説明

弾球遊技機

【課題】弾球遊技機において可動役物の動作確実性を簡易な構成で担保する。
【解決手段】巻上歯車172や駆動歯車178、ワイヤ180といった昇降機構により可動役物140は昇降制御される。基準検出センサ184は、可動役物140が基準位置に到達したことを検出するセンサである。計測処理として、あらかじめ、降下完了位置から基準位置まで可動役物140を上昇させるのに要するステッピングモータのステップ数を基準上昇駆動量として計測しておく。そして、遊技実行中において、可動役物140を上昇させるときには、この基準上昇駆動量分だけステッピングモータを駆動することにより、可動役物140を基準位置まで上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぱちんこ遊技機等の遊技機に関し、特に、可動役物を安定動作させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機として様々な機種のぱちんこ遊技機が親しまれている。従来のぱちんこ遊技機の中には、遊技盤上に形成された始動口へ遊技球が落入すると、その結果としてランダムに抽選値が取得されるものがある。取得された抽選値は保留球として、たとえば最大4個まで一時記憶される。保留球は順次一つずつ読み出される。読み出された抽選値は当否判定され、特別図柄とよばれる図柄が変動表示され、特別図柄の停止表示態様により当否判定の結果が遊技者に報知される。
【0003】
当たり態様にて特別図柄が停止表示されると、いわゆる「大当たり」として特別遊技に遊技状態が移行する。特別遊技は、複数回の単位遊技で構成される。遊技盤上に形成される大入賞口は単位遊技の開始時に開放される。単位遊技はその開始から、所定期間、たとえば30秒間経過するか、あるいは単位遊技中において遊技球が大入賞口へ9球以上入賞したときに終了する。このとき大入賞口もいったん閉鎖される。単位遊技中において、大入賞口内に設けられたVゾーンとよばれる特定領域を遊技球が通過していれば、単位遊技は次の単位遊技へと継続される。このとき再び大入賞口は開放される。単位遊技は所定回数、たとえば、15回を限度として継続され得る。遊技球が大入賞口に落入すると、通常よりも多くの遊技球が賞球として払い出される。
一般的な遊技者は多くの賞球を獲得するために大入賞口を開放させる、すなわち、特別遊技に遊技状態を移行させることを目的として遊技を行う(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
特別図柄の変動表示期間中に装飾図柄や演出図柄などとよばれる演出目的の図柄も変動表示させることにより、遊技者の大当たりに対する期待感をいっそう高めることも多い。また、演出目的の機械的構造物として、いわゆる可動役物を遊技盤面上や液晶画面周囲に設けられることも多い。可動役物は、遊技の進行そのものを左右する機械的要素として利用されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−230714号公報
【特許文献2】特開2007−014408号公報
【特許文献3】特開2007−007057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
経年変化や個体差により、可動役物の最適制御量を一意に確定することは困難である。したがって、可動役物の制御プログラムには、経年変化や個体差に対応して、可動役物を最適制御する機能が求められる。一方、可動役物を軽快に動作させるため、また、ぱちんこ遊技機におけるさまざまな設計上の制約に鑑みれば、制御プログラムは、シンプルで軽量であることが望ましい。
【0007】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機において可動役物の動作確実性を比較的簡易な構成で担保するための技術、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、弾球遊技機に関する。
この弾球遊技機は、遊技球が投入される遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に対して昇降可能な可動役物と、可動役物を昇降させる昇降機構と、可動役物が所定の基準位置に到達したことを検出する基準検出センサと、昇降機構により可動役物を降下位置から上昇させるとき、基準検出センサにより可動役物の基準位置への到達が検出されるまでに要する昇降機構の上昇駆動量を基準上昇駆動量として計測する計測制御手段と、可動役物の降下終了後、昇降機構を基準上昇駆動量だけ上昇方向に駆動制御することにより可動役物を上昇させた上で、昇降機構に可動役物を支持させる上昇制御手段と、所定の遊技条件が成立したとき、昇降機構による可動役物の支持を一時的に解除して、可動役物を降下させる降下制御手段と、を備える。
【0009】
「昇降機構」は、外部動力、あるいは、重力などにより可動役物の上昇と降下を実現できる機構であればよい。外部動力としては、モータや電磁石等、既知の動力を応用すればよい。「基準位置」とは、可動役物の降下完了位置より上部に設けられればよい。「上昇駆動量」とは、昇降機構により可動役物を上昇させるときの動力、たとえば、ステッピングモータの駆動量であってもよい。より具体的にはステッピングモータのステップ数や回転数であってもよい。あるいは、可動役物を基準位置まで上昇させるために要した昇降機構の駆動制御時間として定義されてもよい。いずれにしても、ここでいう基準上昇駆動量は、降下完了位置から基準位置まで可動役物を上昇させるために昇降機構を制御すべき量を示す値であればよい。
【0010】
このような態様によれば、いったん基準上昇駆動量を測定しておけば、以後は、基準上昇駆動量に基づいて、可動役物を基準位置まで安定的に上昇させやすくなる。基準検出センサの検出信号を確認しながら可動役物を上昇制御する必要がないため、可動役物の制御プログラムをシンプルにできる。また、各弾球遊技機ごとに計測処理を実行することにより、個体差に対応した最適な基準上昇駆動量を特定できる。
【0011】
計測制御手段は、電源投入がなされるごとに、基準上昇駆動量を計測してもよい。
【0012】
電源投入がなされることに計測処理を実行することにより、昇降機構の経年変化に対応して、最適な基準上昇駆動量を求めやすくなる。
【0013】
基準上昇駆動量が所定範囲から外れるとき、可動役物に異常があるとして外部に異常報知する異常報知手段、を更に備えてもよい。
【0014】
このような態様によれば、基準上昇駆動量が許容可能な範囲から外れてしまうタイミングを検出できる。このため、経年劣化により、昇降機構の修理・交換が必要な時期を適時判定できる。
【0015】
昇降機構は、可動役物を吊持する線材と、回転により線材を巻き上げる巻上歯車と、巻上歯車に噛合する噛合部と、その噛合が解除される欠歯部とを有する駆動歯車と、を含み、駆動歯車が正方向に回転駆動されると巻上歯車の巻き上げ力によって可動役物の位置が上昇し、駆動歯車が所定の上限回転量だけ回転駆動されたときに巻上歯車と駆動歯車の噛合位置が欠歯部に到達してその噛合が欠歯期間だけ一時的に解除され、巻上歯車の遊転により可動役物が重力により降下するように構成されてもよい。
計測制御手段は、基準検出センサにより可動役物の基準位置への到達が検出されるまでに要する駆動歯車の回転量を基準上昇駆動量として計測し、上昇制御手段は、駆動歯車を基準上昇駆動量だけ正方向に回転駆動させることにより可動役物を上昇させた上で、駆動歯車の回転駆動を停止して駆動歯車と巻上歯車の噛合により可動役物を支持させ、降下制御手段は、遊技条件が成立したとき、駆動歯車を上限回転量に至るまで正方向に回転駆動させることにより、巻上歯車と駆動歯車の噛合を欠歯部にて解除させ、可動役物を降下させてもよい。
【0016】
ここでいう「重力による降下」は、たとえば、自由落下でもよいし滑落による降下でもよい。可動役物は、重力による降下後に巻上歯車によって再度上昇させられる。「線材」は、たとえば、金属ワイヤのようにその伸張方向にある程度剛性を有するものであってもよいし、ロープあるいは糸のようなものでもよい。可動役物は、この線材によって吊り下げられるように支持される。駆動歯車が正方向に回転すると、その回転力が巻上歯車に伝達されて線材を巻き上げ、可動役物が上昇する。さらに駆動歯車が正方向に回転して巻上歯車との噛合位置が欠歯部に到達すると、巻上歯車が逆回転して可動役物を降下させる。このような態様によれば、駆動歯車を正方向に回転させるだけで、可動役物の昇降を実現できる。また、ここでいう「回転量」とは、駆動歯車自体の回転数や回転角度であってもよいし、駆動歯車と噛合する巻上歯車の回転数や回転角度であってもよい。あるいは、駆動歯車を駆動する動力源、たとえば、ステッピングモータの駆動量であってもよい。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、弾球遊技機における可動役物を比較的簡易な構成にて安定動作させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【図2】可動役物の動作機構を説明するための模式図である。
【図3】ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。
【図4】本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。
【図5】計測処理の処理過程を示すフローチャートである。
【図6】ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
【図7】図6におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】図7のS42における役物制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図9】駆動歯車の逆回転により可動役物の降下を促す仕組みを説明するための模式図である。
【図10】図8のS128における復帰処理を詳細に示すフローチャートである。
【図11】図6のS16における特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0021】
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。操作ボタン82は、遊技者が遊技機に所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
【0022】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。更に遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62が拡開すると、遊技球は始動口62に入球しやすくなる。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
【0023】
大入賞口66は、特別図柄192が「大当たり」を示す態様にて停止したときに開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
【0024】
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0025】
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する演出図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。始動口62への遊技球の落入を契機として抽選(以下、「当否抽選」とよぶ)が実行される。当否抽選後、特別図柄192の変動表示が開始される。特別図柄192は当否抽選の結果に対応した図柄であり、変動表示が停止されたときの態様にて当否抽選の結果を示す。特別図柄表示装置61は、7セグメントLEDで構成される表示手段であり、特別図柄192は「0」〜「9」の10種類の数字で表される。
【0026】
当否抽選の結果は大当たりか外れのいずれかであるが、大当たりは、更に、「通常当たり」と「確変当たり」の2種類に分けることができる。確変当たりが発生すると、以後の当否抽選は通常よりも高い当たり確率にて実行される。当否抽選の当たり確率が通常よりも高く設定される遊技者に有利な遊技状態のことを「確率変動遊技」とぶ。確率変動遊技は、再度大当たりが発生するまで継続する。いいかえれば、通常当たりが発生するまで継続することになる。
以下においては、確率変動遊技が実行中であり当否抽選の当たり確率が通常よりも高く設定されている状態のことを「確変中」、当否抽選の当たり確率が通常設定の状態のことを「非確変中」とよぶことにする。
【0027】
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動するかたちで演出図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。演出図柄190は、当否抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60の画面には、演出図柄190の変動表示態様を含む演出画像が動画再生表示される。演出図柄190の変動表示は特別図柄192の変動表示と連動する。すなわち、特別図柄192の変動開始時に演出図柄190の変動表示も開始され、特別図柄192の変動停止時に演出図柄190の変動表示も停止する。また、特別図柄192の停止図柄に応じて、いいかえれば、当否抽選の結果に応じて演出図柄190の停止図柄も決まる。演出表示装置60の画面には、左変動列、中央変動列および右変動列という3つの図柄領域が設けられ、各変動列においては演出図柄190が上から下へ縦方向に変動表示される。ちょうどスロットマシンのリールを模した演出態様となる。
