説明

引裂き破断可能なラミネート加工用紙及びその製造方法並びに引裂き破断可能な情報通信体及びその製造方法

【課題】 廃棄に際しての引裂き操作により容易に破断し、しかも通常の安価なラミネート用フィルムシートを用いることができると共に、ラミネート加工中に破断等の事故を起こして作業の中断を生じることがない引裂き破断可能なラミネート加工用紙及びその製造方法を提供するを提供する。
【解決手段】 ラミネート用フィルムシートFを用紙S1の少なくとも片面にラミネートしてなるラミネート加工用紙R1において、前記ラミネート用フィルムシートFに多数の微細孔Hが全面的に穿設されている。前記ラミネート加工用紙R1は、廃棄に際して、各辺1〜4の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、前記引裂き開始位置からその近傍の微細孔Hへと破断が容易に開始され、内方に分布形成されている多数の微細孔Hに亀裂が伝播し、破断が拡大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光沢加工機等のいわゆるラミネータにより製造されるラミネート加工用紙とその製造方法に関する。詳しくは、印刷が施された用紙表面に通常のラミネート用フィルムシートがラミネートされているにもかかわらず、容易に引裂き破断することができる引裂き破断可能なラミネート加工用紙及びその製造方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、見掛けは一枚の葉書やDM等であるにもかかわらず、剥離可能に積層されているために多量の情報を隠蔽して第三者へ送ることができる、前記ラミネート加工用紙及びその製造方法を利用した引裂き破断可能な情報通信体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ラミネート加工用紙における用紙表面へのラミネートの目的は、該用紙表面に光沢を与えて美的効果を高め、或いは用紙の耐久性を高めることにある。然るに最近においては、環境問題やプライバシーに関わる情報等の取り扱いに慎重さが求められ、様々な用紙の使用後における廃棄に際しては、該用紙上の各種情報等を破壊する必要性が高まっている。そのような傾向は、前記用紙が、特に葉書や封書等のように個人情報を取り扱う可能性が高い情報通信体の場合において、大きくクローズアップされている。
【0004】
表面にラミネート用フィルムシートがラミネートされた用紙、即ちラミネート加工用紙を引裂き破断可能にするには、用紙自体は本来容易に引裂き破断が可能であることから、それにラミネートされるラミネート用フィルムシートが引裂き破断可能であればよいことになる。
【0005】
この問題に関して、例えば特開平6−219083号公報には、表面に合成樹脂製のラミネート用フィルムシートがラミネートされた葉書でありながら、使用後に破り捨てによる破棄、処分等を容易に行うことができる葉書が開示されている。前記葉書は、二つ折りされた葉書用紙の対向葉片間に、引裂き破断可能なラミネート用フィルムシートが、対向面の一方とは剥離可能に接着されると共に対向面の他方とは剥離不能に接着された状態で介装されてなるものである。
【0006】
前記従来技術における引裂き破断可能なラミネート用フィルムシートの材料として、一方向に引裂き破断可能な2軸延伸ポリプロピレンフィルムである東洋紡績株式会社製の「パイレンフィルム−ET」(「パイレン」:三菱レーヨン株式会社の登録商標)が具体的に例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−219083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来技術における市販の特殊な引裂き破断可能なラミネート用フィルムシートは、通常のラミネート用フィルムシートに比して高価であることから、これを用いた製品であるラミネート加工用紙の大幅なコストアップに?がり、さらに前記の特殊な引裂き破断可能なラミネート用フィルムシートは、本来容易に引裂き可能であることから、ラミネート加工中において大きなテンションが発生する部分で破断等の事故を起こして作業の中断を生じ易く、製品の歩留まりが非常に悪くなる等の問題があった。
【0009】
本発明の課題は、前記問題に鑑み、廃棄に際しての引裂き操作により容易に破断し、しかも通常の安価なラミネート用フィルムシートを用いることができると共に、ラミネート加工中に破断等の事故を起こして作業の中断を生じることがない引裂き破断可能なラミネート加工用紙及びその製造方法を提供し、さらに前記ラミネート加工用紙及びその製造方法を利用した情報通信体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[引裂き破断可能なラミネート加工用紙及びその製造方法]
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙は、ラミネート用フィルムシートを用紙の少なくとも片面にラミネートしてなるラミネート加工用紙であって、前記ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔が全面的に穿設されていることを特徴としている。
【0011】
前記構成の引裂き破断可能なラミネート加工用紙は、廃棄に際して、任意の辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、あらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化される。即ち、前記ラミネート加工用紙を構成する用紙は、それ自体、紙材からなり、廃棄に際して本来あらゆる方向へ容易に引裂き破断することが可能である。また、前記ラミネート加工用紙を構成し、前記用紙にラミネートされたラミネート用フィルムシートは、それに多数の微細孔が全面的に穿設されていることから、これについてもあらゆる方向へ容易に引裂き破断することが可能であり、廃棄に際して、任意の辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、前記引裂き開始位置からその近傍の微細孔へと破断が容易に開始され、一旦破断が開始されれば、内方に分布形成されている多数の微細孔に亀裂が連続的に伝播し、あらゆる方向へ破断が拡大し、さらに前記破断により生じた破断端縁部の任意の位置においても、前記と同様の引裂き操作より、該引裂き開始位置から内方へと容易に破断が開始され、亀裂の伝播を介してあらゆる方向へ拡大することになる。
【0012】
前記構成のラミネート加工用紙においては、請求項2に記載のように、ラミネートされた用紙が、任意の辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁されていてもよく、その場合、用紙及びラミネート用フィルムシート共に、前記マイクロミシンの破断により断裁された辺の端面が多数の切れ目を含む微細な凹凸状態に形成されているので、廃棄に際して、前記破断による断裁に係る辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、該引裂き開始位置から内方への破断が一層容易に開始されると共に一定方向へと破断が拡大し、ラミネート用フィルムシートにおける多数の微細孔による既述の作用を促進することになる。
【0013】
前記引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法は、例えば、請求項3に記載のように、枚葉状用紙を一枚ずつ端部同士を重ねた状態で順次繰り出して下流へ搬送する用紙搬送工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に向けてラミネート用フィルムシートを連続的に繰り出すフィルム繰出し工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に、前記フィルム繰出し工程により別途繰り出されるラミネート用フィルムシートを整合させると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程を経て長尺状態に連接された用紙における端部同士の重なり部分を架橋するラミネート用フィルムシートを搬送方向と直角の方向に切断すると共に用紙を個々に分離するフィルム切断工程と、ラミネート工程及びフィルム切断工程を経た単品の用紙を各辺に沿って所要のサイズに断裁する断裁工程とからなるラミネート加工用紙の製造方法であって、前記ラミネート工程に供されるラミネート用フィルムシートに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けることを特徴としている。
【0014】
また、前記ラミネート加工用紙の製造方法を一部変形した引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法は、例えば、請求項4に記載のように、枚葉状用紙を一枚ずつ等間隔で、若しくは端部同士を付き合わせ又は重ねた状態で順次繰り出して下流へ搬送する用紙搬送工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に向けてラミネート用フィルムシートを連続的に繰り出すフィルム繰出し工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に、前記フィルム繰出し工程により別途繰り出されるラミネート用フィルムシートを整合させると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程を経て長尺状態に連接された用紙を各辺に沿って所要のサイズに断裁し、個切りする断裁工程とからなるラミネート加工用紙の製造方法であって、前記ラミネート工程に供されるラミネート用フィルムシートに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けることを特徴としている。
【0015】
