチュエータに接続され、このアクチュエータは、車両の電子制御ユニットによって制御される液圧、空気圧または他のタイプのなんらかの装置とすることができる。
【0017】
次に、図1に示すような単一バンクの排気システム用に構成された本発明の運転を説明する。車両が最初に加速し始めて排気ガス圧力が低い場合、エンジン速度が低い運転の間は、弁36は排気ガス入口ポート60を閉止するのに用いられ、全排気ガスを強制的にHPタービン16に通す。弁36がこの形態にある場合は、排気ガスは、排気マニホールド28から、第1排気マニホールド出口38を通り、HPタービン16を通り、HPタービン出口42を通り、HPタービン入口ポート62を通り、弁組立体34に流入する。この場合、弁組立体34は、排気ガスをLPタービン22内に導き、排気ガスは、続いてそこから、排気システムの残りの構成要素の中に送り込まれる。全排気ガスがHPタービン16を通過するように送り込まれているので、新鮮空気は、吸気ライン30を通り、LPコンプレッサ24を通過し、出口ポート26を通って流れる。空気は、続いて、吸気導管32を通ってHPコンプレッサ18に流入する。HPコンプレッサ18は、吸気導管32から受け入れた新鮮空気を圧縮して、それをエンジンの吸気マニホールドに送り込む。
【0018】
全排気ガスがHPタービンに向かって導かれる過程の間は、LPコンプレッサ24は作動しない。LPコンプレッサ24はLPタービン22によって制御されるが、LPタービン22も作動していないからである。LPタービン22のサイズはHPタービン16よりも大きく、LPコンプレッサ24はHPコンプレッサ18よりも大きい。この過程の間、低エンジン速度においては、排気ガス流れの容積がLPタービン22を作動させるに十分な程大きくなく、システムに流入する新鮮空気の容積も、LPコンプレッサ24がそれを有効に圧縮するのに十分な程大きくないので、LPタービン22およびLPコンプレッサ24のいずれも作用しない。全排気ガスの流れを小さい方のHPタービン16に導くことによって、HPコンプレッサ18がエンジンの吸気マニホールドに流入する必要量の圧縮空気を供給することが可能になり、低エンジン速度におけるエンジン出力を増大させる。
【0019】
エンジン速度が増大して車両が加速するに伴って、小さいHPタービン16およびHPコンプレッサ18の有効性は急速に低下する。エンジン速度がある所定の値に高まると、車両の電子制御ユニットがアクチュエータに弁36を開くように指令し、これによって、第2弁プレート50を第2接触面52から引き離して持ち上げ、排気ガスが排気マニホールド28から、第2排気マニホールド出口40を通り、排気ガス入口ポート60を通り、続いて弁組立体34を通って流れることを可能にする。排気ガスは、続いて、弁組立体34のLPタービン出口ポート64を通って流出し、LPタービン22に流入する。排気ガスは、さらに、排気システムの残りの構成要素に流入する。LPタービン22が増大した排気ガス圧力によって作動し始めると共に、LPコンプレッサ24は、吸気ライン30から流入する空気の圧縮を開始するであろう。圧縮された空気は、続いて、出口ポート26を通って吸気導管32に送り込まれ、圧縮空気は、続いてそこから、HPコンプレッサ18を通り、出口ポート20を通って、エンジンの吸気マニホールドに流入する。この運転部分の間、HPコンプレッサ18に流入する空気は、LPコンプレッサ24によってすでに加圧されている。
【0020】
エンジン速度が増大し続けると、弁36は、排気ガス入口ポート60から離れるように回転し続け、HPタービン入口ポート62に近付く。全排気ガスを直接LPタービン22に流入するように導くことが必要になると、弁36は、第1弁プレート46が第1接触面48に接触する位置に動く。弁36がこの位置にある時は、排気ガスは、HPタービン16から弁組立体34の中に流入できない。全排気ガスは、排気マニホールド28から、第2排気マニホールド出口40を通って弁組立体34に流入する。弁36は、アクチュエータまたは他のなんらかの装置によって制御できる。このアクチュエータまたは他のなんらかの装置は、レバー44を回転する回転可能連結器66に連結され、それによって弁36を回転する。
【0021】
第2排気マニホールド出口40またはHPタービン出口42を閉止する際に、弁36は、HPタービン16を通る排気ガスの流れから、LPタービン22への円滑な移行をもたらす。弁36は、運転条件が指示するとおりに排気ガスの流れを導くために、その中間の任意の位置に動かすことができる。
【0022】