【0028】
特別図柄192および演出図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および演出図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した演出図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後でいったん閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、たとえば15回を限度として繰り返される。
【0029】
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62を拡開させるための抽選(以下、「普図抽選」とよぶ)の契機となる。
【0030】
遊技球が作動口68を遊技球が通過すると、普図抽選が実行され、所定時間、普通図柄が普通図柄表示装置59にて変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。普図抽選は、通常時に50%、変動時間短縮遊技、いわゆる時短時に80%の確率で当たりとなる。始動口62が拡開すると、遊技球は始動口62に入球しやすくなる。
【0031】
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の左下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。いいかえれば、4個を上限として抽選値を貯蔵できるようになっている。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。このように、4個を上限として普通図柄の抽選値も貯蔵できる。遊技効果ランプ90は遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
【0032】
演出表示装置60の上方には、センター飾り64の前方に迫り出すように可動役物140が配設されている。可動役物140は、その外観および動作の態様によって遊技の演出に供する装置であり、所定の動作条件が成立したときに、センター飾り64の背部に設けられた昇降機構により演出表示装置60の前方で昇降動作をする。ここでいう動作条件は、たとえば、当否抽選が大当たりとなったときや確変当たりとなったときに成立してもよいし、ランダムに成立してもよい。いずれにしても、遊技の進行に応じて発生する任意の事象を動作条件として設定すればよく、どのような事象を可動役物140を動作条件とするかは、遊技内容に応じて任意に設定すればよい。
本実施例においては、当否抽選が確変当たりとなって、特別図柄192の変動表示が開始されてから5秒が経過したタイミングにて、動作条件が成立するものとして説明する。いいかえれば、可動役物140が昇降するとき、遊技者は確変当たりが発生したことを特別図柄192の停止前に確信できる。変形例として、確変当たり時には90%の確率にて動作条件が成立するとして、確変当たりの発生と可動役物140の動作との因果関係に不確定性をもたせてもよい。
【0033】
なお、通常当たりであった場合、特別遊技が終了した後の通常遊技においては変動時間短縮遊技(時短)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄192および演出図柄190の変動時間が通常より短縮される。また、普図抽選の当たり確率が高くなる。時短は、特別図柄192の所定回数の変動表示後に通常状態に戻される。一般的には、変動時間短縮遊技よりも確率変動遊技の方が遊技者にとって有利であることが多い。
【0034】
図2は、可動役物140の動作機構を説明するための模式図である。
可動役物140は、架橋部170により支持され、演出表示装置60上を左右に橋渡される。架橋部170の両端には、支持部186aと支持部186bが接続される。同図向かって左側の支持部186aには線材としてのワイヤ180が固着され、そのワイヤ180は向かって左の巻上歯車172aに巻き付けられている。同様にして、同図向かって右側の支持部186bにもワイヤ180が固着され、そのワイヤ180は向かって右の巻上歯車172bに巻き付けられている。巻上歯車172aと巻上歯車172bは、互いの歯が噛み合うように設置される。
【0035】
更に、右側の巻上歯車172bには駆動歯車178が噛み合っている。駆動歯車178は図示しないステッピングモータと同軸の歯車であり、このステッピングモータにより回転駆動される。同図矢印に示すように、駆動歯車178が時計回り、すなわち同図向かって左方向の回転(以下、このような方向の回転を「正回転」とよび、反時計回り、すなわち同図向かって右方向の回転のことを「逆回転」とよぶ)すると、駆動歯車178と噛み合っている巻上歯車172bは右回転する。更に、巻上歯車172bと噛み合っている巻上歯車172aは左回転する。巻上歯車172aの左回転と巻上歯車172bの右回転により、ワイヤ180は各巻上歯車172に巻き取られることになり、結果として、駆動歯車178の正回転駆動により可動役物140が吊り上げられ、可動役物140が上昇する。本実施例においては、巻上歯車172、駆動歯車178、ワイヤ180および図示しないステッピングモータが、可動役物140の昇降機構として機能することになる。
【0036】
巻上歯車172aと巻上歯車172bは、その円周上すべてに歯が設置されているが、駆動歯車178は、その円周上の一部につおいて歯が欠けている(以下、この歯の欠けている部分を「欠歯部」とよぶ)。駆動歯車178を正回転させ続けると、巻上歯車172bと駆動歯車178の噛み合わせ位置が駆動歯車178の欠歯部に至り、巻上歯車172bと駆動歯車178とが噛み合わせが解除される。巻上歯車172bは、駆動歯車178との噛み合わせによる支えを失うことになる。結果として、巻上歯車172bは支持部186や、架橋部170、可動役物140の荷重に耐えられなくなり、左方向に回転することになる。巻上歯車172bの左回転により、巻上歯車172bと噛み合う巻上歯車172aは右回転する。こうして、可動役物140は、自重により降下することになる。このおような昇降機構においては、駆動歯車178の正回転量を調整することにより、可動役物140を昇降させることができる。
【0037】
