説明

強度評価装置

【課題】
ランダム荷重下の応力が、パワースペクトルなどの周波数スペクトルまたは時刻歴波形で表されている場合に、最大応力の確率密度分布や、応力振幅の頻度分布の情報を推定する強度評価装置を提供する。
【解決手段】
構造物の強度を評価する強度評価装置において、前記構造物に発生する応力のランダム振動波形の周波数スペクトルデータを入力する周波数スペクトルデータ入力手段と、前記周波数スペクトルと等価な周波数特性を有する複数の波形を生成して求めた複数のランダム振動波形から統計的性質を含む応力情報を推定する応力情報推定手段と、前記構造物の材料強度データを入力する材料強度データ入力手段と、前記応力情報と材料強度データとから前記構造物の破損判定を行う破損判定手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種構造物に発生する応力をもとに強度評価を行う強度評価装置に係る。
【背景技術】
【0002】
従来の各種構造物の強度評価においては、構造物に発生する応力を、実際の運転状態で計測したり、運転状態を模擬した振動試験で計測したりして、強度評価を行ったり、或いは、有限要素解析などによって解析的に強度を推定して評価していた。
【0003】
強度評価に必要な応力の情報としては、例えば、最大応力や、応力振幅と繰返し数の関係などがある。最大応力は、例えば降伏値や引張強度などから設定される許容応力と比較することで、対象構造物の初通過破壊の可能性を判断できる。さらに、応力振幅と繰返し数を、疲れ線図と比較することで、疲労破壊の可能性を判断できる。
【0004】
従来技術としては、例えば、対象構造物の計測結果をもとに強度評価を行う特許文献1がある。
【0005】
一方、各種構造物では、ランダム振動の応力履歴を受ける場合がある。ここで応力履歴は一般的に、構造物が何らかの荷重を受けたときに発生する応力の時刻歴波形や、応力波形のピーク値の配列として定義される。荷重のパターンとしては、例えば、自動車や鉄道などの車両構造物では、道路やレールの凹凸によるランダム荷重を受ける。一方、建築構造物や、その中の機器・配管などは、地震や風によるランダム荷重を受ける。
【0006】
このようなランダム荷重を受ける構造物の設計では、パワースペクトルで代表される周波数スペクトルで荷重条件が定義されることが多い。ただし、パワースペクトルなどの周波数スペクトルは、ランダム振動が有する周波数成分の大きさを示すものである。つまり、ランダム振動波形の最大値や、振幅と繰返し数などの履歴情報を直接、導出できない。
【0007】
そこでランダム振動波形の最大値を得るために、例えばランダム振動のパワースペクトルの全周波数範囲の積分によって標準偏差を求め、その2倍または3倍を最大値と仮定する方法がしばしば用いられる。また、周波数スペクトルのうち最大のスペクトル値を有する周波数成分が卓越すると仮定して、その卓越振動数を継続時間に乗じて繰返し数を近似する方法が用いられる。
【0008】
【特許文献1】特開2006−329837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、構造物に発生する応力のランダム振動の情報が、パワースペクトルなどの周波数スペクトルで定義される場合、その周波数スペクトルからは直接、最大応力や、応力振幅と繰返し数の関係などの情報を得られない。
【0010】
従来技術では、例えば、周波数スペクトルの周波数範囲の積分により得られる標準偏差から最大値を、卓越周波数成分から繰返し数を近似している。しかしながら、ランダム振動は本来、振幅レベルが変動し複数の周波数成分が重畳した複雑な挙動を示すため、それらを考慮できていないという課題がある。
【0011】
また、応力のランダム振動の時刻歴波形データから強度評価を行う場合、一般的には確定論を前提として、一つの時刻歴波形データを用いた評価を行う。しかしながら実際には、同一の環境条件で得られた応力の時刻歴波形データでも、ランダム振動の場合、その統計的性質、引いては、それらの強度評価結果はばらつきを有する可能性がある。一つの時刻歴波形データを用いた強度評価では、このばらつきが考慮されていないという課題がある。
【0012】