前記構成の引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法では、前記ラミネート工程における優れた接着性及び仕上がり性が得られる。即ち、前記ラミネート工程における用紙へのラミネート用フィルムシートのラミネートに際して、用紙とラミネート用フィルムシートとの接着面において、ラミネート用フィルムシートの多数の微細孔への接着剤の嵌入によるアンカー効果が生じると共に、内部に空気が気泡としてこもらずに、ラミネート用フィルムシートの多数の微細孔から容易且つ確実に脱気されることから、用紙とラミネート用フィルムシートとの密着性の強化、接着面への熱伝達の促進及び接着力の向上が図られ、美麗で、印刷情報の視認性且つ耐久性に優れた仕上がりが達成されることになる。
【0016】
前記フィルム穿孔工程においては、例えば、請求項5に記載のように、フィルム繰出し工程からラミネート工程に至る間に、表面に多数の棘状突起が突設された孔あけローラと、該孔あけローラと互いに圧接され、表面に弾性材料が形成された受けローラを、ラミネート用フィルムシートの経路を挟んで配置し、繰り出されるラミネート用フィルムシートを前記孔あけローラと受けローラとの間に通過させることにより、前記孔あけローラ及び受けローラが、前者の棘状突起をラミネート用フィルムシートを介して後者の弾性材料に食い込ませながら、該ラミネート用フィルムシートの通過に同調して回転させられるように構成してもよい。
【0017】
さらに、前記断裁工程において、請求項6に記載のように、ラミネート工程を経た用紙が、任意の辺に沿ってマイクロミシンを穿設されると共に該マイクロミシンの破断により断裁されてもよく、その場合、既述のように、任意の辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁された状態の引裂き破断可能なラミネート加工用紙が得られる。
【0018】
[引裂き破断可能な情報通信体及びその製造方法]
前記引裂き破断可能なラミネート加工用紙及びその製造方法の発明は、葉書や封書等の情報通信体及びその製造方法に適用することができる。
本発明に係る引裂き破断可能な情報通信体は、請求項7に記載のように、折り線及び/又は切取線等の区切り線を介して連接された複数の葉片からなる用紙を前記区切り線から折り畳み及び/又は切り重ねることにより生じる任意の対向葉片間を、その対向面にラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートを介して剥離可能に接着してなる情報通信体であって、前記疑似接着性ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔が全面的に穿設されたことを特徴としている。
【0019】
前記構成の引裂き破断可能な情報通信体は、前記のように、多数の微細孔が全面的に穿設された疑似接着性ラミネート用フィルムシートを用紙の片面にラミネートしてなる引裂き破断可能なラミネート加工用紙を、該疑似接着性ラミネート用フィルムシートが内側になるように折り畳み及び/又は切り重ねると共に対向する前記疑似接着性ラミネート用フィルムシート同士を剥離可能に疑似接着させた構成を有し、従って、既述の引裂き破断可能なラミネート加工用紙の場合と同様に、廃棄に際して、任意の辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、あらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化される。即ち、前記情報通信体を構成する用紙は、それ自体、紙材からなり、廃棄に際して本来あらゆる方向へ容易に引裂き破断することが可能である。また、情報通信体を構成し、対向葉片間の対向面にラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートは、それに多数の微細孔が全面的に穿設されていることから、これについてもあらゆる方向へ容易に引裂き破断することが可能であり、廃棄に際して、任意の辺の任意の位置、或いは破断により生じた破断端縁部の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、それらの引裂き開始位置から内方へと破断が容易に開始され、一旦破断が開始されれば、内方に分布形成されている多数の微細孔に亀裂が連続的に伝播し、あらゆる方向へ破断が拡大することになる。
【0020】
なお、前記引裂き破断可能な情報通信体において、必要に応じて、用紙を構成する複数の葉片の表面及び裏面の内、前記疑似接着性ラミネート用フィルムシートがラミネートされた対向葉片の対向面以外の任意の表面及び/又は裏面に、美観や耐久性の向上等のために、必要に応じて、多数の微細孔が全面的に穿設されたラミネート用フィルムシートがラミネートされていてもよい。
【0021】
また、前記構成の引裂き破断可能な情報通信体において、請求項8に記載のように、対向面にラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートを介して剥離可能に接着された対向葉片又は該対向葉片及びその他の任意の葉片が、任意の辺に沿ってマイクロミシンを穿設されると共に該マイクロミシンの破断により断裁されていてもよく、その場合、前記マイクロミシンの破断により断裁された辺の端面が多数の切れ目を含む微細な凹凸状態に形成されているので、廃棄に際して、前記破断による断裁に係る辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、該引裂き開始位置から内方への破断が一層容易に開始されると共に一定方向へと破断が拡大し、疑似接着性ラミネート用フィルムシートにおける多数の微細孔による既述の作用を促進することになる。なお、前記マイクロミシンの破断による断裁は、剥離可能に接着された対向葉片以外の任意の葉片の任意の辺に沿っても行われてよく、これは、前記任意の葉片にラミネート用フィルムシート、特に多数の微細孔が全面的に穿設されていないラミネート用フィルムシートがラミネートされている場合に一定方向への引き裂き破断を可能にする点で有効である。
【0022】
前記引裂き破断可能な情報通信体の製造方法の一態様は、例えば、請求項9に記載のように、長尺状情報通信体用紙を用いて実施され、折り線及び/又は切取線等の区切り線を介して横方向に連接された複数の葉片からなる単位用紙が縦方向に連接されてなる長尺状用紙を連続的に下流へ搬送する用紙搬送工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に向けて疑似接着性ラミネート用フィルムシートを連続的に繰り出すフィルム繰出し工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に、前記フィルム繰出し工程により別途繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートを整合させると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程を経た用紙を、ラミネート面を内側にして前記区切り線から折り畳む用紙折畳み工程と、前記ラミネート工程を経た用紙を、前記用紙折畳み工程の前及び/又は後に、搬送方向の各辺に沿って所要の幅に断裁する第一断裁工程と、前記用紙折畳み工程及び第一断裁工程を経た用紙を搬送方向と直角の方向の各辺に沿って所要の長さに断裁して各単位用紙に仕上げる第二断裁工程と、前記用紙折畳み工程及び第一断裁工程を経た用紙を、前記第二断裁工程の前又は後に、加熱及び/又は加圧処理により剥離可能に一体化する接着一体化工程とからなる情報通信体の製造方法であって、前記ラミネート工程に供される疑似接着性ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けることを特徴としている。
【0023】
また、前記引裂き破断可能な情報通信体の製造方法の別態様は、例えば、請求項10に記載のように、枚葉状情報通信体用紙を用いて実施され、折り線及び/又は切取線等の区切り線を介して横方向に連接された複数の葉片からなる単位用紙が複数丁印刷されてなる枚葉状用紙を一枚ずつ順次繰り出して下流へ搬送する用紙搬送工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に向けて疑似接着性ラミネート用フィルムシートを連続的に繰り出すフィルム繰出し工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に、前記フィルム繰出し工程により別途繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートを整合させると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程を経て長尺状態に連接された用紙を、ラミネート面を内側にして前記区切り線から折り畳む用紙折畳み工程と、前記ラミネート工程を経た用紙を、前記用紙折畳み工程の前及び/又は後に、搬送方向の各辺に沿って所要の幅に断裁する第一断裁工程と、前記用紙折畳み工程及び第一断裁工程を経た用紙を搬送方向と直角の方向の各辺に沿って所要の長さに断裁して各単位用紙に仕上げる第二断裁工程と、前記用紙折畳み工程及び第一断裁工程を経た用紙を、前記第二断裁工程の前又は後に、加熱及び/又は加圧処理により剥離可能に一体化する接着一体化工程とからなる情報通信体の製造方法であって、前記ラミネート工程に供される疑似接着性ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けることを特徴としている。
【0024】
前記両態様の引裂き破断可能な情報通信体の製造方法における第一断裁工程では、前記ラミネート工程を経て長尺状態に連接された用紙を、必要に応じて、前記用紙折畳み工程の前又は後に、搬送方向の両方の辺に沿って所要の幅に一挙に断裁してもよく、或いは前記用紙折畳み工程の前に搬送方向の一方の辺に沿って断裁すると共に前記用紙折畳み工程の後に搬送方向の他方の辺に沿って断裁することにより、二段階で所要の幅に断裁してもよい。また、前記第二断裁工程及び接着一体化工程は、必要に応じて、何れが先行してもよい。
【0025】
前記構成の引裂き破断可能な情報通信体の製造方法では、前記引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法の場合と同様に、ラミネート工程における優れた接着性及び仕上がり性が得られる。即ち、前記ラミネート工程における用紙への疑似接着性ラミネート用フィルムシートのラミネートに際して、用紙と疑似接着性ラミネート用フィルムシートとの接着面において、疑似接着性ラミネート用フィルムシートの多数の微細孔への接着剤の嵌入によるアンカー効果が生じると共に、内部に空気が気泡としてこもらずに、疑似接着性ラミネート用フィルムシートの多数の微細孔から容易且つ確実に脱気されることから、用紙と疑似接着性ラミネート用フィルムシートとの密着性の強化、接着面への熱伝達の促進及び接着力の向上が図られ、美麗で、印刷情報の視認性且つ耐久性に優れた仕上がりが達成されることになる。
【0026】
前記フィルム穿孔工程では、例えば、請求項11に記載のように、フィルム繰出し工程からラミネート工程に至る間に、表面に多数の棘状突起が突設された孔あけローラと、該孔あけローラと互いに圧接され、表面に弾性材料が形成された受けローラを、ラミネート用フィルムシートの経路を挟んで配置し、繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートを前記孔あけローラと受けローラとの間に通過させることにより、前記孔あけローラ及び受けローラが、前者の棘状突起を疑似接着性ラミネート用フィルムシートを介して後者の弾性材料に食い込ませながら、該疑似接着性ラミネート用フィルムシートの通過に同調して回転させられるように構成してもよい。
【0027】
また、前記第一断裁工程及び/又は第二断裁工程等の断裁工程において、請求項12に記載のように、ラミネート工程を経た用紙が、任意の辺に沿ってマイクロミシンを穿設されると共に該マイクロミシンの破断により断裁されてもよく、その場合、既述のように、対向面にラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートを介して剥離可能に接着された対向葉片における任意の辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁された状態の引裂き破断可能な情報通信体が得られる。
【0028】
[ラミネート工程に使用されるフィルムシート]
前記引裂き破断可能なラミネート加工用紙及びその製造方法には、公知のラミネート用フィルムシートが使用されてもよく、好ましくは、サーマルラミネート法に適用される構成のものであって、特に、樹脂基材の片面に、用紙との加熱又は加熱及び加圧処理下における剥離不能な接着に供される感熱接着剤層を形成したものが好適に使用される。
【0029】
また、前記引裂き破断可能な情報通信体及びその製造方法には、公知の疑似接着性ラミネート用フィルムシートが使用されてもよく、好ましくはサーマルラミネート法に適用される構成のものであって、特に、樹脂基材の片面に、用紙との剥離不能な接着に供される感熱接着剤層を形成すると共に、他方の面には、疑似接着樹脂層であって、対向させた同種の疑似接着樹脂層との加熱又は加熱及び加圧処理下における剥離可能な接着に供される疑似接着樹脂層を形成してなるものが好適に使用される。
【0030】
前記樹脂基材は、例えば二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、アセテート、ポリカーボネート等の比較的腰の強い公知の樹脂材料から選択されてもよく、その厚みは、好ましくは10〜20μm、特に12〜18μmであってもよい。前記感熱接着剤層は、例えばポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の公知の感熱接着剤から選択されてもよく、その厚みは、好ましくは8〜20μm、特に10〜18μmであってもよい。また、前記疑似接着樹脂層は、例えばポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の公知の樹脂材料から選択されてもよく、その厚みは、好ましくは1μm以下、特に0.1μm以下であってもよい。
【0031】
[フィルム穿孔工程における微細孔穿孔]
前記引裂き破断可能なラミネート加工用紙及び情報通信体の各製造方法のフィルム穿孔工程においては、既述のように孔あけローラと受けローラからなる穿孔装置が好適に使用される。
【0032】
前記孔あけローラとして、例えば、周面に多数の棘状突起が突設された丸鋸刃状の円盤を同一のシャフトに複数差し込んで固定し、それによって表面に棘状突起を多数密集させた形態のもの、或いは円柱状、円筒状シャフトの周面に剣山状に多数の棘状突起を突設したもの等を採用することができる。前記棘状突起は、例えば金属、プラスチック、セラミック等の材料から、例えば旋盤とボールエンドの組み合わせ、旋盤と横フライスの組み合わせ等の加工装置や成形型、鋳型等を用いて形成されてもよい。
【0033】
前記孔あけローラの棘状突起の形状に特別の制限はなく、例えば円錐形状や三角錐、四角錐等の角錐形状、三角柱形状、又は平刀、三角刀、丸刀、切り出し等の刃先形状、或いは前記形状を適宜変形させ、或いは組み合わせた形状であってもよい。また、ラミネート用フィルムシートに穿設される微細孔の形状は、使用される前記棘状突起の形状に応じて、例えば円形、楕円形や三角形、四角形等の多角形、或いは直線状、V字状切り目や十字状等の放射状切り目であってもよく、中でも、前記多角形や切り目のように、孔の内周に屈曲部、隅部、切れ部等のあるものは、それらの部分が各穴における破断の端緒となり易いので、廃棄時の引裂き操作により、各微細孔間における亀裂の連続的伝播、従って破断の拡大が生じ易い。
【0034】
前記孔あけローラと互いに圧接される受けローラの表面に形成される弾性材料としては、例えばブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムや天然ゴムからなり、且つ前記孔あけローラと受けローラとの間をラミネート用フィルムシートが通過する時に、孔あけローラの棘状突起がラミネート用フィルムシートを貫通してそれに所要の微細孔を穿設しつつ食い込むことを可能にする硬度を有するものが好適に選択される。
【0035】
前記微細孔は、ラミネート用フィルムシートや疑似接着性ラミネート用フィルムシートがラミネートされた用紙の表面の美観や耐久性に悪影響を与えないように、好ましくは0.3mm以下、特に0.1mm以下の大きさを有していてもよい。また、前記微細孔は、廃棄時の引裂き操作によるラミネート加工用紙や情報通信体の円滑な破断のために、好ましくは5個/cm2以上、特に10個/cm2以上の分布密度で、好ましくは5mm以内、特に3mm以内の孔間距離で、全面的に、好ましくは均一又は略均一に穿設されてもよく、さらに前記微細孔は、廃棄時の引裂き操作により任意の辺の任意の位置から破断が容易に開始されるように、用紙の各辺から可能な限り近い位置、好ましくは5mm以内、特に3mm以内の位置から内方へと分布配置されてもよい。なお、ラミネート用フィルムシートの任意の辺が既述のようにマイクロミシンの破断により断裁された状態にされている場合は、前記微細孔の分布開始位置の問題は軽減される。
【0036】
[ラミネート工程の条件]
前記引裂き破断可能なラミネート加工用紙及び情報通信体の各製造方法のラミネート工程は、従来公知の方法で行われてもよいが、本発明では、既述のように、用紙とラミネート用フィルムシートとの密着性の強化、接着面への熱伝達の促進及び接着力の向上が図られることから、ラミネート温度を通常の場合より相当程度低下させてもなお優れた密着性や高い接着力が得られる。
【0037】
例えば、ラミネート工程において、用紙の搬送速度が約30m/minの場合にラミネートローラの表面温度を60〜100℃の範囲に調節し、また用紙の搬送速度が約40m/minの場合にラミネートローラの表面温度を70〜110℃の範囲に調節することにより、例えば耐熱性に劣るトナーを用いたオンデマンド印刷による用紙に対して、前記トナーの溶融を誘発することなくラミネートすることが可能となる。
【0038】
[断裁工程におけるマイクロミシン加工]
ラミネート工程を経た用紙の任意の辺にマイクロミシン加工を施すに際して、前記マイクロミシンにおけるカットとアンカットの比率に制限はなく、要は、破断用ミシンからの破断により化粧断裁された辺における多数の切れ目を含む微細な凹凸状態を呈する端面から、用紙とラミネート用フィルムシートを合わせて引裂き破断することを可能にするような態様のミシンであればよい。そのようなマイクロミシンとしては、本発明者等の実験によれば、カット長さ0.2mm〜0.85mmに対してアンカット長さ0.1mm〜0.25mmの比率を有するマイクロミシンを好適に選択することができ、そのような組み合わせの比率の中でも、例えばカット長さ0.5mm:アンカット長さ0.15mm、カット長さ0.25mm:アンカット長さ0.15mm、或いはカット長さ0.35mm:アンカット長さ0.1mm等の比率を好適に採用してもよい。
【0039】
前記破断用マイクロミシンの形状に制限はなく、カット部分が例えば通常どおりの直線状や曲線状のスリットで形成されていてもよく、またカット部分として円形やその他の形状の微細な穴が連続的に形成されてマイクロミシンとされていても差し支えない。
【0040】
なお、引裂き破断を可能にする破断用ミシンとしては、前記マイクロミシンのみならず、例えばカット長さ3mm:アンカット長さ1mmやカット長さ2mm:アンカット長さ0.5mm等の比率を有する通常の切り取り用ミシンや折り用ミシン等を用いることも可能であるが、破断端面における多数の切れ目を含む微細な凹凸状態が際立つことになる。
【発明の効果】
【0041】
請求項1に記載の発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙によれば、用紙にラミネートされたラミネート用フィルムシートに多数の微細孔が全面的に穿設されていることから、該ラミネート加工用紙は、廃棄に際して、任意の辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、あらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化される。また、前記引裂き破断可能なラミネート加工用紙には、特殊ではない通常のラミネート用フィルムシートを原材料として用いることができるので、製品であるラミネート加工用紙の大幅なコストダウンが可能になる。