駆動歯車178の近傍には降下開始検知センサ176が配置されている。降下開始検知センサ176は透過型フォトセンサであり、その発光部と受光部とが駆動歯車178の歯元を挟み込むように対向配置されている。駆動歯車178の正回転により巻上歯車172bとの噛合位置が欠歯部に到達すると受光部による受光がなされ、両歯車の噛合が解除されたことが検出される。実装上、降下開始検知センサ176により欠歯部への到達が検出されてから所定時間後、たとえば、0.5秒後に、可動役物140の実際の降下が開始される。ただし、本実施例においては、発明の原理を明確にするため、降下開始検知センサ176による検出のタイミングを可動役物140の「降下開始タイミング」として定義する。すなわち、降下開始検知センサ176は、「降下開始タイミング」を検出するセンサであるといえる。
可動役物140は、通常、演出表示装置60の上部所定位置(以下、「基準位置」とよぶ)において静止状態にある。
変形例として、可動役物140がこの基準位置にあるとき、可動役物140を落下させるべく駆動歯車178の正回転を開始させるタイミング、いいかえれば、可動役物140を基準位置から更に上昇開始させるタイミングを「降下開始タイミング」として定義してもよい。基準位置に可動役物140があるとき、駆動歯車178を何回転させれば、実際に可動役物140の降下が開始されるかは、設計値として特定できる。したがって、可動役物140を基準位置から上昇させるタイミングは実際に降下開始されるタイミングから一定時間だけ前のタイミングとなる。
更に、変形例として、可動役物140が基準位置にあるとき、可動役物140を落下させるべく駆動歯車178を所定回転数だけ正回転させたタイミングを「降下開始タイミング」として定義してもよい。
いずれにしても、これらの変形例による降下開始タイミングの定義方法によれば、降下開始検知センサ176を設置しなくても、可動役物140が実際に降下開始するタイミングに近いタイミングを「降下開始タイミング」として特定できる。
【0038】
基準検出センサ184は、基準位置に対応して設けられるセンサであり、可動役物140が基準位置にあるときに「基準検出信号」を後述の役物制御手段136に送信する。基準検出センサ184は、発光素子と受光素子を含む赤外線対物センサを想定する。発光素子と受光素子のいずれか一方を基準検出センサ184の位置に設け、他方を支持部186aの裏側に設けることで、基準位置における可動役物140の存在を検出する。
本実施例においては、図5に関連して後述する「計測処理」時においてのみ、基準検出センサ184の基準検出信号を利用する。
【0039】
可動役物140が落下するとき、可動役物140は下部所定位置(以下、「目標降下位置」とよぶ)、あるいは、目標降下位置よりも更に下まで落下する。降下検出センサ182は、この目標降下位置に対応して設けられるセンサであり、可動役物140が目標降下位置にあるとき、または、目標降下位置を通過したときに「降下検出信号」を後述の役物制御手段136に送信する。降下検出センサ182も、発光素子と受光素子を含む赤外線対物センサを想定する。発光素子と受光素子のいずれか一方を降下検出センサ182の位置に設け、他方を支持部186aの裏側に設けることで、目標降下位置における支持部186aの存在を検出する。
本実施例においては、可動役物140を落下させるときには、降下検出信号により、可動役物140が予定通り目標降下位置まで降下したか、を確認する。
【0040】
図3は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
【0041】
図4は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、駆動歯車178、降下検出センサ182、基準検出センサ184、降下開始検知センサ176のそれぞれと電気的・機械的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。より具体的には、遊技制御装置100は、図示しないステッピングモータを介して駆動歯車178と接続される。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0042】
メイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。サブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、異常報知手段154および役物制御手段136を備える。
なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
【0043】
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
【0044】
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を「当否抽選値」として取得する。当否抽選値は0〜65535の範囲から1つ取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる擬似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
【0045】
当否抽選手段112は、確率変動遊技の実行中以外においては低確率による当否判定のための当否テーブル(以下、「非確変当否テーブル」とよぶ)を参照し、確率変動遊技の実行中においては高確率による当否判定のための当否テーブル(以下、「確変当否テーブル」とよぶ)を参照する。非確変当否テーブルにおいては0〜255の範囲の当否抽選値が当たりと判定される。確変当否テーブルにおいては、0〜2500の範囲の当否抽選値が当たりと判定される。当否抽選手段112は、いずれかの当否テーブルを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定することにより当否抽選を実行する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄192の変動表示により示される。また、当否は演出図柄190の変動表示によっても示される。
【0046】
当否抽選手段112は、作動口68への遊技球の入球を契機として、始動口62を拡開させるか否かを判定するために乱数の値を「普図抽選値」として取得する。この普図抽選値は0〜255の範囲から1つ取得される。当否抽選と同様にして、この普図抽選値が当たりであるか否かを判定することにより普図抽選を実行する。先述したように普図抽選の当たり確率は時短中に拡大されるため、時短中は遊技球が始動口62に落入しやすくなる。普図抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の変動表示後、普通図柄の点灯態様により示される。
【0047】
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄192の停止図柄と変動パターンを当否抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止態様を普図抽選の結果に応じて決定する。停止図柄とは、図柄変動の終了時に表示すべき当否を示す図柄である。図柄決定手段114は、変動パターンを決定するためのパターン決定テーブルを保持する。