本発明の別の利点が、HPタービン16およびLPタービン22に対する弁組立体34の方位にある点に留意するべきである。弁36は、第1弁プレート46が第1接触面48に押し当てられている時および第2弁プレート50が第2接触面52に押し当てられている時に、排気ガスの流れが弁36の上を押圧する位置に配置される。また、このことは、弁36がその中間の任意の位置に配置される場合にも生じる。さらに、ヒンジ装置58が、HPタービン出口42と第2排気マニホールド出口40との間の位置に配置される。ヒンジ装置58をこの位置に配置することによって、ただ1つの弁を用いて、排気ガスの流れをHPタービン16またはLPタービン22のいずれかに導くことができる。また、弁組立体34は、排気ガスの流れを各タービンに導くのに用いられるだけでなく、HPタービン16への排気ガスの流れを停止することも可能であり、これによって、過回転数および損傷を防止する。さらに加えて、弁36の上記の位置における配置によって、例えば、弁36を第2排気マニホールド出口40の前またはHPタービン出口42の前に配置する場合よりも、排気ガスの流れのより大きな制御が可能になる。
【0023】
本発明は、また「V−6」または「V−8」エンジンのような2つの排気バンクを有するエンジンの場合にも使用でき、この実施形態が図2に示されている。これは、図1に示す実施形態と同様であり、同じ番号は類似の要素を示す。さらに、この実施形態は、第1排気バンクおよび第1開口70に接続される第1排気管68と、第2排気バンクおよび第2開口74に接続される第2排気管72とを含む。この実施形態においては、排気ガスは、第1排気管68から第1開口70に流れ、第2排気管72から第2開口74に流れる。排気ガスは、続いて排気マニホールド28内に流入し、そこで、弁組立体34を用いて、排気ガスがHPタービン16またはLPタービン22のいずれかに流入するように導かれる。HPターボチャージャユニット12と、LPターボチャージャユニット14と、弁組立体34とのこれ以外の運転は、前記の実施形態において述べたものと同じである。
【0024】
図9〜16、さらに具体的には図9〜10および15を全体的に参照すると、別の実施形態におけるバイパス弁組立体76が全体的に示されている。このバイパス弁組立体76は、第2ハウジング82に機能連結される第1ハウジング80を含む弁ハウジング78を有する。第1ハウジング80は出口ポート84を含み、第2ハウジング82は、供給源から流体媒体を受け入れる機能を有する入口ポート86と、入口ポート86および出口ポート84の間に配備されるバイパスポート88とを含む。流体媒体は排気ガス、オイルなどを含むが、入口ポート86から受け入れられる流体媒体は、選択的に、すべて出口ポート84を通るか、すべてバイパスポート88を通るか、あるいは、それぞれを同時に通るかのいずれかの径路を通過する。図15の概略図に示すように、出口ポート84は、出口ポート84を通る流体媒体を受け入れて輸送する下流側径路90と流体連通している。下流側径路90は、バイパス弁組立体76および出口94の間に若干の距離をおいて配置される構造体92を含む。出口94は、吸気マニホールド、排気マニホールド、大気などに導くことができる。構造体92は、ターボチャージャ、冷却器、別のバイパス径路、弁などとすることができる。バイパスポート88は、バイパスポート88を通過する流体媒体を受け入れるバイパス径路96と流体連通している。バイパス径路96は、流体媒体を、少なくとも部分的に下流側径路90を迂回させて構造体92の下流側の位置に導く。運転においては、入口ポート86から受け入れられる流体媒体は、選択的に、バイパス径路96に至るバイパスポート88を通って流れ、従って構造体92を迂回するように導かれるか、あるいは、出口ポート84を通って、構造体92に流入する下流側径路90に導かれる。あるいは、流体媒体が、ある比率で、選択的に、出口ポートおよびバイパスポートを同時に通るように導かれることも理解される。
【0025】
図9〜16を全体的に参照すると、弁ハウジング78は、また、第1ハウジング80内に形成される第1座面98と、第2ハウジング82内に形成される第2座面100とを含む。第1座面98は出口ポート84の開口を画定し、第2座面100はバイパスポート88の第2開口を画定する。弁体部材106は、弁ハウジング78の内部に操作可能に装着され、出口ポート84に関係する第1位置(図10に仮想線で示される)、バイパスポート88に関係する第2位置、およびその間の中間位置から回転するように操作可能である。弁体部材106は、互いにほぼ反対方向に向かい合う第1弁プレート108および第2弁プレート110を含む。第1および第2弁プレート108、110は、それぞれ流体媒体の流れを制限する緊密なシールまたは遮蔽を形成するために、第1および第2座面98、100の座面の形状に応じて関節動作することができる。