【0042】
請求項2に記載の発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙によれば、用紙及びラミネート用フィルムシート共に、マイクロミシンの破断により断裁された辺の端面が多数の切れ目を含む微細な凹凸状態に形成されているので、廃棄に際して、前記破断による断裁に係る辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、該引裂き開始位置から内方への破断が一層容易に開始されると共に一定方向へと破断が拡大し、ラミネート用フィルムシートにおける多数の微細孔による既述の作用を促進することになる。この場合、ラミネート用フィルムシートにおける多数の微細孔によるあらゆる方向への破断傾向と、マイクロミシンの破断で形成された辺の微細な凹凸による一定方向への破断傾向とが相乗的に作用し、ラミネート加工用紙の廃棄時における引裂き破断が一層容易になる。
【0043】
請求項3及び4に記載の発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法によれば、ラミネート工程における用紙へのラミネート用フィルムシートのラミネートに際して、用紙とラミネート用フィルムシートとの接着面において、ラミネート用フィルムシートの多数の微細孔への接着剤の嵌入によるアンカー効果が生じると共に、内部に空気が気泡としてこもらずに、ラミネート用フィルムシートの多数の微細孔から容易且つ確実に脱気されることから、用紙とラミネート用フィルムシートとの密着性の強化、接着面への熱伝達の促進及び接着力の向上が図られ、美麗で、印刷情報の視認性且つ耐久性に優れた仕上がりが達成されることになる。また、前記製造方法には、特殊ではない通常のラミネート用フィルムシートを原材料として用いることができるので、引裂き破断可能なラミネート加工用紙を極めて安価に製造することができる。
【0044】
請求項5に記載の発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法によれば、フィルム穿孔工程において、次のラミネート工程に供されるラミネート用フィルムシートへの多数の微細孔の穿設を容易且つ効果的に行うことができる。
【0045】
請求項6に記載の発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法によれば、任意の辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁された状態にある引裂き破断可能なラミネート加工用紙が得られる。
【0046】
請求項7に記載の発明に係る引裂き破断可能な情報通信体によれば、対向葉片間の対向面にラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔が全面的に穿設されているために、該情報通信体は、廃棄に際して、既述の引裂き破断可能なラミネート加工用紙の場合と同様に、任意の辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、あらゆる方向へ容易に破断されることになる。また、前記引裂き破断可能な情報通信体には、特殊ではない通常の疑似接着性ラミネート用フィルムシートを原材料として用いることができるので、従来の特殊な引裂き破断可能なラミネート用フィルムシートに比して、製品である情報通信体の大幅なコストダウンが可能になる。
【0047】
請求項8に記載の発明に係る引裂き破断可能な情報通信体によれば、マイクロミシンの破断により断裁された辺の端面が多数の切れ目を含む微細な凹凸状態に形成されているので、廃棄に際して、前記破断による断裁に係る辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、該引裂き開始位置から内方への破断が一層容易に開始されると共に一定方向へと破断が拡大し、疑似接着性ラミネート用フィルムシートにおける多数の微細孔による既述の作用を促進することになる。この場合、疑似接着性ラミネート用フィルムシートにおける多数の微細孔によるあらゆる方向への破断傾向と、マイクロミシンの破断で形成された辺の微細な凹凸による一定方向への破断傾向とが相乗的に作用し、情報通信体の廃棄時における引裂き破断が一層容易になる。
【0048】
請求項9及び10に記載の発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法によれば、ラミネート工程における用紙への疑似接着性ラミネート用フィルムシートのラミネートに際して、用紙と疑似接着性ラミネート用フィルムシートとの接着面において、疑似接着性ラミネート用フィルムシートの多数の微細孔への接着剤の嵌入によるアンカー効果が生じると共に、内部に空気が気泡としてこもらずに、疑似接着性ラミネート用フィルムシートの多数の微細孔から容易且つ確実に脱気されることから、用紙と疑似接着性ラミネート用フィルムシートとの密着性の強化、接着面への熱伝達の促進及び接着力の向上が図られ、美麗で、印刷情報の視認性且つ耐久性に優れた仕上がりが達成されることになる。また、前記製造方法には、特殊ではない通常の疑似接着性ラミネート用フィルムシートを原材料として用いることができるので、引裂き破断可能な情報通信体を極めて安価に製造することができる。
【0049】
請求項11に記載の発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法によれば、フィルム穿孔工程において、次のラミネート工程に供される疑似接着性ラミネート用フィルムシートへの多数の微細孔の穿設を容易且つ効果的に行うことができる。
【0050】
さらに、請求項12に記載の発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法によれば、任意の辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁された状態にある引裂き破断可能な情報通信体が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1(A)及び(B)は、本発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙の一例の各々平面図及びそのI−I線断面図である。
【図2】図2(A)及び(B)は、図1に示すものと同様の引裂き破断可能なラミネート加工用紙であって、各辺がマイクロミシンの破断により断裁された状態にあるものの一例の各々平面図及びそのII−II線断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法に使用し得る穿孔前のラミネート用フィルムシートの一例の断面図である。
【図4】図4は、枚葉状用紙を用いた、本発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法の一例のフロー図である。
【図5】図5(A)及び(B)は、図4に示すフロー図における孔あけローラと受けローラとの間を通過するラミネート用フィルムシートの可能なテンション状態を例示する説明図である。
【図6】図6は、枚葉状用紙を用いた、本発明に係る引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法における図4に示すものとは別の一例のフロー図である。
【図7】図7(A)及び(B)は、本発明に係る引裂き破断可能な二つ折り葉書の製造のために単品に仕上げられたラミネート済み二つ折り葉書用紙の各々展開表面図及び展開裏面図、同図(C)は、前記ラミネート済み二つ折り葉書用紙を折り畳み、接着一体化工程に供して完成された引裂き破断可能な二つ折り葉書の断面図である。
【図8】図8(A)及び(B)は、図7に示すものと同様に引裂き破断可能な二つ折り葉書の製造のために単品に仕上げられたラミネート済み二つ折り葉書用紙であって、各辺がマイクロミシンの破断により断裁された状態にあるものの各々展開表面図及び展開裏面図、同図(C)は、前記ラミネート済み二つ折り葉書用紙を折り畳み、接着一体化工程に供して完成された引裂き破断可能な二つ折り葉書の断面図である。
【図9】図9(A)及び(B)は、本発明に係る引裂き破断可能な三つ折り葉書の製造のために単品に仕上げられたラミネート済み三つ折り葉書用紙の各々展開表面図及び展開裏面図、同図(C)は、前記ラミネート済み三つ折り葉書用紙を折り畳み、接着一体化工程に供して完成された引裂き破断可能な三つ折り葉書の断面図である。
【図10】図10(A)及び(B)は、図9に示すものと同様に引裂き破断可能な三つ折り葉書の製造のために単品に仕上げられたラミネート済み三つ折り葉書用紙であって、各辺がマイクロミシンの破断により断裁された状態にあるものの各々展開表面図及び展開裏面図、同図(C)は、前記ラミネート済み三つ折り葉書用紙を折り畳み、接着一体化工程に供して完成された引裂き破断可能な三つ折り葉書の断面図である。
【図11】図11は、本発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法に使用し得る穿孔前の疑似接着性ラミネート用フィルムシートの一例の断面図である。
【図12】図12(A)及び(B)は、本発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法に使用し得る長尺状二つ折り葉書用紙及び長尺状三つ折り葉書用紙の各表面図である。
【図13】図13は、図12に示す長尺状二つ折り葉書用紙又は長尺状三つ折り葉書用紙を用いた、本発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法の一例のフロー図である。
【図14】図14は、本発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法に使用し得る枚葉状二つ折り葉書用紙の表面図である。
【図15】図15は、本発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法に使用し得る枚葉状三つ折り葉書用紙の表面図である。