【0048】
図柄決定手段114は、特別図柄192の変動開始時においてその変動パターンを決定するための「パターン決定抽選値」を取得する。パターン決定抽選値は、「0〜255」の範囲で生成される乱数である。パターン決定テーブルは、パターン決定抽選値と特別図柄の変動パターンの対応関係を定めた判定テーブルである。図柄決定手段114は、パターン決定テーブルとパターン決定抽選値から変動パターンを決定する。こうして、特別図柄192の変動時間が決定される。
【0049】
図柄決定手段114は、長短様々な変動時間をもつ複数種の変動パターンを保持する。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に特別図柄192の変動表示が停止される。
【0050】
また、図柄決定手段114は、当否抽選実行時において0〜255の範囲で図柄抽選値を生成する。当否抽選値が当たりであるときには、図柄抽選値によって、通常当たりか確変当たりのいずれとなるかが決定される。
図柄決定手段114は、当否抽選の結果、変動パターンのIDをメイン表示制御手段118に通知する。また、図柄決定手段114は、当否抽選の結果と変動パターンのIDを演出決定手段132にも通知する。図柄決定手段114は、確変当たりと通常当たりの別を同じメイン基板102のメイン表示制御手段118やサブ基板104の演出決定手段132に通知する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄と変動パターンを普図抽選の結果に応じて決定する。
【0051】
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。保留制御手段116は、普図抽選値も保留球として保持する。普通抽選値も4つを上限として保持される。
【0052】
メイン表示制御手段118は、特別図柄192を特別図柄表示装置61に変動表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118による特別図柄192と演出表示制御手段134による演出図柄190の変動表示が同期し、連動が保たれる。
また、メイン表示制御手段118は、普通図柄を普通図柄表示装置59に変動表示させる。普図抽選が当たりであるときには、所定時間の変動表示後に当たりを示す点灯態様にて普通図柄を停止表示させ、開閉制御手段124に当たり信号を送出する。開閉制御手段124は、メイン表示制御手段118から当たり信号を受信すると、始動口62の普通電動役物ソレノイド76を駆動して、所定時間始動口62を拡開させる。
【0053】
特別遊技制御手段120は、当否抽選が当たりであった場合に、特別遊技の実行を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。単位遊技はたとえば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
【0054】
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当たり確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
【0055】
特定遊技実行手段122は、確変当たりが発生した場合、特別遊技後の通常遊技を高確率状態に設定することにより確率変動遊技を実行する。このときには、特定遊技実行手段122は、当否抽選手段112が当否抽選のために参照すべき当否テーブルとして、確変当否テーブルを設定する。高確率状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり確率は高い値のまま維持される。高確率状態において通常当たりが発生すると、特別遊技終了後の通常遊技は低確率状態となる。すなわち、特定遊技実行手段122は、当否抽選手段112が当否抽選のために参照すべき当否テーブルとして、非確変当否テーブルを設定する。
また、特定遊技実行手段122は、通常当たりが発生した場合、特別遊技後に通常遊技を時短状態に設定することにより変動時間短縮遊技を実行する。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
【0056】
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
【0057】
サブ基板104のパターン記憶手段130は、演出図柄190の変動表示も含めた演出画像の動画再生過程を示す演出パターンを保持する。演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときの演出図柄190の変動パターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときの変動パターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときの変動パターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときの変動パターンとしては、長短様々な変動時間をもつ変動パターンが含まれる。各演出パターンには、その図柄変動の終了条件として変動時間が定められており、その変動時間の経過時に演出図柄190の変動表示が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄とその変動時間が等しい演出パターンを選択する。
以下においては、特別図柄192の変動時間とその変動過程のことを「特別図柄192の変動パターン」または単に「変動パターン」、演出図柄190の変動時間とその変動過程のことを「演出図柄190の変動パターン」、演出図柄190の変動表示も含めた演出画像の動画再生過程を示すデータのことを「演出パターン」とよぶ。
【0058】
演出決定手段132は、演出図柄190の停止図柄の組合せと演出パターンを、当否抽選の結果や特別図柄192の変動パターンに応じて決定する。演出図柄190の停止態様は、3つの演出図柄190の組み合わせとして形成される。大当たり、すなわち、特別遊技への移行を示す場合は「7・7・7」や「1・1・1」のように3つの同じ演出図柄190が並んで停止表示される。
【0059】