従って、本発明の目的は、パワースペクトルなどの周波数スペクトルから、より信頼性が高い強度評価を行える強度評価装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、一つの時刻歴波形データだけが利用可能な場合でも、統計的信頼性を向上させた強度評価が可能な強度評価装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題の少なくとも一つを解決するために本発明の強度評価装置は、構造物の強度を評価する強度評価装置において、前記構造物に発生する応力のランダム振動波形の周波数スペクトルデータを入力する周波数スペクトルデータ入力手段と、前記周波数スペクトルと等価な周波数特性を有する複数の波形を生成して求めた複数のランダム振動波形から統計的性質を含む応力情報を推定する応力情報推定手段と、前記構造物の材料強度データを入力する材料強度データ入力手段と、前記応力情報と材料強度データとから前記構造物の破損判定を行う破損判定手段とを有するものである。
【0015】
この構成では、少なくとも推定した応力情報と破損判定した結果を表示装置で表示するようにするとよい。
【0016】
また、上記構成を有する強度評価装置において、構造物に発生する応力のランダム振動の時刻歴波形データを入力する時刻歴波形データ入力手段と、前記時刻歴波形データから求めた周波数スペクトルを平滑化処理したデータを前記周波数スペクトルデータ入力手段に入力するようにしてもよい。ここで時刻歴波形データは、時間と応力振幅の関係を定義するもので、例えば時間、応力振幅のデジタル値や、時間の関数で表現できる。
【0017】
また、上記課題のうち少なくとも一つを解決するために本発明の強度評価装置は、構造物の強度を評価する強度評価装置において、前記構造物に発生する応力のランダム振動波形の周波数スペクトルデータを入力する周波数スペクトルデータ入力手段と、前記周波数スペクトルと等価な周波数特性を有する波形を生成するための三角級数の振幅を計算する振幅計算手段と、前記三角級数の位相に代入するための乱数を発生させる乱数発生手段と、前記三角級数によりランダム振動波形を生成する波形生成手段と、この波形生成手段を用いて波形生成を繰り返して求めた複数のランダム振動波形から統計的性質を含む応力情報を推定する応力情報推定手段と、前記構造物の材料強度データを入力する材料強度データ入力手段と、前記応力情報と材料強度データとから前記構造物の破損判定を行う破損判定手段とを有するものである。
【0018】
また、少なくとも破損判定手段で得られた情報を表示装置で表示するようにしてもよい。
【0019】
また、上記構成を有する強度評価装置において、構造物に発生する応力のランダム振動の時刻歴波形データを入力する時刻歴波形データ入力手段と、前記時刻歴波形データから周波数スペクトルを計算する周波数スペクトル計算手段と、前記周波数スペクトルの統計的信頼性を向上させるために平滑化処理を行うスペクトル平滑化処理手段を有し、このスペクトル平滑化処理手段で処理したデータを前記周波数スペクトルデータ入力手段に入力するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の強度評価装置により、応力のランダム振動の周波数スペクトルや一つの時刻歴波形から、最大応力や、応力振幅と繰返し数の関係などの統計的情報を得ることができ、より信頼性が高い強度評価が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
【0022】
図1に示す本実施例における強度評価装置は、構造物に発生するランダム振動に対する強度評価装置である。この強度評価装置は、機能毎に複数の装置から構成されていると見なすことができる。それぞれの装置がユニット化されて別々の装置が通信ケーブルを通じて結合された形態をとってもよいし、それらの一部若しくは全部がソフトウェア処理により機能する複数の手段を実行する装置の形態をとってもよい。
【0023】
以下、本実施例の強度評価装置は複数の装置からなるシステム装置として説明する。まず、本実施例における強度評価装置は、構造物に発生する応力から、そのランダム振動の周波数スペクトルデータを入力する周波数スペクトルデータ入力装置100を有する。
【0024】