【図16】図16は、図14又は図15に示す枚葉状二つ折り葉書用紙又は枚葉状三つ折り葉書用紙を用いた、本発明に係る引裂き破断可能な情報通信体の製造方法の一例のフロー図である。
【図17】図17(A)は、図4〜図6、図13及び図16に示す引裂き破断可能なラミネート加工用紙及び情報通信体の製造方法におけるフィルム穿孔工程で使用される孔あけローラ及び受けローラの拡大側面図、同図(B)は同図(A)に示す孔あけローラの二点鎖線円内における部分拡大断面図である。
【図18】図18は、図14に示す孔あけローラの表層部の部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
[引裂き破断可能なラミネート加工用紙の発明の実施態様]
図1(A)及び(B)に示すように、ラミネート加工用紙R1は、ポスター等の印刷された用紙S1(印刷内容の表示省略)の片面にラミネート用フィルムシートFをラミネートしてなり、前記ラミネート用フィルムシートFには、多数の微細孔Hが全面的に、具体的には、0.3mm以下の大きさで略四角形状の微細孔Hが、約25個/cm2の分布密度で、3mm以内の孔間距離で、且つ用紙の各辺1〜4から3mm以内の位置から内方へと分布するように穿設されている。
【0053】
前記構成のラミネート加工用紙R1は、前記のようにラミネート用フィルムシートFに多数の微細孔Hが全面的に穿設されているために、廃棄に際して、各辺1〜4の任意の位置における所要の引裂き操作により、該引裂き開始位置からあらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化される。
【0054】
また、図2(A)及び(B)に示すラミネート加工用紙R1'は、図1(A)及び(B)に示すものと同様のラミネート加工用紙を、用紙S1及びそれにラミネートされたラミネート用フィルムシートF共に、各辺1〜4に沿ってマイクロミシンの破断により断裁してなり、前記マイクロミシンの破断により断裁された各辺1〜4の端面が多数の切れ目を含む微細な凹凸状態に形成されている。
【0055】
前記構成のラミネート加工用紙R1'は、既述のようなラミネート用フィルムシートFにおける多数の微細孔Hの穿孔に加えて、さらに各辺1〜4に、マイクロミシンの破断により断裁された状態の微細な凹凸加工が施されていることから、各辺1〜4の任意の位置における所要の引裂き操作により、該引裂き開始位置から内方への破断が一層容易に開始される。
【0056】
[引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法の発明の実施態様1]
前記ラミネート加工用紙の製造に使用し得るラミネート用フィルムシートFとしては、例えば図3に示すように、二軸延伸ポリプロピレンその他からなる比較的腰の強い樹脂基材101の片面に、用紙との剥離不能な接着のために、エチレン酢酸ビニル共重合体その他の感熱接着剤からなる感熱接着剤層102を形成してなるサーマルラミネートタイプのものが好適である。
【0057】
図4に示すように、枚葉状用紙S1が製造工程の最上流である図中、左端に複数枚積載されると共に、吸着パッド10やフィードローラ等(図示省略)で最上面の用紙S1が、一枚ずつ端部同士を重ねた状態で下流の所定搬送路へと繰り出される。前記のように繰り出された各用紙S1には、上方に待機したフィルムシートロールFRから連続的に繰り出されるラミネート用フィルムシートFがラミネートローラ11で整合されると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートされ、前記のようにラミネートされて長尺状に連接された各用紙S1は、ニップローラ15を介して下流へ搬送され、前後の用紙S1の端部同士の重なり部分にカッタ12が挿入されてラミネート用フィルムシートFのみが切断されると共に単品の用紙S1に分離され、ニップローラ16を経て一旦ストッカ17に順次積載される。
【0058】
前記のようにストッカ17に積載された単品の用紙S1は、トムソン型等の断裁装置18により各辺に沿って所要のサイズに断裁され、必要に応じてさらに折り工程等(図示省略)を経て最終のラミネート加工用紙R1に仕上げられる。なお、前記断裁に際して、マイクロミシン刃を備えた断裁装置を使用することにより、所要の各辺がマイクロミシンの破断により断裁された状態にすることが可能である。
【0059】
前記フィルムシートロールFRとラミネートローラ11との間には、孔あけローラ13と、該孔あけローラ13とばね等(図示省略)を介して互いに圧接された受けローラ14がラミネート用フィルムシートFの経路を挟んで配置され、図17(A)及び(B)並びに図18に拡大して示すように、前記孔あけローラ13の表面には多数の略四角錐形の棘状突起13aが突設されると共に前記受けローラ14の表面には弾性材料14aが形成されている。前記構成において、フィルムシートロールFRから連続的に繰り出されるラミネート用フィルムシートFが、前記孔あけローラ13と受けローラ14との間を通過する時に、それに同調して、前記孔あけローラ13と受けローラ14が前者の棘状突起13aを後者の弾性材料14aに食い込ませながら回転し、同時にラミネート用フィルムシートFに所要の多数の微細孔Hが穿設される。
【0060】
なお、前記ラミネート用フィルムシートFが、フィルムシートロールFRから連続的に繰り出されると共に孔あけローラ13と受けローラ14との間を通過してラミネートローラ11に至る間に、図5(A)及び(B)に示すように、孔あけローラ13又は受けローラ14を押圧する方向にテンションが掛かるようにしてもよい。
【0061】
[引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法の発明の実施態様2]
図6に示す引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法は、前記実施態様1を部分的に変形したものであり、枚葉状用紙S1が製造工程の最上流である図中、左端に複数枚積載されると共に、吸着パッド10やフィードローラ等(図示省略)で最上面の用紙S1が、一枚ずつ等間隔で、若しくは端部同士を付き合わせ又は重ねた状態で下流の所定搬送路へと繰り出される。前記のように繰り出された各用紙S1には、前記実施態様1の場合と同様に、多数の微細孔Hが穿設されたラミネート用フィルムシートFが剥離不能にラミネートされ、前記のようにラミネートされて長尺状に連接された各用紙S1は、さらに下流へ搬送されて、スリッタ19で搬送方向の各辺に沿って所要の幅に断裁されると共にニップローラ15を介して下流へ搬送され、ギロチン式カッタ20やダイカットローラ等(図示省略)で搬送方向と直角の方向の各辺に沿って所要の長さに断裁され、単品のラミネート加工用紙R1に仕上げられると共にニップローラ16を経てストッカ17に順次積載される。なお、前記断裁工程において、マイクロミシン刃を備えた断裁装置を使用することにより、ラミネート工程を経た用紙S1が、任意の辺に沿ってマイクロミシンを穿設されると共に該マイクロミシンの破断により断裁された状態にすることが可能である。
【0062】
[引裂き破断可能な情報通信体の発明の実施態様1]
図7(A)及び(B)に示すように、葉書2倍寸サイズの単品の二つ折り葉書形態に断裁された単位用紙t1は第一葉片21及びそれに連接された第二葉片22から構成されている。第一葉片21の表面には郵便切手欄24、郵便番号欄25が設けられると共に受取人の住所氏名26等が記載され、第二葉片22の表面には広告宣伝等の一般情報27が記載され、さらに第一葉片21及び第二葉片22の各裏面には秘密を要する個人情報28が記載されている。なお、前記第一葉片21及び第二葉片22の各裏面には、必要に応じて、前記個人情報28に代えて、一般情報のみや一般情報と個人情報が混在した情報等が記載されていてもよい。
【0063】
ラミネート済み二つ折り葉書用紙R2は、二つ折り葉書の製造のための中間製品としてのラミネート加工用紙であって、前記単位用紙t1における第一葉片21及び第二葉片22の各裏面に疑似接着性ラミネート用フィルムシートGをラミネートしてなり、前記ラミネート用フィルムシートGには、既述のラミネート用フィルムシートFの場合と同様の態様で多数の微細孔Hが全面的に穿設されている。
【0064】
前記ラミネート済み二つ折り葉書用紙R2は、同図(C)に示すように、疑似接着性ラミネート用フィルムシートGを内側にして二つ折りに、即ち第一葉片21及び第二葉片22の裏面同士が対向するように折り線23を介して折り畳み、対向する疑似接着性ラミネート用フィルムシートG間の疑似接着を可能にする条件下に加熱及び/又は加圧処理を施すと共に剥離可能に一体化することにより、引裂き破断可能な二つ折り葉書TR2が完成される。
【0065】
前記構成の二つ折り葉書TR2は、前記のように疑似接着性ラミネート用フィルムシートGに多数の微細孔Hが全面的に穿設されているために、廃棄に際して、剥離展開状態及び未展開状態の何れの場合も、辺の任意の位置における所要の引裂き操作により、該引裂き開始位置からあらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化される。
【0066】
また、図8(A)及び(B)に示すラミネート済み二つ折り葉書用紙R2'は、図7(A)及び(B)に示すものと同様のラミネート済み二つ折り葉書用紙を、単位用紙t1及びそれにラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートG共に、各辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁してなり、前記マイクロミシンの破断により断裁された辺の端面が多数の切れ目を含む微細な凹凸状態に形成されている。前記ラミネート済み二つ折り葉書用紙R2'を、同図(C)に示すように、前記と同様の態様で接着一体化することにより、引裂き破断可能な二つ折り葉書TR2'が完成される。
【0067】
前記構成の二つ折り葉書TR2'は、既述のような疑似接着性ラミネート用フィルムシートGにおける多数の微細孔Hの穿孔に加えて、さらに前記のように各辺に、マイクロミシンの破断により断裁された状態の微細な凹凸加工が施されていることから、任意の辺の任意の位置における所要の引裂き操作により、該引裂き開始位置から内方への破断が一層容易に開始される。