【0026】
さらに図11〜14、より具体的には図11〜12aから分かるように、第1および第2弁プレート108、110間には旋回アーム116が配備される。第1および第2弁プレート108、110は、旋回アーム116に摺動可能に結合され、ピン112によって一緒に操作可能に連結される。ピン112は、第1および第2弁プレート108、110双方の中心位置の開口114に嵌挿される。第1および第2弁プレート108、110上に形成される隆起した(raised)ボス109、111が、それぞれピン112を受け入れるように調整され、旋回アーム116の片方の端部に設けられる旋回アームの開口部分118の中に反対側から装着される。ピン112は、弁体部材106がそれぞれ第1位置および第2位置に回転した時に第1および第2座面98、100に沿って延びる平面にほぼ垂直に装着される。第1および第2弁プレート108、110は、ピン112の周囲の回りに360°回転可能であり、このピン112の周囲の回りの第1および第2弁プレート108、110の360°の回転を可能にするために、ピン112の縦軸に対して機能的に摺動可能である。非限定的な例として、図16は、第1および第2弁プレート108、110の半径方向、軸方向および多軸角度方向における関節動作の例を示す。この場合、第1および第2弁プレート108、110を示す円が、固定平面pに対して関節動作するように示されている。線A1、−A1、A2、−A2、A3および−A3は、第1および第2弁プレート108、110がそれに沿って動くことができる3つの軸を表す。R1〜R6は、第1および第2弁プレート108、110がその回りに回転し得る6つの軸を表す。
【0027】
ピン112は、第1または第2弁プレート108、110がピン112から摺動して脱落するのを防止する1つの幅広端部を有することができる。反対側の第1または第2弁プレート108、110がピン112から摺動して脱落するのを防止するため、任意選択的な座金120に続けて、1つの端末キャップ122を、ピン112の反対側の端部に装着する。あるいは、任意選択的な座金120を省略し、ピン112の少なくとも1つの端部に端末キャップ122を成形するかまたは機械加工することによって、第1および第2弁プレート108、110を固定できることが理解される。あるいは、隆起したボス109、111を、第1または第2弁プレート108、110のいずれかに形成される単一体、かつまたピン112と一体成形される単一体とし得ることが理解される。図12bを参照されたい。図12bは、第2弁プレート110の一体部分として形成されたピン112およびボス109、111を示す。図のように、第2弁プレート110の隆起したボス109、111は、少なくとも部分的に、旋回アームの開口118の内部に配置され、ピン112は第1弁プレート108の開口114を貫通して装着される。
【0028】
あるいは、図13a〜bに示すように、隆起したボス109、111を省略して、ピン112を、第1および第2弁プレート108、110の開口114と、旋回アーム116の片方の端部に付属する旋回アーム開口118とを貫通して配置することができる。ピン112には両端のキャップ122を成形し、任意選択的な座金120は使用しないことが望ましい。図14に示す本発明のさらに別の実施形態においては、ピン112が、その上に形成されるピンフランジ113を有する。この場合、ピン112のピンフランジ113は、ピン112の残りの部分よりも直径が大きく、旋回アームの開口118に対して摺動可能である。ピンフランジ113は、少なくとも部分的に、旋回アーム116の片方の端部に設けられる旋回アーム開口118の中に配置され、ピン112の残りの部分は、それぞれ、第1および第2弁プレート108、110双方の開口114を貫通して延びる。
【0029】