次に、入力された周波数スペクトルデータの周波数スペクトルと等価な周波数特性を有する波形を生成するための三角級数の振幅を計算する振幅計算装置110を有する。
【0025】
この振幅計算装置110で計算された三角級数の位相に代入する乱数を発生させる乱数発生装置120と、振幅計算装置110で計算された三角級数によりランダム振動波形を生成する波形生成装置130とが設けられており、波形生成を繰り返して複数のランダム振動波形を得て、統計的性質を含む応力情報を推定する応力情報推定装置140と、構造物の材料強度を入力する材料強度データ入力装置150と、前記応力情報と材料強度データから構造物の破損判定を行う破損判定装置160と、各装置の情報を設計者に表示する表示装置170からなる。
【0026】
図2を用いて、本実施例における強度評価処理の流れをチャートで示す。本実施例における強度評価装置は、初めに、周波数スペクトルデータ入力装置100を使い、対象とする応力の周波数スペクトルデータを入力する(ステップ200)。この入力は、ネットワークを通じた入力や外部記憶媒体を読み取ることによる入力や、予め強度評価装置に記憶させてその記憶領域から読み出すようにしてもよい。
【0027】
周波数スペクトルとしては、例えば図3に示すようなパワースペクトル300を、デジタル値または関数などの形式で入力する。この周波数スペクトルは、各種構造物の設計条件として提供される場合や、いわゆるランダム振動解析などによって解析的に求める場合が考えられる。
【0028】
次に、振幅計算装置110により、入力した周波数スペクトルの周波数特性を有する時刻歴波形を近似する三角級数の振幅を計算する(ステップ210)。このときの三角級数は、例えば、次式(1)で表される。
【0029】
(数1)
σ(t)=a0cos(2πf0t+θ0)+a1cos(2πf1t+θ1)+Λ
+ancos(2πfnt+θn) …(数1) ここで、aiは振幅、fiは周波数、θiは位相を表す。周波数fiは、多くの場合、ランダム振動が成分を有する周波数範囲で、適当な周波数刻みΔfで等間隔に設定される。周波数スペクトルデータ入力装置100で入力したパワースペクトル300が、周波数fの関数S(f)で表される場合、振幅aiは例えば次式で近似できる。
【0030】
(数2)
i2=4×S(f)×2πΔf …(数2) そして、乱数発生装置120で、式(1)の位相θiに代入するための乱数を発生させる(ステップ220)。位相θiには、例えば図4に示すように、0〜360゜の範囲で分布する一様乱数310が使用可能である。
【0031】
波形生成装置130では、振幅計算装置110で計算した振幅aiと、乱数発生装置120で発生させた位相θiを、式(1)に代入することで、図5の応力波形320のような応力波形σ(t)を作成する(ステップ230)。
【0032】
従来技術では、発生させた一つの応力波形から、最大値や振幅分布を評価できるものの、確率論の観点からは一サンプルに過ぎないため、統計的信頼性が低い。
【0033】
そこで、本実施例における強度評価装置は、乱数を繰返し発生させることで、振幅特性が同じで、位相特性が異なる複数の波形を生成して、統計的信頼性を向上させる(ステップ240)。
【0034】
そして本実施例における強度評価装置は、応力情報推定装置140で、複数の応力波形のピーク330(図5に示す)や応力波形の最大値340(図5に示す)から、図6に示すような最大応力の確率密度分布360や、図7に示すような応力振幅の頻度分布380などの統計的情報を含む応力情報を推定する(ステップ250)ことができる。
【0035】
材料強度データ入力装置150では、あらかじめ、材料の破損判定に用いるための材料強度データを入力して内部若しくは外部に設けられた記録装置に記憶する。
【0036】
初通過破壊の判定に用いる材料強度データとしては、例えば材料の降伏応力や引張応力があり、材料タイプに応じてデジタル値などで入力する。また疲労破壊の判定に用いる材料強度データとしては、応力レベルと破壊に至る繰返し数の関係を定義した疲れ線図がある。
【0037】
疲れ線図としては、応力レベルと繰返し数の関係を定義する関数や、代表点のデジタル値を入力する。破損判定装置160では、ステップ250で得た応力情報と材料強度データ入力装置150で入力された材料強度データとを用いて、構造物の破損判定を行う。