【0068】
[引裂き破断可能な情報通信体の発明の実施態様2]
図9(A)及び(B)に示すように、葉書3倍寸サイズの単品の三つ折り葉書形態に断裁された単位用紙t2は横方向に連接された第一葉片31、第二葉片32及び第三葉片33から構成されている。第一葉片31の表面には郵便切手欄36、郵便番号欄37が設けられると共に受取人の住所氏名38等が記載され、第二葉片32及び第三葉片33の各表面には秘密を要する個人情報39が記載されている。また、三葉片33の裏面には広告宣伝等の一般情報40が記載され、第一葉片31及び第二葉片32の各裏面には秘密を要する個人情報39が記載されている。なお、前記第二葉片32及び第三葉片33の各表面、並びに第一葉片31及び第二葉片32の各裏面には、必要に応じて、前記個人情報39に代えて、一般情報のみや一般情報と個人情報が混在した情報等が記載されていてもよい。
【0069】
ラミネート済み三つ折り葉書用紙R3は、三つ折り葉書の製造のための中間製品としてのラミネート加工用紙であって、前記単位用紙t2における第二葉片32及び第三葉片33の各表面、並びに第一葉片31及び第二葉片32の各裏面に疑似接着ラミネート用フィルムシートGをラミネートしてなり、前記疑似接着性ラミネート用フィルムシートGには、既述のラミネート用フィルムシートFの場合と同様の態様で多数の微細孔Hが全面的に穿設されている。
【0070】
前記ラミネート済み三つ折り葉書用紙R3は、同図(C)に示すように、各疑似接着性ラミネート用フィルムシートGを内側にしてZ字状の三つ折りに、即ち第二葉片32及び第三葉片33の表面同士が対向するように折り線35を介して折り畳むと共に第一葉片31及び第二葉片32の裏面同士が対向するように折り線34を介して折り畳み、対向する各疑似接着性ラミネート用フィルムシートG間の疑似接着を可能にする条件下に加熱及び/又は加圧処理を施すと共に剥離可能に一体化することにより、引裂き破断可能な三つ折り葉書TR3が完成される。
【0071】
前記構成の三つ折り葉書TR3は、前記のように疑似接着性ラミネート用フィルムシートGに多数の微細孔Hが全面的に穿設されているために、廃棄に際して、剥離展開状態及び未展開状態の何れの場合も、各辺の任意の位置における所要の引裂き操作により、該引裂き開始位置からあらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化される。
【0072】
また、図10(A)及び(B)に示すラミネート済み三つ折り葉書用紙R3'は、図9(A)及び(B)に示すものと同様の疑似接着性ラミネート済み三つ折り葉書用紙を、単位用紙t2及びそれにラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートG共に、各辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁してなり、前記マイクロミシンの破断により断裁された辺の端面が多数の切れ目を含む微細な凹凸状態に形成されている。前記ラミネート済み三つ折り葉書用紙R3'を、同図(C)に示すように、前記と同様の態様で接着一体化することにより、引裂き破断可能な三つ折り葉書TR3'が完成される。
【0073】
前記構成の三つ折り葉書TR3'は、既述のような疑似接着性ラミネート用フィルムシートGにおける多数の微細孔Hの穿孔に加えて、さらに前記のように各辺に、マイクロミシンの破断により断裁された状態の微細な凹凸加工が施されていることから、任意の辺の任意の位置における所要の引裂き操作により、該引裂き開始位置から内方への破断が一層容易に開始される。
【0074】
[引裂き破断可能な情報通信体の製造方法の発明の実施態様1]
既述のような引裂き破断可能な情報通信体を製造するに際して、フォーム印刷(輪転印刷)の印刷形態に対応した長尺状用紙を使用する製造方法がある。即ち、長尺状用紙には、二つ折り葉書用や三つ折り葉書用等の単位用紙がフォーム印刷により縦方向に連続して印刷され、刷了後の長尺状用紙は、ロール状に巻き取られ、或いは単位用紙ごとに折りミシンを介して蛇腹状に折り畳まれた状態で情報通信体の製造に供される。
【0075】
図12(A)及び(B)に示すように、長尺状二つ折り葉書用紙S2には、既述の図7に示すような構成の二つ折り葉書用単位用紙t1がフォーム印刷により縦方向に連続して印刷され、また長尺状三つ折り葉書用紙S3には、既述の図9に示すような構成の三つ折り葉書用単位用紙t2がフォーム印刷により縦方向に連続して印刷されている。前記長尺状二つ折り葉書用紙S2や長尺状三つ折り葉書用紙S3を剥離可能な疑似接着葉書の製造に使用する場合、所要工程間をピントラクタ等で正確且つ確実に搬送させるために、通常、前記二つ折り葉書用紙S2や三つ折り葉書用紙S3の両外側に、マージナル孔41を備えたマージナル部42が設けられている。なお、以下の製造工程では、代表例として、蛇腹状に折り畳まれた刷了状態の図12(A)に示すような前記長尺状二つ折り葉書用紙S2が使用される。
【0076】
また、既述の引裂き破断可能な情報通信体の製造に使用し得る疑似接着性ラミネート用フィルムシートGとしては、図11に示すように、例えば二軸延伸ポリプロピレンその他からなる比較的腰の強い樹脂基材101の片面に、用紙との剥離不能な接着のために、ポリエチレンその他の感熱接着剤からなる感熱接着剤層102を形成すると共に他の片面にポリエチレンその他からなる疑似接着樹脂層103を形成してなるサーマルラミネートタイプのものが好適である。
【0077】
図13に示すように、前記長尺状二つ折り葉書用紙S2は、製造工程の最上流である図中、左端に蛇腹状に折り畳まれて積載されており、これは、上方のサポートローラ51を通過して略水平に向きを変えられ、ピントラクタ52で下流のラミネートローラ53へと送り出される。搬送された前記二つ折り葉書用紙S2には、上方に待機したフィルムシートロールGRから連続的に繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートGがラミネートローラ53で整合されると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に前記二つ折り葉書用紙S2における各単位用紙t2の疑似接着予定面に剥離不能にラミネートされ、前記のようにラミネートされた長尺状二つ折り葉書用紙S2は下流へと搬送される。
【0078】
前記フィルムシートロールGRとラミネートローラ53との間には、既述の場合と同様の構成で、孔あけローラ54と、該孔あけローラ54とばね等(図示省略)を介して互いに圧接された受けローラ55が疑似接着性ラミネート用フィルムシートGの経路を挟んで配置され、前記孔あけローラ54の表面には多数の略四角錐形の棘状突起54aが突設されると共に前記受けローラ55の表面には弾性材料55aが形成されている。前記構成において、フィルムシートロールGRから連続的に繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートGが、前記孔あけローラ54と受けローラ55との間を通過する時に、それに同調して、前記孔あけローラ54と受けローラ55が前者の棘状突起54aを後者の弾性材料55aに食い込ませながら回転し、同時に疑似接着性ラミネート用フィルムシートGに所要の多数の微細孔Hが穿設される。
【0079】
前記のように多数の微細孔Hが穿設された疑似接着性ラミネート用フィルムシートGがラミネートされた長尺状二つ折り葉書用紙S2は、下流のスリッタ56により搬送方向の一方の辺に沿って断裁されて一方のマージナル部42を切除された後、ニップローラ57へと搬送され、該ニップローラ57とサポートローラ58との間で一旦緩みを形成され、さらに折畳み専用のアングル折り機59を通過して二つ折り状態に折り畳まれ、下流上方のサポートローラ60へと搬送される。
【0080】
前記のようにラミネートされ且つ折り畳まれた長尺状二つ折り葉書用紙S2は、サポートローラ60で上方に引き上げられて略水平に向きを変えられ、ピントラクタ61で下流へ送り出され、スリッタ62により搬送方向の他方の辺に沿って断裁されて残る他方のマージナル部42を切除された後、続いてダイカットローラ63により搬送方向と直角の方向の各辺に沿って所要の長さに断裁され、それによって単品の二つ折り葉書用単位用紙t1に仕上げられ、下流の接着一体化工程へと搬送される。
【0081】
接着一体化工程には、一対の搬送ローラ64と一対のヒータパネル65が交互に配置されると共に最後の出口で加圧ローラ66が配置されてなる加熱加圧装置が設置され、前記のようにラミネートされ、折り畳まれ且つ単品に仕上げられた二つ折り葉書用単位用紙t1は、前記構成の加熱加圧装置により加熱及び加圧処理され、それによって対向面が、それらにラミネートされている疑似接着性ラミネート用フィルムシートG同士の疑似接着により剥離可能に一体化されて、引裂き破断可能な二つ折り葉書として、ベルトコンベア等からなるストッカ67に順次積載される。
【0082】
なお、長尺状二つ折り葉書用紙S2の各マージナル部42を、前記のように上流側のスリッタ56及び下流側のスリッタ62により用紙折畳み工程の前及び後に搬送方向の一方及び他方の各辺に沿って段階的に断裁して切除する代わりに、用紙折畳み工程の後に下流側のスリッタ62により搬送方向の両方の辺に沿って所要の幅に一挙に断裁して切除するようにし、上流側のスリッタ56を省略してもよく、或いは上流側のスリッタ56を2セット配置し、用紙折畳み工程の前に前記2セットのスリッタ56により搬送方向の両方の辺に沿って所要の幅に一挙に断裁して切除するようにし、下流のピントラクタ61を省略すると共に下流側のスリッタ62の代わりにニップローラを配置し、前記サポートローラ60を経た長尺状二つ折り葉書用紙S2を前記ニップローラでダイカットローラ63へ強制的に搬送させるようにしてもよい。
【0083】
また、前記接着一体化工程においては、使用する疑似接着性ラミネート用フィルムシートGの物性によっては、前記のように加熱及び加圧処理される代わりに、加圧処理のみが実行されてもよく、その場合は、加熱処理の機構を省略することができるので、装置やシステムがコンパクトになると共に製品のコストダウンにも貢献することになる。