当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「3・1・2」や「9・4・6」のように3つの演出図柄190が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「1・9・1」や「7・2・7」のように1つだけ演出図柄190が揃っていない組合せを選択する。演出パターンによる動画再生過程においては、演出図柄190の変動表示以外の動画も再生される。たとえば、当該変動が当たり変動である可能性を示唆する特別な動画を再生することにより、遊技者の大当たりに対する期待感を喚起してもよい。いわゆるスーパーリーチなどとよばれる演出態様においては、演出図柄190の変動表示以外にも様々なアニメーションや実写の動画再生がなされることが多い。
【0060】
本実施例のぱちんこ遊技機10では、特別図柄192に比べて演出図柄190の方が格段に目立つように表示される。そのため、遊技者は同じ数字の演出図柄190が並ぶか否かにより当否を認識することになる。演出決定手段132は、演出図柄190の停止図柄と演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
【0061】
演出表示制御手段134は、選択された演出パターンにしたがって演出表示装置60に演出図柄190を含む演出画像を動画表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理を更に制御する。
【0062】
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
【0063】
役物制御手段136は、通常制御手段202、復帰制御手段204、計測制御手段194および異常判定手段196を含む。通常制御手段202は、動作条件成立時においてステッピングモータを駆動することにより、ステッピングモータと同軸の駆動歯車178を正回転させ、可動役物140を昇降させる。通常制御手段202は、上昇制御手段198と下降制御手段200を含む。上昇制御手段198は、駆動歯車178を後述する基準上昇駆動量分だけ正回転させることにより、可動役物140を基準位置まで上昇させる。下降制御手段200は、巻上歯車172bと駆動歯車178との噛み合わせ部分が欠歯部に至るまで駆動歯車178を正回転させ続けることにより、可動役物140を降下させる。このときには、降下開始検知センサ176が、降下開始タイミングを検知する。
【0064】
異常判定手段196は、降下開始検知センサ176により降下開始タイミングが検知されてから所定の監視時間以内に降下検出センサ182から降下検出信号が受信されたかを判定する。監視時間以内に降下検出信号が受信されなければ、可動役物140の動作が異常であると判定する。このとき、復帰制御手段204は、可動役物140の動作状態を正常な状態に戻すための「復帰処理」を実行する。復帰処理については、図9および図10に関連して後に詳述する。計測制御手段194は、電源投入時において、次の図5に示す計測処理を実行し、基準上昇駆動量を計測する。
【0065】
図5は、計測処理の処理過程を示すフローチャートである。
同図に示す計測処理は、電源投入時の初期化処理として実行される。まず、下降制御手段200は、可動役物140をいったん落下させることを目的として、巻上歯車172bと駆動歯車178の噛み合わせが解除されるまで駆動歯車178を正回転させ続け、可動役物140を落下させてみる(S110)。落下終了後、上昇制御手段198は、可動役物140を基準位置まで上昇させることを目的として、基準検出センサ184により基準検出信号が送出されるまで駆動歯車178を慎重に正回転させ、可動役物140を上昇させる(S112)。S112の上昇処理が開始されるとき、計測制御手段194は可動役物140を上昇させるために要するステッピングモータのステップ数を計測する。基準検出センサ184は、可動役物140が基準位置に到達したときに、基準検出信号を役物制御手段136に送信する。上昇制御手段198は、基準検出信号を受信すると駆動歯車178の正回転を停止させる。計測制御手段194は、可動役物140を最下点から基準位置まで上昇させるのに要したステップ数を「基準上昇駆動量」として保存する(S114)。
【0066】
基準上昇駆動量は、常に一定値であることが望ましいが、実際には計測処理が実行されるごとにばらつきが発生する。これは、経年変化によるワイヤ180の伸縮が原因となる場合もあるし、巻上歯車172a、巻上歯車172bや駆動歯車178の間の噛み合わせ状態の経年変化が原因となることもある。このようなばらつきを考慮して、基準上昇駆動量の許容範囲が、あらかじめ設定されている。異常判定手段196は、S114で計測された基準上昇駆動量が許容範囲内に収まっているかを判定する(S116)。許容範囲外であれば(S116のN)、異常報知手段154は異常報知する(S118)。たとえば、演出表示装置60の所定領域に可動役物140の昇降機構が劣化している旨を画面表示してもよいし、ホールコンピュータ等の外部装置に異常発生を示す信号を送信してもよい。許容範囲内であれば(S116のY)、次回電源が再投入されるまで、この基準上昇駆動量に基づいて、可動役物140の動作が行われる。
【0067】
図6は、ぱちんこ遊技機10における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
同図に示す処理は、ループ処理として繰り返し実行される処理である。図5の計測処理が正常に完了し、基準上昇駆動量が取得された上で、図6の処理が実行されることになる。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の入賞処理を実行する(S10)。特別遊技中でなければ(S12のN)、特別図柄抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
【0068】
図7は、図6におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。メイン表示制御手段118は特別図柄192の変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドをサブ基板104へ送信する。これを受信した演出決定手段132は演出パターンを選択し、演出表示制御手段134は演出図柄の変動表示を開始する(S36)。
【0069】
S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動中であった場合は(S32のY)、S34からS36までの処理がスキップされる。図柄変動がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄の変動表示処理が続行される(S40)。役物制御手段136は、必要に応じて、役物制御処理を実行する(S42)。役物制御処理の詳細については図8から図10に関連して詳述する。図柄変動中でないときは(S38のN)、S40、S42の処理はスキップされる。
【0070】
