説明

弾性表面波装置及び弾性表面波フィルタ装置

【課題】電気的抵抗の増大を招くことなく、表面波の閉じ込め効率を高めることができ、それによって損失を小さくすることが可能とされている弾性表面波装置を得る。
【解決手段】圧電基板2上にIDT電極3が形成されており、IDT電極3の第1,第2のバスバー6,7が、第1の層12と、第1の層12上に形成された第2の層13とを有し、第2の層が金属膜からなり、第1の層12では、複数本の金属ストリップ14と、複数本の金属ストリップ15とが交互に配置されており、複数本の金属ストリップ14,15間に絶縁膜16が形成されている、弾性表面波装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波を利用した共振子や帯域フィルタなどの弾性表面波装置に関し、より詳細には、IDT電極のバスバーの構造が改良された弾性表面波装置及び弾性表面波フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性表面波共振子や弾性表面波フィルタ装置が、共振子または帯域フィルタなどに広く用いられている。弾性表面波装置では、圧電基板上に少なくとも1つのIDT電極が形成されている。IDT電極は、第1,第2のバスバーと、第1のバスバーから第2のバスバー側に向かって延ばされた複数本の第1の電極指と、第2のバスバーから第1のバスバー側に向かって延ばされた複数本の第2の電極指とを有する。第1,第2の電極指は,互いに間挿し合っている。
【0003】
下記の特許文献1には、このような弾性表面波装置の一例として、図17に示す弾性表面波装置501が開示されている。弾性表面波装置501では、圧電基板上に図17に模式的平面図で示されている電極構造が形成されている。この電極構造は、IDT電極502と、IDT電極502の表面波伝搬方向両側に配置された反射器503,504とを有する。IDT電極502は、第1、第2のバスバー505,506を有する。第1のバスバー505に一端が接続された複数本の第1の電極指507と、第2のバスバー506に電気的に接続された複数本の第2の電極指508とが互いに間挿し合っている。
【0004】
ここでは、第1,第2のバスバー505,506が、金属膜505a,506aと、金属膜505a,506aの一部を覆うように積層された金属膜505b,506bとを有する。第1,第2のバスバー505,506を、上記積層金属膜で形成することにより、バスバー505,506の厚みが、電極指507,508の厚みより厚くされている。それによって、表面波のエネルギーを効果的に閉じ込めることができ、かつ抵抗を低めることができるため、低損失化を図ることができる。
【0005】
他方、下記の非特許文献1には、SAWの伝搬に伴う電界が、金属ストリップグレーティングに電荷を誘起し、この電荷がSAWを再励起することによって、実効的に反射が生じる旨が記載されている。
【特許文献1】特開2002−100952
【非特許文献1】「弾性表面波(SAW)デバイスシミュレーション技術入門」(橋本研也、リアライズ社、PAGE.46、3.4.1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の弾性表面波装置では、第1,第2のバスバー505,506が積層金属膜からなるため、低損失化を図り得るものの、表面波の閉じ込めに寄与するのは、第1の層の金属膜のみであるため、表面波の閉じ込め効果がなお十分ではなかった。
【0007】
また、非特許文献1に記載の金属ストリップグレーティングをバスバーに応用した場合、IDT電極の電極指部からバスバーに伝搬してきた表面波がバスバーの金属ストリップグレーティングにより反射されることになり、表面波の閉じ込め効果を改善することができると考えられる。もっとも、このような金属ストリップグレーティングを用いたバスバーでは、通常の金属膜からなるバスバーに比べて電気抵抗が高くなり、抵抗損失が大きくなるおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、電気的抵抗の増大をさほど招くことなく、表面波を効果的に閉じ込めることができ、それによってより一層の低損失化を図ることが可能な弾性表面波装置及び弾性表面波フィルタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る弾性表面波装置は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成されたIDT電極とを備える弾性表面波装置であって、前記IDT電極が、第1,第2のバスバーと、第1のバスバーから第2のバスバーに向かって延ばされた複数本の第1の電極指と、前記第2のバスバーから前記第1のバスバーに向かって延ばされており、前記複数の第1の電極指と間挿し合うように配置された複数本の第2の電極指とを有し、前記第1,第2のバスバーが、第1の層と、第1の層上に形成された第2の層とを有し、第1のバスバーの第1の層が、前記複数本の第1の電極指にそれぞれ連なっている複数本の第1の金属ストリップと、表面波伝搬方向において第1の金属ストリップと交互に配置されておりかつ電極指の延びる方向に延ばされた複数本の第2の金属ストリップと、前記第1,第2のストリップ間を充填するように設けられた第1の絶縁膜とを有し、前記第2のバスバーの前記第1の層が、複数本の第2の電極指にそれぞれ連なる第3の金属ストリップと、表面波伝搬方向において複数本の第3の金属ストリップと交互に配置されておりかつ電極指の延びる方向に延ばされている複数本の第4の金属ストリップと、隣り合う第3,第4のストリップ間に設けられた第2の絶縁膜とを有し、前記第1,2のバスバーの各第2の層が、金属膜からなることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る弾性表面波装置のある特定の局面では、前記IDT電極が、前記第1の電極指の先端に対してギャップを介して対向されており、前記第2のバスバーに接続されている第1のダミー電極と、前記第2の電極指の先端に対してギャップを介して対向されており、電極指の延びる方向に延ばされており、前記第1のバスバーに接続されている第2のダミー電極とをさらに備え、前記IDT電極において、電極指交叉幅が最大となる部分から、弾性表面波伝搬方向両側にいくにつれて交叉幅が減少するようにIDT電極に交叉幅重み付けが施されており、前記第1のバスバーの前記第1の電極指及び前記第2のダミー電極が接続されている側の辺が、前記交叉幅重み付けの包絡線と一定の距離を隔てて配置されるように弾性表面波伝搬方向に対して傾斜された傾斜部分を有し、前記第2のバスバーの前記第2の電極指及び前記第1のダミー電極が接続されている辺が、前記交叉幅重み付けの包絡線に対して一定の距離を隔てて配置されるように弾性表面波伝搬方向に対して傾斜された傾斜部分を有し、前記第2のダミー電極が前記第2のストリップに連ねられており、前記第1のダミー電極が前記第4のストリップに連ねられている。この場合には、第1,第2のダミー電極は、さほど長くならないため、ダミー電極による抵抗損失を低減することができる。また、弾性表面波装置の小型化も進めることができる。
【0011】
また、本発明に係る弾性表面波装置のさらに他の特定の局面では、全ての前記第1,第2のダミー電極が、それぞれ、前記第4のストリップ及び第2のストリップに連ねられており、全ての第1,第2の電極指の各先端に対して対向するように前記第2,第1のダミー電極が配置されており、それによって、前記第1,第2のバスバーの各第2の層の第2,第1のバスバー側の端縁から第2のストリップ及び第2のダミー電極が連ねられた構造、並びに前記第4のストリップ及び前記第1のダミー電極が連ねられた構造が第2のバスバーまたは第1のバスバー側に向かって突出されている。この場合には、第1,第2のバスバーにおける各第2の層の形成に際しての位置ずれによる第1,第2のバスバーの第2の層と、第2,第1の電極指との所望でない短絡を防止することができる。
【0012】
本発明に係る弾性表面波装置では、好ましくは、前記第1〜第4のストリップ及び前記第1,第2のバスバーの各第2の層が、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、W、Ta、Pt、Ma、Cr、Ti及びこられの少なくとも1種の金属を主体とする合金から選択された少なくとも1種の金属材料からなり、前記絶縁膜がSiOからなる。この場合には、より低抵抗の材料を用いることで低損失化を図ることができる。
【0013】
本発明に係る弾性表面波装置は、様々な弾性表面波共振子や弾性表面波フィルタ装置に適用することができ、その電極構造は特に限定されないが、本発明の別の特定の局面によれば、少なくとも1つの直列腕共振子と、並列腕共振子とを有するラダー型の弾性表面波フィルタ装置であって、前記少なくとも1つの直列腕共振子が、本発明に従って構成された弾性表面波装置からなる、弾性表面波フィルタ装置が提供される。この弾性表面波フィルタ装置では、少なくとも1つの直列腕共振子が本発明に従って構成されているため、低損失化を図ることができ、それによって、特に、通過帯域高域側におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る弾性表面波装置によれば、第1のバスバーが、複数本の第1,第2の金属ストリップからなる第1の層と、金属膜からなる第2の層とを積層した構造を有し、第2のバスバーが、同様に第3,第4の金属ストリップと、金属膜からなる第2の層とを有するため、電気抵抗の増大を招くことなく、表面波の閉じ込め効率を高めることができる。よって、本発明によれば、従来の弾性表面波装置に比べてより一層低損失の弾性表面波装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性表面波装置を示す模式的平面であり、図3は図2のIII−III線に沿う部分を拡大して示す部分切欠断面図である。
【0017】