【0038】
例えば、最大応力の確率密度分布から、最も発生確率が高い最大応力の最頻値370(図6に示す)を強度評価に用いることが可能となる(ステップ260)。最頻値の最大応力を許容応力と比較し(ステップ265)、最大応力が許容応力より大きければ破損と判定する(ステップ290)。
【0039】
また、応力振幅の頻度分布380(図7に示す)から、応力の継続時間350(図5に示す)内に作用する応力振幅と、その繰返し数の関係を推定できる(ステップ270)。
そして、例えばレインフロー法によって疲れ線図(図8に示す)の破損繰り返し数と応力振幅との関係を示す曲線390をもとに、累積疲労損傷係数を計算し(ステップ280)、累積疲労損傷係数が1より大きければ破損と判定する(ステップ290)。
【0040】
本実施例では、周波数スペクトルデータ入力装置100と材料強度データ入力装置150で入力したデータや、振幅計算装置110,乱数発生装置120,波形生成装置130、応力情報推定装置140及び破損判定装置160で得た結果を表示装置170で表示するようにした。応力情報推定装置140では、図6や図7に示したグラフを表示してもよい。また、少なくとも応力情報推定装置140で推定した統計的性質を含んだ応力情報と破損判定装置160で得られた情報を表示装置170で表示するようにしてもよく、特に破損判定装置160で得られた情報を表示装置170で表示するようにするとよい。
【0041】
以上では、応力のランダム振動の周波数スペクトルデータを入力とする強度評価装置を説明した。次に、応力のランダム振動の時刻歴波形データから、統計的信頼性を向上させる処理を行う強度評価装置を説明する。
【0042】
図9に示す強度評価装置は、構造物に発生する応力のランダム振動の時刻歴波形データを入力する時刻歴波形データ入力装置400と、時刻歴波形データから周波数スペクトルを計算する周波数スペクトル計算装置410と、周波数スペクトルの統計的信頼性を向上させるために平滑化処理を行うスペクトル平滑化処理装置420を備える。
【0043】
それ以外の装置構成は、前述の強度評価装置と同様であり、平滑化した周波数スペクトルを周波数スペクトルデータ入力装置100の入力データとして強度評価を行う。
【0044】
図10に、図9に示した強度評価装置の処理の流れをチャートで示す。初めに、時刻歴波形データ入力装置400により、応力のランダム振動の時刻歴波形データを入力する(ステップ430)。時刻歴波形データは、デジタル値または関数などの形式で入力する。
【0045】
次に、周波数スペクトル計算装置410において、入力された時刻歴波形データの周波数解析を行い、周波数スペクトルを計算する(ステップ440)。ただし一つの時刻歴波形データから計算した周波数スペクトルは、図11の周波数特性における測定値で示したように、凸凹が大きく、確率論的には統計的信頼性が低いデータである。
【0046】
そこで、スペクトル平滑化処理装置420で、周波数スペクトルの平滑化処理を行い、平滑化したスペクトル470(図11に示す)を出力する(ステップ450)。この平滑化処理を行うことで、統計的信頼性を向上できる。スペクトルの平滑化では一般的に、平滑化する周波数幅が広いほど統計的信頼性が高くなる。ただし、その反面、周波数分解能が低下する作用があるため、対象のランダム振動の周波数特性に応じて、必要とする周波数分解能以下に平滑化する周波数幅を選択する。以降の流れは、前述の図2記載の流れと同様である。
【0047】
以上から本実施例によれば、ランダム振動を示す応力の周波数スペクトルが提供される場合に、その周波数スペクトルと等価な周波数特性を有する複数の波形を近似的に生成して、応力の最大値,履歴などの統計情報を推定して設計者に提供することができるので、各種構造物の信頼性を向上させる強度評価装置を提供することが可能である。構造物としては、例えば自動車や鉄道車両のような動的なものから、橋脚や発電所のような建造物の強度を評価することができる。
【0048】
また、一つの時刻歴波形データだけが利用可能な場合でも、その周波数スペクトルを計算した後、平滑化した周波数スペクトルを用いて統計的情報を推定することで、統計的信頼性を向上させた強度評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施例における強度評価装置の構成図。