【0084】
なお、必要に応じて、前記スリッタ56、62に代えて、マイクロミシン刃を備えた丸刃その他の断裁装置を配置し、また前記ダイカットローラ63に代えて、マイクロミシン刃を備えた断裁装置を配置することにより、既述のように搬送方向の各辺やそれと直角の方向の各辺がマイクロミシンの破断により断裁された状態にすることが可能である。
【0085】
前記の実施態様は二つ折り形態の葉書の製造に関するものであるが、例えば三つ折り形態又はそれ以上の折り数の形態の葉書についても基本的には同様の工程で製造することができる。
例えば、図12(B)に示す長尺状三つ折り葉書用紙S3を使用して引裂き破断可能な断面Z字状の三つ折り葉書を製造する場合、ラミネート工程では、三つ折り葉書用紙S3の表面のみならず裏面の疑似接着予定面にも疑似接着性ラミネート用フィルムシートGをラミネートする必要があるため、フィルムシートロールGR及びラミネートローラ53、並びにそれらの間の介設される孔あけローラ54及び受けローラ55からなる既述のラミネートシステムを用紙の搬送路の上方のみならず下方にも、既述上方のラミネートシステムと対称的に配置すればよく、また用紙折畳み工程では三つ折り葉書用紙S3を三つ折りに折り畳む必要があるため、既述の二つ折り用アングル折り機59に代えて三つ折り用の折り機を配置すればよい。なお、前記以外の工程は、既述の図13に示す二つ折り葉書用紙S2を使用する製造方法の場合と基本的に同様であるため説明を省略する。
【0086】
また、前記二つ折り形態の葉書の製造において、ピントラクタ61を省略し、各マージナル部42が切除された長尺状二つ折り葉書用紙S2をピントラクタ61ではなくニップローラで搬送するようにした前記態様は、例えば三つ折り形態又はそれ以上の折り数の形態の葉書の製造にも適用しうることは言うまでもない。
【0087】
[引裂き破断可能な情報通信体の製造方法の発明の実施態様2]
引裂き破断可能な情報通信体を製造するに際して、既述のようなフォーム印刷(輪転印刷)の印刷形態に対応した長尺状用紙を使用する製造方法とは異なる製造方法として、オフセット印刷の印刷形態に対応した枚葉状用紙を使用する製造方法がある。即ち、枚葉状用紙には、二つ折り葉書用や三つ折り葉書用等の単位用紙がオフセット印刷により複数丁印刷され、刷了後の枚葉状用紙は積載された状態で情報通信体を製造に供される。
【0088】
図14に示すように、枚葉状二つ折り葉書用紙S4は、菊八つ切りサイズの用紙1枚に、既述の図7に示すような構成の二つ折り葉書用単位用紙t3が、オフセット印刷により左右及び上下に各々余白部分X及びYを空けて縦方向に2丁連続して印刷され、また図15に示すように、枚葉状三つ折り葉書用紙S5は、菊四つ切りサイズの用紙1枚に、既述の図9に示すような構成の三つ折り葉書用単位用紙t4が、オフセット印刷により左右及び上下に各々余白部分X及びYを空けて縦方向に3丁連続して印刷されている。なお、以下の製造工程では、代表例として、図14に示すような前記枚葉状二つ折り葉書用紙S4が使用される。
【0089】
図16に示すように、前記枚葉状二つ折り葉書用紙S4が製造工程の最上流である図中、左端に複数枚積載されると共に、吸着パッド71等で最上面の二つ折り葉書用紙S4が、一枚ずつ等間隔で、若しくは端部同士を付き合わせ又は重ねた状態で下流の所定搬送路へと繰り出され、給紙ローラ72で下流のラミネートローラ73へと送り出される。前記のように繰り出された各二つ折り葉書用紙S4には、上方に待機したフィルムシートロールGRから連続的に繰り出される既述のような疑似接着性ラミネート用フィルムシートGがラミネートローラ73で整合されると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートされ、前記のようにラミネートされて長尺状に連接された各二つ折り葉書用紙S4はさらに下流へと搬送される。
【0090】
前記フィルムシートロールGRとラミネートローラ73との間には、既述の場合と同様の構成で、孔あけローラ74と、該孔あけローラ74とばね等(図示省略)を介して互いに圧接された受けローラ75が疑似接着性ラミネート用フィルムシートGの経路を挟んで配置され、既述のように、フィルムシートロールGRから連続的に繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートGが、前記孔あけローラ74と受けローラ75との間を通過する時に、それに同調して、前記孔あけローラ74と受けローラ75が前者の棘状突起74aを後者の弾性材料75aに食い込ませながら回転し、同時に疑似接着性ラミネート用フィルムシートGに所要の多数の微細孔Hが穿設される。
【0091】
前記のように多数の微細孔Hが穿設された疑似接着性ラミネート用フィルムシートGがラミネートされて長尺状に連接された各枚葉状二つ折り葉書用紙S4は、下流のスリッタ76により搬送方向の両方の辺に沿って断裁されて不要の余白部分Xを切除された後、ニップローラ77へと搬送され、該ニップローラ77とサポートローラ78との間で一旦緩みを形成され、さらに折畳み専用のアングル折り機79を通過して二つ折り状態に折り畳まれ、下流上方のサポートローラ80へと搬送される。
【0092】
前記のようにラミネートされて長尺状に連接され且つ折り畳まれた各枚葉状二つ折り葉書用紙S4は、サポートローラ80で上方に引き上げられて略水平に向きを変えられ、下流のロータリカッタ81により搬送方向と直角の方向の各辺に沿って所要の長さに断裁されて不要の余白部分Yを切除され、それによって単品の二つ折り葉書用単位用紙t3に仕上げられ、下流の接着一体化工程へと搬送される。
【0093】
接着一体化工程には、加熱及び加圧を同時に行うヒートローラ82からなる加熱加圧装置が配置され、前記のようにラミネートされ、折り畳まれ且つ単品に仕上げられた二つ折り葉書用単位用紙t3は、前記構成の加熱加圧装置により加熱及び加圧処理され、それによって対向面が、それらにラミネートされている疑似接着性ラミネート用フィルムシートG同士の疑似接着により剥離可能に一体化されて、引裂き破断可能な二つ折り葉書として、ベルトコンベア等からなるストッカ83に順次積載される。
【0094】
なお、必要に応じて、前記スリッタ76に代えて、マイクロミシン刃を備えた丸刃その他の断裁装置を配置し、また前記ロータリカッタ81に代えて、マイクロミシン刃を備えた断裁装置を配置することにより、既述のように搬送方向の各辺やそれと直角の方向の各辺がマイクロミシンの破断により断裁された状態にすることが可能である。
【0095】
前記の実施態様は二つ折り形態の葉書の製造に関するものであるが、例えば三つ折り形態又はそれ以上の折り数の形態の葉書についても基本的には同様の工程で製造することができる。
【0096】
例えば、図15に示す枚葉状三つ折り葉書用紙S5を使用して引裂き破断可能な断面Z字状の三つ折り葉書を製造する場合、ラミネート工程では、三つ折り葉書用紙S5の表面のみならず裏面の疑似接着予定面にも疑似接着性ラミネート用フィルムシートGをラミネートする必要があるため、フィルムシートロールGR及びラミネートローラ73、並びにそれらの間の介設される孔あけローラ74及び受けローラ75からなる既述のラミネートシステムを用紙の搬送路の上方のみならず下方にも、既述上方のラミネートシステムと対称的に配置すればよく、また用紙折畳み工程では三つ折り葉書用紙S5を三つ折りに折り畳む必要があるため、既述の二つ折り用アングル折り機79に代えて三つ折り用の折り機を配置すればよい。なお、前記以外の工程は、既述の図16に示す二つ折り葉書用紙S4を使用する製造方法の場合と基本的に同様であるため説明を省略する。
【0097】
なお、本発明は、前記実施態様に限定されるものではない。例えば、引裂き破断可能なラミネート加工用紙のためにラミネートされる対象の用紙については、本発明の趣旨に反しない限り特別の限定はない。また、引裂き破断可能な情報通信体に関しても、既述の実施態様におけるような二つ折りや三つ折り形態のもの以外にも、例えば四つ折り形態やそれ以上の折り数の形態のものでもよく、またそれらの折り畳み形態についても、既述のZ字状折り以外に、巻き折り、観音開き折りやそれらの複合折り等を採用してもよい。
【符号の説明】
【0098】
H 微細孔
F ラミネート用フィルムシート
G 疑似接着性ラミネート用フィルムシート
S1 用紙
S2 長尺状二つ折り葉書用紙
S3 長尺状三つ折り葉書用紙
S4 枚葉状二つ折り葉書用紙
S5 枚葉状三つ折り葉書用紙
t1 二つ折り葉書用単位用紙
t2 三つ折り葉書用単位用紙
t3 二つ折り葉書用単位用紙
t4 三つ折り葉書用単位用紙
R1、R1' ラミネート加工用紙
R2 ラミネートされた二つ折り葉書用紙
R2' ラミネートされた二つ折り葉書用紙
R3 ラミネートされた三つ折り葉書用紙
R3' ラミネートされた三つ折り葉書用紙
TR2 二つ折り葉書
TR2' 二つ折り葉書
TR3 三つ折り葉書
TR3' 三つ折り葉書
FR フィルムシートロール(ラミネート用フィルムシート用)
GR フィルムシートロール(疑似接着性ラミネート用フィルムシート用)
X 余白部分(左右方向)
Y 余白部分(上下方向)
1、2、3、4 辺
10 吸着パッド
11 ラミネートローラ
12 カッタ
13 孔あけローラ
13a 棘状突起
14 受けローラ
14a 弾性材料
15 ニップローラ
16 カッタ
17 ストッカ
18 断裁装置
19 スリッタ
20 ギロチン式カッタ
21、22 葉片
23 折り線
24 郵便切手欄
25 郵便番号欄
26 受取人の住所氏名
27 一般情報
28 個人情報
31、32、33 葉片
34、35 折り線
36 郵便切手欄
37 郵便番号欄
38 受取人の住所氏名
39 個人情報
40 一般情報
41 マージナル孔
42 マージナル部
51 サポートローラ
52 ピントラクタ
53 ラミネートローラ
54 孔あけローラ
54a 棘状突起
55 受けローラ
55a 弾性材料
56 スリッタ
57 ニップローラ
58 サポートローラ
59 アングル折り機
60 サポートローラ
61 ピントラクタ
62 スリッタ
63 ダイカットローラ
64 搬送ローラ
65 ヒータパネル
66 加圧ローラ
67 ストッカ
71 吸着パッド
72 給紙ローラ
73 ラミネートローラ
74 孔あけローラ