本実施形態の弾性表面波装置1は、弾性表面波共振子である。弾性表面波装置1は、圧電基板2上に、IDT電極3と、IDT電極3の表面波伝搬方向両側に配置された反射器4,5とを有する。圧電基板2は、本実施形態では、126°YカットX伝搬のLiNbO基板である。もっとも、圧電基板2を構成する材料は、特に限定されず、他の結晶方位のLiNbOであってもよく、LiTaOなどの他の圧電単結晶であってもよく、また圧電セラミックスを用いて形成されていてもよい。好ましくは、本構造によりIDTとバスバーの音速の関係を最適にできるため、並びに表面波のエネルギーをより効率的に閉じ込めることができるため、LiNbOが好適に用いられる。
【0018】
IDT電極3は、第1,第2のバスバー6,7を有する。第1のバスバー6及び第2のバスバー7は、本実施形態では、表面波伝搬方向に延ばされている。第1,第2のバスバー6,7は、表面波伝搬方向と直交する方向において所定の距離を隔てて平行に配置されている。
【0019】
第1のバスバー6の内側の端縁6a、すなわち第2のバスバー7側の端縁6aから第2のバスバー7に向かって延びるように、複数本の第1の電極指8が形成されている。
【0020】
他方、第2のバスバー7の内側の端縁7a、すなわち第1のバスバー6側の端縁7aからは、第1のバスバー6側に向かって延びるように、複数本の第2の電極指9が形成されている。複数本の第1の電極指8と複数本の第2の電極指9とは、互いに間挿し合っている。隣り合う第1の電極指8と、第2の電極指9とは、表面波伝搬方向に見たときに隣り合っている部分、すなわち交叉している領域を有する。
【0021】
本実施形態では、複数本の第1,第2の電極指8,9が交叉している交叉幅が、表面波方向において変化している。すなわち、図1において、包絡線A及びBで示すように、IDT電極3では、表面波伝搬方向中央において、交叉幅が最大となっており、表面波伝搬方向端部に向かうにつれて交叉幅が小さくなるように、IDT電極3に交叉幅重み付けが施されている。
【0022】
なお、包絡線とは、第1,第2の電極指8,9の先端を結ぶ仮想線であり、交叉幅領域を示すために規定される線である。包絡線Aと包絡線Bとの間が交叉幅領域、すなわち表面波が励振される電圧が印加される領域に相当する。
【0023】
なお、本実施形態では、IDT電極3には、上記交叉幅重み付けが施されているが、本発明においては、IDT電極に必ずしも重み付けが施されている必要はない。
【0024】
また、本実施形態で、第1,第2のバスバー6,7間の領域において、複数本の第1のダミー電極10と、複数本の第2のダミー電極11とが配置されている。
【0025】
第1のダミー電極10は、第2のバスバー7の端縁7aから第1のバスバー6側に延ばされている。第1のダミー電極10の先端は、ギャップを隔てて、第1の電極指8と対向されている。言い換えれば、第1のダミー電極10は、第1の電極指8の延長方向に位置している。
【0026】
他方、第2のダミー電極11は、第1のバスバー6の内側の端縁6aから第2のバスバー7側に延ばされており、その先端が、ギャップを隔てて、第2の電極指9と対向されている。言い換えれば、第2のダミー電極11は、第2の電極指9の延びる方向の延長線上において、第2の電極指9の先端とギャップを隔てて配置されている。
【0027】
本実施形態の弾性表面波装置1の特徴は、上記第1,第2のバスバー6,7にある。図2及び図3は、第2のバスバー7の要部を模式的に示す部分切欠平面図及び部分切欠正面断面図である。図3に示されているように、圧電基板2上において、第2のバスバー7が形成されている。第2のバスバー7は、第1の層12と、第2の層13とを有する。第1の層12は、複数本の第3の金属ストリップ14と、複数本の第4の金属ストリップ15とが表面波伝搬方向において交互に配置されている構造を有する。第3,第4の金属ストリップ14,15は第1,第2の電極指8,9が延びる方向と平行な方向、すなわち弾性表面波伝搬方向と直交する方向に延ばされている。本実施形態では、第1,第2の電極指8,9及び前述した任意的に設けられる第1,第2のダミー電極10,11は、全て同じ幅方向寸法を有する。第3,第4の金属ストリップ14,15も同じ幅方向寸法を有する。ここで、電極指及びダミー電極の幅並びに金属ストリップの幅とは、表面波伝搬方向に沿う寸法をいうものとする。
【0028】
上記第3の金属ストリップ14は、第2の電極指9に電気的に接続されている。本実施形態では、第2の電極指9をバスバー7が設けられている領域に延長することにより、第3の金属ストリップ14が設けられている。もっとも、第3の金属ストリップ14は、第2の電極指9と電気的に接続されている限り、形成位置が表面波伝搬方向において第2の電極指9とずれていてもよい。
【0029】
第4の金属ストリップ15は、上述した第1のダミー電極10に連ねられている。もっとも、本発明においては、第4の金属ストリップ15は、第1のダミー電極10と連ねられておらずともよい。
【0030】
上記第3,第4の金属ストリップ14,15間には、第2の絶縁膜16が形成されている。絶縁膜16は、本実施形態では、SiOからなり、第3,第4の金属ストリップ14,15と同じ厚みとされている。従って、第3,第4の金属ストリップ14,15の上面及び第3,第4の金属ストリップ14,15間の間隙を埋めるように設けられた絶縁膜16の上面は面一とされている。