第1および第2弁プレート108、110の摺動可能な結合によって、弁プレート108、110が旋回アーム116に対して摺動することが可能になり、それによって、旋回アーム116と第1弁プレート108との間に空間または間隙が選択的に形成されるか、あるいは、旋回アーム116と第2弁プレート110との間に空間が生成される。この空間によって、第1および第2弁プレート108、110の半径方向の動きおよび関節動作が可能になり、第1弁プレート108が出口ポート84の第1の座面98の任意の形状に対して動くことができ、第2弁プレート110がバイパスポート88の第2座面100の任意の形状に対して動き得るようになる。それによって、第1および第2弁プレート108、110が、選択的に、それぞれ、出口ポート84またはバイパスポート88を通って流れないように流体媒体を閉止することができるようになる。摺動可能な結合によって、フランジ113および旋回アーム開口118の間の半径方向の間隙またはすき間も形成されることが理解される。第1および第2弁プレート108、110の摺動可能な結合と、ピン112の周囲の周りの回転可能性とによって、半径方向の動き、軸方向の動きおよび多軸角度の動きが可能になり、任意の座面形状に対してあらゆる半径方向、軸方向および多軸角度の心ずれを補正して、流体媒体の流れを制限する緊密なシールまたは遮蔽を選択的に作り出すことができる。第1または第2座面98、100の形状の変化は、摩耗、熱膨張、あるいはオイル、不純物、汚れおよびダストを含む異物の堆積によって生じる可能性があるので、この関節動作特性によって、第1および第2弁プレート108、110が任意の形状に応じて動き得るようになる。弁体部材106は、また、流体媒体を、同時に出口ポート84およびバイパスポート88を通して可変的に導くことができるように中間位置に回転させることも可能であることが理解される。この場合、流体媒体がそれぞれのポートを通る比率は、弁体部材106の位置によって変化する。さらに、ボス109、111が第1および第2弁プレート108、110上に成形される場合は、ボス109、111が旋回アーム116に対して摺動することが理解される。
【0030】
図13aおよび13bは、第2座面100の任意の形状に応じた第2弁プレート110の関節動作の例を示す。図13aを参照すると、線124は、第2座面100に沿って延びる第1平面と、関節動作する前の第2弁プレート110とを示す。図13bを参照すると、線126は、形状が変化した第2座面100に沿って延びる第2平面と、関節動作中の第2弁プレート110とを示す。図のように、線126は線124とは異なる角度xにある。xは、例えば10°とすることができ、第2座面100の形状に応じた第2弁プレート110、第1弁プレート108、ピン112および旋回アーム116の関節動作と動きとの量を反映することができる。
【0031】
図9〜15を参照すると、軸128が、弁ハウジング78の通路130を通って円筒状の管132の中に延びている。この円筒状の管132は、旋回アーム116の一部として形成され、旋回アーム116の一方の端部に設けられる。軸128および円筒状管132はプレス嵌め係合されて、旋回アーム116が軸128と一緒に回転することが保証される。軸128の一部分は弁ハウジング78の外側に残っており、軸128がレバー組立体134と機能連結される。レバー組立体134は、レバー136と座金137とレバー旋回体138とを有する。レバー136は、その一端において軸128を受け入れ、他端においてレバー旋回体138を受け入れるように調整される。レバー旋回体138はアクチュエータ140を受け入れるように調整される。任意選択的なブッシュ142を通路130に用いて軸128を受け入れ、通路130内における軸128の回転をさらに容易にすることも可能である。アクチュエータ140は、電気式、液圧式、空気圧式およびこれらの組合せとすることができる。
【0032】
第1ハウジング80は第2ハウジング82に機能連結できる。これは、第1ハウジング80の第1フランジ144を第2ハウジング82の第2フランジ146(図11に示される)と心合せして、複数のボルト148などによって、第1フランジ144を第2フランジ146に機能連結することによって行う。第1フランジ144は、出口ポート84の開口ではないハウジングの開口を少なくとも部分的に取り巻いており、第2フランジ146は、入口ポート86またはバイパスポート88の開口でない開口を少なくとも部分的に取り巻いている。あるいは、第1ハウジング80および第2ハウジング82を一緒に溶接すること、接着することなども可能であることが理解される。
【0033】