74a 棘状突起
75 受けローラ
75a 弾性材料
76 スリッタ
77 ニップローラ
78 サポートローラ
79 アングル折り機
80 サポートローラ
81 ロータリカッタ
82 ヒートローラ
83 ストッカ
101 樹脂基材
102 感熱接着剤層
103 疑似接着樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネート用フィルムシートを用紙の少なくとも片面にラミネートしてなるラミネート加工用紙であって、前記ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔が全面的に穿設されていることを特徴とする引裂き破断可能なラミネート加工用紙。
【請求項2】
ラミネートされた用紙が、任意の辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁された請求項1に記載の引裂き破断可能なラミネート加工用紙。
【請求項3】
枚葉状用紙を一枚ずつ端部同士を重ねた状態で順次繰り出して下流へ搬送する用紙搬送工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に向けてラミネート用フィルムシートを連続的に繰り出すフィルム繰出し工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に、前記フィルム繰出し工程により別途繰り出されるラミネート用フィルムシートを整合させると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程を経て長尺状態に連接された用紙における端部同士の重なり部分を架橋するラミネート用フィルムシートを搬送方向と直角の方向に切断すると共に用紙を個々に分離するフィルム切断工程と、ラミネート工程及びフィルム切断工程を経た単品の用紙を各辺に沿って所要のサイズに断裁する断裁工程とからなるラミネート加工用紙の製造方法であって、前記ラミネート工程に供されるラミネート用フィルムシートに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けることを特徴とする引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法。
【請求項4】
枚葉状用紙を一枚ずつ等間隔で、若しくは端部同士を付き合わせ又は重ねた状態で順次繰り出して下流へ搬送する用紙搬送工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に向けてラミネート用フィルムシートを連続的に繰り出すフィルム繰出し工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に、前記フィルム繰出し工程により別途繰り出されるラミネート用フィルムシートを整合させると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程を経て長尺状態に連接された用紙を各辺に沿って所要のサイズに断裁し、個切りする断裁工程とからなるラミネート加工用紙の製造方法であって、前記ラミネート工程に供されるラミネート用フィルムシートに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けることを特徴とする引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法。
【請求項5】
前記フィルム穿孔工程において、フィルム繰出し工程からラミネート工程に至る間に、表面に多数の棘状突起が突設された孔あけローラと、該孔あけローラと互いに圧接され、表面に弾性材料が形成された受けローラを、ラミネート用フィルムシートの経路を挟んで配置し、繰り出されるラミネート用フィルムシートを前記孔あけローラと受けローラとの間に通過させることにより、前記孔あけローラ及び受けローラが、前者の棘状突起をラミネート用フィルムシートを介して後者の弾性材料に食い込ませながら、該ラミネート用フィルムシートの通過に同調して回転させられるようにした請求項3又は4に記載の引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法。
【請求項6】
前記断裁工程において、ラミネート工程を経た用紙が、任意の辺に沿ってマイクロミシンを穿設されると共に該マイクロミシンの破断により断裁されるようにした請求項3又は4に記載の引裂き破断可能なラミネート加工用紙の製造方法。
【請求項7】
区切り線を介して連接された複数の葉片からなる用紙を前記区切り線から折り畳み及び/又は切り重ねることにより生じる任意の対向葉片間を、その対向面にラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートを介して剥離可能に接着してなる情報通信体であって、前記疑似接着性ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔が全面的に穿設されたことを特徴とする引裂き破断可能な情報通信体。
【請求項8】
対向面にラミネートされた疑似接着性ラミネート用フィルムシートを介して剥離可能に接着された対向葉片又は該対向葉片及びその他の任意の葉片が、任意の辺に沿ってマイクロミシンの破断により断裁された請求項7に記載の引裂き破断可能な情報通信体。
【請求項9】
区切り線を介して横方向に連接された複数の葉片からなる単位用紙が縦方向に連接されてなる長尺状用紙を連続的に下流へ搬送する用紙搬送工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に向けて疑似接着性ラミネート用フィルムシートを連続的に繰り出すフィルム繰出し工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に、前記フィルム繰出し工程により別途繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートを整合させると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程を経た用紙を、ラミネート面を内側にして前記区切り線から折り畳む用紙折畳み工程と、前記ラミネート工程を経た用紙を、前記用紙折畳み工程の前及び/又は後に、搬送方向の各辺に沿って所要の幅に断裁する第一断裁工程と、前記用紙折畳み工程及び第一断裁工程を経た用紙を搬送方向と直角の方向の各辺に沿って所要の長さに断裁して各単位用紙に仕上げる第二断裁工程と、前記用紙折畳み工程及び第一断裁工程を経た用紙を、前記第二断裁工程の前又は後に、加熱及び/又は加圧処理により剥離可能に一体化する接着一体化工程とからなる情報通信体の製造方法であって、前記ラミネート工程に供される疑似接着性ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けることを特徴とする引裂き破断可能な情報通信体の製造方法。
【請求項10】
区切り線を介して横方向に連接された複数の葉片からなる単位用紙が複数丁印刷されてなる枚葉状用紙を一枚ずつ順次繰り出して下流へ搬送する用紙搬送工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に向けて疑似接着性ラミネート用フィルムシートを連続的に繰り出すフィルム繰出し工程と、前記用紙搬送工程により搬送される用紙の少なくとも片面に、前記フィルム繰出し工程により別途繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートを整合させると共に加熱又は加熱及び加圧処理下に剥離不能にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程を経て長尺状態に連接された用紙を、ラミネート面を内側にして前記区切り線から折り畳む用紙折畳み工程と、前記ラミネート工程を経た用紙を、前記用紙折畳み工程の前及び/又は後に、搬送方向の各辺に沿って所要の幅に断裁する第一断裁工程と、前記用紙折畳み工程及び第一断裁工程を経た用紙を搬送方向と直角の方向の各辺に沿って所要の長さに断裁して各単位用紙に仕上げる第二断裁工程と、前記用紙折畳み工程及び第一断裁工程を経た用紙を、前記第二断裁工程の前又は後に、加熱及び/又は加圧処理により剥離可能に一体化する接着一体化工程とからなる情報通信体の製造方法であって、前記ラミネート工程に供される疑似接着性ラミネート用フィルムシートに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けることを特徴とする引裂き破断可能な情報通信体の製造方法。
【請求項11】
前記フィルム穿孔工程において、フィルム繰出し工程からラミネート工程に至る間に、表面に多数の棘状突起が突設された孔あけローラと、該孔あけローラと互いに圧接され、表面に弾性材料が形成された受けローラを、ラミネート用フィルムシートの経路を挟んで配置し、繰り出される疑似接着性ラミネート用フィルムシートを前記孔あけローラと受けローラとの間に通過させることにより、前記孔あけローラ及び受けローラが、前者の棘状突起を疑似接着性ラミネート用フィルムシートを介して後者の弾性材料に食い込ませながら、該疑似接着性ラミネート用フィルムシートの通過に同調して回転させられるようにした請求項9又は10に記載の引裂き破断可能な情報通信体の製造方法。
【請求項12】
前記第一断裁工程及び/又は第二断裁工程において、ラミネート工程を経た用紙が、任意の辺に沿ってマイクロミシンを穿設されると共に該マイクロミシンの破断により断裁されるようにした請求項9、10又は11に記載の引裂き破断可能な情報通信体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2011−25662(P2011−25662A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35480(P2010−35480)
【出願日】平成22年2月20日(2010.2.20)
【出願人】(000105280)ケイディケイ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】