【0031】
上記第3,第4の金属ストリップ14,15及び絶縁膜16の上面を覆うように、第2の層13が形成されている。第2の層13は、金属膜からなる。
【0032】
従って、バスバー7は、上記第1の層12と第2の層13とを積層した積層膜からなる。
【0033】
なお、第1のバスバー6についても、第2のバスバー7と同様に構成されている。すなわち、第1のバスバー6は、第1の電極指8に連ねられた第1の金属ストリップ17、第2のダミー電極11に連ねられた第2の金属ストリップ18及び第1の絶縁膜19からなる第1の層と、第1の層上に積層された第2の層20とを有する。
【0034】
なお、本実施形態では、第2のバスバー7側がグラウンド電位に接続されるバスバーであるため、第2のバスバー7は、反射器4,5に電気的に接続されるように形成されている。
【0035】
反射器4,5は、周知のグレーティング型反射器であり、複数本の電極指の両端が短絡されている。
【0036】
本実施形態では、反射器4,5の複数本の電極指両端を短絡しているバスバー4a,4b,5a,5bにおいても、第1,第2のバスバー6,7と同様な積層構造が用いられている。反射器4,5において、バスバー4a,4b,5a,5bは、必ずしも第1,第2の層を積層した構造を有しておらずともよい。
【0037】
上記第1,第2の電極指8,9、第1,第2のダミー電極10,11、金属ストリップ14,15,17,18並びに反射器4,5を構成する金属材料としては、適宜の金属を用いることができる。このような金属としては、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、W、Ta、Pt、Mo、Cr、Ti及びこられの少なくとも1種の金属材料を用いることができる。なお、第2の層13を構成する金属材料としても上記金属材料を好適に用いることができる。これらの金属材料を用いることにより、より低抵抗の材料を用いることで低損失化を図ることができる。
【0038】
なお、第2の層13を構成する金属材料と、第1,第2の電極指8,9や金属ストリップ14,15,17,18を構成する金属材料とは異なっていてもよい。
【0039】
また、第1,第2の電極指8,9は、金属ストリップ14,15,17,18と異なる金属材料で形成されていてもよい。
【0040】
本実施形態の弾性表面波装置1の特徴は、上記バスバー6,7が、上記積層構造を有することにあり、それによって、電気的抵抗の増大を招くことなく、表面波の閉じ込め効率を高めることができ、低損失化を図り得ることにある。
【0041】
なお、上記のように、バスバー6,7が第1,第2の層を有するために、低損失化を図り得るのは、以下の理由によると考えられる。すなわち、前述した非特許文献1では、金属グレーティングでは、表面波の伝搬に伴う電界が金属ストリップに電荷を誘起し、この電荷がSAWを再励起することにより、実効的に反射が生じる旨が記載されている。本発明では、バスバー6,7の第1の層において、第1,第2の金属ストリップ17,18または第3,第4の金属ストリップ14,15が設けられており、すなわち金属グレーティング構造が設けられている。そのため、表面波の伝搬に伴って生じた電界により、第1,第2の金属ストリップ17,18または第3,第4の金属ストリップ14,15において電荷が誘起される。よって、誘起された電荷により表面波が再励起され、それによって実効的な反射が生じ、バスバー6,7に漏れてきた表面波が反射され、表面波の閉じ込め効率が効果的に高められていると考えられる。
【0042】
次に、本実施形態の効果をより具体的な実験例に基づき説明する。
【0043】
本実験例では、第1,第2の電極指8,9は、上から順に、AlCu/Ti/Pt/NiCrの4層の金属膜を、順に90nm/10nm/70nm/10nmの厚みとなるように形成した。第1,第2のダミー電極10,11も同様にして形成した。また、金属ストリップ14,15,17,18も同様にして、第1,第2の電極指8,9及び第1,第2のダミー電極10,11と同時に形成した。
【0044】
そして、次に、圧電基板2上において、SiO膜を形成し、フォトリソグラフィーによりパターニングし、絶縁膜16,19を形成した。なお、絶縁膜16,19の形成と、金属ストリップ14,15,17,18などの形成とはいずれを先に行ってもよい。
【0045】
次に、第2の層13,20として、上から順に、Al/Ti/AlCu/Tiからなる積層金属膜を、厚みが、それぞれ、1140nm/100nm/500nm/100nmとなるように形成した。
【0046】
なお、本実験例では、バスバー6,7間に挟まれた領域において、IDT電極の第1,第2の電極指8,9を覆うように、保護膜として、上から順にSiN膜/SiO膜を30nm/1000nmの厚みに形成した。図1では、この保護膜は図示していない。これは、電極指8,9の形状及び重み付けを明瞭に示すためである。また、この保護膜は必ずしも必須ではない。
【0047】
また、IDT電極3における最大交叉幅90μm、電極指の対数は100対、電極指ピッチは1.966μm、バスバー6,7の電極指8,9の延びる方向の寸法すなわち幅方向寸法は20μmとした。