エンジンの運転が所定の状態にある運転においては、車両の電子制御ユニットが、アクチュエータ140または他の装置に指令して、弁体部材106を、出口ポート84に関係する第1位置またはバイパスポート88に関係する第2位置に回転させることができる。アクチュエータ140は、レバー組立体134と、旋回アーム116を回す軸128とを回転させることによって弁体部材106を制御する。全流体媒体を、バイパスポート88を通るように導くことが必要になると、弁体部材106を、第1弁プレート108が出口ポート84の第1座面98に応じて関節動作する位置に回転させ、それによって、ほぼすべての流体媒体を出口ポート84に流入しないように制限し、流体媒体がバイパスポート88を通って流れることを可能にする。全流体媒体を、出口ポート84を通るように導くことが必要になると、弁体部材106を、第2弁プレート110がバイパスポート88の第2座面100に応じて関節動作する位置に回転させ、それによって、ほぼすべての流体媒体をバイパスポート88に流入しないように制限し、流体媒体が出口ポート84を通って流れることを可能にする。さらに、アクチュエータ140が、弁体部材106を出口ポート84およびバイパスポート88の間の任意の位置に動くように制御して、流体媒体をその間に配分し得ることが理解される。図15に示すように、流体媒体が出口ポート84を通って導かれると、流体媒体は、下流側径路90から出る前に、下流側径路90を通って、機能接続される構造体92に流れることができる。また、図から分かるように、流体媒体がバイパスポート88を通って導かれると、流体媒体は、機能接続されるバイパス径路96で、構造体92を迂回するバイパス径路96を通って流れることができる。
【0034】
別の実施態様においては、バイパス弁組立体76の組み立て方法が、第1ハウジング80と、第2ハウジング82と、弁体部材106と、レバー組立体134と、アクチュエータ140とを準備するステップを含む。第1ハウジング80は、出口ポート84と、出口ポート84に関連する開口ではない開口を少なくとも部分的に取り巻く第1フランジ144とを含む。第2ハウジング82は、入口ポート86と、バイパスポート88と、通路130と、入口ポート86またはバイパスポート88または通路130に関連する開口ではない開口を少なくとも部分的に取り巻く第2フランジ146とを有する。弁体部材106の組み立ては、各第1および第2弁プレート108、110の隆起したボス109、111を旋回アームの開口部分118の中に少なくとも部分的に差し込むステップを含む。続いて、ピン112を、第2弁プレート110の開口114と、隆起したボス109、111と、第1弁プレート108の開口114とを通して差し込む。さらに続いて、端末キャップ122を、ピン112の両端に機能結合するかあるいは成形する。任意選択的な座金120を使用する場合は、ピン112に端末キャップ122を機能結合するかあるいは成形する前に、ピン112を座金120に差し込む。
【0035】
続いて、弁体部材106を、第2フランジ146が画定する開口から挿入して、第2ハウジング82の内部において、第2弁プレート110がバイパスポート88と同心となり、第1弁プレート108が出口ポート84と同心となり得るように弁体部材106が第1位置および第2位置の間に回転できる位置に配置する。さらに続いて、軸128を、第2ハウジング82に設けられる通路130を通して、旋回アーム116の円筒状の管132の中に差し込み、軸128のもう一方の端部は、レバー組立体134に連結するために第2ハウジング82の外側に残しておく。任意選択的なブッシュ142を使用する場合は、軸128を差し込む前に、ブッシュ142を通路130に差し込む。レバー組立体134のレバー136の一方の端部を軸128に機能連結し、レバー136のもう一方の端部をレバー旋回体138および座金137に機能連結する。
【0036】
第1ハウジング80の第1フランジ144は、第1フランジ144が第2ハウジング82の第2フランジ146と同心になるように複数のボルト148などによって第2フランジ146に機能連結する。あるいは、複数のボルト148を受け入れるように調整できるガスケット150を、第1ハウジング80を第2ハウジング82に結合する前に、第1フランジ144および第2フランジ146の間に配置することができる。第1ハウジング80および第2ハウジング82を、あるいは、一緒に溶接すること、接着することなども可能であることが理解される。
【0037】
アクチュエータ140は、複数の締め付けナット152、ボルトなどによって、レバー旋回体138に操作可能に連結される。アクチュエータ140をさらに安定させるために、取り付けブラケット154を、アクチュエータ140に配備して複数のアクチュエータボルト156によって弁ハウジング78に連結できる。
【0038】