図8は、図7のS42における役物制御処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、通常制御手段202は、可動役物140の動作させるための契機となる動作条件の成否を判定する(S120)。本実施例においては、当否抽選が確変当たりとなるときの図柄変動中であって、変動開始から5秒経過時に動作条件が成立するものとする。動作条件成立のタイミングでなければ(S120のN)、以降の処理はスキップさせる。
【0071】
動作条件が成立するタイミングであれば(S120のY)、下降制御手段200は駆動歯車178を落下させるために正回転させる(S122)。可動役物140は、基準位置から更に上昇することになる。異常判定手段196は、降下開始検知センサ176が降下開始タイミングを検出してから所定の監視時間が経過するまでに、降下検出センサ182により降下検出信号が受信されるか否かを判定する(S124)。正常時の落下時間が2〜3秒となる設計の場合、監視時間はそれよりも若干長めの所定時間、たとえば、5〜7秒程度に設定してもよい。この監視時間以内に降下検出信号が受信されれば、正常な降下と判定される(S124のY)。上昇制御手段198は、基準上昇駆動量だけステッピングモータを駆動して基準位置まで可動役物140を上昇させる(S126)。可動役物140を基準位置まで上昇させる上で、上昇制御手段198は、基準検出センサ184が基準検出信号を送出するタイミングを監視しながらステッピングモータの駆動量を調整する必要がない点は重要である。あらかじめ、可動役物140を基準位置まで上昇させるために要するステップ数が基準上昇駆動量として計測されているため、通常の遊技制御時においては、この基準上昇駆動量分だけステッピングモータを駆動することにより、可動役物140を基準位置に定置できる。このため、降下を終了した状態にある可動役物140を正確に基準位置まで上昇させるという処理を、シンプルなプログラムにて実現できる。
【0072】
一方、監視時間が経過しても降下検出信号が受信されず、可動役物140の目標降下位置への到達が検出されなければ(S124のN)、異常判定手段196は動作異常と判定する。このような異常は、ワイヤ180や可動役物140、支持部186等のひっかかりや、各歯車の不正常な噛み合わせが原因であることが多い。異常が発生すると、復帰制御手段204は復帰処理を実行する(S128)。S128の復帰処理については、次の図9および図10に関連して詳述する。
【0073】
図9は、駆動歯車178の逆回転により可動役物140の降下を促す仕組みを説明するための模式図である。
本実施例においては、ワイヤ180が巻上歯車172から引き出されるほど、更なる引き出しに要する力が大きくなるように構成されている。巻上歯車172aが逆回転(右回転)するほど、たとえば、ゼンマイなど既知の機械的動力により、逆回転に抗する力が大きくなるように形成すればよい。
【0074】
巻上歯車172bと駆動歯車178との噛み合わせが解除されると、可動役物140の降下が開始され、可動役物140の重さと巻上歯車172からワイヤ180を引き出すのに要する力とが均衡した地点で、可動役物140の降下が完了することになる。このときには、同図に示すように、可動役物140は、目標降下位置、あるいは、更にその下位まで降下する。可動役物140の降下が終了して停止するときには、ワイヤ180が可動役物140を上方向に持ち上げる力と、可動役物140にかかる重力とが釣り合うことになる。ただし、ワイヤ180の長さ自体には余裕があるため、駆動歯車178を逆回転させてやれば、巻上歯車172aは余っているワイヤ180を更に送り出すことができる、可動役物140を更に降下させることができる。いいかえれば、巻上歯車172と駆動歯車178の噛み合わせ位置が欠歯部分に至るとき可動役物140の自重により、可動役物140を重力により降下させることができるが、駆動歯車178を逆回転させてやれば、可動役物140をそれ以上降下させることができる。
【0075】
なお、変形例として、ワイヤ180をある程度の強度・断面積を有する剛性部材により形成してもよい。この場合、駆動歯車178を逆回転させてやれば、送り出されたワイヤ180が支持部186を下方向に押し出すことになる。このような態様によっても、駆動歯車178の逆回転により、可動役物140の更なる降下を促すことができる。
【0076】
図10は、図8のS128における復帰処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、目標降下位置まで可動役物140が降下していないとき(図8のS124のN)、復帰制御手段204は駆動歯車178を逆回転させ、能動的に可動役物140を降下させる(S130)。このような逆回転によっても目標降下位置に到達しなければ(S132のN)、異常報知手段154は外部に異常を報知する(S140)。目標降下位置まで降下できれば(S132のY)、復帰制御手段204は、通常よりもゆっくりと駆動歯車178を正回転させ、可動役物140を上昇させる(S134)。復帰制御手段204は、駆動歯車178を正回転させ、再び、可動役物140を落下させる。このときに、監視時間以内に目標降下位置まで到達しなければ(S136のN)、異常報知手段154は異常報知する(S140)。正常に降下していれば(S136のY)、復帰制御手段204は基準上昇駆動量だけ駆動歯車178を正回転させ、可動役物140を基準位置に戻す(S138)。こうして、S42において通常の役物動作処理を再開可能となる。
【0077】
ワイヤ180のひっかかりなどが発生したときに、駆動歯車178を正回転させて可動役物140を引き上げようとすると、昇降機構に無理な力がかかってしまい、回復不能な故障が発生する可能性がある。そこで、S130でいったん逆回転させて、可動役物140を降下させることにより、ワイヤや歯車の不具合の解消を試みている。また、駆動歯車178の逆回転により可動役物140を目標降下位置まで降ろすことができるとしても、どの程度逆回転させれば可動役物140を目標降下位置まで降ろすことができるかは事前に予測できない。したがって、目標降下位置まで可動役物140を降ろすことができても、どの程度、正回転させれば可動役物140を基準位置まで戻すことができるかもわからない。そこで、いったん、S134において可動役物140の重力による降下が開始するまで駆動歯車178を正回転させ、可動役物140を再降下させてみる。そして、S136にて正常な降下として検出されるかを判定する。可動役物140の重力降下と目標降下位置への到達という基本動作が正常に行われることを確認した上で、正常復帰させるため、異常の再発を防ぎやすくなっている。
なお、図5に示した計測処理時においても、S112において目標降下位置までの降下が検出できなかったときには、図10に示す復帰処理を実行してもよい。
【0078】