【0048】
上記のようにして得られた弾性表面波装置1のインピーダンスZ及びリターンロスを測定した。
【0049】
比較のために、図4〜図6に示す比較例の弾性表面波装置601を用意した。弾性表面波装置601では、IDT電極における第1,第2のバスバーが上述した第1,第2の金属ストリップ17,18または第3,第4の金属ストリップ14,15からなる金属グレーティングを有しないことを除いては、第1の実施形態の弾性表面波装置1と同様に構成されている。より具体的には、図4に示すように、IDT電極3が第1,第2のバスバー606,607を有する。図5及び図6において、第2のバスバー607が設けられている部分を拡大して示すように、第2のバスバー607は、圧電基板2上に形成された第1の層612と、第2の層13とを有する。ここでは、第1の層612は、グレーティング構造を有せず、金属膜により形成されている。この金属膜は、上記実施形態の金属ストリップ17,18と同様の積層金属膜からなる。
【0050】
上記第1の実施形態及び比較例の弾性表面波装置1,601のリターンロス周波数特性及びインピーダンス周波数特性を測定した。結果を図12に示す。図12において、実線が第1の実施形態の結果を、一点鎖線が上記比較例の結果を示す。
【0051】
なお、共振周波数は900MHz付近にあり、反共振周波数は930MHz付近にあり、これらの周波数付近でリターンロスが小さい場合に、良好な特性を発現する弾性表面波共振子ということができる。
【0052】
図12から明らかなように、本実施形態によれば、比較例に比べて、共振周波数である900MHz付近におけるリターンロスが小さくなっていることがわかる。すなわち、低損失化が果たされていることがわかる。
【0053】
一方、反共振周波数である930MHz付近におけるリターンロスは同程度である。
【0054】
(第2の実施形態)
図7及び図8は、本発明の第2の実施形態に係る弾性表面波装置を示す模式的平面図及びその要部を拡大して示す部分切欠平面図である。
【0055】
第2の実施形態の弾性表面波装置101は、第1,第2のバスバー106,107の平面形状及び反射器のバスバーの平面形状が異なることを除いては、第1の実施形態の弾性表面波装置1とほぼ同様とされている。従って、同一部分については、同じ参照番号を付し、第1の実施形態の説明を援用することにより省略する。
【0056】
第2の実施形態の弾性表面波装置101では、IDT電極3の第1,第2のバスバー106,107の内側の端縁106a,107aが、包絡線A及び包絡線Bと一定距離を隔てて延びる傾斜部分106b,106c,107b,107cを有する。すなわち、バスバー106,107の端縁106a,107aが、交叉幅領域に近づけられている。
【0057】
なお、図8のIII−III線に沿う断面は、第1の実施形態の弾性表面波装置1について示した図3と同様である。そのため、図3の内容及び説明を援用することとする。すなわち、本実施形態においても、第2のバスバー107は、第3,第4の金属ストリップ14,15及び第2の絶縁膜16からなる第1の層と、第1の層上に積層された第2の層13とを有する。
【0058】
同様に、第1のバスバー106も、第1,第2の金属ストリップ17,18及び第1の絶縁膜19と、第2の層13とを有する。
【0059】
従って、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、リターンロスを改善し、低損失化を図り得ると考えられる。
【0060】
上記傾斜部分106b,106cと包絡線Aとの間の距離及び傾斜部分107b,107cと包絡線Bとの間の距離をそれぞれ10μmとし、他の点については、第1の実施形態の弾性表面波装置1と同様にして、第2の実施形態の弾性表面波装置101を作製した。第2の実施形態の弾性表面波装置101のリターンロス−周波数特性を図12に破線で示す。図12から明らかなように、第2の実施形態によれば、上記比較例だけでなく、第1の実施形態に比べても、共振周波数900MHz付近におけるリターンロスを低減し得ることがわかる。すなわち、第2の実施形態では、上記第1,第2のバスバー106,107の内側の端縁106a,107aが交叉幅領域に近づけられるため、第1,第2の電極指8,9や第1,第2のダミー電極10,11で生じる電気的抵抗損を小さくすることができ、それによってリターンロスがより一層改善されるものと考えられる。
【0061】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る弾性表面波装置201の平面図であり、図10はその要部を示す模式的平面図である。第3の実施形態の弾性表面波装置201は、バスバー206,207の幅が第1の実施形態の弾性表面波装置1に比べて小さくなっていることを除いては、第1の実施形態の弾性表面波装置1と同様とされている。ここでは、第1,第2のバスバー206,207の幅は、第1の実施形態の20μmから10μmとした。なお、図9では、比較を容易とするために、第1,第2のバスバー206,207の幅を実際の割合よりも小さく図示している。