以上の本発明の説明は本質的に単に例示的なものである。従って、本発明の要点から逸脱しない変形態様は本発明の範囲内であることが意図されている。このような変形態様は、本発明の趣旨および範囲から逸脱するものとみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0039】
10 2段排気ガスターボチャージャユニット
12 高圧(HP)ターボチャージャユニット
14 低圧(LP)ターボチャージャユニット
16 HPタービン
18 HPコンプレッサ
20 出口ポート
22 LPタービン
24 LPコンプレッサ
26 出口ポート
28 排気マニホールド
30 吸気ライン
32 吸気導管
34 弁組立体
36 弁
38 第1排気マニホールド出口
40 第2排気マニホールド出口
42 HPタービン出口
44 レバー
46 第1弁プレート
48 第1接触面
50 第2弁プレート
52 第2接触面
54 ピン
56 旋回アーム
58 ヒンジ装置
60 排気ガス入口ポート
62 HPタービン入口ポート
64 LPタービン出口ポート
66 連結器
68 第1排気管
70 第1開口
72 第2排気管
74 第2開口
76 バイパス弁組立体
78 弁ハウジング
80 第1ハウジング
82 第2ハウジング
84 出口ポート
86 入口ポート
88 バイパスポート
90 下流側径路
92 構造体
96 バイパス径路
94 出口
98 第1座面
100 第2座面
106 弁体部材
108 第1弁プレート
109 隆起したボス
110 第2弁プレート
111 隆起したボス
112 ピン
113 ピンフランジ
114 弁プレートの開口
116 旋回アーム
118 旋回アームの開口
120 座金
122 端末キャップ
124 座面を表す線
126 座面を表す線
128 軸
130 通路
132 円筒状管
134 レバー組立体
136 レバー
137 座金
138 レバー旋回体
140 アクチュエータ
142 ブッシュ
144 第1フランジ
146 第2フランジ
148 ボルト
150 ガスケット
152 締め付けナット
154 取り付けブラケット
156 アクチュエータボルト
p 固定平面
x 角度
R1〜R6 回転軸
A1〜A3 動作軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ハウジングと、
前記弁ハウジングに形成される第1ポート、
前記弁ハウジングに形成される第2ポート、および、
前記弁ハウジングに形成される第3ポートであって、
流体媒体の流れを受け入れあるいは放出する機能を有する第1、第2および第3ポートと、
流体媒体の流れを制御するために前記弁ハウジングに操作可能に連結される弁体部材で、前記3つのポートの2つに関連する弁体部材であり、互いにほぼ反対方向に向かい合う第1弁プレートおよび第2弁プレートを含む弁体部材であって、前記第1弁プレートは、前記ポートの1つについて緊密な遮蔽を選択的に形成して、前記ポートを通る流体媒体の流れを遮断するように半径方向、軸方向および多軸角度方向において関節動作し、前記第2弁プレートは、前記ポートのもう1つについて緊密な遮蔽を選択的に形成して、前記ポートを通る流体媒体の流れを遮断するように半径方向、軸方向および多軸角度方向において関節動作するか、あるいは、前記流体媒体の流れをその間に配分するように回転する、弁体部材と、
を含む弁組立体。
【請求項2】
前記弁ハウジングが、第1部分が第2部分に機能連結される2部品構成の弁ハウジングであって、前記第1部分の第1フランジが前記第2部分の第2フランジと同心である、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項3】
前記弁体部材が、旋回アームに摺動可能に連結されるピンをさらに含み、前記ピンは、前記旋回アームに対して摺動して、前記第1弁プレートおよび前記第2弁プレートが関節動作するのを可能にする、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項4】
前記弁体部材に操作可能に連結されるアクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、電気アクチュエータ、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項5】
前記ポートの1つにおける開口の周囲に形成される第1座面と、
前記ポートのもう1つの開口の周囲に形成される第2座面と、