図11は、図6のS16における特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
特別遊技は、当否抽選が大当たりとなって特別遊技フラグがオンとなったとき、図柄変動後に実行される遊技である。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S72)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
【0079】
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。特別遊技フラグもオフされる。なお、確変当たりであったときには(S92のY)、特定遊技実行手段122は当否抽選のための当否テーブルとして確変当否テーブルを設定し(S94)、通常当たりであったときには(S92のN)、非確変当否テーブルを設定する(S96)。通常当たりの場合、特定遊技実行手段122は変動時間短縮遊技を開始する。
なお、ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
【0080】
以上、本実施例におけるぱちんこ遊技機10によれば、外部動力による上昇と重力による降下により可動役物140を昇降させる場合において、可動役物140の降下時における異常を遊技中にリアルタイムに検出できる。そして、異常時においては、可動役物140を外部動力により再上昇させるのではなく、外部動力により降下を促すことにより、昇降機構に過度の負担をかけないかたちにて、異常解消を試みることができる。特に、可動役物140のように左右のワイヤ180で吊り下げるタイプの役物の場合、その傾きにより可動役物140が降下中にひっかかる可能性がある。このため、このようなタイプの可動役物140の場合、本実施例に示した異常検出や復帰処理は特に有効である。
【0081】
また、計測処理により一度だけ、降下完了位置から基準位置まで可動役物140を引き上げるのに要するステッピングモータの駆動量を基準上昇駆動量として計測しておけば、以後においてはこの基準上昇駆動量に基づいて、可動役物140を基準位置に安定的に定置させることができる。このため、遊技中における可動役物140の制御プログラムをシンプルにできる。また、電源投入時の初期化処理として計測処理を実行すれば、経年変化や個体差に対応した妥当な基準上昇駆動量を特定できる。また、このような基準上昇駆動量が許容範囲内にあるかを判定することにより、可動役物140やその昇降機構を交換・修理すべき時期を合理的に判定できる。
【0082】
なお、ステッピングモータのステップ数以外にも、駆動歯車178や巻上歯車172の回転量について基準上昇駆動量を設定してもよい。あるいは、降下完了位置から基準位置までステッピングモータを等速駆動する場合には、その引き上げに要した時間を基準上方駆動量として設定してもよい。いずれにしても、基準上昇駆動量は、降下完了位置から基準位置まで可動役物140を上昇させるのに要する駆動量を示す値であればよい。
【符号の説明】
【0083】
10 ぱちんこ遊技機、 11 外枠、 12 前枠、 13 透明板、 14 扉、 15 上球皿、 16 下球皿、 17 発射ハンドル、 18 スピーカ、 20 抽選保留ランプ、 22 作動保留ランプ、 39 セット基盤、 40 電源スイッチ、 42 液晶ユニット、 43 払出ユニット、 44 賞球タンク、 45 払出制御基板、 46 発射装置、 47 発射制御基板、 48 電源ユニット、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 54 外レール、 56 内レール、 58 アウト口、 59 普通図柄表示装置、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 64 センター飾り、 66 大入賞口、 68 作動口、 69 通過検出装置、 72 一般入賞口、 73 一般入賞検出装置、 74 始動入賞検出装置、 76 普通電動役物ソレノイド、 78 入賞検出装置、 80 大入賞口ソレノイド、 82 操作ボタン、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 110 入球判定手段、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 116 保留制御手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 124 開閉制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 136 役物制御手段、 140 可動役物、 154 異常報知手段、 170 架橋部、 172 巻上歯車、 176 降下開始検知センサ、 178 駆動歯車、 180 ワイヤ、 182 降下検出センサ、 184 基準検出センサ、 186 支持部、 190 演出図柄、 192 特別図柄、 194 計測制御手段、 196 異常判定手段、 198 上昇制御手段、 200 下降制御手段、 202 通常制御手段、 204 復帰制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が投入される遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に対して昇降可能な可動役物と、
前記可動役物を昇降させる昇降機構と、
前記可動役物が所定の基準位置に到達したことを検出する基準検出センサと、
前記昇降機構により前記可動役物を降下位置から上昇させるとき、前記基準検出センサにより前記可動役物の前記基準位置への到達が検出されるまでに要する前記昇降機構の上昇駆動量を基準上昇駆動量として計測する計測制御手段と、
前記可動役物の降下終了後、前記昇降機構を前記基準上昇駆動量だけ上昇方向に駆動制御することにより前記可動役物を上昇させた上で、前記昇降機構に前記可動役物を支持させる上昇制御手段と、
所定の遊技条件が成立したとき、前記昇降機構による前記可動役物の支持を一時的に解除して、前記可動役物を降下させる降下制御手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−192240(P2012−192240A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−155349(P2012−155349)
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【分割の表示】特願2007−243396(P2007−243396)の分割
【原出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】