【0062】
上記のようにして得られた第3の実施形態の弾性表面波装置のリターンロス周波数特性を図13に二点鎖線で示す。なお、図13では、上記第2の実施形態のリターンロス特性も併せて示す。
【0063】
図13から明らかなように、第3の実施形態の弾性表面波装置201においても、900MHz付近におけるリターンロスが0.61dB程度であり、第2の実施形態よりは悪化するものの、図12に示した比較例の場合に比べて、リターンロスを小さくし得ることがわかる。
【0064】
もっとも、第3の実施形態では、前述した第1,第2の実施形態に比べて共振周波数付近におけるリターンロス改善効果はほぼ小さい。これは、バスバーの幅方向寸法が小さいことにより、電気的抵抗の低減効果が小さくなるためと思われる。
【0065】
第1,第2のバスバー206,207では、第2の層213,220の幅方向寸法が10μmと小さくされている。ここで、バスバーの幅及び第2の層の幅とは、電極指の延びる方向に沿う寸法をいうものとする。
【0066】
また、第2のバスバー207を代表して示すように、第2のバスバー207は、第3,第4の金属ストリップ214,215及び第2の絶縁膜216からなる第1の層と、第1の層上に形成された第2の層213とを有する。ここでは、第2の層213の幅が、バスバー207の幅よりも狭くされている。なお、バスバー207の内側の端縁207aは、接続配線221に沿う部分である。ここでは、接続配線221により、第2のバスバー207側における複数本の金属ストリップ214,215同士が短絡されており、この接続配線221から外側部分が第2のバスバー207となっている。そして、第2の層213は、第1の層よりも上記幅方向において狭い領域に形成されていることになる。
【0067】
上記接続配線221が第2のバスバー207の内側の端縁を構成していることから明らかなように、本発明において、バスバーとは、隣り合う同電位に接続される電極指同士を電気的に接続している部分をいうものとし、第3の実施形態では、接続配線221もまた、上記バスバーの一部を構成している。
【0068】
第3の実施形態のように、第1,第2のバスバーにおいて、第2の層は、第1お層の上面の全面に形成される必要は必ずしもない。もっとも、第1,第2の実施形態のように、第1の層の上面の全面にすなわちバスバーの幅方向全面にわたるように第2の層が形成されていることが好ましい。それによって、電気的抵抗をより一層低減することができる。
【0069】
(変形例)
図11は、第1の実施形態の弾性表面波装置1の好ましい変形例を説明するための模式的部分切欠平面図である。本変形例の弾性表面波装置301では、第2のバスバー7側において、弾性表面波装置1では存在しないオフセット電極302が設けられている。すなわち、図1の矢印Cで示すように、最大交叉幅部分において、第1の電極指8の先端側には、第1のダミー電極10は存在しなかった。同様に、最大交叉幅部分では、第2の電極指9の先端側に、第2のダミー電極11が対向されていなかった。
【0070】
これに対して、図11に示すように、最大交叉幅部分において、本変形例では、第1の電極指8の先端にギャップを介して、ダミー電極302が形成されている。このダミー電極302は、第1のダミー電極の1つであるが、第1の実施形態においては存在しなかった電極である。
【0071】
ダミー電極302は、第2のバスバー7の端縁7aから第1のバスバー6側に向かって突出されている。すなわち、本変形例では、最大交叉幅部分においても、第1の電極指の先端にギャップを介して第1のダミー電極302が形成されており、同様に、第2の電極指の先端にも、最大交叉幅部分において、第2のダミー電極が形成されている。このように、全ての電極指8,9の先端側にダミー電極を設ければ、バスバー6,7の第2の層の形成に際しての位置決めを容易とすることができる。すなわち、第1の実施形態では、IDT電極3における最大交叉幅付近では、電極指先端のギャップとバスバー6,7とが近接することになる。そのため、製造ばらつきにより、バスバー6,7の第2の層13,20の形成位置が電極指の延びる方向においてずれた場合、バスバーと、相手側の電極指とが接触し、短絡するおそれがある。これに対して、上記ダミー電極302が存在するように電極構造を形成しておけば、第2の層13の形成位置が電極指の延びる方向において若干ずれたとしても、上記短絡を確実に防止することができる。すなわち、オフセット電極302の長さ部分だけ、第2の層13の電極指の延びる方向における形成位置の許容度を高めることができる。
【0072】
なお、最も長さの短い第1のダミー電極302の長さを長くするほど、上記許容度を高めることができ、好ましい。もっとも、ダミー電極302の長さが長くなりすぎると抵抗損が大きくなる。そのため、最も長さの短い第1,第2のダミー電極の長さを1μm程度とすることが望ましい。
【0073】