をさらに含み、前記第1座面および前記第2座面はそれぞれ座面の形状を有し、前記第1弁プレートおよび前記第2弁プレートは前記座面の形状に適応するように関節動作する、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項6】
前記第1および第2弁プレートの少なくともいずれかが、旋回アームに摺動可能に連結されるボスをさらに含み、前記ボスは、前記旋回アームに対して摺動して、前記第1弁プレートおよび前記第2弁プレートが関節動作するのを可能にする、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項7】
前記弁ハウジングに形成される第1座面および第2座面をさらに含み、前記第1および第2弁プレートが、前記第1および第2座面について選択的に緊密な遮蔽を形成するように関節動作し、前記3つのポートの2つに関連する流体媒体の流れを選択的に遮断する、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項8】
フランジが画定する開口から前記弁体部材を挿入することによって、前記弁体部材が前記弁ハウジングに操作可能に連結される、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項9】
入口ポート、出口ポートおよびバイパスポートを含む弁ハウジングと、
前記出口ポートの開口を取り巻く第1座面と、
前記バイパスポートの開口を取り巻く第2座面と、
前記弁ハウジングの内部に配備される弁体部材であり、互いにほぼ反対方向に向かい合いかつ旋回アームに摺動可能に連結される第1および第2弁プレートを含む弁体部材であって、1つのピンが前記第1および第2弁プレートを操作可能に連結し、前記第1および第2弁プレートは、前記ピンの周囲の回りに360°回転可能であると共に、前記ピンの縦軸に沿って摺動可能であり、さらに、前記旋回アームは前記弁体部材を第1位置に回転し、前記第1弁プレートは前記第1座面に対して関節動作して、ほぼすべての流体媒体が前記出口ポートを通って流れないようにするか、または、前記弁体部材が第2位置に回転し、前記第2弁プレートは前記第2座面に対して関節動作して、ほぼすべての前記流体媒体が前記バイパスポートを通って流れないようにする、あるいは、前記流体媒体をその間に配分するように回転する、弁体部材と、
を含むバイパス弁組立体。
【請求項10】
前記弁ハウジングが、第2ハウジングに機能連結される第1ハウジングを含む2部品構成の弁ハウジングであって、前記第1ハウジングのフランジが前記第2ハウジングの第2フランジと同心である、請求項9に記載のバイパス弁組立体。
【請求項11】
前記弁体部材に操作可能に連結されるアクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、電気アクチュエータ、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載のバイパス弁組立体。
【請求項12】
フランジが画定する開口から前記弁体部材を挿入することによって、前記弁体部材が前記弁ハウジングに操作可能に連結される、請求項9に記載のバイパス弁組立体。
【請求項13】
前記第1および第2弁プレートが、それぞれ旋回アームに摺動可能に連結される対向ボスをさらに含み、前記ボスは、前記ピンを受け入れるように操作可能に調整され、かつ、前記旋回アームに対して摺動して、前記第1弁プレートおよび前記第2弁プレートが関節動作するのを可能にする、請求項9に記載のバイパス弁組立体。
【請求項14】
入口ポート、出口ポートおよびバイパスポートを有する弁ハウジングと、
前記入口ポートを通して前記弁ハウジングに接続される上流側径路と、
前記出口ポートにおいて前記弁ハウジングに接続される下流側径路と、
前記バイパスポートにおいて前記弁ハウジングに接続されるバイパス径路であり、前記弁ハウジングの下流側の結合点において前記下流側径路に再接続されるバイパス径路と、
前記弁ハウジングに操作可能に連結される弁体部材であり、互いにほぼ反対方向に向かい合う第1弁プレートおよび第2弁プレートを含む弁体部材であって、前記第1弁プレートは、第1位置にある時に前記出口ポートについて緊密な遮蔽を形成するように関節動作し、前記第2弁プレートは、第2位置にある時に前記バイパスポートについて緊密な遮蔽を形成するように関節動作する弁体部材と、
前記下流側径路において前記弁ハウジングおよび前記結合点の間に配置される構造体であり、前記バイパス径路は前記構造体を迂回して流体を導くために用いられる構造体と、