【図2】図1の強度評価装置における強度評価処理の流れを示すチャート図。
【図3】応力のパワースペクトルの例を示す図。
【図4】応力波形を模擬する三角級数の位相に用いる乱数の例を示す図。
【図5】応力波形の例を示す図。
【図6】最大応力の確率密度分布の例を示す図。
【図7】応力振幅の頻度分布の例を示す図。
【図8】疲れ線図の例を示す図。
【図9】本発明の他の実施例における強度評価装置の構成図。
【図10】図9の強度評価装置における強度評価処理の流れを示すチャート図。
【図11】応力の時刻歴波形から計算したパワースペクトルと、平滑化したパワースペクトルの比較例を示す図。
【符号の説明】
【0050】
100 周波数スペクトルデータ入力装置
110 振幅計算装置
120 乱数発生装置
130 波形生成装置
140 応力情報推定装置
150 材料強度データ入力装置
160 破損判定装置
170 表示装置
300 応力のパワースペクトル
310 一様乱数
320 応力波形
330 応力波形のピーク点
340 応力波形の最大値
350 応力波形の継続時間
360 最大応力の確率密度分布
370 最大応力の最頻値
380 応力振幅の頻度分布
390 疲れ線図中の曲線
400 時刻歴波形データ入力装置
410 周波数スペクトル計算装置
420 スペクトル平滑化処理装置
460 時刻歴波形から計算した周波数スペクトル
470 平滑化した周波数スペクトル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の強度を評価する強度評価装置において、前記構造物に発生する応力のランダム振動波形の周波数スペクトルデータを入力する周波数スペクトルデータ入力手段と、前記周波数スペクトルと等価な周波数特性を有する複数の波形を生成して求めた複数のランダム振動波形から統計的性質を含む応力情報を推定する応力情報推定手段と、前記構造物の材料強度データを入力する材料強度データ入力手段と、前記応力情報と材料強度データとから前記構造物の破損判定を行う破損判定手段とを有する強度評価装置。
【請求項2】
請求項1記載の強度評価装置において、構造物に発生する応力のランダム振動の時刻歴波形データを入力する時刻歴波形データ入力手段と、前記時刻歴波形データから求めた周波数スペクトルを平滑化処理したデータを前記周波数スペクトルデータ入力手段に入力することを特徴とする強度評価装置。
【請求項3】
構造物の強度を評価する強度評価装置において、前記構造物に発生する応力のランダム振動波形の周波数スペクトルデータを入力する周波数スペクトルデータ入力手段と、前記周波数スペクトルと等価な周波数特性を有する波形を生成するための三角級数の振幅を計算する振幅計算手段と、前記三角級数の位相に代入するための乱数を発生させる乱数発生手段と、前記三角級数によりランダム振動波形を生成する波形生成手段と、この波形生成手段を用いて波形生成を繰り返して求めた複数のランダム振動波形から統計的性質を含む応力情報を推定する応力情報推定手段と、前記構造物の材料強度データを入力する材料強度データ入力手段と、前記応力情報と材料強度データとから前記構造物の破損判定を行う破損判定手段とを有する強度評価装置。
【請求項4】
請求項3記載の強度評価装置において、前記構造物に発生する応力のランダム振動の時刻歴波形データを入力する時刻歴波形データ入力手段と、前記時刻歴波形データから周波数スペクトルを計算する周波数スペクトル計算手段と、前記周波数スペクトルの統計的信頼性を向上させるために平滑化処理を行うスペクトル平滑化処理手段を有し、このスペクトル平滑化処理手段で処理したデータを前記周波数スペクトルデータ入力手段に入力することを特徴とする強度評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−156650(P2009−156650A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333423(P2007−333423)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】