上記第1,第2のダミー電極を全ての第1,第2の電極指の先端側に設けたことを除いては、第1の実施形態と同様にして構成された本変形例の弾性表面波装置301のリターンロス−周波数特性を、図14に実線で示す。なお、比較のために、図14においては、破線で第1の実施形態のリターンロス周波数特性を併せて示す。図14から明らかなように、オフセット電極302を設けた場合においても、リターンロスは900MHz付近の共振周波数近傍において0.6dB以下とされ得ることがわかる。
【0074】
(他の構造例)
なお、上述してきた第1〜第3の実施形態から明らかなように、本発明の弾性表面波装置は、1つのIDT電極を有する弾性表面波共振子に好適に適用されるが、他の電極構造を有する弾性表面波共振子や弾性表面波フィルタにも適用することができる。
【0075】
また、好ましくは、図15に示すラダー型フィルタの直列腕共振子または並列腕共振子として、本発明の弾性表面波装置を好適に用いることができる。
【0076】
図15に示すラダー型フィルタ401は、入力端と出力端とを結ぶ直列腕に挿入された複数の直列腕共振子S1〜S7と、直列腕とグラウンド電位との間に接続された並列腕共振子P1〜P3を有する。並列腕共振子P1,P2のグラウンド電位側の端部は共通接続され、インダクタンスL1を介してグラウンド電位に接続されている。また、並列腕共振子P3とグラウンド電位との間にも、インダクタンスL2が接続されている。
【0077】
上記ラダー型フィルタ401において、直列腕共振子S1〜S7として、第2の実施形態の弾性表面波装置101を用い、EGSM方式の携帯電話機の送信側帯域フィルタを形成した。この場合、通過帯域は880〜915MHzである。比較のために、直列腕共振子S1〜S7を、比較例の弾性表面波共振子を用いて構成したことを除いては、同様にして、ラダー型フィルタを作製し、減衰量周波数特性を測定した。図16は、上記ラダー型フィルタ及び比較のために用意したラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図であり、破線が上記実施形態の結果を、一点鎖線が比較例の結果を示す。図16から明らかなように、上記実施形態の弾性表面波装置101を用いて構成されたラダー型フィルタでは、比較のために用意したラダー型フィルタに比べて、通過帯域における挿入損失を低減することができ、特に通過帯域高域側における挿入損失を小さくすることが可能とされていることがわかる。これは、直列腕共振子S1〜S7が、第2の実施形態の弾性表面波装置1を用いて構成されていることによる。
【0078】
なお、本発明は、上述した携帯電話の帯域フィルタに限らず、様々なフィルタ回路を構成する弾性表面波装置に一般的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る弾性表面波装置の模式的平面図である。
【図2】第1の実施形態の弾性表面波装置の要部を示す部分切欠平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】比較のために用意した弾性表面波装置の模式的平面図である。
【図5】図4に示した比較例の弾性表面波装置の要部を示す部分切欠平面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う部分を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る弾性表面波装置の模式的平面図である。
【図8】第2の実施形態の弾性表面波装置の要部を示す部分切欠平面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る弾性表面波装置の模式的平面図である。
【図10】第3の実施形態の弾性表面波装置の要部を示す模式的部分切欠平面図である。
【図11】第1の実施形態の弾性表面波装置の変形例を説明するための部分切欠平面図である。
【図12】第1,第2の実施形態及び比較例の弾性表面波装置のリターンロス−周波数特性を示す図である。
【図13】第2の実施形態及び第3の実施形態の弾性表面波装置のリターンロス−周波数特性を示す図である。
【図14】第2の実施形態及び比較例の弾性表面波装置のリターンロス−周波数特性を示す図である。
【図15】本発明の弾性表面波装置を直列腕共振子として用いたラダー型フィルタの回路構成を示す図である。
【図16】本発明の弾性表面波装置を直列腕共振子として用いたラダー型フィルタ及び比較のために用意したラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。
【図17】従来の弾性表面波装置の一例を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0080】
1…弾性表面波装置
2…圧電基板
3…IDT電極
4,5…反射器
4a,4b,5a,5b…バスバー
6…第1のバスバー
6a…端縁
7…第2のバスバー
7a…端縁
8…第1の電極指
9…第2の電極指
10…第1のダミー電極
11…第2のダミー電極
12…第1の層
13…第2の層
14…第3の金属ストリップ
15…第4の金属ストリップ
16…第2の絶縁膜
17…第1の金属ストリップ
18…第2の金属ストリップ
19…第1の絶縁膜
20…第2の層
101…弾性表面波装置
106…第1のバスバー