を含む弁装置。
【請求項15】
前記弁ハウジングが、第1部分が第2部分に機能連結される2部品構成の弁ハウジングであって、前記第1部分のフランジが前記第2部分の第2フランジと同心である、請求項14に記載の弁装置。
【請求項16】
前記第1および第2弁プレートが、旋回アームに摺動可能に連結され、前記旋回アームが前記第1位置および前記第2位置の間に動く時に関節動作する、請求項14に記載の弁装置。
【請求項17】
前記弁体部材に操作可能に連結されるアクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、電気アクチュエータ、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の弁装置。
【請求項18】
前記構造体が、冷却器、排気ガス再循環冷却器、タービン、コンプレッサ、凝縮器、絞り器およびこれらの組合せを含む群から選択されるものである、請求項14に記載のバイパス弁装置。
【請求項19】
前記弁ハウジングに形成されかつ前記出口ポートの開口を取り巻く第1座面と、
前記弁ハウジングに形成されかつ前記バイパスポートの開口を取り巻く第2座面と、
をさらに含み、前記第1座面および前記第2座面はそれぞれ座面の形状を有し、前記第1弁プレートおよび前記第2弁プレートは前記座面の形状に適応するように関節動作する、請求項14に記載の弁装置。
【請求項20】
第1ポートおよび第1フランジが画定する開口を含む第1ハウジングを準備するステップと、
第2ポート、第3ポート、通路および第2フランジが画定する開口を含む第2ハウジングを準備するステップと、
第1弁プレート、第2弁プレート、軸を受け入れ得る第1端部を含む旋回アーム、およびピンを準備するステップと、
前記旋回アームを、ほぼ反対方向に配置される前記第1および第2弁プレートに摺動可能に連結し、かつ、前記第1または第2弁プレートの少なくともいずれかの開口を通して前記ピンを差し込むことによって弁体部材を組み立てるステップと、
前記第2フランジが画定する前記開口から前記弁体部材を挿入するステップと、
前記弁体部材を、前記第1ポートと、前記第2または第3ポートのいずれかとの間に回転する位置、および、その間の任意の位置に回転する位置に配置するステップと、
前記軸を、前記通路を部分的に貫通して差し込み、前記軸を前記旋回アームの前記第1端部に回転可能に結合するステップと、
レバー、座金およびレバー旋回体を含むレバー組立体であって、前記レバーは前記軸に機能連結されるレバー組立体を準備するステップと、
前記第1ハウジングを前記第2ハウジングに機能連結するステップであって、前記第1ハウジングの前記フランジが前記第2ハウジングの前記第2フランジと同心であるステップと、
前記レバー組立体に操作可能に連結されるアクチュエータで、前記レバー組立体を操作して前記軸を回転させるアクチュエータを準備するステップであって、この場合、前記弁体部材は、流体媒体が前記第1ポートを通って流れないように制限するために第1位置に回転するか、または、前記弁体部材は、流体媒体が前記第2または第3ポートを通って流れないように制限するために第2位置に回転するか、あるいは、その間の任意の位置に回転する、ステップと、
を含む弁組立体の組み立て方法。
【請求項21】
ブッシュを、前記通路を通して差し込むステップと、前記軸を、前記ブッシュを通して差し込むステップと、前記軸を前記旋回アームに回転可能に結合するステップとをさらに含み、その場合、前記弁体部材を、前記第1ポート、前記第2または第3ポート、および、その間の任意の位置に回転させるために、前記軸が回転して前記旋回アームを回転させる、請求項20に記載の弁組立体の組み立て方法。
【請求項22】
前記フランジおよび前記第2フランジに機能結合されるガスケットシールを準備するステップをさらに含む、請求項20に記載の弁組立体の組み立て方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−14271(P2010−14271A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145703(P2009−145703)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(500124378)ボーグワーナー・インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】