106a…端縁
106b,106c,106d,106e…傾斜部分
107…第2のバスバー
107a…端縁
107b,107c…傾斜部分
201…弾性表面波装置
206…第1のバスバー
207…第2のバスバー
207a…端縁
213…第2の層
214,215…金属ストリップ
214a…端縁
216…接続配線
217…バスバー
220…第2の層
221…接続配線
301…弾性表面波装置
302…ダミー電極
401…ラダー型フィルタ
601…弾性表面波装置
606…第1のバスバー
607…第2のバスバー
612…第1の層
L1…インダクタンス
L2…インダクタンス
P1〜P3…並列腕共振子
S1〜S7…直列腕共振子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に形成されたIDT電極とを備える弾性表面波装置であって、
前記IDT電極が、第1,第2のバスバーと、第1のバスバーから第2のバスバーに向かって延ばされた複数本の第1の電極指と、前記第2のバスバーから前記第1のバスバーに向かって延ばさており、前記複数の第1の電極指と間挿し合うように配置された複数本の第2の電極指とを有し、前記第1,第2のバスバーが、第1の層と、第1の層上に形成された第2の層とを有し、
第1のバスバーの第1の層が、前記複数本の第1の電極指にそれぞれ連なっている複数本の第1の金属ストリップと、表面波伝搬方向において第1の金属ストリップと交互に配置されておりかつ電極指の延びる方向に延ばされた複数本の第2の金属ストリップと、前記第1,第2のストリップ間を充填するように設けられた第1の絶縁膜とを有し、
前記第2のバスバーの前記第1の層が、複数本の第2の電極指にそれぞれ連なる第3の金属ストリップと、表面波伝搬方向において複数本の第3の金属ストリップと交互に配置されておりかつ電極指の延びる方向に延ばされている複数本の第4の金属ストリップと、隣り合う第3,第4のストリップ間に設けられた第2の絶縁膜とを有し、
前記第1,第2のバスバーの各第2の層が、金属膜からなる、弾性表面波装置。
【請求項2】
前記IDT電極が、前記第1の電極指の先端に対してギャップを介して対向されており、前記第2のバスバーに接続されている第1のダミー電極と、
前記第2の電極指の先端に対してギャップを介して対向されており、電極指の延びる方向に延ばされており、前記第1のバスバーに接続されている第2のダミー電極とをさらに備え、
前記IDT電極において、電極指交叉幅が最大となる部分から、弾性表面波伝搬方向両側にいくにつれて交叉幅が減少するようにIDT電極に交叉幅重み付けが施されており、
前記第1のバスバーの前記第1の電極指及び前記第2のダミー電極が接続されている側の辺が、前記交叉幅重み付けの包絡線と一定の距離を隔てて配置されるように弾性表面波伝搬方向に対して傾斜された傾斜部分を有し、
前記第2のバスバーの前記第2の電極指及び前記第1のダミー電極が接続されている辺が、前記交叉幅重み付けの包絡線に対して一定の距離を隔てて配置されるように弾性表面波伝搬方向に対して傾斜された傾斜部分を有し、
前記第2のダミー電極が前記第2のストリップに連ねられており、前記第1のダミー電極が前記第4のストリップに連ねられている、請求項1に記載の弾性表面波装置。
【請求項3】
全ての前記第1,第2のダミー電極が、それぞれ、前記第4のストリップ及び第2のストリップに連ねられており、全ての第1,第2の電極指の各先端に対して対向するように前記第2,第1のダミー電極が配置されており、それによって、前記第1,第2のバスバーの各第2の層の第2,第1のバスバー側の端縁から第2のストリップ及び第2のダミー電極が連ねられた構造、並びに前記第4のストリップ及び前記第1のダミー電極が連ねられた構造が第2のバスバーまたは第1のバスバー側に向かって突出されている、請求項2に記載の弾性表面波装置。
【請求項4】
前記第1〜第4のストリップ及び前記第1,第2のバスバーの各第2の層が、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、W、Ta、Pt、Mo、Cr、Ti及びこられの少なくとも1種の金属を主体とする合金から選択された少なくとも1種の金属材料からなり、前記絶縁膜がSiOからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
【請求項5】
少なくとも1つの直列腕共振子と、並列腕共振子とを有するラダー型の弾性表面波フィルタ装置であって、前記少なくとも1つの直列腕共振子が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性表面波装置からなる、弾性表面波フィルタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−212580(P2009−212580A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50836(P2008−50836)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】